JP4807031B2 - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、位相コントラスト画像を撮影することが可能な放射線画像撮影装置に関する。
一般に、放射線が物質を透過する作用を利用する放射線画像撮影装置は、医療用画像診断や非破壊検査等に広く利用されている。特に乳房撮影に用いられる放射線画像撮影装置については、通常、放射線画像検出器と一体化した被写体台上に被写体を固定し、撮影する方法が行われてきた。しかし、この方法によると被写体が実寸大で撮影されることとなるが、画像のコントラストが十分に上がらず、乳房の病変部分等の特定部位の微細な構造を判読するために用いられる医療用撮影装置としては画像の鮮明さが不十分であるという問題があった。
そこで、近年、位相コントラスト画像を撮影する放射線画像撮影装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。位相コントラスト画像とは、屈折コントラスト画像とも呼ばれるもので、以前はSPring−8など放射線源から得る単色の平行放射線による撮影や、10μm程度の焦点サイズをもつマイクロ焦点放射線源による撮影によって得られるものと言われていたが、一般の医療施設等で用いられる放射線源(焦点サイズが30〜300μmの小焦点放射線源)でも得ることが可能であることが分かってきた。
位相コントラスト画像を撮影するにあたっては、特許文献1にも示されているように、被写体と放射線画像検出器との間に一定の距離を設ける必要があり、この被写体と放射線画像検出器との距離に応じた倍率の拡大撮影となる。
特開2004−173879号公報
撮影対象となる被写体のサイズには大小がある。そこで、被写体を保持する被写体台を複数サイズ分用意し、被写体のサイズに相応しい被写体台を装着して撮影することが考えられる。例えば、乳房撮影において、18×24(cm)の被写体台と24×30(cm)の2種の被写体台を用意し、被写体のサイズに合わせて相応しいサイズの被写体台を装填して撮影を行うことが考えられる。
しかしながら、放射線画像検出器のサイズが、例えばCR方式で広く用いられている14×17(インチ)であった場合、24×30(cm)の被写体台を用いて1.75倍の拡大率で位相コントラスト撮影を行うと、被写体台全体の範囲を透過した放射線の画像の一部が放射線画像検出器に収まりきらなくなるため、被写体の画像の一部が欠損してしまうという問題が生じる。
本発明の課題は、位相コントラスト撮影時において、使用する被写体台のサイズに応じて生じる被写体の一部の画像の欠損を防止することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
被写体に放射線を照射する放射線源と、被写体を透過した前記放射線源からの放射線を検出する放射線画像検出器を保持する検出器保持手段と、前記放射線源と前記検出器保持手段との間に配置され、前記被写体を保持する被写体台と、を備えた放射線画像撮影装置において、
前記被写体台は、異なる複数のサイズの中から選択して装着可能であり、
前記装着された被写体台のサイズ情報を取得する被写体台サイズ情報取得手段と、
前記被写体台と前記検出器保持手段との相対距離を調節する調節手段と、
前記取得された被写体台サイズ情報に基づいて、前記調節手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記調節手段に対し、前記取得された被写体台サイズ情報の被写体台に保持された被写体全体の放射線画像が前記検出器保持手段に保持された放射線画像検出器により検出可能となる距離に前記相対距離を調節させることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記放射線画像検出器のサイズ情報を取得する検出器サイズ取得手段を備え、
前記制御手段は、前記取得された被写体台サイズ情報及び前記取得された放射線画像検出器のサイズ情報に基づいて、前記調節手段を制御することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、
被写体に放射線を照射する放射線源と、被写体を透過した前記放射線源からの放射線を検出する放射線画像検出器を保持する検出器保持手段と、前記放射線源と前記検出器保持手段との間に配置され、前記被写体を保持する被写体台と、を備えた放射線画像撮影装置において、
前記被写体台は、異なる複数のサイズの中から選択して装着可能であり、
前記装着された被写体台のサイズ情報を取得する被写体台サイズ情報取得手段と、
