JP4808899B2 - パレットコンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状又は流動性の充てん物を貯蔵しかつ輸送するための熱可塑性のプラスチックから成る薄壁で剛性の内側容器と、このプラスチックの内側容器を支持外とうとして緊密に取り囲む格子管枠と、底板とを有するパレットコンテナであって、底板上にプラスチックの内側容器が載っており、かつ底板に支持外とうとしての格子管枠が固く結合されている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接された格子管支持外とうを有するこのようなパレットコンテナは一般に、例えばヨーロッパ特許公開第0734967号(Sch)明細書によって、公知である。公知のパレットコンテナの格子管支持外とうは、溶接される交差箇所において強く圧縮されている円形プロフィールの管から成っている。ヨーロッパ特許公開第0755863号(F)明細書から公知の別のパレットコンテナは、その格子管棒が正方形の管プロフィールを有しているが、この格子管棒は交差領域だけにおいて、良好な溶接のために、格子管棒の4つの接触箇所を形成することによって部分的にやや(それぞれ約1mm)押し込み成形されていて、それ以外は、凹部若しくは横断面を減少させる押し込み成形部を設けることなしに全長に亘って一様な横断面を有している。開いた台形プロフィールの格子管棒から成る格子枠を有する更に別のパレットコンテナはドイツ連邦共和国特許第19642242号明細書から公知である。この場合横外方に向かって折り曲げられているフランジの平らな面が格子管棒の交差箇所において互いに溶接されている。プラスチック、木材あるいは鋼管枠から成る偏平パレットとして構成することができる底板上に格子外とうを固定することは、普通は下方の水平に回る枠管に係合する例えばねじ、留め金、クリップあるいはつめのような固定手段によって行われる。これらの固定手段はパレットの上板あるいは上方の外縁に釘止め、ピン止め、ねじ止めあるいは溶接されている。
【0003】
パレットコンテナを化学工業において使用するためには、公的な許可を受け、種々の品質基準を満たさなければならない。例えば内圧テスト並びにパレットコンテナに充てん物を入れた状態で特定の高さから落下させる検査が行われる。ここで述べている形式のパレットコンテナ若しくは組み合わせIBC(IBC=Intermediate Bulk Container )[普通は1000リットルの充てん容積を有しているコンテナ]は、有利には液体の輸送のために使用される。特に充てんされた組み合わせIBCのトラック輸送の場合には、輸送衝撃及び輸送車両の運動によって(特に劣悪な路面上での)液状充てん物の著しい波動運動が生じ、これによって連続的に交番する圧力が内側容器の壁に及ぼされ、この交番圧力自体は直方体形のパレットコンテナの場合に管格子外とうの半径方向の振動運動をもたらす(動的な持続振動負荷)。格子外とうの構成に応じて、劣悪な路面上での長距離の輸送の場合に、負荷は大きくなり、管格子が疲労して裂断する。したがってこのようなパレットコンテナは例えばUSAへの輸出のためあるいは何回もの使用には適していない。
【0004】
前述のヨーロッパ特許公開第0734967号明細書から公知の構成においては、垂直及び水平の格子管棒の円形プロフィールの横断面がまさに交差箇所の範囲において溶接点の側で著しく変形せしめられており、抵抗モーメントが残りの範囲よりも著しくわずかであるという欠点がある。正確に押し込み成形された管プロフィールの領域で格子管棒を溶接することによって、部分的に材料が脆くなる。更に付加的に、格子管の円形プロフィールは溶接点のための押し込み成形部に直ぐ並んで再び深く押し込み変形されて、更に弱化されている。
【0005】
本発明の課題は、前述の欠点を取り除いて、簡単な構造的な手段によって、大きな輸送応力若しくは長時間の振動負荷に対する格子外とうの良好な強度が保証されている、大きな輸送強度を有するパレットコンテナを提示することである。これによって一面においてクラス6までの危険な液状若しくは流動性の充てん物のためにパレットコンテナを使用すること(最高の許可品質)が可能になるようにする。
【0006】
