JP4810046B2 - 椅子のロッキング装置 - Google Patents

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弘之 西村
武 登内
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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子のロッキング(傾動)装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、背凭れと座とが一緒に傾きを変えて姿勢変更可能とするロッキング機構の改良に関する。
【技術用語】
【0002】
本明細書において、背凭れまたは座の回転運動の中心とは、背凭れまたは座の一部を成す節がアップライト姿勢あるいはリクライニング姿勢の位置からリクライニング姿勢あるいはアップライト姿勢の位置に回転運動する際の中心を意味している。
【背景技術】
【0003】
椅子のロッキング装置としては、従来から、座受け部材に設けられた回転軸を中心に背もたれが後方へ傾く構造のものが一般的である。このロッキング装置は、脚柱に固定されて座を受け支える座受け部材に対して背凭れを支持する背支桿を揺動可能に1本の回転軸で連結すると共に、該背支桿と座受け部材との間に背凭れを初期位置に復帰させる力を付与する反力付与機構を備え、着座者が背凭れに凭れかかったときに背凭れが反力付与機構の反力を受けながら後方に傾斜するように設けられている。
【0004】
また、従来のロッキング装置としては、背凭れだけでなく座の傾きも同時に変化させるようにしたものもある。このロッキング装置にあっては、座の前端が座受け部材に対して前後方向に移動可能に備えられた回転軸に支持され、この回転軸を中心に座の後端側が上下方向に揺動して座の傾きを変化させると共に前端の回転軸の前後方向移動によって座の後方へ向けての移動が許容されるように構成されている。一方、背凭れは、1本の回転軸によって該回転軸を中心に揺動自在となるように座受け部材に取り付けられると共に座と連動するように連結されている。したがって、このロッキング装置によると、背凭れが後傾するのと同時に座が後方へ引かれながら後端側が沈み込むような姿勢をとる。なお、図13および図14では椅子の図示は省略して着座者の姿勢のみを示している。図中、符号106は机、107は着座者(体)、108はディスプレイ、109はキーボードである。
【0005】
しかしながら、これら従来のロッキング装置を備える椅子では、いずれも背凭れが後方へ傾くのと同時に体107も後方へ移動してしまうので、大きく背凭れを傾けたリクライニング姿勢(背凭れを傾けて体を倒した姿勢)をとると、前方の机106などから体107が離れてしまうこととなる。このため、机上での作業例えばコンピュータ作業などを行っている場合に、アップライト姿勢(背凭れを立てて体を起こした状態)からリクライニング姿勢に変えると、机106上のディスプレイ108やキーボード109等と体との間の距離が広がり、視点までの距離や作業点(手の位置)が変動するという問題がある。これを避けるため、作業者は無意識のうちに椅子を前に出して体107を机106側に接近させ、体107と机106との関係を調整している。このことは、背凭れの後傾と同時に座も後方へ移動しながら沈むタイプのロッキング装置では特に顕著であり、煩わしい作業となる。
【0006】
また、背凭れの後傾に伴って体が後方へ移動するため、重心の移動に備えて脚羽根の長さ・直径も大きめにしなければ転倒などの危険性があり椅子の安定性を保てないという問題がある。
【0007】
さらに、背凭れが後へ傾くため、椅子の背後に十分なスペースを採らなければならず、ロッキング機構を活用するには広い事務スペースや机などに対する配置に関する配慮を必要とする。特に、劇場などに据え付けられる椅子の場合には、後列の椅子の座席との間に観客等の往来を容易にしかつ火災などに備えた避難通路として十分なスペースを確保する必要があることから、この問題は重要である。即ち、劇場用椅子では、できる限りスペースを有効活用して椅子の数を増やし観客定員を増やすことが望まれることから、非着座時には背凭れができるだけ垂直に起き、座も奥行き側へ引き込まれていることが好ましい。ところが、着座時においてもそのような形態のままでは安楽な姿勢がとり難く、長時間座るには疲れてしまい快適なものとは言えない。
【0008】
そこで、本発明は、体が机から離れないで背が倒れ安楽な姿勢がとれる椅子のロッキング装置を提供することを目的とする。また背凭れの背後のスペースを小さくしてもロッキング動作を可能とした椅子のロッキング装置を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0009】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、背凭れと座とを揺動可能に支持する機構と背凭れおよび座を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置とを介して座受け部材に座及び背凭れを取付け、背凭れと座とを連動させて姿勢変更可能にした椅子のロッキング装置において、背凭れおよび座をそれぞれ揺動可能に支持する機構を背凭れおよび座を節の1つとしてそれぞれ含む四節回転機構によって構成するとともに、背凭れと対向する節および座と対向する節をそれぞれ固定節とし、背凭れと座を互いに回転自在に連結するとともに、一端を固定節としての座受け部材に連結して揺動中心とし他端で背凭れと座の連結点を支持する第1リンクと、一端を座受け部材に連結して揺動中心とし他端で背凭れを支持する第2リンクと、一端を座受け部材に連結して揺動中心とし他端で座を支持する第3リンクとを備え、これら第1から第3のリンクで背凭れおよび座を座受け部材に各々揺動自在に吊り下げるそれぞれの四節回転機構を構成し、背凭れおよび座のアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ傾動する回転運動の中心を座より上方でかつ背凭れよりも前方に設定し、背凭れ及び座が同時に沈みながら前方へ移動するようにしている。