撮影倍率を設定する設定手段と、
前記被写体台と前記検出器保持手段との相対距離を調節する調節手段と、
前記取得された被写体台サイズ情報及び前記設定された撮影倍率に基づいて、前記設定された撮影倍率で撮影した場合に前記被写体台に保持された被写体全体の放射線画像が前記検出器保持手段に保持された放射線画像検出器により検出可能であるか否かを判断し、前記判断の結果に基づいて、前記調節手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
警告を発生する警告手段を備え、
前記制御手段は、前記設定された撮影倍率で撮影した場合に前記被写体台に保持された被写体の放射線画像の一部が前記放射線画像検出器により検出不可能であると判断した場合に、前記警告手段に警告を発生させ、前記設定された撮影倍率での撮影許可信号が入力された場合に、前記設定された撮影倍率に基づいて、前記調節手段を制御して前記相対距離を調節させることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記放射線画像検出器のサイズ情報を取得する検出器サイズ取得手段を備え、
前記制御手段は、前記取得された被写体台サイズ情報及び前記取得された放射線画像検出器のサイズ情報に基づいて、前記設定された撮影倍率で撮影した場合に前記被写体台に保持された被写体全体の放射線画像が前記検出器保持手段に保持された放射線画像検出器により検出可能であるか否かを判断することを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記放射線源と前記検出器保持手段とを一定の距離に維持するための保持手段を備え、
前記調節手段は、前記被写体台に対する前記放射線源及び前記検出器保持手段の相対距離を調節することを特徴としている。
請求項1、2に記載の発明によれば、被写体台サイズに基づいて被写体台と検出器保持手段との相対距離を調節するので、使用する被写体台サイズに応じて生じる被写体の一部の画像の欠損を防止することが可能となる。
請求項3に記載によれば、放射線画像検出器のサイズが可変な放射線画像撮影装置において、使用する被写体台サイズ及び放射線画像検出器サイズに応じて生じる被写体の一部の画像の欠損を防止することが可能となる。
請求項4、5に記載の発明によれば、設定された撮影倍率で撮影を行う場合に、使用する被写体台サイズに応じて生じる被写体の一部の画像の欠損を防止することが可能となる。
請求項6に記載によれば、放射線画像検出器のサイズが可変な放射線画像撮影装置において、使用する被写体台サイズ及び放射線画像検出器サイズに応じて生じる被写体の一部の画像の欠損を防止することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、放射線源と前記検出器保持手段とを一定の距離に維持するための保持手段を備えた放射線画像撮影装置において、使用する被写体台サイズに応じて生じる被写体の一部の画像の欠損を防止することが可能となる。
〔第1の実施の形態〕
以下、図を参照して第1の実施の形態における乳房画像撮影装置1の構成について説明する。
図1、2に、乳房画像撮影装置1の構成例を示す。図1は、乳房画像撮影装置1の外観構成例を示す図であり、図2は、図1に示す乳房画像撮影装置1の撮影装置本体部2の内部構成を模式化して示す図である。なお、図2において、操作装置14、電源部15、駆動装置17及び駆動装置20は本体部9の制御装置16(図4に図示)に接続されているが、ここでは図示しない。図1に示すように、乳房画像撮影装置1は、本体部9に支持基台3が昇降自在に設けられており、支持基台3には、支持基台3に設けられた支軸4を介して撮影装置本体部2が支持されている。支持基台3は、モータ等により構成される駆動装置17に駆動されて昇降する。撮影装置本体部2は、駆動装置17による支持基台3の昇降に応じて昇降可能となっており、また、前記支軸4を支点として回動可能となっている。
撮影装置本体部2の上部には放射線を放射するための放射線源6が設けられ、この放射線源6は、支軸4、支持基台3及び本体部9を介して電源部15に接続されている。放射線源6は、この電源部15によって管電圧及び管電流を印加されるようになっている。放射線源6の放射線放射口には、放射線照射野を調節する照射野調整装置としての絞り装置7の絞り口が、開閉自在に設けられている。
