JP4826197B2 - 改ざん防止ラベル用シートおよび改ざん防止ラベル - Google Patents

改ざん防止ラベル用シートおよび改ざん防止ラベル Download PDF

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Description

本発明は、貼付後剥離、開封されたかを容易に知ることのできる改ざん防止ラベル用シートに関するものである。詳しくは、破壊が容易であり、剥離使用とした際の痕跡が残りやすく、且つ、貼付する物品の形状を問わない改ざん防止ラベル用シートに関するものである。
従来、容器の開閉部や包装材料の封緘部に、それが未開封であることを確認するために、改ざん防止用ラベルが用いられている。また、商品名、値段などの商品に関する情報を印刷、記入してなるラベルについても、偽造、改ざん、再貼付などがなされていないことを確認するために、改ざん防止シートが用いられる。このような改ざん防止用ラベルについては、例えば、破断強度及び破断伸度が小さい脆質フィルムがある(特許文献1参照)。しかし、特許文献1では、引張による破壊には対応できるものの、加熱により粘着剤の粘着力が低下し、剥離が可能となるという問題があった。また、紫外線により発色する発色剤を分散した接着剤を使用することにより開封されると発色剤が発色して開封されたことを確認しうるシートがある(特許文献2参照)。しかし、特許文献2では、紫外線をカットする透明基材の劣化などにより、未開封でも発色剤の発色が起こるおそれがあるほか、紫外線を除去した照明の中で開封すれば発色剤の発色を抑えることができるおそれがあり、また、発色剤の使用やシートの構成から、コストの面で問題がある。また、脆質性基材と熱発泡剤を含有する接着剤層を有することにより、引張による剥離のみならず加熱による剥離も防止できる偽造防止用ラベルがある(特許文献3)。しかし、特許文献3では、熱発泡剤を使用することにより、コストの面で問題がある。
特開2000−72910号公報(請求項1) 特開平9−277423号公報(請求項1〜3) 特開2000−293108号公報(請求項1)
本発明は、改ざん防止ラベル用シートとして剥離や引張により容易に破壊され、剥離しようとした際に傷が付きやすく、また、長手方向と幅方向の収縮率の差により、加熱して粘着力を低下させようとすると歪みが発生して改ざんが容易に確認できる改ざん防止ラベル用シート及びそれを用いたラベルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、主として、以下の構成を有する。すなわち、本発明は、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有するポリプロピレンよりなるシートであって、β晶分率が30%以上であるポリプロピレンを含み、厚み方向に層状に重なった孔を有してなるシートであり、引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分の条件下でのポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31B)の剥離強度が20〜300g/25mmであり、かつその剥離が、シートの内部が破壊されてなるものである改ざん防止ラベル用シートである。
また、白色度が60%以上であり、直接印刷を施すことが可能である改ざん防止ラベル用シートである。
また、鉛筆硬度がB以下である改ざん防止ラベル用シートである。
また、120℃で30分間の熱処理によるシートの長手方向と幅方向の収縮率の差が20〜80%である改ざん防止ラベル用シートである。
また、長手方向と幅方向の破断強度の和が350MPa以下である改ざん防止ラベル用シートであり、長手方向と幅方向の弾性率の和が3000MPa以下である改ざん防止ラベル用シートである。
また、ポリプロピレン樹脂よりなる空隙率が40〜95%のシートの微孔性シートである改ざん防止ラベル用シートである
また、改ざん防止ラベル用シートに機能層を設けてなる改ざん防止ラベルである。
また、機能層が接着層である改ざん防止ラベルであり、補強層である改ざん防止ラベルであり、印刷層である改ざん防止ラベルであり、改ざん防止ラベル用シートの一方の面に印刷層を、他方の面に接着層及び/または補強層を設けた改ざん防止ラベルであり、機能層の厚みが改ざん防止ラベル全体の厚みの1〜50%である改ざん防止ラベルである。

本発明によれば、以下に説明するとおり、改ざん防止ラベル用シートとして優れた特性を有する多孔質ポリプロピレンシートを提供することができる。
(1)厚み方向に層状に重なった孔を有し、ポリエステル粘着テープを用いた剥離によってシート内部で容易に破壊されることにより、ラベルを剥離してなす改ざんを防止することができる。
(2)高い白色度を有し、直接印刷可能であることにより、複雑な工程を要さずに粘着層を設けるだけでラベルとして使用することができる。
(3)鉛筆硬度が低く、傷が付きやすいことにより、改ざんしようとした、もしくは改ざんした痕跡を容易に確認することができる。
(4)熱収縮率がシートの長手方向と幅方向で異なることにより、接着剤の粘着力を低下させる目的で加熱しても、シートの変形により容易に改ざんの痕跡を確認することができる。
(5)破断強度及び弾性率が一定範囲内であることにより、どのような形状の物品にも好適に貼付することができる。
(6)樹脂として化学的に安定なポリプロピレンを用いた微多孔性シートであることにより、化学薬品を構成成分とするインキや接着剤も好適に使用することができる。
(7)印刷層や接着層、補強層などの機能層を設けた改ざん防止ラベルであることにより、一枚でラベルとして好適に使用することができる。
以下、本発明のシートを得る最良の形態、並びに本発明のシートの改ざん防止ラベルへの適用における形態について説明する。
本発明の改ざん防止ラベル用シートは、厚み方向に層状に重なった孔を有することが必要である。より好ましくは厚み方向に重なった孔の層数を10箇所において計数した平均値が、厚み10μmあたり10層以上、さらに好ましくは15層以上であり、特に好ましくは20層以上であることが、破壊の容易性の観点から好ましい。ここで、層状に重なった孔を有するとは、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡を用いて8000倍に拡大観察して撮影した断面写真において、厚み方向に10本の線を引き、その線上において樹脂と孔とが交互に存在することを云う。また、この層は樹脂と孔との界面を1層として計数した。なお、シートの断面観察においては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ10箇所の断面写真計10枚を使用した。層状の重なった孔を有することにより、シートが破壊されやすくなるほか、シート内部で破壊が伝播しやすくなる。また、印刷性やシート強度の観点から、一方の表面では層数が多く、他方の表面に向かって徐々に層数が少なくなっていくような構造とすることもできる。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分の条件下での、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31B)の剥離強度が20〜300g/25mmであり、かつその剥離が、シートの内部が破壊されてなるものであることが必要である。より好ましくは20〜250g/25mmであり、さらに好ましくは20〜200g/25mmであり、特に好ましくは、20〜150g/25mmであることが、改ざん使用とした際のシートの破壊が容易となるために好ましい。剥離強度が20g/25mm未満の場合、シートの強度不足により、ラベル台紙を用いる場合の台紙からの剥離の際など、貼付前にシートが破壊されるおそれがある。また、剥離強度が300g/25mmよりも大きい場合、シートの破壊が起こりにくく、貼付した物品からの剥離が容易となるおそれがある。