【0010】
この場合、背凭れおよび座は、それぞれの四節回転機構によって定まる動きに従い、対向する節の周りを傾動する。そこで、背凭れおよび座の回転運動の中心は、固定節の長さと位置を変えること、即ち座受け部材に対する連結位置を設定することによって自由に設定できる。しかも、第1リンクが、背凭れを傾動させる四節回転機構および座を傾動させる四節回転機構の双方を構成する兼用リンクとなり、その分だけリンク本数を少なくできる。また、リンクで背凭れ及び座を吊り下げる構造としているので、リンクの長さを変えるだけで機構を変更せずに揺動量を可変にできる。したがって、背凭れがその下端側から前方へ移動しながら沈むようにして後ろに傾き、同時に座が沈みながら前方へ移動するように回転してその傾きと姿勢を変化させる。これにより、背凭れが後方へ迫り出すことなく座と共に前方へ移動し、体と机との間隔が広がらないようにして背凭れ及び座の傾き並びに姿勢がリクライニング姿勢に変更される。
【0011】
また、アップライト姿勢からリクライニング姿勢へ姿勢変更して作業をする場合にも、椅子を前に移動させるという煩わしい動きが必要なくなる。しかも、座は前方へ移動するのと同時に座面を降下させ、机の下に滑り込むように傾動するため着座者の膝などが机の天板や引き出しの裏にぶつかることがなく、ロッキング動作がスムーズに行える。また、背凭れの後傾動は、前方へ移動しながら沈むような軌跡を描き背後に大きく膨れることがないので、小さなスペース内でのロッキング動作を可能とし、ロッキング動作時に椅子の背後のスペース例えば通路等を塞いで通り難くするようなことがない。さらに、ロッキング動作時には背凭れの後傾と同時に座と背凭れとがそれぞれ前方へ移動して重心移動を少なくしているので、脚の径(脚羽根の長さ)を大きくしなくとも椅子の安定性を保てる。しかも、リクライニング姿勢時に座が全体に沈み込むと同時に前に出るので、座の前端縁の浮き上がりが抑えられるため、大腿部の裏を圧迫することが少なくなる。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の椅子のロッキング装置において、背凭れ及び座の回転運動の中心が座の前方寄りでかつ座より上方に設定されている。この場合には、背凭れ及び座の回転方向は、常時同じ向きでかつ下向きであるため、その揺動範囲で思案点やデッドポイントの発生がなく反力装置による反力がとり易い。しかも、リクライニング姿勢時に過度な傾きを与えることがなく、着座者に不安定感を与えない。更に、リクライニング姿勢時の座の前端縁の浮き上がりが確実に抑えられるため、大腿部の裏を圧迫することがなくなる。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の椅子のロッキング装置において、回転運動の中心を、ロッキング動作で動かしたくない位置あるいはその近傍に設けるようにしている。この場合、背凭れ及び座はロッキング動作で動かしたくない位置あるいはその近傍を中心として回転運動するので、アップライト姿勢とリクライニング姿勢との間で、背凭れ及び座から動かしたくない位置あるいはその近傍までの距離変化が少なく抑えられる。したがって、アップライト姿勢からリクライニング姿勢に変えて作業しても、動かしたくない位置あるいはその近傍からの間隔が広がらない。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の椅子のロッキング装置において、回転運動の中心を、着座者が作業するときの作業点あるいはその近傍に設けるようにしている。この場合、背凭れ及び座は、着座者が作業するときの作業点あるいはその近傍を中心として回転運動するので、アップライト姿勢を主とした作業姿勢とリクライニング姿勢による作業姿勢とで、作業点あるいはその近傍までの距離の変化が少なく抑えられる。したがって、アップライト姿勢からリクライニング姿勢に変えて作業しても、視点までの距離は大きく変動しないし、手首や肩を回す程度の動きで作業点がずれること即ち作業箇所から手が離れることを防ぐことができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の椅子のロッキング装置における第1から第3のいずれかのリンクと座受け部材との間に反力付与装置を設置するようにしている。この場合、反力付与装置の組み付けが容易である。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載の椅子のロッキング装置において、座の降下量が後端側よりも前端側が小さくなるように設定されている。この場合、リクライニング時に座の上端が相対的に後端側よりも持ち上がり着座者の体を後方へ移動させるので、リクライニング姿勢時の安定感を増すことができる。