JP4813318B2 - ノイズ浄化デバイス及びノイズ浄化素子 - Google Patents

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本発明は、グランド線に電磁誘導されるノイズを浄化するノイズ浄化デバイス及びノイズ浄化デバイスに組み込み可能なノイズ浄化素子に関する。
パソコン等の電子機器に電力供給を行う環境では、2本の電線と1本のグランド線とを有する3芯ケーブルを用いられる場合が多く見られる。この種の3芯ケーブルは、一端に雄型の3Pプラグが接続され、他端に雌型の3Pプラグが接続され、電源とパソコン等の機器との間に配線される。
電源からの電力供給を行う場合、1つの電源からの電力供給を分岐して行うために、複数のコンセントを備えたテーブルタップを用いる場合がある。この種のテーブルタップが用いられる環境、すなわち低圧系統では、落雷による誘起作用によって雷サージ電圧が発生する場合がある。そのため、テーブルタップに雷保護素子を組み込んだものが開発されている(特許文献1,2)。
雷保護素子を組み込んだテーブルタップを用いることにより、3芯ケーブルの2本の電線に誘導される雷サージ電圧から電子機器をテーブルタップで遮断することができることとなる。
ところで、テーブルタップには、複数本の3芯ケーブルの雄型プラグが差し込まれるため、3芯ケーブルが隣接して林立することとなる。3芯ケーブルの2本の電線に電流が流れると、磁場が発生し、その磁界が隣接する他の3芯ケーブルのグランド線に影響を及ぼす。また、電子機器が使用される環境では、直流磁場、交流磁場などが発生している場合もある。
電子機器の使用環境内で各種の磁場が発生すると、これらの磁場が原因となって、3芯ケーブルのグランド線に電磁誘導電流が伝わりやすく、これがノイズを生み出している。
2本の電力供給用の電線に生じるノイズを抑制する構成が特許文献3,4,5に開示され、アースラインとしてのグランド線に生じるノイズを抑制する構成が特許文献6に開示されている。
特開2000−37035号公報 特開2003−45588号公報 実開昭50−127336号公報 実開昭61−140620号公報 特開平8−265085号公報 特開2003−198306号公報
しかしながら、特許文献3,4,5に開示されたノイズフィルタは、一方の電力供給用の電線に生じるノイズを他方の電力供給用の電線に通して電源側に帰還させて、ノイズが負荷に影響を与えるのを回避するものであり、これをグランド線に生じるノイズ対策に用いるためには、不可能である。何故ならば、電力供給用の電線に設けた抵抗器は、負荷に定格電力を供給するための電圧降下用であり、ノイズの熱消費のために定格出力の閾値を越えた電圧まで電圧降下させると、負荷側に定格出力が供給されなくなるためである。
特許文献6に開示されたノイズフィルタは、アースラインに誘導されるノイズを抑制できる基本的構成を対象とするものであり、既設の電力系統に組み込む際に改善の余地が残されている。
本発明の目的は、既設の電力系統に変更を加えずに、電力供給時のグランド線に電磁誘導されるノイズの対策に適合するノイズ浄化デバイス及びノイズ浄化デバイスに組み込み可能なノイズ浄化素子を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るノイズ浄化デバイスは、 電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流、及びグランド線に電磁誘導されるノイズ電流を処理するノイズ浄化デバイスであって、
ノイズ浄化素子と、保護ケースと、を有し、
前記ノイズ浄化素子は、前記ケース内で前記グランド線を回線接続するアースラインと、前記アースラインに併設したバイパスラインと、を有し、
前記アースラインは、前記低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流が流れることで低インピーダンスを示すと共に、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ前記ノイズ電流及び前記高周波電流の前記アースライン上での流れを阻止する高インピーダンスを示すトロイダル・コアを有し、
前記バイパスラインは、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ前記ノイズ電流及び前記高周波電流を熱に変換する熱変換素子を有し、
前記保護ケースは、熱変換素子が熱変換する際に発する熱を放熱する放熱片を含み、
前記グランド線は、多芯ケーブルに含まれ、雄型プラグ或いは雌型プラグが前記多芯ケーブルの一端に接続され、雄型プラグ或いは雌型プラグと対をなすプラグが前記多芯ケーブルの他端に接続されている、ことを特徴とするものである。
本発明に係るノイズ浄化素子は、電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流、及びグランド線に電磁誘導されるノイズ電流を処理するノイズ浄化デバイスに組み込み可能なノイズ浄化素子であって、
前記ノイズ浄化素子は、電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流、及びグランド線に電磁誘導されるノイズ電流を処理するノイズ浄化デバイスに組み込み可能なノイズ浄化素子であって、