ここで、シートの内部が破壊されるとは、シート表面もしくは内部において樹脂と孔との界面が破壊され、且つシート内部で破壊が伝播することにより、破壊された部分のシートの厚みを20点測定した平均値が、シートの破壊前後で5%以上減少することをいう。シートの内部が破壊されることにより、シート表面に印刷や筆記などにより記された情報が読みとりにくくなり、または、印刷の色相が変化するために、改ざんを容易に確認することができる。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、印刷層や紙などの基材を要さずに、接着層を設けるのみでラベルとして使用するために、直接印刷を施しうることが好ましい。ここで、直接印刷を施しうるとは、サインペン(三菱鉛筆(株)製油性マーカー ピース)を用いてシートに10本の線を引いた場合に、インクの浮きやにじみがないことをいう。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、ラベルとして好適に使用するために、白色度が60%以上であることが好ましい。より好ましくは65%以上であり、特に好ましくは70%以上であることが、ラベルとして使用した際に貼付する物品の色調などによらず、記載内容を確認するために好ましい。白色度が60%以下の場合、貼付する物品の色調によってはラベルの文字が読みとりにくく、ラベルとしての使用に適合しないおそれがある。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、改ざんの痕跡を容易に確認しうる観点から、鉛筆硬度がB以下であることが好ましい。より好ましくは2B以下であることが、改ざん時にシートにかかる力によらず痕跡を確認しうるために好ましい。ここで、鉛筆硬度がB以下であるとは、JIS K5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準じて鉛筆硬度を測定した場合に、BもしくはBよりもやわらかい鉛筆によってシートに傷が付くことをいう。鉛筆硬度がBよりも大きい場合、剥離しようとした際に傷が残りにくく、改ざんの痕跡の確認が困難となるおそれがある。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、ドライヤーや加熱器具により接着剤の粘着力を低下させることによる剥離、改ざんを、シートのゆがみにより容易に確認する観点から、120℃で30分間の熱処理によるシートの長手方向と幅方向の収縮率の差が20〜80%であることが好ましい。より好ましくは10〜75%であり、さらに好ましくは20〜70%であり、25〜60%であることが特に好ましい。収縮率の差が20%未満の場合には、シートの収縮が縦横でほぼ均等に起こるために、表記された情報の歪みが少なく、改ざんされた痕跡の確認が困難となり、80%よりも大きい場合には、シートを収縮させることによる剥離が可能となり、改ざんが容易となるおそれがある。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、長手方向と幅方向の破断強度の和が50〜350MPaであることが、シート強度及びシートの取り扱い性などの観点から好ましい。より好ましくは50〜330MPaであり、50〜300MPaであることが特に好ましい。破断強度の和が50MPa未満では、ラベルとして任意の形状に成形する際や貼付時などにかかる軽い応力でも破断してしまうおそれがあるほか、貼付する物品に突起がある場合に容易に穴が空きまたは破断してしまうために、ラベルとしての使用に適しないおそれがあり、350MPaよりも大きい場合には改ざんしようとした際のシートの破壊が開始されにくく、また、シート内部での破壊が進みにくくなり、改ざんの痕跡の確認が困難となるおそれがある。
また、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、長手方向と幅方向の弾性率の和が500〜3000MPaであることが、貼付性能などの観点から好ましい。より好ましくは500〜2800MPaであり、さらに好ましくは500〜2500MPaであり、1000〜2500MPaであることが、貼付する物品に対する追従性とシート強度の観点から特に好ましい。弾性率の和が500MPa未満では貼付しようとした際に容易にかかる僅かな力でもシートの変形が起こり、ラベルとしての性能を発現しえないおそれがあり、3000MPaより大きい場合には、貼付しようとする物品の形状に追従しにくくなるおそれがある。
本発明の改ざん防止ラベル用シートは、ポリプロピレン樹脂よりなる、空隙率が40〜95%の微多孔性シートであることが、印刷性や耐薬品性の観点から好ましい。より好ましくは、空隙率が45〜95%であり、50〜90%であることが、印刷を施す際のインクの浸透性やシート強度、製膜性などの観点から特に好ましい。空隙率が40%以下では、インクが内部まで浸透しにくく、インクの浮きやにじみが起こるおそれがあり、95%以上では製膜性が悪化するほか、シート強度が低下するおそれがある。ここで、シートの空隙率は、ミラージュ貿易(株)製高精度電子比重計SD−120Lを用い、水中置換法(JIS K−7112のA法)に準じて、温度23℃、相対湿度65%の条件下にて求めたシートの見かけ比重(d1)及び、このシートを280℃の熱プレスによって熱融解して圧縮し、完全に空孔を排除し、30℃の水に浸漬して急冷したシートの見掛け比重(d2)とを測定し、下記式:
空隙率(%)=(1−d1/d2)×100
により求めた。
また、本発明におけるポリプロピレン樹脂は、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有することが、製膜性や孔の形成及び保持などの観点から好ましい。より好ましくは140〜172℃、特に好ましくは140〜165℃に少なくとも一個の融点を有することが、加工時などにおける孔の変形などの防止や製膜性の観点から好ましい。全ての融解温度が140以下では、加工などの際にシートに加えられる熱により微細な孔が閉塞するおそれがあり、全ての融解温度が175℃を越えると、延伸時にシートが破れやすく、製膜性が悪化するおそれがある。さらに、本発明の改ざん防止ラベル用シートは、孔の形成効率の観点から、少なくとも2個の融点を有することが好ましく、140〜160℃、および160〜175℃の範囲にそれぞれ少なくとも1個の融点を有することがさらに好ましく、142〜155℃、および163〜172℃の範囲にそれぞれ少なくとも1個の融点を有することが特に好ましい。
