JP4805531B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置及び方法に係り、特に画像表示装置に適した画像処理を行う画像処理装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ等の撮像装置において、プリンタやモニタ等、画像データを出力する機器や表示装置の特性を考慮した画像の記録や再生処理を行うものが知られている。
【0003】
例えば、プリンタや表示装置等に関する画質パラメータを外部から読み込み、画像の撮影や記録時に該パラメータに基づく信号処理を行うことにより、上記装置に適した画像データが得られるようにした電子カメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、画像データを出力するプリンタに適した画質パラメータを電子カメラに着脱可能なメモリカードに記録し、画像の撮影や記録時に該パラメータを基に画像データの圧縮やサイズ調整等の処理を行うことにより、プリンタに適した画像データが得られるようにした電子カメラが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、CCDから出力された未加工データを記録し、ユーザの設定に基づいて該未加工データの画像処理を行って記録することで、一度撮影した画像の画質設定を画質の低下を招くことなく再設定できるようにした電子カメラが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−281377号公報(図1、図2)
【0007】
【特許文献2】
特開2002−240385号公報(図5、図6、図8)
【0008】
【特許文献3】
特開2001−251551号公報(図1、図2、図3、図4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献に示されるような従来の技術は、画像を表示する機器として近年急速に普及している大画面の各種ディスプレイを想定したものではなく、また出力装置に応じた画像処理パラメータの取得や設定等、ユーザの操作も煩雑なものとなっている。
【0010】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、ユーザが簡単な操作で表示装置に最適な画像が表示される画像処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第一の態様に係る画像処理装置は、画像信号を取り込む画像取込手段と、前記画像信号を出力する表示装置を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された表示装置に基づいて該表示装置に適した画像処理を行うためのパラメータを取得してパラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記パラメータ設定手段により設定されたパラメータに基づいて前記取り込んだ画像信号を処理する処理手段と、前記処理手段が処理した画像信号を前記表示装置に出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
本発明の第一の態様に係る画像処理装置では、表示装置に適したパラメータに基づいて画像信号が処理されて該表示装置に出力されるので、ユーザは煩雑な操作無しに表示装置に適した画像を表示することができる。
【0013】
なお、画像信号の取込はレンズやCCDを介して取得した画像信号を直接取り込むことにより行うようにしてもよいし、画像信号が記録された記録媒体から画像再生装置を介して取り込むことにより行うようにしてもよい。
【0014】
本発明の第二の態様に係る画像処理装置は、第一の態様に係る画像処理装置において、前記画像信号が静止画か動画かを示す画像種別と前記画像信号の画像サイズとのうち少なくとも一方を示す画像情報を検知する検知手段をさらに備え、前記パラメータ設定手段は該検知手段が検知した画像情報に基づいてパラメータを設定することを特徴としている。
【0015】
画像処理のためのパラメータは表示装置が同一の場合でも画像の種別や画像サイズによって異なるので、画像情報を考慮して画像処理のためのパラメータを設定することで、より適切な画像処理および画像表示を行うことができる。
【0016】
本発明の第三の態様に係る画像処理装置は、第一又は第二の態様に係る画像処理装置において、前記画像取込手段は、被写体を撮影した撮影画像の画像信号を出力する撮像手段とあらかじめ画像信号が記録された記録媒体とのうち少なくとも一方から画像信号を取り込むことを特徴としている。
【0017】
