JP4810749B2 - 燃料改質装置 - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料改質装置に関し、詳しくは、炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃料改質装置としては、水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに水蒸気を混合し、改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトして水素リッチガスを得るものが提案されている(例えば、特開昭63−303801号公報など)。この装置では、水を蒸気化する蒸発器を備え、この蒸発器により蒸気化した水蒸気を改質ガスに混合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした燃料改質装置では、蒸発器が必要なために、装置が複雑化すると共に大型化する。また、水の蒸気化に必要な熱源が必要となる一方、シフト部における温度調節のために、改質ガスの顕熱を効率よく小領域で冷却することが必要となり、装置の熱効率が低くなる場合が多い。また、従来の熱交換器(例えば、水冷や油冷,空冷など)では構成要素の熱容量や媒体の熱容量により過渡的な温度や熱変化への対応も困難であった。
【0004】
本発明の燃料改質装置は、装置の小型化や簡易化,応答性の向上を目的の一つとする。また、本発明の燃料改質装置は、改質ガスに水を導入し蒸気となる過程に発生する潜熱冷却を利用して高効率な熱交換を図ると共に改質ガスと気化した水蒸気とをより均等に混合することを目的の一つとする。さらに、本発明の燃料改質装置は、装置の熱効率の向上を目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の燃料改質装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の第1の燃料改質装置は、
炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、 前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
水を加圧して加温する加圧加温手段を備える水供給混合手段であって、前記加圧加温手段により加圧および加温された水を前記改質ガスに対して噴霧すると共に該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
を備え
前記加圧加温手段は、前記改質ガスの流路をなす改質ガス流路と前記水の流路をなす水流路とが熱交換可能に配置されてなり、前記改質ガスとの熱交換により前記水を加温する熱交換手段を備え、
前記改質ガス流路は、少なくとも流出口近傍の表面に親水性または吸湿性の材料による被膜を備えることを要旨とする。
本発明の第2の燃料改質装置は、
炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
水を加圧して加温する加圧加温手段を備る水供給混合手段であって、前記加圧加温手段により加圧および加温された水を前記改質ガスに対して噴霧すると共に、該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
を備え、
前記加圧加温手段は、前記改質ガスの流路をなす改質ガス流路と前記水の流路をなす水流路とが熱交換可能に配置されてなり、前記改質ガスとの熱交換により前記水を加温する熱交換手段を備え、
前記水供給混合手段は、前記熱交換手段の後段で該熱交換手段の前記改質ガス流路の流出口近傍の底面と該改質ガス流路の流入口との水を連絡する水連絡手段を備えることを要旨とする。
本発明の第3の燃料改質装置は、
炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
前記改質ガスに対して水を噴霧すると共に該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
を備え、
前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流れにおける上流側が低くなる傾斜の底面のケースを備えることを要旨とする。
本発明の第4の燃料改質装置は、
炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
前記改質ガスに対して水を噴霧すると共に該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
を備え、
前記水供給混合手段は、前記混合ガス中の未気化の水を気化する気化手段を備え、
前記気化手段は、前記混合ガスを複数に分割して流す複数の混合ガス流路であることを要旨とする。
本発明の第6の燃料改質装置は、
炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
水を加圧して加温する加圧加温手段を備える水供給混合手段であって、前記加圧加温手段により加圧および加温された水を前記改質ガスに対して噴霧すると共に、該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
を備え、
前記加圧加温手段は、前記水混合手段によって前記水が噴霧される前の改質ガスの流路をなす改質ガス流路と前記水の流路をなす水流路とが熱交換可能に配置されてなり、前記水が噴霧される前の改質ガスとの熱交換により前記水を加温する熱交換手段を備えることを要旨とする。
【0007】
発明の第1ないし第4および第6の燃料改質装置では、水供給混合手段が、改質部からの水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに対して水を噴霧すると共にこの噴霧した水(ミスト)を気化して改質ガスと混合し、この混合ガスを、一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部に供給する。この本発明の第1ないし第4および第6の燃料改質装置によれば、改質ガスに直接水を噴霧するから、水の気化の少なくとも一部を改質ガスの顕熱により行なうことができる。しかも、通常、改質部の適正温度に対してシフト部の適正温度は低いから、水の噴霧と気化による潜熱冷却によりシフト部に供給する混合ガスの温度を低くすることができる。即ち、水供給混合手段は、シフト部へ供給する混合ガスに水蒸気を含ませると共にその温度を調節するものとして機能するのである。
【0013】
本発明の第1、第2および第6の燃料改質装置では、前記水供給混合手段は、水を加圧して加温する加圧加温手段を備え、該加圧加温手段により加圧および加温された水を噴霧する手段である。そのため、圧力開放時に水の気化をさらに促進することができる
【0014】
また、本発明の第1、第2および第6の燃料改質装置によれば、前記加圧加温手段は、前記改質ガスとの熱交換により水を加温する熱交換手段を備えるため、改質ガスの熱を用いて水を加温することができる
【0019】
また、本発明の第1の燃料改質装置によれば、前記改質ガス流路は、少なくとも流出口近傍の表面に親水性または吸湿性の材料による被膜を備えるため、噴霧された水の一部が液滴化して改質ガス流路の表面に付着しても、飛散するのを防止することができると共に付着した水を改質ガスの顕熱によって気化することができる。
【0020】
さらに、本発明の第1の燃料改質装置において、前記改質ガス流路は、少なくとも流出口近傍に複数のフィンを備えるものとすることもできる。こうすれば、噴霧された水の一部が液滴化して改質ガス流路の表面やフィンに付着した場合、改質ガス流路表面やフィンにおける直接伝熱により、付着した水を気化することができる。
【0021】
本発明の第2の燃料改質装置によれば、前記水供給混合手段は、前記熱交換手段の後段で該熱交換手段の前記改質ガス流路の流出口近傍の底面と該改質ガス流路の流入口との水を連絡する水連絡手段を備えるため、熱交換手段の後段で液滴化した水を改質ガス流路の流入口に導いて気化することができる。本発明の第2の燃料改質装置において、前記水連絡手段は、多孔質材料により形成されてなるものとすることもできるし、毛細管現象を可能とする材料により形成されてなるものとすることもできる。また、前記水連絡手段は、前記改質ガス流路の流出口近傍と該改質ガス流路の流入口近傍との圧力差に基づいて該改質ガス流路の流出口近傍の水を該改質ガス流路の流入口近傍に導く手段であるものとすることもできる。
