JP4814788B2 - 間質性膀胱炎の検査方法 - Google Patents
間質性膀胱炎の検査方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4814788B2 JP4814788B2 JP2006513717A JP2006513717A JP4814788B2 JP 4814788 B2 JP4814788 B2 JP 4814788B2 JP 2006513717 A JP2006513717 A JP 2006513717A JP 2006513717 A JP2006513717 A JP 2006513717A JP 4814788 B2 JP4814788 B2 JP 4814788B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- neutrophil elastase
- urine
- myeloperoxidase
- activity
- marker
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/573—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for enzymes or isoenzymes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/26—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase
- C12Q1/28—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase involving peroxidase
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/34—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase
- C12Q1/37—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase involving peptidase or proteinase
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/90—Enzymes; Proenzymes
- G01N2333/902—Oxidoreductases (1.)
- G01N2333/908—Oxidoreductases (1.) acting on hydrogen peroxide as acceptor (1.11)
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/90—Enzymes; Proenzymes
- G01N2333/914—Hydrolases (3)
- G01N2333/948—Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
- G01N2333/966—Elastase
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2800/00—Detection or diagnosis of diseases
- G01N2800/34—Genitourinary disorders
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Hematology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
以上のようにICの検査は煩雑な検査の積み重ねと膀胱鏡検査という専門の医師によってのみ実施可能な検査が必須という現状である。このような状況から多くの検査マーカーの解析に関する報告がなされており、それらに関する総論(非特許文献1)が報告されている。しかしながら未だICに選択的でありかつ信頼性が認められた検査法はないのが現状である。マーカーを見出すことは検査に有用であるばかりでなく、治験における薬剤の効果判定や病態に応じた適切な治療を施す上でも非常に重要である。
ICの検査マーカーに関する最近の報告では13種の尿中マーカーに対する、多施設での盲検比較試験からAPF (antiproliferative factor)、HB-EGF (heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor)、EGF (epidermal growth factor)、IGFBP3 (insulin-like growth factor binding protein 3)、IL-6 (interleukin 6)、cGMP (cyclic guanosine monophosphate)、メチルヒスタミン(methylhistamine)にIC患者と無症状対照群間で有意差が認められている(非特許文献2)。この報告においてAPF活性のみが両群間で殆どデータの重複を認めないとされている。即ちAPFが現在までの報告からICの検査においてIC患者と非罹患者をもっとも明瞭に識別し得る有望なマーカーと考えられている。しかしながらAPFの活性はヒト膀胱上皮細胞の増殖抑制活性で検出しなければならない(非特許文献3)。よってAPFの量は活性でしか判断できないこと、活性の判定が煩雑であること、活性の検出が生細胞を使用しなければならず測定施設間での比較検討が困難であることなど検査マーカーとして一般化されるには多くの問題が挙げられる。
また、NIDDK (National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases) からIC研究のための基準が定義されている(非特許文献4)が、この基準は臨床上の患者検査を意図して作成されていないことから、除外項目が多く設定されており、臨床での適応は困難とされている(非特許文献5)。
アズール顆粒物質は、ミエロペルオキシダーゼ、エラスターゼをはじめとして、カテプシンG(cathepsin G)(非特許文献12)、プロテイナーゼ3(proteinase 3)(非特許文献13)、デフェンシン(defensin)(非特許文献14)や殺菌性透過増加蛋白質(bactericidal permeability-increasing protein)(非特許文献15)など多数の酵素や蛋白質が挙げられる(非特許文献16)。これらは好中球のアズール顆粒に含有されていることが知られている。
好中球エラスターゼは強力で低い基質特異性もつ蛋白分解酵素である。その活性が組織障害性に作用することは、動物モデルにおいて好中球エラスターゼを経気管支的に注入することによって急性の肺胞出血や肺胞隔壁の破壊をきたすことから示されている(非特許文献6)。また急性呼吸捉迫症候群(ARDS : acute respiratory distress syndrome)患者の肺胞洗浄液中に好中球エラスターゼ活性が上昇することや、血漿中好中球エラスターゼ量が肺機能低下と高く相関することが示されており(非特許文献7)、好中球エラスターゼが肺間質性および肺胞性肺水腫等の急性肺障害に特徴的な病態を起こし得ることを示している。また好中球の病態への関与が示唆されているARDS、慢性閉塞性肺疾患(COPD: chronic obstructive pulmonary disease)、およびのう胞性肺線維症(CF: cystic fibrosis)に対して好中球エラスターゼ阻害剤が治療薬になる可能性が示唆されている(非特許文献8)。さらに肺の急性炎症ばかりでなく、体液中に好中球エラスターゼの増加が報告されている例としては慢性非感染性前立腺炎患者の精液(非特許文献9)、急性腎盂腎炎患者の血漿(非特許文献10)および感染性尿道炎患者の尿(非特許文献11)などが挙げられる。
