JP4541506B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及び記憶媒体に関し、特には、複数系統の画像信号の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信技術の発達により、オフィスでのネットワーク化が進み、PCを中心に様々な機器が相互接続されて機能の共有が実現されるようになっている。また、HAViやJini規格に代表されるような、IEEE1394やUSBあるいは無線インターフェースを用いた機器間の通信の規格化により家庭内のあらゆる機器に対してもネットワーク化の基礎が出来上がりつつある。
【0003】
一方、以前はテレビジョン(TV)受信機とパーソナルコンピュータ(PC)のディスプレイは全くの別物であったが、相互の融合化が進み、PCの画像を表示できるTVや、TVの信号を入力できるPCのディスプレイが現れてきた。
【0004】
さらに、ワイド対応のTVやプラズマディスプレイ、リア型プロジェクションTVや投射型のプロジェクターなどの大画面の表示装置において、映画やTV放送、ホームビデオ、プレゼンテーション、TV会議、各種資料の表示などのさまざまな映像ソースをオフィスや家庭で利用する場面が増加している。
【0005】
このような機器間のネットワーク化の進行、また、入力ソースの多様化に伴い、ディスプレイには、1つの画面内に複数の異なる画像信号源の画像を画面内に分割して表示を行うマルチ画面表示機能の要求が有る。
【0006】
こうした家庭用のネットワーク化の動きは、AV機器に限らず家庭内のすべての機器に対して進んでおり,例えば冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコン等の家庭用電気機器やパソコン周辺機器(FAX、プリンタ、デジタルカメラ等)、携帯端末なども視野に置かれている。
【0007】
こうした動きの中で,これら機器から出力される画像情報をネットワーク上で直接やり取りしてディスプレイ上にマルチ表示を行うことが考えられる。
【0008】
現在は、AV機器からの映像信号をネットワーク経由でディスプレイに表示することが中心であるが,将来的には家庭用電気機器の制御画像等も同じディスプレイ上で表示してコントロールすることや、パソコン周辺機器からのアプリケーション画像を直接ディスプレイに伝送して表示を行うことが行われると予想される。
【0009】
また、最近は携帯電話のカラー表示化と多機能化やPDA(パーソナルデータアシスタント)と呼ばれる携帯型の情報端末の高性能化にともない、こうした携帯端末がインターネットやPCとの間で通信を経由して画像の取得をする機会が増えているが、将来的には、これら携帯端末の画像もネットワーク経由で直接ディスプレイに伝送して表示を行うことにより、携帯端末の家庭内やオフィス内での用途も飛躍的に広がると考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在のディスプレイはネットワーク経由で種々の画像データを直接やり取りする上で以下に述べる問題点がある。
【0011】
まず、第一に、もともと視聴距離や用途の異なる複数の機器からの画像を同一画面上に混在表示する場合に表示文字や画像の大きさ等の表示品位がまちまちになる欠点がある。
【0012】
例えば、PC用の表示装置などは、表示画素数をXGA(1024×768),SXGA(1280×1024)からUGA(1600×1200),QXGA(2048×1536)と高精細化して文字や画像の表示品位をあげる方向であり、表示密度が高いのに対して、PDAや携帯電話などの機器の画面は、必要性能や端末の制約から限られた画素数と表示領域の画像を扱っているため表示密度が比較的低い。
【0013】
また視聴距離も、PC用の表示装置が、60cm以上離れた距離で見ることが一般的なのに対して、携帯端末は20〜40cmくらいで見るなど大きく異なる。
【0014】
このため、こうした比較的粗い画素密度の携帯機器の画像を、高精細表示装置に転送してそのままの画素数当たりで表示したのでは画像が小さすぎて情報を見るのに不適切な大きさとなってしまう。
【0015】
また、現在のPC用の表示装置は、表示画面解像度(画素数)に対する入力信号の解像度(画素数)の比率をもとに解像度変換する構成になっているが、これを携帯端末の画像にそのまま適用すると、表示画像の解像度に変換すると画像が情報量の割に大きすぎて粗い画面となってしまい、この場合も不適切な大きさとなってしまう。
【0016】
さらに、こうした携帯端末はその形態、仕様が多岐にわたるため、送信される画像の大きさや解像度などの表示属性が統一されていないので、結果として表示画面上の文字や画像の大きさ、表示品位がまちまちになる。
【0017】
第二の問題点として、ネットワーク独特の多対一や多対多接続における新規の画像入力や同一信号源からの信号属性の変化に柔軟に対応できない問題がある。
【0018】
例えば、1つのPC上でそれぞれのアプリケーション画像(たとえばTV電話の画像や、ネットワークを介した文字通信(チャット)、デジタルカメラの画像表示など)に適したウインドウの大きさと位置を画面上に設定することは可能であるが、こうしたアプリケーションに対して表示属性を設定する方式は、新しい入力を表示する場合は、その都度自分でウインドウの大きさと位置を画面上に設定しなくてはならない。また、一旦設定した場合、その信号源の出力が変化しても同じ設定で表示しつづけてしまう。
【0019】
また、セットトップボックス(STB)や多画面TVのように、入力系統やチャンネル毎に適したウインドウの大きさと位置を画面上に設定する方法もあるが、こうした表示装置において入力系統やチャンネルに対して表示属性を設定する方式でも同様に、新しい画像入力や信号源の出力が変化に対応できず、たえずユーザー設定を必要としていた。
【0020】
本発明は前述の如き問題点を解決することを目的とする。
【0021】
本願の他の目的は、複数の入力画像信号に係る画像を最適に表示可能とする処にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、装置外部より複数系統の画像信号を入力する入力手段と、前記複数系統の画像信号を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段より出力される複数系統の画像信号を表示装置に出力する出力手段と、前記複数系統の画像信号に係る画像属性情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された画像属性情報と前記表示装置に係る表示属性情報とから前記画像信号を前記表示装置上に表示した際の画像サイズを算出するとともに、前記画像サイズと表示設定情報とに基づいて、前記複数系統の画像信号のそれぞれに対応する画像変換情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された画像変換情報に基づいて前記画像処理手段による前記複数系統の画像信号の処理動作を制御する制御手段とを備える構成とした。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0024】
図1に、本発明における第一の実施例として、ネットワーク接続された2台の画像信号源装置と1台の画像表示装置の構成図を示す。ここでは、簡単化のため、ネットワークに接続される複数の機器のうち3台の間の構成のみを取り出して示している。