140〜175℃に少なくとも一個の融点を有するポリプロピレン樹脂としてはホモのポリプロピレンもしくは、プロピレンにプロピレン以外の第2成分、例えばエチレン又はα−オレフィンとして、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなどを1〜15重量%ランダムまたはブロックに共重合させたものなどが挙げられる。また、上記ポリプロピレン樹脂に、メタロセン触媒法による直鎖状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン−エタクリレート(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンコポリマー、イソプレンゴム(IR)、スチレン系共重合体として、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、水添スチレンブタジエンラバー(HSBR)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などのエラストマー成分を共重合または添加することができる。ポリプロピレン樹脂にエラストマー成分を共重合または添加する場合、共重合量または添加量は0.1〜15重量%であることが、柔軟性の付与による加工性の向上、印刷性及び孔の均一性の向上のために好ましい。共重合量および添加量が0.1重量%未満では添加効果を発現することができず、15重量%を越えると分散不良が起こり、ゲル状の突起が形成されたり使用条件により孔の変形や閉孔が起こったりするおそれがある。
本発明において、融点とは、ポリプロプレンシートを、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で、5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴って現れる吸熱ピークのピーク温度を指す。
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂は、結晶形態としてβ晶を30%以上含むポリプロピレンであることが、孔を多数形成するために好ましい。より好ましくはβ晶の比率が40%以上、均一な孔の形成の観点から、50%以上であることがさらに好ましい。β晶比率が30%未満では孔の形成が不十分となるおそれがある。β晶比率の上限は、本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されないが、シートの強度や孔の巨大化を防止する観点から、95%以下であることが好ましい。
ここで、本発明のシートにおけるポリプロピレンのβ晶比率とは、本発明の微多孔質ポリプロピレンシートを、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、走査型差動熱量計(DSC)により、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレンに由来する結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)から、下記式:
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100。
により求めたものである。
本発明のポリプロピレン樹脂、特にポリプロピレンにおいて、β晶比率を30%以上とするための方法としては、β晶核剤を添加する、結晶化速度を遅くするなどの方法があるが、β晶を安定して形成させるために、β晶核剤を添加することが好ましい。
本発明のポリプロピレンシートを構成するポリプロピレンに好ましく添加できるβ晶核剤としては、例えば、1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩;N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレン ジカルボキサミドなどに代表されるアミド系化合物;ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二または三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;テトラオキサスピロ化合物類;イミドカルボン酸誘導体;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;キナクリドン、キナクリドンキノンなどに代表されるキナクリドン系顔料;有機二塩基である成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分Bとからなる二成分系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではなく、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。本発明の微孔性ポリプロピレンシートを構成するポリプロピレンに添加するβ晶核剤としては、上記のなかでは特に下記化学式で表され、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレン ジカルボキサミドなどに代表されるアミド系化合物、
R2−NHCO−R1−CONH−R3
[ここで、式中のR1は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2、R3は同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
R5−CONH−R4−NHCO−R6
[ここで、式中のR4は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R5、R6は同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
有機二塩基である成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分Bとからなる二成分系化合物が、得られる微孔性シートの比重を低くでき、透過性を向上できるので、特に好ましい。
かかる特に好ましいβ晶核剤もしくはβ晶核剤添加ポリプロピレンの具体例としては、新日本理化(株)社製β晶核剤“エヌジェスター”(タイプ名:NU100など)、SUNOCO社製β晶核剤添加ポリプロピレン“BEPOL”(タイプ名:B022−SPなど)などが挙げられる。
β晶核剤の添加量は、用いるβ晶核剤のβ晶生成能にもよるが、ポリプロピレン全量に対して0.001〜10重量%であることが好ましい。より好ましくは0.005〜8重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。β晶核剤の添加量が0.001重量%未満であると、シートのβ晶分率が不十分となったり、比重が高くなったり、透過性能に劣る場合がある。β晶核剤の添加量が10重量%を超えると、添加量を増やしても、得られる微孔性シートのβ晶分率が向上せず、経済性に劣るほか、核剤自体の分散性が悪化して逆にβ晶分率が低下する場合がある。
