JP4812470B2 - フォトマスクおよび露光方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトマスク、およびそれを用いた露光方法に関する。
従来のフォトマスクとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載のフォトマスクには、主開口部の他に、補助開口部が設けられている。ここで、主開口部とは、半導体ウエハに形成される所定のパターンに対応して設けられ、半導体ウエハに転写される開口部のことである。また、補助開口部とは、主開口部の周囲に設けられ、半導体ウエハに転写されない開口部のことである。この補助開口部は、主開口部と共に正方格子状に配列されている。
特開平11−135402号公報
このように主開口部の周囲に補助開口部を配置することにより、半導体ウエハを露光する際の解像力を高めることが可能である。しかしながら、特許文献1のフォトマスクを用いてダイポール照明光による露光を行うと、特定の方向での解像力が極端に低くなってしまう。このことは、その方向に沿ってレイアウトされたパターンどうしが半導体ウエハ上でショートするのを引き起こす恐れがある。
本発明によるフォトマスクは、ダイポール照明光による半導体ウエハの露光に用いられるフォトマスクであって、上記半導体ウエハに形成される所定のパターンに対応して設けられ、上記半導体ウエハに転写される主開口部と、上記主開口部の周囲に設けられ、上記半導体ウエハに転写されない補助開口部と、を備え、当該フォトマスクの面内方向のうち上記ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向に平行および垂直な方向をそれぞれ第1および第2の方向としたとき、上記補助開口部は、その中心点が、上記第1の方向に平行で且つ上記主開口部の中心点を通る第1の直線、および上記第2の方向に平行で且つ上記主開口部の中心点を通る第2の直線の双方を避けて配置されており、当該フォトマスクの面内方向のうち上記ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向に対して45°および135°をなす方向をそれぞれ第3および第4の方向としたとき、上記補助開口部は、上記第3の方向に平行で且つ上記主開口部の中心点を通る第3の直線上、または上記第4の方向に平行で且つ上記主開口部の中心点を通る第4の直線上に配置されており、上記補助開口部は、上記第3の直線上に上記主開口部の中心点を挟んで配置された第1および第2の補助開口部と、上記第4の直線上に上記主開口部の中心点を挟んで配置された第3および第4の補助開口部とを含んでいる
このフォトマスクにおいて、補助開口部の中心点は、第1および第2の直線の双方から外れている。これに対して、補助開口部の中心点が第1の直線上に乗っている場合には、第2の方向での解像力が極端に低下してしまう。また、補助開口部の中心点が第2の直線上に乗っている場合には、第1の方向での解像力が極端に低下してしまう。したがって、補助開口部の中心点が第1および第2の直線を避けるようにすることにより、特定の方向での解像力が極端に低下するのを回避することができる。
なお、主開口部の中心点は、主開口部が一定の質量(面密度)をもつと仮定したときの質量中心として定義される。例えば、主開口部の形状が矩形であれば、その中心点は、2本の対角線の交点に一致する。或いは、主開口部の形状が円形であれば、その中心点は、円の中心に一致する。補助開口部の中心点についても同様である。
また、本発明による露光方法は、上記フォトマスクを通じて、上記ダイポール照明光を上記半導体ウエハに照射することを特徴とする。この露光方法によれば、上述のフォトマスクを用いているため、特定の方向での解像力が極端に低下するのを回避することができる。
本発明によれば、特定の方向での解像力が極端に低下するのを回避することが可能なフォトマスクおよび露光方法が実現される。
以下、図面を参照しつつ、本発明によるフォトマスクおよび露光方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるフォトマスクの第1実施形態を示す平面図である。フォトマスク1は、ダイポール照明光による半導体ウエハの露光に用いられるフォトマスクであって、主開口部10、ならびに補助開口部22(第1の補助開口部)、補助開口部24(第2の補助開口部)、補助開口部26(第3の補助開口部)および補助開口部28(第4の補助開口部)を備えている。
主開口部10は、半導体ウエハに形成される所定のパターンに対応して設けられており、半導体ウエハに転写される開口部である。本実施形態において当該パターンは、ホールパターンである。一方、補助開口部22,24,26,28は、主開口部10の周囲に設けられており、半導体ウエハに転写されない開口部である。すなわち、各補助開口部22,24,26,28は、開口面積が主開口部10よりも小さく、露光時に転写されない程度の光ビームを通過させるものである。各補助開口部22,24,26,28の開口面積は、例えば、主開口部10の開口面積の50〜80%程度とされる。本実施形態において主開口部10および補助開口部22,24,26,28の形状は何れも、矩形、特に正方形である。