第三の態様に係る画像処理装置では、ユーザは被写体を撮影してその撮影画像を表示することができ、また既に記録媒体に記録されている画像信号を画像として表示することができる。
【0018】
本発明の第四の態様に係る画像処理装置は、第一乃至第三の態様のいずれかに係る画像処理装置において、前記設定手段は、表示装置から取得した識別情報と入力手段を介してユーザが入力した識別情報とのうち少なくとも一方に基づいて表示装置を設定することを特徴としている。
【0019】
第四の態様に係る画像処理装置では、表示装置の設定は表示装置から取得した識別情報により行うようにしてもよいし、ユーザが自ら識別情報を設定することにより行うようにしてもよい。なお、識別情報とは、例えばメーカー名や表示装置の種類、画面の大きさ、解像度などの情報であり、この識別情報により表示装置が設定される。
【0020】
本発明の第五の態様に係る画像処理装置は、第一乃至第四の態様のいずれかに係る画像処理装置において、画像処理を行うためのパラメータがあらかじめ記録された記録手段をさらに有し、前記パラメータ設定手段は該記録手段からパラメータを取得することを特徴としている。
【0021】
第五の態様に係る画像処理装置では、画像処理を行うためのパラメータがあらかじめ記録手段に記録されているので、ユーザは表示装置を変えるごとにパラメータを設定し直す必要が無く、迅速かつ容易に画像処理を行うことができる。
【0022】
本発明の第六の態様に係る画像処理装置は、第一乃至第五の態様のいずれかに係る画像処理装置において、前記パラメータ設定手段は画像処理を行うためのパラメータがあらかじめ記録された記録装置から通信回線を介してパラメータを取得することを特徴としている。
【0023】
第六の態様に係る画像処理装置では、画像処理を行うためのパラメータを通信回線を介して記録装置から取得するので、画像処理装置が記録装置を備えること無く画像処理を行うことができる。
【0024】
本発明の第七の態様に係る画像処理方法は、画像信号を取り込むステップと、前記画像信号を出力する表示装置を設定するステップと、前記設定された表示装置に基づいて該表示装置に適した画像処理を行うためのパラメータを取得し設定するパラメータ設定ステップと、前記設定したパラメータに基づいて前記画像信号を処理するステップと、前記処理された画像信号を前記表示装置に出力するステップと、を含んでいる。
【0025】
第七の態様に係る画像処理方法では、表示装置に適したパラメータに基づいて画像信号が処理されて該表示装置に出力されるので、ユーザは煩雑な操作無しに表示装置に適した画像を表示することができる。
【0026】
なお、画像信号の取込はレンズやCCDを介して取得した画像信号を直接取り込むことにより行うようにしてもよいし、画像信号が記録された記録媒体から画像再生装置を介して取り込むことにより行うようにしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、添付図面に従って、本発明に係る画像処理システムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0028】
図1に、本実施の形態が適用された画像処理システム10の全体構成を示す。
画像処理システム10は、デジタルカメラ20とデジタルテレビ80とがケーブル99で接続されて構成されている。
【0029】
図2に、デジタルカメラ20の構成を示す。デジタルカメラ20は本発明に係る画像処理装置及び方法が適用されたものであり、中央演算装置(以下、CPUという)34の制御により、以下に示す画像信号の取得や画像処理、デジタルテレビ80とのI/F等の処理を行う。
【0030】
撮像部22は図示しないレンズやCCDを含み、被写体を撮影した静止画像や動画像の画像データを出力する。撮像部22から出力された画像データはシステムバス60を介して圧縮/伸長部24に入力され、画質や画像サイズの設定に応じた圧縮/伸長処理がなされた後にメディアインタフェース(以下、インタフェースをI/Fという)26を介して記録メディア28に記録されるとともに、表示制御部30を介してLCD32に表示される。
【0031】
なお、撮影の際に表示機器が指定されている場合には、撮影画像の画像データに対して表示機器および撮影モードに対応した画像処理パラメータに基づく画像処理がなされて記録される(後述)。
【0032】
記録メディア28に記録された画像データは、表示制御部30を介して液晶モニタ(LCD)32に、また後述するデジタルビデオI/F56を介してデジタルテレビ80に表示される。なお、記録メディア28は、デジタルカメラ20に対して着脱可能に構成されている。
【0033】
EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)36には画像処理パラメータテーブルが記録されている。このパラメータテーブルは、画像処理部38によって読み出されてワークメモリ40に一時的に記憶され、画像データの処理に用いられる。なお、このパラメータテーブルは、操作部58を介したユーザの指示入力により、パラメータの変更、追加、削除等が可能となっている。
【0034】
図3に画像処理パラメータテーブルの例を示す。画像処理パラメータの各項目には、表示機器および撮影モードに対応した値が設定されている。表示機器はメーカー名や型番、種類、サイズ、画素数等によって分けられる。また、撮影モードは、図4の例に示すように画質、画像サイズや画像の種類、例えば静止画像か動画像か、等の条件に対応して設定されるものである。
【0035】
なお、図3において、γは機器に合わせて8、10、12、14ビットなどのテーブル領域を別に持っている。
【0036】
画像処理部38には画像処理プログラムが記憶されており、本プログラムによって画像処理パラメータテーブルの読み出しや書き込み、および画像処理パラメータに基づく画像データの処理が行われる。画像データの処理の際には、画像データ等の一時記憶および処理用の領域としてRAM42が用いられる。
【0037】
処理された画像データは、I/F制御部44により、アナログ信号を出力するためのアナログビデオI/F50やデジタル信号を出力するためのデジタルビデオI/F56を介してデジタルテレビ80等の表示装置に出力され、画像として表示される。画像データの出力の際には、YC−RGB/YC−YC変換部52やD/A(Digital to Analog)変換部54により、表示装置に適した信号形式への変換が行われる。
【0038】
汎用I/F46は、デジタルテレビ80等の表示装置に対して機器情報を要求し、取得するためのものである。このような機器情報のI/Fには、DVI(Digital Visual Interface)やVESA(Video Electronics Standards Association)、あるいはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格を採用することができる。
【0039】
操作部58は図示しないレリーズボタンやスイッチ等を含み、ユーザによる撮影や表示機器の設定、また画像表示や画像処理パラメータの設定の指示等が可能に構成されている。
【0040】
デジタルテレビ80はデジタルビデオ信号のI/Fを備えており、デジタルカメラ20から出力された画像データをブラウン管(CRT)に画像として表示する。また、デジタルテレビ80は汎用I/Fを備え、デジタルカメラ20からの要求により、メーカー名や型番、機器種別等の機器情報を出力することが可能になっている。このような表示機器情報のI/Fには、デジタルカメラ20の場合と同様にDVIやVESA等の規格を採用することができる。
【0041】
次に、上記実施の形態の作用を説明する。まず、デジタルカメラ20での撮影および画像データの記録について説明する。デジタルカメラ20が操作部58により撮影可能に設定されると、図5に示すフローに従ってステップS100から処理が行われる。
【0042】
ステップS100では、画像データを出力する表示機器として特定の機器が指定されているか否かを判断する。この判断は、デジタルテレビ80等、操作部58による表示機器の指定を示す入力の有無により行うことができる。肯定されるとステップS102へ進み、否定されるとステップS120へ進む。
【0043】
ステップS102では、指定された機器が画像処理パラメータテーブル中の表示機器一覧に含まれているか否かを判断する。図3の例では、例えばA社の表示機器(型番:A−123)が指定された場合に判断が肯定される。肯定されるとステップS104へ進んで指定された機器を表示機器として設定した後にステップS108へ進み、否定されるとステップS106へ進んで標準機器を表示機器として設定した後にステップS108へ進む。
【0044】
ステップS108では撮影モードを設定し、ステップS110へ進む。なお、撮影モードは、図4の例に示すように、画像の種類(静止画もしくは動画)や画像サイズ、画像データの記録形式(撮像部22から出力された未加工の生データか、圧縮等の処理がなされたデータか)等の条件に基づいて定められるものである。
【0045】
ステップS110では、画像処理パラメータの各項目について、上述の画像処理パラメータテーブルを参照して表示機器および撮影モードに対応する数値を設定し、次のステップS112において撮影を行って撮影画像の画像データを取得する。
【0046】