【0025】
100は画像表示装置としてのディスプレイ、200,300は画像信号源としてのPCやDVD、デジタルテレビ用チューナー、携帯機器などの画像を出力する装置である。図1のシステムでは、画像信号と音声信号とをそれぞれデジタル信号として伝送する。
【0026】
まず、装置200,300において、201,301がCPU(中央演算装置)であり、202,302がこのCPU201,301の制御信号を装置各部に伝えると共に、全体のデータバス、制御バスを制御するバスコントロール部である。211,311が各部を接続するデータバスおよび制御バスからなるシステムバス配線である。212,312がCPU201,301とバスコントロール部202,302との間のバス配線である。203,303は各PCのメインメモリ部であり、204,304はハードディスク(HDD)などの記録媒体部である。205,305はディスプレイ100用の画像信号を作成するグラフィック描画部であり、ここで、出力するべき画像信号に対してディスプレイ100への出力画像属性(解像度、画素周波数、画面の更新周波数、ガンマ特性、階調数、色特性など)にあわせた処理が行われる。
【0027】
206,306はグラフィック描画部205,305の画像処理時に用いられる画像メモリ部である。213,313はグラフィック描画部205,305と画像メモリ部206,306との間のデータバスおよび制御バスである。
【0028】
207,307は通信部である。ここで、ディスプレイ100と装置200,300との間での通信に関しては、DDC(Display Data Channel)という標準が有る。DDCとは、ディスプレイ関連の標準化団体であるVESA(Video Electronic Standard Association)が勧告した、コンピュータが表示装置を認識および制御するためのやりとりの標準である。この通信方法にのっとって、同じくVESAが標準化したEDID(Extended Display Identification Data)形式のディスプレイの表示属性情報が、ディスプレイ側からPC側に伝送される。
【0029】
通信部207,307はこのEDID情報などの画像属性情報やエラー信号などとともに、ディスプレイ100からの情報量制御信号を受信する。208,308は画像属性情報としてのEDID情報を記憶する記憶部であり、通信部207,307により取得したディスプレイ100のEDID情報を格納する部分である。
【0030】
209,309はディスプレイ100に対して送出する画像信号および音声信号に画像信号の識別信号を付加する識別信号付加部である。ここで、識別信号はネットワーク上の各機器に対して独立に付与された通信アドレスや識別番号(ID)、あるいは画像信号自身にあたえた通信アドレスや識別番号(ID)などであり、画像信号の送出先を表示装置やネットワーク上の画像受信装置に通知する信号である。この識別信号は信号源、あるいは後述の出力モード等に応じて異なる値を持つ。
【0031】
210,310はグラフィック描画部205,305で作成された画像信号と、不図示の音源部で作成された音声信号を、ディスプレイ100に伝送するための画像・音声送信部である。具体的には、ディスプレイの規格化団体DDWG(Digital Display Working Group)が策定したDVI(Digital Video Interface)規格などの採用したTMDS規格の伝送素子や、画像信号、音声信号をMPEG方式で圧縮・符号化すると共に部分書き変え信号を作成するエンコード素子とプロトコル信号を伝送するIEEE1394の送信素子などである。
【0032】
201a,301aは画像制御部であり、ディスプレイ100から受信したEDID情報を受けて、グラフィック描画部205,305を制御する。また、201b、301bは画像属性情報作成部であり、送信する画像の画像属性情報を作成する部分である。ここで、画像属性情報とは、画像の解像度、画像の大きさ、使用文字フォントの大きさ、画面の更新周期、階調数、色、アスペクト比や伝送方式、圧縮方式、圧縮率、書き換え周期などである。
【0033】
なお、画像制御部201a,301a及び、画像属性作成部201b、301bによる処理はCPU201によるソフトウェア処理で実現される。
【0034】
次に、ディスプレイ100において、101がディスプレイ100の処理を制御するマイコン部であり、115がこのマイコン部101からの制御バスおよびデータバスからなる配線群である。バス配線群115は図に示したように、ディスプレイ100の各処理回路を相互に接続し、データのやり取りを可能としている。
【0035】
102は装置200,300の画像音声送信部210,310から伝送された画像信号と音声信号を受信するとともに、TMDSやIEEE1394フォーマットの信号をデコードし、圧縮データを伸長する画像・音声受信部である。
【0036】
103は装置200,300からの画像の画素数をディスプレイ100の表示画素数にあわせるための解像度変換や画面更新周波数(フレームレート)の変換を行うための画像処理部である。104は画像処理部103の処理に用いられる画像メモリであり、116がこのメモリのデータバスおよび制御バスからなる配線群である。
【0037】
105は画像表示部106にて用いられる液晶やCRTなどの特性にあわせてガンマ特性や色特性などを変換し、オンスクリーンディスプレイなどの文字表示を行う表示処理部である。106は液晶やCRT,PDP,EL,LEDなどの素子で構成される画像表示部である。118,119,120は画像のデータバスである。
【0038】
107が受信した音声信号をスピーカーで再生するための信号に変換や増幅を行う音声処理部であり、108がスピーカーである。また、117がその間の配線である。
【0039】
109がこのディスプレイ固有のEDID情報を記憶するEDID情報格納部であり、通信部110はこのEDID情報格納部109に記憶されたEDID情報などの画像属性情報やエラー信号を装置200,300に送信する。
【0040】
111はディスプレイ100のさまざまな設定を行うための本体の操作部やマウス、キーボード、リモコンなどのユーザー入力部である。112はこの入力部111などでユーザ等に設定された表示状態を記憶する記憶部である。本形態のディスプレイ100では、複数の入力画像毎に表示エリアの大きさ等を設定可能であり、表示設定記憶部112は各入力画像の表示設定状態を各表示画像の種類に対応付けて記憶している。
【0041】
また、マイコン101において、101aは画像音声受信部102より出力される各入力画像信号に付随した識別信号を取得する識別信号取得部であり、101bは画像音声受信部102から出力される各入力画像信号に付随した属性信号を取得する、あるいは画像音声受信部102からの画像情報から属性信号を演算により抽出する属性取得部である。属性取得部101bで取得された属性情報は識別信号取得部101aにより得られた識別信号と対応付けられて属性記憶部113に記憶される。
【0042】
101cは表示設定記憶部112に記憶された表示設定情報と、属性取得部101bにより得られた入力信号属性情報、及びEDID情報格納部109に記憶されたEDID情報から、画像処理部103において入力画像信号を表示に適当な状態に変換するための画像変換情報を作成する画像変換情報作成部である。また、114がこの画像変換情報を入力信号の識別信号に対応付けて記憶する画像変換情報記憶部である。
【0043】