【0022】
また、本発明の第の燃料改質装置によれば、前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流れにおける上流側が低くなる傾斜の底面のケースを備えるため、重力の作用により液滴化した水を改質ガスの上流側に集めることができると共に上流側の温度の高い改質ガスに接触することによって液滴化した水を気化することができる。
【0023】
本発明の第1ないし第3いずれかの燃料改質装置において、前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流れの撹拌混合を促進する撹拌混合手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、改質ガスと噴霧した水との撹拌混合が促進されるから、水の気化を促進することができると共により均一に混合することができる。この態様の本発明の燃料改質装置において、前記撹拌混合手段は、前記改質ガスの流路に設けられた一つまたは複数のオリフィスであるものとすることもできる。
【0024】
本発明の第1ないし第3いずれかの燃料改質装置において、前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流路に配置され噴霧により吹き付けられた水を前記改質ガスに気化する気化部材を備えるものとすることもできる。こうすれば、水の気化を促進することができる。
【0025】
本発明の第1ないし第3いずれかの燃料改質装置において、前記水供給混合手段は、前記混合ガス中の未気化の水を気化する気化手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、未気化の水を気化することができる。
【0026】
水供給混合手段が気化手段を備える態様の本発明の第1ないし第3いずれかの燃料改質装置において、前記気化手段は、前記混合ガスの流路に配置され、該混合ガスとの接触面積が多い高接触部材を備えるものとすることもできる。こうすれば、高接触部材の接触面に液滴化する水を混合ガスによって気化することができる。
【0027】
本発明の第4の燃料改質装置によれば、前記気化手段は、前記混合ガスを複数に分割して流す複数の混合ガス流路であるため、複数の混合ガス流路の壁面に液滴化する水を混合ガスによって気化することができる。
【0028】
発明の第の燃料改質装置において、前記混合ガス流路は、前段の改質ガスの流れに対して所定の角度をもつよう形成されてなるものとしたり、前記混合ガスが流入口から流出口まで直線状に流れないよう形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、液滴化した水がシフト部に供給されるのを抑制することができると共に液滴化し付着した水の気化を促進することができる。
【0029】
また、本発明の第の燃料改質装置において、前記混合ガス流路は、表面に親水性または吸湿性の材料による被膜を備えるものとすることもできる。こうすれば、混合ガス流路の表面に液滴化した水が飛散するのを防止することができると共に液滴化した水を混合ガスを用いて気化することができる。
【0030】
あるいは、本発明の第の燃料改質装置において、前記混合ガス流路は、複数のフィンを備えるものとすることもできる。こうすれば、混合ガスとの接触面積が多くなるから、液滴化した水の保持量の増加と共に混合ガスへの伝熱効率を向上し、液滴化した水の気化を促進することができる。
【0031】
水供給混合手段が気化手段を備える態様の本発明の第1ないし第3いずれかの燃料改質装置、あるいは本発明の第4の燃料改質装置において、前記気化手段は、前記混合ガスを直接または間接に加温する混合ガス加温手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、より確実に未気化の水を気化することができる。
【0032】
本発明の第の燃料改質装置は、
炭化水素系燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
前記炭化水素系燃料から水素と一酸化炭素とを含む改質ガスを生成する改質部と、
一酸化炭素と水蒸気から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を進行することによって、前記改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するシフト部と、
前記シフト反応に利用されるシフト反応用水を前記改質ガスの流路に供給する水供給部と、
前記シフト反応が完了するのに先立って、前記改質ガスを、前記シフト反応用水の少なくとも一部を含む冷媒との間で熱交換を行なわせて降温させる熱交換部と、
を備え、
前記水供給部は、前記熱交換部で冷媒として用いて昇温した前記シフト反応用水を気化して、前記改質ガスの流路に供給することを要旨とする。
【0033】
以上のように構成された本発明の第の燃料改質装置によれば、改質ガスの流路に供給するシフト反応用水を、熱交換部で昇温させるため、シフト反応用水を気化するのに用いるエネルギを削減することができると共に、シフト反応用水を気化するための構成を簡素化することができる。また、このとき熱交換部において、改質ガスを降温させる動作を同時に行なうことができるため、改質ガスを降温させるために設ける特別な構成を削減することができる。したがって、燃料改質装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0034】
本発明の第の燃料改質装置において、前記熱交換部は、前記改質ガスを、前記シフト部に供給するのに先立って降温させることとしても良い。一般的に、改質反応が進行する反応温度は、シフト反応が進行する反応温度よりも高い。したがって、改質部より排出された改質ガスを、シフト反応に適した温度にまで降温させる際に、改質ガスの顕熱を用いてシフト反応用水を昇温させることができ、エネルギ効率を向上させることができる。
【0035】
あるいは、本発明の第の燃料改質装置において、
前記シフト部は、より高い温度で前記シフト反応が進行する高温シフト部と、前記高温シフト部の下流側に位置してより低い温度で前記シフト反応が進行する低温シフト部とを備え、
前記熱交換部は、前記高温シフト部から排出される前記改質ガスを、前記低温シフト部に供給するのに先立って降温させることとしても良い。
【0036】
このような構成とすれば、高温シフト部から排出された改質ガスを、低温シフト部における反応に適した温度にまで降温させる際に、改質ガスの顕熱を用いてシフト反応用水を昇温させることができ、エネルギ効率を向上させることができる。
【0037】
このような構成において、前記水供給部は、前記熱交換部における前記熱交換で昇温した前記シフト反応用水を、前記低温シフト部に供給することとしても良い。
【0038】
本発明の第の燃料改質装置において、前記熱交換部の冷媒は、前記シフト反応用水とは異なる他の冷媒を含み、前記熱交換部は、前記改質ガスが通過する改質ガス流路と、前記他の冷媒が通過する第1の冷媒流路と、前記改質ガスとの熱交換のために前記シフト反応用水が通過する第2の冷媒流路と、を有することとしても良い。このように複数種類の冷媒を用いるならば、改質ガスを降温させる効率を向上させることができ、熱交換部をより小型化することが可能となる。また、改質ガスを降温させる動作を、より精度良く制御することが可能となる。さらに、シフト反応用水のすべてを熱交換部で冷媒として用いる場合にも、シフト反応で要する水の量に拘束されることなく、改質ガスを降温させることができる。
【0039】
このような構成の本発明の第の燃料改質装置において、前記熱交換部内の前記改質ガス流路と前記第1の冷媒流路とは、熱交換可能であって互いに略直交するように形成されていることとしても良い。
【0040】
熱交換部が他の流体を冷媒としてさらに用いる態様の本発明の第の燃料改質装置において、前記熱交換部内における前記第2の冷媒流路は、前記改質ガス流路が形成されている領域の外縁部において、該改質ガス流路に沿って設けられていることとしても良い。改質ガス流路が形成されている領域の外縁部は、改質ガス流路内を通過する改質ガスの流量がより少なく、改質ガスと上記した他の冷媒との間で行なわれる熱交換に貢献する度合いが低い領域であるといえる。したがって、このような領域にシフト反応用水の流路を設けることで、熱交換部全体の熱交換効率を向上させることができる。また、上記熱交換に貢献する度合いが低い領域を利用することで、熱交換部を小型化することができる。
