JP4822604B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置における記憶セルへのデータ書き込みに関するものであり、特に、書き込み動作時における低消費電流化、あるいは高速化、及び安定動作に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータ技術の進展に伴い、3次元動画の描画のようにアドレスサイクルが不規則に変化するグラフィックス用途に適用できるメモリが必要とされ、データの読み出しサイクルか書き込みサイクルかを問わず高速なランダムアクセス性能が要求される。しかし、ダイナミックランダムアクセスメモリ(以下、DRAM)や同期型DRAM(以下、SDRAM)に代表される同期型半導体記憶装置のように、行アドレスと列アドレスとをマルチプレクスして別々のタイミングで入力する方式のメモリでは、この種の高速なランダムアクセス性を実現することができない。
【0003】
そこで、DRAMやSDRAMの高集積性を活かしながら、スタティックランダムアクセスメモリ(以下、SRAM)の高速サイクルタイム性を実現する高速メモリとして、アドレスをマルチプレクスせずに入力し、1コマンドで読み出しサイクルか書き込みサイクルかを確定するメモリが考案されてきている。ファストサイクルランダムアクセスメモリ(Fast Cycle RAM、FCRAM(登録商標))が代表的なデバイスである。
【0004】
図9に示すメモリセル部M1000は、高速メモリの構成を示す具体例である。説明の便宜上、必要な構成要素を抜粋したものであり、高速メモリの一部を示している。メモリセルTa乃至Tdは、各々ビット線/BL、/BLM、BL、BLMに接続される。メモリセルTa乃至Tdに記憶されているデータは蓄積電荷として読み出されビット線BL、/BL、BLM、/BLMに再分配された後、ビット線BL、/BL、及びBLM、/BLMを対としてセンスアンプSA,SAMで増幅される。増幅されたデータは、コラムスイッチTN1、TN2、及びTN3、TN4を介してデータバス線DB、/DBに渡され、リードアンプRAで増幅されて入出力バッファBufから出力される(Dout)。逆に、入力データDinは、入出力バッファBufを介してライトアンプWAで増幅され、データバス線DB、/DBからビット線BL、/BL、及びBLM、/BLMを介してメモリセルTa乃至Tdに電荷として蓄積されることにより記憶される。
【0005】
ビット線BL、/BL、及びBLM、/BLMに接続すべきメモリセルTa乃至Tdの選択は、コマンド信号CMDを受けたロウ系制御回路RCからのアクティブ信号ACTとプリチャージ信号PREとにより、ワードデコーダWDを活性化及び非活性化して、ワード線WL、WLMを立ち上げて行う。またセンスアンプSA、SAMは、センスアンプ信号回路SCがアクティブ信号ACTとプリチャージ信号PREに基づきセンスアンプSA、SAMの活性化信号LEを制御して、活性化及び非活性化される。更にコラムスイッチTN1乃至TN4は、ロウ系制御信号RCからのコマンド信号CMDによりコラム系制御回路CCが制御信号ACLを出力し、それを受けてコラムスイッチ信号回路CSがスイッチ信号CL、CLMを制御することにより、導通あるいは非導通とされる。
【0006】
図10は読み出し動作の波形図を、図11は書き込み動作の波形図を示す。コマンド信号CMDにより、ロウ系制御回路RCが起動し、アクティブ信号ACTを出力する。この信号ACTによりワードデコーダWDからのワード線WLが選択され、メモリセルTc、Tdがビット線BL、BLMに接続され蓄積電荷がビット線BL、BLMに再分配される。ここまでは読み出し動作と書き込み動作で共通である。
【0007】
先ず、読み出し動作について説明する。蓄積電荷の再分配によりイコライズ状態にあったビット線BL、/BLは次第に電位差を有するようになる(この期間を期間(1)(図中の丸囲み数字の1)とする)。尚、ビット線BLM、/BLMについても同様の動作であるので、以下の説明は省略する。期間(1)(図中の丸囲み数字の1)とは、この電位差がセンスアンプSAの増幅感度に達するまでの期間を指す。この時の電位差は数十mV程度である。期間(1)(図中の丸囲み数字の1)の終了に引き続き、センスアンプSAの活性化信号LEがハイレベルにセットされ、センスアンプSAを駆動してビット線BL、/BLを増幅する(この期間を期間(2)(図中の丸囲み数字の2)とする)。増幅の完了を待って制御信号ACLをハイレベルにセットしスイッチ信号CLをハイレベルに起動してデータバス線DB、/DBにデータを読み出す(この期間を期間(3)(図中の丸囲み数字の3)とする)。ここでスイッチ信号CLがハイレベルにセットされている時間は、ビット線BL、/BLからデータバス線DB、/DBへのデータの読み出しに必要な時間として最適化されており、コラム系制御回路CCにより設定されている時間である。
【0008】
次に、書き込み動作である。期間(1)(図中の丸囲み数字の1)が開始され、メモリセルTa、Tcとビット線BL、/BLが接続されている状態でメモリセルTcが選択されると、スイッチ信号CLがハイレベルにセットされデータバス線DB、/DBをビット線BL、/BLに接続する。そして書き込みアンプWAによる書き込みが開始される。この書き込み期間はスイッチ信号CLをセットして行うので、読み出し動作における期間(3)(図中の丸囲み数字の3)に該当する。書き込みデータは既存データを反転させなければならない場合もあり、期間(2)(図中の丸囲み数字の2)が開始される前にセンスアンプSAでの増幅感度に達する必要もあって、迅速な書き込みが必要となる。また書き込みアンプWAが駆動すべき負荷もデータバス線DB、/DBとビット線BL、/BLとの両方であり大きな負荷となる。期間(2)(図中の丸囲み数字の2)の開始前にビット線BL、/BLへのデータの書き込みが完了するように書き込みアンプWAの駆動能力を充分大きく設定する必要がある。ここで、スイッチ信号CLのセット時間(期間(3)(図中の丸囲み数字の3))は、コラム系制御回路CCにより設定されているため時間が固定されており、期間(3)(図中の丸囲み数字の3)の終了前に期間(2)(図中の丸囲み数字の2)が開始される場合がある。
【0009】