一方、ステップS100で判断が否定された場合は、ステップS120で撮影モードを設定した後にステップS112へ進み、撮影を行って撮影画像の画像データを取得する。
【0047】
ステップS114では画像処理パラメータに基づいて画像データの処理を行う。この処理は、表示機器や撮影モードに応じて値が設定されたパラメータに基づいて、画像の輪郭強調を行ったり階調特性や明るさを変化させたりする処理である(後述)。
【0048】
次のステップS116では、画像処理がなされた画像データを記録メディア28に記録する。また、表示機器設定の有無や撮影モード、画像処理パラメータ等の画像関連情報を画像データと関連付けて記録する。
【0049】
ステップS118では、撮影を終了するか否かを判断する。肯定されると本処理ルーチンを終了し、否定されるとステップS102へ戻る。
【0050】
このように、デジタルカメラ20では、画像データを出力する表示装置を指定して撮影を行い、その表示機種および撮影モードに適したパラメータで画像データを処理して記録することができる。従って、撮影の際に指定された表示機器とデジタルテレビ80等画像データを出力する表示機器とが同じ場合には、画像表示の際に画像処理を行う必要が無い。
【0051】
次に、デジタルカメラ20に記録されている画像データの画像処理および表示について説明する。図6に、処理フローを示す。
【0052】
まず、ステップS200で、操作部58を介したユーザの指示入力により画像を選択し、ステップS202に進んで選択した画像の画像情報を読み取る。画像情報とは、表示機器指定の有無や撮影モード等の情報であり、上述のように画像データと関連付けられて記録されているものである。
【0053】
なお、ステップS200では、撮像部22により取得した画像を選択してもよいし、既に記録メディア28に記録されている画像を選択してもよい。
【0054】
次のステップS204では、上記ステップS202で読み取った画像情報から撮影モードを設定する。これは、表示機器情報と併せて画像処理パラメータの値を設定するための処理である。
【0055】
次のステップS206では、デジタルカメラ20に接続された表示機器(本実施の形態ではデジタルテレビ80)と通信を行い、メーカー名、型番号等の機器情報を取得する。このような表示機器との通信は、上述のようにDVIやVESA等の規格に基づいて行うことができる。
【0056】
なお、I/F上の問題等により機器情報が取得できない場合は、標準機器を表示機器として設定するようにしてもよい。
【0057】
次のステップS208では、画像データが表示機器を指定して撮影されているか否かを判断する。この判断は、ステップS202で読み取った画像情報により行うことができる。肯定されるとステップS210へ進み、否定されるとステップS212へ進んで標準機器を表示機器として設定した後にステップS214へ進む。
【0058】
ステップS210では、上記ステップS206で取得した機器情報を基に、画像データについて指定されている表示機器とデジタルカメラ20に接続された機器とが同一であるか否かを判断する。肯定された場合、画像データには既に表示機器に適した画像処理がなされているので、ステップS218へ進んでデジタルテレビ80等の表示機器に画像データを出力する。否定された場合はステップS212へ進む。
【0059】
ステップS212では表示機器を設定してステップS214へ進み、表示機器および画像情報を基に画像処理パラメータテーブルを参照して各パラメータの数値を設定する(後述)。
【0060】
次のステップS216では、ステップS200で選択された画像の画像処理を行う。この処理は、表示機器や撮影モードに応じて、画像の輪郭強調を行ったり階調特性や明るさを変化させたりする処理である(後述)。
【0061】
ステップS218ではデジタルカメラ20に接続された機器(本実施の形態ではデジタルテレビ80)に画像データを出力する。これにより、表示機器が該画像データに基づく画像を表示する。撮影の際に表示機器を指定した場合は画像処理がなされた画像データが記録されているので、指定されている表示機器とデジタルカメラ20に接続された機器とが同一であれば、そのまま表示機器に画像データを出力する。撮影時に表示機器が指定されていない場合、また指定された機器と実際に接続されている機器が異なる場合は、上述のように接続されている機器および画像データに適した画像処理が行われて出力される。
【0062】
次のステップS220では、処理を終了するか否かを判断する。肯定されると本処理ルーチンを終了し、否定されるとステップS200へ戻る。
【0063】
ここで、上記ステップS214で行われる画像処理パラメータ数値設定処理の詳細を図7に示すフローに基づいて説明する。
【0064】