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、背凭れと座とを揺動可能に支持する機構と背凭れおよび座を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置とを介して座受け部材に座及び背凭れを取付け、背凭れと座とを連動させて姿勢変更可能にした椅子のロッキング装置において、背凭れおよび座をそれぞれ揺動可能に支持する機構を、背凭れおよび座を節の1つとして含む四節回転機構によって構成し、尚かつ座と対向する節は固定節であると共に背凭れと対向する節は座であり、更に背凭れと座とを連結する背凭れ支持リンクの少なくとも1つと座と座受部材とを連結する座支持リンクの少なくとも1つとを一定範囲内でスライド可能に連結して背凭れと座とを連動させるスライド連結手段と、背凭れに対し反力を付与する手段並びに座を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置とを備え、背凭れおよび座のアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ傾動する回転運動の中心を座より上方でかつ背凭れよりも前方に設定し、背凭れ及び座が同時に沈みながら前方へ移動するようにしている。この場合、まずスライド連結手段によって許容される範囲内での背凭れの傾きにより座に対する角度が大きくなってから、それぞれの四節回転機構によって定まる動きに従い背凭れおよび座が傾動する。したがって、背凭れの動きが背凭れ及び座が同時に沈みながら前方へ移動する動きを助けることから、アップライト姿勢からリクライニング姿勢への変更が容易となる。しかも、背凭れの自由度が大きくなり、凭れ感が良好となる。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、請求項7項記載のロッキング装置において、背凭れ反力付与手段が、スライド連結手段に介在されて背凭れ支持リンクと座支持リンクとを離反させる力を付与する回転補助のためのばねで構成されている。この場合には、ばねが伸縮することによって、背凭れが動き易くなって背凭れ及び座の回転運動が少ない抵抗で始められると共に、ばねに蓄えられた力が背凭れを復帰させるため常時付勢される。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、請求項7記載の椅子のロッキング装置において、スライド連結手段が、座支持リンクにリクライニング姿勢側へ回転させる方向に突出するレバー部を有するベル・クランクを形成すると共に、背凭れ支持リンクの少なくとも1つの先端をベル・クランクの先端まで延長させて並べて配置し、これらベル・クランクと背凭れ支持リンクとの間隔を一定範囲内でスライド可能に連結するものであり、回転補助のためのばねはベル・クランクと背凭れ支持リンクとの間に介在されるようにしている。この場合には、背凭れに力が加えられたときに、この力で背凭れが傾いてばねが圧縮される力が働くので、ベル・クランクで座を前方向に引き出す力に変換される。
【0020】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の椅子のロッキング装置において、回転補助ばねを、背凭れ支持リンクと座支持リンクのベル・クランクの先端との間隔が、リクライニング姿勢としたときに最も接近した関係となる位置に配置されるようにしている。この場合には、リクライニング姿勢時に、ばねが最も圧縮された状態となるため、背凭れを元位置に復帰させる力を最大限利用できる。
【0021】
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載の椅子のロッキング装置において、座支持リンクの少なくとも一方をZ形リンクとしてその両端に互いに逆向きに突出するレバー部を設けたベル・クランクを形成する一方、一方のベル・クランクに反力付与装置を備えると共に反対側のベル・クランクには回転補助ばねを備えるようにしている。この場合には、座の前側下方のスペースを広くとることができるという利点がある。
【0022】
また、請求項12記載の発明は、請求項11記載の椅子のロッキング装置において、反力付与装置のベル・クランクへの取付位置を調節可能とし、座支持リンクに加わるモーメントを変更可能とするようにしている。この場合には、同じ反力付与装置でも、その取付位置の変更だけで座に加わる反力の大きさを調整できる。
【0023】
更に、請求項13記載の発明は、椅子が劇場用椅子であり、請求項1から12のいずれか1つに記載のロッキング装置を備えるようにしている。この場合、着座していないときには背凭れが起きて座が奥行き方向に引き込まれるため、前後の列の椅子との間の間隔を十分に確保でき、着座時には背もたれが後ろへ倒れずにほぼ垂直に座と共に沈みながら前方へ移動するため、背凭れを後方へ出さずに傾けて長時間座っても疲れにくい安楽な姿勢をとることができる。加えて、非着座時の椅子の前後の通路スペースを確保でき、座席数を増やしたレイアウトが可能となり、劇場等における観客スペースをより有効に活用できる。また、座席の前を通行する人がある場合には腰を引けば座が奥行き方向に引き込まれると共に背もたれが起きあがり前にスペースができるため、席から立たなくとも済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0025】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図4に本発明の椅子のロッキング装置の一実施形態を示す。尚、図にはロッキング装置の動きの理解を助けるため背凭れ2、座3およびこれらを座受け部材に対して揺動可能に支持させる機構を簡略化して示している。このロッキング装置は、前後方向に傾動可能な背凭れ2と、この背凭れ2に連動して座受け部材10上で傾動可能な座3と、背凭れ2および座3を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置4とを備え、事務作業などに適したアップライト姿勢から背凭れを大きく傾けて安楽な姿勢をとり得るリクライニング姿勢へ変更可能なものである。尚、本明細書において、背凭れ2及び座3とは、構造物の骨格となる剛性を有する部材を主に示すものであって、具体的には背を支える背支桿、座を受け支える座受け板を意味している。また、図示していないが、任意のロッキング姿勢における固定は、例えば反力付与装置4としてロック機構付きガススプリングを用いたり、あるいは反力付与装置4とは別に多板クラッチ板などのロック機構が用いられることによって行なわれる。