ここで、識別信号取得部101a,属性取得部101b,及び画像変換情報作成部101cは、マイコン内部で実現される処理を模式的に表わしており、これらの処理はマイコン101内のソフトウェア処理により実現される。
【0044】
また、121は装置200,300とディスプレイ100との間の画像信号及び音声信号の伝送線路であり、122は装置200,300とディスプレイ100との間のDDC通信などの伝送線路である。
【0045】
ここで、121と122とは別系統の信号として図示しているが、TMDSやIEEE1394などの信号線をカスケード接続やツリー接続を行った同一のネットワーク通信線路上で、同一の送受信手段により実現される。
【0046】
ここで、装置200,300から送信される画像信号の例を図2に示す。
【0047】
図2において、401が、受信先の通信アドレスであり、例えばディスプレイ100に対して付与された通信アドレスや識別番号(ID)、あるいはディスプレイ100のチャンネルや表示されるウインドウ画面に対して与えられた通信アドレスや識別番号(ID)などである。この受信先アドレス401はaバイトの信号で、たとえば4バイト程度の大きさとなる。
【0048】
また、402は送信元の通信アドレスであり、例えば信号源としての装置200あるいは装置300に対して付与された通信アドレスや識別番号(ID)、あるいは画像信号自身にあたえた通信アドレスや識別番号(ID)である。この送信元アドレス402はbバイトの信号で、たとえば4バイト程度の大きさとなる。前述したディスプレイ100において検出する入力識別信号は、この部分のデータに相当する。
【0049】
また、406が画像情報部分であり、403と404に大別される。ここで、403は画像信号の属性情報であり、404が画像データである。前述した入力画像の属性情報は、属性情報403を検出したものか、あるいは404の画像データそのものから所定の演算で抽出した情報である。ここでは、属性情報403をcバイト、画像データをdバイトとしてあるが、実際のデータ量は画像の伝送方式や圧縮方式により大きく異なり、任意に設定可能である。
【0050】
また、405はデータの終了などを示す部分であり、たとえばチェックサム部分等である。本形態ではeバイトとするが、実際は1バイト程度である。
【0051】
図3に図1のディスプレイ100での表示例を示す。ここでは、図1で示した2つの装置200,300以外に、ネットワークに接続される他の2つの信号源からの画像を表示する例を示している。
【0052】
図3(a)において、ディスプレイ100はQXGAの画素数を有した20インチの表示装置であり、501がこの表示領域全体を示している。また、502はディスプレイ100に接続した画像信号源1としてのPC200の表示画像を示している。ここで、PC100の画像は、QXGAで、501の画面全体に表示が行われている。また、画像内容としては、PC200の表示画像がそのまま表示されている。
【0053】
また、503の子画面領域は、図1には不図示の、ディスプレイ100にネットワーク接続した別のPCの表示画像を示している。ここでは、この他のPCの送出する解像度XGAの画面をそのままの解像度で表示している。
【0054】
また、504の子画面領域は、図1には不図示の、ディスプレイ100にネットワーク接続したデジタルテレビチューナーで受信したHDTV(1920×1080画素)の映画の画像を、720×480画素の解像度に縮小変換して表示を行っている。
【0055】
図3の如く画像が表示されているディスプレイ100に対して、図4に示す携帯情報機器としてのPDA600の画像601を送信した場合の様子を図3(b)及び図3(c)に示す。ここで、この携帯情報機器としてのPDAが、図1の装置300に相当する。ここでは、PDA600の画面を4インチ、320×240画素とする。
【0056】
図3(b)の505および、図3(c)の506がディスプレイ100にて表示されるPDA600から送信された表示画像である。ここで、図3(b)はディスプレイ100においてPDA600の入力信号に対して本発明の構成による画像変換を行わない場合の表示画面であり、図3(c)はディスプレイ100においてPDA600の入力信号に対して本発明による制御を行った場合の表示画面である。
【0057】
図3(b)においては、PDA600の画像505上の文字が他の502,503,504の画像中の文字に比べ小さすぎて判読しずらいのに対して、図3(c)においては、PDA600の画像が適当な値に拡大変換されて、文字が判読可能になっている。
【0058】
これは、拡大変換をしない場合は、表示画面全体20インチに対して、画素数の比率でPDA600の画像を表示すると320/2048=0.156倍になるためPDA600の画像が3.1インチに小さく表示されることに加え、PDA600は携帯機器のため近距離で画像を見ていたものが、20インチのディスプレイ100の場合はその数倍離れた距離から見るというように視聴距離が遠くなり、表示している文字の大きさが不適切になっているためである。
【0059】
例えば、印刷業界の文字の大きさの基準であるポイント(1ポイント=1/72インチ)であらわすと、PDA600においては8ポイントに近い10ドット程度で表示することが適切な文字も、ディスプレイ100においてはより大きなポイント数(例えば10ポイントなど)で表示することが望まれるためである。
【0060】
本形態では、ネットワーク接続された複数の信号源の画像を表示する際に、このような機器毎の信号の特性に合わせて柔軟に最適表示する表示装置を例示している。
【0061】
次に、図1のディスプレイ100によるこのような表示制御に関する処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
ディスプレイ100に対して画像、音声信号が入力されると、識別信号取得部101aにより入力信号中の識別信号を取得する(S701)。また、入力属性信号取得部101bにより前述のように入力信号から属性情報を取得する(S702)。
【0063】
そして、S703において、いま入力した画像、音声信号から取得した識別信号が新規かどうか、即ち、今まで受信したことがなく、画像変換情報記憶部114においてその識別信号が記憶されているかどうかを判断して、新規の場合はS710に、新規でない場合はS704に進む。
【0064】
S703において既に受信したことがある信号であった場合、入力信号属性記憶部113において識別信号に対応付けて記憶されている入力信号属性情報を読み出し、S702において入力属性取得部101aで取得した入力属性情報と比較することにより、以前に受信したときから入力属性情報が変化したかどうかを判断する。
【0065】
入力属性が変化していない場合、表示設定記憶部112から入力識別信号に対応した表示設定を読み出し(S706)、更に、表示設定確認ルーチンを行う(S707)。
【0066】
その後、S708において画像変換情報記憶部114から入力識別信号に対応した画像変換情報を読み出す。そして、こうして得られた画像変換情報に従い、画像処理部103を制御して入力画像信号を処理して終了する(S709)。
【0067】
また、S703において、新規の入力信号であった場合、あるいは、S705において入力属性が変化した場合は、S710において、入力信号属性記憶部113に識別信号と対応付けて新しい入力信号属性情報を格納する。次にS711において表示設定確認ルーチンを行う。そして、次のS712において、表示設定記憶部112に記憶されたこの入力画像についての表示設定情報とEDID情報格納部109内の表示属性情報、及び前述の入力属性情報を用いて画像変換情報を作成する。