この課題を解決するために、垂直及び水平の鋼製格子管棒より成る格子外とうを有する本発明によるパレットコンテナにおいては、水平な格子管棒及び/又は垂直な格子管棒は、その交差箇所の領域における接触平面で、小さい押し込み成形部を有しており(この小さい押し込み成形部の深さは、格子管棒においては格子管棒の壁厚の2倍と同じであるか又は、格子管棒の壁厚の2倍よりもやや小さい、具体的には約2mm又はこれよりも小さい)、水平な格子管棒又は垂直な格子管棒が、2つの交差箇所間で、溶接点の側、若しくは接触平面又は該接触平面とは反対側に、少なくとも2つの押し込み成形部を有している。前記格子管棒がそれぞれ交差箇所若しくは溶接点のそれぞれ隣で、内方に押し込み変形された少なくとも1つの押し込み成形部を有しており、この押し込み成形部は溶接点に対して、それぞれ少なくとも管プロフィール幅(B)の約1/10の間隔を有している。格子管枠の振動による交番する(weckselnde)曲げ負荷のための目標曲げ箇所が、危険な溶接点から所定の間隔を保ってずらされていることによって、連続的な曲げ負荷が、脆化されひいては危険となった溶接点に直接作用することはなく主に比較的危険でない格子管棒の、著しく高い曲げ弾性を有する箇所だけに作用し、かつ、補強された交差箇所には直接作用しないようになっている。垂直な及び/又は垂直な格子管棒の曲げ弾性を改善するために、この水平な格子管棒及び/又は垂直な格子管棒は、その交差箇所の領域における接触平面とは反対の側で、押し込み成形部を有しておらず、格子管棒が交差箇所若しくは溶接点のそれぞれ隣で少なくとも1つの押し込み成形部を有していて、この押し込み成形部は、溶接点に対して、それぞれ少なくとも管プロフィール幅(B)の約1/10の間隔を有している。
【0007】
水平な格子管棒及び/又は垂直な格子管棒が、2つの交差箇所間で、溶接点の側、若しくは接触平面及び/又は該接触平面とは反対側に少なくとも2つの押し込み成形部が設けられていれば、格子管棒の改善された曲げ弾性が得られる。
【0008】
また、水平な格子管棒及び/又は垂直な格子管棒が、2つの交差箇所間で、溶接点の側、若しくは接触平面及び該接触平面とは反対側にそれぞれ少なくとも1つ又は2つの押し込み成形部が設けられていて、これらの押し込み成形部が互いに正確に反対側に位置していて、これらの押し込み成形部がそれぞれ少なくとも、交差箇所に対して管プロフィール幅(B)の約1/10の間隔を有していれば、有利である。
【0009】
本発明の実施態様によれば、プロフィール高さ(H)を減少させる押し込み成形部の深さ(T)ができるだけ小さく維持されており、換言すればプロフィール高さ(H)のほぼ15%と50%との間、有利には約33%である。押し込み成形部の長さは、格子管棒の長手方向で、管プロフィール幅(B)の1.5倍と3倍との間、有利には約2倍である。これによって妥協的な解決策として、目標曲げ箇所若しくは押し込み成形部において、曲げ剛性(曲げに対する強さ)の弱化が最小で、しかも十分に高い曲げ弾性が得られる。
【0010】
液体で満たされたパレットコンテナの格子管枠内の発生する振動負荷の強さは、それぞれ種々異なっているので、水平な及び/又は垂直な格子管棒内の押し込み成形部は、発生した動的(ダイナミック)な振動負荷の強さに関連して、格子管枠の種々異なる領域内に、及び/又は水平な格子管棒及び/又は垂直な格子管棒内に異なる深さで形成される。
【0011】
利な実施態様によれば、垂直な及び/又は水平な格子管棒が台形横断面の閉じた台形プロフィールを有していて、この台形プロフィールは、互いに平行に延びる長い壁及び短い壁並びに互いに傾斜して延びる直線状の2つの壁から成っており、傾斜して延びる2つの壁は長い平行壁から互いに傾斜して接近する方向に延びて短い平行壁に達しており、その際台形プロフィールの互いに傾斜して接近する方向に延びる2つの壁によって形成される頂角が20°と45°との間、有利には約36°である。
【0012】
閉じた台形プロフィールは、一方では高い曲げ抵抗モーメントを有していて、他方では互いにやや傾斜して設けられたプロフィールの側壁は高いねじれ抵抗モーメントを有している。これは特に、台形プロフィールの幅(B)に対する高さ(H)の比(H/B)が0.8と1.0との間、有利には約0.86となるように構成されていることによって得られる。
【0013】
本発明の1実施形態では、台形プロフィールの長い平行壁が、2つの格子管棒の交差箇所の範囲内において部分的に、ほぼ2つのプロフィール幅の長さにわたって、内方に向かって押し込み成形されていて、両方の外側の縦縁にそれぞれ1つの外方に向かって突出している丸み部(外向きアーチ部)が構成されており、したがって水平な格子管棒と垂直な格子管棒との各交差箇所において4対の接触点が形成されており、これらの接触点対が溶接によって互いに固く結合されており、その際各交差箇所において互いに向き合っている長い平行壁は溶接後においても互いに隔てられていて、互いに接触していないようになっている。
【0014】