各補助開口部22,24,26,28は、その中心点23,25,27,29が、第1の方向に平行で且つ主開口部10の中心点11を通る直線L1(第1の直線)、および第2の方向に平行で且つ中心点11を通る直線L2(第2の直線)の双方を避けるようにして配置されている。
ここで、第1の方向は、フォトマスク1の面内方向のうち、上記ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向に平行な方向(図中の左右方向)である。また、第2の方向は、フォトマスク1の面内方向のうち、同配列方向に垂直な方向(図中の上下方向)である。本実施形態において第1および第2の方向は、主開口部10の4辺(各補助開口部22,24,26,28の4辺)の何れかに平行である。ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向とは、換言すれば、フォトマスク1に入射する直前のダイポール照明光の2つの強度ピークを結ぶ線分に平行な方向である。
また、主開口部10の中心点11は、主開口部10が一定の質量(面密度)をもつと仮定したときの質量中心として定義されている。本実施形態においては、主開口部10の形状が矩形であるので、その中心点11は、2本の対角線の交点に一致する。各補助開口部22,24,26,28の中心点23,25,27,29についても同様である。なお、これらの中心点11,23,25,27,29は、図1中に図示されているが、言うまでもなく仮想的な点である。
補助開口部22,24,26,28の配置についてより詳細に説明すると、各補助開口部22,24,26,28は、第3の方向に平行で且つ主開口部10の中心点11を通る直線L3(第3の直線)上、または第4の方向に平行で且つ中心点11を通る直線L4(第4の直線)上に配置されている。具体的には、補助開口部22および補助開口部24が直線L3上に中心点11を挟んで配置されているとともに、補助開口部26および補助開口部28が直線L4上に中心点11を挟んで配置されている。特に本実施形態においては、補助開口部22の中心点23および補助開口部24の中心点25が直線L3上に乗っているとともに、補助開口部26の中心点27および補助開口部28の中心点29が直線L4上に乗っている。
ここで、第3および第4の方向は、フォトマスク1の面内方向のうち、ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向に対してそれぞれ45°および135°をなす方向である。中心点11を中心として直線L1をフォトマスク1の面内で半時計周りに角度θ(0≦θ<180°)だけ回転して得られる直線に平行な方向が、上記配列方向に対してθをなす方向である(図1参照)。上述の第1および第2の直線は、それぞれθが0°および90°の場合に相当する。
本発明による露光方法の第1実施形態は、フォトマスク1を通じて、ダイポール照明光を半導体ウエハに照射するものである。
続いて、本実施形態の効果を説明する。フォトマスク1において、補助開口部22,24,26,28の中心点23,25,27,29の全てが、直線L1および直線L2の双方から外れている。これに対して、中心点23,25,27,29の何れかが直線L1上に乗っている場合には、第2の方向での解像力が極端に低下してしまう。また、中心点23,25,27,29の何れかが直線L2上に乗っている場合には、第1の方向での解像力が極端に低下してしまう。
この点について説明すべく、補助開口部の中心点および主開口部の中心点の双方を通る直線と直線L1とのなす角をψ(0≦ψ<180°)とする。角度ψのとり方は、上述の角度θの場合と同様である。ここで、図16(a)〜図16(d)は、NILS(Normalized Image Log-Slope)とψとの関係を示すグラフである。NILSは、threshold位置の変化(露光量の変化に対応)に対する寸法変動の傾きに線幅を掛けた値である。この値が大きいほど、解像力が高いということになる。これらのグラフのうち図16(a)および図16(b)は、ダイポール照明に代表される非対称な照明を用いた場合に相当し、図16(c)および図16(d)は、輪帯照明に代表される対称な照明を用いた場合に相当する。また、図16(a)および図16(c)が第1の方向のNILSを示し、図16(b)および図16(d)が第2の方向のNILSを示している。
図16(a)および図16(b)からわかるように、ダイポール照明を用いた場合、角度ψが0°から45°まで増加するとき、第1の方向での解像力は単調に低下し、第2の方向での解像力は単調に増大する。さらにψが45°から90°まで増加すると、第1および第2の方向の何れについても、解像力が単調に低下する。一方、ψが180°から90°まで減少するときも、第1および第2の方向での解像力は同様に変化する。すなわち、0≦ψ<180°の範囲でψを変化させると、ψ=0°、90°または180°で第2の方向での解像力が極小となり、ψ=90°で第1の方向での解像力が最低となる。