【0041】
このような燃料改質装置において、前記水供給部は、前記熱交換部において前記改質ガス流路が形成されている領域の外縁部において、前記改質ガス流路の少なくとも一部と前記第2の冷媒流路との双方に接続された多孔質体を備え、これによって、前記シフト反応用水が、前記多孔質体から前記改質ガス流路内に気化された状態で供給されることとしても良い。このような構成とすれば、改質ガスにシフト反応用水を気化して供給するための構成を小型化することができる。
【0042】
このような燃料改質装置において、前記シフト反応用水が前記第2の冷媒流路から前記多孔質体に流入するときの流れの向きは、前記改質ガス流路内を通過する前記改質ガスの流れの向きと対向することとしても良い。このような構成とすれば、多孔質体内のシフト反応用水は、より温度が高い改質ガスから熱を供給されるため、シフト反応用水の気化を促進することができる。
【0043】
本発明の第の燃料改質装置において、前記水供給部は、前記改質部の出口と前記シフト部の出口との間の所定の場所において、前記改質ガスの流路に接続されて、前記熱交換部を経由して昇温したシフト反応用水が供給される多孔質体を備え、これによって、前記シフト反応用水が、前記多孔質体から前記改質ガスの流路内に気化させた状態で供給されることとしても良い。このような構成とすれば、改質ガスにシフト反応用水を気化した状態で供給するための構成を小型化することができる。また、改質ガスが有する熱を用いてシフト反応用水を気化させる際の熱のロスを削減し、エネルギ効率を向上させることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例:
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例である燃料改質装置20の構成の概略を模式的に示す構成図である。第1実施例の燃料改質装置20は、水ポンプ23による水タンク22からの水と燃料ポンプ25による燃料タンク24からの炭化水素系の燃料(例えば、プロパンやブタンなど)とブロア26による空気を混合して改質原料とする混合部28と、改質原料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質反応部30と、水ポンプ31による水タンク22からの水を改質ガスに噴霧して水蒸気と改質ガスとからなる混合ガスとすると共に所定範囲の温度に混合ガスを冷却する熱交換部32と、混合ガス中の一酸化炭素をシフト反応により水素と二酸化炭素とにシフトするシフト反応部34と、シフト反応部34ではシフトできなかった一酸化炭素をブロア36により供給される空気中の酸素を用いて酸化して水素リッチで一酸化炭素濃度が低い燃料ガスとする一酸化炭素浄化部38とを備える。本発明の中核は、熱交換部32の構成にあるから、それ以外の構成についての詳細な説明は省略する。なお、第1実施例の燃料改質装置20における熱交換部32では、600〜1000℃程度で運転される改質反応部30からの改質ガスに水蒸気を混合すると共に200〜600℃程度で運転されるシフト反応部34に供給するために200〜600℃程度まで冷却する。
【0045】
図2は、熱交換部32の構成の概略を示す構成図である。熱交換部32は、図示するように、噴霧する水を改質ガスにより加熱する第1熱交換部40と、改質ガスに水を噴霧する第2熱交換部50と、未気化の水を気化する第3熱交換部60とを備える。
【0046】
第1熱交換部40は、図中左側から右側に改質ガスを流すガス流路部材42と、図中上方から下方に水を流す水流路部材44とが熱交換可能に複数積層されて構成されており、水タンク22から供給され圧力調節弁52により圧力調節された水と改質反応部30からの改質ガスとの熱交換により、水は加熱され改質ガスは冷却されるようになっている。ガス流路部材42と水流路部材44とには、熱交換の効率が良くなるように複数のフィン43,45が取り付けられている。なお、第1熱交換部40における水の加熱は、圧力調節弁52により加圧された圧力状態で飽和液水となるように調節されている。
【0047】
第2熱交換部50は、圧力調節弁52により開放された水を鉛直上方から下方に向けて改質ガスの流れに対して所定の角度をもって互いに対向するよう噴霧する二つのノズル54を備える。噴霧された水(ミスト)は、改質ガスから気化熱を奪って気化して水蒸気となり、改質ガスと混合して混合ガスとなる。したがって、改質ガスは水が気化する際の気化熱などにより更に冷却されることになる。ここで、改質ガスの流れに対して所定の角度をもって互いに対向するよう水を噴霧するのは、噴霧した水(ミスト)の改質ガスによる気化の促進と改質ガスとの混合の促進を図るためである。鉛直上方から下方に向けて改質ガスに水を噴霧するのは、鉛直下方を流れる改質ガスの温度を鉛直上方を流れる改質ガスの温度より高くするためである。こうすることにより、噴霧した水(ミスト)のうち凝縮合体により液滴化し第2熱交換部50の底面に集まった水の気化を促進することができる。なお、第1熱交換部40で水を鉛直上方から鉛直下方に流すのも鉛直下方を通過して流れる改質ガスの温度を鉛直上方を流れる改質ガスの温度より高くするためである。
【0048】
第3熱交換部60は、ハニカムチューブのように複数の壁面により区切られた複数の混合ガス流路62により構成されている。混合ガス流路62では、壁面に付着した未気化の水を混合ガスにより気化して水蒸気としている。
【0049】
以上説明した第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32によれば、シフト反応部34に必要な水蒸気を改質ガスに混合することができると共に改質ガスと水蒸気とを混合した混合ガスをシフト反応部34の適正な温度範囲まで冷却することができる。しかも、熱交換部32を第1熱交換部40と第2熱交換部50と第3熱交換部60とにより構成し、改質ガスを段階的に冷却すると共に水を段階的に気化するから、水をより確実に気化することができると共に改質ガスおよび混合ガスをより確実に冷却することができる。また、第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32によれば、供給水の気化と改質ガスの冷却を同一領域内で発生させることにより外部への熱ロスなどをなくし、伝熱効率の向上を図ることができる。さらに、第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32によれば、水を、第1熱交換部40で加熱し、第2熱交換部50で噴霧して気化するから、別に蒸発部を設けたり配管の取り回しをする必要がなく、装置の簡易化と小型化を図ることができると共に熱効率を向上させることができる。
【0050】
(B)第1実施例の変形例:
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、第1熱交換部40のガス流路部材42を、改質ガスの全体としての流れと同一方向に改質ガスが流れるよう配置したが、図3の変形例の熱交換部32Bに示すように、第1熱交換部40Bのガス流路部材42Bを、改質ガスの全体としての流れに対して所定の角度をもって流れるよう配置するものとしてもよい。こうすれば、ノズル54から噴霧された水が上流側に遡るのを抑制することができると共に熱交換効率を向上させることができる。また、付着した水を改質ガスを用いて気化することもできる。このように噴霧された水が上流側に遡るのを抑制すると共に熱交換効率を向上させ、付着した水の気化を図る変形例としては、図4の変形例の熱交換部32Cに示すように、ガス流路部材42Cを屈曲するように配置することもできる。この場合、図5の変形例の熱交換部32Dに示すように、屈曲部に空間46Dを設けるものとしてもよい。また、噴霧した水の上流側への遡上の抑制や熱交換効率の向上,付着した水の気化の促進は、改質ガスが直線状に流れないようにすることにより達成できるから、図6の変形例の熱交換部32Eに示すように、第1熱交換部40Eを前段と後段とにより構成し、前段と後段との間に空間46Eを設けると共に前段と後段におけるガス流路部材42Eが整合しないように配置するものとしてもよい。また、図7の変形例の熱交換部32Fに示すように、水流路部材44Fをチューブ状に形成し、水流路部材44Fを千鳥状に配置することにより改質ガスが直線状に流れないようにすることもできる。