放射線源6としては、回転陽極X線管とすることが好ましい。この回転陽極X線管においては、陰極から放射される電子線が陽極に衝突することでX線が発生する。これは自然光のようにインコヒーレント(非干渉性)であり、また平行光X線でもなく発散光である。電子線が陽極の固定した場所に当り続けると、熱の発生で陽極が傷むので、通常用いられるX線管では陽極を回転して陽極の寿命の低下を防いでいる。電子線を陽極の一定の大きさの面に衝突させ、発生したX線はその一定の大きさ陽極の平面から被写体Hに向けて放射される。この平面を焦点(フォーカス)と呼ぶ。焦点サイズD(μm)は、焦点が正方形の場合、その一辺の長さを、焦点が長方形や多角形の場合、その短辺の長さを、焦点が円形の場合、その直径をさす。
焦点サイズDが大きくなるほど照射される放射線量が多くなる。人体を透過するには実用上一定以上の放射線量が必要であるため、乳房画像撮影装置1では、人体を撮影するのに必要な放射線量を照射可能な、焦点サイズDがD≧30(μm)の放射線源6であることが好ましい。
撮影装置本体部2の下部には、被写体Hを透過した放射線を検出する放射線画像検出器(放射線検出器)として例えば輝尽性蛍光体シートを収納したカセッテを保持する検出器保持部12が被写体台10の下方であって放射線源6から略垂直に延在する位置に、放射線源6に対向するように取り付けられている。検出器保持部12に保持された放射線画像検出器の最上面は、検出器保持部12の最上面と一致する。放射線源6と検出器保持部12は、図2に示すように保持部材8に取り付けられており、この保持部材8により放射線源6と検出器保持部12との距離L(後述するR1+R2)が一定距離に維持されている。この保持部材8は、モータ等により構成される駆動装置20の駆動により昇降可能となっており、駆動装置20による保持部材8の昇降により放射線源6及び検出器保持部12が一定距離を保ちつつ昇降するようになっている。駆動装置20の駆動による放射線源6及び検出器保持部12の昇降により、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部の相対的距離が調節可能である。即ち、駆動装置20は、調節手段として機能する。なお、放射線源6と検出器保持部12との距離Lは、焦点サイズD≧30(μm)とした場合、撮影画像の出力時のエッジ強調効果(位相コントラスト効果)の視認性の点からL≧0.95(m)とすることが好ましい。
本実施の形態においては、14×17(インチ)の放射線画像検出器が用いられる。
なお、放射線画像検出器としては、上述の輝尽性蛍光体シートを収納したカセッテの他、例えば、スクリーン(増感紙)/フィルム、FPD(flat panel detector)等を用いることとしてもよい。
撮影装置本体部2における放射線源6の下方及び検出器保持部12の上方であって放射線源6から略垂直に延在する位置には、被写体Hを下から保持する被写体台10及び被写体Hを上部から圧迫して固定するための圧迫板11が放射線源6に対向するようにして、昇降自在に配設されており、被写体Hの位置(乳房位置)に応じて高さの調整が可能となっている。
被写体台10は、撮影装置本体部2のホルダー5に着脱可能に構成されており、撮影を行う撮影技師等の操作者は、撮影対象となる被写体Hのサイズに応じて、2以上のサイズの被写体台10の中から1のサイズの被写体台10を選択して撮影装置本体部2に装着することができる。本実施の形態においては、18×24(cm)、24×30(cm)の2種類の被写体台10を装着可能である。図3は、被写体台10とホルダー5の被写体台装着部分を上面からみた模式図(断面図)である。図3に示すように、被写体台10は、ホルダー5に装着するための凸部10a及び10bを有し、凸部10aをホルダー5に形成された凹部5aに、凸部10bをホルダー5に形成された凹部5bに差し込むことにより、ホルダー5に装着することが可能となっている。ホルダー5に装着された被写体台10は、駆動装置17による撮影装置本体部2の昇降に応じて昇降する。これにより、被写体の位置(乳房位置)に応じて被写体台の高さの調整が可能となっている。被写体台10の装着及び撮影装置本体部2に装着された被写体台10のサイズは、被写体台サイズ取得手段としての被写体台検知部19(図4に図示)により検知され、そのサイズ情報が本体部9の制御装置16に出力される。被写体台検知部19としては、マイクロスイッチ等が採用できる。例えば、図3に示すように、ホルダー5に被写体台検知部19としてのマイクロスイッチ19a、19bを設け、18×24(cm)の被写体台10は凸部10cを有する構成とし、24×30(cm)の被写体台10は凸部10cを有しない構成とすれば、何れかの被写体台10が装着された場合にマイクロスイッチ19aがONとなり、18×24(cm)が装着された場合にのみマイクロスイッチ19bがONとなる。これにより、被写体台10の装着及びそのサイズを検知することが可能となる。