したがって、補助開口部の中心点が第1および第2の直線を避けるようにすることにより、特定の方向での解像力が極端に低下するのを回避することができるのである。換言すれば、解像力が最低となる方向での解像力を高めることができるため、方向による解像力の偏りを小さく抑えることができる。このように複数の方向でバランス良く解像力を得られることは、ホールパターンの露光においては特に重要である。
また、各補助開口部22,24,26,28は、直線L3または直線L4上に配置されている。これは、上記ψが45°または135°付近にある場合に相当する。このとき、第1の方向での解像力と第2の方向での解像力とが互いに最も近づくため、両方向でバランス良く解像力を得る上で最適である。
フォトマスク1における補助開口部は、直線L3上に中心点11を挟んで配置された補助開口部22および補助開口部24、ならびに直線L4上に中心点11を挟んで配置された補助開口部26および補助開口部28を含んでいる。このように主開口部10の周囲に複数の補助開口部を対照的に配置することにより、上述した効果、すなわちバランス良く解像力を得るという効果を高めることができる。
本実施形態の露光方法によれば、フォトマスク1を用いているため、特定の方向での解像力が極端に低下するのを回避することができる。
図2〜図8を参照しつつ、本実施形態の効果を確認するために実行したシミュレーションの結果を説明する。図2(a)および図2(b)は、本シミュレーションにおいて用いた光源を示す平面図である。前者がダイポール照明光源、後者が輪帯照明光源を示している。図2(a)に示すように、ダイポール照明光源の各開口は、半径が0.30の円形をしている。また、2つの開口の中間点から各開口の中心点までの距離(2つの開口の中心点間距離の1/2に等しい)は、0.70である。一方、図2(b)に示すように、輪帯照明光源の内径および外径は、それぞれ0.57および0.85である。また、本シミュレーションにおいては、照明光の波長が157nm、開口数NAが0.8、バイナリマスクという条件で、70nmの孤立ホールを露光した。
図3(a)は、本発明の第1の実施例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、図1のフォトマスク1と同様に、45°方向および135°方向に計4個の補助開口部20が設けられている。主開口部10の中心点と補助開口部20の中心点との間の距離は、約170nmである。また、主開口部10は1辺が90nmの正方形であり、各補助開口部20は1辺が70nmの正方形である。後述する図4(a)、図5(a)、図7(a)および図8(a)においても、主開口部10および補助開口部20の形状およびサイズは同様である。
図3(b)は、ダイポール照明光を用いて、図3(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から、NILSを算出したところ、0°方向(第1の方向)では1.413、90°方向(第2の方向)では1.424、45°方向(第3の方向)では1.467であった。半導体生産プロセスにおいては、NILSが1.4以上であることが好ましい。
図3(c)は、輪帯照明光を用いて、図3(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、45°方向で1.373であった。
図4(a)は、第1の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、主開口部10および補助開口部20のうち主開口部10のみが設けられている。
図4(b)は、ダイポール照明光を用いて、図4(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、0°方向で1.199、90°方向で1.277であった。
図4(c)は、輪帯照明光を用いて、図4(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.238であった。
図5(a)は、第2の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、0°方向に計2個の補助開口部20が設けられている。主開口部10の中心点と補助開口部20の中心点との間の距離は、160nmである。
図5(b)は、ダイポール照明光を用いて、図5(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、0°方向で1.807、90°方向で1.104であった。
図6(a)は、第3の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、0°方向に計2個の補助開口部20が設けられている。ただし、主開口部10は、短辺が60nm、長辺が120nmの長方形であり、補助開口部20は、短辺が50nm、長辺が90nmの長方形である。主開口部10の中心点と補助開口部20の中心点との間の距離は、160nmである。
図6(b)は、ダイポール照明光を用いて、図6(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、0°方向で1.502、90°方向で1.151であった。