尚、書き込み動作において、書き込み対象外のビット線BLM、/BLMは、上述の読み出し動作を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、書き込みサイクルにおいて、書き込みアンプWAは、セル蓄積電荷の読み出し期間(図11中の期間(1)(図中の丸囲み数字の1))内にデータバス線DB、/DBを介してビット線BL、/BLにデータを書き込む必要がある。即ち、期間(1)(図中の丸囲み数字の1)という短時間にデータバス線DB、/DBとビット線BL、/BLとを所定電圧にまで駆動する必要がある。従って、書き込みアンプWAの駆動能力は十分に大きくしておく必要がある。このため、書き込みアンプWAのチップ占有面積が多大となると共に電流消費も大きくなってしまい、半導体集積回路装置における高集積化、及び低消費電力化への障害となる虞がある。
【0011】
また、ビット線BL、/BLに書き込まれたデータは、ビット線の増幅期間(図11中の期間(2)(図中の丸囲み数字の2))にセンスアンプSAによりフル振幅まで増幅される。読み出し動作においてはその後にビット線BL、/BLをデータバス線DB、/DBに接続して増幅電圧を確実にデータバス線DB、/DBに読み出すための読み出し期間(図10中の期間(3)(図中の丸囲み数字の3))を確保する必要がある。この期間はコラム系制御回路CCにより設定されている。ところで、書き込みサイクルにおいては、期間(1)(図中の丸囲み数字の1)内に期間(3)(図中の丸囲み数字の3)を開始して書き込み動作を行うこととなる。期間(3)(図中の丸囲み数字の3)の長さはコラム系制御回路CCにより固定的に設定されているため、書き込みサイクルにおいては、期間(3)(図中の丸囲み数字の3)の後半部と期間(2)(図中の丸囲み数字の2)の前半部が重複する場合がある。従って、センスアンプSAが受け持つべき負荷は、ビット線BL、/BLのみならずデータバス線DB、/DBをも含むこととなり、駆動すべき負荷は大きなものとなる。アクセスタイムの制約からセンスアンプSAは、ビット線BL、/BLを所定時間内に増幅しなければならないので、負荷が大きくなった場合の対応として期間(1)(図中の丸囲み数字の1)内の期間(3)(図中の丸囲み数字の3)で読み出し時より大きな電位差をビット線BL、/BL書き込む必要がある。一方、期間(1)(図中の丸囲み数字の1)は、セルからの蓄積電荷がビット線BL、/BLに再分配された状態でありセンスアンプSAが活性化する前であるので、隣接するビット線BLM、/BLMの電位差は微少であり(数十mV程度)、且つフローティング状態である。従って、書き込み対象のビット線BL、/BLにおける急峻な電位変動によって、隣接ビット線BLM、/BLMとの間の容量カップリングを介して隣接ビット線BLM、/BLMが電圧変動を受けてしまう虞がある。しかも、ビット線BLM、/BLMには微少な電位差しかない。そのためビット線BLM、/BLMの電位関係が容量カップリングによるノイズで反転してしまう虞がある。
【0012】
半導体集積回路装置の高集積化、高速化の進展に伴い、書き込みアンプWAの駆動能力確保に必要なチップ占有面積の増大、隣接ビット線BLM、/BLMへのノイズの影響は深刻なものとなり問題である。また高集積化に伴い要求される低消費電流化への障害も大きなものとなり問題である。
【0013】
本発明は前記従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、記憶セルへのデータ書き込み動作を、ビット線での増幅が可能な電圧をビット線に入力した後、ビット線へのデータ入力経路を遮断してビット線電圧を増幅するという2段階で行うことにより、データ書き込み時の低消費電流化、あるいは高速化、及び書き込み動作によるノイズの発生を低減して安定動作を図ることができる半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る半導体集積回路装置は、記憶セルと、記憶セルに接続され記憶セルとの間でデータの読み出し・書き込みを行うビット線とを備える半導体集積回路装置において、記憶セルへのデータの書き込みのために、ビット線にデータを入力する書き込みアンプと、書き込みアンプとビット線とを接続するスイッチ部と、ビット線に入力された電圧を増幅するセンスアンプと、センスアンプ活性化回路とを備え、記憶セルへのデータの書き込みの際、書き込みアンプによるビット線へのデータ入力の後、スイッチ部を非導通にした上でセンスアンプを活性化し、スイッチ部の非導通制御は、センスアンプ活性化回路からの非導通指示信号に基づき行われることを特徴とする。
また、請求項2に係る半導体集積回路装置は、記憶セルと、記憶セルに接続され記憶セルとの間でデータの読み出し・書き込みを行うビット線とを備える半導体集積回路装置において、記憶セルへの前記データの書き込みのために、ビット線にデータを入力する書き込みアンプと、書き込みアンプとビット線とを接続するスイッチ部と、ビット線に入力されたデータの電圧を増幅するセンスアンプと、スイッチ部のスイッチング制御回路とを備え、記憶セルへのデータの書き込みの際、書き込みアンプによるビット線へのデータ入力の後、スイッチ部を非導通にした上でセンスアンプを活性化し、センスアンプの活性化制御は、スイッチング制御回路からの活性化指示信号に基づき行われることを特徴とする。
【0015】
請求項1、2の半導体集積回路装置では、記憶セルにデータを書き込む際、スイッチ部を導通して書き込みアンプによりビット線にデータを入力した後、スイッチ部を非導通にした上でセンスアンプを活性化してビット線上に入力されたデータ電圧を増幅する。
更に、請求項1の半導体集積回路装置では、センスアンプ活性化回路からスイッチ部の非導通指示信号が出力されており、この信号によりスイッチ部の非導通制御が行われる。この時センスアンプ活性化回路では、非導通指示信号からセンスアンプの活性化信号を生成しており、信号経路にタイミング調整回路を備えてセンスアンプの活性化タイミングをスイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミングだけ遅らせる。
また、請求項2の半導体集積回路装置では、スイッチ部のスイッチング制御回路からセンスアンプの活性化指示信号が出力されており、この信号によりセンスアンプの活性化制御が行われる。活性化指示信号からセンスアンプの活性化信号に至る信号経路中にタイミング調整回路を備えてセンスアンプの活性化タイミングをスイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミングだけ遅らせる。