有利な1実施形態では、台形プロフィールの長い平行壁が格子管棒の全長にわたって内方に向かって押し込み変形されていて(=一貫した縦方向押し込み成形部)、両方の外側の縦縁にそれぞれ1つの外方に向かって突出している丸み部(外向きアーチ部)が構成されており、したがって水平な格子管棒と垂直な格子管棒との各交差箇所において4対の接触点が形成されており、これらの接触点対が溶接によって互いに固く結合されており、その際各交差箇所において互いに向き合っている長い平行壁は溶接後においても互いに隔てられていて、互いに接触していない。特に一貫して押し込み成形せしめられた台形プロフィールは、構成された試作モデルにおいて優れているものとして実証されている。
【0015】
しかしながら変化せしめられた実施形態では、水平な格子管棒及び垂直な格子管棒の一方において台形プロフィールの長い平行壁が交差箇所の範囲内で内方に向かって押し込み変形されており、かつ水平な格子管棒及び垂直な格子管棒の他方において台形プロフィールの長い平行壁が格子管棒の全長にわたって内方に向かって押し込み変形されているようにすることができる。この構成は、中程度の負荷の場合には充分である。
【0016】
長い平行壁の押し込み形部の深さはほぼプロフィール管の壁厚の2倍であり、あるパレットコンテナにおいてはプロフィール管の壁厚は1mmでありかつ押し込み成形部の深さはやはり1mmであり、したがって溶接後(溶接の際に交差する格子管棒の接触点は約1mmほど互いに溶融する)には、各交差箇所において互いに向き合っている長い平行壁はやはりまだ約1mmだけ互いに隔てられており、互いに接触していない。このことが特に重要であるのは、パレットコンテナはしばしば屋外で貯蔵され、天候の影響にさらされるからである。溶接点において格子管棒が互いに隔てられていることによって、付着する雨水は迅速に再び乾燥せしめられ、錆の形成が充分に回避される。溶接面が互いに密着していると、不可避的に雨水のたまる箇所が形成され、短時間で格子管棒に著しい錆が発生する。
【0017】
要するに本発明にとって特別な点は、格子管棒のプロフィールが、公知のものと異なって、溶接点において部分的に押し込み変形れておらず、溶接点に並んで間隔をおいて、プロフィールの同じ側又は及び逆の側に、相応する押し込み成形部を備えており、これにより静力学的及び/又は動的な負荷の際に格子管棒の溶接点の負荷軽減のために交差箇所よりも減少せしめられた曲げ抵抗モーメントを生ぜしめることである。台形プロフィールは、簡単にかつ大きな材料移動なしに押し込み変形さ得るように構成されている。要するに格子管棒の押し込み成形(=「振動エレメント」の意図的な形成としてのくぼみ若しくはへこみ)は単に格子管棒の全く特定な箇所だけにおいて行われ、溶接された交差箇所若しくは4対の溶接点における交番曲げ張力ピークに対する振動軽減を生ぜしめる。第2の管との溶接によって、この箇所における材料脆化を有する管の強化が行われる。従来においては溶接点は振動負荷に対して最も敏感な箇所である。例えば充てんされたパレットコンテナをトラックで劣悪な路面上を輸送する場合のように、著しい振動負荷が生ずる場合には、従来は短時間で溶接点あるいは溶接点の管の破断が生ぜしめられた。
【0018】
本発明による格子管支持外とうの構成では「目標振動箇所」は交差箇所の溶接点若しくはその近くに直接に位置せしめられず、それから少なくともわずかな間隔をおいて形成される。この押し込み成形部によって生ぜしめられる目標振動箇所は管横断面の50%よりもわずかに形成される。目標振動箇所は管横断面の高さの10%〜45%、有利にはほぼ1/3(33%)である。これにより押し込み変形された管横断面の曲げ強度は単に節度をもって減少せしめられるだけであり、疲労亀裂の発生率は極めて著しく減少せしめられる。
【0019】
以下においては図面に示した実施例により本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明によるパレットコンテナの正面図、
図2は、テスト用のパレットコンテナを側面図、
図3は、管交差箇所における本発明による台形プロフィールの拡大した部分的断面図、
図4は、管交差箇所における好ましい台形プロフィールの別の拡大した部分的断面図、
図5は、容器側壁に対する液状充てん物の流体動的な圧力作用を示した概略的断面図、
図6は、最大の格子変位の箇所における水平の部分的断面図、
図7は、押し込み成形部を有する管交差箇所の拡大図、
図8は、図7のDの方向で見た台形の形の管横断面、
図9aは、C−C線に沿った台形の管横断面(狭い側)の押し込み成形部、
図9bは、C−C線に沿った台形の管横断面(広い側)の押し込み成形部、
図10は、負荷されていない状態の正方形の管プロフィール、