圧迫板11は、図示しない支持軸に沿って昇降可能である。
圧迫板11の位置は、位置検知部18(図4に図示)により検知され、本体部9の制御装置16に出力される。位置検知部18としては、赤外線を用いた測光による方式、圧迫板11をスライドする支持軸のレールに線抵抗を設けて、その抵抗値測定から位置判別する方式などが採用できる。
検出器保持部12の被写体台10に対向する面と反対の面には、照射された放射線量の検出を行う放射線量検出部13が設けられ、この放射線量検出部13により検出された放射線量は本体部9の制御装置16に出力される。
本体部9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RA
M(Random Access Memory)により構成される制御装置16を備えている。図4に、乳房画像撮影装置1の機能構成例を示す。図4に示すように、制御装置16には、照射された放射線量を検出する放射線量検出部13、撮影条件等の入力を行うキーボードやタッチパネル、被写体台10の位置の調整を行うための位置調整スイッチ(上方に調整する上方調整スイッチ、下方に調整する下方調整スイッチ)等を備える入力装置14a、及びCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置14bを有する操作装置14、装置の動力源である電源部15、支持基台3の昇降による撮影装置本体部2の昇降及び撮影装置本体部2の回転を行う駆動装置17、圧迫板11の位置を検知する位置検知部18、被写体台10の装着及びそのサイズ情報を検知する被写体台検知部19、及び保持部材8を昇降させる駆動装置20がバス21を介して接続されている。制御装置16のROMには、乳房画像撮影装置1各部を制御するための制御プログラム及び各種処理プログラムが記憶されており、CPUは、この制御プログラム及び各種処理プログラムとの協働により撮影装置1各部の動作を統括的に制御し、位相コントラスト撮影を行う。
例えば、CPUは、ROMに記憶された位置制御処理AプログラムをRAMに読み出して後述する位置制御処理A(図6参照)を実行し、装着された被写体台10のサイズに基づいて、駆動装置20を制御して放射線源6及び検出器保持部12を移動させ、被写体台10との相対的距離を調節する。そして、入力装置14aにより撮影が指示されると、撮影処理を実行し、電源部15により、放射線源6に管電圧及び管電流を印加して被写体Hに対して放射線を照射させ、放射線量検出部13から入力された放射線量が予め設定された放射線量に達すると、電源部15により放射線源6からの放射線の照射を停止させる。
ここで、図5を参照して位相コントラスト撮影の原理について説明する。位相コントラスト撮影とは、被写体Hと放射線画像検出器との間に一定の距離R2を設けることで、図5に示すように放射線の屈折に起因するエッジ強調(屈折コントラスト強調)画像を得るものである。図5に模式的に描くように、放射線が物体を通過するときに屈折して物体の境界内側の放射線密度が疎になり、さらに物体の外側は物体を通過しない放射線と重なることから放射線密度が上昇する。このようにして被写体境界部分であるエッジが画像として強調される。これは物体と空気との放射線に対する屈折率の差から生じる現象である。これがエッジ強調画像である。
さらに図5で原理的に示す空気と被写体との境界でのエッジ強調のみならず、物体内においても屈折率の異なる部分の境界部分も同様な効果が得られる。本発明での被写体境界部分とは放射線の屈折率の異なる物質との境界部分と表現することができる。
位相コントラスト撮影を行うと、放射線源6から被写体Hまでの距離をR1、被写体Hと放射線画像検出器との距離をR2とすると拡大率=(R1+R2)/R1の撮影倍率での拡大撮影となる。R1については、その起点は放射線源6の焦点の位置であり、通常の市販の放射線源6にはその場所が明示されている。また終点は被写体位置を固定する被写体台10により固定された被写体Hの中心線であり、ここでは被写体台10と圧迫板11から等距離にある位置を被写体Hの中心線としている。R2については起点は被写体Hの中心線であり、終点は放射線画像検出器の放射線を受ける平面の最上面、即ち、検出器保持部12の最上面である。
本実施の形態において、乳房画像撮影装置1は、1.46倍、1.75倍、2.63倍の何れかの拡大率(撮影倍率)で撮影するものとする。
次に、乳房画像撮影装置1の動作について説明する。
