JP4808335B2 - 棒状容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば口紅、薬用リップ、糊等の製剤、あるいは化粧用のハケ、印鑑等の固形物を操作ノブの進退操作により出し入れ可能に収納する棒状容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような棒状容器として、例えば、先端(上端)に開口を有した筒状の容器本体の内部に棒状製剤を保持した受筒(保持体)を収納し、この受筒を容器本体の軸方向に移動可能に支持するとともに、ベルト状の操作片をU字型に折り返した(湾曲させた)状態で容器本体に収納してその一端を前記受筒に連結し、前記操作片に対して容器本体の外側から組付けられ操作ノブを進退操作することにより操作片を介して受筒を移動させて棒状製剤を出し入れするようにした棒状製剤用容器は一般に知られている(例えば実開昭58−112214号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の容器では、製剤を塗布部に押し付けたときに、その反力で製剤が容器内に押し戻されることが考えられるため、これを有効に防止する必要がある。
【0004】
この点について、前記公報の容器では、操作ノブの移動端に突起状のストッパを設け、操作ノブをこのストッパに係合させることにより製剤を拘束し得るように構成されており、操作ノブをストッパに係合させた状態で使用することにより、製剤が容器内に押し戻されるのを防止することができる。ところが、この容器では、製剤を完全に押し出した状態(製剤を最も押し出した状態)でしか製剤を拘束できず、残量に応じて任意の位置で製剤を拘束することは不可能であった。
【0005】
なお、製剤のロック機構を組込んだ容器として、例えば製剤の出し入れ時に操作ノブを押し込んでロックを解除した状態で操作ノブを移動させ、製剤使用時に操作ノブから手を放すと、ばね(弾性体)の弾発力で操作ノブがロック状態に復帰して任意の押し出し位置に製剤がロックされるようにした容器も提案されている(特開平11−164730号公報、特開平8−126525号公報)。しかし、このような容器では、製剤の出し入れ時に、▲1▼ 操作ノブの押し込み、▲2▼ 操作ノブの移動、という二段階の操作が必要となり操作が煩雑で、また、▲1▼ の操作を怠って強引に操作ノブを移動させると、例えばロック機構が破損してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、製剤等の収納物の押し出し状態(量)に拘わらず使用時の反力による収納物の押し戻しを確実に防止することができ、しかも、収納物出し入れ時の操作性を損なうことがない棒状容器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、先端開口を有した筒状の本体内に、収納物の保持体が収容されるとともに、この保持体に設けられたベルト状の操作片がU字状に折り返された状態で収容され、前記操作片を容器本体の外部から移動操作可能なように当該操作片の端部に設けられた操作ノブを本体に沿ってその軸方向に進退操作することにより、前記保持体を前記軸方向に移動させる棒状容器において、前記本体の内部に前記操作片をU字状に折り返した状態で案内する案内通路が形成され、この案内通路の内面であって前記操作片の外側の面に対向する外側案内面に、前記操作片に沿って操作ノブ側から保持体側に向かうにつれて当該外側案内面の位置が外側に変化することにより段状の爪部が形成されるとともに、操作片のうち前記外側の面に、鋸歯状の複数の係合歯であって収納物を容器先端側に押し出す押し出し方向へ操作片が移動するときには前記爪部と非係合状態となる一方、押し出し方向と逆方向である収納方向へ操作片が移動するときには前記爪部に係合することが可能な係合歯が形成され、これら爪部及び係合歯が係合することで収納方向への操作片の移動が阻止されるように構成され、さらに収納物を容器先端側に押し出した状態で該収納物に収納方向の荷重が作用すると前記操作片が前記外側案内面に当接して係合歯と爪部とが係合状態となる一方、収納物を収納すべく前記操作ノブを操作して操作片に引張り荷重を与えると前記操作片が前記外側案内面から離間して前記係合歯と爪部との係合状態が解除され得るように前記案内通路の隙間が設定されているものである。
【0008】
この構成によると、収納物の押し出し時には、係合歯と爪部とが係合することがなく操作ノブの操作に伴い製剤の押し出しがスムーズに行われる。また、製剤の使用時には、係合歯と爪部とが係合して操作片の移動(収納物の収納方向の移動)が阻止され、その結果、収納物の押し戻しが防止される。この際、収納物の押し出し量に応じた任意の位置で係合歯と爪部とが係合することにより収納物の押し出し状態(位置)に拘わらず収納物の押し戻しが防止される。そして、収納物を収納すべく操作ノブを操作すると、操作片が外側案内面から離間し、これにより係合歯と爪部との係合状態が解除されて操作ノブの操作に伴いスムーズに収納物が収納されることとなる。
【0009】
この場合、例えば操作片の反転部分に対応して爪部を設ける場合には、案内通路のうち、前記反転部分の隙間及び該反転部分を挟んで前記保持体側とは反対側の部分の隙間をその他の部分の隙間に比べて大きく設定し、また、操作片の反転部分よりも前記保持体側寄りの位置に爪部を設ける場合には、案内通路のうち、爪部近傍から反転部分までの部分の隙間をその他の部分の隙間に比べて大きく設定すれば、操作片(係合歯)と爪部の上記のような係脱動作を良好に行わせることができる。
【0010】
なお、案内通路は、断面U字型に形成されているのが好ましい。