【0026】
本実施形態では、背凭れ2および座3がアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ(あるいはその逆にリクライニング姿勢からアップライト姿勢へ)傾動するときの背凭れ2と座3のそれぞれの回転運動の中心C,Cを、椅子1から大きく離れない範囲で座3より上方でかつ背凭れ2より前方、好ましくは座3の前方寄りでかつ座3よりも上方、より好ましくは作業姿勢のときの動かしたくない位置例えば着座者が作業するときの作業点あるいはその近傍に設定するようにしている。背凭れ2及び座3の回転運動の中心C,Cを座の前方寄りでかつ上方に設定する場合には、その揺動範囲では背凭れと座3の回転方向が常時同じ向きでかつ下向きであるため、その揺動範囲で思案点やデッドポイントの発生がなく反力装置4による反力がとり易い。しかも、リクライニング姿勢時に過度な傾きを与えることがなく、着座者に不安定感を与えることが少ない。また、リクライニング姿勢時の座の前端縁の浮き上がりが確実に抑えられるため、大腿部の裏を圧迫することがなくなる。特に、座3の回転運動の中心Cをリクライニング姿勢時に座3の前端縁よりも前方となるように配置すれば、確実に座の前端縁の浮き上がりを防ぐことができる。更に、背凭れ2および座3の回転運動の中心C,Cを図4に示すように動かしたくない位置あるいはその近傍に設定する場合、例えば事務用椅子1において、少なくとも一方の回転運動の中心CあるいはCを、着座者が作業するときの机上の手または腕の近傍に設定する場合には、図4に示すように作業点例えばキーボード109上にある手の位置を変えないでロッキングすることが可能となる。作業姿勢は主にアップライト姿勢であるがこれに特に限定されるものではなく、必要に応じた作業姿勢がとられる。
【0027】
背凭れ2および座3を揺動可能に支持する機構としては、例えば図1〜3に示すように、背凭れ2及び座3並びに座受け部材10を節の一部として含む四節回転機構を用いることができる。この四節回転機構は、背凭れ2を支持するものと座3を支持するものとの2つの機構が組み込まれている。
背凭れ2を傾動可能とする四節回転機構は、背凭れ2の一部例えば下端寄りの部位とこれと対向するリンク(座受け部材10によって構成される)8、第1リンク5および第2リンク6とで構成されている。また、座3を傾動可能とする四節回転機構は、座3の一部例えば後端寄りの部位とこれと対向するリンク(座受け部材10によって構成される)9、第2リンク6および第3リンク7で構成されている。そして、背凭れ2と対向するリンク8および座3と対向するリンク9をそれぞれ座3よりも上方でかつ背凭れ2よりも前方に配置されるように座受け部材10並びに連結ピン16,17,18が設けられ、座受け部材10に背凭れ2と座3とが各々吊り下げられるように支持されている。そして、座受け部材10によって構成される座3と対向する節9並びに背凭れ2と対向する節8は、それぞれ両端に連結ピン16,17,18によって回転対偶を形成して各々四節回転機構を構成するリンク5と6並びに5と7が連結されている。また、第1、第2及び第3のリンク5,6,7は、連結ピン11,12,13によってそれぞれ背凭れ2及び座3に回転自在に連結されている。このため、背凭れと座受け部材のそれぞれの回転運動の中心C,Cは、座3よりも上でかつ背凭れ2よりも前方に設定される。尚、四節回転機構は、背凭れ2の下端寄りの部位並びに座3の後端寄りの部位を節の一部として連結することに限られず、背凭れ2並びに座3の任意の位置を節として連結するようにしても良い。
【0028】
この場合、背凭れ2及び座3の回転運動の中心C,Cは、それぞれが設定しようとするアップライト姿勢とリクライニング姿勢との間を運動する際の回転運動の中心であり、背凭れ2及び座3のリンク5,6,7に連結されている部分(節)の両端のピン11,12及び11,13の移動軌跡の垂直2等分線の交点となる。また、固定節8,9たる座受け部材10に対して第1〜第3のリンク5,6,7とは、固定リンク8,9の両端の回転可能な連結点・ピン(回り対偶)16,17及び16,18を中心に揺動する。実際には、リンク5,6,7の座受け部材10に取り付ける位置を、背凭れ2及び座3を所望のアップライト姿勢及びリクライニング姿勢をとり得る位置を求めることにより、背凭れ2及び座3の回転運動の中心C,Cを設定することができる。
【0029】
この実施形態の場合、座3を揺動自在に座受け部材10に支持させる機構は、座3の後端側よりも前端側の降下量が小さくなるように設定されており、リクライニング時に座3の上端が相対的に後端側よりも持ち上がって着座者の体を後方へ移動させることにより安定感を得るようにしている。勿論このような構成に限定されるものではなく、座3の前端側と後端側とで降下量が等しくされたりあるいは逆に後端側が前端側よりも相対的に持ち上がるような関係に必要に応じて設定できることは言うまでもない。
【0030】
更に、背凭れ2及び座3の揺動支持機構の実質的な回転中心となる固定リンク8,9の具体的設置の態様を説明する。固定リンク8,9は、例えば脚柱15に取り付けられて座3よりも上方に突出したL形の座受け部材10によって構成される。この座受け部材10は、図1、図2に示すように椅子1の両側に座面よりも高く設けるものであるため、例えば肘掛けとして兼用することも可能である。
【0031】