図7(a)は、第4の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、0°方向および90°方向に計4個の補助開口部20が設けられている。主開口部10の中心点と補助開口部20の中心点との間の距離は、160nmである。
図7(b)は、輪帯照明光を用いて、図7(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.364であった。
図8(a)は、第5の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、0°方向、45°方向、90°方向および135°方向に計8個の補助開口部20が設けられている。主開口部10の中心点と0°方向または90°方向に配置された補助開口部20の中心点との間の距離は、160nmである。また、主開口部10の中心点と45°方向または135°方向に配置された補助開口部20の中心点との間の距離は、約230nmである。
図8(b)は、輪帯照明光を用いて、図8(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.227であった。
これらの結果からわかるように、本発明の実施例に対応する図3(b)における0°方向、45°方向および90°方向の全てのNILSが、比較例に対応する図3(c)、図4(b)、図4(c)、図7(b)および図8(b)における何れのNILSよりも高かった。また、比較例に対応する図5(b)および図6(b)における0°方向のNILSは、図3(b)におけるNILSを上回っているが、90°方向のNILSは、図3(b)におけるNILSを大きく下回っている。このように特定の方向でのNILSが極端に小さいと、その方向に配列された主開口部と補助開口部との間、または補助開口部どうしの間でショートが起こる恐れがある。
図9は、上述の空間像シミュレーションの結果について、補助開口部20の配置方向の強度プロファイルを示すグラフである。図10は、同結果についてフォーカスマージンを示すグラフである。これらのグラフにおいて、線C31、C32、C41、C42、C51、C61、C71およびC81は、それぞれ図3(b)、図3(c)、図4(b)、図4(c)、図5(b)、図6(b)、図7(b)および図8(b)に対応している。
図9のグラフからわかるように、転写マージンは充分に確保されている。ここで言う転写マージンとは、補助開口部が転写されることなく主開口部が転写されるために必要な照明光強度の範囲を指している。また、図10からわかるように、フォーカスマージンは、図3(a)のフォトマスクを用いてダイポール照明光による露光を行った場合(線C31参照)に、0.17μmで最大となった。これに対して、図4(a)のフォトマスクを用いて輪帯照明光による露光を行った場合(線C42参照)のフォーカスマージンは0.12μmであった。
図11および図12を参照しつつ、露光されるホールパターンの真円度を実施例と比較例との間で比較する。前者はフォーカスマージンを示すグラフであり、後者はNILSを示すグラフである。これらのグラフにおいて、線C31aおよびC31bは、それぞれ図3(b)の縦方向(90°方向)および横方向(0°方向)についての結果を示している。同様に、線C41aおよびC41bはそれぞれ図4(b)の縦方向および横方向、線C51aおよびC51bはそれぞれ図5(b)の縦方向および横方向、線C61aおよびC61bはそれぞれ図6(b)の縦方向および横方向に対応している。
図11および図12のグラフからわかるように、図3(a)のフォトマスクを用いてダイポール照明光による露光を行った場合(線C31aおよびC31b参照)に、縦方向と横方向との間で、寸法の差およびNILSの差の何れも最小となった。特にこの場合、寸法の差およびNILSの差の何れも0に近くなった。このことは、略完全な真円が得られることを意味している。これに対して、図5(a)のフォトマスクを用いてダイポール照明光による露光を行った場合(線C51aおよびC51b参照)には、縦横の寸法差が15.6nmとなった。また、図6(a)のフォトマスクを用いてダイポール照明光による露光を行った場合(線C61aおよびC61b参照)には、縦横の寸法差が8.7nmとなった。このように、ダイポール照明にて0°方向に補助開口部を配置した場合には、楕円形状が顕著であった(図5(b)および図6(b)参照)。
(第2実施形態)
図13は、本発明によるフォトマスクの第2実施形態を示す平面図である。フォトマスク2は、ダイポール照明光による半導体ウエハの露光に用いられるフォトマスクであって、主開口部10、および補助開口部20を備えている。本実施形態においては、主開口部10および補助開口部20が複数ずつ設けられている。同図中には、9個の主開口部10と4個の補助開口部20が示されている。
各主開口部10の構成は、図1で説明したものと同様である。また、各補助開口部20の構成は、図1で説明した補助開口部22,24,26,28の構成と同様である。本実施形態においても、各補助開口部20は、その中心点が、第1および第2の直線の双方を避けるようにして配置されている。また、各補助開口部20は、第3または第4の直線上に配置されている。