【0011】
このような断面U字型の案内通路によれば、操作片をスムーズに案内することができ、また、操作片(係合歯)と爪部の上記のような係脱動作を行わせる上で有利な構成となる。
【0012】
なお、この容器においては、操作ノブに連結されて該操作ノブの操作に連動して先端開口を開閉する蓋体が設けられているのが好ましい。
【0013】
この構成によれば、蓋体の開閉を含めた収納物の出し入れ操作を一の操作ノブの操作で行うことができる。そのため、収納物の出し入れ操作を完全に片手で行うことが可能となる。また、蓋体の紛失を防止することもできる。
【0014】
この構成において、蓋体は操作ノブに対して直接連結され、収納物を押し出すべく操作ノブを移動させると先端開口を開放しながら蓋体が本体側方に向って移動するように構成されるとともに、前記蓋体が本体側方に移動するに伴い、又は移動した後に収納物が押し出されるように操作ノブが操作片に対して組付けられているのがより好ましい。
【0015】
このような構成によれば、収納物の出し入れ時、あるいは収納物の使用時に蓋体が邪魔になり難くなる。
【0016】
なお、この構成の場合には、蓋体を操作ノブに対して回動可能に連結するとともに、本体の先端部分に蓋閉止用のカム部を設け、前記先端開口を開放した状態から収納物を収納すべく操作ノブを移動させると、蓋体の一部がカム部に当接して前記先端開口を閉止するように蓋体が操作ノブに対して回動するように構成すればよい。
【0017】
これによれば、極めて簡単な機構で操作ノブの操作に伴い先端開口を蓋体によって閉止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1及び図2は、本発明に係る棒状容器の一例である棒状製剤用容器を概略的に示している。図1は棒状製剤用容器の斜視図で、図2は縦断面斜視図である。
【0020】
これらの図に示す棒状製剤用容器10(以下、容器10と略す)は、口紅等の棒状の製剤Cを収納する円筒状の本体12と、この本体12の先端(上端)に脱着可能に装着されるキャップ14とからなり、使用者がキャップ14を取り外した状態で本体12を握り、該本体12の側面に設けられた操作ノブ26を本体12に沿ってその軸方向に進退操作することにより製剤Cを本体12に対して出し入れできるように構成されている。
【0021】
容器10の本体12は、図2に示すように、容器本体20、内筒体22、操作片24および前記操作ノブ26の合計4つのパーツからなり、これらのパーツが相互に組付けられることにより構成されている。
【0022】
容器本体20は、容器10の外観部分を構成するパーツで、図3(a),(b)に示すように先端開口30を具備した有底の円筒形状を有し、側面にはその先端部分から中間部分に亘って上下方向(容器本体20の軸方向又は長手方向)に延びるスリット34が形成されている。
【0023】
容器本体20の内部には、その底部32から中間部分まで延びて先端側に開口する断面略矩形の凹部36が区画形成されている。この凹部36は、容器本体20の内壁面(詳しくは前記スリット34に対応する部分の内壁;以下、内壁36aという)と、この内壁36aに対向する対向壁36bと、両壁36a,36bを連結する互いに平行な一対の側壁36cとから構成されており、後述するように内筒体22と協働して前記操作片24の案内通路16を形成するように構成されている。
【0024】
凹部36の底面は断面U字型の円弧状の面とされている。この円弧状の底面(外側案内面)には段状の爪部39が形成されており、操作片24の後記係合歯54と係合し得るように構成されている。なお、凹部36の底面形状は、本発明の目的に応じ、操作片の移動を可能にするものであれば如何なる形状であってもよい。
【0025】
また、凹部36の内壁面のうち前記対向壁36bには、その上端部分から底部付近に亘って操作片24の後記案内部24aを案内するための上下方向に真っ直ぐに延びるガイド溝38が形成されている。
【0026】
なお、容器本体20の内壁面であって前記スリット34に対応する箇所には、該スリット34に沿って上下方向に真っ直ぐに延びるガイド溝37が形成されており操作片24の後記ノブ取付部56がこのガイド溝37に沿って案内されるように構成されている。そして、操作片24は、内壁36に沿って案内されるように構成されている。また、容器本体20の底部32であって凹部36の外側、具体的には、前記対向壁36bの直ぐ後側(図3(b)では左側)には、内筒体22を係止するための上下方向に貫通する係止孔32aが形成されている。
【0027】
内筒体22は、前記容器本体20内に収納されて製剤Cを直接収容するパーツで、図4(a),(b)に示すように先端開口40を具備した円筒形状を有している。
【0028】
この内筒体22は、前記容器本体20に隙間なく挿入され得るようにその外形寸法が設定されており、その先端近傍には、前記容器本体20と同一外径寸法を有する鍔部41が一体に形成されている。
【0029】
内筒体22の下側には、下方に向って延びる細長の案内用凸部44と、これと平行に延びる細長の係止片46とが設けられている。これら案内用凸部44及び係止片46は、内筒体22の底部42に一体に形成されている。
【0030】
前記案内用凸部44は、図4(b)に示すように内筒体22の中心部分から半径方向に延びる平板状の凸部で、その先端(下端)には円弧状の案内面44aが形成されている。一方、係止片46は、内筒体22の中心を挟んで前記案内用凸部44の反対側に設けられており、その先端(下端)にはフック46aが一体に形成されている。
【0031】