前記ノイズ浄化素子は、グランド線と電子機器との接続箇所に接近して配置され、前記グランド線を回線接続するアースラインと、前記アースラインに併設したバイパスラインと、を有し、
前記アースラインは、前記低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流が流れることで低インピーダンスを示すと共に、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ前記ノイズ電流及び前記高周波電流の前記アースライン上での流れを阻止する高インピーダンスを示すトロイダル・コアを有し、
前記バイパスラインは、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ前記ノイズ電流及び前記高周波電流を熱に変換する熱変換素子を有し、
前記熱変換素子の電気抵抗値は、電子機器の浮遊容量と前記トロイダル・コアとの直列共振を停止するための抵抗値より大きい抵抗値であって、浄化すべきノイズ環境におけるノイズ周波数の下での前記トロイダル・コアのインダクタンスより小さい値に設定した、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、ノイズ浄化素子が予めグランド線に取り付けられているため、プラグを用いて既設の電力系統に差し込む構成にすることにより、電気に素人のユーザにとっても、簡単にグランド線に電磁誘導されるノイズ及び電子機器に生じる高周波短絡電流を除去でき、ノイズなどによる影響を受けない電子機器の環境を容易に構築することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
アースに関する国内規格では、グランド線のDC抵抗値として、「A種:DC抵抗値10Ω以下、D種:DC抵抗値100Ω以下」に設定することが規定されている。また、アメリカの安全規格(UL1283-ElectroMagnetic interference filter)の「Grounding Continuity」の項目には、「周波数60Hzの電流を25A流した場合に、アース線に余分な抵抗値を持たせない」という主旨の内容が規定されている。このUL規格は、電気機器の国際安全規格IECに基づくものである。前記国際安全規格IECにおいて、アースの導通について、種々の規格が分類して規定されている。これらの規格に共通する内容は、「大きな電流をアースに流した際に、大電流の流れを阻害するような抵抗が生じないようにする」ということである。
電子機器が設置され、その電子機器がグランド線で接地されると、電子機器を取り囲む空間には、ノイズ環境が形成される場合がある。前記ノイズ環境について考察する。短絡事故等が電子機器に起きると、短絡電流が電子機器に生じる。従来、前記短絡電流は、低周波電流であって、大電流値を示すものとして取り扱われていた。短絡電流は突発的に生じるのであって、恒常的に発生するものではない。
本発明者は、よりよくノイズ環境を浄化するため、短絡電流について周波数分析を行った。その結果、前記短絡電流には、大電流の電流成分に加えて、高周波の電流成分も含まれていることが分かった。この高周波の電流成分は、短絡電流の電流値ほど大電流値を示すものではないが、かなりの電流値を示す場合があることを突き止めた。さらに、本発明者は、商用電源周波数に近似する低周波の電流が電子機器に生じており、これが電子機器にノイズとして作用して、電子機器の動作に影響を与える場合があることも突き止めた。さらに、本発明者は、グランド線には、その距離にもよるが、ノイズ環境のノイズが電磁誘導によってノイズ電流として伝わる可能性があることを突き止めた。
そこで、本発明者は、電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流、及びグランド線に電磁誘導されるノイズ電流を処理するノイズ浄化デバイスを意図したものである。具体的に説明する。
実施形態に係るノイズ浄化デバイスは図1(a)に示すように、電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流、及びグランド線に電磁誘導されるノイズ電流を処理するノイズ浄化デバイスであって、ノイズ浄化素子1と、ケース2と、を有している。以下の説明では、グランド線Gは、3芯ケーブル3に含まれるグランド線を例にとって説明するが、グランド線Gは、3芯ケーブル3に含まれるグランド線に限られるものではない。3芯ケーブル3は、2本の電力或いは信号伝送用の電線と、1本のグランド線Gとを備えているが、図1でのグランド線Gは、2以上の電力或いは信号伝送用の電線を備えた多芯ケーブルに含まれるグランド線であってもよいものである。また、グランド線Gの本数は1本に限られるものではない。
図2(b)に示すように、3芯ケーブル3では、2本の電力或いは信号伝送用の電線が束ねられて外皮4で被覆され、外皮4で被覆された2本の電力或いは信号伝送用の電線と1本のグランド線Gとが束ねられて外皮5で被覆されている。3芯ケーブル3は、グランド線Gを除く他の電線が外皮4で被覆されたままでケース2に配線されている。グランド線Gは、図2(b)に示すように、ケース2内で分断された対をなす端子G1,G2を有しており、それぞれ端子G1,G2には、ビス穴6a,7aが開口された圧着端子6,7が圧着接続されている。