図6に、制御装置16により実行される位置制御処理Aを示す。以下、図6を参照して位置制御処理Aについて説明する。当該位置制御処置Aの実行により、請求項1〜3に記載の制御手段が実現される。
被写体台検知部19により被写体台10の装着が検知され、被写体台サイズ情報が入力されると(ステップS1;YES)、被写体台検知部19から入力された被写体台サイズ情報に基づき、装着された被写体台のサイズで被写体H全体が画像欠損なく撮影可能な、即ち、被写体台10に保持された被写体H全体の放射線画像が検出器保持部12に保持された放射線画像検出器により検出可能な拡大率の範囲(拡大率許容範囲)が求められる(ステップS2)。
上述したように、本実施の形態においては、被写体台サイズは18×24(cm)または24×30(cm)である。ここで、放射線画像検出器は14×17(インチ)であるから、被写体台サイズが18×24(cm)である場合、2.63倍の拡大率で撮影を行うと、被写体台10全体の範囲を透過した放射線画像の一部が放射線画像検出器に収まりきらなくなるため、被写体台10のぎりぎりまで被写体Hが配置されている場合、被写体Hの画像の一部が欠損してしまう。従って、被写体台サイズが18×24(cm)の場合、拡大率許容範囲は1.75倍までとなる。また、被写体台サイズが24×30(cm)である場合には、2.63倍又は1.75倍の拡大率で撮影を行うと、被写体台10全体の範囲を透過した放射線画像の一部が放射線画像検出器に収まりきらなくなるため、被写体台10のぎりぎりまで被写体Hが配置されている場合、被写体Hの一部の画像が欠損してしまう。従って、被写体台サイズが24×30(cm)の場合、拡大率許容範囲は1.46倍までとなる。
拡大率許容範囲は、「被写体台10の縦サイズ×拡大率≦放射線画像検出器の縦サイズ」、かつ、「被写体台10の横サイズ×拡大率≦放射線画像検出器の横サイズ」を満たす拡大率である。これを位置制御処理Aを実行するごとに算出して求めて決定しても良いし、被写体台サイズ情報と拡大率とを対応付けたテーブルをROMなどの記憶手段に記憶しておき、このテーブルを参照して求めても良い。
次いで、被写体台10の位置及び圧迫板11の位置が調整され、被写体台10及び圧迫板11の位置が設定される(ステップS3)。具体的には、撮影技師等の操作者により入力装置14aが操作され、撮影方向を含む撮影条件が入力されると、入力された撮影方向が撮影装置本体部2の回転を必要とする撮影方向であるか否かが判断され、回転を必要とする撮影方向である場合、例えば、乳房を斜位方向から撮影するMLO(Medio-Lateral Oblique)である場合、駆動装置17が制御され、撮影装置本体部2全体が所定量回転される。入力装置14aの位置調整スイッチが操作されると、位置調整スイッチの操作に応じて駆動装置17が制御され、被写体台10の位置が調整される。また、撮影技師等の操作者により、圧迫板11の位置が調整され被写体Hが押圧、固定される。調整後、入力装置14aにより、調整された位置への被写体台10及び圧迫板11の設定を指示する旨が入力されることにより設定が完了する。
被写体台10及び圧迫板11の位置が設定されると、駆動装置20が制御され、拡大率がステップS2において求められた拡大率許容範囲内となるように被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離が調節される。(ステップS4)。例えば、デフォルトの拡大率を予め設定しておき、デフォルトの拡大率が拡大率許容範囲内であれば、デフォルトの拡大率に応じて、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離がそれぞれ算出される。そして、駆動装置20が制御されることにより、被写体台10から放射線源6及び検出器保持部12のそれぞれまでの距離が算出された距離となる位置に保持部材8が移動され、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離が調節される。デフォルトの拡大率が拡大率許容範囲を超えている場合は、拡大率許容範囲内にある最大の拡大率に応じて、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離がそれぞれ算出される。そして、駆動装置20が制御されることにより、被写体台10から放射線源6及び検出器保持部12のそれぞれまでの距離が算出された距離となる位置に保持部材8が移動され、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離が調節される。