【0051】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、第1熱交換部40のガス流路部材42の表面は何ら処理しないものとしたが、図8の変形例の熱交換部32Gに示すように、ガス流路部材42Gの表面に保水性の材料や親水性の材料により形成された被膜47Gを施す処理を行なうものとしてもよい。こうすれば、噴霧した水のうち上流側に遡り壁面で液滴化した水を被膜47Gで保持し、改質ガスにより気化することができる。
【0052】
この他、ガス流路部材42のバリエーションとしては、図9の変形例の熱交換部32Hに示すガス流路部材42Hを多孔体により形成するものや、図10の変形例の熱交換部32Iに示す複数の整流格子43Iを備えるもの、図11の変形例の熱交換部32Jに示すルーバフィン43Jを備えるもの、図12の変形例の熱交換部32Kに示す異なるサイズの穴を複数有する複数の整流板43Kを備えるものや図13の変形例の熱交換部32Lに示す同一のサイズの穴を複数有する整流板43Lを穴が千鳥状になるよう配置したもの、図14の変形例の熱交換部32Mに示す整流板43Mを多数配置するものなど、種々のものを挙げることができる。なお、いずれのガス流路部材を採用するかについては、熱効率や熱容量,改質ガスの圧損,設置スペースなどにより適宜決定されるものである。
【0053】
また、第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、第1熱交換部40で鉛直上方から下方に向けて水を流したが、図15の変形例の熱交換部32Nに示すように、水流路部材44Nを、水が第1熱交換部40Nの鉛直上側に水平に流れた後に鉛直下側に水平に流れるよう構成するものとしてもよい。こうしても鉛直下部を通過する改質ガスの温度を鉛直上部を流れる改質ガスの温度より高くすることができる。また、図16の変形例の熱交換部32Oに示すように、水流路部材44Oを、水が第1熱交換部400の改質ガスの流れにおける下流側を水平に流れた後に上流側を水平に流れるよう構成したり、逆に、図17の変形例の熱交換部32Pに示すように、水流路部材44Pを、水が第1熱交換部40Pの改質ガスの流れにおける上流側を水平に流れた後に下流側を水平に流れるよう構成するものとしてもよい。こうすれば、伝熱効率を向上させることができる。なお、これらの変形例では、水が迂流するから、水が折り返して流れるように折り返し部を設ける必要がある。
【0054】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、第2熱交換部50の底面に集まった水を改質ガスにより気化するものとしたが、図18の変形例の熱交換部32Qに示すように、第2熱交換部50Qの底面55Qを上流側が低くなるよう形成し、この底面55Qと第1熱交換部40Qの改質ガスの流入口とを連絡する連絡部56Qを形成するものとしてもよい。こうすれば、底面55Qに集まった水を、第1熱交換部40Qの改質ガスの流入口に導いて、より高温の改質ガスにより気化することができる。なお、連絡部56Qを備えず、第2熱交換部50Qの底面55Qを上流側が低くなるよう形成するだけのものとしても差し支えない。この場合でも底面55Qに集まった水を第2熱交換部50Qにおけるより高温の改質ガスによって気化することができる。また、図19の変形例の熱交換部32Rに示すように、第2熱交換部50Rの底面55Rから第1熱交換部40Rの改質ガスの流入口の底面にかけて水透過性の多孔質材料により形成された連絡部56Rを備えるものとしてもよい。あるいは、水透過性の多孔質材料に代えて毛細管現象を有する材料により連絡部56Rを構成するものとしてもよい。また、ヒートパイプと同様に水の相変化を利用することも可能であり、第1熱交換部40Rの改質ガスの流出口と第1熱交換部40Rの改質ガスの流入口とに生じる圧力差により底面55に集まった水を第1熱交換部40の改質ガスの流入口に導くものとしてもよい。これらの連絡部56Rを備える熱交換部32Rでも、底面55Rに集まった水を第1熱交換部40Rの改質ガスの流入口に導いて、より高温の改質ガスにより気化することができる。なお、圧力差によるものは、重力に依存しないから、装置の形状や設置に制約を受けない。
【0055】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、第2熱交換部50で二つのノズル54により、水を鉛直上方から下方に向けて改質ガスの流れに対して所定の角度をもって互いに対向するよう噴霧したが、水の噴霧の方向は如何なる方向としてもよい。また、三つ以上のノズルから水を噴霧するものとしてもよいし、一つのノズルから水を噴霧するものとしてもよい。さらに、ノズル54として2流体ノズルを用いるものとしてもよい。この場合、2流体のうちの一方は水であるが、他方としては種々の流体を用いるものとしてもよい。例えば、水蒸気を用いるものとしたり、第1実施例の燃料改質装置20を燃料電池と組み合わせている場合には、燃料電池のアノード側またはカソード側から排出される排ガスを用いるものとすることもできる。また、燃料電池のアノード側またはカソード側から排出される排ガスを排気処理した後のガスを用いたり、燃料改質装置が蒸発器を備える場合には、蒸発器で用いた燃焼ガスを用いることもできる。このように2流体ノズルを用いて水を噴霧すれば、噴霧による水粒子のさらなる微粒子化を図ることができ、噴出流の衝突を併用した場合には水の気化に要する時間をさらに短くすることができる。特に2流体のうちの他方として水蒸気を用いるものとすれば、噴霧する水の量を少なくすることができる。また、2流体のうちの他方として燃料電池からの排ガスを用いるものとすれば、排ガス中の水蒸気を再利用することができると共にその分だけ噴霧する水の量を少なくすることができる。しかも、そのための追加の駆動源を必要としない。この結果、装置の小型化を図ることができる。
【0056】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、第2熱交換部50で二つのノズル54により、水を改質ガスの流れに対して所定の角度をもって噴霧したが、図20の変形例の熱交換部32Sや図21の変形例の熱交換部32Tに示すように、第2熱交換部50S、50Tに改質ガスの流れを撹拌混合する一つ又は複数のオリフィスが形成された撹拌混合板57S,57Tを備えるものとしてもよい。こうすれば、改質ガスの流れが乱れるから、噴霧した水と改質ガスとの混合をより均一にすることができると共に混合の均一化に伴う反応体積の有効利用により噴霧した水の気化を促進することができる。なお、変形例の熱交換部32S,32Tでは、一つ又は複数の円形のオリフィスを備える撹拌混合板57S,57Tを用いたが、改質ガスの流れを乱すものであれば、如何なるものを用いるものとしてもよい。
【0057】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、二つのノズル54から改質ガスに対して水を噴霧することにより、水の気化を図ると共に気化した水と改質ガスとの混合を図るものとしたが、図22の変形例の熱交換部32Uに示すように、ガス透過性の多孔質材料により形成された蒸発板58Uに水を噴霧により吹き付け、改質ガスが蒸発板58Uを透過する際に吹き付けられた水を気化すると同時に混合するものとしてもよい。
【0058】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、複数の壁面により区切られた複数の混合ガス流路62により第3熱交換部60を構成したが、壁面に付着した水を気化可能な構造であれば如何なる構造としてもよい。例えば、上述した第1熱交換部40におけるガス流路部材42のバリエーションの一部、図3〜図6に例示したガス流路部材42B〜42Eのようにガスが直線状に流れないような構造としたり、図8に例示したガス流路部材42Gのように流路の壁面に保水性や親水性の被膜を施す処理をするものとしたり、図10〜図14に例示したガス流路部材42I〜42Mのようにガスの流れを規制する構造としてもよい。こうすれば、噴霧した水が液体状態のまま後段のシフト反応部34に流れ込むのを防止することができると共に伝熱効率を向上させて壁面に付着した水の気化を促進することができる。なお、第3熱交換部60の構造としていずれの構造を採用するかについては、熱効率や熱容量,改質ガスの圧損,設置スペースなどにより適宜決定されるものである。