接続用プラグ8,9としては図1(a)、(b)及び(c)に示すように、雄型の3Pプラグ8と雌型のプラグ9とを用いている。雄型の3Pプラグ8は、2本のメインピン8a,8b及び1本のグランドピン8cが端面に平行状態で植立されている。雌型の3Pプラグ9は、雄型3Pプラグ7のメインピン8a,8bとグランドピン8cとに対応させて差込口9a,9b,9cが開口され、各差込口9a,9b,9cには、それぞれ図示しないピン受けバネが組み込まれている。
3芯ケーブル3は、一端に雄型の3Pプラグ8、他端に雌型の3Pプラグ9がそれぞれ取り付けられる。3芯ケーブル3の2本の電線Sは、雄型3Pプラグ8のメインピン8a,8bに接続され、1本のグランド線Gは、雄型3Pプラグ8のグランドピン8cに接続されている。同様に、3芯ケーブル3の2本の電線Sは、雌型3Pプラグ9の差込口9a,9b内に組み込まれたピン受けバネにそれぞれ接続され、1本のグランド線Gは、雌型3Pプラグ9の差込口9c内に組み込まれたピン受けバネに接続されている。なお、実施形態では、3芯ケーブル3に3Pプラグ8,9を取り付けたが、これに限られるものではない。例えば、3芯ケーブル3を電子機器或いは電源に直接接続する場合には、雄型3Pプラグ8、雌型3Pプラグ9は、必要としないものである。
ノイズ浄化素子1は図1(a)及び図2(c)に示すように、ケース2内でグランド線Gを回線接続するアースラインS1と、アースラインS1に併設したバイパスラインS2とを有している。
アースラインS1は図1(a)及び図2(a)、(c)に示すように、トロイダル・コア10を有している。トロイダル・コア10は図2(a)に示すように、リング状コア10aに巻線10bが施された構造のものであって、コア10aの材料及び巻線10bの巻き数などを調整することで、電子機器に発生する低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流が流れることで低インピーダンスを示すと共に、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつグランド線G上のノイズ電流及び電子機器に生じる高周波電流がアースラインS1上に流れるのを阻止する高インピーダンスを示す特性のものに構成してある。
アースに関する国内規格では、グランド線のDC抵抗値として、「A種:DC抵抗値10Ω以下、D種:DC抵抗値100Ω以下」に設定することが規定されている。国際規格であるIECでは、周波数60Hzの電流を25A流した場合にグランド線に、大電流の流れを阻止する抵抗が生じないようにする主旨が規定されている。これらの規定に基づけば、磁気飽和をしない領域の50Hz、60Hz乃至それ以上の交流電流に対してインピーダンスが0.1Ω以上であり、直流電流に対しては、銅線のみの抵抗値であって、0.1Ω以下となる。これらの規定に適合させるために、実施形態では、電子機器に発生する低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流が流れることでトロイダル・コア10が示す低インピーダンスを設定している。トロイダル・コア10が示す低インピーダンスは、トロイダル・コア10のリング状コア10aのコア材と巻線10bの巻き数などを調整することで得ている。なお、前記低インピーダンスの値は、国際安全規格IECに分類して定められている電気機器の種類に対応させて、アースの導通に関する規格に変更設定する。
トロイダル・コアは、一般的に通信回路、或いは伝送線路などに用いられるものである。トロイダル・コアに電流が恒常的に流れる場合、電流の激増のため回路が破壊されたり、発熱のためにコア自身が割れたりして大変危険である。損失の少ないコア材を使う限り通常の使用電流でコアの温度がキューリ温度に達することはあまりない。この通常の使用電流とは磁束密度が飽和磁束密度の及ぶことのない電流値を意味する。以上のように、トロイダル・コアに電流が恒常的に流れる場合、磁束密度が飽和磁束密度に達しない、すなわち磁気飽和を起こさない範囲での使用を目的とするものである(トロイダル・コア活用百科;CQ出版)。
これに対して、実施形態では、短絡事故などによって電子機器に生じる低周波電流は突発的に流れ、恒常的に流れるのではないことに着目し、しかも、大電流値の電流がトロイダル・コア10に流れても瞬間的であり、そのような電流では、リング状コア10aの温度がキューリ温度に達するために必要な熱容量を得ることは不可能であることを突き止めた。そして、トロイダル・コアの一般的な構成と相反する構成、すなわち、磁気飽和することを積極的に利用するものであり、電子機器に発生する低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流が流れることでアースライン規格の0.1Ω以下の低インピーダンスを示すと共に、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつグランド線G上のノイズ電流及び電子機器に生じる高周波電流がアースラインS1上に流れるのを阻止する高インピーダンスを示す特性に構成してある。
アースラインS1に併設したバイパスラインS2は、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつグランド線Gのノイズ電流、及び電子機器に生じる高周波電流を熱に変換する熱変換素子11を有している。アースラインS1及びバイパスラインS2は、グランド線Gが電子機器に接続される箇所に接近させて配置されている。