また、内筒体22の前記底部42には、操作片24を挿入するための上下方向に貫通する貫通孔42aが穿設されている。この貫通孔42aは、その形状が操作片24の後記案内部24aの断面形状に対応した形状とされているとともに、操作片24を挿入すると該操作片24に形成される後記一対の突状52bが自ずと案内用凸部44をその両側から挟む(換言すれば案内用凸部44が両突状52bの間に介在する)ように前記案内用凸部44に隣接して設けられている。
【0032】
操作片24は、図5(a)に示すように製剤Cを押し出し操作するための細長のパーツで、その一端には製剤Cの保持部50が一体に設けられている。なお、図5(a)では、図面スペースの関係上、操作片24をその途中で折り曲げた状態で示している。
【0033】
保持部50は、小径の円盤体50aとこれよりも大径の円盤体50bとを上下に備えた二段皿形状を有している。大径の円盤体50bは前記内筒体22に隙間なく、かつ内筒体22に対してスムーズに上下方向に摺動し得るようにその外形寸法が設定されており、後述するように、保持部50のうち小径の円盤体50aを軸状の製剤Cの一端(下端)に埋め込んだ状態で、前記大径の円盤体50により該製剤Cをその端面で支えるように構成されている。
【0034】
操作片24は、上記の保持部50の部分を除いて全体が平板状に形成されており、前記保持部50に連続する基端側の案内部24aと先端側のベルト部24bとを有している。
【0035】
案内部24aは、その表裏両面に上下方向に延びる案内用の突状が形成されたある程度剛性を有する構造とされている。具体的には、図5(c)に示すように、案内部24aの一方側の面(同図では左側の面;以下、表側面という)であってその幅方向(同図では上下方向)中央に一本の突状52aが形成され、これと反対側の面(以下、裏側面という)であってその幅方向両端に一対の突状52bが形成されている。
【0036】
一方、ベルト部24bは十分な可撓性を有した構成となっている。ベルト部24bの表側面であって前記案内部24aの端部近傍から先端までの間の一定の範囲には、前記容器本体20に形成された爪部39と係合可能な鋸歯状の複数の係合歯54が形成されている。なお、爪部39及び係合歯54の詳しい構成については後に説明する。
【0037】
また、ベルト部24bの先端(操作片24の先端)であってその表側面にはノブ取付部56が突設されている。このノブ取付孔56には、図5(b)に示すように操作ノブ26の取付孔56aが形成されている。
【0038】
操作ノブ26は、図1および図2に示すように、操作面となる表面に滑り止め用の凹凸を形成した本体部分を有し、その裏側には前記操作片24(ノブ取付部56)に装着するためのフック部26aが一体に形成されている。
【0039】
以上のような各パーツの構成のもと、前記本体12は次のようにして組立てられている。以下、その手順に従って説明する。
【0040】
まず、図6(a)に示すように操作片24を内筒体22に挿入する。具体的には、操作片24をベルト部24bの先端側から内筒体22に挿入し、さらに底部42に形成された前記貫通孔42aに通すことにより、保持部50を内筒体22内に残した状態で操作片24を内筒体22の下側に導出する。この際、操作片24を貫通孔42aに挿入すると、案内部24aの裏側面に形成された一対の突状52bの間に案内用凸部44が介在し、これにより操作片24が案内用凸部44に沿って案内される。
【0041】
操作片24を内筒体22に組付けたら、次に、図6(b)に示すように操作片24のベルト部24bを内筒体22の前記案内用凸部44に沿ってその先端(案内面44a)でU字状に折り返して内筒体22の外側面に沿わせた状態で保持する。この際、操作片24を下側に引張って保持部50を内筒体22の底部42に突き当てた状態で操作片24を折り返し、この状態で内筒体22を操作片24のノブ取付部56と共に摘まむようにすればよい。
【0042】
そして、この状態で内筒体22を案内用凸部44の先端側から前記先端開口30を介して容器本体20内に挿入するとともに、容器本体20の内部において内筒体22の前記案内用凸部44の部分を前記凹部36内に挿入する。この際、前記操作片24の案内部24aに形成された突状52aを凹部36の前記対向壁36bに形成されたガイド溝38内に、またノブ取付部56をガイド溝37に夫々介装しながら内筒体22等を容器本体20に挿入する。
【0043】
このようにして筒体22等を完全に容器本体20に挿入すると、すなわち内筒体22の鍔部41が容器本体20の先端開口縁部に当接する位置まで内筒体22等を挿入すると、内筒体22に設けられた前記係止片46の先端フック46aが係止孔32aに差込まれ、これにより係止片46が容器本体20の底部32に係合して内筒体22等が容器本体20に脱落不能に組付けられた状態となる。また、内筒体22の案内用凸部44と凹部36の内壁との間に、図2に示すように操作片24を案内する断面U字型の案内通路16が形成されることとなる。
【0044】
内筒体22等を容器本体20に組付けたら、次に、図6(c)に示すように操作ノブ26のフック部26aを容器本体20の外側からスリット34に差込み、該フック部26aを操作片24のノブ取付部56に形成された取付孔56aに差込む。このようにするとフック部26aが取付孔56aを介してノブ取付部56に係合し、操作ノブ26が操作片24に固定される。
【0045】
このようにノブ取付部56の固定が完了すると上記本体12が完成する。なお、上記キャップ14は、容器本体20と略同一の外径寸法を有する円筒状の形状を有しており、本体12の上端、正確には内筒体22のうち鍔部41よりも上側の部分に装着されるように構成されている。
【0046】