図11は、過負荷されている状態の図10に示した正方形の管プロフィール、
図12は、負荷されていない状態の本発明による管プロフィール、
図13は、負荷されている状態の図12に示した本発明による管プロフィールを示す。
【0021】
図14は、2つの押し込み成形部を有する別の本発明による管プロフィール、
図15は、4つの押し込み成形部を有する更に別の本発明による管プロフィール、
図16は、本発明による管プロフィールの角円弧の部分的平面図、
図17は、2つの押し込み成形部を有する正方形の管プロフィール、
図18は、2〜4つの押し込み成形部を備えた別の構成の正方形の管プロフィール、
図19は、2つの押し込み成形部を備えた円形横断面の管プロフィール、
図20は、2つの押し込み成形部を備えた開いた台形の管プロフィール、
図21は、2つの押し込み成形部を備えた別の円形の管プロフィール。
図1においては本発明によるパレットコンテナ10が示されており、これは、熱可塑性プラスチック(HD−PE;高密度ポリエチレン)から成りかつ上方に装入開口を有している薄壁のブロー成形された剛性の内側容器12と、この内側容器12を緊密に取り囲んでいる格子管枠14とを有しており、この格子管枠は固く(しかし取り外し可能若しくは交換可能に)底板16と結合されている。図1の正面図は、内側容器12の底に近い出口弁17を有するパレットコンテナ10の狭幅面を示す。ここでは木材板(US−Runner)として構成されている底板16の前縁は出口弁17と共に、パレットコンテナの最も敏感な箇所を構成しており、認可検査の際に最も大きな負荷例えば対角線方向落下を受ける。図1に記されている鎖線の円内には押し込み成形部を備えた格子プラスチックの特別な構成が概略的に示されている(図7参照)。
【0022】
本発明によるパレットコンテナが開発される前に、市販されている5種類の異なった公知のパレットコンテナが正確に比較し得る負荷検査(内圧テスト、落下テスト、振動テスト、積み重ね圧力検査)を受けた。一連の検査の結果、劣悪な路面上での長距離トラック輸送の模擬振動テストで、種々の格子枠範囲内の特にしばしば生ずる弱い箇所が明らかにされた。
【0023】
図2に示したテスト用のパレットコンテナ(この場合弾性を大きくする押し込み成形部を有していない)は、試験の目的で意図的に持続過負荷にさらされているが、このパレットコンテナにおいては、一点鎖線で示した円で、比較テストの結果動的な振動負荷で最初に破損した垂直な格子管棒及び水平な格子管棒の箇所がマークされている(図10、図11参照)。
【0024】
図3は交差箇所において、本発明による閉じられた台形プロフィール18が示されており、この台形プロフィールは互いに平行に延びる長い壁22及び短い壁20と、2つの直線状の互いに接近する方向で斜めに延びる壁24とを有しており、2つの壁24は長い平行壁22から互いに接近する方向で斜めに短い平行壁20に達しており、その際これらの壁24が形成する頂角26は20°と45°との間、有利には約36°である。台形プロフィールの幅に対する高さの比は0.8と1.0との間、有利には約0.86である。台形プロフィール(斜めの側壁に折れ曲がり部がない)の比較的に大きな高さによって相応して大きな曲げ強度が達成され、かつ台形プロフィールの閉じたコンパクトな構成によって、格子管棒の、円形プロフィールの格子管棒あるいは開いたプロフィールの格子管棒よりも大きなねじり強度が達成される。互いに接近する方向で斜めに延びる壁24の延長線の頂角26を形成する交点の短い平行壁20からの間隔は、約プロフィール高さHであり、長い平行壁22からの間隔は約2Hである。この間隔は0.75H〜2.5Hの間であってよい。
【0025】
有利に使用される台形プロフィール18は図4に示されている。この場合長い平行壁22は単に部分的に、2つの格子管棒の間の交差箇所においてだけ、内方に押し込み変形されていて、両方の外側の縦縁にそれぞれ1つの外方に突出している丸み部28(外向きアーチ部)が形成されており、したがって水平な格子管棒と垂直な格子管棒との各交差箇所において4対の接触点が形成されており、これら4つの接触点は溶接されて互いに固く結合されており、その際各交差箇所において互いに向き合っている長い平行壁は溶接後においても互いに隔てられていて、互いに接触していない。
【0026】