熱変換素子11の電気抵抗値Rは、電子機器の浮遊容量とトロイダル・コア10とでの直列共振を停止する抵抗値より大きい抵抗値であって、浄化すべきノイズ環境におけるノイズ周波数の下でのトロイダル・コア10のインダクタンスLより小さい値に設定する。熱変換素子11は、その電気抵抗値Rが以上の条件を満たす必要がある。一般的に電気抵抗値Rを主要な構成とする部品としては抵抗器が存在しているため、その抵抗値が前記電気抵抗値Rをもつ抵抗器を熱変換素子11として用いているが、これに限られるものではない。固有の電気抵抗値が前記電気抵抗値Rの条件を満たすものであれば、抵抗器以外の部品を熱変換素子11として用いてもよいものである。
ここで、熱変換素子11の電気抵抗値Rについて考察する。電子機器が工場などに設置されると、電子機器と大地との間に浮遊容量が存在することとなる。この浮遊容量は、経験的に推測される。この浮遊容量の容量値Cを考慮に入れて、ノイズ浄化素子を、グランド線Gが設置された大地側か
ら見たインピーダンスZin は、

Figure 0004813318

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−j を分子、分母にかけると、

Figure 0004813318
次にR−jωL を分子、分母にかけると、

Figure 0004813318
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Figure 0004813318
となる。
この回路における直列共振は、(1)式の虚数部が0となる角周波数ω近傍で生じるから、ω=ω とすると、

Figure 0004813318
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Figure 0004813318

Figure 0004813318
したがって、トロイダル・コア10と浮遊容量との直列共振を停止させるための抵抗値Rは、

Figure 0004813318

となる。

Figure 0004813318
の条件は、トロイダル・コア10と浮遊容量との直列共振を停止させるための抵抗値であり、抵抗器での電圧降下を最小限とする、すなわち、抵抗器での電力消費を最小限とするためのものである。
実施形態では、熱変換素子11として用いた抵抗器では、電圧降下を最小限とするものではなく、電圧降下を最大限とする、すなわち、ノイズ及び高周波短絡電流の大部分を熱に変換することを意図するものであるため、
Figure 0004813318
の条件に制限されることはない。
そこで、実施形態では、
Figure 0004813318
の条件、すなわち、電子機器の浮遊容量とトロイダル・コアとでの直列共振を停止する抵抗値より大きい抵抗値に設定している。
次に、磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、グランド線Gに電磁誘導されるノイズ及び電子機器に生じる高周波電流は、アースラインS1とバイパスラインS2とのインピーダンスの大小により、アースラインS1、又はバイパスラインS2のいずれかに流れる。さらに、トロイダル・コア10のインピーダンスは、周波数に依存して変化するものであり、一義的に決められるものではない。したがって、熱変換素子11の電気抵抗値Rと、トロイダル・コア10のインタクタンスLとの関係を特定するには、実施形態のノイズ浄化デバイスが設置されるノイズ環境でのノイズ周波数を特定する必要がある。ノイズ環境は、それぞれの環境でノイズ周波数が異なるものであるから、一義的に決められるものではないが、前記ノイズ及び前記高周波電流を、アースラインS1を避けてバイパスラインS2にのみ流す条件を求めることはできる。
そこで、実施形態では、前記ノイズ及び前記高周波電流を、アースラインS1を避けてバイパスラインS2にのみ流す条件を求めている。すなわち、浄化すべきノイズ環境における既知のノイズ周波数の下でのトロイダル・コア10のインピーダンスより、熱変換素子11のインピーダンスが小さい場合、前記ノイズ及び前記高周波電流は、アースラインS1に流れずにバイパスラインS2に流れることとなる。そこで、実施形態では、熱変換素子11の電気抵抗値は、電子機器の浮遊容量とトロイダル・コア10とでの直列共振を停止するための抵抗値より大きな抵抗値であって、浄化すべきノイズ環境におけるノイズ周波数の下でのトロイダル・コア30のインピーダンスより小さい抵抗値に設定している。
次に、ケース2について説明する。ケース2の底板12には図2(a)に示すように、放熱片14を中央にして、その左右にケーブル支え15,15がケース内の高さ方向に隆起して形成されている。放熱片14は、底板12に取り付けられ、トロイダル・コア10に嵌め込まれる柱状支持部16と、熱変換素子11に密着する受熱面17とを有している。柱状支持部16は、円筒状に形成され、トロイダル・コア10の底面を支える鍔部18を有しており、柱状支持部16の頂部は閉塞され、その閉塞部に受熱面17が形成されている。蓋13の対向する位置には、3芯ケーブル3を通過させるための通し孔19が形成されている。