これにより、スイッチ部の非導通動作と、センスアンプの活性化との間に所定タイミングの時間差が確実に確保されるので、確実にスイッチ部を非導通とした後にセンスアンプを活性化することができる。
【0016】
図1に原理説明図を示す。スイッチ部の導通信号は、センスアンプの活性化信号と共に、論理ハイレベルをアクティブ状態とする信号である。スイッチ部の導通信号は、ハイレベルの期間にのみスイッチ部を導通状態にする。センスアンプの活性化信号は、ハイレベルの期間にのみセンスアンプを活性化状態にする。両信号のアクティブ期間であるハイレベル期間の切り替わりには、時間Tの時間差が設けられる。従って、スイッチ部が導通状態のままセンスアンプが活性化することはなく、スイッチ部が非導通となった後にセンスアンプが活性化する動作シーケンスを構成する。
【0017】
また、請求項3に係る半導体集積回路装置は、請求項1または2に記載の半導体集積回路装置において、導通状態のスイッチ部を介してビット線に入力される電圧が所定電圧値に達した後、スイッチ部は非導通となることが好ましい。
更に、請求項4に係る半導体集積回路装置は、請求項3に記載の半導体集積回路装置において、この所定電圧値は、センスアンプの増幅感度の電圧値以上であることが好ましい。
【0018】
これにより、書き込みアンプにより導通状態のスイッチ部を介してビット線に入力されるデータは、スイッチ部を非導通にした後センスアンプにより増幅されて記憶セルに書き込むべき電圧値にまで増幅される。即ち、書き込みアンプは、センスアンプが増幅できる電圧値にまでビット線電圧を入力し、その後の動作は、ビット線電圧を増幅するセンスアンプによる通常の読み出し動作で行うという、2段階の動作で書き込みを行うことができる。従って、書き込みアンプが入力すべき電圧値は限定され、書き込みアンプの駆動能力を必要最小限に低減することができるので、書き込みアンプの回路規模が小さくなりチップ上の占有面積を圧縮できると共に、電流消費を低減できる。半導体集積回路装置の高集積化、及び低消費電流化に寄与するところ大である。この時、書き込みアンプが入力すべきビット線電圧の最小値はセンスアンプの増幅感度の電圧であり、この電圧値を必要最小限電圧として設定してやれば、書き込みアンプの駆動能力を必要最小限に設定することができる。書き込みアンプがこの電圧値以上を入力すれば、ビット線電圧の増幅を確実に行うことができ、記憶セルに確実にデータを書き込むことができる。
【0019】
また、書き込みアンプによるビット線への書き込み電圧値は、センスアンプの増幅感度の電圧等の所定電圧値に制限されるため、この書き込み動作に起因するビット線の電圧遷移量も小さなものとすることができる。従って、隣接する記憶セルあるいはビット線への容量結合によるノイズは小さなものとでき、書き込み動作によるデータの誤反転を防止することができる。
【0020】
更に、スイッチ部を非導通にした後のセンスアンプによるビット線電圧の増幅動作は、通常の読み出し動作におけるセンスアンプの増幅動作と同様の動作である。また書き込み時のビット線への入力電圧値は限定することができ必要最小限の駆動能力の書き込みアンプで行うことができる。従って、回路規模を限定して小占有面積と低消費電流を確保した書き込みアンプを使用しながら、書き込み動作を読み出し動作に埋め込ませることができる。即ち、書き込み動作サイクルを読み出し動作サイクルと同一サイクルで実現することができる。
【0021】
また、請求項5に係る半導体集積回路装置は、請求項1に記載の半導体集積回路装置において、非導通指示信号からセンスアンプの活性化信号への信号経路にタイミング調整回路を備え、センスアンプの活性化タイミングをスイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミング遅らせることを特徴とする。
また、請求項6に係る半導体集積回路装置は、請求項2に記載の半導体集積回路装置において、活性化指示信号からセンスアンプの活性化信号への信号経路にタイミング調整回路を備え、センスアンプの活性化タイミングをスイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミング遅らせることを特徴とする。
【0022】
【0023】
【0024】
また、請求項7に係る半導体集積回路装置は、請求項2に記載の半導体集積回路装置において、スイッチング制御回路は、所定時間幅のパルス信号を出力し、パルス信号により、スイッチ部を導通することを特徴とする。
【0025】
請求項7の半導体集積回路装置では、スイッチ部のスイッチング制御回路からの所定時間幅のパルス信号によりスイッチ部が導通する。
【0026】
これにより、ビット線への書き込み電圧がセンスアンプによる増幅に必要となる最小限の電圧値になるようにパルス信号を調整することができ、書き込みアンプによるビット線へのデータ入力動作を必要最小限に限定することができる。書き込みアンプの駆動能力を必要最小限にすることができ、半導体集積回路装置の高集積化、低消費電流化に寄与するところ大である。
【0027】
また、請求項8に係る半導体集積回路装置は、請求項1乃至7の少なくとも何れか1項に記載の半導体集積回路装置において、記憶セルの選択、及び記憶セルからのデータの読み出し・書き込みの別が、1つのコマンド入力により行われることが好ましい。
更に、請求項9に係る半導体集積回路装置は、請求項8に記載の半導体集積回路装置において、記憶セルは、容量素子を備えており、容量素子への電荷蓄積の有無によりデータを記憶することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体集積回路装置について具体化した実施形態を図2乃至図8に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は、第1実施形態のメモリセル部を示す回路ブロック図である。図3は、第1実施形態の要部を示す回路図である。図4は、第1実施形態の要部の動作を示す波形図である。図5は、第2実施形態のメモリセル部を示す回路ブロック図である。図6は、第2実施形態の要部を示す回路図である。図7は、第2実施形態の要部の動作を示す波形図である。図8は、第1及び第2実施形態のメモリセル部への書き込み動作を示す波形図である。
【0029】