これに対し特に好ましい実施形においては、長い平行壁は格子管棒の全長にわたって内方に押し込み変形されており、その際両方の外側の縦縁に外方に向かって突出する丸み部28(外向きアーチ部)が形成されている。一貫して押し込み変形されている台形プロフィール18は構成された試作品において優れていると実証されており、直径18mm(円周長56.55mm)の円形管から製作される。この押し込み形部の深さはプロフィール管の壁厚のほぼ2倍であり、あるパレットコンテナにおいてはプロフィール管の壁厚は1mmであり、押し込み形部の深さは1mmである。格子管棒の溶接は各交差箇所において4つの接触点を介して電気抵抗加圧溶接によって行われる。4点の点溶接の際に、交差する格子管棒はほぼ1mmだけ押し合わされ、したがって、各交差箇所において互いに向き合う平行壁22は溶接後においてもなおほぼ0.5mmないし2mm、有利には約1mmだけ互いに隔てられており、互いに接触していない(間隔A=1mm)。このことが特に重要であると見なされるのは、パレットコンテナがしばしば屋外で貯蔵され、天候の影響にさらされるからである。溶接点において格子管棒が互いに隔てられていることによって、付着する雨水が空気の流通によって迅速に再び乾燥せしめられ、錆の形成が充分に回避される。溶接面が互いに接触している場合には不可避的に雨水の溜まる箇所が形成され、短時間で全格子管枠の著しい錆形成が生ぜしめられる。更に図4から分かるように、外方に向かって突出している丸み部28の間に残されている長い平行壁22はそれと向き合っている短い平行壁20とほぼ同じ幅B1を有している。
【0027】
図5においては、動的な振動負荷による格子外とうの交番する変形変位が概略的に示されている。液状の充てん物の図5の右半部に示されている流体動的な内圧によって、最大の格子変位Da、Diはほぼ充てん物重心点Sの高さのところ、換言すれば格子枠高さのほぼ33%のところで行われ、この高さにおける振動振幅は外方に向かっては内方に向かってのほぼ2倍である。このことは、下方の格子枠半部の範囲内で、格子管棒に振動負荷が作用した場合の亀裂形成の最大の危険が生じることの原因である。
【0028】
図6の概略的な部分図は、最大の変形変位Da及びDiの箇所における水平断面を示す。振動変位は外方に向かっては阻止されないのに対し、内方に向かっては液体柱及び他方の側壁が変位を阻止する。この場合下方の環状に回る水平な格子管棒30は特に角円弧38の近くで大きな曲げ応力を受ける。
【0029】
図7は水平な格子管棒30と垂直な格子管棒32の交差箇所36における格子管枠の内面図である。交差箇所36において4対の溶接点が小さなxで示されている。この場合水平な格子管棒30並びに垂直な格子管棒32の台形プロフィールは交差箇所36の両側で交差箇所に直ぐ並んで押し込み成形部34を備えており、その際押し込み成形部34は少なくとも管プロフィール幅Bの1/10だけ交差箇所36から隔てられている。図7のDの方向で見た変形せしめられていない台形プロフィール19の断面図は図8に示されており、図7のC−C線に沿った押し込み成形部34の断面図は図9bに示されている。押し込み成形部34は長い平行壁22(図9b)又は及び短い平行壁20(図9a)に形成することができる。これによって多数の変化形が生じ、いずれの場合でも2つの格子管棒交差箇所の間において台形プロフィールの外側に少なくとも2つの押し込み成形部が、又はかつ台形プロフィールの内側にやはり少なくとも2つの押し込み成形部が生ぜしめられる。しかしながらすべての可能な変化実施形において重要なことは、管プロフィールが交差箇所若しくは溶接点自体において押し込み変形されるのではなしに、その側方にわずかな間隔をおいたところにおいて押し込み変形されることである。
【0030】
この場合プロフィール高さHを減少させる押し込み成形部34の深さTは可及的にわずかに、換言すればプロフィール高さHのほぼ15%と50%との間にされ、好ましい実施形ではプロフィール高さHの約33%にされる。押し込み成形部34の長さは格子管棒の縦方向でほぼ管プロフィール幅Bの1.5倍と3倍との間であり、好ましい実施形では押し込み成形部34の長さは管プロフィール幅Bの約2倍である。
【0031】
図10においては負荷されていない管プロフィール−この場合全長にわたって一貫して正方形の公知のプロフィール−が示されている。比較的に短時間の動的な振動負荷を受けただけで、図11に示すように、水平な格子管棒30′との溶接点に接する箇所で垂直な格子管棒32に亀裂が形成される。
【0032】
格子管棒の亀裂の形成若しくは裂断は常に格子外とうの最大の引っ張り応力の箇所若しくは最大の曲げ箇所において行われる。垂直な格子管棒は内側に、かつ水平な格子管棒は外側に配置されている。亀裂及び裂断箇所は常に溶接点に直接に並んだ交差範囲において生ずる(図2に示した鎖線の円を参照)。亀裂の形成は垂直な格子管棒においては−格子外とうに関して−常に外側から始まって、内側に向かって移動し、水平な格子管棒においては常に内側から始まって外側に向かって移動する。比較実験で判明したところでは、外方に向かって折り曲げられた平らなフランジを備えた開いた格子管棒から成る格子管枠は交差箇所の内部において溶接点が互いに比較的に離れていることによって良好な積み重ね強度を有してはいるが、しかし極めて不利な振動負荷強度を有している。