【0059】
第1実施例の燃料改質装置20の熱交換部32では、複数のガス流路部材42と水流路部材44とにより第1熱交換部40を構成すると共に複数の混合ガス流路62で第3熱交換部60を構成するものとしたが、第1熱交換部40や第3熱交換部60にヒータ(例えば、EHC(Electric Heated Catalyst)やEH(Electric Heator)など)を取り付けるものとしてもよい。こうすれば、装置の始動時に第1熱交換部40や第3熱交換部60を加温することができ、暖機を迅速に完了することができる。
【0060】
第1実施例の燃料改質装置20では、第1熱交換部40と第2熱交換部50と第3熱交換部60とにより熱交換部32を構成したが、第1熱交換部40と第2熱交換部50だけで熱交換部32を構成したり、第2熱交換部50と第3熱交換部60だけで熱交換部32を構成したり、第2熱交換部50だけで熱交換部32を構成するものとしてもかまわない。第1熱交換部40を備えない構成とすれば、加熱されていない水をノズル54から噴霧するものとしたり、水を加熱する加熱装置を設けて加熱された液水をノズル54から噴霧するものとしてもよい。また、第1熱交換部40を備えない構成の場合、第2熱交換部50の最上流側に複数のフィンを取り付け、第2熱交換部50で噴霧する水が改質反応部30に遡るのを抑制するものとしてもよい。この場合、フィンを伝熱性の高い材料で改質ガスとの接触面積が大きくなるように形成すれば、フィンに付着した水を効果的に気化することができる。
【0061】
(C)第2実施例:
図23は、第2実施例の燃料改質装置が備える熱交換部132が、改質反応部30およびシフト反応部34と接続する様子を表わす説明図である。第2実施例の燃料改質装置は、熱交換部32に代えて熱交換部132を備える以外は、図1に示した第1実施例の燃料改質装置20と同様の構成を有している。したがって、第2実施例の燃料改質装置に特徴的な熱交換部132以外の構成に関する説明は、省略する。なお、第2実施例の燃料改質装置に関する以下の説明において、第1実施例の燃料改質装置20と共通して備える構造には、同じ参照番号を用いた。
【0062】
図24および図25は、熱交換部132の構成を説明するために、熱交換部132の所定の部分を模式的に表わした図である。図24に示すように、熱交換部132は、全体として、図2に示した第1熱交換部40と類似する構成を備えている。すなわち、改質ガスが通過する改質ガス流路170からなる層と、冷媒が通過する冷媒流路172からなる層とを、互いに熱交換可能となるように交互に積層して構成される。改質反応部30から供給された改質ガスは、改質ガス流路170内を通過しつつ、冷媒流路172内を通過する冷媒と熱交換することで降温する。
【0063】
本実施例の熱交換部132では、冷媒流路172内を通過する冷媒は、鉛直方向上方より下方に向かって流れることとした。このような構成とすることで、熱交換部132では、下部ほど温度が高くなる。したがって、改質ガス流路170内を通過する改質ガスにおいて水蒸気が凝縮し、凝縮水の水滴が改質ガス流路170の下部に流れて滞留することがあっても、温度が高い下部領域で凝縮水の気化をより促進することができる。なお、本実施例の熱交換部132では、上記冷媒として、外部から取り入れた空気を用いることとした。
【0064】
図25に示すように、熱交換部132は、さらに、水の流路として構成される昇温部174と、昇温部174に接続して多孔質体によって形成される気化部176とを備えている。上記積層構造を有する熱交換部132は、熱交換効率を向上させるためのフィン(図2に示した第1熱交換部40が備えるフィン43,45と同様)を間に配設しつつ、略同一形状の四角形の板状部材を積層して構成される。したがって、熱交換部132は、全体として、略直方体状の形状を有している。これに対して、熱交換部132に接続する改質反応部30およびシフト反応部34は、図23に示したように、流路断面が略円形となる円柱状に形成されている。したがって、熱交換部132の外周部(ガスの流れ方向に平行な4つの辺の近傍)においては、改質反応部30からシフト反応部34に向かって流れるガスの流量が比較的少なくなる領域が生じる。上記昇温部174および気化部176は、このような改質ガス流路の外周領域において、ガスの流れ方向に平行に形成される。
【0065】
昇温部174へは、水タンク22(図1)から水が供給される(図25参照)。昇温部174内を通過する水は、改質ガス流路170内を通過する改質ガスと、熱交換部132を構成する部材を介して熱交換し、昇温する。昇温部174を通過して昇温した水は、気化部176を構成する多孔質体内に供給される。多孔質体内を通過する水は、改質ガス流路170内を通過する改質ガスと、熱交換部132を構成する部材を介して熱交換してさらに昇温し、多孔質体の内部から改質ガス流路170内の改質ガス中に気化する。
【0066】
図26は、気化部176を含む熱交換部132の横断面の一部の様子を表わす説明図である。気化部176の周囲では、改質ガス流路170の端部と気化部176とが連通している。気化部176内に供給されて昇温した水は、この改質ガス流路170と連通する部位から、改質ガス流路170内の改質ガス中に気化する(図26中の矢印参照)。ここで、図26では、模式的に、3つの改質ガス流路170内に、気化部176から水が気化する様子を示した。
【0067】
昇温部174および気化部176を内部に配設する熱交換部132を組み立てる際には、昇温部174および気化部176を構成する部材と、改質ガス流路170を構成する部材とを備える気化部構成部材180を、予め組み立てる。図27は、気化部構成部材180の外観を模式的に表わす斜視図である。また、図28は、気化部構成部材180を組み立てる様子を説明するために、気化部176の周囲に配設する部材を分解した状態で模式的に表わす図である。
【0068】
図26ないし図28に示すように、気化部構成部材180は、改質ガス流路170内に配設するフィン171と、スペーサ部材177とを交互に積層することによって、気化部176から水蒸気の供給を受ける改質ガス流路170を形成する。また、上記フィン171とスペーサ部材177とからなる積層体において、対向する端部2箇所には、それぞれ、昇温部174を構成する部材および気化部176を構成する多孔質体が配設される(図27参照)。なお、昇温部174を構成する部材とは、両端部(水の流入口および気化部176との接続部に対応する)が開放された円筒形状部材である。
【0069】
気化部176を構成する部材および昇温部174を構成する部材の周囲には、さらに、外周部材175が配設される(図28参照)。また、上記フィン171とスペーサ部材177とを交互に重ね合わせた積層体の両側にも、外周部材178が配設される。気化部構成部材180を組み立てる際には、上記積層体と、昇温部174を構成する部材と、気化部176を構成する多孔質体とを内部に配設して、これらを覆って配設される外周部材175および178の端部同士を接続する。ここで、気化部176を構成する多孔質体以外の部材、すなわち、フィン171、スペーサ部材177、昇温部174を構成する部材、および外周部材175,178を構成する部材は、熱伝導性の高い金属材料で形成されている。そのため、外周部材175および178の端部同士の接続は、ろう付けによって行なった。このような構成とすることで、気化部176に供給された水は、気化部構成部材180内に形成された改質ガス流路170内だけに気化可能となる。
【0070】
既述したように、熱交換部132は、改質ガス流路170を構成する部材と冷媒流路172を構成する部材とを交互に重ね合わせた積層構造を有している。熱交換部132を組み付ける際には、フィン(フィン171および、冷媒流路172内に配設するフィン)を間に挟みながら、略同一形状の四角形の板状部材を積層して積層体を構成した後に、この積層体の両側に、上記気化部構成部材180をさらに配設する。その際、気化部構成部材180を固定するために、さらに固定部材179(図26参照)を配設すると共に、これらの構造を所定のケーシング内に収める。このようにして組み立てられた熱交換部132は、改質ガス流路170内に改質ガスが流入するよう改質反応部30と接続され、また、改質ガス流路170から排出される混合ガスがシフト反応部34に供給されるよう、シフト反応部34と接続される。さらに、冷媒流路172内を冷媒が流通するように、冷媒の給排装置と接続される。