まず、ステップS300において、画像処理パラメータテーブルに表示機器および撮影モードに対応した値が設定されているか否かを判断する。肯定されるとステップS302へ進んで上記の値を画像処理パラメータの値として設定した後に本サブルーチンを終了してリターンし、否定されるとステップS304へ進んで標準値を画像処理パラメータの値として設定した後に本サブルーチンを終了してリターンする。
【0065】
次に、上記ステップS216における画像処理について説明する。画像処理システム10で行われる画像処理の項目には、輪郭補正、彩度補正、色相補正、画像の周波数特性、階調特性が含まれている。
【0066】
大画面の表示機器では、輪郭強調が強すぎるとエッジが目立つので輪郭強調は弱めにする。また、大画面だと高域に輪郭強調をかけても効果が出やすいが、比較的小さなディスプレイだと効果が現れにくいので、大画面のディスプレイでは輪郭強調のマトリックスを高域にした輪郭抽出フィルタ(例えば水平、垂直方向3×3のフィルタ)を使う。小画面では低い周波数帯域に輪郭強調をかける必要があるので、より低めに輪郭抽出を行なうフィルタ(例えば水平、垂直方向5×5や7×7のフィルタ)を使用する。
【0067】
なお、輪郭補正においては、フィルタの係数だけでなく、抽出された輪郭を元の輝度に加算するときに輪郭成分に対してかけるゲインを制御するようにしてもよい。このとき、大画面ディスプレイでは小さい値に、小画面では大き目の値にすることが好ましい。安価なプロジェクタ等でレンズの特性があまり良くないものについては、輪郭強調のゲインを強くすることが好ましい。
【0068】
また、色彩を鮮やかに見せるために、彩度の補正を行なう。例えば、液晶やプラズマディスプレイ等、表面の膜の特性などによって発色が悪く見えるデバイスなどにおいては、以下の式におけるゲインα、βを1より大きな値とする。
【0069】
Cr’=(R−Y)×α
Cb’=(B−Y)×β
また、表示デバイスの発光方法や光源の特性などによっては、色相を変えることで、より高画質に見える場合がある。例えば、液晶やDLP(Digital Light Processing Projector)などを使ったプロジェクタにおいては、光源のランプの特性に応じて色相補正を行うことで、より美しい画像が得られる。
【0070】
また、CRT(ブラウン管)などにおいては、ビーム径の絞り込みの問題などにより、中央部の解像力が高く、周辺部は解像力が甘くなる傾向にあるので、CRTが選択されている場合は、その機種に応じた輪郭特性の2次元的な補正をかけてやることで、より安定した画像が得られる。例えば、中心ほど輪郭補正のゲインが低く、周辺に行くほどゲインが高くなるような補正を行う。
【0071】
また、入力画像の動解像度が高い場合は、時間方向にフィルタを入れて時間軸方向の周波数特性を改善することで、より高画質にすることができる。例えば、毎秒60フレームで撮影された動画像を、毎秒30フレームしか表示できないディスプレイで表示する場合などが相当する。この場合には、フレーム間に画素を加算するような方法でローパスフィルタをかけることが好ましい。
【0072】
また、液晶ディスプレイは、液晶材料の偏向方向の変化が変わる性質を利用しているため、動画の場合他のデバイスに比べ表示特性が悪くなる場合がある。このような場合は、γのカーブを変えたりS字型のγ特性にして輝度の中央部の立ち上がりを急激にすることで、動的な画質を向上させることができる。この他、動画の場合は階調特性やコントラスト、明るさなどを適切に設定することで、より画質を向上させることができる。
【0073】
上述のような画像処理は、表示機器や画像の撮影モードに応じて一乃至複数の項目を行うようにして良い。また、画像処理パラメータは、図3および図4の例に示すように、表示機器や画像の撮影モードに応じて異なる値を用いて良い。
【0074】
以上説明したように、画像処理システム10では、デジタルカメラ20で撮影および画像処理を行って画像をデジタルテレビ80に表示することができる。この画像処理は、デジタルカメラ20がデジタルテレビ80から機器情報を取得し、この機器情報および画像情報を考慮して行うものである。
【0075】
すなわち、ユーザはデジタルカメラからパーソナルコンピュータに画像を取り込んだり、自ら画像処理パラメータを設定したりすることなく、簡単な操作で表示装置に最適な画像を表示することができる。
(第2の実施の形態)
以下、添付図面に従って、本発明に係る画像処理システムの他の好ましい実施の形態について詳説する。
【0076】