本発明のポリプロピレンのアイソタクチックインデックス(II)は90%以上、より好ましくは95%以上であることが、製膜安定性、シートの強度の観点から好ましい。また、該ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は230℃、2.16kgの条件において、1〜20g/10分であることが、押出成形性及び微細な孔の均一な形成の観点から好ましい。
本発明のシートは、印刷性の向上や粘着層との親和性等の観点から、表面処理を施し、またはスキン層を設けた積層構造とすることができる。本発明のシートに施しうる表面処理としては、本発明のシートの特性を損なわない範囲で様々な表面処理を施しうるが、例えば、インクや粘着層と親和性の高いものを表面に塗布する処理や、コロナ処理などによる親水化処理、粘着剤をシートの一方もしくは両方の表面に塗布する処理、シートの一方もしくは両方の表面部分の孔に粘着剤を充填する処理などが挙げられる。また、積層構造とする場合には、スキン層として印刷に好適な層を設けて積層構造とする方法、スキン層として粘着剤を充填しうる層を設けて積層構造とする方法等が挙げられる。
次に、本発明の改ざん防止ラベル用シートの製造方法について、一例を説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
本発明の改ざん防止ラベル用シートの、単層のシートにおいては、結晶核剤を0.001〜10重量%含有するポリプロピレン樹脂を、180〜300℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金にて押出成形し、溶融シートを得る。この溶融シートを表面温度90〜130℃、より好ましくは100〜130℃に保たれたドラム上に押出して密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製する。冷却固化は、ドラム上への押出のみによって行っても、熱風を吹き付けながら行ってもよい。熱風を吹き付けながら行なう場合、熱風の温度は、ドラム温度と同じもしくはドラム温度よりも10〜30℃高い温度とすることが、シートの熱風が接触する面の冷却速度をドラムと接触している面と同等とするために好ましい。この時、ドラム温度が高いことにより、二軸延伸後に高い空隙率を有するシートを得ることができる。次に、シート内部に孔を形成するために、該未延伸積層シートを80〜160℃に加熱したロール群またはオーブンに導き、シート温度を80〜150℃にした後、表面温度を80〜140℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(延伸ロール)と、表面温度を30〜130℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(冷却ロール)間に通し、延伸ロールと冷却ロールの周速差で長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3〜7倍、より好ましくは4〜7倍延伸し、30〜130℃のロール群で冷却または熱処理する。続いて、長手方向に延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、110〜190℃に加熱した雰囲気中(シート温度:90〜165℃)で長手方向に垂直な方向(幅方向)に5〜12倍に延伸する。その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は15倍〜84倍、製膜安定性と生産性の両立の観点からは25〜50倍であることが好ましい。面積倍率が15倍未満であると、得られる孔の形成が不十分となり、本発明のシートの特性が得られない、また、面積倍率が84倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
このようにして得られた二軸延伸シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて140〜170℃で1〜30秒間の熱処理を行い、その後均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の多孔質シートを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
また、積層構造とする場合、スキン層の積層方法として、押出機(a)と押出機(b)を有する複合製膜装置において、それぞれ樹脂構成や添加剤、β晶比率等の異なるポリプロピレン樹脂を、180〜300℃に加熱された押出機(a)及び押出機(b)若しくは押出機(a)及び押出機(b)及び押出機(c)に供給して溶融し、それぞれTダイ複合口金内に導入し、押出機(b)のポリマーが押出機(a)のポリマーの一方の表層(片面)あるいは両方の表層(両面)にくるように、若しくは押出機(b)のポリマーが押出機(a)のポリマーの一方の表面に、押出機(c)のポリマーが押出機(a)のポリマーの他方の表面にくるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。この溶融積層シートを、表面温度90〜130℃に保たれたドラム上で密着冷却固化し、未延伸積層シートを作製する。
また、他のスキン層の積層方法として、縦延伸したシート上に押出ラミネートした後に横延伸をすることもできる。
また、本発明の改ざん防止ラベルは、本発明の改ざん防止ラベル用シートに機能層を設けてなるものである。機能層としては、本発明の改ざん防止ラベル用シートの性能を阻害しない物であればどのようなものであっても良いが、例えば、ラベルとして対象物に貼付するための接着層や、印刷性を向上させるための印刷層、加工時や成形時などにおける破断を防止するための補強層などを、改ざん防止ラベルとして好適に使用するために設けることができる。
また、本発明の改ざん防止ラベルは、機能層として接着層を設けることが好ましい。接着層を設ける方法はどのような方法でも良いが、例えば、シート状の粘着剤における一方の面と本発明のシートにおける一方の面とを接着する方法、本発明のシートの少なくとも一方の面に液状またはゲル状の粘着剤を塗布する方法、本発明のシートの少なくとも一方の面に気体と混合した粘着剤をスプレーする方法、本発明のシートの少なくとも一方の面からシート内部の孔に粘着剤を充填する方法などの方法により、接着層を設けることができる。
また、本発明の改ざん防止ラベルは、機能層として補強層を設けることが好ましい場合がある。補強層を設けることにより、持ち運び時、貼付時など、改ざん防止ラベルとしての使用時よりも以前にシートが破壊されることを防ぐことができる。強度を補強する層としては、高剛性の樹脂シートや紙などを用いることができる。たとえば強度を補強する層を積層した構成の改ざん防止ラベル用シートを得る方法としては、別々の押出機に投入した改ざん防止ラベルとしての機能を有する層を形成する樹脂と補強する層となる樹脂をそれぞれ口金内に導入し、積層された状態で共押出して目的の構成とする方法、未延伸もしくは一軸に延伸された改ざん防止ラベル用シートとなるシートに補強する層となるシートを重ね、延伸を施して積層された目的の構成とする方法、無延伸もしくは一軸に改ざん防止ラベル用シートとして用いる層となるシートの上に補強層を形成する樹脂を溶融押出し、さらに延伸を施して積層された目的の構成とする方法、一軸もしくは二軸に延伸した改ざん防止ラベル用シートに補強する層となるシートを貼り合わせることにより目的の構成とする方法などがあるが、製造の容易さの観点から、樹脂シートとの積層構成とする場合には各層を形成する樹脂を別々の押出機に投入し、口金内で積層して共押出し、延伸を施して目的の構成とすることが好ましく、紙のような形状のものとの積層構成とする場合には、一軸もしくは二軸に延伸した改ざん防止ラベル用シートとして用いる層となるシートに補強する層となるシートを貼り合わせることにより目的の構成とすることが好ましい。
