JP4822995B2 - メタルシール及びその製法 - Google Patents
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Description
このような腐食性ガスを密封する材料としては、ステンレス鋼とアルミニウム(又はアルミニウム合金)が好適である。
そこで、ステンレス鋼の表面にアルミニウム又はアルミニウム合金をメッキして、相手の被シール部材に対して軟質のアルミニウム又はアルミニウム合金を接触させることで、「なじみ」を良好に維持し、密封性能を高めることは理想的であるとしても、実用上、アルミニウム系金属をステンレス鋼にメッキする安価な方法は知られていない(至難乃至不可能である)。
また、上記アルミニウム系軟質金属層は、上記溶射の後に研磨にて表面が平滑に形成されている。さらに、好ましくは、上記アルミニウム系軟質金属層は、その厚さ寸法が5μm〜 100μmであり、かつ、ビッカース硬度が20〜50である。なお、溶射の前工程として、ステンレス鋼製シールの溶射予定部位にサンドブラスト,ショットブラスト等により粗面化加工を施しても良い。
本発明に係るメタルシールは、半導体製造装置等に用いた場合、腐食性ガスにも十分な耐食性を備え、相手部材(被シール部材)となじみ易く、優れたシール性能を発揮して、高真空(又は、逆に高圧)用に好適である。従来の金メッキや銀メッキのものに比較して、安価である。
図1,図2及び図3は、本発明の実施の一形態を示し、図1は自由状態(未装着状態)の全体の断面図、図2は装着使用状態の要部拡大断面図、図3はその製法の一例を示す説明図であり、この図1〜図3に於て、本発明に係るメタルシールSは、ステンレス鋼製のシール本体1と、アルミニウム系軟質金属層3とを、具備する。
シール本体1は、ステンレス鋼の薄板状素材5からプレス加工(塑性加工)により形成される場合を例示している。このメタルシールSは、全体が円形,略矩形,多角形,長円形,楕円形等の環状であって、相互に平行な第1平坦面部11を有する被シール部材21と第2平坦面部12を有する被シール部材22との間に、介装される。
言い換えると、図1と図2に示すメタルシールSは、緩やかに弯曲壁にて構成された略円錐台形状であって、第1接触凸部14の存在する内周縁16にて、孔部6が形成されている。
アルミニウム系金属を溶射した状態では、溶射層は多数のポーラスを有し、表面は粗いが機械研磨によれば、組織が緻密化し、かつ、表面が平滑化して、流体密封性(シール性)が向上する。かつ、図2に於て、軟質金属層3が、内外周端面1a,1b側の端部が角がとれ、丸味を有していることを示す。
そして、図1と図2では、アルミニウム系軟質金属層3は、内外周端面1a,1bを除いて全面的に付着した場合を図示したが、被シール部材21, 22の平坦面部11, 12に対して、その間隔寸法Hの大小変化に伴って接触する接触部位E,E───つまり、第1・第2接触凸部14, 15───にのみ、乃至、その近傍にわたってのみ、付着するも好ましく、図12では、そのような場合を例示する。
従って、前述の図1と比較すれば、図5(B)のものでは、外周端面1bにまでアルミニウム系溶射層3Aが付着している点が、相違点である。
その後、図10に示す熱処理炉20に、研磨後の中間品9Aを搬入(装入)して、溶射層を焼きなましして、軟化させ、軟質金属層3を形成する(図1参照)。
その後、図6(C)及び図7に示すように、アルミニウム系金属を溶射して、アルミニウム系溶射層3Aを全面にわたって付着して、中間品9Aを作製し、次に、図8に示すようにこの中間品9Aを研磨材23と共に回転バレル19に投入して、攪拌すると、図7では溶射後の小さな凹凸面(粗面)であった表面は、図9に示すように平滑化し、組織上の微小空隙部(ポーラス)も圧潰されて、組織は緻密化する(機械研磨工程)。
その後、図10に示すように熱処理炉20に、研磨した中間品9Aを搬入(投入)して、焼きなましして、溶射層を軟化させ、軟質金属層3を形成して図11に示すようなメタルシールSを得る。