底板12には、トロイダル・コア10及び熱変換素子11とケース2とを電気的に絶縁する絶縁体20が取り付けられている。絶縁体20には、対向する位置に3芯ケーブル3をガイドするガイド部21、22と、トロイダル・コア10を柱状支持部16の鍔部18に押し付ける圧着片23とが設けられている。
3芯ケーブル3のグランド線Gは図2(a)、(b)に示すように、ケース2内に対をなす端子G1,G2を有しており、その端子G1,G2には、ビス孔6a,7aに通したビス24で導電性の連結片25,26が結合されている。連結片25,26は絶縁体20に固定されている。トロイダル・コア10には柱状支持部16に差し込まれて、トロイダル・コア10の底部が鍔部18で支えられ、絶縁体20の圧着片23で鍔部18に押し付けられている。すなわち、トロイダル・コア10は、柱状支持部16の鍔部18と絶縁体20の圧着片23とで高さ方向が規制され、柱状支持部16で左右方向が規制されている。
トロイダル・コア10の巻線10bは、リング状コア10aに巻き付かれているから、その巻き始めの端部と、巻き終わりの端部とが存在している。熱変換素子11として用いた抵抗器11は、抵抗成分の両端から導線が引き出されている。そこで、トロイダル・コア10のリング状コア10aに巻き付けた巻線10bの一端(巻き始めの端部又は巻き終わりの端部)10と、抵抗器11の一端(いずれか一方の導線)11とを束ねて、これを圧着片27に圧着接続するとともに、トコイダル・コア10のリング状コア10aに巻き付けた巻線10bの他端(巻き終わりの端部又は巻き始めの端部)10と、抵抗器11の他端(残りの導線)11とを束ねて、これを圧着片28に圧着接続する。
2つの圧着片27,28のうち、一方の圧着片27は、グランド線Gの対をなす一方の端子G1に取り付けられた連結片25にビス29で電気的に圧着接続され、他方の圧着片28は、グランド線Gの対をなす他方の端子G2に取り付けられた連結片26にビス29で電気的に圧着接続されている。
熱変換素子11は、トロイダル・コア10を跨いだ状態で柱状支持部16の頂部に形成された受熱面17に圧着されている。熱変換素子11と柱状支持部16の受熱面17との関係においては、2本の導線11,11の長さを調整して、連結片25にビス止めされた圧着片27,28で熱変換素子11の導線11,11を牽引することで、熱変換素子11を柱状支持部16の受熱面17に圧着させている。
3芯ケーブル3は、ケース2の通し孔19に通してケース2内に引き込まれ、絶縁体20のガイド部21、22でガイドされることで、トロイダル・コア10を跨いだ状態でケース2内に配線されている。ケース2内に配線された3芯ケーブル3は、ケーブル止め30でケーブル支え15,15に固定されている。
蓋13は、トロイダル・コア10及び熱変換素子11を覆って底板12にブラインドリベットで固定され、トロイダル・コア10及び熱変換素子11は、蓋13と底板12とにより外部から隔離されている。
次に、実施形態のノイズ浄化デバイスの動作を図3に基づいて説明する。図3(a)は、グランド線が電子機器31と大地との間を電気的に接続した状態を概念的に示している。図3(b)は、電子機器に生じる低周波電流及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流に対してトロイダル・コアが低インピーダンスを示した状態を概念的に示している。図3(c)は、グランド線に電磁誘導されるノイズ電流及び、電子機器に生じる磁気飽和しない領域の電流値をもつ高周波電流に対してトロイダル・コアが高インピーダンスを示した状態を概念的に示している。
実施形態に係るノイズ浄化デバイスは、プラグ8,9のうち、短い3芯ケーブル3に取り付けたプラグ8又は9を電子機器に電気的に接続し、長い3芯ケーブル3に取り付けたプラグ9又は8を電源に電気的に接続する。これにより、グランド線Gは図3(a)に示すように、電子機器31と大地との間を電気的に接続したことになる。
電子機器及び3芯ケーブル3がノイズ環境内に配置されると、電子機器に低周波電流及び高周波電流が突発的に生じる場合がある。さらに、ノイズ環境内のノイズがグランド線Gにノイズ電流として電磁誘導されてノイズがグランド線Gに伝わる場合がある。
トロイダル・コア10は図3(b)に示すように、電子機器側に生じる低周波電流に対してアースライン規格の0.1Ω以下の低インピーダンスを示す。さらに、トロイダル・コア10は、周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流に対して、リング状コア10aが磁気飽和を引き起こして、アースライン規格の0.1Ω以下の低インピーダンスを示す。
したがって、電子機器に生じる低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流は、低インピーダンスを示したトロイダル・コア10を抵抗なく通過し、アースラインS1からグランド線Gに流れる、大地に放出される。電子機器に生じた電流のうち、低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流は大地に放出されるため、アースの安全性を確保することができる。
磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、グランド線G上のノイズ電流及び電子機器に生じる高周波電流がトロイダル・コア10に流れようとすると、トロイダル・コア10は図3(c)に示すように、これらの電流に対して高インピーダンスを示すため、これらの電流は、アースラインS1上に流れるのが阻止される。