また、本発明の改ざん防止ラベルは、機能層として印刷層を設けることが好ましい場合がある。印刷層としては、高空隙率としてインク吸収量を向上させた層、親水化処理を施して水性インキとの親和性を向上させた層等が挙げられる。印刷層を設ける方法としてはどのような物でも良いが、例えば、別々の押出機に投入した改ざん防止ラベル用シートとなる層を形成する樹脂と印刷層を形成する樹脂をそれぞれ口金内に導入し、積層された状態で共押出して目的の構成とする方法、一軸若しくは二軸に延伸した改ざん防止ラベル用シートに印刷層となるシートを貼り合わせることにより目的の構成とする方法などがある。また、水性インキとの親和性を向上させた層を設ける場合には、高空隙率層に親水化処理剤を塗布して親水化する方法や、改ざん防止ラベル用シートに親水化処理を行ったシートを貼り合わせる等の方法により印刷層を設けることができる。

[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
(1)剥離強度及び剥離形態
シートの剥離強度及び剥離形態は、JIS Z−0237に準じ、シートに長さ200mmに切った、幅25mmのポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31B)を、粘着テープの端部10mmを残して、粘着テープ上を2kgのローラーを用いて1往復させることにより接着し、さらにシートの粘着テープを接着した面と反対の面を厚さ10mmのアクリル板で保持してサンプルとした。このサンプルを25℃の環境下で5分間保持した後、TOYO BALDWIN CO.LTD製テンシロンにより、引き剥がし角度180°、引き剥がし速度300mmとして剥離強度を10点測定し、その平均値を剥離強度とした。
剥離形態は、剥離後のポリエステル粘着テープの剥離強度測定に用いられた部位の厚みを10点測定し、ポリエステル粘着層の平均厚みと比較した厚みの増加分が、シートの厚みの5%以上である点が8割以上である場合をシート内部の破壊、8割未満である場合を破壊無しとした。
(2)層数
層数は、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡を用いて、8000倍に拡大観察して撮影した写真により求めた。層数は、互いに異なる測定視野から任意に選んだ10カ所の断面写真計10枚において、写真上に、厚み方向に長さ80mmの線(長さ10μm分に相当)を10本引き、層数を計数することにより求めた。層は、線上において樹脂と孔が交互に存在する部分において、樹脂と孔との界面を1層として計数した。




(3)厚み
厚みは、JIS K−7130のA法に準じ、125gfの錘を付けた、(株)尾崎製作所製ダイヤルゲージPEACOCK No.25を用いて測定した。測定は、ダイヤルゲージの測定子を直径5mmの平型の測定子とし、シートの任意の点20点について厚みを測定し、その平均値をシートの厚みとした。
(4)白色度
白色度は、日本電色工業(株)製分光式色差計SE−2000型を用いて、JIS Z−8722に準じた光学条件により、色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
により求めた。
(5)印刷性
シートの印刷性は、サインペン(三菱鉛筆(株)製油性マーカー ピース)を用いてシートに、10本の長さ50mmの線を20mm以上の間隔を開けて書き、(株)旭小津製ハイゼガーゼNT−4で筆記部を拭き、筆記部及びハイゼガーゼの汚染状態から、目視により、下記のように判定し、可以上を合格とした。
良:8本以上においてにじみがなく、ハイゼガーゼの汚染がほとんどない
可:5〜7本においてにじみがなく、ハイゼガーゼの汚染が少ない
不可:にじみがない線が5本未満であり、ハイゼガーゼが汚染されている 。
(6)鉛筆硬度
シートの鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準じて、B〜3Bの鉛筆を用いて、荷重を2kgとして測定した。鉛筆硬度は、10点について測定し、下記のように評価した。
良:2Bもしくは3Bの鉛筆でシートに傷が残る
可:Bの鉛筆でシートに傷が残る
不可:Bの鉛筆でシートに傷が残らない 。
(7)熱収縮率
熱収縮率は、シート長手方向、幅方向それぞれをサンプルの長さ方向としてサンプル幅10mm、サンプル長200mmのサンプルをギアオーブンにより120℃、30分の条件下で熱処理し、サンプル長の変化から、下記式:
熱収縮率(%)=[(熱処理前の長さ−熱処理後の長さ)/熱処理前の長さ]×100
により求めた。
熱収縮率の差は、シートの長手方向及び幅方向の熱収縮率をそれぞれ10点について測定して平均値を求め、下記式:
熱収縮率の差(%)=[|(長手方向の収縮率−幅方向の収縮率)|/収縮率の大きい方の収縮率]×100
により求めた。
(8)破断強度及び弾性率
破断強度及び弾性率は、オリエンテック社製テンシロン(引っ張り試験機)を用いて、25℃において測定した。測定は、シートの長手方向、幅方向をそれぞれサンプルの長さ方向としたサンプル幅10mm、サンプル長50mmのサンプルについて、サンプルの長さ方向へ300mm/minの速度で引っ張り、シートの長手方向、幅方向の破断強度及び弾性率(MPa)をそれぞれ10点測定し、長手方向と幅方向の平均値を足して和を求めた。
(9)比重及び空隙率
シートの比重は、シートを30mm×40mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、ミラージュ貿易(株)製高精度電子比重計SD−120Lを用い、水中置換法(JIS K−7112のA法)に準じて10点について測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。また、測定は、シートの見かけ比重(d1)を測定した後、さらに、このシートを280℃の熱プレスによって熱融解して圧縮して完全に空孔を排除したシート作成し、該シートを30℃の水に浸漬して急冷したシートの見掛け比重(d2)を同様に測定する。シートの空隙率は下記式:
空隙率(%)=(1−d1/d2)×100
により求めた。
(10)融解熱量及びβ晶比率
融解熱量は、ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレンフィルムをセイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用い、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレンに由来する結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)を測定する。β晶比率は、下記式:
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100
により求めた。
(11)融点
融点は、ポリプロプレンフィルムを、セイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用いて、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴う吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とした。
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)96.8重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)3重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.2重量%添加混合し、二軸押出機に供給して200℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを100℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に5倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、柔軟で鉛筆強度が低く、また、収縮率の差が大きいために、改ざん防止の目的に適していた。
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2011C、MFR:1.3g/10分、II:96%)99.95重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.05重量%添加混合し、二軸押出機に供給して200℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度90℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に5倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に7倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=35倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて160℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、白色度、印刷性にはやや劣るものの、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、柔軟で鉛筆強度が低く、また、収縮率の差が大きいために、改ざん防止の目的に適していた。
(実施例3)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2016、MFR:2.1g/10分、II:96%)40重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)5重量%と、β晶核剤として、SUNOCO社製“BEPOL”(タイプ:B022−SP、MI:1.8g/10分)55重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを100℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、シートの長手方向に6倍延伸し、50℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、155℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=48倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向10%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、柔軟性には若干劣るものの、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、鉛筆強度が低く、また、収縮率の差が大きいために、改ざん防止の目的に適していた。
(実施例4)
ポリプロピレン樹脂(出光石油化学(株)製、タイプ:F200ST1、MFR:1.3g/10分、II:97%)99.5重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.5重量%添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを300℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを100℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、シートの長手方向に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に7倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=28倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向7%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、熱収縮率の差はやや小さいものの、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、柔軟で鉛筆強度が低く改ざん防止の目的に適していた。
(実施例5)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2016、MFR:2.1g/10分、II:96%)30重量%と、β晶核剤として、SUNOCO社製“BEPOL”(タイプ:B022−SP、MI:1.8g/10分)70重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃でガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレン90重量%に、ガラス転移点(Tg)150℃の非相溶性樹脂ポリカーボネート(出光石油化学(株)製、タイプ:A1700、分子量:17000、MI:27g/分)10重量%を添加混合して、280℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを140℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に4倍延伸し、80℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、160℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に10倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて150℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、柔軟性には若干劣るものの、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、鉛筆強度が低く、また、収縮率の差が大きいために、改ざん防止の目的に適していた。