【0068】
このように作成した画像変換情報を入力識別信号と対応させて画像変換情報記憶部114に格納する(S713)。そして、この画像変換情報に従い、画像処理部103を制御して入力画像信号処理して終了する(S709)。
【0069】
ここで、表示設定確認ルーチンS707、S711について図6のフローチャートを用いて説明する。
【0070】
図6において、ユーザ入力部111と画面に表示されるメニュー画面表示等を用いて表示設定を変更するかどうかを判断する(S801)。表示設定を変更しない場合は、表示設定が適当かどうかを判断して(S802)、適当な場合は表示設定確認ルーチンを終了する。
【0071】
ここで、表示設定記憶部112には入力識別信号が伝えられるが、入力信号属性記憶部113や画像変換情報記憶部114と異なり、入力識別信号に対して1対1に記憶されるとは限らない。
【0072】
例えば、PCのフォーマットと携帯機器のフォーマットでの入力信号に対して、それぞれの表示設定値を記憶する、あるいは、IEEE1394経由の画像入力の場合と無線インターフェース経由での画像入力の場合とでそれぞれの表示設定値を記憶するなど、入力識別信号と入力属性信号に応じた場合分けをして設定することにより、既知の入力信号以外の新規の入力信号に対して、画像変換情報を自動作成可能にしている。
【0073】
また、S801で表示設定を変更する場合と、S802で表示設定が不適当な場合は、S803においてその旨を表示してユーザに警告を促し、ユーザ入力部111と画面に表示されるメニュー画面表示等を用いて新規に表示設定を変更し、表示設定記憶部112に記憶する(S804)。
【0074】
図7に、図1の装置300としてPDAの画像を新規接続して、図3(c)のように表示する場合のディスプレイ100におけるマイコン部101による処理フロー例を示す。
【0075】
図7において、PDA600(装置300)より画像、音声信号が入力すると、S901において識別信号取得部101aにより入力信号の識別信号としてPDA600の通信アドレスを取得する。この通信アドレスは図2の送信元アドレス402に相当し、図7では、「xxx.yyy.zzz.003」とする。
【0076】
次に、S903において、入力属性信号取得部101bにより入力属性情報を取得する。ここでは、画像に含まれる文字サイズが文字ドット数=10ドットであることを、画像データに付随する画像属性部(図2の403)から読み出すか、あるいは画像データ自身から表示装置の入力信号属性取得手段により演算処理により抽出する。
【0077】
更に、S903においてPDA600の表示に対応する表示設定記憶部112内の表示設定情報を読み出す。ここでは、携帯機器の入力に対しては、表示画面上の文字の大きさを10ポイント以上で表示する設定および、携帯機器の入力に対しては、表示画面上の表示位置の始点を(b,d)とする設定であるとする。
【0078】
また、S904において、EDID情報格納部109内の表示属性情報を読み出す。ここでは、表示部の画面の解像度がQXGAであり、画面の大きさが20インチであるという情報などが得られる。
【0079】
S905において、このようにして得られた入力属性情報、表示設定情報、EDID情報から画像変換情報を自動作成する。
【0080】
以下、画像変換情報の作成処理について説明する。
【0081】
PDA600の文字を、QXGAの表示画面上にそのまま表示した場合の10ドット文字の大きさは、縦方向で1画素=12インチ/1536=0.0087インチより、0.078インチとなる。
【0082】
一方、印刷における10ポイント文字(1ポイント=0.0139インチ)に相当する文字を画面上に表示した場合、その文字の大きさは0.139インチとなる。
【0083】
従って、拡大率は0.139/0.078より、1.78倍と演算される。
【0084】
また、元の信号の座標(X0,Y0)に対して画像変換後の座標(X1,Y1)、表示画面上の始点座標を(b,d)、水平、垂直の信号の拡大率を各a,bとすると、入力信号の座標は
X1=aX0+b・・・(1)
Y1=cY0+d・・・(2)
の2式で出力画像の座標に変換される。ただし、a=c=1.78とする。このようにして、画像変換情報が自動作成される。
【0085】
このように得られた画像変換情報を、入力識別信号であるPDA600の通信アドレスに対応して画像変換情報記憶部114に格納する(S906)。そして、S907において、この画像変換情報に従い、画像処理部103を制御して入力画像信号を処理して終了する(S907)。
【0086】
次に、図1の画像処理部103について説明する。図8は画像処理部103及びメモリ部104の構成を示す図である。
【0087】
図8に示したように、画像処理部103は主にアドレスデコーダ103a,データスイッチ部103b及び拡大・縮小補間演算部103cから構成される。
【0088】
図8において、アドレスデコーダ103aには入力画像信号に同期した水平同期信号、垂直同期信号及びクロックが入力する。アドレスデコーダ103aはこれらの同期信号及びクロックを基準に、マイコン部101から出力される画像変換情報s103に従ってメモリ制御用の書きこみアドレス信号および読み出しアドレス信号を生成する。
【0089】
また、同時にデータスイッチ部103bに対するスイッチ制御信号も生成し、書きこみアドレス信号および読み出しアドレス信号に応じて、メモリ部104と画像処理部103との間のデータバス103d上のデータを、メモリ部104への書きこみデータと、メモリ部104から拡大・縮小補間演算部103cへの読み出しデータとに切り替える処理を行う。
【0090】
図3(c)の例では、画図データの書き込み時においてはメモリ部104に対して(X0,Y0)座標から画像データを書きこむように書きこみアドレスを制御して、メモリ部104からの読み出し時においては(X1,Y1)座標から読み出すようにアドレスデコーダ103aによるアドレス制御が行われる。
【0091】
更に、メモリ部104より読み出された画像データは、拡大・縮小補間演算部103cにおいて画像データの拡大・縮小変換にともなう補間処理が施される。
【0092】
図3(c)の例では、前述の如く演算された倍率(水平a,垂直c)に応じて、補間係数が選択されて、出力信号が演算により生成される。
【0093】
図9に、本実施形態で図3(c)で示した表示装置上の多画面画像を実現するための、入力信号毎の入力識別信号、入力属性情報、表示設定、表示部属性、画像変換情報の各情報の例を示す。入力は、PC1およびPC2の2台のPCと、HDTV用のチューナ、携帯機器としてのPDAとする。
【0094】
入力信号の識別信号は、PC1,PDAは各機器に与えられた通信アドレスであり、PC2はPC2から出力する信号自体に与えられた識別番号(ID)である。また、チューナは、チューナの出力チャンネルに通信アドレスが与えられて、チューナ本体とチャンネルまでが識別できる。識別信号は、信号源やそのチャンネル、あるいは信号自体に与えられた識別番号や通信アドレスの他にも、HDTVとSDTV(720×480)のように、出力モード毎に識別番号を割り振る、あるいは、ウインドウなど画面の一部の領域毎に識別番号を割り振ることが考えられる。また、使用者に与えられた識別番号や通信アドレスなど、信号の発信元を特定できるものであれば、なんでもよい。
【0095】