上記位置制御処理Aが終了し、撮影指示が入力されると、撮影処理が実行され、電源部15により、放射線源6に管電圧及び管電流が印加され被写体Hに対して放射線が照射され、撮影が行われる。
以上説明したように、本実施の形態の乳房画像撮影装置1によれば、装着された被写体台サイズに基づいて、拡大率の範囲を決定し、この範囲内の拡大率で撮影を行うので、被写体全体を撮影範囲とすることができ、画像の欠損を防止することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成と略同様であるので、説明を省略し、第2の実施の形態の動作について説明する。
図7に、制御装置16により実行される位置制御処理Bを示す。以下、図7を参照して位置制御処理Bについて説明する。当該位置制御処理Bの実行により請求項4〜6に記載の制御手段が実現される。
被写体台検知部19により被写体台10の装着が検知され、被写体台サイズ情報が入力されると(ステップS11;YES)、被写体台検知部19から入力された被写体台サイズ情報に基づき、装着された被写体台のサイズで被写体H全体が画像欠損なく撮影可能な、即ち、被写体台10に保持された被写体H全体の放射線画像が検出器保持部12に保持された放射線画像検出器により検出可能な拡大率の範囲(拡大率許容範囲)が求められる(ステップS12)。
上述したように、本実施の形態においては、被写体台サイズは18×24(cm)または24×30(cm)である。ここで、放射線画像検出器は14×17(インチ)であるから、被写体台サイズが18×24(cm)である場合、2.63倍の拡大率で撮影を行うと、被写体台10全体の範囲を透過した放射線画像の一部が放射線画像検出器に収まりきらなくなるため、被写体台10のぎりぎりまで被写体Hが配置されている場合、被写体Hの画像の一部が欠損してしまう。従って、被写体台サイズが18×24(cm)の場合、拡大率許容範囲は1.75倍までとなる。また、被写体台サイズが24×30(cm)である場合、2.63倍又は1.75倍の拡大率で撮影を行うと、被写体台10全体の範囲を透過した放射線画像の一部が放射線画像検出器に収まりきらなくなるため、被写体台10のぎりぎりまで被写体Hが配置されている場合、被写体Hの一部の画像が欠損してしまう。従って、被写体台サイズが24×30(cm)の場合、拡大率許容範囲は1.46倍までとなる。
拡大率許容範囲は、「被写体台10の縦サイズ×拡大率≦放射線画像検出器の縦サイズ」、かつ、「被写体台10の横サイズ×拡大率≦放射線画像検出器の横サイズ」を満たす拡大率である。これを位置制御処理ごとに算出して求めて決定しても良いし、被写体台サイズ情報と拡大率とを対応付けたテーブルをROMなどの記憶手段に記憶しておき、このテーブルを参照して求めても良い。
次いで、被写体台10の位置及び圧迫板11の位置が調整され、被写体台10及び圧迫板11の位置が設定される(ステップS13)。具体的には、撮影技師等の操作者により入力装置14aが操作され、撮影方向を含む撮影条件が入力されると、入力された撮影方向が撮影装置本体部2の回転を必要とする撮影方向であるか否かが判断され、回転を必要とする撮影方向である場合、例えば、乳房を斜位方向から撮影するMLO(Medio-Lateral Oblique)である場合、駆動装置17が制御され、撮影装置本体部2全体が所定量回転される。入力装置14aの位置調整スイッチが操作されると、位置調整スイッチの操作に応じて駆動装置17が制御され、被写体台10の位置が調整される。また、撮影技師等の操作者により、圧迫板11の位置が調整され被写体Hが押圧、固定される。調整後、入力装置14aにより、調整された位置への被写体台10及び圧迫板11の設定を指示する旨が入力されることにより設定が完了する。
被写体台10及び圧迫板11の位置の設定後、入力装置14aにより、拡大率(撮影倍率)が設定入力されると(ステップS14)、設定された拡大率がステップS12で求められた拡大率許容範囲内であるか否かが判断される(ステップS15)。設定された拡大率が拡大率許容範囲を超えている場合(ステップS15;NO)、設定された拡大率が拡大率許容範囲を超えており、被写体Hの画像の一部が放射線画像検出器に収まらず、画像欠損が生じることを操作者に警告する警告画面が表示装置14bに表示される(ステップS16)。操作者は、このままの拡大率で撮影を続行したい場合は、被写体の関心領域の画像が検出器内に収まるように被写体Hの位置を調整することができる。