(実施例6)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FS2016、MFR:2.1g/10分、II:96%)99.8重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.2重量%添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、改ざん防止層を構成する樹脂Aを得た。次に、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FS2016、MFR:2g/10分、II:96.5%)99.85重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)0.15重量%とを混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、補強層を構成する樹脂Bを得た。次に、樹脂Aを220℃に加熱された押出機Aに、樹脂Bを260℃に加熱された押出機Bに供給して溶融し、β晶ポリプロピレン樹脂Aとポリプロピレン樹脂Bの積層比がA:B=9:1となるようにTダイ口金内でA/B2層に積層して、シート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上にβ晶ポリプロピレンの層がキャストドラム側となるように密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に5倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて160℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、柔軟性には若干劣るものの、強度が高く、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、鉛筆強度が低いために、改ざん防止の目的に適していた。
(実施例7)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FS2016、MFR:2.1g/10分、II:96%)96.8重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)3重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、改ざん防止層を構成する樹脂Aを得た。次に、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)95重量%と、平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)5重量%を混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、補強層を構成する樹脂Bを得た。次に、樹脂Aを220℃に加熱された押出機Aに、樹脂Bを280℃に加熱された押出機Bに供給して溶融し、β晶ポリプロピレン樹脂Aとポリプロピレン樹脂Bの積層比がA:B=9:1となるようにTダイ口金内でA/B2層に積層して、シート状に押出成形し、表面温度90℃に加熱されたキャストドラム上にポリプロピレン樹脂Bの層がキャストドラム側となるように密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に5倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて145℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。但し、印刷性及び鉛筆硬度については、β晶プロピレンの層側の表面について測定した。得られたシートは、柔軟性には若干劣るものの、強度が高く、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、収縮率の差が大きく、鉛筆強度が低いために、改ざん防止の目的に適していた。
(実施例8)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)93.8重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)3重量%と、エチレン・αオレフィン共重合体の“エンゲージ”8411(ダウ・ケミカル社製)3重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、改ざん防止層を構成する樹脂Aを得た。次に、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)90重量%と、平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)10重量%を混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、補強層を構成する樹脂Bを得た。次に、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)94.8重量%と、平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)5重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、印刷層を構成する樹脂Cを得た。次に、樹脂Aを220℃に加熱された押出機Aに、樹脂Bを280℃に加熱された押出機Bに供給して溶融し、β晶ポリプロピレン樹脂Aとポリプロピレン樹脂Bの積層比がB:A:C=5:90:5となるようにTダイ口金内でB/A/C3層に積層して、シート状に押出成形し、表面温度110℃に加熱されたキャストドラム上にポリプロピレン樹脂Bの層がキャストドラム側となるように密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを125℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に5倍延伸し、80℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて150℃で横方向3%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、柔軟性には若干劣るものの、強度が高く、シートの内部で破壊が起こったほか、層数が多く、収縮率の差が大きく、鉛筆強度が低いために、改ざん防止の目的に適していた。