【0071】
なお、上記したように、改質ガス流路170を構成する部材と冷媒流路172を構成する部材とは交互に積層されているが、気化部構成部材180内では、昇温部174および気化部176に冷媒流路172が遮られるため冷媒が流通しない。したがって、本実施例の熱交換部132では、気化部構成部材180内には、冷媒流路172は設けられていない。フィン171と共に積層したスペーサ部材177は、内部に水蒸気が進入しない部材として構成されている。なお、このスペーサ部材177は、内部を中空としても中実としても良く、また、内部にフィンを設けることによって、熱交換部132全体の熱伝導効率を確保することとしても良い。なお、気化部構成部材180においては、スペーサ部材177を配設する代わりに、このスペーサ部材177を配設した部位にも改質ガス流路170を形成することとしても良い。すなわち、昇温部174と気化部176を除く気化部構成部材180全体に、改質ガス流路170を形成することとしても良い。
【0072】
図29は、図24に示した熱交換部132を、上面側から見た様子を模式的に表わす。既述したように、改質ガス流路170内には、熱交換効率を高めるためにフィンが配設されている。改質ガス流路170内に配設されるフィン171を図30に示す。フィン171は、所定の幅を有する波板状部材であり、個々の改質ガス流路170には、複数のフィン171が、所定の間隔をおいて配設されている。したがって、気化部176と連通する改質ガス流路170では、内部を改質ガスが通過するのに伴って、気化部176から供給される水蒸気が、この改質ガス流路170内全体に拡散可能となっている。
【0073】
また、熱交換部132では、その入り口部および出口部に、所定の空間が形成されている。すなわち、改質ガスが供給される入り口部付近にはガス分配部173が形成され、混合ガスが排出される出口部付近にはガス集合部175が設けられている(図29参照)。熱交換部132に供給された改質ガスは、上記ガス分配部173から、各改質ガス流路170に分配される。また、各改質ガス流路170から排出された改質ガスは、ガス集合部175に集合する。したがって、ガス集合部175では、気化部176から水蒸気の供給を受けない改質ガス流路170内を通過した改質ガスを含めて、改質ガス全体が水蒸気を混合され、混合ガスとなってシフト反応部34側に排出される。
【0074】
上記した各改質ガス流路170および冷媒流路172の幅は、任意に設定可能であり、熱交換効率やガスが通過する際の圧損などを考慮して、適宜設定すればよい。
【0075】
また、熱交換部132では、昇温部174および気化部176は、流路断面が略円形である円柱状に形成したが、異なる形状としても良い。例えば、上記流路断面を、改質反応部30およびシフト反応部34の円形流路断面に沿って三日月状に形成することとしても良い。これによって、より多数の改質ガス流路170と気化部176とを接続させることが可能となる。あるいは、昇温部174および気化部176は、流路断面が四角形となる四角柱形状として、熱交換部132製造時における組み付け作業の容易化を図ることとしても良い。
【0076】
なお、図25に示すように、熱交換部132では、昇温部174から気化部176に向かって流れる水の流れの向きは、改質ガス流路170内を通過する改質ガスの流れの向きとは対向する向きとなっている。改質ガスは、熱交換部132内を通過しつつ熱交換を行なうことで降温するため、下流側ほど温度が低くなる。したがって、改質ガスの温度がより高い上流側の近傍に気化部176を配設することによって、気化部176から改質ガスへの水の気化が、より促進される。
【0077】
以上説明した第2実施例の燃料改質装置によれば、改質ガスが有する熱を用いて気化させた水蒸気を、シフト反応で用いている。したがって、水を気化するためや改質ガスを降温させるために特別にエネルギを消費する必要がない。また、このような熱交換を利用した気化の動作は、改質ガスの流路(改質ガス流路170)と水の流路(昇温部174および気化部176)とを互いに近接して設けることで実現しているため、改質ガスが有する熱のロスを抑えることができる。したがって、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。また、水を気化し改質ガスを降温させる装置全体を小型化することができる。
【0078】
また、昇温部174および気化部176は、熱交換部132内において改質ガスの流量が比較的少ない外周部に設けたため、改質ガスに水蒸気を供給する構造を設けたことによる装置の大型化を抑えることができる。熱交換部132において改質ガスの流量が少ない外周領域は、熱交換部132の熱容量を増大させ、熱交換部132全体での熱交換効率を低下させる要因となる。しかしながら、このような外周領域に昇温部174および気化部176を設け、冷媒流路172を通過する冷媒とは異なる冷媒である水を通過させることで、熱交換部132全体の熱交換効率を向上させることができる。
【0079】
一般に、触媒反応が進行する改質反応部30やシフト反応部34は、反応器全体でガスの流れを均一化するために、流路断面が略円形となる円柱状に形成することが望ましい。一方、改質ガス流路170および冷媒流路172を形成する部材を積層し、改質ガスと冷媒との流れの方向が直交する様に形成する熱交換部132は、板状部材を積層して直方体形状とすることにより、製造が容易になる。したがって、このような形状の各部を接続する本実施例の燃料改質装置では、熱交換部132において、その外周部に、改質ガスの流量が少なく熱交換効率の低下を引き起こす余剰の空間が生じる。そのため、このような領域に昇温部174および気化部176を設ける構成は、空間の有効利用という点で特に有用である。
【0080】
また、第2実施例の燃料改質装置の熱交換部132によれば、改質反応部30からシフト反応部34に供給する改質ガスを冷却するための冷媒として、昇温部174に供給する水と共に、冷媒流路172内を通過する他の冷媒を用いている。このように複数系統の冷媒を用いることで、改質ガスを冷却する際の温度制御を、より精密に行なうことが可能となる。本実施例の構成では、昇温部174および気化部176に供給する水の量は、改質ガスに混合してシフト反応に供すべき水蒸気量に応じて定まる。このとき、さらに他種の冷媒を用いることにより、改質ガスに供給すべき水蒸気量に拘束されることなく、改質ガスの冷却状態を制御することができる。また、複数系統の冷媒を用いることで、より充分に改質ガスを降温させることができるため、熱交換部132を小型化することが可能となる。
【0081】
なお、既述したように、本実施例では、冷媒流路172を通過する他の冷媒として、外部から取り入れた空気を用いているが、水タンク22に貯蔵する水や、燃料タンク24に貯蔵する炭化水素系燃料などを用いることとしても良い。熱交換部132において冷媒として用いることで昇温した上記空気や水や炭化水素系燃料は、改質反応部30で進行する改質反応(部分酸化反応や水蒸気改質反応)で用いることができる。このような構成とすれば、改質反応部30に供給するのに先立ってこれらの流体を昇温するのに要するエネルギを削減することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0082】
(D)第2実施例の変形例:
(D−1)変形例1;
第2実施例の燃料改質装置の熱交換部132では、昇温部174を経由して昇温した水は、多孔質体からなる気化部176から改質ガス中に気化することとしたが、第1実施例と同様に、改質ガス中に噴霧する構成も可能である。このような場合にも、噴霧する水を予め昇温させるための流路(昇温部174に相当する流路)を、熱交換部132の外周部に形成すれば、エネルギ効率の向上や、熱交換部の小型化など、既述した効果を得ることができる。
【0083】
(D−2)変形例2;
第2実施例の燃料改質装置の熱交換部132では、冷媒流路172内を通過する冷媒は、改質ガス中に気化させる水とは別系統の冷媒としたが、異なる構成とすることも可能である。例えば、冷媒流路172内を通過する冷媒として水タンク22に貯蔵した水を用い、冷媒流路172を通過することで昇温した水を、改質ガスが有する熱を利用して改質ガス中に気化させることとしても良い。このような場合にも、エネルギ効率を向上させたり熱交換部を小型化させる同様の効果を得ることができる。ここで、冷媒流路172内を通過して昇温した水を改質ガス中に気化させる際に、多孔質体からなる気化部を用いる場合に、この気化部を、第2実施例と同様に熱交換部132の外周部に形成するならば、これらの効果をさらに高めることができる。