また、入力属性としては、図9のように各信号に対応したフォーマットの別、解像度、画像の大きさ、文字のドット数などが取得される。他にも表示領域に限らず、画像の更新周波数、圧縮率、色特性、階調特性(ガンマ特性)、アスペクト比などが取得されるが、本実施例では簡単化のため、画像変換情報の作成例として画像表示領域の大きさと位置に関わる部分について例示する。
【0096】
また、表示設定はPC1ではPC1の識別信号に対して、全画面で最後面配置設定されるが、他の機器では、直接入力識別信号に対して表示設定をふらず、新規の入力に対しても、柔軟な画像変換情報の自動作成を可能にしている。たとえば、PC1の識別信号以外のPCフォーマットの信号に対しては、表示領域の大きさを1/4QXGAと表示位置を指定している。
【0097】
これに従い、PC2の入力は設定され、他のPC入力がきた場合もその表示位置に同じ大きさで重ねて表示される。また、チューナ本体のアドレスに対して、表示領域の範囲を1/4QXGA内、また表示位置を指定している。チューナの各チャンネルの表示はこの表示設定に従い、同じ表示位置にほぼ同じ大きさで表示される。また、携帯機器のフォーマットに対しては、他の入力と異なり表示領域の大きさや範囲を指定するのではなく、画像内の文字の大きさと表示位置を指定する。PDAや他の携帯電話から文字情報を含んだ画像は、この表示設定に従う。
【0098】
このように、新規の信号源の接続や、従来の機器からの信号の入力属性の変化があった場合も、これらの表示設定に従って画像変換情報が自動作成される。
【0099】
ここで、表示設定も、各映像信号の表示領域の大きさと位置に関する点以外にも、各画面領域の配置関係、画面の更新の割合、色特性、階調特性(ガンマ特性)、アスペクト比などが想定される。
【0100】
表示部属性は、表示部によってきまるので信号源によらない。解像度、画面サイズ以外にも、表示部の画面更新周波数、色特性、階調特性(ガンマ特性)、アスペクト比などがある。
【0101】
これらの各情報に従い作成される画像変換情報は以下のようになる。
【0102】
PC1信号に対しては、そのままの解像度で表示するので、解像度変換倍率が1であり表示位置も変換しない。PC2信号に対しては、表示領域1/4QXGAに対して、XGAの解像度であり、画素数が一致するので、これも解像度変換倍率が1であり、表示座標のみを変換する。
【0103】
チューナ信号に対しては、HDTVの画像を、1/4QXGAの範囲には収めることができないので、SDTVにフォーマット変換(解像度変換)を行う。また、PDA信号に対しては、前述のように10ポイントの大きさで表示をするために、解像度変換倍率を1.78として、表示座標も変換する。
【0104】
図9では、表示領域に関わる項目のみを例示しているので、これらの画像変換は図8の画像処理部103により制御されるが、実際には、画面更新周波数、色特性、階調特性(ガンマ特性)、アスペクト比等、さまざまな画像変換を行うので、実際の画像変換部も図8の構成はごく一部の回路を例示したに過ぎない。
【0105】
このようにして、1つの画像表示装置上に、4つの信号源からの画像に対して入力信号の属性をもとに画像変換を自動で行い、最適化した多画面表示を行う。
【0106】
次に、図1に示したディスプレイ100が使用される環境について説明する。
【0107】
図10は、現在策定が進められているHAViやJiniといった家庭内でネットワーク接続される機器間での通信の規格における各機器間の接続形態の例を示す。
【0108】
図10において、1001及び1013はデジタルテレビ放送の受信可能なデジタルテレビ受信機である。ここで、DTV1001はセットトップボックス1002を介してIEEE1394などのネットワークに接続され、STB1002とは1019で示されるD端子などの画像専用のケーブルで接続される。また、DTV1013は、IEEE1394のインターフェースを内蔵しているため、直接ネットワークに接続されている。
【0109】
また、1004がPC、1003がそのディスプレイ、1018aがその専用画像ケーブルである。また、同様に1010がPC、1009がそのディスプレイ、1018bがその専用画像ケーブルである。ここで、PC1004、PC1010ともIEEE1394のネットワークに接続されるが、これはディスプレイ1003,1009への画像信号ではなく、その他の信号の伝送に使用される。
【0110】
その他に、1005が別系統のデジタルテレビのチューナであり、1006がデジタルVTR、1011がDVDプレーヤ、1012が番組録画のためのハードディスクからなるサーバであり、これらのAV機器はIEEE1394ネットワークで接続されて、相互に接続して画像信号をやり取りする。1014は公衆網1015に接続するモデムであり、1016が公衆網に接続する電話回線などである。
【0111】
1007と1008はIEEE1394ネットワーク上の信号を分岐接続するためのハブである。1017a〜1017jはIEEE1394規格の通信線である。
【0112】
このように接続された家庭内ネットワークで、ユーザはDTV1001や1013で、様々なソース(チューナ1005、デジタルVTR1006、DVDプレーヤ1011、HDD1012)を離れた場所から使用可能な環境が実現する。
【0113】
本形態のディスプレイ100は、例えば、DTV1001あるいは1013の表示用モニタとして適用可能となる。
【0114】
このように、本実施形態によれば、複数の画像信号を同時に入力し、これら複数の入力画像信号に係る画像を同一画面上に表示する際、各入力画像信号の識別信号に対応付けて入力画像信号の最適な表示に必要な画像変換情報を記憶しておき、画像信号の入力があった場合にこの入力信号に応じた最適な処理を迅速に行うことができる。
【0115】
そのため、複数の画像信号が入力される場合でも常に良好な画像表示を実現可能となる。
【0116】
また、入力画像信号に付加された属性情報と、表示デバイス自身の表示属性情報、及び、ユーザによる表示設定情報に従って画像変換情報を自動的に生成し、これを入力画像信号の識別情報と対応付けて記憶することで、入力画像信号の属性が変化した場合にもこれを迅速に検出でき、入力画像信号の変化に応じて迅速かつ最適な画像表示を行うことができる。
【0117】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0118】
本形態では、IEEE1394と無線インターフェース(I/F)などの複数の伝送系からなるネットワーク上で、IEEE1394経由のPCからの画像信号と無線I/F経由のデジタルカメラからのJPEG圧縮信号といった異なるフォーマットの信号を、1つのディスプレイ上に多画面表示する画像処理装置に本発明を適用した例を示す。
【0119】
図11は本形態における画像処理装置が適用されるネットワークの構成図を示す図である。
【0120】
図11において、1101および1113が多画面表示を行うディスプレイである。ここで、ディスプレイ1101はセットトップボックス1102を介してIEEE1394などのネットワークに接続され、STB1102とはTMDS伝送方式などの画像専用のケーブル1119で接続される。また、ディスプレイ1113はIEEE1394I/Fを内蔵しているため、直接ネットワークに接続されている。
【0121】
ここで、STB1102とディスプレイ1113に対して本発明の表示制御処理が適用される。
【0122】
また、1104がPC(PC1)であり、1106がPC(PC2)である。