また、本実施形態では背凭れ2と座3とを結合点11においてピン結合し、この結合点・ピン11を第1リンク5によって支持している。この場合、第1リンク5は背凭れ2を傾動させる四節回転機構と、座3を傾動させる四節回転機構の両者を構成する兼用することが可能となり、部品点数を少なくすることができる。更に本実施形態の場合、背凭れ2と座受け部材10との回転運動の中心C並びに座3と座受け部材10との回転運動の中心Cとは、その曲率半径は僅かに異なるが、共通の1本の延長線上に存在することとなる。このため、機構上は第1リンク5の延長線上の遠方に存在する1つの仮想の回転軸を中心にして背凭れ2および座3が回転運動することと近似すると考えられる。尚、固定節となる座受け部材10の固定ピン16,17,18の位置は図1に示すように座3よりも上方に配置する場合に特に限定されず、場合によっては座3よりも下に配置するようにしても良い。この場合には、座受け部材10を小さくできデザインし易いものとなる。
【0032】
さらに、本実施形態では、反力付与装置4が第1リンク5と座受け部材10との間に設けられている。反力付与装置4は詳しく図示していないが、例えばロック機構付きガススプリングや、圧縮コイルスプリングとこれをガイドする軸とから成るもの等が採用可能である。反力付与装置4は、椅子1が図1に示す初期位置のアップライト姿勢から図2に示すリクライニング姿勢へと変形するのに伴い圧縮されて強い反力を発揮し、リクライニング状態の背凭れ2および座3を初期位置に復帰させる力を付与する。
【0033】
以上のように構成されたロッキング装置によると、図4に示すように作業中の手または腕の近傍を回転運動の中心としてロッキング動作を行う。このため、アップライト姿勢からリクライニング姿勢に姿勢変更するときには、体が沈みながら前へ移動するので、リクライニング姿勢をとったときにも体が机から離れることがない。したがって、椅子1を前に出すこと(机106に近づけること)も必要なく、ロッキング動作の前後においてディスプレイ108までの距離が遠ざかることもないし、手の位置が作業点例えばキーボード109からずれることもない。因みに、ロッキング動作時の座3の降下量は、第2リンク6および第3リンク7のリンク長、揺動支点の位置などの条件にもよるが、座位基準点(座ったときの中心点)を100mm以上下げるに十分なものとできる。よって、リクライニング姿勢に移るときに着座者の膝が机106の天板の裏あるいは引き出しの裏面に当たることもない。
【0034】
加えて、背凭れ2は座3と共に沈みながら前方へ移動する回転運動をしているので、背もたれ2が後方に大きく膨らまずに背凭れ2を大きく傾けることができ、ロッキング動作のために背凭れ2の背後に大きなスペースを必要としない。このため、椅子1や机106を配置する場合のスペースを少なくすることができると共にリクライニング姿勢によって通路を塞いで通り難くしてしまうこともない。
また、図5に第2の実施形態を示す。この実施形態のロッキング装置は、背凭れ2及び座3を揺動可能に支持する機構が座3の上方に現れないようにしたものである。このロッキング装置は、背凭れ2と座受け部材20及び座3と座受け部材20並びに背凭れ2の下端と座3の後端とを互いに回転可能に連結した連結点(ピン)と座受け部材20とのそれぞれの間で構成する第1から第3の3つのスライダ機構21,22,23を介して、座3より上方でかつ背凭れ2よりも前方に設定される背凭れ2並びに座3の回転運動の中心を中心として背凭れ2及び座3を回転させて、背凭れ2と座3とが共に前方へ移動しながら沈む複雑な回転運動をしながら背凭れ2と座3との開き角度が開かれてより安楽な姿勢を採りうるように構成されている。尚、座受け部材20は背凭れ2の下端部分の移動軌跡(第3スライダ機構23の長孔23aの形状)に沿った形状を成し、全体に下向きに湾曲した弓形を成している。また、第1スライダ機構21の長孔21aは直線に、第2スライダ機構22の長孔22aは極めて僅かに湾曲したほぼ直線状に形成され、座3の先端部分での座の降下量(高さの変動)は少なく、座3が前方へ移動しながら後端側ほど沈み込むようにして背凭れ2が傾くように構成されている。
【0035】
ここで、第1のスライダ機構21は、背凭れ2の上端寄りの部位と座受け部材20との間に設けられて背凭れ2を一点で支持して上下方向並びに前後方向への移動を案内するものである。このスライダ機構21は、背凭れ2の上端寄りの部位に設けられた長孔(あるいは長溝)21aとこの長孔21aに嵌合する座受け部材20上端のピン21bとで構成されている。同様に、第2のスライダ機構22は、座3の先端寄りの部位に形成された長孔(あるいは長溝)22aとこの長孔22aに嵌合する座受け部材20先端のピン22bとで構成され、座3をピン22bの一点で支持して前後方向並びに上下方向への移動を可能に支持している。また、第3のスライダ機構23は、背凭れ2の下端と座3の後端とを回転可能に連結した連結箇所即ち本実施形態の場合にはピン23aと座受け部材20の後側の傾斜部20bに設けられた長孔(あるいは長溝)23aとで構成されている。連結ピン23aは湾曲した長孔23aに案内されて背凭れ2の下端と座3の後端とに上下方向並びに前後方向への変位を同時に与え、背凭れ2及び座3に傾きを与えると共にこれらの間の開き角度も変える。開き角度は、アップライト姿勢の時よりもリクライニング姿勢の時の方が広がるように設けられているがこれに特に限定されるものではない。
【0036】