ミエロペルオキシダーゼは好中球のアズール顆粒の主要蛋白質である。過酸化水素と塩素イオンから次亜塩素酸(hypochlorite)が産生される反応を触媒し、外来抗原を攻撃する。一方、好中球の活性化のマーカーとして心筋梗塞の予後予測因子にその活性測定が利用されている例(非特許文献17)や糸球体腎炎のマーカー(非特許文献18)に利用可能という報告がある。
一方、ICにおいては膀胱組織中または尿中に関して、いずれのアズール顆粒物質についても、特に好中球エラスターゼ或いはミエロペルオキシダーゼについても、その存在または量の増加に関する報告はない。
「1.アズール顆粒物質をマーカーとして測定する工程を含むことを特徴とする間質性膀胱炎の検査方法。
2.アズール顆粒物質が好中球エラスターゼである前項1の検査方法。
3.アズール顆粒物質がミエロペルオキシダーゼである前項1の検査方法。
4.非感染症尿疾患患者である被験者の尿試料を検体とする前項1〜3の何れか一に記載の検査方法。
5.細菌尿か否かを検査する工程を組み合わせる前項1〜4の何れか一に記載の検査方法。
6.好中球エラスターゼをマーカーとして測定する工程が、好中球エラスターゼの量を測定する工程である前項2、4、又は5の何れか一に記載の検査方法。
7.好中球エラスターゼをマーカーとして測定する工程が、好中球エラスターゼの活性を測定する工程である前項2、4、又は5の何れか一に記載の検査方法。
8.好中球エラスターゼの量を測定する工程がイムノアッセイによる工程である前項6に記載の検査方法。
9.好中球エラスターゼの活性を測定する工程が合成基質による工程である前項7に記載の検査方法。
10.好中球エラスターゼの量を測定するためのアッセイ容器及び抗好中球エラスターゼ抗体を含む前項8に記載の検査方法に使用する間質性膀胱炎検査用キット。
11.好中球エラスターゼの活性を測定するためのアッセイ容器、緩衝液、及び好中球エラスターゼ基質を含む前項9に記載の検査方法に使用する間質性膀胱炎の検査用キット。
12.アズール顆粒物質の、間質性膀胱炎の検査用マーカー又は薬効評価用マーカーとしての使用。
13.アズール顆粒物質をマーカーとする、間質性膀胱炎患者の治療効果を検査する方法。」に関する。
特許文献US6566331号は、びまん性結合組織病、肺線維症、脾種、間質性膀胱炎、強皮症、脈管炎を含むコラーゲンが関与する疾患の治療方法に関する出願であり、間質性膀胱炎患者にα-1−アンチトリプシンを膀胱内に点滴注入したところ、膀胱鏡検査により障害が減少していたことが記載されている。また、本願優先日後に公開された特許文献WO2004/045634には、プロテアーゼ阻害剤、特にはα-1-アンチトリプシンが皮膚炎、肺疾患、耳疾患、眼病、消化管疾患及び尿路疾患の治療薬になるとし、疾患の例として大腸炎及び間質性膀胱炎を挙げている。しかしながら、これらの特許文献には、アズール顆粒物質(特には、好中球エラスターゼ、ミエロペルオキシダーゼ)が間質性膀胱炎の検査用マーカーになること、及びアズール顆粒物質をマーカーとして測定する工程を含む間質性膀胱炎の検査方法については何ら記載されていない。一方、白血球の一種である好中球から放出される好中球エラスターゼの量又は活性が間質性膀胱炎患者尿中で上昇していることはおろか、エッセンシャル泌尿器科学(第6版)医歯薬出版株式会社(p57-61)に、細菌性膀胱炎では、急性及び慢性に関わらず検査所見において尿沈渣中に白血球増多が認められるが、間質性膀胱炎では尿沈渣では赤血球を認める以外異常はないか、あってもわずか、であることが記載されているとおり、間質性膀胱炎患者の尿沈渣で白血球が増多していることは知られていなかった。
従って、アズール顆粒物質(特には、好中球エラスターゼ、ミエロペルオキシダーゼ)が間質性膀胱炎の検査用マーカーになることは本発明者らが見出した新規の知見であり、アズール顆粒物質をマーカーとして測定する工程を含む間質性膀胱炎の検査方法、アズール顆粒物質の、間質性膀胱炎の検査用マーカー又は薬効評価用マーカーとしての使用、並びにアズール顆粒物質をマーカーとする、間質性膀胱炎患者の治療効果を検査する方法は、本発明者らによって初めて提供された発明である。
診断マーカーの有用性は患者を陽性と判定する「感度」(sensitivity)、非患者を陰性と判定する「特異性」(specificity)、そして「感度」と「特異性」の積で定義される「診断効率」(positive predictive value)によって評価される(日本臨床 54巻6号121頁〜125頁)。本発明の一つである尿中エラスターゼ活性測定によるIC患者の診断効率は62%(実施例4より計算)、酵素免疫測定法による尿中エラスターゼ量の測定によるIC患者の診断効率は57%(実施例5より計算)であった。一方、臨床的に前立腺癌の診断、治療効果の判定、再燃の指標として広く使用されている前立腺特異抗原(prostate-specific antigen : PSA)の診断効率を総説(J.Urology 1998 159,5-12)において引用されている16例の値から算出すると17〜67%のばらつきがあり、平均値が36%である。すなわち本発明のIC検査方法は、臨床的に使用されている検査方法に匹敵するまたはそれ以上の診断効率を有しており、検査方法として有用であることがわかった。
本発明において「細菌尿」とは、尿中に細菌の存在している状態をいう。尿中に細菌が存在しているか否かは次の(1)及び/又は(2)の方法により検出できる。
(1)尿道口周辺を清拭した後に尿を採取し、必要に応じて適宜検体を希釈して定量培養を行い、尿中菌濃度を測定する。105colony forming units(CFUs)/mL以上の菌濃度である場合に細菌尿とする。
(2)常法により、ある種の細菌(大腸菌、変形菌など)が尿中に存在する亜硝酸塩を還元する機能を利用して尿中に細菌が存在するか否かを検査する。グリース反応に基づく試験紙法でおこなわれ、白色部分が尿中の亜硝酸塩濃度に応じて赤紫色のアゾ色素が形成されて着色することにより細菌尿を検出できる。
本発明において「非感染症尿疾患患者」とは、尿路感染症患者ではない患者のことをいう。尿路感染症とは、非特異性細菌によって尿路に発症した感染性炎症をいい、尿中に細菌を認めるものをいう。
本発明の具体的な手段の一は、尿中の好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼをマーカーとすることを特徴とするIC検査方法である。「をマーカーとして測定する」とは、「の量又は活性を測定する」ことを意味する。対象とするエラスターゼは、好中球エラスターゼ(Neutrophil elastase)を意味し、好中球エラスターゼの選択的な動態をマーカーにする。動態は、好中球エラスターゼの酵素活性及び/又は好中球エラスターゼの量の変化をマーカーとすることができる。ミエロペルオキシダーゼの場合は、好ましくは、その量の変化をマーカーとすることができる。検体は、尿が利用できる。本検査方法は、例えばIC患者であればそのまま尿を採取し、アズール顆粒物質を活性又は量により(例えば、好中球エラスターゼの場合はその活性により及び/又は量により、或いは、ミエロペルオキシダーゼの場合は、その量により)同定すれば、その動態(存在、増減等)によって、ICの経過観察のための検査方法として有用である。本発明の検査方法における尿試料を検体として用いる場合、原尿でも、希釈されていても、遠心分離された尿でもよい。また、凍結融解した尿でもよい。より正確には遠心分離された尿を用いることが好ましい。 また、アズール顆粒物質特に好中球エラスターゼは、感染症尿疾患の患者でも尿中における増加が知られていることから、この系による患者を排除するためには非感染症尿疾患患者である被験者の尿試料を用いるのが好ましい。このために所望により、本発明の検査方法に組み合わせて、検体尿が細菌尿か否かを検査する工程を導入してもよい。検体尿が、細菌尿であれば、細菌感染によるアズール顆粒物質特に好中球エラスターゼの影響が測定に反映されている可能性があり、所望により、検体から細菌尿を除外することができる。