図7に、本実施の形態が適用された画像処理システム12の全体構成を示す。画像処理システム12は、本発明に係る画像処理装置及び方法が適用されたデジタルカメラ20’、デジタルテレビ80、およびサービスセンター90のデータサーバ92を含んでおり、デジタルカメラ20’とデータサーバ92とはインターネット100を介して通信可能に接続されている。また、デジタルカメラ20’とデジタルテレビ80とは、ケーブル99’を介して機器情報の通信および画像データの出力、入力が可能になっている。
【0077】
デジタルカメラ20’の構成は図8に示す通りであるが、基本的な構成は第1の実施の形態におけるデジタルカメラ20と同じであるので、以下デジタルカメラ20との相違について説明する。
【0078】
デジタルカメラ20’には、外部機器I/F62’が設けられている。この外部機器I/F62’にはCD−ROMドライブやMOドライブ、DVDドライブ等の機器が接続可能であり、またこれらの機器に挿抜可能な記録媒体を介して画像データや画像処理パラメータの読み出しや書き込みが可能になっている。また、通信I/F64’はインターネット100等のネットワークを介して通信を行うためのものである。
【0079】
データサーバ92には各種表示機器の機器情報や撮像装置の撮影モードに対応した画像処理パラメータが蓄積されている。デジタルカメラ20’は通信I/F64’およびインターネット100を介してデータサーバ92と通信を行い、画像処理パラメータを取得できるようになっている。
【0080】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0081】
画像処理システム12では表示機器を指定した撮像や記録、表示機器および画像情報を考慮した画像処理を行うが、これらの処理は第1の実施の形態(図5および図6を参照)と同様である。ここでは、画像処理パラメータ数値設定の処理(図5のステップS214)について図10に示すフローを参照して説明する。
【0082】
まず、ステップS400において、画像処理パラメータテーブルに表示機器および撮影モードに対応した値が設定されているか否かを判断する。肯定されるとステップS402へ進んで上記の値を画像処理パラメータの値として設定した後に本サブルーチンを終了してリターンし、否定されるとステップS404へ進む。
【0083】
ステップS404ではインターネット100を介してデータサーバ92に接続し、次のステップS406へ進んでデータサーバ92に画像処理パラメータを要求する。なお、デジタルカメラ20’は、画像処理パラメータ要求の際に、接続された機器の機器情報および画像データの画像情報をデータサーバ92に送信する。これにより、データサーバ92が、機器情報および画像情報に基づく画像処理パラメータをデジタルカメラ20’に送信する。
【0084】
なお、デジタルカメラ20’とデジタルテレビ80との間での通信は、第1の実施の形態と同様に、DVIやVESA等の規格に基づいて行うことができる。
【0085】
次のステップS408では、データサーバ92から表示機器および撮影モードに対応したパラメータを受信したか否か判断する。肯定された場合はステップS410へ進み、否定されるとS414へ進む。
【0086】
ステップS410ではデータサーバ92から受信したパラメータを画像処理パラメータとして設定してステップS412へ進み、上記受信したパラメータに基づいて画像処理パラメータを更新した後に本サブルーチンを終了してリターンする。
【0087】
一方、ステップS408で否定された場合は、ステップS414においてLCD32’にパラメータが取得されていない旨を表示してステップS416へ進み、画像処理パラメータの各項目に対して標準値を設定した後に本サブルーチンを終了してリターンする。
【0088】
以上説明したように、画像処理システム12では、デジタルカメラ20’で撮影および画像処理を行って画像をデジタルテレビ80に表示することができる。この画像処理はデジタルカメラ20’がデジタルテレビ80から機器情報を取得し、この機器情報および画像情報を考慮して行われる。
【0089】
また、画像処理システム12では、表示機器および画像の撮影モードに対応するパラメータの値がデジタルカメラ20’の画像処理パラメータテーブルに設定されていない場合、デジタルカメラ20’はデータサーバ92に接続してパラメータを取得する。したがって、新しい表示機器に対しても最適な画像処理を行って画像を表示することができ、またユーザ自らがパラメータ取得や設定等の操作を行う必要が無い。
【0090】
すなわち、ユーザは簡単な操作で表示装置に最適な画像を表示することができる。