以上のように構成された容器10において、製剤Cは前記本体12の内筒体22の中に操作片24に支持された状態で収容される。より詳しくは、製剤Cの下端部に保持部50の前記小径の円盤体50aが埋め込まれ、大径の円盤体50bによりその下側から支持された状態で収容される。これにより保持部50と製剤Cとが一体的に内筒体22内を移動し得るようになっている。
【0047】
製剤Cの未使用時には、図2に示すように前記操作ノブ26がスリット34の上端近傍に配置されて製剤Cが本体12内に収納された状態(引き込まれた状態)とされる。そして、この状態で本体12の上端部分にキャップ14が装着されることにより製剤Cが乾燥等から保護されるようになっている。
【0048】
製剤Cを使用する際にはキャップ14を取り外し、図7(a)に示すように、本体12を握った状態で操作ノブ26をスリット34に沿って下げる。このように操作ノブ26を下げると、操作ノブ26と一体に操作片24が移動し、その結果、製剤Cが保持部50と共に内筒体22内を上方に移動して、同図に示すように製剤Cが本体12の先端側に押し出されることとなる。従って、製剤Cが例えば口紅である場合には、このように口紅を本体12の先端側に押し出した状態で唇に押し当てることにより口紅を塗布することが可能となる。
【0049】
そして、使用後は、操作ノブ26を逆にスリット34の上端まで上げれば、これに伴い製剤Cが保持部50と共に内筒体22内を一体に下方に移動し、その結果、製剤Cが本体12内に収納されることとなる。
【0050】
ところで、製剤Cの使用時にはその押圧力(例えば、製剤Cが口紅である場合には、口紅を唇に押し付ける力)により製剤Cを本体12内に押し戻す力(反力)が作用するため、この反力により製剤Cが本体12内に押し戻されるのを防止する必要があるが、この点について、上記容器10では上述したように操作片24のベルト部24bに係合歯54が、容器本体20内にこの係合歯54に係合可能な爪部39が夫々設けられ、さらにベルト部24bを案内する案内通路16等が以下のように構成されることにより、使用中の製剤Cの押し戻しが任意の位置において良好に防止され得るようになっている。
【0051】
詳細に説明すると、上記の係合歯54及び爪部39は、操作ノブ26の操作により製剤Cを押し出す方向へ操作片24(ベルト部24b)が移動するときには非係合状態となり、これと反対方向、つまり製剤Cを収納する方向(以下、収納方向という)へ操作片24が移動する時には係合し得るようにその形状が設定されている(図8参照)。また、案内通路16のうち操作片24の反転部分およびこれよりも操作ノブ26側の部分(図8では爪部39の右方側の部分)は、ベルト部24bの厚みに対して上下方向の隙間に余裕が設けてあり、ベルト部24bが案内用凸部44側に接している状態では、係合歯54と爪部39が非係合状態となるようにその隙間が設定されている(図9参照)。
【0052】
これにより、製剤Cの押し出し時には、係合歯54と爪部39とが係合することがなく、操作ノブ26の操作に伴い操作片24が案内通路16内をスムーズに移動し、その結果、製剤Cの押し出しがスムーズに行われることとなる。
【0053】
そして、図7(b)に矢印で示すように、使用時に製剤Cに反力、すなわち製剤Cを押し戻す力(収納方向の荷重)が作用すると、図8に示すように係合歯54と爪部39とが係合することにより案内通路16内での操作片24の収納方向の移動が阻止され、その結果、本体12内への製剤Cの押し戻しが防止されることとなる。つまり、容器本体20の下端で操作片24(ベルト部24b)がU字状に折り返されていることにより、図8中矢印で示すように製剤Cに反力が作用するとベルト部24bが案内通路16内においてその下面側(爪部39側)に撓み、その結果、係合歯54と爪部39が係合状態となり製剤Cの押し戻しが防止されることとなる。
【0054】
そして、この状態から製剤Cを本体12内に収納すべく図7(c)に示すように操作ノブ26を上向きに操作すると、製剤C等が負荷となって操作片24に引張り荷重が作用し、その結果、図9に示すようにベルト部24bが案内通路16内においてその上面側(案内用凸部44の案内面44a側)に沿って摺動することとなる。これにより係合歯54と爪部39との係合状態が解除されて収納方向への操作片24の移動が許容され、その結果、操作ノブ26の操作に伴い製剤Cがスムーズに本体12内に収納されることとなる。
【0055】
なお、スリット34の上端近傍には、対向して形成された一対の凸部からなるストッパ62(図7,図13参照)が設けられており、操作ノブ26を上昇端位置にセットすると、操作ノブ26と該ストッパ62とが係合して操作ノブ26が上昇端位置に拘束されるように構成されている。これにより携帯中に不意に操作ノブ26が動いて製剤Cが押し出されるのを防止することができ、また、使用者が収納操作時のクリック感により製剤Cが収納されたことを指先の感覚で認識することができるようになっている。
【0056】
以上説明したように、この容器10によれば、操作ノブ26の操作により製剤Cの出し入れをスムーズに行うことができ、また、使用時の反力により製剤Cが容器10内に押し戻されるのを製剤Cの押し出し状態(量)に拘わらず確実に防止することができる。
【0057】
しかも、上記のような製剤Cの押し戻し防止構造は、既に詳述したように案内通路16内(反転部分;爪部39に対応する断面U字型の部分)での操作片24の撓み具合の違いを利用するため構造が極めて簡単であり、また、操作ノブ26の操作性に何ら影響を与えることがないという効果がある。つまり、製剤Cを使用する際にはスリット32に沿って単に操作ノブ26を進退操作するだけでよく、それ以外の特別の操作、具体的には、従来のこの種の容器のように操作ノブを押し込んみ、この状態で操作ノブを移動させるといったような二段階の操作は不要である。従って、操作性が損なわれるということが一切ないという効果もある。