【0033】
正方形の管プロフィールと異なって、図12には垂直な格子管棒32に2つの押し込み成形部34を有する本発明による閉じられた台形プロフィール18が示されている。図13において誇張して示すように、長時間持続する振動負荷の後にも亀裂の形成は生じない。それは一面では、交差範囲が溶接点において弱い押し込み成形部を有しておらず、かつ他面では曲げ抵抗モーメントを減少させる押し込み成形部34がいわば「曲げヒンジ」として機能し、かつこの場合交差範囲から少なくともわずかな間隔をおいて配置されていて、ピーク張力が敏感な溶接点から隔てられて、間隔をおいた弾性的な範囲にずらされるからである。
【0034】
目標曲げ箇所としての押し込み成形部は、管プロフィール高さHを減少させ、ダイナミックな振動負荷が発生した時に、交番的な曲げ負荷の危険なピーク値に対して敏感な溶接箇所を負荷軽減するために役立つ。これによって、ダイナミックな振動負荷において危険な応力ピークは、溶接箇所から離れて、この溶接箇所に対して間隔を保って隣接する領域にずらされる。このように、応力ピークを溶接箇所の側方で隣にずらして、応力ピークを軽減させる押し込み成形部を備えた管プロフィールの特別な構成によって、静的な及び/又は動的(ダイナミック)な負荷において溶接結合部を著しく負荷軽減することができ、この場合、溶接箇所は、変形(成形)された領域内に配置されることはなく、その高い曲げ強さが維持される。
【0035】
要するに、格子外とうを構成する場合の特別な問題は、一面では垂直な格子管棒又は及び水平な格子管棒が例えば内圧負荷の際のパレットコンテナの過度の膨らみを阻止するために可及的に安定してかつ剛性に、大きな曲げ抵抗モーメントを備えているようにすること、及び他面では動的な持続振動負荷に対する大きな振動弾性が与えられているようにすることであり、これらの条件を満たすことは相互に矛盾している。このために製作費が安価になるように、最適の妥協策を見出すのが有利である。したがって例えばドイツ連邦共和国実用新案第29719830号明細書による一貫して不変の管プロフィールを有する公知のパレットコンテナは、本発明を知った後には、おそらく貯蔵容器としては適しているが、しかしながら危険な液状の充てん物のための動的な振動負荷にさらされる輸送容器としては使用不能である。ここに述べたドイツ連邦共和国実用新案明細書に記載されている技術においては、公知のパレットコンテナの円形管格子枠が少なくとも溶接される管交差箇所において既にくぼみを備えている。この実用新案明細書の第2ページ下方には、「この発明による成形された管(要するに局所的な押し込み成形部を有していない管)を使用することによって、もはや局所的な応力集中は与えられていない」と記載されているが、この記載は本発明を認識した後には正しくなく、明らかに、輸送負荷を受けるパレットコンテナの格子管枠における曲げ強度と振動弾性との相反する関係が認識されていないことを示している。
【0036】
本発明による台形プロフィールにおいては、押し込み成形部34の深さTはプロフィール高さHの約25%と50%との間、有利には約33%である。高さ15mmの管における5mm(=33%)の押し込み形部は一般に充分である。これによって振動負荷が溶接点においてわずかにされ、若しくは溶接点から外され、全体として充分に大きな管強度が得られる。このことは、振動する格子の側方変位の振動振幅を可及的にわずかに保つために、重要なことである。
【0037】
図14においては溶接点とは逆の台形プロフィール側の短い平行壁20に2つの押し込み成形部34を有している変化実施形が示されており、図15に示した変化実施形においては台形プロフィール18は短い平行壁20及び長い平行壁22にそれぞれ、交差箇所36の側方に並んでそれぞれ1つの押し込み成形部34を備えていて、これらの押し込み成形部は互いに正確に向き合っている。この場合においても、押し込み成形部34は交差箇所36からそれぞれ少なくとも管プロフィール幅Bの1/10の間隔を有している。押し込み成形部34が両方の平行壁20,22においてプロフィール管に形成されている場合には、この箇所におけるプロフィール管の「曲げヒンジ作用」若しくは弾性は特に増大せしめられる。
【0038】