【0091】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、画像表示装置をデジタルカメラとした場合について説明しているが、本発明に係る画像処理装置及び方法はデジタルカメラにのみ適用されるものではない。デジタルカメラ以外にもビデオカメラ等他の撮像装置や、再生機能を有するビデオテープレコーダ(VTR)や磁気ディスクを用いた画像記録再生装置、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ等に適用することが可能である。
【0092】
また、上記第1および第2の実施の形態において、表示装置はブラウン管を用いたデジタルテレビ80とした場合について説明しているが、本発明に係る画像処理装置及び方法において、表示装置はブラウン管を用いた種類に限定されるものではない。ブラウン管の他、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶プロジェクタ、DLP(Digital Light Processing Projector)プロジェクタ、三管プロジェクタ、ELディスプレイ等を用いた表示装置に適用することができ、またデジタル方式およびアナログ方式の表示装置に適用することが可能である。
【0093】
さらに、上記第1および第2の実施の形態において、デジタルカメラ20とデジタルテレビ80との間の通信、およびデジタルカメラ20’とデジタルテレビ80との間の通信はケーブルを介して行うものとしているが、ケーブルを介さずに赤外線や無線により通信を行ってもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザは簡単な操作で表示装置に最適な画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態に係る画像処理システムの全体構成図である。
【図2】本発明の一の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示す図である。
【図3】本発明の一の実施の形態に係り、画像処理パラメータテーブルの例を示す図である。
【図4】本発明の一の実施の形態に係り、撮影モードの例を示す図である。
【図5】本発明の一の実施の形態に係り、デジタルカメラでの撮影および画像データの記録処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一の実施の形態に係り、デジタルカメラでの画像処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一の実施の形態に係り、デジタルカメラでの表示機器情報設定処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る画像処理システムの全体構成図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るデジタルカメラの構成図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係り、デジタルカメラでの表示機器情報設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10、12・・・画像処理システム、20、20’…デジタルカメラ、80…デジタルテレビ、90…サービスセンター、92…データサーバ

Claims (1)

  1. 被写体の画像を示す画像データを取得する撮像手段と、
    画像を表示する表示機器の識別情報であって、当該表示機器の画面サイズ、画像表示方式、及び表示画素数の情報を含む識別情報と、当該識別情報により特定される表示機器の画像処理パラメータであって、前記画像を画面表示するための画像処理に用いられる画像処理パラメータとが、複数の表示機器のそれぞれについて関連付けて記憶された記憶手段と、
    ユーザの指示入力に基づいて表示機器の識別情報を入力する入力手段と、
    前記入力した識別情報に基づき、前記記憶手段を参照して前記画像処理パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    前記取得した画像データを、前記設定した画像処理パラメータに基づいて処理する画像処理手段と、
    前記処理した画像データと前記表示機器の識別情報を含む画像関連情報とを関連付けて記録する記録手段と、を備え、
    前記画像処理は輪郭補正、周波数特性の改善、及びガンマ特性の調整を含み、
    前記パラメータ設定手段は、表示機器の識別情報が前記入力手段に入力されない時は表示機器を標準機器として前記画像処理パラメータを設定する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
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