【0058】
また、操作ノブ26の操作により操作片24を介して製剤Cの出し入れを行うという基本構成において、上記のように操作片24に係合歯54を一体に設ける一方、この係合歯54に係合可能な爪部39を容器本体20に一体に設けることにより使用時の製剤Cの押し戻しを防止するように構成しているため合理的な構成で製剤Cの押し戻しを防止することができるという効果もある。例えば、製剤Cの押し戻しを防止するための専用の部材を別途設け、該部材を容器本体等に組込むことも考えられるが、この場合には容器の構成部品数が増加していきおい製造コストや組立工数の増加を招くこととなる。これに対し、容器10の構成に必須の部材、つまり操作片24及び容器本体20を製剤Cの押し戻し防止用の部材として兼用する上記容器10のように構成によれば、製造コストや組立工数の増加を殆ど伴うことなく製剤Cの押し戻しを良好に防止することができるという効果がある。
【0059】
さらに、容器10の組立性を向上させることができるという効果もある。すなわち、この容器10によると、組立の際には、上述したように操作片24を内筒体22に挿入してU字型に折り返し、操作片24の端部を内筒体22と共に摘まんだ状態で容器本体20の先端開口30から内筒体22等を挿入すればよいので、操作片をU字型に折り返した状態で簡単に容器本体内に組付けることができる。従って、容器10を簡単に、かつ速やかに組立てることができ、これにより容器10の組立性を向上させることができる。
【0060】
特に、内筒体22等を完全に容器本体20に挿入すれば内筒体22に設けられた係止片46が容器本体20に係合して内筒体22等が容器本体20に固定されるように構成されているので容器本体20に対する内筒体22等の固定をも簡単に行うことができる。また、内筒体22等を容器本体20に挿入する際には、上述したように操作片24の案内部24aに形成された突状52aを容器本体20の凹部36に形成されたガイド溝38内に、またノブ取付部56をガイド溝37に沿って夫々案内しながら内筒体22等を容器本体20に挿入するように構成されているので挿入時の向きを誤る等の誤作業も防止される。さらに、上記のようにスリット34に沿って形成されたガイド溝37に沿ってノブ取付部56を案内しながら内筒体22等を容器本体20に挿入するので、操作ノブ26を装着する際にはノブ取付部56の位置を容易に特定することが可能であり、そのため容器本体20の外側から操作ノブ26を簡単、かつ速やかに組付けることができる。従って、これらの点についても容器10の組立性の向上に寄与するという効果がある。
【0061】
また、上記容器10では、操作片24のうち保持部50の直ぐ下側に剛性を有した案内部24aを設けているので、製剤Cの押し出し操作時の操作性を向上させることができるという効果もある。すなわち、例えば、案内部24aを設けることなく操作片24の全体をベルト部24bのような可撓性の構成としてもよいが、この場合には、製剤Cの押し出し時に操作片24に圧縮荷重が作用すると、製剤Cの押し出しに伴い内筒体22内で操作片24が撓み、その結果、製剤Cが十分に繰り出されないといった違和感を使用者に与えることが考えられる。これに対して上記実施形態の構成によれば、保持部50の下端部に剛性を有した案内部24aが設けられ、これが案内用凸部44に沿って真っ直ぐ上下動するように構成されているため、そのような撓みが生じることが一切ない。そのため、操作ノブ26の操作に対応した量の製剤Cを適切に押し出すことが可能であり使用者に違和感を与えることがない。
【0062】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0063】
図10及び図11は、第2の実施形態に係る棒状容器である棒状製剤用容器を概略的に示している。なお、これらの図に示す棒状製剤用容器もその基本的な構成は第1の実施の形態の容器10と共通するため、共通する部分については同一符号を付して説明を省略し、以下に相違点について詳しく説明することにする。
【0064】
第2の実施の形態の容器10′には、第1の実施形態の容器10のようなキャップ14は設けられておらず、これに代えて本体12の先端開口、すなわち内筒体22の先端開口40を開閉する蓋15(蓋体)が本体12に一体的に設けられている。
【0065】
この蓋15は、先端開口40を開閉する平板状の蓋本体15aと、その端縁部分に突設される連結部15bとを備えた断面逆L字型(図11で逆L字型)の形状を有しており、軸体60を介して操作ノブ26の上端部分に回動可能に軸支されている。
【0066】
また、本体12において内筒体22には第1の実施形態のようなキャップ14の装着部分は設けられておらず、その代わりに前記蓋15に外嵌可能な平面視で略円環状のリブ41aが鍔部41の上部に一体形成されている。つまり、前記蓋15を閉じると、同図に示すように蓋15の蓋本体15aがリブ41aに嵌合し、この嵌合力により蓋15が同図に示す閉止位置に保持されるようになっている。
【0067】
さらに、前記鍔部41において蓋15の前記連結部15bに対応する箇所には、その径方向外側(内筒体22の径方向外側;図11では右側)に向ってカム41b(カム部)が突設されている。
【0068】