図2に示す第1実施形態のメモリセル部M1は、図9に示す従来技術のメモリセル部M1000のセンスアンプ信号回路部SCとコラムスイッチ信号回路部CSに代えて、センスアンプ信号回路部SC1とコラムスイッチ信号回路部CS1を備える。コラムスイッチ信号回路部CS1は、センスアンプ信号回路部SC1からの制御信号EDC1により制御される。制御信号EDC1は、スイッチ信号CL、CLMを制御してコラムスイッチTN1乃至TN4を非導通状態に制御する非導通指示信号である。
【0030】
図3に示す第1実施形態の要部回路図は、センスアンプ信号回路部SC1とコラムスイッチ信号回路部CS1との内部回路例である。
【0031】
センスアンプ信号回路部SC1は、コマンド信号CMDに基づきロウ系制御回路RCから出力されるアクティブ信号ACTとプリチャージ信号PREとを入力とする。これらの入力信号ACT、PREはコマンドラッチ回路1に入力される。コマンドラッチ回路1は、2つの2入力ノアゲートのそれぞれの出力信号が他方の入力端子にフィードバックされてラッチ回路を構成する。コマンドラッチ回路1の出力信号は、アクティブ信号ACTが入力されるノアゲートからインバータゲートにより反転されて端子N11に出力される。端子N11は、所定偶数段数のインバータ列等で構成されるタイミング調整回路2を介して制御信号EDC1を出力する。制御信号EDC1は、タイミング調整回路3、出力バッファ回路4を介してセンスアンプ活性化信号LEを出力する。更に制御信号EDC1は、コラムスイッチ信号回路部CS1に出力される。
【0032】
センスアンプ信号回路部SC1では、コマンドラッチ回路1において正論理のアクティブ信号ACTが入力されることにより端子N11がハイレベルにセットされ、センスアンプSAの活性化動作を行う。アクティブ信号ACTの入力からタイミング調整回路2によるタイミング時間TAとタイミング調整回路3によるタイミング時間TCとを加算したTA+TC時間の後、センスアンプSAの活性化信号LEが出力される。センスアンプSAの非導通タイミングは、正論理のプリチャージ信号PREの入力からタイミング時間TA+TCの経過後である。
【0033】
コラムスイッチ信号回路部CS1は、コマンド信号CMDに基づきコラム系制御回路CCから出力される制御信号ACLを入力とする。この入力信号ACLはパルス出力回路5に入力される。パルス出力回路5では、コマンドラッチ回路1と同様に、ノアゲートで構成されるラッチ回路とインバータゲートとを有するコマンドラッチ回路52とタイミング調整回路51とを備える。タイミング調整回路51は制御信号ACLからタイミング時間TBの遅延信号を生成し、この遅延信号は、制御信号ACLと共にコマンドラッチ回路52への入力信号となる。論理回路6は、パルス出力回路5の出力端子N13からの信号と制御信号EDC1の反転信号との間の論理積信号を出力端子N14に出力する。この出力端子N14はデコード回路7に入力され、アドレス信号によりデコードされたメモリセルTa乃至Tdを選択するスイッチ信号CL、CLMを出力する。
【0034】
コラムスイッチ信号回路部CS1では、正のパルス信号として制御信号ACLが入力されると、タイミング調整回路51で設定されるタイミング時間TBのパルス幅を有する信号がパルス出力回路5から端子N15に出力される。ここで、制御信号ACLのパルス幅がタイミング時間TBに比して短い場合には、端子N13に出力されるパルス信号のパルス幅はタイミング時間TBとなり、制御信号ACLのパルス幅がタイミング時間TBに比して長い場合には、端子N13に出力されるパルス信号のパルス幅は制御信号ACLのパルス幅となる。端子N13に出力される正のパルス信号は、制御信号EDC1が出力されていない状態(ロウレベル)では、そのまま端子N14に伝搬され、デコード回路7を介して所定アドレスに対応するスイッチ信号CL、CLMを出力する。
【0035】
図4には書き込み時における第1実施形態のセンスアンプ信号回路部SC1とコラムスイッチ信号回路部CS1とからなる要部の動作波形図を示す。コマンド信号CMDとして書き込み信号が入力されると、ロウ系制御回路RCからアクティブ信号ACTが正のパルス信号として出力され、センスアンプ信号回路部SC1に入力される。コマンドラッチ回路1は信号ACTをラッチして出力端子N11をハイレベルにセットする。出力端子N11に出力された信号は、タイミング調整回路2によりタイミング時間TAの後、ハイレベルの制御信号EDC1を出力する。更に制御信号EDC1からタイミング調整回路3にて設定されるタイミング時間TCの経過後、出力バッファ回路4を介してセンスアンプ活性化信号LEが出力される。
【0036】
一方、コマンド信号CMDは同時にコラム系制御回路CCにも入力され、アクティブ信号ACTに遅れてコラム系制御回路CCから正のパルス信号として制御信号ACLが出力される。制御信号ACLは、コラムスイッチ信号回路部CS1のパルス出力回路5に入力される。コマンドラッチ回路52をセットすると共に、タイミング調整回路51にも入力され、タイミング時間TBの遅延時間を有したパルス信号を端子N15に生成する。端子N15に出力される遅延パルス信号によりコマンドラッチ回路52はリセットされ端子N13に正のパルス信号を出力する。このパルス信号のパルス幅はタイミング調整回路51で設定されるタイミング時間TBとなる。端子N13に出力されたパルス信号は、論理回路6に入力され制御信号EDC1の反転信号との間で論理積される。即ち、アクティブ信号ACTに引き続く制御信号ACLにより、ハイレベルのパルス幅がタイミング時間TBとなるパルス信号が、アクティブ信号ACTの入力から制御信号EDC1の出力までのタイミング時間TA内に、端子N13に出力されれば、論理回路6の出力端子N14には端子N13と同じパルス信号が得られる。これは端子N13にパルス信号が出力されている期間には、端子N11からのハイレベル信号が伝搬してきていないため制御信号EDC1がローレベル信号を維持するためである。端子N14のパルス信号は、デコーダ回路7を介してスイッチ信号CL、CLMとして出力される。このパルス信号CL、CLMによりコラムスイッチTN1乃至TN4が導通し、データバス線DB、/DBとビット線BL、/BL、BLM、/BLMとを接続して書き込みアンプWAから書き込みデータをビット線BL、/BL、BLM、/BLMに入力する。
【0037】