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2011CMFR:1.3g/10分、II:96%)90重量%と、β晶核剤として、SUNOCO社製“BEPOL”(タイプ:B022−SP、MI:1.8g/10分)10重量%添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度80℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを120℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、シートの長手方向に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に7倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=28倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向7%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、シートの内部での破壊が起きず、また、鉛筆強度が高く、改ざん防止に目的に適していなかった。
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)49.95重量%と、エチレン−プロピレンランダム共重合体(サンアロマー(株)製、タイプ=PC540R、MFR=5g/10分)50重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.05重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して200℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを140℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=32倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、鉛筆強度が低いものの、シートの内部での破壊が起きず、改ざん防止の目的に適していなかった。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FS2016、MFR:2g/10分、II:96.5%)89.98重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.02重量%、平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)10重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを300℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度80℃に加熱されたキャストドラム上にβ晶ポリプロピレンの層がキャストドラム側となるように密着させて冷却固化し、未延伸シートを作製した。該未延伸シートを140℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、シートの長手方向に4倍延伸し、90℃のロールで冷却した。続いて、延伸したシートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、125℃に加熱した雰囲気中でシートの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=32倍)、シートの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンシートを得た。得られたシートの特性を表1に示す。得られたシートは、シートの内部での破壊が起きず、改ざん防止に目的に適していなかった。
Figure 0004826197
本発明の改ざん防止ラベル用シートは、剥離や引張により容易に破壊され、剥離しようとした際に傷が付きやすく、また、長手方向と幅方向の収縮率の差により、加熱して粘着力を低下させようとすると歪みが発生して改ざんが容易に確認できる改ざん防止ラベル用シート及びそれを用いたラベルとして用いることができる。

Claims (12)

  1. 140〜175℃に少なくとも1個の融点を有するポリプロピレンよりなるシートであって、β晶分率が30%以上であるポリプロピレンを含み、厚み方向に層状に重なった孔を有してなるシートであり、引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分の条件下でのポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31B)の剥離強度が20〜300g/25mmであり、かつその剥離が、シートの内部が破壊されてなるものであることを特徴とする、改ざん防止ラベル用シート。
  2. 白色度が60%以上であり、直接印刷を施すことが可能であることを特徴とする請求項1に記載の改ざん防止ラベル用シート。
  3. 鉛筆硬度がB以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の改ざん防止ラベル用シート。
  4. 120℃で30分間の熱処理によるシートの長手方向と幅方向の収縮率の差が20〜80%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の改ざん防止ラベル用シート。
  5. 長手方向と幅方向の破断強度の和が50〜350MPaであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の改ざん防止ラベル用シート。
  6. 長手方向と幅方向の弾性率の和が500〜3000MPaであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の改ざん防止ラベル用シート。
  7. ポリプロピレン樹脂よりなる、空隙率40〜95%の微多孔性シートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の改ざん防止ラベル用シート。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の改ざん防止ラベル用シートの少なくとも一方の面に機能層を設けてなる改ざん防止ラベル。
  9. 機能層が少なくとも接着層を含むものであることを特徴とする請求項に記載の改ざん防止ラベル。
  10. 機能層が少なくとも補強層を含むものであることを特徴とする請求項に記載の改ざん防止ラベル。
  11. 機能層が少なくとも印刷層を含むものであることを特徴とする請求項〜1のいずれかに記載の改ざん防止ラベル。
  12. 機能層が一方の面に印刷層を、他方の面に接着層及び/または補強層を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の改ざん防止ラベル。
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