また、詳しく図示していないが、操作片24には、操作ノブ26の取付孔として上下方向(長手方向)に細長の取付孔56aを有したノブ取付部56が設けられており、これにより操作ノブ26が該取付孔56aの範囲内で操作片24に対して相対的に移動し得るように構成されている。なお、取付孔56aの上下方向(長手方向)の寸法は、後述するように、操作ノブ26による製剤Cの押し出し操作に伴い蓋15が本体12の側方に移動し、先端開口40が開放され得るのに十分な寸法に設定されている。
【0069】
以上のように構成された第2の実施形態の容器10′においては、製剤Cの未使用時には、図10及び図11に示すように前記操作ノブ26がスリット34の上端近傍に配置されて製剤Cが本体12内に収納され、蓋15が閉止位置、すなわち先端開口40を塞ぐ位置にセットされた状態にある。
【0070】
製剤Cを使用する際には、本体12を握った状態で図12(a)に示すように操作ノブ26をスリット34に沿って下向きに操作する。
【0071】
このように操作ノブ26を下向きに操作すると、まず操作ノブ26のみが操作片24に対して相対的に移動するとともに、これに連動して図12(b)に示すように蓋15が本体12の先端(上端)から側面部分に移動し先端開口40が開放され始める。そして、操作ノブ26をノブ取付部56の前記取付孔56aの下端まで移動させると、図12(c)に示すように蓋15の末端(同図では上端)が本体12の側方に完全に移動して先端開口40が完全に開放された状態となる。
【0072】
さらに操作ノブ26を押し下げると、操作ノブ26が操作片24に係合し、以後、操作ノブ26の移動に伴い操作片24が移動することにより図12(d)に示すように製剤Cが本体12の先端側に押し出されることとなる。
【0073】
そして、製剤Cを使用した後は、逆に操作ノブ26を上向きに操作すれば、製剤Cが本体12内に収納されることとなる。この際、操作ノブ26を上向きに操作すると、まず前記取付孔56aの範囲内で操作ノブ26のみが操作片24に対して相対的に移動する。そして、操作ノブ26が前記取付孔56aの上端まで移動すると、操作ノブ26が操作片24に係合し、以後、操作ノブ26の移動に伴い操作片24が一体に移動して製剤Cが本体12内に収納されることとなる。このとき、操作ノブ26がスリット34の上端近傍に至ると、蓋15の連結部15bが前記カム41bに当接し、これにより蓋15が軸体60を支点として回動する。そして、操作ノブ26が完全に押し上げられると製剤Cが収納されて図10及び図11に示すように先端開口40が蓋15によって完全に塞がれた状態となる。
【0074】
なお、この容器10′においても、スリット34の上端近傍には、図11及び図13に示すように、対向して形成された一対の凸部からなるストッパ62が設けられており、操作ノブ26を上昇端位置、つまり蓋15により先端開口40が閉止される位置にセットすると、操作ノブ26と該ストッパ62とが係合して操作ノブ26が上昇端位置に拘束されるように構成されている。これにより携帯中に不意に蓋15が開いたり、さらに製剤Cが押し出されるのを防止することができる。また、使用者が収納操作時のクリック感により製剤Cが収納されたことを指先の感覚で認識することができるようになっている。なお、蓋15により先端開口40を塞いだ状態をより確実に維持するために、例えば、操作ノブ26及び蓋15等に、操作ノブ26に対して蓋15を閉止方向(閉止位置に回動する方向)に付勢するばね等の弾性体からなる付勢手段を組付けるようにしてもよい。
【0075】
以上のような第2の実施形態の容器10′によると、蓋15の開閉操作が操作ノブ26による製剤Cの出し入れ動作に連動するので、蓋15の開閉操作を含む製剤Cの一連の出し入れ操作を片手で簡単に行うことができる。従って、第1の実施形態の容器10による効果に加えて、操作性をより一層向上させることができるという効果がある。また、蓋15が本体12に一体に組付けられているので蓋15の紛失を防止することができるという効果もある。
【0076】
しかも、上記容器10′では、製剤Cを押し出すべく操作ノブ26を操作しても蓋15が完全に本体12の側方に移動するまでは製剤Cが押し出されることがないため、本体12に蓋15を一体的に組込みながらも、製剤Cの出し入れ時、あるいは使用時に蓋15が邪魔になることが一切ないという効果もある。
【0077】
ところで、以上説明した容器10,10′は本発明に係る棒状製剤用容器の好ましい実施の形態であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。具体的には、以下のような構成を採用することもできる。
【0078】
▲1▼ 容器10,10′における製剤Cの押し戻し機構として図14に示すような構成を採用してもよい。すなわち、爪部39を前記凹部36の底面部分ではなく、それよりも上方の案内面(対向壁36bの部分)に設けるとともに、案内通路16のうち操作片24の反転部分から爪部39に亘る部分の隙間を広く、つまりベルト部24bの撓みによる変位が許容され、爪部39と係合歯54との係脱が可能とるように設定した構成としてもよい。このような構成によっても、同図に矢印で示すように製剤Cを押し戻す力が作用したときには、ベルト部24b対向壁36b側に撓んで係合歯54と爪部39とが係合し、これにより操作片24の収納方向の移動が阻止されて本体12内への製剤Cの押し戻しが防止され、一方、製剤Cを本体12内に収納すべく操作ノブ26を操作して操作片24に引張り荷重を与えると、図15に示すようにベルト部24bが案内用凸部側に沿って係合歯54と爪部39との係合状態が解除された状態となり、これにより操作片24の収納方向への移動が許容されて製剤Cが本体12内に収納されることとなる。なお、案内通路16内における爪部39の位置および案内通路16の隙間等の具体的な構成はこの実施形態の構成に限られるものではない。要は、製剤Cの出し入れをスムーズに行うことができ、かつ使用時に係合歯54と爪部39とを確実に係合させて製剤Cの押し戻しを防止できれば如何なる構成であってもよい。