第1、第2、第3および第4の直線は、図1で説明したとおりである。ただし、本実施形態のように複数の主開口部10が存在する場合には、第1の方向に平行で、且つ各補助開口部20に最近接の主開口部10の中心点を通る直線を第1の直線とする。第2、第3および第4の直線についても同様である。例えば、図13中の右上の補助開口部20について見ると、この補助開口部20に最近接の主開口部10は、右上の4つの主開口部10ということになる。
本発明による露光方法の第2実施形態は、フォトマスク2を通じて、ダイポール照明光を半導体ウエハに照射するものである。
本実施形態においても、補助開口部20の中心点の全てが第1および第2の直線の双方から外れているため、特定の方向での解像力が極端に低下するのを回避することができる。本実施形態のその他の効果は、上述した第1実施形態と同様である。
図14および図15を参照しつつ、本実施形態の効果を確認するために実行したシミュレーションの結果を説明する。本シミュレーションにおいては、図2(a)および図2(b)に示した光源を用いて、照明光の波長が157nm、開口数NAが0.8、バイナリマスクという条件で、セミデンスホールを露光した。ホールのピッチは240nmであり、各ホールのサイズは70nmである。
図14(a)は、本発明の第2の実施例に係るフォトマスクを示す平面図である。主開口部10および補助開口部20の配置は、フォトマスク2と同様である。互いに最近接の主開口部10どうしの中心点間距離は、240nmである。また、主開口部10の中心点とそれに最近接の補助開口部20の中心点との間の距離は、約170nmである。主開口部10は1辺が90nmの正方形であり、各補助開口部20は1辺が70nmの正方形である。
図14(b)は、ダイポール照明光を用いて、図14(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.528であった。
図14(c)は、輪帯照明光を用いて、図14(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.287であった。
図15(a)は、第6の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。このフォトマスクにおいては、主開口部10および補助開口部20のうち主開口部10のみが設けられている。図14(a)のフォトマスクと同様に、複数の主開口部10が設けられている。互いに最近接の主開口部10どうしの中心点間距離は、やはり240nmである。主開口部10は1辺が90nmの正方形である。
図15(b)は、ダイポール照明光を用いて、図15(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.298であった。
図15(c)は、輪帯照明光を用いて、図15(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。この結果から算出したNILSは、1.100であった。
これらの結果からわかるように、図14(a)のフォトマスクを用いてダイポール照明光による露光を行った場合に、NILSが最大となった。
本発明によるフォトマスクおよび露光方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では補助開口部が45°または135°方向に配置された例を示したが、補助開口部は、その中心点が第1および第2の直線から外れている限り、45°または135°以外の方向に配置されていてもよい。
また、上記実施形態では補助開口部の個数が4である場合の例を示したが、補助開口部の個数は、1以上であればいくつであってもよい。
また、上記実施形態では補助開口部の形状が正方形である場合の例を示したが、補助開口部の形状は、正方形以外であってもよい。正方形以外の形状としては、長方形、円形または楕円形等が挙げられる。
本発明によるフォトマスクの第1実施形態を示す平面図である。 (a)および(b)は、それぞれシミュレーションにおいて用いたダイポール照明光源および輪帯照明光源を示す平面図である。 (a)は、本発明の第1の実施例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、ダイポール照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。(c)は、輪帯照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)は、第1の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、ダイポール照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。