電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、高周波電流及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流が存在する場合、これらの電流を浄化する必要がある。
アースラインS1には、バイアパスラインS2が併設されている。したがって、アースラインS1のインピーダンスと、バイパスラインS2のインピーダンスとの関係において、電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、高周波電流及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流は、アースラインS1とバイアパスラインS2とのいずれかを流れることとなる。
実施形態では、浄化すべきノイズ環境におけるノイズ周波数の下でのトロイダル・コア10のインピーダンスより小さい抵抗値に設定している。そのため、バイパスラインS2のインピーダンスは、アースラインS1のインピーダンスよりも小さいため、電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、高周波電流及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流は、アースラインS1を迂回して、バイパスラインS2に流れる。
バイパスラインS2に設置された熱変換素子11の電気抵抗値は、電子機器の浮遊容量とトロイダル・コア10とでの直列共振を停止するための抵抗値より大きな抵抗値に設定されている。したがって、電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ高周波電流、及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流は、熱変換素子11により熱に変換される。
熱変換素子11は、電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、高周波電流及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流を熱変換する際に発熱する。実施形態では、熱変換素子11は、放熱片14の受熱面17に密着しているため、放熱片14は、熱変換素子11の熱を外部に放出する。
実施形態によれば、ノイズ浄化素子1が予めグランド線Gに取り付けられているため、プラグ8,9を用いて既設の電力系統に差し込む構成にすることにより、電気に素人のユーザにとっても、簡単にグランド線Gに電磁誘導されるノイズ及び電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流を除去でき、ノイズなどによる影響を受けない電子機器の環境を容易に構築することができる。
一般的なトロイダル・コアは、磁気飽和を起こさない範囲での使用に設計されている。これに対して、実施形態では、トロイダル・コアを積極的に磁気飽和させる構成とすることで、電子機器に生じる有害な電流を大地に放出することで、アースの安全性を確保している。
すなわち、実施形態では、トロイダル・コア10の磁気飽和を利用して、トロイダル・コア10に低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流が流れることでアースライン規格の0.1Ω以下の低インピーダンスを示す構成としているため、電子機器に生じる低周波電流、及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流を、低インピーダンスを示したトロイダル・コア10を抵抗なく通過させて、アースラインS1からグランド線Gに通して大地に放出されることができる。したがって、アースの安全性を確保できる。
さらに、実施形態では、熱変換素子11の電気抵抗値を、浄化すべきノイズ環境におけるノイズ周波数の下でのトロイダル・コア10のインピーダンスより小さい抵抗値に設定しているため、バイパスラインS2のインピーダンスは、アースラインS1のインピーダンスよりも小さく、電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、高周波電流及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流は、アースラインS1を迂回して、バイパスラインS2に流れる。バイパスラインS2に設置された熱変換素子11の電気抵抗値は、電子機器の浮遊容量とトロイダル・コア10とでの直列共振を停止するための抵抗値より大きな抵抗値に設定されている。したがって、電子機器に生じる電流のうち磁気飽和を起こさない領域の電流値をもつ、高周波電流及びグランド線G上に電磁誘導されるノイズ電流は、熱変換素子11により熱に変換して、これらの電流を浄化できる。
実施形態によれば、保護ケース2は、熱変換素子11が熱変換する際に発する熱を放熱する放熱片14を含んでいるため、熱変換素子11の発する熱を放熱することができる。
従来は、電子機器に発生した高周波電流を浄化しておらず、この高周波電流は野放し状態であった。この高周波電流を解析すると、短絡事故などによっては、この高周波電流は、トロイダル・コア10を磁気飽和する電流値近傍の電流値を示すこともあり、作業者が電子機器に触れた際に、びりっと来たことを経験しており、これを野放し状態にするには危険が伴うものである。