ここで、タイミング調整回路51のタイミング時間TBを長く設定すれば、端子N13のパルス信号もこれに応じて長くなる。端子N13のパルス信号の終了タイミングが、アクティブ信号ACTの入力から制御信号EDC1の出力までのタイミング時間TA内に収まっていれば、端子N13のパルス信号の伸長に比例して端子N14、ひいてはスイッチ信号CL、CLMのパルス幅も長く設定することができる。この場合、より長い時間にわたりコラムスイッチTN1乃至TN4が導通し、データバス線DB、/DBとビット線BL、/BL、BLM、/BLMとを接続して、書き込みアンプWAからの書き込みデータをビット線BL、/BL、BLM、/BLMに入力することができる。
【0038】
更に、タイミング時間TBを長くすると、端子N13のパルス信号は長くなるが、アクティブ信号ACTの入力からのタイミング時間TAの終了時点で制御信号EDC1がハイレベルとなり、論理回路6の出力端子N14の信号をローレベルに固定する。従って、端子N14に現れるパルス信号は、アクティブ信号ACTの入力からのタイミング時間TAで制限される。この場合にも、センスアンプSAの活性化信号LEの出力タイミングは、スイッチ信号CL、CLMの終了からタイミング時間TCを経過した後であり、スイッチ信号CL、CLMの終了からタイミング時間TCの時間余裕を持ってセンスアンプSAの活性化信号LEが立ち上がる。また何れの場合もセンスアンプSAの活性化信号LEは、アクティブ信号ACTの入力からタイミング時間TA+TCの時間で起動する。
【0039】
また、図4には示していないが、アクティブ信号ACTに対する制御信号ACLの出力が遅れる場合や、センスアンプSAの活性化信号LEの出力タイミング時間TAが短縮される場合等にも、スイッチ信号CL、CLMの立ち下がりとセンスアンプSAの活性化信号LEの立ち上がりとの間にタイミング時間TCが確実に確保される。
【0040】
この他にも、タイミング調整回路2、3、51におけるタイミング時間TA、TC、TBを適宜に調整して最適な動作を設定することが可能である。
【0041】
第1実施形態によれば、コラムスイッチTN1乃至TN4の非導通動作と、センスアンプSAの活性化との間にタイミング時間TC以上の時間差が確実に確保されるので、コラムスイッチTN1乃至TN4を非導通とした後にセンスアンプSAを活性化することができる。
【0042】
また、ビット線BL、/BL、BLM、/BLMへの書き込み電圧がセンスアンプSAの増幅に必要な最小限の電圧値になるようにスイッチ信号CL、CLMのパルス幅をタイミング時間TBで調整することができ、書き込みアンプWAによるビット線BL、/BL、BLM、/BLMへのデータ入力動作を必要最小限に限定することができる。書き込みアンプWAの駆動能力を必要最小限にすることができ、半導体集積回路装置の高集積化、低消費電流化に寄与するものである。
【0043】
また、センスアンプSAの活性化信号LEは、アクティブ信号ACTの入力からタイミング時間TA+TCの時間に固定されており、この時間を読み出し時間として最適化しておけば、書き込み動作は読み出し動作の中に埋め込ませることができる。
【0044】
図5に示す第2実施形態のメモリセル部M2は、図9に示す従来技術のメモリセル部M1000のセンスアンプ信号回路部SCとコラムスイッチ信号回路部CSとに代えて、センスアンプ信号回路部SC2とコラムスイッチ信号回路部CS2とを備える。第2実施形態では第1実施形態とは逆に、センスアンプ信号回路部SC2は、コラムスイッチ信号回路部CS2からの制御信号EDC2により制御される。制御信号EDC2は、センスアンプ活性化信号LEを制御してセンスアンプを活性化状態にする活性化指示信号である。
【0045】
図6に示す第2実施形態の要部回路図は、センスアンプ信号回路部SC2とコラムスイッチ信号回路部CS2との内部回路例である。
【0046】
センスアンプ信号回路部SC2は、コマンド信号CMDに基づきロウ系制御回路RCから出力されるアクティブ信号ACTとプリチャージ信号PREとを入力とする。これらの入力信号ACT、PREは、第1実施形態のセンスアンプ信号回路部SC1と同様に、コマンドラッチ回路1に入力され、その出力信号は端子N21から出力される。端子N21の信号は、タイミング調整回路2を介してタイミング時間TAの遅延時間を付加されて端子N22に出力される。端子N22からの信号とコラムスイッチ信号回路部CS2からの制御信号EDC2とは、論理積演算を行う論理回路6に入力され端子N27に演算結果が出力される。この端子N27は、タイミング調整回路3、出力バッファ回路4を介してセンスアンプ活性化信号LEを出力する。
【0047】
センスアンプ信号回路部SC2では、コマンドラッチ回路1において正論理のアクティブ信号ACTが入力されることにより端子N21がハイレベルにセットされ、センスアンプSAの活性化動作を行う。アクティブ信号ACTの入力から、タイミング調整回路2によるタイミング時間TAとタイミング調整回路3によるタイミング時間TCとを加算したTA+TC時間の後、センスアンプSAの活性化信号LEが出力される。この時、制御信号EDC2としてハイレベル信号が入力されると端子N27はローレベルに固定されセンスアンプSAの活性化信号LEが遮断される(図7、参照)。センスアンプSAの非導通タイミングは、正論理のプリチャージ信号PREの入力からタイミング時間TA+TCの経過後である。
【0048】
コラムスイッチ信号回路部CS2は、コマンド信号CMDに基づきコラム系制御回路CCから出力される制御信号ACLを入力とする。この入力信号ACLは、第1実施形態のコラムスイッチ信号回路部CS1と同様にパルス出力回路5に入力される。パルス出力回路5からの出力端子N23は、タイミング調整回路8に入力される。出力端子は制御信号EDC2である。制御信号EDC2は、デコード回路7に入力されアドレス信号によりデコードされたメモリセルTa乃至Tdが接続されるビット線BL、/BL、BLM、/BLMを選択するスイッチ信号CL、CLMとして出力される。更に制御信号EDC2はセンスアンプ信号回路部SC2に入力される。
【0049】
コラムスイッチ信号回路部CS2では、正のパルス信号として制御信号ACLが入力されると、タイミング時間TBのパルス幅を有する信号が端子N23に出力される。ここで、制御信号ACLのパルス幅がタイミング時間TBに比して短い場合には、端子N23に出力されるパルス信号のパルス幅はタイミング時間TBとなり、制御信号ACLのパルス幅がタイミング時間TBに比して長い場合には、端子N23に出力されるパルス信号のパルス幅は制御信号ACLのパルス幅となる。端子N23に出力される正のパルス信号は、タイミング調整回路8でタイミング時間TDの遅延を受けて制御信号EDC2として出力される。
【0050】