また、表示装置14bに、このままの拡大率で撮影を続行するかまたは拡大率を再度設定するかを指定するための意思確認画面が表示され、この意思確認画面から拡大率の再設定が指定されることにより撮影不許可信号が入力されると(ステップS17;STOP)、処理はステップS14に戻る。拡大率が撮影許容範囲内である場合(ステップS15;YES)、又は意思確認画面から撮影続行が指定されることにより撮影許可信号が入力された場合(ステップS17;GO)、設定された撮影倍率に応じて、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離がそれぞれ算出される。そして、駆動装置20が制御されることにより、被写体台10から放射線源6及び検出器保持部12のそれぞれまでの距離が算出された距離となる位置に保持部材8が移動され、被写体台10に対する放射線源6及び検出器保持部12の相対的距離が調節され(ステップS18)、本処理は終了する。
上記位置制御処理Bが終了し、撮影指示が入力されると、撮影処理が実行され、電源部15により、放射線源6に管電圧及び管電流が印加され被写体Hに対して放射線が照射され、撮影が行われる。
以上説明したように、本実施の形態の乳房画像撮影装置1によれば、装着された被写体台のサイズ情報に基づいて、被写体H全体を画像の欠損なく撮影可能な拡大率の範囲を求め、設定された拡大率がこの範囲内でない場合に、画像が欠損する旨を警告表示し、操作者に拡大率の再設定の機会を与えるので、画像の欠損を防止することが可能となる。また、操作者が拡大率を優先したい場合には、そのままの拡大率で撮影を続行することも可能となる。この場合、警告表示により、操作者に関心領域の画像が検出器内に収まるように被写体を調整することが可能となるので、被写体の関心領域の画像の欠損を防止することができる。
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る乳房画像撮影装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記第1及び第2の実施の形態においては、本発明を放射線源6と放射線画像検出器(検出器保持部12)との距離L(R1+R2)を固定とした構成の乳房画像撮影装置に適用した場合を例にとり説明したが、R1を固定とし、撮影倍率に応じてR2を移動させる構成の乳房画像撮影装置に適用することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、放射線画像検出器のサイズは14×17(インチ)の1種類としたが、2以上のサイズの放射線画像検出器を装着可能な構成としてもよい。この場合、例えば、検出器サイズ情報取得手段として、赤外線を用いた測光による方式により検出器サイズを検知するセンサを用いて、装着された放射線画像検出器のサイズを制御装置16に出力するようにしてもよいし、放射線画像検出器の所定の位置に検出器サイズを示すバーコードを設けるとともに、検出器保持部12の、放射線画像検出器を装着した際に放射線画像検出器に設けられたバーコードと対向する位置にバーコードリーダを設け、放射線画像検出器が検出器保持部12に装着された際に、バーコードリーダにより装着された放射線画像検出器の検出器サイズを読み取って、その検出器サイズ情報を制御装置16に出力するようにしてもよい。制御装置16において位置制御処理Aを行う際には、入力された被写体台サイズ情報及び検出器サイズ情報に基づき、拡大率許容範囲を算出すればよい。
また、上記第2の実施の形態において、設定された拡大率が拡大率許容範囲を超えている場合の警告を、表示装置14bに表示することとしたが、警告手段としてはこれに限定されず、例えば、ビープ音を発生させて警告を行うようにしてもよいし、警告用のLEDを点滅表示させるようにしてもよい。
その他、乳房画像撮影装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る乳房画像撮影装置1の構成例を示す図である。 図1の乳房画像撮影装置1の撮影装置本体部2の内部構成を模式的に示す図である。 図1の被写体台10とホルダー5の被写体台装着部分を上面からみた模式図(断面図)である。 図1の乳房画像撮影装置1の機能的構成を示すブロック図である。 位相コントラスト撮影の原理を説明するための図である。 図4の制御装置16により実行される位置制御処理Aを示すフローチャートである。 図4の制御装置16により実行される位置制御処理Bを示すフローチャートである。
符号の説明
1 乳房画像撮影装置
2 撮影装置本体部
3 支持基台
4 支軸
5 ホルダー
6 放射線源
7 絞り装置