本発明の検査方法には、アズール顆粒物質を活性又は量により(特に好中球エラスターゼを活性により及び/又は量により、或いは、ミエロペルオキシダーゼを量により)同定する工程に加えて、該測定値を分析する工程をも包含できる。測定値を分析する工程とは、得られたデータを統計解析的に分析し測定値の意義付けを明確化すること、被験者の尿試料における測定値と健常者の尿試料における測定値と比較すること、IC患者の治療前後の尿中における測定値を比較すること、他疾患との関係を分析すること、細菌感染によるデータへの影響の回避をすること等の臨床的な意義を確定するための分析工程を意味する。
本発明者らは、IC患者尿中のアズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ及び/又はミエロペルオキシダーゼの量が高値を示すことを見出した。この知見を利用し、被験者の尿中のアズール顆粒物質(特には好中球エラスターゼ量又は/及びミエロペルオキシダーゼ量)を測定することによるIC検査方法を確立した。
アズール顆粒物質については、定量法が既に確立されており、それぞれ、特異的抗体を用いることにより、常法(例えば、ELISA法)により定量することができる。
例えば、好中球エラスターゼの特異的測定のためには、免疫検査測定方法が既に開発されており、これらの方法は特異的抗好中球エラスターゼ抗体を用いて実施される(例えば、Human Pathology 1997 28 (6) p.729-728)。アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)は、ラジオイムノアッセイ、酵素免疫測定法(例えばELISA)、免疫蛍光法、蛍光酵素イムノアッセイ法、免疫沈降法、免疫凝集反応、粒子スライド凝集法、ドットブロット検定法等を用いて測定することができる。より具体的には、以下のように測定することができる。
酵素免疫測定法によって、好中球エラスターゼを測定する方法が知られている。それによると、抗好中球エラスターゼ抗体を固相化したウェル等のアッセイ容器に一定量の試料を添加後、アッセイ容器を洗浄し、固相に結合した好中球エラスターゼ以外の成分を除く。ついで、酵素(例えばアルカリフォスファターゼ)で標識された抗好中球エラスターゼ抗体を混和し、すでに結合している好中球エラスターゼと、さらにそれに結合した抗好中球エラスターゼ抗体以外の成分を除くため再洗浄を行う。最後に標識酵素の基質(例えばアルカリフォスファターゼ基質である4−ニトロフェニルホスフェート)を加え、基質切断(例えば4−ニトロフェノールの遊離)に伴う発色を吸光度計でモニターする。また、既知の濃度のエラスターゼを含む標準溶液で検量線を作成し、試料中のエラスターゼの量を求めることができる。酵素イムノアッセイキットは市販されており(Immundiagnostik社等)、好ましくは実施例3に開示した方法に準じて実施することができる。ミエロペルオキシダーゼについても同様の手技で実施可能である。より具体的には、実施例6に開示した方法に準じて測定することができる。
アズール顆粒物質の一であるデフェンシン、殺菌性透過増加蛋白質のための酵素イムノアッセイキットはハイカルト社(Hycult社)から、カテプシンGの酵素イムノアッセイキットはアメリカンリサーチプロダクト社(American Research Product社)から市販されており、これらを利用することも可能である。
粒子スライド凝集法では担体粒子として3μm以下、好ましくは0.2〜1.0μmのラテックス粒子を用いる。抗アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)抗体を不溶化する方法としては、一般的な物理的吸着法、あるいは水溶性カルボジイミドや二官能性試薬による化学結合法が用いられ、必要に応じてペプシン処理により抗アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)抗体のFc部分を除去したF(ab')2抗体フラグメントも使用できる。アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)含有試料と抗アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)抗体感作ラテックス試薬液とをスライド板上で混合すると、アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)と抗アズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)抗体との抗原抗体反応により凝集塊が形成されるので、目視により凝集の有無を確認することができ、測定試料中のアズール顆粒物質(例えば好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)の有無を検査することができる。
また、更に好ましい例としては、前記測定値を分析する工程が、例えば被験者の尿試料における好中球エラスターゼの測定値が実施例3の条件において3ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)、実施例5の条件において0.2ng/mL以上(好ましくは1ng/mL以上、更に好ましくは5ng/mL以上)であるか否かを分析する工程である。例えば実施例3の条件において3ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)、実施例5の条件において0.2ng/mL以上(好ましくは1ng/mL以上、更に好ましくは5ng/mL以上)の好中球エラスターゼが検出される被験者をIC患者と判定することができる。また、実施例6の条件において、5ng/mL以上のミエロペルオキシダーゼが検出される被験者をIC患者と判定することができる。
また、更に好ましい例としては、前記測定値を分析する工程が、被験者の尿試料における好中球エラスターゼの測定値が、例えば実施例3の条件において3ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)、実施例5の条件において0.2ng/mL以上(好ましくは1ng/mL以上、更に好ましくは5ng/mL以上)であるか否かを分析する工程である。細菌尿ではなく、例えば実施例3の条件において3ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)、実施例5の条件において0.2ng/mL以上(好ましくは1ng/mL以上、更に好ましくは5ng/mL以上)の好中球エラスターゼが検出される被験者をIC患者と判定することができる。また、実施例6の条件において、5ng/mL以上のミエロペルオキシダーゼが検出される被験者をIC患者と判定することができる。
本発明者らは、IC患者尿中に蛍光ペプチド基質〔Suc(OMe)-Ala-Ala-Pro-Val MCA〕 (Ala-Ala-Pro-Val:配列番号1) を切断する酵素が存在することを見出した。続いて、当該酵素が好中球エラスターゼであることを同定した。これらの知見を利用して、被験者の尿中の好中球エラスターゼ活性を測定することによるIC検査方法を確立した。好中球エラスターゼはアズール顆粒物質であることから、アズール顆粒物質の活性を測定することによるIC検査方法を確立した。
アズール顆粒物質の活性測定法については既に確立されており、例えば、アズール顆粒物質の一つであるカテプシンGについてはBiol. Chem. 1992 267 p.21712-21719に、ミエロペルオキシダーゼについてはArzneimittelforschung. 2004 54(7) p389-395に、プロテイナーゼ3についてはJ. Immunol. 2000 165 p.3366-3374に、デフェンシンについてはJ Clin. Invest. 1998 101 p.178-187に、殺菌性透過増加蛋白質についてはJ. Leukoc. Biol. 1998 64 p14-18に、その活性測定法が報告されている。