次に、図6〜図12に第3の実施形態を示す。この実施形態のロッキング装置では、固定節を1つとし、その両端の回転対偶を永久中心として2本のリンクで座3を吊り下げ、更にこの座3に背凭れ2を揺動可能に取り付けて、両者を連動させることにより、背凭れ2および座3がアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ傾動するときの回転運動の中心C,Cを座3より上方でかつ背凭れ2よりも前方に設定するようにしたものである。ここでの回転運動の中心C,Cは、背凭れ2および座3の回転連鎖を構成するリンク部分がアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ移動したときの各々の移動軌跡の垂直2等分線の交点となる。このロッキング装置によれば、最終的なリクライニング姿勢で体と机との間隔が広がらないことが確保されると共に、ロッキング機構の設計の自由度を高めることができるようになる。尚、本実施形態では、背凭れ2及び座3は、その構成が比較的詳細に表されており、ロッキング機構を構成する剛体(背支桿並びに座板)だけでなく、クッション体24、45も示しているが、説明の便宜上、背支桿を背凭れ2として、座板を座3として説明することにしている。
【0037】
このロッキング装置では、背凭れ2および座3をそれぞれ揺動可能に支持する機構を背凭れ2および座3を節の1つとして含む四節回転機構によって構成している。そして、座3と対向する節は座受け部材10によって構成される固定節であると共に、背凭れ2と対向する節は座3であるようにしている。
【0038】
さらに、座3を揺動可能に支持する四節回転機構は、座3と、座受け部材10と、座受け部材10に対して座3を吊り下げて支持する第1の座支持リンク5および第2の座支持リンク7とから成るようにしている。第1及び第2の座支持リンク5,7は、座3に対してピン33,28により回転可能に取り付けられると共に、ピン16,17によって座受け部材10に回転自在に支持されている。また、背凭れ2を揺動可能に支持する四節回転機構は、背凭れ(背支桿)2と、座3と、座3および背凭れ2を連結する第1の背凭れ支持リンク25および第2の背凭れ支持リンク26とから成るようにしている。このため、第1の座支持リンク5および第2の座支持リンク7により座3を吊り下げて支持しているので、リンク5,7の長さを変えるだけで機構を変更せずに揺動量を可変にでき、製品の改良を容易に行うことができる。第1及び第2の背凭れ支持リンク25,26は、ピン34,35,36,37によって背凭れ2及び座3にそれぞれ揺動自在に連結されている。
【0039】
そして、第1の座支持リンク5または第2の座支持リンク7あるいは座3のいずれかと座受け部材10との間には、ピン41,42を用いて座3を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置4が設置されている。ここでは、第2の座支持リンク7の反力調節部27と座受け部材10の下部との間に、反力付与装置4としてのロック機構付きガススプリングが取り付けられている。
【0040】
さらに、このロッキング装置では、座3を揺動可能に支持する四節回転機構を構成する一部のリンクと背凭れ2を揺動可能に支持する四節回転機構を構成する一部のリンクとをスライド連結手段46により連結するようにしている。スライド連結手段46は、背凭れ支持リンクの少なくとも1つと座支持リンクの少なくとも1つとを、一定範囲内でスライド可能に連結して背凭れ2と座3とを連動させるものである。本実施例の場合、スライド連結手段46は、第2の座支持リンク7の下端にリクライニング姿勢側へ回転させる方向に突出するレバー部43を有するベル・クランクを形成して、第2の背凭れ支持リンク26を第2の座支持リンク7の下まで延長し、第2の座支持リンク7の下端のベル・クランクのレバー部43の先端と第2の背凭れ支持リンク26の先端とが揃うように並べて配置し、これらレバー部43の先端と第2の背凭れ支持リンク26の先端とにそれぞれガイドブロック31をピン38,39で回転自在に取り付けられると共に、これらに連結ピン40を貫通させて止め着けることにより構成されている。連結ピン40は、ガイドブロック31に対してスライド可能であり、図示していないがC形止め輪などでガイドブロック31から抜け落ちないように設けられている。したがって、第2の背凭れ支持リンク26と第2の座支持リンク7の先端ベル・クランクのレバー部43との間には互いにそれらの間隔を変更可能に連結される。尚、このスライド連結手段46は、場合によっては、第1の座支持リンク5と第1の背凭れ支持リンク25との間に設けるようにしても良いし、更には第1及び第2のそれぞれのリンク間にそれぞれ設置することも可能である。
【0041】
また、第2の背凭れ支持リンク26と座支持リンク7との間には、これらを離反させる力を付与する回転補助のためのばね30が介在されている。このばね30は、両リンク26,7の間を両ストローク端まで押し広げることにより、背凭れ2に対して反力を付与する。したがって、このばね30が伸縮する範囲内で背凭れ2のみを傾けて、座3に対する角度を広げる、即ち背凭れの傾きを大きくすることができる。また、背凭れ2に力が加わると、この力で背凭れ2が傾いてばね30が圧縮されると共に、更にこのばね30でベル・クランクのレバー部43を座3を前方へ押し出す方向(図6及び図7で反時計回転方向)に付勢して、座3を前方に押し出す力に変換することができる。そこで、ピン28からばね30までの距離を長くすれば、背凭れ2にかかる力を変換して得られる座3を前方へ移動させる(押し出すあるいは引き出す)力を大きくできる。
【0042】
更に、回転補助ばね30の取付位置は、背凭れ支持リンクと座支持リンクのベルクランクの先端(レバー部43の先端)との間隔が、リクランニング姿勢としたときに最も接近した関係となる位置に配置されることが好ましい。この場合には、背凭れ2を元位置に戻す力を最大限利用することができる。そこで、本実施形態では、スライド連結手段46のガイドブロック31の間の連結ピン40の周りに介在されるように装入されている。尚、この回転補助ばね30は、場合によっては、第1あるいは第2の背凭れ支持リンク25,26若しくは背凭れ2と座受け部材10との間に配置されて、背凭れ2に反力を付与するようにしても良い。また、圧縮コイルスプリングに限らずガススプリングのようなものでも良い。
【0043】