【0084】
(D−3)変形例3;
上記第2実施例の燃料改質装置の熱交換部132において、改質ガス内で生じた凝縮水の気化を促すための構造を、さらに設ける構成も好適である。例えば、第1実施例の熱交換部32の変形例で説明したように、熱交換部132の下流側(改質ガス流路170の下流側やガス集合部175)において、保水性の材料や親水性の材料によって形成された被膜を形成する処理を、流路表面に施すこととしても良い。あるいは、このような領域の流路表面に、多孔質材料を取り付けることとしても良い。このような構成とすれば、上記被膜や多孔質材料において、凝縮水からなる水滴を保持し、改質ガスの有する熱を利用して改質ガス中に気化させることができる。
【0085】
(D−4)変形例4;
第2実施例の燃料改質装置では、熱交換部132は、改質反応部30とシフト反応部34との間に設けることとしたが、同様の熱交換部を、より下流側に設ける構成も可能である。このような、第2実施例の変形例である燃料改質装置220の構成を図31に示す。燃料改質装置220は、第1実施例の燃料改質装置20に類似する構成を有しているため、燃料改質装置20と共通して備える構造には、同じ参照番号を用いた。燃料改質装置において、シフト反応部を、より高温でシフト反応を進行する高温シフト部と、より低温でシフト反応を進行する低温シフト部とから構成することができる。燃料改質装置220は、高温シフト部233と低温シフト部235とを有するシフト反応部34を備えており、第2実施例の熱交換部132と同様の熱交換部232を、これら2つのシフト部の間に配設した。
【0086】
このような構成とすれば、高温シフト部233と低温シフト部235との間で改質ガスを降温させる際に、改質ガスの有する熱を利用して、シフト反応で用いる水を昇温・気化させることができ、同様の効果を奏することができる。また、既述した熱交換部132と同様に、種々の変形が可能である。なお、高温シフト部233と低温シフト部235との間に設けた熱交換部232で昇温させた水を、高温シフト部233で進行するシフト反応で利用することとしても良い。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である燃料改質装置20の構成の概略を模式的に示す構成図である。
【図2】熱交換部32の構成の概略を示す構成図である。
【図3】変形例の熱交換部32Bを模式的に示す構成図である。
【図4】変形例の熱交換部32Cを模式的に示す構成図である。
【図5】変形例の熱交換部32Dを模式的に示す構成図である。
【図6】変形例の熱交換部32Eを模式的に示す構成図である。
【図7】変形例の熱交換部32Fを模式的に示す構成図である。
【図8】変形例の熱交換部32Gを模式的に示す構成図である。
【図9】変形例の熱交換部32Hを模式的に示す構成図である。
【図10】変形例の熱交換部32Iを模式的に示す構成図である。
【図11】変形例の熱交換部32Jを模式的に示す構成図である。
【図12】変形例の熱交換部32Kを模式的に示す構成図である。
【図13】変形例の熱交換部32Lを模式的に示す構成図である。
【図14】変形例の熱交換部32Mを模式的に示す構成図である。
【図15】変形例の熱交換部32Nを模式的に示す構成図である。
【図16】変形例の熱交換部32Oを模式的に示す構成図である。
【図17】変形例の熱交換部32Pを模式的に示す構成図である。
【図18】変形例の熱交換部32Qを模式的に示す構成図である。
【図19】変形例の熱交換部32Rを模式的に示す構成図である。
【図20】変形例の熱交換部32Sを模式的に示す構成図である。
【図21】変形例の熱交換部32Tを模式的に示す構成図である。
【図22】変形例の熱交換部32Uを模式的に示す構成図である。
【図23】熱交換部132が改質反応部30およびシフト反応部34と接続する様子を表わす図である。
【図24】熱交換部132の構成の一部を模式的に表わす図である。
【図25】熱交換部132の構成の一部を模式的に表わす図である。
【図26】熱交換部132の横断面の一部の様子を表わす説明図である。
【図27】気化部構成部材180の外観を模式的に表わす斜視図である。
【図28】気化部構成部材180を組み立てる様子を表わす説明図である。
【図29】熱交換部132の側面の様子を表わす模式図である。
【図30】フィン171の構成を示す説明図である。
【図31】燃料改質装置220の構成の概略を模式的に表わす説明図である。
【符号の説明】
20,120,220…燃料改質装置
22…水タンク
23…水ポンプ
24…燃料タンク
25…燃料ポンプ
26…ブロア
28…混合部
30…改質反応部
32,32B〜32U,132,232…熱交換部
34,134,234…シフト反応部
36…ブロア
38…一酸化炭素浄化部
40,40B〜40U…第1熱交換部
42,42B〜42M…ガス流路部材
43,45…フィン
43I…整流格子
43J…ルーバフィン
43K…整流板
43L,43M…整流板
44,44B〜44G…水流路部材
46D,46E…空間
47G…被膜
50,50B〜50U…第2熱交換部
52…圧力調節弁
54,54Q〜54R…ノズル
55Q…底面
56Q…連絡部
57S,57T…撹拌混合板
58U…蒸発板
60,60B〜60U…第3熱交換部
62…混合ガス流路
170…改質ガス流路
171…フィン
172…冷媒流路
173…ガス分配部
175…ガス集合部
174…昇温部
175,178…外周部材
176…気化部
177…スペーサ部材
179…固定部材
180…気化部構成部材
233…高温シフト部
235…低温シフト部

Claims (29)

  1. 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
    前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
    一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
    水を加圧して加温する加圧加温手段を備える水供給混合手段であって、前記加圧加温手段により加圧および加温された水を前記改質ガスに対して噴霧すると共に、該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
    を備え、
    前記加圧加温手段は、前記改質ガスの流路をなす改質ガス流路と前記水の流路をなす水流路とが熱交換可能に配置されてなり、前記改質ガスとの熱交換により前記水を加温する熱交換手段を備え、
    前記改質ガス流路は、少なくとも流出口近傍の表面に親水性または吸湿性の材料による被膜を備える
    燃料改質装置。
  2. 前記改質ガス流路は、少なくとも流出口近傍に複数のフィンを備える請求項記載の燃料改質装置。
  3. 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
    前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
    一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
    水を加圧して加温する加圧加温手段を備る水供給混合手段であって、前記加圧加温手段により加圧および加温された水を前記改質ガスに対して噴霧すると共に、該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
    を備え、
    前記加圧加温手段は、前記改質ガスの流路をなす改質ガス流路と前記水の流路をなす水流路とが熱交換可能に配置されてなり、前記改質ガスとの熱交換により前記水を加温する熱交換手段を備え、
    前記水供給混合手段は、前記熱交換手段の後段で該熱交換手段の前記改質ガス流路の流出口近傍の底面と該改質ガス流路の流入口との水を連絡する水連絡手段を備える
    燃料改質装置。
  4. 前記水連絡手段は、多孔質材料により形成されてなる請求項記載の燃料改質装置。
  5. 前記水連絡手段は、毛細管現象を可能とする材料により形成されてなる請求項記載の燃料改質装置。