(c)は、輪帯照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)は、第2の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、ダイポール照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)は、第3の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、ダイポール照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)は、第4の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、輪帯照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)は、第5の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、輪帯照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 空間像シミュレーションの結果について、補助開口部の配置方向の強度プロファイルを示すグラフである。 空間像シミュレーションの結果についてフォーカスマージンを示すグラフである。 露光されるホールパターンの真円度を実施例と比較例との間で比較するためのグラフである。 露光されるホールパターンの真円度を実施例と比較例との間で比較するためのグラフである。 本発明によるフォトマスクの第2実施形態を示す平面図である。 (a)は、本発明の第2の実施例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、ダイポール照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。(c)は、輪帯照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)は、第6の比較例に係るフォトマスクを示す平面図である。(b)は、ダイポール照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。(c)は、輪帯照明光を用いて、(a)のフォトマスクについて空間像シミュレーションを実施した結果を示す図である。 (a)〜(d)は、実施形態の効果を説明するためのグラフである。
符号の説明
1 フォトマスク
2 フォトマスク
10 主開口部
11 中心点
20 補助開口部
22 補助開口部
23 中心点
24 補助開口部
25 中心点
26 補助開口部
27 中心点
28 補助開口部
29 中心点

Claims (4)

  1. ダイポール照明光による半導体ウエハの露光に用いられるフォトマスクであって、
    前記半導体ウエハに形成される所定のパターンに対応して設けられ、前記半導体ウエハに転写される主開口部と、
    前記主開口部の周囲に設けられ、前記半導体ウエハに転写されない補助開口部と、を備え、
    当該フォトマスクの面内方向のうち前記ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向に平行および垂直な方向をそれぞれ第1および第2の方向としたとき、前記補助開口部は、その中心点が、前記第1の方向に平行で且つ前記主開口部の中心点を通る第1の直線、および前記第2の方向に平行で且つ前記主開口部の中心点を通る第2の直線の双方を避けるようにして配置されており、
    当該フォトマスクの面内方向のうち前記ダイポール照明光の有効光源分布の配列方向に対して45°および135°をなす方向をそれぞれ第3および第4の方向としたとき、前記補助開口部は、前記第3の方向に平行で且つ前記主開口部の中心点を通る第3の直線上、または前記第4の方向に平行で且つ前記主開口部の中心点を通る第4の直線上に配置されており、
    前記補助開口部は、前記第3の直線上に前記主開口部の中心点を挟んで配置された第1および第2の補助開口部と、前記第4の直線上に前記主開口部の中心点を挟んで配置された第3および第4の補助開口部とを含んでいるフォトマスク。
  2. 請求項1に記載のフォトマスクにおいて、
    前記主開口部および前記補助開口部は、複数ずつ設けられており、
    前記第1の直線は、前記第1の方向に平行で、且つ前記各補助開口部に最近接の前記主開口部の中心点を通る直線であり、
    前記第2の直線は、前記第2の方向に平行で、且つ前記各補助開口部に最近接の前記主開口部の中心点を通る直線であるフォトマスク。
  3. 請求項1に記載のフォトマスクにおいて、
    前記主開口部および前記補助開口部は、複数ずつ設けられており、
    前記第1の直線は、前記第1の方向に平行で、且つ前記各補助開口部に最近接の前記主開口部の中心点を通る直線であり、
    前記第2の直線は、前記第2の方向に平行で、且つ前記各補助開口部に最近接の前記主開口部の中心点を通る直線であり、
    前記第3の直線は、前記第3の方向に平行で、且つ前記各補助開口部に最近接の前記主開口部の中心点を通る直線であり、
    前記第4の直線は、前記第4の方向に平行で、且つ前記各補助開口部に最近接の前記主開口部の中心点を通る直線であるフォトマスク。
  4. ダイポール照明光による半導体ウエハの露光方法であって、
    請求項1乃至3いずれかに記載のフォトマスクを通じて、前記ダイポール照明光を前記半導体ウエハに照射することを特徴とする露光方法。
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