更に、本実施形態では、第2の座支持リンク7は、全体としてほぼZ字形状に形成されており、その両端に互いに逆向きに突出するレバー部43,44を設けたベル・クランクを備えている。そして、上側のレバー部44の先端には反力調節部27が、下側のレバー部43の先端にはスライド連結手段46がそれぞれ備えられている。反力調節部27は、ピン17からピン41までの距離が互いに異なるように配置された複数の止め穴29を有し、この止め穴29のいずれかに反力付与装置4の上端をピン41で取り付けることによって、反力付与装置4から第2の座支持リンク7のピン17までのモーメントを変化させて反力を調整することができるようにしている。このような構成の場合には、反力付与装置4と回転補助ばね30とが中央に集められてコンパクトに設置できるため、座3の下の前側のスペースを広くとることができる。
【0044】
また、座受け部材10には、座3および背凭れ2をリクライニング姿勢にしたときに、第2の座支持リンク7が当接するストッパ32が設けられている。これにより、第2の座支持リンク7の揺動端即ちリクライニング姿勢時の座3の前端位置が決定される。このストッパ32は、ピン17の近傍に設けることが好ましい。
【0045】
この実施形態のロッキング装置では、着座者が座3を前方に移動しながら背凭れ2に凭れかかると、座3が第1の座支持リンク5および第2の座支持リンク7により吊り下げられた状態で揺動される。このとき、第2の座支持リンク7の反力調節部27が反力付与装置4を圧縮するので、座3のロッキングの反力を得ることができる。
【0046】
また、背凭れ2は、第1の背凭れ支持リンク25および第2の背凭れ支持リンク26により支持されたまま揺動される。このとき、第2の背凭れ支持リンク26と第2の座支持リンク7との間に設けられた回転補助ばね30を圧縮するので、背凭れ2の座3に対する角度が広がると共にその動きを利用して第2の座支持リンク7の回転を付勢することができ、座3の前方への移動を助けることができる。同時に、背凭れ2のロッキングの反力を得ることができる。
【0047】
そして、着座者による外力が弱まると、反力付与装置4および回転補助ばね30の付勢力により座3および背凭れ2がアップライト姿勢に復起する。
【0048】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では背凭れ2と座3をピン結合して両者間の角度が変わるようにした場合について主に説明したが、これらをピン結合でなく一体化して背凭れ2と座3とを開き角度を固定にした1つの節とすることもできる。この場合、背凭れ2および座3は一体的にロッキングするようになり、図1の実施形態の場合には四節回転機構が一つで足り、図5の実施形態の場合には第1及び第2のスライダ機構21,22だけで足りる。
【0049】
また、本実施形態では、背凭れ2および座3の回転運動の中心を動かしたくない箇所例えばパソコン作業時の手または腕の近傍とした場合を説明したが、これは設定位置の一例に過ぎず、これを適宜変更することは可能である。例えば、視点までの距離を変えたくない場合には、視点あるいはその近傍に作業姿勢時の仮想の回転軸たる回転運動の中心を設定すればよい。一般的には、ロッキングの背凭れと座受け部材並びに座と座受け部材との回転運動の中心をより動かしたくない部位の近くに設定することである。
【0050】
また、反力装置としては、本実施形態のような圧縮コイルスプリングに特に限定されず、例えば、第1〜第3の各リンクと座受け部材との連結箇所にゴムなどのエラストマー材の剪断力・ねじり力を利用した円筒状の反力装置を組み込むことも可能である。例えば、円筒状のゴムの外周面と内周面にそれぞれ金属筒を焼き付けあるいは接着などによって固着し、その内外の円筒の間のゴムにねじれを与えたときに反力を与える装置を各リンクの揺動中心のピンに設けるようにしても良い。
【0051】
さらに、本実施形態では主に事務用の回転椅子を例に挙げて説明したが、特にこれに限定されることはない。例えば劇場などで使用される劇場用椅子に本発明を実施すれば、ロッキングの前後で視点の変化が抑えられることに加え、椅子背後の通路を塞がずにロッキング動作をすることが可能となり、他の客に迷惑をかけないで安楽姿勢をとるのが容易となるため好適である。
【0052】
また、図6〜図12に示す実施形態ではスライド連結手段46に回転補助ばね30を組み込むようにしているが、これには限られない。この回転補助ばね30は、場合によっては、第1あるいは第2の背凭れ支持リンク25,26若しくは背凭れ2と座受け部材10との間に配置されて、背凭れ2に反力を付与するようにしても良い。また、圧縮コイルスプリングに限らずガススプリングのようなものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1は本発明の椅子のロッキング装置の一実施形態を示す概略機構図である。図2は同ロッキング装置のリクライニング時の状態を示す図である。図3は図1のロッキング装置における背凭れ、座および各リンクの動きを簡略化して示すモデル図である。図4は本実施形態のロッキング装置による着座者の姿勢変化を示す図である。図5は本発明のロッキング装置の第2の実施形態を示す概略機構図である。図6は本発明のロッキング装置の第3の実施形態をアップライト姿勢で示す概略図である。図7は同ロッキング装置のリクライニング時の状態を示す図である。図8は同ロッキング装置のアップライト姿勢からリクライニング姿勢への変化を示す概略図である。図9は同ロッキング装置のアップライト姿勢を底面から見た斜視図である。図10は同ロッキング装置のリクライニング姿勢を底面から見た斜視図である。図11は同ロッキング装置のアップライト姿勢を背面から見た斜視図である。図12は同ロッキング装置の概略機構図である。図13は従来のロッキング装置による着座者の姿勢変化の一例を示す図である。図14は従来のロッキング装置による着座者の姿勢変化の他の例を示す図である。