好中球エラスターゼの活性を測定する方法も既に知られている(生物化学実験法30 蛋白質分解酵素I p.27-33)。3H-エラスチンやコンゴーレッドエラスチン分解能の測定、特異的合成基質の分解能の測定をすることにより好中球エラスターゼ活性を測定することができる。エラスチン、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン等が好中球エラスターゼにより分解されることが知られているが、本発明の方法に用いる好ましい基質は、好中球エラスターゼ特異的な基質であり、操作の簡便性から合成基質が特に好ましい。好中球エラスターゼの基質として特異的なペプチド誘導体は多数公知であり、例えば、Suc(OMe)-Ala-Ala-Pro-Val-pNA、Suc(OMe)-Ala-Ala-Pro-Met-pNA(Ala-Ala-Pro-Met:配列番号2)、Suc(OMe)-Ala-Ile-Pro-Met-pNA(Ala-Ile-Pro-Met:配列番号3)、pyroGlu-Pro-Val-pNA、が挙げられる。このうち最も好ましい基質は、実施例1及び実施例2で用いた蛍光ペプチド基質(Suc(OMe)-Ala-Ala-Pro-Val MCA)である。これらのペプチド基質は、液相法または固相法をもちいるペプチドの化学合成法(タンパク質IV(新生化学実験講座1)、日本生化学会編、p.3-74、東京化学同人(1992))等により作製することができる。基質の加水分解は分解により生じる蛍光を定期的に観察することにより連続的にモニターすることができる。従って、所定時間後に測定し分析することもでき、また、全ての基質が加水分解された反応の終点を測定し分析することもできる。
本発明には、上記に示した好中球エラスターゼの活性をマーカーとするIC検査方法に使用するアッセイ容器、緩衝液、及び好中球エラスターゼ基質を含むIC検査用キット、さらに上記に示したアズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼの量をマーカーとするIC検査方法に使用するアッセイ容器及び抗アズール顆粒物質抗体特に抗好中球エラスターゼ抗体又は抗ミエロペルオキシダーゼ抗体を含むIC検査用キットが包含される。
本発明の好中球エラスターゼの活性を測定することによるIC検査方法を実施するために適したキットは、例えば、アッセイ容器、緩衝液、及び好中球エラスターゼ基質とを含む。好ましい形態のキットは、アッセイ容器として、複数のウェルを有するプレートを含む。当該プレートはアッセイ後の変化を簡便に検出できるものが好ましく、多くのアッセイ用プレート(例えば96穴プレート)が公知である。緩衝液としては、中性及び塩基性付近に緩衝能を持つトリス塩酸やリン酸ナトリウム溶液等を用いることができ、好ましくは実施例1に記載の緩衝液を例示できる。
本発明のアズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼの量を測定することによるIC検査方法を実施するために適したキットは、アッセイ容器及び抗アズール顆粒物質抗体特に抗好中球エラスターゼ抗体又は抗ミエロペルオキシダーゼ抗体(好ましくは好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼをそれぞれ特異的に認識する抗体)を含む。好ましい形態のキットは、複数のウェルを有するプレートを含む。当該プレートはアッセイ後の変化を簡便に検出できるものが好ましく、多くのアッセイ用プレート(例えば96穴プレート)が公知である。更に、洗浄液及び標準蛋白質として使用する好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼをキットに含有することができる。標準蛋白質を用いることにより、好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼの量を定量することができる。
本発明は、アズール顆粒物質の新規な用途として、ICの検査用マーカー又は薬効評価用マーカーとしての使用も対象とする。上記のように、アズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼが、ICの患者において有意な変動動態を示すことからこのものはICを検査する際の検査用マーカー又はICの患者に対して適当な治療或いは動物でのスクリーニング試験を行った際の薬効評価のためのマーカーとして利用可能である。検査用マーカーとしての使用例は、例えば、健常者の各アズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼの測定値と被験者の尿試料における測定値とを比較する。健常者における測定値より被験者における測定値が高い場合、被験者がIC患者であると判定することができる。つまり、アズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼが、IC判定のための検査におけるマーカーとして使用できる。また、薬効評価用マーカーとしての使用とは、例えば、IC疾患患者又はICモデル疾患動物に候補薬剤を投与し、その投与前後のアズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼの測定値を比較すれば候補薬剤の薬効評価が可能となる。すなわち、アズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼは、IC疾患に対する薬剤投与による薬効評価用マーカーとして使用できる。具体的なマーカーの測定値の例としては、例えば被験者の尿試料における好中球エラスターゼの測定値が実施例3の条件において3ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)、実施例5の条件において0.2ng/mL以上(好ましくは1ng/mL以上、更に好ましくは5ng/mL以上)であるか否かを分析することによって、あるいは、ミエロペルオキシダーゼの測定値が、実施例6の条件において5ng/mL以上であるか否かを分析することによって、ICの検査が可能である。例えば実施例3の条件において3ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)、実施例5の条件において0.2ng/mL以上(好ましくは1ng/mL以上、更に好ましくは5ng/mL以上)の好中球エラスターゼが検出される被験者をIC患者と判定することができる。また、実施例6の条件において、5ng/mL以上のミエロペルオキシダーゼが検出される被験者をIC患者と判定することができる。IC患者と判定された患者は、この判定時測定値を基準として、一定期間の薬剤処置後に再度測定して、両者を比較すれば、当該薬剤の薬効評価が可能となる。つまり、アズール顆粒物質を薬効評価用マーカーとして使用できる。
また、本発明は、アズール顆粒物質をマーカーとして、IC患者に対する治療効果判定のための検査方法も対象とする。上記のように、アズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼが、ICの患者において有意な変動動態を示すことから、ICの患者に対して適当な治療を行った際の当該治療効果の評価のためにアズール顆粒物質をマーカーとして検査することは意義がある。実施例7において確認されるように臨床症状とアズール顆粒物質の検査値の相関性が確認され、特に痛みのある群において高いエラスターゼ濃度が存在することが明らかとなった。すなわち症状スコアのうち痛みのスコアが高いIC患者群ではエラスターゼ濃度が高いという相関性が認められた。このことから、アズール顆粒物質特にエラスターゼ濃度の測定は症状改善のマーカーになることが証明された。
治療は、投薬だけでなく、IC治療として可能な全ての治療手段が対象となる。IC患者又はIC疾患モデル動物に特定治療をおこない、その治療前後のアズール顆粒物質特に好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼの測定値を比較すれば当該治療効果の評価が可能となる。