本発明の技術思想によれば、格子管棒30,32における押し込み成形部34は予期される動的な振動負荷の強さに関連して、格子管枠14の種々の範囲において又は及び水平な格子管棒30及び垂直な格子管棒32に種々の深さに又は及び種々の箇所に構成しておくことができる。この手段によって必要に応じて、充分に残されている曲げ強度で、水平な格子管棒又は垂直な格子管棒のための並びに種々の格子枠範囲例えばパレットコンテナの長い縦側面又は短い正面及び背面のための最適の振動弾性を生ぜしめることができる。
【0039】
水平な格子管棒に対する動的な振動負荷の有害な作用を減少させるための別の重要な実施形は図16に示されている。この場合格子管枠14の水平な格子管棒30は90°湾曲せしめられた角円弧38の範囲において垂直方向に対して平行な偏平部40を有しており、この偏平部40はやはり丁番状の「曲げヒンジ」として作用する。水平な格子管棒は角範囲においては大きな曲げ抵抗モーメントを有している必要はなく、この範囲では大きな弾性が重要である。特に良好なテスト結果は、水平な格子管棒30が支持外とうとしての格子管枠14の90°湾曲せしめられた角円弧38の範囲において内側から又は及び外側から、少なくとも台形プロフィール18の高さHの1/4だけ偏平にされて構成されているパレットコンテナで達成された。ある例では格子管枠の下方の水平な格子管棒は角円弧の内側から30%だけ、かつ外側から45だけ偏平にされ、格子管枠の上方の範囲においては偏平部は段階的にわずかに偏平にされている。
【0040】
図17には、特別な正方形プロフィール42を備えた2つの格子管棒の交差箇所が示されている。この場合、管壁は格子管棒の全長に亘ってやや押し込み成形されているので、格子管棒の交差箇所に4点接触が得られ、これらの4点接触を介して格子管棒が互いに溶接されている。C−C線に沿った断面図で押し込み成形部34が明瞭に示されている。図18には、垂直な及び/又は水平な格子管棒の正方形横断面を有する類似の管プロフィール44が示されており、この場合、交差箇所の領域においてだけ、一方の管壁の部分的な押し込み成形部は、同様に4点接触が得られ、これらの4点接触を介して互いに交差する2つの格子管棒が互いに溶接されている。B−B線に沿った断面図で押し込み成形部が示されている。
【0041】
垂直な及び/又は水平な格子管棒は、丸い若しくは円形の横断面を備えた閉じたプロフィールを有している。このようなA−A線に沿った断面図で示した押し込み成形部34を備えた円形管プロフィール46は、図19に示されている。別の構成では、垂直な及び/又は水平な格子管棒は、台形横断面を有する開いたプロフィールを有している。図20には、押し込み成形部34を備えたこのような開いた台形プロフィール48が、D−D線に沿った断面図で示されている。
【0042】
図21にはさらに別の円形管プロフィール50が示されており、この円形管プロフィール50においては、交差し合う格子管棒は、交差箇所52の領域内で部分的に、有利な4点接触が得られ、この4点接触を介して2つの格子管棒が互いに溶接されるように押し込み成形されている。ここでは、格子管棒の、溶接箇所とは反対側に、目標曲げ箇所若しくは押し込み成形部34が設けられている。
【0043】
もちろん以上述べた変化実施形は種々の形式で互いに組み合わせることができ、全ての可能な組み合わせは本発明の範囲内に所属する。
【0044】
この場合上述の可能性から、特に格子外とうの下半部において、適合した最適の格子管棒弾性において充分な曲げ強度を生ぜしめるための種々の手段を講ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるパレットコンテナを正面図で示す。
【図2】 テスト用のパレットコンテナを側面図で示す。
【図3】 管交差箇所における本発明による台形プロフィールの拡大した部分的断面図を示す。
【図4】 管交差箇所における好ましい台形プロフィールの別の拡大した部分的断面図を示す。
【図5】 容器側壁に対する液状充てん物の流体動的な圧力作用を示した概略的断面図を示す。
【図6】 最大の格子変位の箇所における水平の部分的断面図を示す。
【図7】 押し込み成形部を有する管交差箇所の拡大図を示す。
【図8】 図7のDの方向で見た台形の形の管横断面を示す。
【図9a】 押し込み成形部のC−C線に沿った台形の管横断面図(狭い側)、
【図9b】 押し込み成形部のC−C線に沿った台形の管横断面図(広い側)
【図10】 負荷されていない状態の正方形の管プロフィールを示す。
【図11】 過負荷されている状態の図10に示した正方形の管プロフィールを示す。
【図12】 負荷されていない状態の本発明による管プロフィールを示す。
【図13】 負荷されている状態の図12に示した本発明による管プロフィールを示す。