Claims (13)

  1. 背凭れと座とを揺動可能に支持する機構と前記背凭れおよび前記座を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置とを介して座受け部材に前記座及び前記背凭れを取付け、前記背凭れと前記座とを連動させて姿勢変更可能にした椅子のロッキング装置において、前記背凭れおよび前記座をそれぞれ揺動可能に支持する前記機構を前記背凭れおよび前記座を節の1つとしてそれぞれ含む四節回転機構によって構成するとともに、前記背凭れと対向する節および前記座と対向する節をそれぞれ固定節とし、前記背凭れと前記座を互いに回転自在に連結するとともに、一端を固定節としての前記座受け部材に連結して揺動中心とし他端で前記背凭れと前記座の前記連結点を支持する第1リンクと、一端を前記座受け部材に連結して揺動中心とし他端で前記背凭れを支持する第2リンクと、一端を前記座受け部材に連結して揺動中心とし他端で前記座を支持する第3リンクとを備え、これら第1から第3のリンクで前記背凭れおよび座を前記座受け部材に各々揺動自在に吊り下げるそれぞれの前記四節回転機構を構成し、前記背凭れおよび座のアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ傾動する回転運動の中心を前記座より上方でかつ前記背凭れよりも前方に設定し、前記背凭れ及び座が同時に沈みながら前方へ移動するようにしたことを特徴とする椅子のロッキング装置。
  2. 前記回転運動の中心は前記座の前方寄りでかつ前記座より上方に設定されることを特徴とする請求項1記載の椅子のロッキング装置。
  3. 前記回転運動の中心を、ロッキング動作で動かしたくない位置あるいはその近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載の椅子のロッキング装置。
  4. 前記回転運動の中心を、着座者が作業するときの作業点あるいはその近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載の椅子のロッキング装置。
  5. 前記反力付与装置は前記第1リンクから第3リンクのいずれかと前記座受け部材との間に設置したことを特徴とする請求項1記載の椅子のロッキング装置。
  6. 前記座の降下量は後端側よりも前端側が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の椅子のロッキング装置。
  7. 背凭れと座とを揺動可能に支持する機構と前記背凭れおよび前記座を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置とを介して座受け部材に前記座及び前記背凭れを取付け、前記背凭れと前記座とを連動させて姿勢変更可能にした椅子のロッキング装置において、前記背凭れおよび前記座をそれぞれ揺動可能に支持する前記機構を、前記背凭れおよび座を節の1つとして含む四節回転機構によって構成し、尚かつ前記座と対向する節は固定節であると共に前記背凭れと対向する節は前記座であり、更に前記背凭れと前記座とを連結する背凭れ支持リンクの少なくとも1つと前記座と前記座受部材とを連結する座支持リンクの少なくとも1つとを一定範囲内でスライド可能に連結して前記背凭れと座とを連動させるスライド連結手段と、前記背凭れに対し反力を付与する手段並びに前記座を初期位置に戻す反力を付与する反力付与装置とを備え、前記背凭れおよび座のアップライト姿勢からリクライニング姿勢へ傾動する回転運動の中心を前記座より上方でかつ前記背凭れよりも前方に設定し、前記背凭れ及び座が同時に沈みながら前方へ移動するようにしたことを特徴とする椅子のロッキング装置。
  8. 前記背凭れ反力付与手段は、前記スライド連結手段に介在されて前記背凭れ支持リンクと前記座支持リンクとを離反させる力を付与する回転補助のためのばねであることを特徴とする請求項7記載の椅子のロッキング装置。
  9. 前記スライド連結手段は、前記座支持リンクに前記リクライニング姿勢側へ回転させる方向に突出するレバー部を有するベル・クランクを形成すると共に、前記背凭れ支持リンクの少なくとも1つの先端を前記ベル・クランクの先端まで延長させて並べて配置し、これらベル・クランクと背凭れ支持リンクとの間隔を一定範囲内でスライド可能に連結するものであり、前記回転補助のためのばねは前記ベル・クランクと前記背凭れ支持リンクとの間に介在されることを特徴とする請求項7記載の椅子のロッキング装置。
    ることを特徴とする。
  10. 前記回転補助ばねは、前記背凭れ支持リンクと前記座支持リンクのベル・クランクの先端との間隔が、リクライニング姿勢としたときに最も接近した関係となる位置に配置されたことを特徴とする請求項9記載の椅子のロッキング装置。
  11. 前記座支持リンクの少なくとも一方をZ形リンクとしてその両端に互いに逆向きに突出するレバー部を設けたベル・クランクを形成する一方、一方のベル・クランクに前記反力付与装置を備えると共に反対側のベル・クランクには前記回転補助ばねを備えることを特徴とする請求項9記載の椅子のロッキング装置。
  12. 前記反力付与装置の前記ベル・クランクへの取付位置を調節可能とし、前記座支持リンクに加わるモーメントを変更可能とすることを特徴とする請求項11記載の椅子のロッキング装置。
  13. 前記椅子が劇場用椅子であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1つに記載の椅子のロッキング装置。
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