すなわち、アズール顆粒物質(好ましくは、好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)の量又は活性をマーカーとして測定する工程を含むことを特徴とする、間質性膀胱炎患者の治療効果を検査する方法も本願に包含される。更には、IC治療前の患者の尿及びIC治療後の患者の尿を検体とし、アズール顆粒物質(好ましくは、好中球エラスターゼ又はミエロペルオキシダーゼ)の量又は活性をマーカーとして測定する工程、両者の測定値を比較する工程を含むことを特徴とする、間質性膀胱炎患者の治療効果を検査する方法も本願に包含される。
具体的なマーカーの測定値の例としては、実施例7の結果から判断すると、1ng/mL以上(好ましくは5ng/mL以上、更に好ましくは10ng/mL以上)の好中球エラスターゼが検出される被験者をIC患者と判定することができ、IC患者と判定された患者は、この判定時測定値を基準として、一定期間の治療後に再度好中球エラスターゼを測定して、両者を比較し、測定値が下がったかあるいは変わらないか等の判定によって、当該治療効果の評価が可能となる。つまり、アズール顆粒物質をマーカーとして測定することは、有効なIC患者の治療効果を検査する方法である。
5.3mgの蛍光ペプチド基質〔Suc(OMe)-Ala-Ala-Pro-Val MCA;ペプチド研究所〕を850μlのジメチルスルホキシドに溶解したものを蛍光ペプチド基質原液とした。96ウェルプレート(EIA/RIA plate,カタログ番号3694;コースター社)中に最終濃度が0.2Mトリエタノールアミン緩衝液(pH8.0)/ 1M 塩化ナトリウム/ 0.02% アジ化ナトリウム/0.1%ポリエチレングリコール6000となるように調製した緩衝液を入れ、最終濃度が0.5%の蛍光ペプチド基質原液、25%のIC患者または健常人の尿となるようにそれぞれを加え酵素反応を行った。本実施例においては採取後遠心操作を行わず凍結保存しておいた尿を融解した後、測定用試料として用いた。反応溶液量は100μlで行った。また反応は37℃のインキュベーター内で行った。一晩の酵素反応の後、蛍光プレートリーダー(SAFIRE;TECAN社)を用いて蛍光値を測定した。測定は380nmの励起光により放出される460nmの蛍光値を測定し、蛍光値の上昇を観察することにより、蛋白質分解酵素活性の検出を行った。
その結果、IC患者尿17例中7例から蛋白質分解酵素活性を検出した(測定値5000以上)のに対し、健常人の尿からは11例中1例のみにおいてしか蛋白質分解酵素活性を検出しなかった(10例は測定値1500以下)。これらのことから尿中の蛋白質分解酵素活性を測定することによりIC患者の検査が行えることがわかった。
実施例1で用いた蛍光ペプチド基質の分解活性を指標に、IC患者の尿中から蛋白質分解酵素の精製を行った。凍結保存しておいた100mlのIC患者の尿を融解後500×g、5分間の遠心操作を行い上清を得た後に、更に0.22μmのフィルターに通し不溶物を除いた。そこに100mlの20mM Tris-HCl, 0.5M NaCl (pH7.4)を加えConA Sepharose添加画分とした。あらかじめカラムに充填し20mM Tris-HCl, 0.5M NaCl(pH7.4)で平衡化しておいた1mlのConA Sepharose(アマシャムバイオサイエンス社)に上記の添加画分200mlをおよそ0.5ml毎分の流速で添加した。このときカラムを素通りした溶液をConA Sepharose非吸着画分とした。全ての添加画分をカラムに通した後、10mlの20mM Tris-HCl, 0.5M NaCl (pH7.4)を用いてConA Sepharoseと結合していない夾雑物を洗い流した。次にConA Sepharoseに結合した蛋白質を10mlの20mM Tris-HCl, 0.5M NaCl, 0.5M α-D-methylmannoside (pH7.4)を用いて溶出しConA Sepharose 溶出画分を得た。実施例1の方法を用いて尿の代わりにConA Sepharoseの添加画分、非吸着画分、溶出画分の蛋白質分解酵素活性を測定した。その結果、添加画分に存在する蛋白質分解酵素は、ConA Sepharoseに吸着・溶出し溶出画分に回収されていることが確認された。
ConA Sepharose 溶出画分をAmicon Ultra-15 MWCO 10K(ミリポア社)を用いて5000×g、10分間の遠心操作により1mlに濃縮した。そこに9mlの50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS (pH8.0)を加え再び遠心を行い1mlに濃縮した。更にもう一度9mlの50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS (pH8.0)を加え遠心を行い濃縮した1mlの溶液をMonoQ添加画分とした。以降の精製操作はAKTAexplore(アマシャムバイオサイエンス社)を用いて行った。あらかじめ50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS (pH8.0)により平衡化しておいたMono Q HR5/5(アマシャムバイオサイエンス社)にMonoQ添加画分を流速0.5ml毎分で添加した。このときカラムに吸着しなかった画分をMonoQ非吸着画分とした。次に10mlの50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS (pH8.0)の緩衝液を用いてカラム中の夾雑物を洗い流した。溶出は50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS(pH8.0)から50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS, 1M NaCl (pH8.0)へ時間依存的に切り替えることによるNaClの直線濃度勾配により行った。濃度勾配は50分間でNaCl濃度が0Mから1Mとなるように設定した。溶出の流速は0.5ml毎分で行い、1分間ごとに溶出画分の回収を行い0.5mlの画分を50本得た。MonoQ添加画分と非吸着画分と溶出画分の蛋白質分解酵素活性を実施例1の方法に準じて測定した。その結果、添加画分に認められた活性は、MonoQカラムに吸着し0.2M-0.6M NaClにより溶出されることが確認された。活性の確認された溶出画分のなかでも特に強い活性の認められた約0.3M-0.5M NaClで溶出された画分およそ5mlを、AmiconUltra-4 MWCO 10K(ミリポア社)を用いて200μlに濃縮した。
濃縮した画分をあらかじめ50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS, 1M NaCl (pH8.0)で平衡化しておいたSuperdex200HR10/30(アマシャムバイオサイエンス社)に添加し分子量分画を行った。試料を添加後、0.5ml毎分で50mM Tris-HCl, 0.1% CHAPS, 1M NaCl (pH8.0)を流し、カラムより流出してきた溶液を0.5mlずつ60分間回収した。実施例1の方法に準じて各流出画分の蛋白質分解活性の測定を行った結果、38分から48分にかけての流出画分に強い活性が見出された。強い活性が見出された画分をAmiconUltra-4 MWCO 10K(ミリポア社)を用いて100μlに濃縮した。そのうち15μlを還元状態でSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)に供した。SDS-PAGEはLaemmliらの方法(Nature 1970 227 p.680-685)に準じて行った。ゲルはPAGミニ「第一」4/20(第一化学薬品社)を用い、40mAの定電流で60分間泳動を行った。泳動後のゲルは銀染色MSキット(和光純薬社)を用いて銀染色を行った。染色は添付指示書に従い、添付試薬を用いて行った。
ゲル上に染色された蛋白質はメスを用いてゲルから切り出した。切り出したゲル小片中に含まれる蛋白質は、トリプシンを用いてゲル内酵素消化法(Schevchenkoら: Analytical Chemistry 1996 68 p.850-858)により断片化し、ペプチド混合物をゲルより回収した。