【図14】 別の本発明による管プロフィールを示す。
【図15】 更に別の本発明による管プロフィールを示す。
【図16】 本発明による管プロフィールの角円弧の部分的平面図である。
【図17】 2つの押し込み成形部を有する正方形の管プロフィールを示す図である。
【図18】 2〜4つの押し込み成形部を備えた別の構成の正方形の管プロフィールを示す図である。
【図19】 2つの押し込み成形部を備えた円形横断面の管プロフィールを示す図である。
【図20】 2つの押し込み成形部を備えた開いた台形の管プロフィールを示す図である。
【図21】 2つの押し込み成形部を備えた別の円形の管プロフィールを示す図である。
【符号の説明】
10 パレットコンテナ、 12 内側容器、 14 格子管枠、 16 底板、 17 出口弁、 18 台形プロフィール、 20 平行壁、 22 平行壁、 24 壁、 26 頂角、 28 丸み部、 30 水平な格子管棒、 30′ 水平な格子管棒、 32 垂直な格子管棒、 34 押し込み成形部、 36 交差箇所、 38 角円弧、 40 偏平部、 42 正方形プロフィールI、 44 正方形プロフィールII、 46 円形管プロフィールI、 48 開いた台形プロフィール、 50 円形管プロフィールII、 52 交差箇所(50)、A 間隔、 B 管プロフィール幅、 B1 幅、 Da 最大の格子変位、 Di 最大の格子変位、 H プロフィール高さ、 S 充てん物の重心点、 T 深さ

Claims (6)

  1. 液状又は流動性の充てん物を貯蔵しかつ輸送するための熱可塑性のプラスチックから成る薄壁で剛性の内側容器(12)と、このプラスチックの内側容器(12)を支持外とうとして緊密に取り囲む格子管枠(14)と、底板(16)とを有するパレットコンテナ(10)であって、底板(16)上にプラスチックの内側容器(12)が載っており、かつ底板に支持外とうとしての格子管枠(14)が固く結合されており、その際格子管枠(14)は、交差箇所(36)における接触平面で互いに溶接されている垂直な格子管棒(32)と水平な格子管棒(30)とから成っており、前記格子管棒(30,32)がそれぞれ交差箇所(36)若しくは溶接点のそれぞれ隣で、内方に押し込み変形された少なくとも1つの押し込み成形部(34)を有しており、この押し込み成形部(34)は溶接点に対して、それぞれ少なくとも管プロフィール幅(B)の約1/10の間隔を有している形式のものにおいて、
    水平な格子管棒(30)及び/又は垂直な格子管棒(32)は、その交差箇所の領域における接触平面で、小さい押し込み成形部だけを有しており、この小さい押し込み成形部の深さは、格子管棒においては格子管棒の壁厚の2倍と同じであるか又は、格子管棒の壁厚の2倍よりもやや小さい、具体的には約2mm又はこれよりも小さく、水平な格子管棒(30)又は垂直な格子管棒(32)が、2つの交差箇所(36)間で、溶接点の側、若しくは接触平面又は該接触平面とは反対側に、少なくとも2つの押し込み成形部(34)を有していることを特徴とする、パレットコンテナ。
  2. 水平な格子管棒(30)及び垂直な格子管棒(32)が、2つの交差箇所(36)間で、溶接点の側、若しくは接触平面及び該接触平面とは反対側に少なくとも2つの押し込み成形部(34)を有している、請求項1記載のパレットコンテナ。
  3. プロフィール高さ(H)を減少させる押し込み成形部(34)の深さ(T)ができるだけ小さく維持されており、換言すればプロフィール高さ(H)のほぼ15%と50%との間、有利には約33%である、請求項1又は2記載のパレットコンテナ。
  4. 押し込み成形部(34)の長さが、格子管棒の長手方向で、管プロフィール幅(B)の1.5倍と3倍との間、有利には約2倍である、請求項1からまでのいずれか1項記載のパレットコンテナ。
  5. 格子管棒(30,32)内への押し込み成形部(34)が、発生する動的な振動負荷に関連して、格子管枠(14)の種々の範囲において異なった深さに形成され、かつ/又は水平な格子管棒(30)と垂直な格子管棒(32)とで異なった深さに形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のパレットコンテナ。
  6. 水平な格子管棒(30)が、支持外とうとしての格子管枠(14)の90°湾曲せしめられた角円弧の範囲において、内側からかつ/又は外側から、少なくとも台形プロフィール(18)の高さ(H)の1/4だけ偏平に構成されている、請求項記載のパレットコンテナ。
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