【0079】
▲2▼ 構成を簡略化するために、容器本体20のガイド溝38や操作片24の突状52a,52b等を省略したり、あるいは、容器本体20の凹部36(対向壁36b,側壁36c)自体を省略してもよい。但し、凹部36を省略した場合には、製剤Cを押し出すべく操作ノブ26を操作したときに操作片24に圧縮荷重がかかって操作片24が撓み、製剤Cの押し出しに支障をきたすことが考えられるので、ある程度剛性の高い操作片24を用いることが必要となる。
【0080】
▲3▼ 上記の実施形態では、図6(b)に示すように、操作片24を内筒体22に通してU字状に折り返した組立体を構成し、これを容器本体20に挿入して組付けるようにしているが、例えば、径方向に二分割される分割構造の容器本体を用い、その分割片の一方に上記組立体を組込んだ後、これに他方側の分割片を合体させるようにしてもよい。この場合も、予め案内通路16を構成する案内用凸部44に沿って予め操作片24をU字状に折り返した前記の組立体を分割片に対して組付けることとなるので、従来のように各分割片に形成された案内溝に沿って操作片をU字状に折り返しながら嵌め込むといった煩雑な作業が必要なく、従って、従来のこの種の容器に比べると簡単に操作片等を容器内に組込むことができる。
【0081】
▲4▼ 細部の構成について、例えば操作片24と保持部50とは一体成形されたものである必要はなく、夫々別個に成形された操作片24と保持部50とを合体させたものであってもよい。また、保持部50の具体的な形状も実施形態のような二段皿形状に限らず、バケット状、棒状あるいは皿状等、製剤Cに応じた最適な形状を適宜選定すればよい。この場合、上記実施形態では、図6(b)等に示すように内筒体22の底部42が保持部50の抜け止めとして機能することにより、内筒体22からの保持部50の脱落(底部側(図6(b)では下側)への脱落)が防止されるようになっているが、例えば、保持部50と貫通孔42aとの関係で筒状体22から保持部50が脱落する虞れがある場合には、別途何らかの抜け止めを設ければよい。勿論、抜け止めは設けなくても機能上は差し支えないが、容器10,10′の組立時には、上述したように、筒状体22に通した操作片24を引張って保持部50を内筒体22の底部42に突き当てた状態で操作片24を折り返し、この状態で内筒体22を操作片24のノブ取付部56と共に摘まむようにして容器本体20に挿入できる方が組立性が良いので、この観点からすると、抜け止めを設けて保持部50の内筒体22からの脱落を防止できるように構成するのが好ましい。
【0082】
▲5▼ 容器本体20に対して内筒体22を係止する係止手段として、例えば上記係止片46等を設ける代わりに、内筒体22の外周面であって鍔部41の下側付近にフックを設ける一方、容器本体20の内周に該フックに対応する係合部を設け、内筒体22の挿入に伴いこれらを相互に係合させるように構成してもよい。また、容器本体20の外周面に突起を形成する一方、内筒体22の内周面に、その上端から下方に真っ直ぐ延びる縦溝とその下端で周方向に延びるロック溝とからなるL字状の案内溝を形成し、縦溝に沿って突起を案内しながら内筒体22を容器本体20に挿入した後、内筒体22と容器本体20とを相対的に回転させて前記突起をロック溝に嵌め込むことにより容器本体20と内筒体22とを互いに係止するように構成してもよい。要するに内筒体22と容器本体20とを良好、かつ簡単に係止することができれば、上記係止手段は如何なる構成であっても構わない。但し、上記容器10のように鍔部41を容器本体20の先端開口縁部に係合させて内筒体22に設けた係止片46を内筒体22の底部32に係止する構成によれば、軸方向の引張り応力が働いた状態で内筒体22が固定されるので、内筒体22をより安定した状態で固定することができるという利点がある。
【0083】
▲6▼ 上記実施形態では、本発明の棒状容器として例えば口紅、薬用リップ、糊等に代表される棒状製剤Cを収納する棒状製剤用容器について説明したが、勿論、化粧用のハケ、印鑑、食品等、製剤以外のものを収納する容器として適用することも可能である。この場合には、前記保持部50の形状をその収納物を保持するのに最適な形状とすればよい。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、容器の本体内部に操作片をU字状に折り返した状態で案内する案内通路を形成し、この案内通路であって操作片の外側の面に対向する外側案内面に段状の爪部を設ける一方、操作片のうち前記の外側案内面に対向する面に係合歯を形成し、収納物の押し出し時には係合歯と爪部とが非係合状態となり、収納物の使用時には操作片が撓んで係合歯と爪部とが係合して操作片の移動(収納物の収納方向の移動)が阻止され、さらに、収納物を収納すべく操作ノブを操作すると操作片が前記外側案内面から離間して係合歯と爪部との係合状態が解除されるように前記係合歯、爪部および前記案内通路の隙間を構成しているので、収納物の押し出し状態(量)に拘わらず使用時の反力による収納物の押し戻しを確実に防止することができ、しかも、収納物出し入れ時の操作性を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棒状容器(第1の実施の形態)である棒状製剤用容器を示す斜視図である。
【図2】棒状製剤用容器を示す縦断面図である。
【図3】棒状製剤用容器の本体を構成する容器本体を示す図である((a)は部分断面図、(b)は平断面図である)。