8 保持部材
9 本体部
10 被写体台
11 圧迫板
12 検出器保持部
13 放射線量検出部
14 操作装置
14a 入力装置
14b 表示装置
15 電源部
16 制御装置
17 駆動装置
18 位置検知部
19 被写体台検知部
20 駆動装置
21 バス

Claims (7)

  1. 被写体に放射線を照射する放射線源と、被写体を透過した前記放射線源からの放射線を検出する放射線画像検出器を保持する検出器保持手段と、前記放射線源と前記検出器保持手段との間に配置され、前記被写体を保持する被写体台と、を備えた放射線画像撮影装置において、
    前記被写体台は、異なる複数のサイズの中から選択して装着可能であり、
    前記装着された被写体台のサイズ情報を取得する被写体台サイズ情報取得手段と、
    前記被写体台と前記検出器保持手段との相対距離を調節する調節手段と、
    前記取得された被写体台サイズ情報に基づいて、前記調節手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記制御手段は、前記調節手段に対し、前記取得された被写体台サイズ情報の被写体台に保持された被写体全体の放射線画像が前記検出器保持手段に保持された放射線画像検出器により検出可能となる距離に前記相対距離を調節させることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記放射線画像検出器のサイズ情報を取得する検出器サイズ取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記取得された被写体台サイズ情報及び前記取得された放射線画像検出器のサイズ情報に基づいて、前記調節手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 被写体に放射線を照射する放射線源と、被写体を透過した前記放射線源からの放射線を検出する放射線画像検出器を保持する検出器保持手段と、前記放射線源と前記検出器保持手段との間に配置され、前記被写体を保持する被写体台と、を備えた放射線画像撮影装置において、
    前記被写体台は、異なる複数のサイズの中から選択して装着可能であり、
    前記装着された被写体台のサイズ情報を取得する被写体台サイズ情報取得手段と、
    撮影倍率を設定する設定手段と、
    前記被写体台と前記検出器保持手段との相対距離を調節する調節手段と、
    前記取得された被写体台サイズ情報及び前記設定された撮影倍率に基づいて、前記設定された撮影倍率で撮影した場合に前記被写体台に保持された被写体全体の放射線画像が前記検出器保持手段に保持された放射線画像検出器により検出可能であるか否かを判断し、前記判断の結果に基づいて、前記調節手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする放射線画像撮影装置。
  5. 警告を発生する警告手段を備え、
    前記制御手段は、前記設定された撮影倍率で撮影した場合に前記被写体台に保持された被写体の放射線画像の一部が前記放射線画像検出器により検出不可能であると判断した場合に、前記警告手段に警告を発生させ、前記設定された撮影倍率での撮影許可信号が入力された場合に、前記設定された撮影倍率に基づいて、前記調節手段を制御して前記相対距離を調節させることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記放射線画像検出器のサイズ情報を取得する検出器サイズ取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記取得された被写体台サイズ情報及び前記取得された放射線画像検出器のサイズ情報に基づいて、前記設定された撮影倍率で撮影した場合に前記被写体台に保持された被写体全体の放射線画像が前記検出器保持手段に保持された放射線画像検出器により検出可能であるか否かを判断することを特徴とする請求項4又は5に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記放射線源と前記検出器保持手段とを一定の距離に維持するための保持手段を備え、
    前記調節手段は、前記被写体台に対する前記放射線源及び前記検出器保持手段の相対距離を調節することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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