実施形態では、熱変換素子11の熱を放熱片14で放熱しているため、前記高周波電流を熱変換素子11で熱に変換したとしても、前記高周波電流による熱容量に対する熱変換素子11の耐熱性を十分に確保することができ、従来野放しになっていた電子機器の高周波電流も確実に浄化することができる。これにより、ノイズ環境をよりよく改善することができる。
実施形態によれば、ケース2は、グランド線Gが図示しない電子機器に接続される箇所(図1では雌型3Pプラグ9の位置)に接近して配置される。すなわち、グランド線Gを図示しない電子機器に接続する雌型3Pプラグ9とケース2との間の距離をD1とし、グランド線Gを図示しない電源に接続する雄型3Pプラグ8とケース2との間の距離をD2とすると、D1<D2の大小関係に設定されている。ノイズは、グランド線Gの長さが長くなることによるアンテナ効果によって、グランド線Gに電磁誘導される電流によって生じるものであるから、距離D1を短くすることで、ノイズ浄化素子1と雌型3Pプラグ9との間のグランド線Gによるアンテナ効果を排除し、ノイズ浄化素子1と雌型3Pプラグ9との間のグランド線Gに、雌型3Pプラグ9が接続される電子機器に影響を与えるノイズが電磁誘導されることを回避できる。
さらに、距離D2を長くすることで、ノイズ浄化素子1と雄型3Pプラグ8との間のグランド線Gによるアンテナ効果が発揮されて、ノイズ浄化素子1と雄型3Pプラグ8との間のグランド線Gにノイズが電磁誘導されることとなるが、このノイズは、ケース2内のノイズ浄化素子1で熱に変換して熱消費して浄化することができる。
図4(A),(B)、図5(A),(B)及び図6は、実施形態に係るノイズ浄化デバイスのケーブル3で電源と電子機器とを電気的に接続し、かつケーブル3のグランド線Gで電子機器をアースした場合と、ノイズ浄化デバイスを取り付けない場合とのアース電流の変化を示している。図4〜図6に示す特性図において、上方に示したアース電流は実施形態に係るノイズ浄化デバイスを取り付けない状態でのアース電流を示している。図4〜図6に示す特性図において、下方に示したアース電流は実施形態に係るノイズ浄化デバイスを取り付けた状態でのアース電流を示している。
図4,図5及び図6において、縦軸は電流値を、横軸は周波数を、それぞれ示している。縦軸の電流値は、dBμAの単位で示してあるから、20dBμAは0.01mA、40dBμAは0.1mA、60dBμAは1mA、80dBμAは10mA、100dBμAは100mAに相当する。
ノイズ浄化デバイスが設置されたノイズ環境でのノイズ周波数は未知であるから、測定器の測定周波数を0Hzから周波数を10MHzまで変化させ、周波数毎にノイズ浄化デバイスの有無によるアース電流を比較した。また、熱変換素子11の電気抵抗値は、電子機器の浮遊容量とトロイダル・コア10とで直列共振を停止する抵抗値よりも大きい抵抗値であって、浄化すべきノイズ環境におけるノイズ周波数の下でのトロイダル・コア10のインダクタンスより小さい値に設定している。ノイズ周波数を10MHzまで変化させるため、トロイダル・コア10のインダクタンスLを6mH、熱変換素子11の電気抵抗値Rを3.3KΩに設定している。しかし、トロイダル・コア10のインダクタンスL及び熱変換素子11の電気抵抗値Rは、一例を示すものであって、R≪ωLを満たすことを条件として種々変更してもよいものである。
図4(A)に示す周波数が1KHzまでの範囲では、ノイズ浄化デバイスがない場合には、アース電流の最低の電流値が約50dBμA(0.5mA)以上であり、最大で約80dBμA(10mA)であり、その中間でのアース電流が鋸歯状に変化し、その電流値が約60dBμA(1mA)であり、周波数の異なるノイズ成分(グランド線Gに生じるノイズ及び電子機器に生じる低周波及び高周波電流を含む。以下、同じ)が存在することが分かる。実施形態に係るノイズ浄化デバイスを装備すると、アース電流の電流値が全体的に40dBμA(0.1mA)以下に下がった。比率では、アース電流の電流値を最大で1/100以下の電流値に下げることができた。しかも、周波数1KHzまでのアース電流の電流値を平均して約40dBμA(0.1mA)以下に下げることができた。さらに特筆すべきことは、商用電源周波数、すなわち図4(A)の0.05KHz付近でもアース電流が大幅に下がっていることである。実施形態では、商用電源周波数(図4(A)の0.05KHz付近)での電流値10mAを1/100の約40dBμA(0.1mA)まで低下させられる。したがって、電子機器に生じた低周波電流であっても、電子機器に影響を与えることを防止できる。
図4(A)に示した特性の傾向は図4(B)に示すように、測定周波数が10KHzまで同様に現れている。さらに図5(A)に示すように、測定周波数を100KHzまで上げると、アース電流の変化が緩慢になっている。これは、この周波数帯域では、ノイズがあまり発生していないことを示している。この場合においても、実施形態のノイズ浄化デバイスを装備すると、アース電流値を約0.05mAまで下げられることが分かる。これは、実施形態のノイズ浄化デバイスによるノイズの浄化が行われていることを意味する。