得られたペプチド混合物をキャピラリー逆相液体クロマトグラフィーカラム(PepmapC18、粒径3μm、内径0.075mm、長さ150mm、エルシーパッキング社)を用い、0.1%ギ酸存在下、流速を毎分約200nlに設定し、アセトニトリル勾配溶出法にて各ペプチドを分離した。液体クロマトグラフ装置(CapLCTM、マイクロマス社)に直接接続したエレクトロスプレーイオン源を有する四重極−飛行時間ハイブリッド型質量分析装置(Q-Tof UltimaAPI、マイクロマス社)により、自動的に各ペプチドの分子イオンを選択しそのプロダクトイオンスぺクトルを測定する方法(サーベイスキャン法)を用いて各ペプチドのプロダクトイオンスペクトルを得た。
上述のゲル内トリプシン消化により得られたペプチド混合物中の個々のペプチドのプロダクトイオンスペクトルを、公共の蛋白質データベースRefseq(リリース20030830、ヒト配列)を用い、解析ソフトMascot(マトリクスサイエンス社)にて検索照合した結果、好中球エラスターゼ(Elastase2,neutrophil、Refseq accession番号NP_001963)中の2カ所の部分アミノ酸配列〔VVLGAHNLSR(配列番号4)、ARPHAWPFMVSLQLR(配列番号5)〕が一致し、ゲル内のタンパク質が好中球エラスターゼであることが判明した。このことからIC患者の尿中の蛋白質分解酵素活性は好中球エラスターゼによることが明らかとなり、尿中の蛋白質分解酵素活性特に好中球エラスターゼ活性を測定することによりIC患者の検査が行えることがわかった。
実施例1で用いた蛍光ペプチド基質が好中球エラスターゼにより分解される基質であることおよび、IC患者の尿中より前記蛍光ペプチド基質の分解活性を指標に精製し、好中球エラスターゼが同定されたことから、IC患者及び健常人の尿中の好中球エラスターゼの含量を測定した。測定は好中球エラスターゼ酵素免疫測定キット(Immundiagnostik社)を用い添付指示書に従い、添付試薬を用いて行った。本実施例においては採取後遠心操作を行わず凍結保存しておいた尿を融解した後用いた。IC患者及び健常人の尿は添付の洗浄液を用いて10倍に希釈し測定用試料とした。また添付の標準蛋白質(好中球エラスターゼ)と洗浄液を用いて0、0.1、 0.3、 1、 3、10ng/ml標準蛋白質となるように標準蛋白質溶液を作製した。あらかじめ抗好中球エラスターゼ抗体が固相化されている添付の96ウェルプレートに、100μlの標準蛋白質溶液または測定用試料を加え振盪しながら室温で1時間抗体結合反応を行った。250μlの洗浄液で5回洗浄し未結合の蛋白質を洗い去った後、あらかじめ添付の指示書どおりに希釈しておいた抗好中球エラスターゼ抗体(マウス由来モノクローナル)溶液を100μl添加し、振盪しながら室温で1時間抗体結合反応を行った。250μlの洗浄液で5回洗浄を行い、未結合の抗体を洗い去った後、あらかじめ添付の指示書どおり希釈しておいたパーオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体溶液を100μl添加し、振盪しながら室温で30分間抗体結合反応を行った。250μlの洗浄液で5回洗浄を行い、未結合の抗体を洗い去った後、添付のテトラメチルベンジジン(TMB)基質(Tetramethylbenzidine substrate)を100μl加え、振盪しながら室温で15分間酵素反応を行った。添付の反応停止液を50μl加えた後、プレートリーダー(SpectraMAX250;MolecularDevice社)を用いて450nmの吸光値を測定した。標準蛋白質の測定値を元に検量線を作成し、その検量線を元に測定用試料の好中球エラスターゼ含量を算出した。
その結果、IC患者の尿においては、17例中13例において3ng/ml以上の好中球エラスターゼが検出された。しかし、健常人の尿においては11例中全てにおいて3ng/ml以上の好中球エラスターゼは検出されなかった。また10ng/ml以上の好中球エラスターゼが検出された検体はIC患者尿に17例中7例あり、これは全て蛋白質分解酵素活性が検出されたIC患者の尿と一致した。これらのことから尿中の好中球エラスターゼ量を測定することによりIC患者の検査が行えることがわかった。
IC患者及び健常人から採取した尿中には、好中球等の血球系細胞が含まれていることがある。これらの細胞は凍結することにより破砕され、細胞に含まれる蛋白質が尿中に放出される。尿中に好中球が含まれている場合、細胞中の好中球エラスターゼが尿中に放出され活性測定に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、採取後の尿を遠心分離機を用いて遠心し、細胞を沈殿させた後の上清を測定用の尿として用いて蛋白質分解酵素活性の測定を行った。
また、尿中には380nmの励起光により460nmの蛍光を発する物質が含まれていることから、以下のバックグラウンドを補正する方法で蛋白質分解酵素活性の測定を行った。あらかじめ基質を含んだ緩衝液と基質を含まない緩衝液を用意しておき、それぞれに測定する尿を添加し、2時間後の蛍光値を測定した。基質を含む測定液からは、分解された基質の持つ蛍光値と尿の持つ蛍光値が測定される。また基質を含まない測定液からは、尿の蛍光値のみが測定される。したがって基質を含む測定液の測定値と基質を含まない測定液の測定値の差を求めることにより、基質の分解物の蛍光値のみを算出することができる。この値を求めることにより、より正確な蛋白質分解酵素活性の測定を行った。
測定に用いた試薬、装置等は実施例1と同様のものを用い、反応時間を2時間とした以外は実施例1の方法で行った。測定時には標準酵素としてヒト好中球エラスターゼ(Elastin Products Company、カタログ番号CK828)を用いた。同時に測定した0、0.3125、0.625、1.25、2.5、5、10、20ng/mlの標準酵素により得られた測定値より検量線を作成し、その検量線を元に測定尿中の蛋白質分解酵素活性を算出した。
その結果、新たに測定した試料について、IC患者の尿は67例中47例において0.5ng/ml標準酵素活性以上の活性が検出された。一方、健常人の尿においては9例中1例から0.5ng/ml標準酵素活性以上の活性が検出されたのみで、8例においては検出限界以下だった。
尿中エラスターゼの活性を測定する方法としては、実施例1のように遠心操作を行わずに凍結融解した尿試料を用いることもでき、さらに本実施例のように採取した尿(原尿)を遠心分離した上清を試料として用いることができることがわかった。また、バックグラウンドを補正することにより、より正確に尿中エラスターゼの活性を測定できることがわかった。
実施例4と同様の方法であらかじめ遠心分離により細胞を除いた尿を用いて測定を行った。測定に用いた試薬、装置等は実施例3と同様のものを用い、2倍に希釈した尿を測定用試料とした以外は実施例3の方法で行った。その結果、新たに測定した試料について、IC患者の尿は67例中43例において0.2ng/ml以上の好中球エラスターゼが検出された。また健常人の尿においては9例中1例のみから0.2ng/ml以上の好中球エラスターゼが検出されたが、8例においては検出限界以下であった。尿中エラスターゼ量を測定する方法としては、実施例3のように遠心操作を行わずに凍結融解した尿試料を用いることもでき、さらに本実施例のように採取した尿(原尿)を遠心分離した上清を試料として用いることにより、より正確に尿中エラスターゼ量を測定できることがわかった。