図13(B)に、矢印Fで示すように第1被シール部材21が第2被シール部材22へ接近作動して、間隔寸法Hが減少変化してゆくに従って、このメタルシールSは矢印M1 のように捩れ弾性変形を生じて、矢印M1 と反対方向への弾性的復元力を発生して、第1・第2接触凸部31, 32(の外周面)から成る接触部位E,Eが弾発的に第1・第2平坦面部11, 12に接触する。
このような接触部位E,Eとその近傍にのみ、既述した製法と同様に、溶射にて付着すると共に熱処理(焼きなまし)にて軟化したアルミニウム系軟質金属層3が、被覆形成されている。なお、図8にて説明した回転バレル19による攪拌の機械研磨等が、上記溶射工程と熱処理工程の間に介在して、溶射層の表面の平滑化と、組織の微小空隙部(ポーラスや気孔)を圧潰する。なお、電解研磨を用いてもよい場合もある。
そして、図13では接触部位Eにのみアルミニウム系軟質金属層3を被覆したが、所望により、その他の部位にも被覆を行っても自由であり、全周面に被覆することも自由である。
図13や図14に於けるアルミニウム系軟質金属層3の厚さ寸法T3 は、5μm〜 100μmであり、かつ、ビッカース硬度は20〜50である点は、図1〜図12の場合と同様である。
なお、軟質金属層3としてアルミニウム合金を用いる場合、融点が低く、溶射し易いという利点がある。また、熱処理(焼きなまし)の条件としては、 300℃〜 400℃で 0.5〜 3.0時間が好ましい。
また、上記アルミニウム系軟質金属層3は、その厚さ寸法T3 が5μm〜 100μmであり、かつ、ビッカース硬度が20〜50であるので、被シール部材21, 22に対して、適度に変形しつつ密に接触して(なじみが十分となり)、優れたシール性能を、高真空(又は高圧)の雰囲気にて、示す。なお、T3 <5μmでは十分ななじみが得られず、シール性能が悪化する。逆に、T3 > 100μmでは、溶射量が過大となり、製造上作業性が悪化する。そして、ビッカース硬度が20未満であると柔らか過ぎて、アルミニウム系軟質金属層3の一部が局部的に高面圧(接触)部位から逃げてしまって、シール本体が被シール部材21, 22と接触する虞がある。逆に、ビッカース硬度が50を越すと、前記なじみが急に悪化し、流体漏洩を発生することとなる。
また、上記軟質金属層3を、被シール部材21,22に上記シール本体1が接触する接触部位Eに重点的に厚く形成することによって、溶射作業時間を短縮でき、省資源にも貢献できる。
3 軟質金属層
3A 溶射層
5 素材
21, 22 被シール部材
S メタルシール
E 接触部位
T3 厚さ寸法
Claims (5)
- ステンレス鋼製のシール本体(1)と、装着使用状態で被シール部材(21)(22)に該シール本体(1)が接触する接触部位(E)に溶射にて付着されると共に熱処理にて軟化させたアルミニウム系軟質金属層(3)とを、具備することを特徴とするメタルシール。
- 上記アルミニウム系軟質金属層(3)は、上記溶射の後に研磨にて表面が平滑に形成されている請求項1記載のメタルシール。
- 上記アルミニウム系軟質金属層(3)は、その厚さ寸法(T3 )が5μm〜 100μmであり、かつ、ビッカース硬度が20〜50である請求項1又は2記載のメタルシール。
- ステンレス鋼の素材(5)又は中間製品(25)又は最終形状のシール本体(1)に、アルミニウム又はアルミニウム合金を溶射してアルミニウム系溶射層(3A)を付着し、次に研磨工程によって上記溶射層(3A)の表面を平滑化し、次に熱処理工程によって上記溶射層(3A)を軟化させて軟質金属層(3)とすることを特徴とするメタルシールの製法。
- 上記軟質金属層(3)を、被シール部材(21)(22)に上記シール本体(1)が接触する接触部位(E)に重点的に厚く形成する請求項4記載のメタルシールの製法。
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