図7には書き込み時における第2実施形態のセンスアンプ信号回路部SC2とコラムスイッチ信号回路部CS2とからなる要部の動作波形図を示す。コマンド信号CMDとして書き込み信号が入力されると、ロウ系制御回路RCからアクティブ信号ACTが正のパルス信号として出力され、センスアンプ信号回路部SC2に入力される。コマンドラッチ回路1は信号ACTをラッチして出力端子N21をハイレベルにセットする。この信号はタイミング調整回路2によりタイミング時間TAの後、端子N22をハイレベルにセットする。
【0051】
一方、コマンド信号CMDは同時にコラム系制御回路CCにも入力され、アクティブ信号ACTに遅れてコラム系制御回路CCから正のパルス信号として制御信号ACLが出力される。制御信号ACLは、コラムスイッチ信号回路部CS2のパルス出力回路5に入力される。制御信号ACLは、コマンドラッチ回路52をセットすると共に、タイミング調整回路51にも入力され、タイミング時間TBの遅延時間を有したパルス信号を端子N26に生成する。端子N26に出力される遅延パルス信号によりコマンドラッチ回路52はリセットされ、端子N23に正のパルス信号を出力する。このパルス信号のパルス幅はタイミング調整回路51で設定されるタイミング時間TBとなる。端子N23に出力されたパルス信号は、更にタイミング調整回路8で設定されるタイミング時間TDの後、制御信号EDC2として出力される。そしてデコーダ回路7を介してスイッチ信号CL、CLMとして出力される。このパルス信号CL、CLMの間、コラムスイッチTN1乃至TN4が導通し、データバス線DB、/DBとビット線BL、/BL、BLM、/BLMとを接続して書き込みアンプWAからの書き込みデータをビット線BL、/BL、BLM、/BLMに入力する。
【0052】
また、制御信号EDC2は論理回路6にも入力され、端子N25に反転パルス信号を出力する。アクティブ信号ACTの入力から端子N22にハイレベル信号が出力されるまでのタイミング時間TA内に端子N25の反転パルス信号が開始されるように設定すれば、論理回路6の出力である端子N27の信号は、端子N22と端子N25との信号が共にハイレベルになる時点でハイレベルとなる。端子N27は、タイミング調整回路3により設定されるタイミング時間TCの後、出力バッファ回路4を介してセンスアンプ活性化信号LEを出力する。通常、スイッチ信号CL、CLMのパルス出力は、センスアンプSAの活性化に対して時間的余裕を持って設定することが一般的である。従って、端子N25の反転パルス信号の後に端子N22の信号がハイレベルに遷移することとなる。即ち、スイッチ信号CL、CLMの出力パルス終了からセンスアンプSAの活性化信号LEの起動までの間にタイミング時間TCを確実に確保することができる。
【0053】
スイッチ信号CL、CLMのパルス出力が長くなり、端子N25の反転パルス信号が端子N22のハイレベル遷移後にも継続する場合には、端子N27のハイレベル遷移は、端子N25の反転パルス信号に律速される。この場合も同様に、スイッチ信号CL、CLMの出力パルス終了からセンスアンプSAの活性化信号LEの起動までの間にタイミング時間TCを確実に確保することができる。
【0054】
アクティブ信号ACTに引き続く制御信号ACLにより端子N23にパルス信号が出力され、タイミング時間TDの後に制御信号EDC2となる。パルス信号である制御信号EDC2が、アクティブ信号ACTの入力から端子N22までのタイミング時間TA内に収まれば、センスアンプSAの活性化信号LEは、アクティブ信号ACTの入力からタイミング時間TA+TCの時間に固定されて出力される。この時間を読み出し時間として最適化しておけば、書き込み動作は読み出し動作の中に埋め込ませることができる。
【0055】
また、第1実施形態と同様に、タイミング調整回路2、3、8、51におけるタイミング時間TA、TC、TD、TBを適宜に調整して最適な動作を設定することが可能である。
【0056】
第2実施形態によれば、コラムスイッチTN1乃至TN4の非導通動作と、センスアンプSAの活性化との間にタイミング時間TC以上の時間差が確実に確保されるので、コラムスイッチTN1乃至TN4が非導通となった後にセンスアンプSAが活性化することとなる。
【0057】
また、ビット線BL、/BL、BLM、/BLMへの書き込み電圧がセンスアンプSAの増幅に必要な最小限の電圧値になるようにスイッチ信号CL、CLMのパルス幅をタイミング時間TBで調整することができ、書き込みアンプWAによるビット線BL、/BL、BLM、/BLMへのデータ入力動作を必要最小限に限定することができる。書き込みアンプWAの駆動能力を必要最小限にすることができ、半導体集積回路装置の高集積化、低消費電流化に寄与するものである。
【0058】
また、センスアンプSAの活性化信号LEは、アクティブ信号ACTの入力からタイミング時間TA+TCの時間に固定されており、この時間を読み出し時間として最適化しておけば、書き込み動作は読み出し動作の中に埋め込ませることができる。
【0059】
図8には、第1及び第2実施形態のセンスアンプ信号回路部SC1及びSC2と、コラムスイッチ信号回路部CS1及びCS2とを有するメモリセル部M1及びM2への書き込み動作波形を示す。コマンド信号CMDを受けたロウ系制御回路RCからのアクティブ信号ACTにより、ワード線WLが立ち上がり、その後センスアンプSAが活性化するが、その間にコラム系制御回路CCから制御信号ACLを出力し、スイッチ信号CLの出力パルスを終了させる。ワード線WLの立ち上がりにより、全てのメモリセルTa乃至Tdがビット線BL、/BL、BLM、/BLMに接続されてセル電荷がビット線BL、/BL、BLM、/BLMに再分配される(期間(1)(図中の丸囲み数字の1))。この期間に書き込み対象であるメモリセルTcが接続されているビット線BL、/BLへのコラムスイッチTN1、TN2を導通してデータを書き込む(期間(1)(図中の丸囲み数字の1)内の期間(3)(図中の丸囲み数字の3))。この時の書き込み電圧はセンスアンプSAの活性化によるビット線BL、/BL、BLM、/BLMの増幅期間(期間(2)(図中の丸囲み数字の2))にセンスアンプSAによる増幅ができる電圧レベルであればよい。従って、期間(1)(図中の丸囲み数字の1)内の期間(3)(図中の丸囲み数字の3)におけるビット線BL、/BLへの書き込み電圧は、読み出し時のビット線BL、/BLへの電荷の再分配の電圧程度でよい。スイッチ信号CLの出力期間は短い時間ではあるが書き込むべき電圧も微少電圧でよく、書き込みアンプWAの駆動能力を限定することができる。