  6. 前記水連絡手段は、前記改質ガス流路の流出口近傍と該改質ガス流路の流入口近傍との圧力差に基づいて該改質ガス流路の流出口近傍の水を該改質ガス流路の流入口近傍に導く手段である請求項記載の燃料改質装置。
  7. 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
    前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
    一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
    前記改質ガスに対して水を噴霧すると共に該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
    を備え、
    前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流れにおける上流側が低くなる傾斜の底面のケースを備える
    燃料改質装置。
  8. 前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流れの撹拌混合を促進する撹拌混合手段を備える請求項1ないしいずれか記載の燃料改質装置。
  9. 前記撹拌混合手段は、前記改質ガスの流路に設けられた一つまたは複数のオリフィスである請求項記載の燃料改質装置。
  10. 前記水供給混合手段は、前記改質ガスの流路に配置され噴霧により吹き付けられた水を前記改質ガスに気化する気化部材を備える請求項1ないしいずれか記載の燃料改質装置。
  11. 前記水供給混合手段は、前記混合ガス中の未気化の水を気化する気化手段を備える請求項1ないし10いずれか記載の燃料改質装置。
  12. 前記気化手段は、前記混合ガスの流路に配置され、該混合ガスとの接触面積が多い高接触部材を備える請求項11記載の燃料改質装置。
  13. 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
    前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
    一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
    前記改質ガスに対して水を噴霧すると共に該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
    を備え、
    前記水供給混合手段は、前記混合ガス中の未気化の水を気化する気化手段を備え、
    前記気化手段は、前記混合ガスを複数に分割して流す複数の混合ガス流路である
    燃料改質装置。
  14. 前記混合ガス流路は、前段の改質ガスの流れに対して所定の角度をもつよう形成されてなる請求項13記載の燃料改質装置。
  15. 前記複数の混合ガス流路は、前記混合ガスが流入口から流出口まで直線状に流れないよう形成されてなる請求項13または14記載の燃料改質装置。
  16. 前記混合ガス流路は、表面に親水性または吸湿性の材料による被膜を備える請求項13ないし15いずれか記載の燃料改質装置。
  17. 前記混合ガス流路は、複数のフィンを備える請求項13ないし16いずれか記載の燃料改質装置。
  18. 前記気化手段は、前記混合ガスを直接または間接に加温する混合ガス加温手段を備える請求項11ないし17いずれか記載の燃料改質装置。
  19. 炭化水素系燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
    前記炭化水素系燃料から水素と一酸化炭素とを含む改質ガスを生成する改質部と、
    一酸化炭素と水蒸気から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を進行することによって、前記改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するシフト部と、
    前記シフト反応に利用されるシフト反応用水を前記改質ガスの流路に供給する水供給部と、
    前記シフト反応が完了するのに先立って、前記改質ガスを、前記シフト反応用水の少なくとも一部を含む冷媒との間で熱交換を行なわせて降温させる熱交換部と、
    を備え、
    前記水供給部は、前記熱交換部で冷媒として用いて昇温した前記シフト反応用水を気化して、前記改質ガスの流路に供給することを特徴とする
    燃料改質装置。
  20. 請求項19記載の燃料改質装置であって、
    前記熱交換部は、前記改質ガスを、前記シフト部に供給するのに先立って降温させる
    燃料改質装置。
  21. 請求項19記載の燃料改質装置であって、
    前記シフト部は、より高い温度で前記シフト反応が進行する高温シフト部と、前記高温シフト部の下流側に位置してより低い温度で前記シフト反応が進行する低温シフト部とを備え、
    前記熱交換部は、前記高温シフト部から排出される前記改質ガスを、前記低温シフト部に供給するのに先立って降温させる
    燃料改質装置。
  22. 請求項21記載の燃料改質装置であって、
    前記水供給部は、前記熱交換部における前記熱交換で昇温した前記シフト反応用水を、前記低温シフト部に供給する
    燃料改質装置。
  23. 請求項19ないし22いずれか記載の燃料改質装置であって、
    前記熱交換部の冷媒は、前記シフト反応用水とは異なる他の冷媒を含み、
    前記熱交換部は、前記改質ガスが通過する改質ガス流路と、前記他の冷媒が通過する第1の冷媒流路と、前記改質ガスとの熱交換のために前記シフト反応用水が通過する第2の冷媒流路と、を有する
    燃料改質装置。
  24. 請求項23記載の燃料改質装置であって、
    前記熱交換部内の前記改質ガス流路と前記第1の流路とは、熱交換可能であって互いに略直交するように形成されている
    燃料改質装置。
  25. 請求項23または24記載の燃料改質装置であって、
    前記熱交換部内における前記第2の冷媒流路は、前記改質ガス流路が形成されている領域の外縁部において、該改質ガス流路に沿って設けられている
    燃料改質装置。
  26. 請求項25記載の燃料改質装置であって、
    前記水供給部は、前記熱交換部において前記改質ガス流路が形成されている領域の外縁部において、前記改質ガス流路の少なくとも一部と前記第2の冷媒流路との双方に接続された多孔質体を備え、これによって、前記シフト反応用水が、前記多孔質体から前記改質ガス流路内に気化された状態で供給される
    燃料改質装置。
  27. 請求項26記載の燃料改質装置であって、
    前記シフト反応用水が前記第2の冷媒流路から前記多孔質体に流入するときの流れの向きは、前記改質ガス流路内を通過する前記改質ガスの流れの向きと対向することを特徴とする
    燃料改質装置。
  28. 請求項19ないし24いずれか記載の燃料改質装置であって、
    前記水供給部は、前記改質部の出口と前記シフト部の出口との間の所定の場所において、前記改質ガスの流路に接続されて、前記熱交換部を経由して昇温したシフト反応用水が供給される多孔質体を備え、これによって、前記シフト反応用水が、前記多孔質体から前記改質ガスの流路内に気化された状態で供給される
    燃料改質装置。
  29. 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置であって、
    前記炭化水素系の燃料を水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに改質する改質部と、
    一酸化炭素を水蒸気を用いて水素と二酸化炭素とにシフトするシフト部と、
    水を加圧して加温する加圧加温手段を備える水供給混合手段であって、前記加圧加温手段により加圧および加温された水を前記改質ガスに対して噴霧すると共に、該噴霧した水を気化して該改質ガスと混合し、該混合ガスを前記シフト部に供給する水供給混合手段と
    を備え、
    前記加圧加温手段は、前記水混合手段によって前記水が噴霧される前の改質ガスの流路をなす改質ガス流路と前記水の流路をなす水流路とが熱交換可能に配置されてなり、前記水が噴霧される前の改質ガスとの熱交換により前記水を加温する熱交換手段を備える
    燃料改質装置。
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