ミエロペルオキダーゼの、尿中における存在量を酵素免疫測定法により測定した。測定はミエロペルオキシダーゼ酵素免疫測定キット(Immundiagnostik社)を用い添付指示書に従い、添付試薬を用いて行った。IC患者及び健常人の尿は添付の洗浄液を用いて10倍に希釈し測定用試料とした。また添付の標準蛋白質(ミエロペルオキシダーゼ)と洗浄液を用いて0、3.6、 11、 33、 100ng/ml標準蛋白質となるように標準蛋白質溶液を作製した。あらかじめ抗ミエロペルオキシダーゼ抗体が固相化されている添付の96ウェルプレートを250μlの洗浄液で5回洗浄した後に、100μlの標準蛋白質溶液または測定用試料を加え振盪しながら室温で1時間抗体結合反応を行った。250μlの洗浄液で5回洗浄し未結合の蛋白質を洗い去った後、あらかじめ添付の指示書どおりに希釈しておいたパーオキシダーゼ標識抗ミエロペルオキシダーゼ抗体(ポリクローナル抗体)溶液を100μl添加し、振盪しながら室温で1時間抗体結合反応を行った。250μlの洗浄液で5回洗浄を行い、未結合の抗体を洗い去った後、添付のテトラメチルベンジジン(TMB)基質(Tetramethylbenzidine substrate)を100μl加え、振盪しながら室温で15分間酵素反応を行った。添付の反応停止液を50μl加えた後、プレートリーダー(SpectraMAX250;MolecularDevice社)を用いて450nmの吸光値を測定した。標準蛋白質の測定値を元に検量線を作成し、その検量線を元に測定用試料のミエロペルオキシダーゼ含量を算出した。
その結果、IC患者の尿においては、17例中8例において5ng/ml以上のミエロペルオキシダーゼが検出された。しかし、健常人の尿においては11例中1例においてのみしか5ng/ml以上のミエロペルオキシダーゼは検出されなかった。これらのことから、尿中のミエロペルオキシダーゼ量を測定することによりIC患者の検査が行えることがわかった。
試料としたIC患者の尿は、実施例1と同じものであるが、5ng/ml以上のミエロペルオキシダーゼが検出されたIC患者の尿8例中6例は蛋白質分解酵素活性が検出された(測定値5000以上)(実施例1)試料と一致していた。また、5ng/ml以上のミエロペルオキシダーゼが検出されたIC患者の尿8例全てが、酵素免疫測定法において3ng/ml以上の好中球エラスターゼが検出された(実施例3)試料と一致していた。このように、ミエロペルオキダーゼの尿中の存在量は、尿中の好中球エラスターゼの量と相関していた。一方、好中球エラスターゼ及びミエロペルオキシダーゼは、アズール顆粒に含有されていることが知られている。これらのことからアズール顆粒物質の尿中の存在量を測定することにより、IC患者の検査が行えることがわかった。
現状の臨床的な治療効果判定は患者の主観的症状の改善がエンドポイントに使用されている。治療効果を客観的マーカーで定量的に評価できることは効果判定上非常に有用である。ICの症状を捉えるために質問表として症状スコア(Symptom Index)(Urology 1997 49 p.58-63)が使われている。このスコアの中において切迫感、頻尿、夜間頻尿および膀胱部痛をそれぞれ5段階で評価する。これらのマーカーと尿中好中球エラスターゼ濃度に相関が認められれば症状改善のマーカーに尿中好中球エラスターゼ濃度測定が有用であると考えられる。そこで実施例4(表1)および実施例5(表2)の67例のIC患者を痛みの有無に分けて解析したところ、痛みのある群において高い好中球エラスターゼ活性又は量が存在することが明らかとなった。すなわち症状スコアのうち痛みのスコアと好中球エラスターゼ活性又は量に高い相関が認められたことから、好中球エラスターゼ活性又は量が症状改善のマーカーになることが明らかとなった。
なお、表1及び表2のデータは、痛みのあるIC患者60人、痛みのないIC患者7人の結果をもとに算出した。
Claims (9)
- 尿中のアズール顆粒物質をマーカーとして測定する工程を含むことを特徴とする間質性膀胱炎の検査方法。
- アズール顆粒物質が好中球エラスターゼである請求の範囲第1項に記載の検査方法。
- アズール顆粒物質がミエロペルオキシダーゼである請求の範囲第1項に記載の検査方法。
- 非感染症尿疾患患者である被験者の尿試料を検体とする請求の範囲第1項〜第3項の何れか一に記載の検査方法。
- 細菌尿か否かを検査する工程を組み合わせる請求の範囲第1項〜第4項の何れか一に記載の検査方法。
- 好中球エラスターゼをマーカーとして測定する工程が、好中球エラスターゼの量を測定する工程である請求の範囲第2項、第4項、又は第5項の何れか一に記載の検査方法。
- 好中球エラスターゼをマーカーとして測定する工程が、好中球エラスターゼの活性を測定する工程である請求の範囲第2項、第4項、又は第5項の何れか一に記載の検査方法。
- 好中球エラスターゼの量を測定する工程がイムノアッセイによる工程である請求の範囲第6項に記載の検査方法。
- 好中球エラスターゼの活性を測定する工程が合成基質による工程である請求の範囲第7項に記載の検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006513717A JP4814788B2 (ja) | 2004-05-20 | 2005-05-19 | 間質性膀胱炎の検査方法 |
Applications Claiming Priority (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004149925 | 2004-05-20 | ||
JP2004149925 | 2004-05-20 | ||
JP2005099382 | 2005-03-30 | ||
JP2005099382 | 2005-03-30 | ||
JP2006513717A JP4814788B2 (ja) | 2004-05-20 | 2005-05-19 | 間質性膀胱炎の検査方法 |
PCT/JP2005/009153 WO2005114196A1 (ja) | 2004-05-20 | 2005-05-19 | 間質性膀胱炎の検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2005114196A1 JPWO2005114196A1 (ja) | 2008-03-27 |
JP4814788B2 true JP4814788B2 (ja) | 2011-11-16 |
Family
ID=35428492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006513717A Expired - Fee Related JP4814788B2 (ja) | 2004-05-20 | 2005-05-19 | 間質性膀胱炎の検査方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20080213800A1 (ja) |
EP (1) | EP1757938A4 (ja) |
JP (1) | JP4814788B2 (ja) |
CA (1) | CA2567300A1 (ja) |
WO (1) | WO2005114196A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010036930A1 (en) * | 2008-09-26 | 2010-04-01 | Javad Parvizi | Methods and kits for detecting joint infection |
MX2011012255A (es) * | 2009-05-18 | 2012-06-01 | Univ Graz Tech | Metodo para detectar infeccion en una herida. |
US20120115174A1 (en) * | 2009-07-17 | 2012-05-10 | Siemens Healthcare Diagnostics Inc. | Urinary trypsin inhibitors as diagnostic aid for interstitial cystitis |
CN105339780A (zh) | 2013-03-15 | 2016-02-17 | 拜耳医药保健有限公司 | 蛋白酶在中性粒细胞胞外诱捕网中的底物性质 |
GB201703313D0 (en) * | 2017-03-01 | 2017-04-12 | Mologic Ltd | Urinary tract infection diagnostic |