【0060】
従って、書き込みアンプWAにより、導通状態のスイッチ部であるコラムスイッチTN1、TN2を介してビット線BL、/BLに入力されるデータは、コラムスイッチTN1、TN2を非導通にした後、センスアンプSAにより増幅されて記憶セルであるメモリセルTcに書き込むべき電圧値にまで増幅される。即ち、書き込みアンプWAは、センスアンプSAが増幅できる電圧値にまでビット線BL、/BLの電圧を入力し、その後の動作は、ビット線BL、/BLの電圧を増幅するセンスアンプSAによる通常の読み出し動作で行うという、2段階の動作で書き込みを行うことができる。従って、書き込みアンプWAが入力すべき電圧値は限定され、駆動能力を必要最小限に低減することができるので、書き込みアンプWAの回路規模が小さくなりチップ上の占有面積を圧縮できると共に、電流消費を低減できる。半導体集積回路装置の高集積化、及び低消費電流化に寄与するところ大である。この時、書き込みアンプWAが入力すべきビット線BL、/BLの電圧の最小値はセンスアンプSAの増幅感度の電圧値であり、この電圧値を必要最小限電圧として設定してやれば、書き込みアンプWAの駆動能力を必要最小限に設定することができる。書き込みアンプWAがこの電圧値以上を入力すれば、ビット線BL、/BLの電圧の増幅を確実に行うことができ、メモリセルTcに確実にデータを書き込むことができる。
【0061】
また、書き込みアンプWAによるビット線BL、/BLへの書き込み電圧値は、ビット線BL、/BLの電圧感度に制限されているため、この書き込み動作に起因するビット線BL、/BLの電圧遷移量も小さなものとなる。隣接するメモリセルTa、Tb、Tdあるいはビット線BLM、/BLMへの容量結合によるノイズは小さなものとなり、書き込み動作によるデータの誤反転を防止することができる。
【0062】
更に、コラムスイッチTN1、TN2を非導通にした後のセンスアンプSAによるビット線BL、/BLの電圧の増幅動作は、通常の読み出し動作におけるセンスアンプSAの増幅動作と同様の動作である。また書き込み時のビット線BL、/BLへの入力電圧値は限定することができ必要最小限の駆動能力の書き込みアンプWAで行うことができる。従って、回路規模を限定して小占有面積と低消費電流を確保した書き込みアンプWAを使用しながら、書き込み動作を読み出し動作に埋め込ませることができる。書き込み動作サイクルを読み出し動作サイクルと同一サイクルで実現することができる。
【0063】
尚、本発明は前記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、書き込みアンプの動作状態については言及していないが、ビット線への所定電圧の書き込み後は、動作を休止してやる構成とすることもできる。これにより、書き込みアンプの電流消費を更に低減することができる。
【0064】
(付記1) 記憶セルと、前記記憶セルに接続され前記記憶セルとの間でデータの読み出し・書き込みを行うビット線とを備える半導体集積回路装置において、
前記記憶セルへの前記データの書き込みのために、前記ビット線に前記データを入力する書き込みアンプと、
前記書き込みアンプと前記ビット線とを接続するスイッチ部と、
前記ビット線に入力された前記データの電圧を増幅するセンスアンプとを備え、
前記記憶セルへの前記データの書き込みの際、
前記書き込みアンプによる前記ビット線へのデータ入力の後、前記スイッチ部を非導通にした上で前記センスアンプを活性化することを特徴とする半導体集積回路装置。
(付記2) 導通状態の前記スイッチ部を介して前記ビット線に入力される前記データの電圧が所定電圧値に達した後、前記スイッチ部は非導通となることを特徴とする付記1に記載の半導体集積回路装置。
(付記3) 前記所定電圧値は、前記センスアンプの増幅感度の電圧値以上であることを特徴とする付記2に記載の半導体集積回路装置。
(付記4) センスアンプ活性化回路を備え、
前記スイッチ部の非導通制御は、前記センスアンプ活性化回路からの非導通指示信号に基づき行われることを特徴とする付記1に記載の半導体集積回路装置。
(付記5) 前記非導通指示信号から前記センスアンプの活性化信号への信号経路にタイミング調整回路を備え、
前記センスアンプの活性化タイミングを前記スイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミング遅らせることを特徴とする付記4に記載の半導体集積回路装置。
(付記6) 前記スイッチ部のスイッチング制御回路を備え、
前記センスアンプの活性化制御は、前記スイッチング制御回路からの活性化指示信号に基づき行われることを特徴とする付記1に記載の半導体集積回路装置。
(付記7) 前記活性化指示信号から前記センスアンプの活性化信号への信号経路にタイミング調整回路を備え、
前記センスアンプの活性化タイミングを前記スイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミング遅らせることを特徴とする付記6に記載の半導体集積回路装置。
(付記8) 所定時間幅のパルス信号を出力する前記スイッチ部のスイッチング制御回路を備え、
前記パルス信号により、前記スイッチ部を導通することを特徴とする付記1に記載の半導体集積回路装置。
(付記9) 前記記憶セルの選択、及び前記記憶セルからの前記データの読み出し・書き込みの別が、1つのコマンド入力により行われることを特徴とする付記1乃至8の少なくとも何れか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記10) 前記記憶セルは、容量素子を備え、
前記容量素子への電荷蓄積の有無により、前記データを記憶することを特徴とする付記9に記載の半導体集積回路装置。
(付記11) 記憶セルと、前記記憶セルに接続され前記記憶セルとの間でデータの読み出し・書き込みを行うビット線とを備える半導体集積回路装置のデータ書き込み方法において、
前記記憶セルに書き込むべき前記データを前記ビット線に入力するデータ入力工程と、
前記データが前記ビット線に入力された後、前記ビット線を前記データの入力経路から切り離す切離し工程と、
切り離された前記ビット線にある前記データの電圧を増幅する増幅工程とを有することを特徴とする半導体集積回路装置のデータ書き込み方法。
(付記12) 前記切り離し工程は、