さらに図5(B)に示すように、測定周波数を1MHzまで上げると、ノイズ浄化デバイスを装備しない場合のアース電流の電流値と、ノイズ浄化デバイスを装備した場合のアース電流の電流値との差が接近する傾向を示している。この周波数帯域では、ノイズがあまり発生していないことを示している。この場合においても、実施形態のノイズ浄化デバイスを装備すると、アース電流値を約1/10まで下げられることが分かる。これは、実施形態のノイズ浄化デバイスによるノイズの浄化が行われていることを意味する。
さらに図6に示すように、測定周波数を10MHzまで上げると、ノイズ浄化デバイスの有無に拘わらず、アース電流の差が極めて縮まり、10MHzに接近すると、アース電流同士が重なる傾向を示す。これは、測定周波数が3MHzを越えると、このような周波数帯域のノイズが存在しないことを示している。
以上のように、実施形態に係るノイズ浄化デバイスを装備することで、ノイズ環境でのアース電流を大幅に小さくすることができ、ノイズを浄化できることが分かる。
なお、以上説明した実施形態では、雄型3Pプラグ8を多芯ケーブル1の端部に取り付けるようにしたが、これに限られるものではない。図8に示すように、雄型3Pプラグ7を取り付けた多芯ケーブル1を複数に分岐させ、その分岐した多芯ケーブル1の先端にそれぞれ雌型3Pプラグ8を取り付け、これらの雌型3Pプラグ8をフィルタケース5に配列して、テーブルタップ形式として構成してもよいものである。その場合、ノイズ浄化素子2は、分岐していない多芯ケーブル1のグランド線Gに、分岐した多芯ケーブル1のグランド線Gに共通に配置してもよい。しかし、これに限られるものではない。分岐した多芯ケーブル1にも同様にノイズ浄化素子2を設けてもよいものである。また、図7に示すように雄型プラグ8及び雌型プラグ9をそれぞれ1個ずつ設けてもよいものである。
図7の構成によれば、電子機器1台毎にノイズ浄化デバイスを取り付けることで、電子機器単位でノイズ環境を改善することができる。図8の構成によれば、複数台の電子機器に対して1台のノイズ浄化デバイスを取り付けることで、複数台の電子機器を取り巻くノイズ環境を1台のノイズ浄化デバイスで改善することが可能となる。
本発明によれば、既設の電力系統を変更することなく装着してノイズを除去でき、しかも、一般消費者にとってもプラグの接続だけで取り付けることができ、産業上極めて有用なものである。
(a)は、本発明の実施形態に係るノイズ浄化デバイスを示す図であって、蓋を取外した状態を示す平面図、(b)は雌型プラグを示す正面図、(c)は雄型プラグを示す正面図である。 (a)は縦断面図、(b)はグランド線の端子を示す図、(c)は抵抗器とインダクタの配線状態を示す図である。 (a)は、グランド線が電子機器と大地との間を電気的に接続した状態を示す概念図、(b)は、電子機器に生じる低周波電流及び周波数の如何に拘わらず磁気飽和領域の電流値をもつ電流に対してトロイダル・コアが低インピーダンスを示した状態を示す概念図、(c)は、ゴランド線に電磁誘導されるノイズ電流及び、電子機器に生じる磁気飽和しない領域の電流値をもつ高周波電流に対してトロイダル・コアが高インピーダンスを示した状態を示す概念図である。 実施形態に係るノイズ浄化デバイスのケーブルで電源と電子機器とを電気的に接続し、かつケーブルのグランド線で電子機器をアースした場合と、ノイズ浄化デバイスを取り付けない場合とのアース電流を測定して、プロットした特性図である。 実施形態に係るノイズ浄化デバイスのケーブルで電源と電子機器とを電気的に接続し、かつケーブルのグランド線で電子機器をアースした場合と、ノイズ浄化デバイスを取り付けない場合とのアース電流を測定して、プロットした特性図である。 実施形態に係るノイズ浄化デバイスのケーブルで電源と電子機器とを電気的に接続し、かつケーブルのグランド線で電子機器をアースした場合と、ノイズ浄化デバイスを取り付けない場合とのアース電流を測定して、プロットした特性図である。 雄型プラグと雌型プラグとをそれぞれ1個設けた場合を示す図である。 1個の雄型プラグと複数の雌型プラグを設けた場合を示す図である。
符号の説明
1 ノイズ浄化素子
2 ケース
3 3芯ケーブル
8 雄型3Pプラグ
9 雌型3Pプラグ
10 トロイダル・コア
11 熱変換素子
S1 アースライン
S2 バイパスライン

Claims (1)

  1. 電子機器に生じる低周波電流及び高周波電流、及びグランド線に電磁誘導されるノイズ電流を処理するノイズ浄化デバイスであって、
    磁気飽和する領域で前記低周波電流の流れを許容し、磁気飽和しない領域で前記ノイズ電流及び前記高周波電流の流れを阻止するトロイダル・コアと、前記ノイズ電流及び前記高周波電流を熱に変換する抵抗器とを組み合わせたノイズ浄化素子を有し、
    前記ノイズ浄化素子の前記トロイダル・コアと前記抵抗器とを、両端部にそれぞれプラグを有する多芯ケーブルのグランド線に接続し、
    前記トロイダル・コアを、保護ケースに設けた放熱片の柱状部に嵌め込み、前記抵抗器を、前記柱状部の頂部に形成した受熱面に密着することにより、前記トロイダル・コア及び前記抵抗器を前記保護ケース内に収納し、
    前記グランド線を電子機器に接続する前記プラグと前記保護ケースとの間の距離を、前記グランド線を電源に接続する前記プラグと前記保護ケースとの間の距離より短く設定したことを特徴とするノイズ浄化デバイス。
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