PC1104およびPC1106の画像データもネットワークを介してディスプレイ1101及びディスプレイ1113に送信され、表示される。
【0123】
その他に、1105がデジタルテレビのチューナであり、1111がDVDプレーヤ、1112が番組録画のためのハードディスクからなるサーバである。これらのAV機器はIEEE1394ネットワークで接続されて、相互に接続して画像信号をやり取りする。
【0124】
また1103、冷蔵庫やエアコン、電子レンジなどの家電機器である。1114は公衆網1115に接続するモデムであり、1116が公衆網に接続する電話回線などである。1107と1108はIEEE1394ネットワークを流れるデータを分岐接続するためのハブである。1117a〜1117jは、IEEE1394規格の通信線である。
【0125】
更に、1109がデジタルカメラであり、1110がPDAなどの携帯機器である。1118a及び1118bが無線通信規格による無線通信I/Fである。
【0126】
このように接続された家庭内ネットワークで、ユーザはディスプレイ1101や1113により、様々なソース(PC1104,PC1106,チューナ1105、DVDプレーヤ1111、HDD1112、デジタルカメラ1109、PDA1110等)、さまざまな通信形態の画像を離れた場所から使用可能な環境を実現する。また、家電機器1103の制御も同じディスプレイ1101,1113上で行うことができる。
【0127】
また、PC1104、PC1106のキーボードやマウスなどの操作入力手段は不図示であるが、各ディスプレイ1101,1113の近くからネットワークを介して操作を行うことが可能である。
【0128】
次に、図12を用いて、本実施形態において実現する表示画像を説明する。
【0129】
図12において、1201がQXGAの画素数を有するディスプレイの画面である。1202がこの画面全域に親画面として表示されている、PC1のQXGAの解像度の表示画像である。1203がXGAの解像度で、親画面の1/4の領域に子画面として表示されている、PC2の画像である。1204がHDTVの1920×1080画素の解像度の映像を720×480画素に解像度変換して親画面の1/4の領域に表示されている、デジタルテレビチューナの画像である。
【0130】
1205、無線I/Fで圧縮画像を受信した場合に表示を行う領域として表示設定されている800×600画素の表示領域である。
【0131】
いま、図12(b)に示すQSXGA(2560×2048画素)の圧縮画像が、無線I/Fを介してデジタルカメラから送信されるとする。
【0132】
そのままQSXGAの画像を表示した場合、画面は図12(c)のようになり、一部がかけた画像となってしまうばかりでなく、他の画像が表示できない。
【0133】
そこで、本形態における画像処理装置は、前述の第1の実施形態と同様、無線I/Fから受信した新規の信号であるデジタルカメラの画像に与えられた識別番号と、入力属性である圧縮フォーマットと画像の画素数から、800×600画素の表示領域1205への画像変換を行うための解像度変換倍率と表示座標変換の情報を自動作成する。これにより、図12(d)に示す多画面表示が実現される。
【0134】
次に、本形態の画像処理装置及びその周辺装置について、図13を用いて説明する。図13は本実施形態における画像処理装置1500及びディスプレイ1600と、その周辺装置1300,1400の構成を示す図である。
【0135】
図13において、1300はPC2であり、図11のPC1106に相当する。また、1400はデジタルカメラ(DC)であり、図11のデジタルカメラ1109に相当する。また、1500がネットワークを介した各信号源からの画像信号を合成するとともに、ディスプレイ1600にて表示を行うために適した形式の信号に変換する画像処理装置としてのセットトップボックスであり、図11のSTB1102に相当する。また、1600がディスプレイであり図11のディスプレイ1101に相当する。なお、図13においては、各機器における表示画像の処理に関するブロックのみについて記載、説明し、他の構成、例えば、DC1400においては撮像部、記録再生部等の構成についての説明は省略する。
【0136】
PC1300およびDC1400において、1301,1401がCPUであり、1302,1402がこのCPU1301,1401の制御信号を装置各部に伝えると共に、全体のデータバス、制御バスを制御するバスコントロール部である。1303,1403が各部を接続するデータバスおよび制御バスからなるシステムバス配線である。1304,1404がCPU1301,1401とバスコントロール部1302,1402とのバス配線である。
【0137】
1305,1405はそれぞれ各機器のメインメモリ部であり、1306,1406はハードディスクやフラッシュメモリなどの記録媒体部である。1307,1407がディスプレイ1600への表示用の画像信号を作成するグラフィック描画部であり、ここで、ディスプレイ1600への出力画像属性(解像度、画素周波数、画面の更新周波数、ガンマ特性、階調数、色特性など)にあわせた出力が行われる。
【0138】
1308,1408は、グラフィック描画部1307,1407の画像処理時に用いられる画像メモリであり、データバス1309,1409によりグラフィック描画部1307,1407と接続される。1310,1410はグラフィック作成部1307,1407で作成された画像信号を、ディスプレイ1600(STB1500)に伝送するための部分書き換え信号や圧縮信号に変換圧縮するための画像エンコード部であり、バス1311,1411によりそれぞれグラフィック描画部1307,1407との間のデータのやり取りを行う。
【0139】
1312は、画像エンコード部1310により生成された画像信号をIEEE1394に規定されるフォーマットに変換して通信するIEEE1394通信部である。また、1412は、画像エンコード部1410により生成された画像信号を無線I/F規格に規定されるフォーマットの通信用信号に変換して通信する無線I/F部である。また、1313はディスプレイ1600(STB1500)から通信されたEDID情報の記憶部である。
【0140】
また、CPU1301において、1301aはPC1300の画像制御部であり、STB1500から受信したディスプレイのEDID情報を受けて、グラフィック描画部1307を制御する。1301bは画像属性情報作成部であり、PC1300より送信する画像の画像属性情報を作成する。ここで、画像属性情報とは、画像の解像度、画像の大きさ、使用文字フォントの大きさ、画面の更新周期、階調数、色、アスペクト比や伝送方式、圧縮方式、圧縮率、書き換え周期などである。
【0141】
同様に、CPU1401においても、1401aは画像制御部、1401bは画像属性情報作成部であるが、DC1400においてはPC1300とは異なりEDID通信を行わず、記録媒体部1406に記録されている複数の静止画像データをグラフィック描画部1407にて表示に適した形態の信号に変換する処理を画像制御部1401aにて制御する。また、画像属性情報作成部1401bは伝送する画像信号は静止画像であるため、画像の解像度、画像の大きさ、階調数、アスペクト比や伝送方式、圧縮方式、圧縮率などを属性情報として生成する。
【0142】
なお、画像制御部1301a,1401a及び、画像属性情報作成部1301b、1401bの処理は実際にはCPU1301,1401内部においてソフトウェア処理にて実現される。
【0143】
次に、STB1500において、1501がこのSTB1500を制御するマイコンであり、1502がこのマイコン1501からの制御バス及びデータバスからなる配線群である。
【0144】
また、1503はIEEE1394通信部であり、PC1300のほか、IEEE1394ネットワーク1517を介して他の接続機器との間で画像データおよび他のデータの送受信を行う。1504は無線I/Fであり、DC1400との間で無線I/F規格に従いデータ1518の送受信を行う。
【0145】
1505はIEEE1394通信部1503から出力される画像データを復号してもとの画像データに変換すると共に、画像データに付加されている識別情報や属性情報を抽出し、画像合成部1507に送る。1506も同様に、無線I/F1504から出力される画像データを復号してもとの画像データに変換すると共に、画像データに付加されている識別信号や属性情報を検出し、画像合成部1507に出力する。
【0146】
1507はこれらのデコーダ1505,1506からの出力を画像メモリ部1508を用いて合成する画像合成部である。また、画像合成部1507はバス1502を介してマイコン1501と接続しており、デコーダ1505,1506から出力される各入力画像データの識別信号と属性情報とをバス1502を介してマイコン1501に出力する。
【0147】
1509は画像合成部1507により合成処理された画像信号をディスプレイ1600に用いられる液晶やCRTなどの特性にあわせて、ガンマ特性や色特性などを変換し、オンスクリーンディスプレイなどの文字表示を行う画像表示用処理部である。1510は画像信号処理部1509から出力された画像信号をVGA規格やDVI規格に従って処理し、ディスプレイ1600に出力する画像送信部である。
【0148】
また、1511がディスプレイ1600との間でEDID情報を通信するためのDDC通信部であり、DDC通信部1511は受信したEDID情報をバス1502を介してEDID情報格納部1512に記憶する。
【0149】
また、CPU部1501において、1501aはデコーダ1505,1506にてデコードされ、画像合成部1507を介して出力される各入力画像信号に付随した識別信号を取得する識別信号取得部であり、1501bは同様に入力画像信号に付随した属性信号を取得する属性情報取得部である。
【0150】
また、1513は属性情報取得部1501bにより得られた属性情報を欠く入力信号の種類に対応付けて記憶する属性情報記憶部であり、1514はユーザ操作部1515により設定された表示設定情報を各入力画像信号の識別信号に対応付けて記憶する表示設定記憶部である。
【0151】
また、マイコン1501における1501cはこれら表示設定情報と、入力信号属性情報、及び画像表示属性であるEDID情報から、画像合成部1507において入力画像信号を表示に適当な表示信号に変換するための制御信号である画像変換情報を作成する画像変換情報作成部である。ここで作成された画像変換情報は各入力画像信号の識別信号に対応付けて画像変換情報記憶部1516に記憶される。
【0152】
なお、識別信号取得部1501a,属性情報取得部1501b及び画像変換情報作成部1501cの処理はマイコン1501にてソフトウェア処理にて実現される。
【0153】
次に、ディスプレイ1600において、1601はこのディスプレイ1600を制御するマイコン部であり、1602はこのマイコン1601からの制御バスおよびデータバスからなる配線群である。
【0154】
1603は画像受信部であり、STB1500の画像送信部1510より送信された画像データを受信し、RGB各色8ビットのデジタル信号等の信号処理に適したフォーマットに変換する画像受信部である。1604はメモリ1605を用いて画像受信部1603より出力される画像データの画素数を画像表示部1607の表示画素数にあわせるための解像度変換や画面更新周波数の変換を行うための解像度変換部である。
【0155】
1606は画像表示部1607に用いられる液晶やCRTなどの表示デバイスの特性にあわせて、ガンマ特性や色特性などを変換し、オンスクリーンディスプレイなどの文字表示を行う画像表示用処理部である。1607は液晶やCRTなどの素子で構成される画像表示部である。また、1608はディスプレイ1600の表示属性情報であるEDID情報をSTB1500に通信するDDC通信部である。
【0156】
本形態では、前述の第1の実施形態においてディスプレイ100が行っていた識別信号、属性情報の取得処理、画像変換情報の生成処理及びこの画像変換情報を用いた画像処理の制御をSTB1500にて行い、ディスプレイ1600に対してはこのように処理された画像信号を画像送信部1510により送信する。従って、ディスプレイ1600は従来の通り、DVI規格やVGA規格の画像データを受信し、これを表示する機能を持つものでよい。
【0157】
次に、図13のSTB1500によるこのような表示制御に関する処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。図14の処理は基本的には図5の処理と同様である。
【0158】
STB1500に対して画像、音声信号が入力されると、識別信号取得部1501aにより入力信号中の識別信号を取得する(S1701)。また、入力属性信号取得部1501bにより前述のように入力信号から属性情報を取得する(S1702)。
【0159】
そして、S1703において、いま入力した画像、音声信号から取得した識別信号が新規かどうか、即ち、今まで受信したことがなく、画像変換情報記憶部114においてその識別信号が記憶されているかどうかを判断して、新規の場合はS1710に、新規でない場合はS1704に進む。
【0160】
S1703において既に受信したことがある信号であった場合、入力信号属性記憶部1513において識別信号に対応付けて記憶されている入力信号属性情報を読み出し、S1702において入力属性取得部1501aで取得した入力属性情報と比較することにより、以前に受信したときから入力属性情報が変化したかどうかを判断する。
【0161】
入力属性が変化していない場合、表示設定記憶部1514から入力識別信号に対応した表示設定を読み出し(S1706)、更に、表示設定確認ルーチンを行う(S1707)。
【0162】
その後、S1708において画像変換情報記憶部1516から入力識別信号に対応した画像変換情報を読み出す。そして、こうして得られた画像変換情報に従い、画像合成部1507を制御して入力画像信号を処理して終了する(S1709)。
【0163】
また、S1703において、新規の入力信号であった場合、あるいは、S1705において入力属性が変化した場合は、S1710において、入力信号属性記憶部1513に識別信号と対応付けて新しい入力信号属性情報を格納する。次にS1711において表示設定確認ルーチンを行う。そして、次のS1712において、表示設定記憶部1514に記憶されたこの入力画像についての表示設定情報とEDID情報格納部1512内の表示属性情報、及び前述の入力属性情報を用いて画像変換情報を作成する。
【0164】
このように作成した画像変換情報を入力識別信号と対応させて画像変換情報記憶部1516に格納する(S1713)。そして、この画像変換情報に従い、画像合成部1503を制御して入力画像信号処理して終了する(S1709)。
【0165】
図13に入力される各画像信号についての識別情報、属性情報、表示設定、画像変換情報の例を図15に示す。PC1,PC2,TVチューナに関しては、図9と同一である。本形態では新たにDC1400からの画像信号を受信する。図12(d)に示した如く新たにDC1400からの画像を表示する場合には、新たな入力画像信号の識別信号としてDC1400からの出力画像の識別ID、及び入力属性情報を取得し、この属性情報とDC画像についての表示設定情報、及びEDID情報に従って画像変換情報を新たに生成する。図15の例では、DC画像の属性が2560×2048画素であるのに対して、表示設定が800×600画素なので、得られる解像度変換倍率は0.3になる。
【0166】
そして、画像変換情報作成部1501cはこの解像度変換率と、表示設定情報にて規定されるDC画像の表示アドレスとに基づき、前記式(1)と式(2)に従って画像変換情報を作成する。
【0167】
このように、本実施形態においても、複数の画像信号を同時に入力し、これら複数の入力画像信号に係る画像をディスプレイにおいて同一画面上に表示する際、各入力画像信号の識別信号に対応付けて入力画像信号の最適な表示に必要な画像変換情報を記憶しておき、画像信号の入力があった場合にこの入力信号に応じた最適な処理を迅速に行うことができる。
【0168】
そのため、複数の画像信号が入力される場合でも常に良好な画像表示を実現可能となる。
【0169】
また、入力画像信号に付加された属性情報と、表示デバイス自身の表示属性情報、及び、ユーザによる表示設定情報に従って画像変換情報を自動的に生成し、これを入力画像信号の識別情報と対応付けて記憶することで、入力画像信号の属性が変化した場合にもこれを迅速に検出でき、入力画像信号の変化に応じて迅速かつ最適な画像表示を行うことができる。
【0170】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、多様な入力画像信号に対して、入力識別信号と入力信号属性を取得して、対応するあらかじめ決められた表示設定にしたがって、画面上に表示するための画像変換を自動処理する表示装置を実現する。これにより、複数の映像信号の表示属性(画像領域(画像の大きさ、位置)、文字の大きさ、解像度、画面の更新周期、階調数、色、アスペクト比等)を自動制御可能な構成とすることにより、見やすくまた用途に応じた表示特性を実現する多画面表示装置を提供できる。
【0171】
また、従来アプリケーション毎や表示装置のウインドウやチャンネル毎に画像表示情報を設定していた点に対して、入力信号の識別信号に対して画像変換情報を自動作成して記憶する手段を設けたことにより、新規の画像入力や同一信号源からの信号属性の変化に対して追従して自動対応可能な表示装置を実現する。これにより、ネットワーク独特の多対一や多対多接続における新規の画像入力や同一信号源からの信号属性の変化に柔軟に対応できて、しかもユーザの扱いやすいネットワーク型の表示装置を提供できる。
【0172】
なお、前述の各実施形態においては、マイコン部、あるいはCPU部により装置の制御が行われるが、これらの制御のために用いられるプログラムを記憶したROM,HDD等の記憶媒体も本発明を構成する。
【0173】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の画像信号を入力し、これらの画像信号に係る画像を表示する際、最適な表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるディスプレイシステムの構成を示す図である。
【図2】図1のディスプレイにて扱うデータの様子を示す図である。
【図3】図1のディスプレイによる表示例を示す図である。
【図4】PDAの表示画像を示す図である。
【図5】図1のディスプレイの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5の表示設定確認ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図1のディスプレイによる具体的な表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1のディスプレイにおける画像処理部の構成を示す図である。
【図9】図1のディスプレイにて扱う各種の情報の例を示す図である。
【図10】本発明が適用されるネットワークの様子を示す図である。
【図11】本発明が適用される他のネットワークの様子を示す図である。
【図12】本発明の実施形態による他の表示例を示す図である。
【図13】本発明が適用されるディスプレイシステムの他の例を示す図である。
【図14】図13のSTBによる処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14のSTBにて扱う各種の情報の例を示す図である。
Claims (5)
- 複数系統の画像信号を入力する入力手段と、
前記複数系統の画像信号を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段より出力される複数系統の画像信号を表示装置に出力する出力手段と、
前記複数系統の画像信号に係る画像属性情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された画像属性情報と前記表示装置に係る表示属性情報とから前記画像信号を前記表示装置上に表示した際の画像サイズを算出するとともに、前記画像サイズと表示設定情報とに基づいて、前記複数系統の画像信号のそれぞれに対応する画像変換情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像変換情報に基づいて前記画像処理手段による前記複数系統の画像信号の処理を制御する制御手段とを備える画像処理装置。 - 前記画像属性情報は前記画像信号の解像度の情報を含み、前記表示属性情報は前記表示装置の解像度の情報を含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記画像処理手段は前記画像変換情報に基づいて前記画像信号の解像度を変換することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 複数系統の画像信号を入力し、前記複数系統の画像信号を処理して表示装置に出力する方法であって、
前記複数系統の画像信号に係る画像属性情報を検出し、
前記検出された画像属性情報と前記表示装置に係る表示属性情報とから前記画像信号を前記表示装置上に表示した際の画像サイズを算出するとともに、前記画像サイズと表示設定情報とに基づいて、前記複数系統の画像信号のそれぞれに対応する画像変換情報を生成し、
前記生成された画像変換情報に基づいて前記複数系統の画像信号の処理を制御することを特徴とする画像処理方法。 - 複数系統の画像信号を入力し、前記複数系統の画像信号を処理して表示装置に出力する処理において、
前記複数系統の画像信号に係る画像属性情報を検出し、
前記検出された画像属性情報と前記表示装置に係る表示属性情報とから前記画像信号を前記表示装置上に表示した際の画像サイズを算出するとともに、前記画像サイズと表示設定情報とに基づいて、前記複数系統の画像信号のそれぞれに対応する画像変換情報を生成し、
前記生成された画像変換情報に基づいて前記複数系統の画像信号を制御する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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