前記データ入力工程により前記ビット線に入力される前記データの電圧が所定電圧値に達した後に行われることを特徴とする付記11に記載の半導体集積回路装置のデータ書き込み方法。
(付記13) 前記所定電圧値は、前記増幅工程における増幅感度の電圧値以上であることを特徴とする付記12に記載の半導体集積回路装置のデータ書き込み方法。
(付記14) 前記切り離し工程から前記増幅工程への移行を所定タイミング遅らせるタイミング調整工程を有することを特徴とする付記11に記載の半導体集積回路装置のデータ書き込み方法。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、記憶セルへのデータ書き込み動作を、ビット線での増幅が可能な電圧をビット線に入力した後、ビット線へのデータの入力経路を遮断してビット線を増幅するという2段階で行うことにより、データ書き込み時の低消費電流化、あるいは高速化、及び書き込み動作によるノイズの発生を低減して安定動作を図ることができる半導体集積回路装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理説明図である。
【図2】 第1実施形態のメモリセル部を示す回路ブロック図である。
【図3】 第1実施形態の要部を示す回路図である。
【図4】 第1実施形態の要部の動作を示す波形図である。
【図5】 第2実施形態のメモリセル部を示す回路ブロック図である。
【図6】 第2実施形態の要部を示す回路図である。
【図7】 第2実施形態の要部の動作を示す波形図である。
【図8】 第1及び第2実施形態のメモリセル部への書き込み動作を示す波形図である。
【図9】 従来技術のメモリセル部を示す回路ブロック図である。
【図10】 従来技術のメモリセル部からの読み出し動作を示す波形図である。
【図11】 従来技術のメモリセル部への書き込み動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1、52 コマンドラッチ回路
2、3、8、51 タイミング調整回路
4 出力バッファ回路
5 パルス出力回路
6 論理回路
7 デコード回路
CS1、CS2 コラムスイッチ信号回路部
M1、M2 第1及び第2実施形態のメモリセル部
SC1、SC2 センスアンプ信号回路部
BL、/BL、BLM、/BLM ビット線
DB、/DB データバス線
TN1、TN2、TN3、TN4 コラムスイッチ
ACL コラム系制御回路からの制御信号
ACT アクティブ信号
CL、CLM スイッチ信号
CMD コマンド信号
EDC1、EDC2 制御信号
LE センスアンプ活性化信号
PRE プリチャージ信号
TA、TB、TC、TD タイミング時間
Claims (9)
- 記憶セルと、前記記憶セルに接続され前記記憶セルとの間でデータの読み出し・書き込みを行うビット線とを備える半導体集積回路装置において、
前記記憶セルへの前記データの書き込みのために、前記ビット線に前記データを入力する書き込みアンプと、
前記書き込みアンプと前記ビット線とを接続するスイッチ部と、
前記ビット線に入力された前記データの電圧を増幅するセンスアンプと、
センスアンプ活性化回路とを備え、
前記記憶セルへの前記データの書き込みの際、
前記書き込みアンプによる前記ビット線へのデータ入力の後、前記スイッチ部を非導通にした上で前記センスアンプを活性化し、前記スイッチ部の非導通制御は、前記センスアンプ活性化回路からの非導通指示信号に基づき行われることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 記憶セルと、前記記憶セルに接続され前記記憶セルとの間でデータの読み出し・書き込みを行うビット線とを備える半導体集積回路装置において、
前記記憶セルへの前記データの書き込みのために、前記ビット線に前記データを入力する書き込みアンプと、
前記書き込みアンプと前記ビット線とを接続するスイッチ部と、
前記ビット線に入力された前記データの電圧を増幅するセンスアンプと、
前記スイッチ部のスイッチング制御回路とを備え、
前記記憶セルへの前記データの書き込みの際、
前記書き込みアンプによる前記ビット線へのデータ入力の後、前記スイッチ部を非導通にした上で前記センスアンプを活性化し、前記センスアンプの活性化制御は、前記スイッチング制御回路からの活性化指示信号に基づき行われることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 導通状態の前記スイッチ部を介して前記ビット線に入力される前記データの電圧が所定電圧値に達した後、前記スイッチ部は非導通となることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体集積回路装置。
- 前記所定電圧値は、前記センスアンプの増幅感度の電圧値以上であることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置。
- 前記非導通指示信号から前記センスアンプの活性化信号への信号経路にタイミング調整回路を備え、
前記センスアンプの活性化タイミングを前記スイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミング遅らせることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。 - 前記活性化指示信号から前記センスアンプの活性化信号への信号経路にタイミング調整回路を備え、
前記センスアンプの活性化タイミングを前記スイッチ部の非導通タイミングに対して所定タイミング遅らせることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。 - 前記スイッチング制御回路は、所定時間幅のパルス信号を出力し、
前記パルス信号により、前記スイッチ部を導通することを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。 - 前記記憶セルの選択、及び前記記憶セルからの前記データの読み出し・書き込みの別が、1つのコマンド入力により行われることを特徴とする請求項1乃至7の少なくとも何れか1項に記載の半導体集積回路装置。
- 前記記憶セルは、容量素子を備え、
前記容量素子への電荷蓄積の有無により、前記データを記憶することを特徴とする請求項8に記載の半導体集積回路装置。
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