【図4】棒状製剤用容器の本体を構成する内筒体を示す図である((a)は部分断面図、(b)は平断面図である)。
【図5】棒状製剤用容器の本体を構成する操作片を示す図である((a)は部分断面図、(b)はノブ取付部を示す拡大斜視図、(c)は平断面図である)。
【図6】棒状製剤用容器の組立て手順を示す斜視図(部分断面図)である((a)は内筒体に操作片を挿入した状態、(b)は内筒体等を容器本体に挿入する際の状態、(c)は内筒体を容器本体に挿入した状態である)。
【図7】棒状製剤用容器の使用状態を示す断面図である((a)は製剤の押し出し操作をした状態、(b)は製剤の使用時の状態、(c)は製剤の収納操作をした状態である)。
【図8】操作片(係合歯)と爪部との関係を示す図7(b)の要部拡大図(図7(b)の一点鎖線で示す円の部分)拡大図である。
【図9】操作片(係合歯)と爪部との関係を示す図7(c)の要部拡大図(図7(c)の一点鎖線で示す円の部分)拡大図である。
【図10】本発明に係る棒状容器(第2の実施の形態)である棒状製剤用容器を示す正面図である。
【図11】棒状製剤用容器を示す断面図である。
【図12】棒状製剤用容器の使用状態を示す断面図である((a)は製剤を押し出し始めた直後の状態、(b)は蓋が殆ど容器側方に移動した状態、(c)は蓋が完全に容器側方に移動して容器先端が完全に開放された状態、(d)は製剤が押し出された状態である)。
【図13】スリットに設けられた操作ノブのストッパを示す棒状製剤用容器の正面図である。
【図14】操作片(係合歯)と爪部との関係について別の例を示す図(製剤の押し出し操作をした状態)である。
【図15】操作片(係合歯)と爪部との関係について別の例を示す図(製剤の収納操作をした状態)である。
【符号の説明】
10 容器
12 本体
14 キャップ
16 案内通路
20 容器本体
22 内筒体
24 操作片
24a 案内部
24b ベルト部
26 操作ノブ
34 スリット
39 爪部
50 保持部
54 係合歯
56 ノブ取付部
Claims (7)
- 先端開口を有した筒状の本体内に、収納物の保持体が収容されるとともに、この保持体に設けられたベルト状の操作片がU字状に折り返された状態で収容され、前記操作片を容器本体の外部から移動操作可能なように当該操作片の端部に設けられた操作ノブを本体に沿ってその軸方向に進退操作することにより、前記保持体を前記軸方向に移動させる棒状容器において、
前記本体の内部に前記操作片をU字状に折り返した状態で案内する案内通路が形成され、この案内通路の内面であって前記操作片の外側の面に対向する外側案内面に、前記操作片に沿って操作ノブ側から保持体側に向かうにつれて当該外側案内面の位置が外側に変化することにより段状の爪部が形成されるとともに、操作片のうち前記外側の面に、鋸歯状の複数の係合歯であって収納物を容器先端側に押し出す押し出し方向へ操作片が移動するときには前記爪部と非係合状態となる一方、押し出し方向と逆方向である収納方向へ操作片が移動するときには前記爪部に係合することが可能な係合歯が形成され、これら爪部及び係合歯が係合することで収納方向への操作片の移動が阻止されるように構成され、さらに収納物を容器先端側に押し出した状態で該収納物に収納方向の荷重が作用すると前記操作片が前記外側案内面に当接して係合歯と爪部とが係合状態となる一方、収納物を収納すべく前記操作ノブを操作して操作片に引張り荷重を与えると前記操作片が前記外側案内面から離間して前記係合歯と爪部との係合状態が解除され得るように前記案内通路の隙間が設定されていることを特徴とする棒状容器。 - 請求項1記載の棒状容器において、
前記操作片の反転部分に対応して前記爪部が設けられるとともに、前記案内通路のうち、前記反転部分の隙間及び該反転部分を挟んで前記保持体側とは反対側の部分の隙間がその他の部分の隙間に比べて大きく設定されていることを特徴とする棒状容器。 - 請求項1記載の棒状容器において、
前記操作片の反転部分よりも前記保持体側寄りの位置に前記爪部が設けられるとともに、前記案内通路のうち、前記爪部近傍から反転部分までの部分の隙間がその他の部分の隙間に比べて大きく設定されていることを特徴とする棒状容器。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の棒状容器において、
前記案内通路は、断面U字型に形成されていることを特徴とする棒状容器。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の棒状容器において、
前記先端開口を開閉する蓋体が設けられ、この蓋体は前記操作ノブに連結され、操作ノブの操作に連動して前記先端開口を開閉するように構成されていることを特徴とする棒状容器。 - 請求項5記載の棒状容器において、
前記蓋体が操作ノブに対して直接連結され、収納物を押し出すべく操作ノブを移動させると前記先端開口を開放しながら蓋体が本体側方に向って移動するように構成されるとともに、前記蓋体が本体側方に移動するに伴い、又は移動した後に収納物が押し出されるように前記操作ノブが前記操作片に対して組付けられていることを特徴する棒状容器。 - 請求項6記載の棒状容器において、
前記蓋体が操作ノブに対して回動可能に連結されるとともに、本体の先端部分に蓋閉止用のカム部が設けられ、前記先端開口を開放した状態から収納物を収納すべく操作ノブを移動させると、蓋体の一部が前記カム部に当接して前記先端開口を閉止するように蓋体が前記操作ノブに対して回動するように構成されていることを特徴とする棒状容器。
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