WO2020137172A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 公立大学法人奈良県立医科大学 | 間質性膀胱炎の診断方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08145993A (ja) * | 1994-11-25 | 1996-06-07 | Ikagaku:Kk | 尿中白血球の検出方法 |
JP2002048790A (ja) * | 2000-08-03 | 2002-02-15 | Ikagaku:Kk | 動脈硬化性病変の診断用キット |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6017723A (en) * | 1998-03-27 | 2000-01-25 | Long Island Jewish Medical Center | Method for isolating inhibitors of protease activity |
WO2000044390A1 (en) * | 1999-02-01 | 2000-08-03 | John Lezdey | Treatment of bladder and gastrointestinal mastocytosis |
-
2005
- 2005-05-19 JP JP2006513717A patent/JP4814788B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2005-05-19 US US11/596,867 patent/US20080213800A1/en not_active Abandoned
- 2005-05-19 EP EP05741432A patent/EP1757938A4/en not_active Withdrawn
- 2005-05-19 CA CA002567300A patent/CA2567300A1/en not_active Abandoned
- 2005-05-19 WO PCT/JP2005/009153 patent/WO2005114196A1/ja active Application Filing
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08145993A (ja) * | 1994-11-25 | 1996-06-07 | Ikagaku:Kk | 尿中白血球の検出方法 |
JP2002048790A (ja) * | 2000-08-03 | 2002-02-15 | Ikagaku:Kk | 動脈硬化性病変の診断用キット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2005114196A1 (ja) | 2005-12-01 |
EP1757938A4 (en) | 2008-01-09 |
EP1757938A1 (en) | 2007-02-28 |
JPWO2005114196A1 (ja) | 2008-03-27 |
US20080213800A1 (en) | 2008-09-04 |
CA2567300A1 (en) | 2005-12-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7361474B2 (en) | Serum macrophage migration inhibitory factor (MIF) as marker for prostate cancer | |
JP4516124B2 (ja) | 肝線維症の診断方法 | |
JP6415547B2 (ja) | 膵臓癌診断用組成物およびこれを用いた膵臓癌診断方法 | |
CN109564225B (zh) | 作为指示不良事件的标志物的组蛋白和/或proADM | |
JP4814788B2 (ja) | 間質性膀胱炎の検査方法 | |
JP2012509477A (ja) | 急性腎臓損傷を検出またはモニターするための方法、装置およびキット | |
JP2013525761A (ja) | 癌診断のための方法およびキット | |
US7211397B2 (en) | Method of analyzing non-complexed forms of prostate specific antigen in a sample to improve prostate cancer detection | |
JP7173495B2 (ja) | 敗血症又は敗血症性ショック(ss)患者に由来する血漿中の循環ヒストンh3及びh2bを検出する質量分析ベースの方法 | |
US20110269162A1 (en) | Ubiquitin proteasome system profiling for diagnosis of chronic liver disease | |
JP2018504595A (ja) | 前立腺癌マーカー及びその利用 | |
Bartold et al. | Idiopathic pulmonary fibrosis (IPF): Diagnostic routes using novel biomarkers | |
JP2002506210A (ja) | 前立腺ガンの識別方法 | |
CN115372616B (zh) | 胃癌相关的生物标志物及其应用 | |
JP2007520712A (ja) | 患者サンプルにおけるCu/Znスーパーオキシドジスムターゼ(Cu/ZnSOD)の濃度の選択的測定による敗血症の診断 | |
JP5429725B1 (ja) | 前立腺癌の進行度の評価方法、前立腺癌の検出方法、および検査キット | |
WO2017153869A1 (en) | Method for in vitro diagnosis of prostate cancer by means of urinary biomarkers | |
WO2020013097A1 (ja) | 前立腺がんに特異的な糖鎖、及びこれを用いた検査方法 | |
CN112285360A (zh) | I-309在制备原发性干燥综合征诊断试剂或试剂盒中的应用 | |
US20190137498A1 (en) | Methods and compositions for detecting cancer | |
WO2023100910A1 (ja) | 糞便中エラスターゼ1を測定する方法 | |
JP5010220B2 (ja) | 造血幹細胞移植療法の施行患者の病態把握方法 | |
JP2023131930A (ja) | 炎症性腸疾患を検査する方法 | |
CN118638739A (zh) | Gsdmd在胸痛相关疾病诊断及疗效评估上的用途 | |
兼田磨熙杜 | Time-dependent change of cell population data obtained using Sysmex XN-series hematology analyzer in bacterial infection |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080512 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110302 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110328 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110512 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110607 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110804 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4814788 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |