従来、一般的にパチンコ機と呼ばれる遊技機は、遊技盤に設けられた始動入賞口に遊技球が入賞すると、内部的なプログラムにより大当りの抽選を行う。そして、抽選の結果が大当りの場合に、遊技者へ所定の遊技価値を付与する。このような遊技機は、大当りの抽選結果に関連した種々の演出を行うための装置を実装している。例えば、複数の数字や図形等で構成される実際の抽選結果報知のための特別図柄や単なる演出を行うデモ図柄を、変動表示可能な特別図柄表示装置を遊技盤中に備えたものがある。尚、以下、特に断りなく単に図柄と呼ぶ場合は、特別図柄を指す。いくつかの文献に、このような遊技機関連の一般的な機械構造が開示されている(例えば特許文献1〜3)。
図9は、従来の遊技機の正面概観の1例を示す。図9において、遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤1201、特別図柄表示装置1202、始動入賞口1203、普通図柄表示装置作動ゲート(左)1204、普通図柄表示装置作動ゲート(右)1205、普通図柄表示装置1206、普通電動役物1207、特別図柄作動記憶表示灯(以下、保留ランプと呼ぶ)1216、1217、1218、1219、可変入賞球装置1208等を含む。尚、説明の便宜上、全ての構成部材を図示してはいない。
特別図柄表示装置1202は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)等の可変表示装置、ドラム等その他がある。特別図柄表示装置1202は、複数の数字や図形等の特別図柄を変動表示する。
始動入賞口1203は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、その入賞球を検知し、内部的なプログラムにより大当りの抽選を行い、特別図柄表示装置1202の図柄変動の契機を与える。特別図柄表示装置1202の特別図柄やデモ図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後停止し、抽選結果の報知や演出が行われる。
普通図柄表示装置作動ゲート(左)1204および普通図柄表示装置作動ゲート(右)1205は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、その通過球を検知し、普通電動役物(チューリップ)1207の開放の抽選が行われ、普通図柄表示装置1206の普通図柄の変動契機を与える。
普通図柄表示装置1206は、7セグメントLED等の表示する普通図柄を変動表示し、上述の普通電動役物(チューリップ)1207の開放の抽選に当選時には、特定の普通図柄を停止表示し、いわゆる小当りを報知する。普通電動役物(いわゆるチューリップ)1207は、普通図柄表示装置1206が小当りを報知した場合に開放し、始動入賞口1203への入賞をアシストする。
保留ランプ1216、1217、1218、1219は、図柄の変動中に始動入賞口1203に入賞した各球の抽選結果の情報を、遊技機のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し(”球の保留”)、連続して図柄変動可能な回数を報知する。又、球の保留の対象となった始動入賞口1203への入賞球を、以下”保留球”と呼ぶこととする。
ここで、図9において、保留ランプが全て点灯しており保留球が4個の場合に、保留ランプ1216の点灯が示す保留球Aに対する図柄変動(以下、保留球Aの”保留消化”と呼ぶ)が開始されたとする。保留ランプ全点灯後の最初の図柄変動である、保留球が4個の後の保留球Aによる図柄変動は、保留球Aの保留を示す保留ランプ1216の消灯後に開始される。そして、保留球Aによる図柄変動(保留ランプ全点灯後の最初の図柄変動)は、大当り報知となるかもしれない演出であるリーチ演出の場合を除いて、(リーチ演出の場合以外の)通常の図柄変動時間TL秒より短い図柄変動時間であるTS秒(<TL)の変動後、停止する。この場合、一回の図柄変動時間が短縮されるので、単位時間あたりの図柄変動回数がアップする効果がある(この機能を以下、時短機能又は単に時短と呼ぶ)。
また遊技機は、上述の大当りに当選した場合、特別図柄表示装置1202の図柄が、例えば「1、1、1」、「2、2、2」〜「9、9、9」のように予め定めた特定の図柄の組合せで停止し、特賞(いわゆる大当り)を報知する。機種によっては、2列の図柄の組み合わせの遊技機もある。特賞とは、遊技が第1の状態から第2の状態に切り替わるポイントであり、第2の状態は遊技者へ所定の遊技価値を付与する有利な状態(大当り動作、大当り中)である。
昨今の遊技機には、特賞の図柄の組合せの内さらに特定の図柄の組合せ、例えば「7、7、7」の特賞についてその大当り動作消化後に、遊技における遊技機内部の特賞の確率が通常(低確率)状態からアップする確率変動の機能を有する遊技機がある(この確率がアップする確率変動を以下、単に確変と呼ぶ)。一般に、このような確変機能付き遊技機の確変(高確率)状態は、次の大当り獲得まで継続される。確変に係る特賞の図柄の組合せを確変図柄、非確変に係る特賞の図柄の組合せを非確変図柄と呼ぶ。確変中は、一般に特別図柄表示装置1202の背景色が変わる等で、遊技者へ確変中であることを報知する。こうした確変機能を有する遊技機が開示されている文献もある(例えば特許文献4)。
又、図9において、普通図柄表示装置作動ゲート(左)1204および普通図柄表示装置作動ゲート(右)1205を球が通過する時に、普通電動役物(チューリップ)1207の開放の抽選(即ち、小当り抽選)が行われるが、確変中は普通電動役物1207の開放確率(小当り確率)もアップした状態となるのが一般的である。また、大当り動作終了後の低確率時に所定の図柄変動回数だけ、普通電動役物1207の開放確率(小当り確率)がアップした状態となる遊技機もある。低確率、高確率の状態は特賞のみならず、小当りにも別に存在するが、特に断りの無い場合、特賞の確率を指すものとする。
小当り確率がアップした状態では、頻繁に普通電動役物1207が開放し、結果、図柄の変動中に始動入賞口1203に球が入りやすくなる。このためこの状態では、常に保留ランプ全点灯となり、上述の時短機能が恒常的に働くので、単位時間あたりの図柄変動回数がアップする。上述の確変終了後に所定の図柄変動数だけ時短機能が恒常的に働く状態を、時短中と呼ぶ。このように確変終了後時短中となる遊技機も存在する。
上述の従来例では、低確率時に、保留球が4個の後の保留球による図柄変動のみに時短機能が働く場合を示したが、機種によっては保留球が4個又は3個の後の保留球による図柄変動に時短機能が働く遊技機もある。広義には時短機能は、遊技中に、球の保留が所定数以上の場合の保留消化時に働く。
さらに、図9において、可変入賞球装置1208は、特別図柄表示装置1202の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組合せとなった場合、すなわち、特賞になった時に、その後の大当り動作における可変入賞球装置1208前面に付置された開閉部材1209の開放および閉鎖の動作を行う。
大当り動作中は、開閉部材1209がほぼ水平に開き、遊技球の入賞を受け付ける大入賞口1210が開放され、多数の遊技球の入賞を受け付ける。大入賞口1210に遊技球が入賞すると、遊技機はその入賞球数相当の多数の賞球(出玉、セーフ玉とも言う)払い出しを行う。大入賞口1210の開放は、所定時間(例えば、30秒以下)経過するか、所定数の遊技球が大入賞口1210に入賞するまで、継続する(この1回の開放をラウンドと呼ぶ)。
さらに、可変入賞球装置1208は内部に特定領域1211を有する(所謂Vゾーン)。大当り動作中の大入賞口1210の開放中に特定領域1211を少なくとも1個の遊技球が通過すると、遊技機は次のラウンドの権利発生の契機が与えられる。このようにして、ラウンドは1R→2R→…と継続し、最大ラウンド(例えば15R以下)まで継続する。ラウンド中に遊技球の特定領域1211の通過がないと、最大ラウンドまで継続せずに大当り動作は終了する。従来の遊技機には、特賞毎に大当り動作中のラウンド数を変更可能としたものもある(例えば特許文献5)。
昨今、特別図柄表示装置の片隅に遊技者に目立たないほど小さな特別図柄を配し、特別図柄表示装置の前面に演出を行う大きなデモ図柄を変動させる遊技機もある。このような遊技機では、特別図柄で実際の特賞を報知しながらデモ図柄では大当り中であることを報知しない演出とすることが可能である。この大当り中であることを報知しない演出と、ラウンド数変更の機能を利用し低確率時の確変の特賞による大当り動作を「大入賞口の開放時間1秒未満の1Rのみで終了(大入賞口が一瞬開いて大当り動作終了)」する動作とを組み合わせれば、遊技者に確変の特賞を気づかれずに「突然、確変になった」と思わせることも可能である(一般に確変中は、特別図柄表示装置の背景色が変わる等で、その旨を報知する)。以下、この「突然、確変になった」と思わせる演出を、便宜上「突然確変」と呼ぶこととする。
また、遊技機は、遊技機設置設備と遊技球補給システムから成る島設備に、各々1台ずつ設置されている。島設備は、ランプや画面等により遊技者へ遊技状態を報知する情報表示装置を各遊技機上部に設置しており、遊技機の遊技盤面を通ってアウトした遊技球(打ち出された遊技球で、アウト玉とも言う)を検出するアウト玉検出装置を各遊技機下部に設置している。
遊技機は、主制御部のCPUからの情報を外部(ホールコンピュータ、情報表示装置等)へ提供するための外部情報基板を備えている。ホールコンピュータおよび情報表示装置は、遊技機の外部情報基板を介して遊技機と電気的に接続されている。主制御部のCPUは外部情報基板を介して、図柄変動の停止、大当り状態、確変状態等がわかる情報を外部へ出力する。これにより、一般に大当り動作中は情報表示装置で大当り中であることを報知する。
ホールコンピュータ(略称HC)は、遊技場で使用される周知のホールコンピュータであり、各遊技機からその稼動状況のデータを収集し、各アウト玉検出装置からの出力を収集し、遊技場の運営を管理する。或いは、各情報表示装置に遊技状態を報知する。
表1は、従来の遊技機の外部情報基板から出力される情報の一覧を示す表である。
ここで、遊技機の主制御部のCPUから出た同じ情報である大当り2、大当り0情報は、OUT5(大当り2)とOUT6(大当り0)に出力される。
図10は、表1に示した出力情報のうち、特に大当り0〜3情報の信号に関する外部情報出力仕様を示すタイミングチャートの一例である。図10は、遊技機が、低確率時の確変の特賞1となり(ステップS1001)、順に大当り動作1(ステップS1002)、確変1(ステップS1003)、確変の特賞2(ステップS1004)、大当り動作2(ステップS1005)、確変2(ステップS1006)、非確変の特賞(ステップS1007)、大当り動作3(ステップS1008)、時短中(ステップS1009)、低確率状態(ステップS1010)と遷移する例を示す。尚、図10において同様の状態のステップには同一の符号を付してある。
大当り0情報は情報表示装置に出力される。大当り1、2情報はホールコンピュータに出力される。大当り3情報もホールコンピュータに出力可能である。ここで従来のホールコンピュータとしては高機能なものと低機能なものが使用されている。高機能、低機能ホールコンピュータの差は、高機能ホールコンピュータは大当り2情報が立ち上がらなくとも大当り1情報を監視しているので、大当り1情報が立ち上がった時に大当り1、2情報を比較して確変状態と時短中を判断でき、一方、低機能ホールコンピュータは大当り2情報が立ち上がらないと大当り1情報を監視できないので、大当り2情報が立ち上がった時に大当り1、2情報を比較して確変状態と時短中を判断することにある。
尚一般的には、高機能ホールコンピュータも低機能ホールコンピュータもOUT3(大当り1)、OUT5(大当り2)と結線され、OUT2(大当り3)は結線されず使用されていない。その理由は、外部情報基板からホールコンピュータへは最大4本結線という制限があるためである。より詳しくは、従来は、高機能ホールコンピュータも低機能ホールコンピュータもOUT5(大当たり2)、OUT1(始動入賞情報)、OUT4(図柄確定回数)のみで足りていたが、予備の為にもう1つの結線を用意していた。しかし、確変が存在するようになり、OUT3(大当り1)を使うようになった。そのため、OUT3(大当たり1)、OUT5(大当たり2)、OUT1(始動入賞情報)、OUT4(図柄確定回数)の最大4本結線を使用するようなり、OUT2(大当り3)まで結線余裕がなくなったためである。
ここで、図10の外部情報出力仕様の従来例において上述の突然確変を行うとする場合、大当り動作1(ステップS1002)を大入賞口が一瞬開いて大当り動作終了する動作とし、上述の大当り中であることを報知しない演出を組み合わせた、突然確変の動作に設定しなければならない。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付し、説明の重複は省略する。又、遊技機の機械構造はたとえば、前述の特許文献1〜3等に示されるような従来例と同様とすることができるので、本実施形態での説明は本発明に関わる構成部とその補足部位のみに留め、説明の便宜上、全ての構成部材を図示してはいない。なお、遊技盤上には多数の釘が配設されているが、以下の図面においては、簡単のため、全ての釘を図示してはいない。
(装置構成)
図2は、本実施形態の遊技機200の正面概観の1例を示す。図2において、本実施形態の遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤201、特別図柄表示装置202、始動入賞口203、普通図柄表示装置作動ゲート(左)204、普通図柄表示装置作動ゲート(右)205、普通図柄表示装置206、普通電動役物207、可変入賞球装置208、遊技機ハンドル212、特別図柄作動記憶表示灯(以下、保留ランプと呼ぶ)216、217、218、219等を含む。
特別図柄表示装置202は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED(Light Emitting Diode)、ドットマトリクス表示装置、ドラム等その他がある。特別図柄表示装置202は、複数の数字や図形等の特別図柄やデモ図柄を変動表示する。尚、以下、特に断りなく単に図柄と呼ぶ場合は、特別図柄を指す。
特別図柄表示装置202の制御回路構成は、CPU、プログラムROM、RAM、画像処理用LSI(以下、VDP(Video Display Processor))、キャラクタROM、ビデオRAM、可変表示装置等を有する。
特別図柄表示装置202は、本実施形態では、背景等の画像および複数の図柄の各々を動画として表示可能な可変表示装置を有し、特別図柄表示装置202の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組合せとなった場合を特賞(いわゆる大当り)とする。特賞とは、遊技が第1の状態から第2の状態に切り替わるポイントであり、第2の状態は遊技者へ所定の遊技価値を付与する有利な状態(大当り動作、大当り中)である。
本実施形態では、遊技機の主制御部(後述)から特別図柄表示装置202のCPUへのコマンド指示に基づいて、種々多様な演出を特別図柄表示装置202で表示可能な遊技機を想定している。特別図柄表示装置202は、遊技機に適用される可変表示装置を有した従来の特別図柄表示装置が適用可能であり、その構成が当業者にあっては既に周知のため、詳細な構成の説明は要しないであろう。
始動入賞口203は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチ301(図3の説明で後述)のトリガ発生により入賞を検知し、特別図柄表示装置202の図柄変動の契機を与える。特別図柄表示装置1202の特別図柄やデモ図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後停止し、抽選結果の報知や演出が行われる。
普通図柄表示装置作動ゲート(左)204および普通図柄表示装置作動ゲート(右)205は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチ302(図3の説明で後述)のトリガ発生により、その通過球を検知し、普通図柄表示装置206の普通図柄の変動契機を与える。
普通図柄表示装置206は、7セグメントLED等の表示する普通図柄を変動表示する。普通電動役物(いわゆるチューリップ)207は、普通図柄表示装置206が特定の普通図柄を停止表示(いわゆる小当り)した場合に開放し、始動入賞口203への入賞をアシストする。
可変入賞球装置208は、特別図柄表示装置202の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組合せとなった場合、すなわち、特賞になった時に、その後の大当り動作における可変入賞球装置208前面に付置された開閉部材209の開放および閉鎖の動作を行う。
大当り動作中は、開閉部材209がほぼ水平に開き、遊技球の入賞を受け付ける大入賞口210が開放され、多数の遊技球の入賞を受け付ける。大入賞口210に遊技球が入賞すると、可変入賞球装置208の内部の大入賞口スイッチ303(図3の説明で後述)のトリガ発生により、遊技機は大入賞口210への遊技球数を把握し、その入賞の賞球(出玉、セーフ玉)払い出しの契機が与えられる。大入賞口210の開放は、所定時間(例えば、30秒以下)経過するか、所定数(以下、大入賞口規定数と呼ぶ)の遊技球が大入賞口210に入賞するまで、継続する(この1回の開放をラウンドと呼ぶ)。
さらに、可変入賞球装置208は内部に特定領域211を有する(所謂Vゾーン)。特定領域211は、遊技盤201の盤面に平行な水平方向に大入賞口210を左右に二分する中心線から、左右対称に遊技球の直径以上の幅を有する。
大当り動作中の大入賞口210の開放中に特定領域211を少なくとも1個の遊技球が通過すると、可変入賞球装置208の内部の特定領域スイッチ304(図3の説明で後述)のトリガ発生により、遊技機は次のラウンドの権利発生の契機が与えられる。このようにして、ラウンドは1R→2R→…と継続し、最大ラウンド(例えば15R以下)まで継続する。ラウンド中に遊技球の特定領域211の通過がないと、最大ラウンドまで継続せずに大当り動作は終了する。
尚、本実施形態の遊技機は、ラウンド数変更の機能を有し、低確率時の確変の特賞による大当り動作を「大入賞口210の開放時間0.4秒の1Rのみで終了(大入賞口が一瞬開いて大当り動作終了)」し、その他の特賞については「大入賞口210の開放時間最大30秒のラウンドが最大15R継続可能」である。
遊技機ハンドル212は、不図示のタッチセンサを表面に有し、ストップボタン213を付置されている。遊技者が遊技機ハンドル212を握ったことをタッチセンサが検知し、この状態で遊技機ハンドル212が右回り215又は左回り214に回されたことを遊技機ハンドル212内部の可変抵抗器(不図示)が検知すると、球発射装置317(図3の説明で後述)に遊技球を連続して打ち出す契機を与える。遊技者は、遊技機ハンドル212を右回り215又は左回り214に回して、遊技盤201上へ打ち出される遊技球の打ち出しルートを調整する。又、遊技者がストップボタン213を押すと、球発射装置317の遊技球の打ち出しが停止する。
保留ランプ216、217、218、219は、図柄の変動中に始動入賞口203に入賞した各球の情報を、図3の説明で後述するRAM310上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し(以下、”球の保留”と呼ぶ)、連続して図柄変動可能な回数を報知する。又、球の保留の対象となった始動入賞口203への入賞球を、以下”保留球”と呼ぶこととする。
図3は、遊技機200の制御回路構成および遊技機200、ホールコンピュータ327、アウト玉検出装置329、情報表示装置330の接続を示す遊技システムの構成図である。図3において、本実施形態の遊技機の制御回路構成は、特別図柄始動スイッチ301、普通図柄作動スイッチ302、大入賞口スイッチ303、特定領域スイッチ304、リセット回路305、電源回路306、入力ポート307、主制御部308、ROM309、RAM310、出力ポート311、特別図柄表示装置202、普通図柄表示装置206、大入賞口作動ソレノイド312、普通電動役物作動ソレノイド313、ランプ表示装置314、効果音発生装置315、賞球払出装置316、球発射装置317、その他スイッチ318、および外部情報基板321等を有する。
特別図柄始動スイッチ301は、遊技者により打ち出されて始動入賞口203に入賞した遊技球が、このスイッチを通過する時に、トリガを発生し入賞検知し、特別図柄表示装置202の図柄変動の契機を与える。
普通図柄作動スイッチ302は、遊技者により打ち出されて普通図柄表示装置作動ゲート(左)204および普通図柄表示装置作動ゲート(右)205を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時にトリガを発生し、普通図柄表示装置206の普通図柄の変動契機を与える。
大入賞口スイッチ303は、特賞になった時に、その後の大当り動作において、大入賞口210へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にトリガを発生し、主制御部308は遊技球の入賞検知を行う。
特定領域スイッチ304は、大入賞口210の開放中に特定領域211を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時にトリガを発生し、主制御部308は次のラウンドの権利発生を検知する。
リセット回路305は、主制御部308を初期状態にする。電源回路306は、図3の回路全体に電力を供給する。入力ポート307は、各部からの信号を取り込み、主制御部308に転送する。
主制御部308は、遊技機全体の制御を行うCPUであり、ROM309およびRAM310を内蔵する1チップCPUを使用しても、ROM309およびRAM310を外付けでバス接続したCPUを使用してもよい。
ROM309は、主制御部308用の遊技機を制御するプログラムが記憶されている。具体的には、主制御部308のCPUが行う遊技制御処理の内容を規定した図4の遊技制御プログラムを記憶している。ROM309にはさらに、特別図柄表示装置202へ指示するためのコマンドIDを初めとする、遊技機を制御するための各種のパラメータの値が格納されている。
RAM310は、主制御部308に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを初めとする各種カウンタ等を一時記憶し、又、各保留球の情報を記録する保留メモリを有する。
出力ポート311は、各部に対する信号を出力し、主制御部308から転送する。
大入賞口作動ソレノイド312は、可変入賞球装置208の内部の構成部材の1つで、特賞になった時に、その後の大当り動作において可変入賞球装置208の前面に付置された開閉部材209を開放する。
普通電動役物作動ソレノイド313は、普通図柄表示装置206が小当りの普通図柄を停止表示した場合に、普通電動役物207を開放する。
ランプ表示装置314は、遊技に関連するランプ類の表示装置であり、主制御部308の指示で複数のランプを選択的に点灯/消灯させる。これにより保留ランプ216〜219も、上記RAM310上の保留メモリに情報が記録されることに伴って点灯され、保留球の保留消化に伴って消灯される。
効果音発生装置315は、遊技に関連する音響を発生する。賞球払出装置316は、特別図柄始動スイッチ301、大入賞口スイッチ303、その他スイッチ318等で入賞検知がされた場合の、賞球(出玉、セーフ玉とも言う)の払出を行い、セーフ玉の払い出し数(賞球数)をホールコンピュータへ送信する。
球発射装置317は、遊技機ハンドル212で遊技者の球発射動作を検知すると、球を遊技盤201へ発射する。
その他スイッチ318は、始動入賞口203や大入賞口210以外のその他の入賞口へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にトリガを発生し、主制御部308は遊技球の入賞検知を行う。
外部情報基板321は、主制御部308のCPUからの情報を外部(ホールコンピュータ327、情報表示装置330等)へ提供するための基板である。ホールコンピュータ327および情報表示装置330は、遊技機の外部情報基板321を介して遊技機と電気的に接続されている。主制御部308のCPUは外部情報基板321を介して、図柄変動の停止、大当り状態、確変状態等がわかる情報を外部へ出力する。これにより、一般に大当り動作中は情報表示装置330で大当り中であることを報知する。
また図3において、ホールコンピュータ327は、各遊技機からその稼動状況のデータを収集し、各アウト玉検出装置329からの出力を収集し、遊技場の運営を管理する。或いは、各情報表示装置330に遊技状態を報知する。ホールコンピュータ327は、遊技場で使用される周知のホールコンピュータであるので、その制御回路構成については、改めて説明する必要はないであろう。
アウト玉検出装置329は、遊技機設置設備と遊技球補給システムから成る島設備内部に設置されており、遊技機の遊技盤面を通ってアウトした遊技球(打ち出された遊技球で、アウト玉とも言う)の検出を行い、ホールコンピュータ327へアウト玉検出信号を送信する。従来、アウト玉検出装置の構造や制御回路構成については、当業者には周知であるため、その説明は省略する。
情報表示装置330は、例えば遊技機の上部に設置された表示装置で、遊技機及びホールコンピュータ327からの指示によって、ランプや画面等により遊技者へ遊技状態を報知する。
情報表示装置330は、周知の遊技場の情報公開システムを適用すればよく、遊技状況の表示(遊技データの公開)として、例えば図柄回転数、大当り回数、出球、差球、トータルゲーム数等を表示したり、さらに遊技者の個人のデータ取りの可能なものが知られている。情報公開システムとしては、(株)平和のヨビダス(商標)等、種々の製品が周知であるのでその制御回路構成については、改めて説明は要しないであろう。
(動作説明)
以上述べたシステム構成において、本実施形態の遊技機の動作について以下、説明する。
本実施形態の遊技機は、確変機能を有し確変終了後時短中となる遊技機であって、特別図柄表示装置202の片隅に遊技者に目立たないほど小さな特別図柄を配し、特別図柄表示装置202の前面に演出を行う大きなデモ図柄を変動させる遊技機である。低確率時の確変の特賞においては、特別図柄で実際の特賞を報知しながらデモ図柄では大当り中であることを報知しない演出をし、大入賞口210が一瞬開いて大当り動作終了する。この際、情報表示装置330は大当り中であることを報知しない。続いて特別図柄表示装置202の背景色が変わる等で、確変中であることを報知する。即ち、遊技者に確変の特賞を気づかれずに「突然、確変になった」と思わせる「突然確変」の機能を有することに特徴がある。
さらに、突然確変の機能を有する本実施形態の遊技機の外部情報基板321から出力される情報に基づいて、従来のホールコンピュータがTY、S、およびB等の遊技機の稼動状況のデータを正確に算出できることも特徴である。
表2は、本実施形態の遊技機の外部情報基板321から出力される情報の一覧を示す表である。
ここで、遊技機の主制御部のCPUから出た同じ情報である大当り2、大当り0情報は、OUT5(大当り2)とOUT6(大当り0)に出力される。
図1は、表2に示した出力情報のうち、特に大当り0〜3情報の信号に関する外部情報出力仕様を示すタイミングチャートの一例である。図1は、遊技機が、低確率時の確変の特賞1となり(ステップS101)、順に大当り動作1(ステップS102)、確変1(ステップS103)、確変1の状態での確変の特賞2(ステップS104)、大当り動作2(ステップS105)、確変2(ステップS106)、非確変の特賞(ステップS107)、大当り動作3(ステップS108)、時短中(ステップS109)、低確率状態(ステップS110)と遷移する例を示す。尚、図1において同様の状態のステップには同一の符号を付してある。
大当り0情報は情報表示装置321に出力される。図中下線無しの大当り1情報は、従来と同様な情報であり、ホールコンピュータに出力される。大当り2、3情報もホールコンピュータに出力可能である。ここで従来のホールコンピュータとしては高機能なものと低機能なものが使用されている。高機能、低機能ホールコンピュータの差は、高機能ホールコンピュータは大当り2情報が立ち上がらなくとも大当り1情報を監視しているので、大当り1情報が立ち上がった時に大当り1、2情報を比較して確変状態と時短中を判断でき、一方、低機能ホールコンピュータは大当り3情報が立ち上がらないと大当り1情報を監視できないので、大当り3情報が立ち上がった時に大当り1、3情報を比較して確変状態と時短中を判断することにある。
ここで、本実施形態の遊技機は、図1の外部情報出力仕様において、大当り動作1(ステップS102)を大入賞口210が一瞬開いて大当り動作終了する動作とし、上述の大当り中であることを報知しない演出を組み合わせた、突然確変の動作に設定されている。
本実施形態の遊技機の外部情報基板321から出力される情報によって、突然確変を実現することができる。図1の外部情報出力仕様において、当り動作1(ステップS102)は突然確変の動作に設定されているが、ステップS102の時点における大当り0情報の大当り中信号は情報出力装置330に出力されず、情報表示装置330は大当り中を報知しない。次いで、確変1(ステップS103)で特別図柄表示装置202の背景色が変わる等で、確変を報知する。このため、遊技機は、遊技者に大当り動作1(ステップS102)を認識させないので、突然確変を認識させることができる。
一方、図1の外部情報出力仕様において、当り動作1(ステップS102)を突然確変の動作に設定してあっても、ステップS102の時点において大当り2情報の大当り中信号がホールコンピュータに出力されず、ホールコンピュータは突然確変の動作を大当り中と判断することはない。結果、ホールコンピュータは突然確変を特賞回数に繰り入れて営業時間中の遊技機の特賞中出玉平均(TY)を算出することはない。ホールコンピュータは、大入賞口210が一瞬開いて大当り動作終了し賞球払い出しがほぼ0である突然確変を、特賞回数にカウントすることが無く、TYの算出が正確となる。
従って、外部情報基板321とホールコンピュータ327の接続作業において、ユーザは、高機能ホールコンピュータを使用する場合にはOUT3(大当り1)、OUT5(大当り2)を結線し、低機能ホールコンピュータを使用する場合にも、OUT3(大当り1)、OUT5(大当り2)を結線することにより、TYを正確に算出できる。
尚、大当り1情報が立ち上がった時に大当り1、2情報を比較して確変状態と時短中を判断できる高機能ホールコンピュータでは、営業時間中の遊技機の分間スタート回数(S)およびベース(大当り中以外のアウト玉数(OUT)とセーフ玉数(IN)のIN/OUTの比、B)も、正確に算出できるので、高機能ホールコンピュータを使用する場合には常にOUT3(大当り1)、OUT5(大当り2)を結線しておけばよい。
ここで、ホールコンピュータが行うTY、S(S1とS2)、及びB(B1とB2)の算出法は、以下のようである。
TY=(大当り中OUT−大当り中IN)/特賞回数カウント
S1=OUT4(図柄確定回数)/(OUT−大当り中OUT−確変中OUT)/100
S2=OUT4(図柄確定回数)/(確変中OUT)/100
B1=(IN−大当り中IN−確変中IN)/(アウト−大当り中OUT−確変中OUT)×100
B2=確変中IN/確変中OUT×100
また、図1の外部情報出力仕様において、低機能ホールコンピュータを使用時にTYの算出については特に行わなくてもよい場合には、大当り2情報の出力をやめて、大当り情報1、3を低機能ホールコンピュータに出力するようにしてもよい。この場合、大当り3情報が立ち上がらないと大当り1情報を監視できない低機能ホールコンピュータでも、OUT3(大当り1)、OUT2(大当り3)を結線することにより、大当り3情報が立ち上がった時に大当り1、3情報を比較して確変状態と時短中を判断することで、SおよびBを正確に算出できる。
即ち、外部情報基板321からホールコンピュータ327へは最大4本結線という制限があることを鑑み、外部情報基板321とホールコンピュータ327の接続作業において、ユーザは、以下の選択が可能である。
・高機能ホールコンピュータは、OUT3(大当り1)、OUT5(大当り2)の接続をとればよい。これによって、TY、S1、B1とS2、B2を正確に算出できる。
・低機能ホールコンピュータは、OUT3(大当り1)、OUT5(大当り2)を結線することにより、TYを正確に算出できる。或いは、低機能ホールコンピュータは、OUT3(大当り1)、OUT2(大当り3)を結線することにより、S1、B1とS2、B2を正確に算出できる。
図7(a)、(b)、(c)、および図8(a)、(b)は、図1の外部情報出力仕様を示すタイミングチャートに対応した、本実施形態の遊技機の遊技状況の遷移例を示す概要図である。図7(a)はステップS101〜S102の遊技状況を示した図である。図7(b)はステップS103またはS106の遊技状況を示した図である。図7(c)はステップS104の遊技状況を示した図である。図8(a)はステップS105またはS108の遊技状況を示した図である。図8(b)はステップS109の遊技状況を示した図である。
図7(a)、(b)、(c)、および図8(a)、(b)の各図において、特別図柄表示装置202の左片隅には小さな特別図柄の左リール202a、右リール202bが2列表示されている。特別図柄の左リール202a、右リール202bは上から下へ図柄変動可能である。大当りに当選した場合、特別図柄表示装置202の特別図柄が、例えば確変図柄「A、A」、非確変図柄「F、F」等のように予め定めた特定の図柄の組合せで停止し、特賞(大当り)を報知する。大当りの抽選にはずれた場合、特別図柄表示装置202の特別図柄が、例えばはずれ図柄「B、C」等のように異なる図柄の組合せで停止し、はずれを報知する。
図7(a)は、遊技機が低確率時の確変の特賞1となり(ステップS101)、特別図柄が例えば確変図柄「A、A」で停止し、大当り動作1(ステップS102)によって大入賞口210が一瞬開いて大当り動作終了した状況を示す。この時点で、特別図柄表示装置202は上から下へスクロールする3本のリールを表示し、それらリールの大きなデモ図柄を変動表示し、デモ図柄が左から「7、7」と停止したリーチ演出となっている。
遊技者にこのリーチ演出を見せることで、大入賞口210が一瞬開いて大当り動作終了したことを分かりにくくすることができる。また、この時点における大当り0情報の大当り中信号は情報出力装置330に出力されず、情報表示装置330は大当り中を点灯等で報知しない。またこの時点まで、特別図柄表示装置202の背景色は通常の青である。
図7(b)は、遊技機が大当り動作1(ステップS102)の後確変1(ステップS103)に移行し、デモ図柄を変動停止して上記リーチ演出を「7、7、9」のハズレ演出で終了した状況を示す。この時点で特別図柄表示装置202の背景色が赤に変わり、確変を報知する。このため、遊技機は、遊技者に低確率時の確変の特賞1を認識させないので、突然確変を認識させることができる。
図7(c)は、遊技機が次の確変の特賞2となり(ステップS104)、特別図柄が例えば確変図柄「A、A」で停止した状況を示す。この時点で、特別図柄表示装置202はデモ図柄が左から「7、7、7」と停止した大当り演出となっている。
図8(a)は、遊技機が大当り動作2(ステップS105)によって「大入賞口210の開放時間最大30秒のラウンドが、最大15R継続可能」な状況を示す。この時点で、特別図柄表示装置202は大当り中デモ画面演出となっている。また、大当り動作2(ステップS105)においては、大当り0情報の大当り中信号が情報出力装置330に出力され、情報表示装置330は大当り中を点灯等で報知する。
図7(b)はまた、遊技機が図8(a)の確変の大当り動作2(ステップS105)を終了し、確変2(ステップS106)に移行した状況を示す例でもある。この時点で特別図柄表示装置202の背景色は赤であり、確変を報知する。
また図7(c)において、特別図柄が例えば確変図柄「A、A」ではなく非確変図柄「F、F」で停止した状況と読み替えた場合、遊技機が確変2(ステップS106)において非確変の特賞となった(ステップS107)状況となる。この時点で、特別図柄表示装置202のデモ図柄が左から「7、7、7」等の停止した大当り演出となっている。
図8(a)はまた、遊技機が大当り動作3(ステップS108)によって「大入賞口210の開放時間最大30秒のラウンドが、最大15R継続可能」な状況を示す例でもある。この時点で、特別図柄表示装置202は大当り中デモ画面演出となっている。また、大当り動作3(ステップS108)においては、大当り0情報の大当り中信号が情報出力装置330に出力され、情報表示装置330は大当り中を点灯等で報知する。
図8(b)は、遊技機が図8(a)の非確変の大当り動作3(ステップS108)を終了し、確変終了後に時短中(ステップS109)に移行した状況を示す。この時点で特別図柄表示装置202の背景色は緑であり、時短を報知する。
(プログラムの処理説明)
本実施形態の遊技機の上述した動作に関わる処理は、図4のフローチャートに示す処理手順により行われる。図4の処理手順は、主制御部308のCPUが実行する遊技制御処理内容を示している。これは周期t(例えば4msec)毎に起動される割り込み処理であり、主制御部308のCPUが、ROM309に記憶されている遊技制御プログラムを読み出して実行することにより行われる遊技制御割りこみ処理である。
図4において、遊技機に電源が投入されると、主制御部308は画像、ランプ、音声および遊技等に関わる初期設定を行う(ステップS400)。例えば、RAM310上の大当り中フラグ、確変フラグ、突然確変フラグ、時短中フラグをデフォルトのOFFとする。
その後主制御部308は、周期t毎にステップS410の処理により、RAM310上の大当り乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、特賞用の大当り乱数を発生する。同時にステップS410において、主制御部308は、RAM310上の小当り乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、普通図柄用の小当り乱数を発生する。尚、本実施形態において、ループカウンタとは、0〜所定の最大値までの値をサイクリックに更新するカウンタを意味する。
ステップS420の処理中で、主制御部308は、始動入賞口203への入賞球を特別図柄始動スイッチ301によって検知すると、大当り乱数ループカウンタから大当り乱数を読み取ってRAM310上にバッファリングする。また、図柄変動中に始動入賞口203に球が入賞したことを特別図柄始動スイッチ301によって検知すると、主制御部308は大当り乱数ループカウンタから大当り乱数を読み取り、RAM310上の保留球の保留メモリにバッファリングする(球の保留)。図柄変動中にこのステップが繰り返し実行される毎に、RAM310上の保留メモリ上に連続的に各大当り乱数の値が複数保留球分記憶される。
また、ステップS420の処理中で、主制御部308は、普通図柄表示装置作動ゲート(左)204(又は、普通図柄表示装置作動ゲート(右)205)の球の通過を検知すると、小当り乱数ループカウンタから小当り乱数を読み取ってRAM310上にバッファリングする。
さらに、ステップS420の処理中で、主制御部308は、特別図柄始動スイッチ301による始動入賞口203への入賞検知、大入賞口スイッチ303による大当り動作時の大入賞口210への入賞検知、その他スイッチ318による始動入賞口203や大入賞口210以外のその他の入賞口への入賞検知の結果を、RAM310上にセーブする。特に大入賞口210への入賞検知の際には、主制御部308は、RAM310上の大入賞口カウンタをインクリメント(+1)する。さらに主制御部308は、特定領域スイッチ304による特定領域211を通過した遊技球の検知の際には、RAM310上のVフラグをONにする。
遊技機のエラー発生状況は、主制御部308がステップS430の処理を行うことにより、チェックされる。
主制御部308は図柄変動、役物制御等遊技に関わる制御をステップS440の遊技管理処理で行う。始動入賞口203への入賞球又は上記保留球の保留消化による特別図柄の変動開始時には、RAM310上のリーチ乱数ループカウンタから読み取られるリーチ乱数、図柄乱数ループカウンタから読み取られる図柄乱数、および始動入賞口203への入賞球の大当り乱数又はその保留球の保留メモリに記憶されている大当り乱数に基づいて、主制御部308は変動パターン指定コマンド、および特別図柄の左リール202aと右リール202bの各停止図柄指定コマンド等をRAM310上に準備する。
この処理は、主制御部308がステップS440の遊技管理処理を行う中で、図柄変動開始時と判断された場合に行われる。ここで、変動パターンとは、はずれ、リーチ、特賞等の画面変動の見た目をいう。上述したリールの大きなデモ図柄の変動表示の態様が変動パターンで決められている。
また主制御部308はステップS440において、大当り動作中には、大入賞口210を所定時間だけ開放することを大入賞口作動ソレノイド312に指示するための、大入賞口開放データをRAM310上の所定エリアにセットする。
また、普通図柄表示装置作動ゲート(左)204(又は、普通図柄表示装置作動ゲート(右)205)の球の通過による普通図柄の変動開始時には、RAM310上の小当り乱数に基づいて、主制御部308は普通図柄の停止図柄データ等を準備する。この処理は、主制御部308がステップS440の遊技管理処理を行う中で、普通図柄変動開始時と判断された場合に行われる。ステップS440の処理は図5の説明で後述される。
次に、ステップS420でRAM310上にセーブした、特別図柄始動スイッチ301による始動入賞口203への入賞検知、大入賞口スイッチ303による大当り動作時の大入賞口210への入賞検知、その他スイッチ318による始動入賞口203や大入賞口210以外のその他の入賞口への入賞検知の各結果に対して、主制御部308は各々の賞球の払い出し数をRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS450)。
また、主制御部308からの遊技状態の情報を、外部情報基板321を介して遊技機外部(主にホールコンピュータ327や情報表示装置330)に伝えるために、主制御部308はステップS460の処理を行うことにより情報を外部に伝える。
遊技機がランプ、音声、画像、賞球の払い出し、役物動作等の出力データを制御する場合、主制御部308は、ステップS470の処理により出力データの制御を行う。例えば、主制御部308は上記保留球を報知するために、保留メモリの大当り乱数の格納状況に応じて、ランプ表示装置314に対して保留ランプの点灯を指示し、或いは、RAM310上に準備した画像制御のコマンド(図柄停止コマンドその他)を特別図柄表示装置202へ送信する。
または、ステップS470の処理により主制御部308は、RAM310上にセットした賞球の払い出し数に基づいて、賞球払出装置316へ賞球の払い出しを指示する。或いは、主制御部308はRAM310上の所定エリアにセットした大入賞口開放データと大入賞口閉鎖データに基づいて、可変入賞球装置208の前面の大入賞口210を開放や閉鎖することを、大入賞口作動ソレノイド312に指示する。
リーチ乱数ループカウンタ、図柄乱数ループカウンタの更新は、主制御部308がステップS480の割り込み残余時間を利用してそれら乱数カウンタをn回(nは自然数)更新することにより行われる。
図5は、図4のステップS440の、遊技管理処理の処理内容を示す。ステップS500において、主制御部308は、大当り中フラグをチェックし、大当り中フラグONの場合には大当り中のため、大当り処理(ステップS520)を行い、処理をステップS550へ進める。大当り中フラグOFFでRAM310上の図柄変動タイマが0、即ち大当り中でも図柄変動中でもない場合、この時点における処理対象である図柄変動に係る大当り乱数(始動入賞口203への入賞球の大当り乱数又は保留メモリの入賞球の大当り乱数)が、RAM310上に格納されているかチェックし、始動入賞口203への入賞球又は保留球の保留消化に伴う図柄変動開始と判断した場合、処理をステップS501へ進める。
ステップS501において主制御部308は、RAM310に記憶されている図柄変動に係る大当り乱数に基づいて、開始する図柄変動の特賞の判定を行う。大当り乱数が特賞の値でない場合、RAM310上の特賞フラグをOFFにし、特賞の値と判定された場合、特賞フラグをONにする。
ここで、確変フラグがONの場合は、特賞の判定を行う特賞の値の個数を増やし、特賞確率をアップさせる。時短中フラグがONの場合は、RAM310上の時短変動カウンタをデクリメント(−1)し、その結果時短変動カウンタが0であれば時短中フラグをOFFにする。
また、ステップS501において主制御部308は、確変フラグがONの場合、特別図柄表示装置202に背景色を赤とする指示をするために、イベントに赤をセットした背景色指定コマンド(コマンドID=6)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。確変フラグがOFFで時短中フラグがONの場合、特別図柄表示装置202に背景色を緑とする指示をするために、イベントに緑をセットした背景色指定コマンド(コマンドID=6)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。確変フラグと時短中フラグがOFFの場合、特別図柄表示装置202に背景色を通常の青とする指示をするために、イベントに青をセットした背景色指定コマンド(コマンドID=6)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。また、突然確変パンクフラグをOFFにする。
主制御部308は、ステップS502において特賞判定結果、リーチ乱数ループカウンタから読み取られるリーチ乱数および図柄乱数ループカウンタから読み取られる図柄乱数から、特別図柄表示装置202に停止表示される複数の図柄を決定する。
ステップS502においては例えば、
(I)特賞判定は“特賞フラグON”、リーチ乱数から一意に決められるデモ図柄変動のリーチ種別が“スーパーリーチ”、図柄乱数から一意に決められる左、右の各図柄の図柄番号が順に“AH、AH”(16進表記)であるとする。そして、主制御部308は左、右の各図柄番号をイベントとして設定した左、右の各停止図柄指定コマンド(各コマンドIDは順に1、2)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。
ここで、左、右の各図柄番号“AH、AH”が確変図柄である場合、主制御部308は確変フラグをチェックし、確変フラグがOFFの場合には、低確率時の確変の特賞であるので突然確変フラグと確変フラグをONにする。既に確変フラグがONの場合には、確変状態での確変の特賞であるので突然確変フラグをOFF、確変フラグをONにする。
(II)特賞判定は“特賞フラグON”、リーチ乱数から一意に決められるデモ図柄変動のリーチ種別が“スーパーリーチ”、図柄乱数から一意に決められる左、右の各図柄の図柄番号が順に“FH、FH”(16進表記)であるとする。そして、主制御部308は左、右の各図柄番号をイベントとして設定した左、右の各停止図柄指定コマンド(各コマンドIDは順に1、2)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。
ここで、左、右の各図柄番号“FH、FH”が非確変図柄である場合、主制御部308は確変フラグをチェックし、確変フラグがOFFの場合には、低確率時の非確変の特賞であるので突然確変フラグと確変フラグをOFFにする。既に確変フラグがONの場合には、確変時の非確変の特賞であるので突然確変フラグと確変フラグをOFF、時短中フラグをONにし、時短中が継続する所定の図柄変動数を時短変動カウンタにセットする。
(III)特賞判定は“特賞フラグをOFF”、リーチ乱数から一意に決められるデモ図柄変動のリーチ種別が“リーチなし”、図柄乱数から一意に決められる左、右の各図柄の図柄番号が順に“BH、CH”(16進表記)であるとする。この場合、主制御部308はそれら各図柄番号をイベントとして設定した左、右の各停止図柄指定コマンド(各コマンドIDは1、2)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。
次に主制御部308は、ステップS503において、上記の特賞の判定、リーチ乱数、図柄乱数に基づいて、デモ図柄変動の変動パターンを決定する。例えば上記(I)の“特賞フラグON、スーパーリーチ、確変図柄で、突然確変フラグON”の場合には、変動パターン情報として「変動パターンID=3(特賞、確変図柄、突然確変)、変動パターンイベント=リーチ種別(リーチ乱数)(“スーパーリーチ”)」が決定される。そして、主制御部308は決定した変動パターン情報をイベントとして設定した変動パターン指定コマンド(コマンドID=4)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。
或いは上記(I)の“特賞フラグON、スーパーリーチ、確変図柄で、突然確変フラグOFF”の場合には、変動パターン情報として「変動パターンID=4(特賞、確変図柄、非突然確変)、変動パターンイベント=リーチ種別(リーチ乱数)(“スーパーリーチ”)」が決定される。そして、主制御部308は決定した変動パターン情報をイベントとして設定した変動パターン指定コマンド(コマンドID=4)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする。
上記図柄変動に要する各コマンドの情報のセットが済むと、ステップS504において主制御部308は図柄変動を監視するための図柄変動タイマを、変動パターンIDから一意に決められるデモ図柄変動に見合った所定の値にセットする。
同様に図5において、主制御部308は、普通図柄変動に係る小当り乱数が、処理対象としてRAM310上に格納されているかチェックし、普通図柄表示装置作動ゲート(左)204(又は、普通図柄表示装置作動ゲート(右)205)の球の通過に伴う普通図柄変動開始と判断した場合(ステップS550)、処理をステップS551へ進める。
次に主制御部308は、RAM310に記憶されている普通図柄変動に係る小当り乱数に基づいて、開始する普通図柄変動の小当りの判定を行う。小当り乱数が小当りの値でない場合、RAM310上の小当りフラグをOFFにし、小当りの値と判定された場合、小当りフラグをONにする(ステップS551)。
ここで、確変フラグON、または時短中フラグがONの場合は、小当りの判定を行う小当りの値の個数を増やし、小当り確率をアップさせる。
主制御部308は、小当り判定結果から、普通図柄表示装置206に停止表示される普通図柄を決定する。例えば、小当り判定は“小当りフラグON”、小当り判定結果から一意に決められる普通図柄の停止図柄データが”7H”(16進表記)であるとする。そして、主制御部308は普通図柄の停止図柄データをRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS552)。
次に主制御部308は、普通図柄変動を指示する変動指示データをRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS553)。
上記普通図柄変動に要する各データのセットが済むと、主制御部308は普通図柄変動を監視するための普通図柄変動タイマを所定の値にセットする(ステップS554)。
主制御部308は処理を図5から呼び出し元の図4に戻すと、上述のRAM310上の所定エリアにセットされた図柄変動に要する各コマンドの情報に基づいて、前述のステップS470の処理により、変動パターン指定コマンド、および左、右の各停止図柄指定コマンドを順次特別図柄表示装置202へ送信する。特別図柄表示装置202は、変動パターン指定コマンドによって特別図柄変動とデモ図柄変動とを開始し、デモ図柄変動の態様を把握し、後の図柄停止コマンド受信時に停止表示すべき左、右の各図柄を左、右の各停止図柄指定コマンドによって把握する。
尚、主制御部308から特別図柄表示装置202へ所望の表示の指示(コマンド)を送信し、そのコマンドに従って特別図柄表示装置202が可変表示装置に所望の動画を表示する事に関して、主制御部308と特別図柄表示装置202とのI/F(インタフェース)及び特別図柄表示装置202自身の制御手法(画像処理、図柄変動の時間管理等)は、遊技機に適用される可変表示装置を有した従来の特別図柄表示装置を使用した場合と同様とできるので、その詳細な説明は要しないであろう。
同様に主制御部308は処理を図5から呼び出し元の図4に戻すと、上述のRAM310上の所定エリアにセットされた普通図柄変動に要する各データに基づいて、前述のステップS470の処理により、変動指示データを普通図柄表示装置206へ出力する。これにより、普通図柄表示装置206は、図柄変動を開始する。
割り込み処理により図4の処理から再び図5の処理が呼び出され、ステップS500において、主制御部308は、大当り中フラグOFFで図柄変動タイマが0でない、即ち大当り中でなく図柄変動中であると判断した場合、(ステップS505→S506)、図柄変動タイマを割り込み周期t(例えば4msec)分だけ減算する(ステップS506)。ステップS500において、大当り中、図柄変動開始、図柄変動中のいずれでもない場合、主制御部308は処理をステップS505→S509と進める。
また、ステップS506において図柄変動タイマが0になると、主制御部308は、図柄停止コマンド(コマンドID=5)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS507→S508)。
主制御部308は、図柄変動タイマが0、即ち図柄変動中でない場合、特賞フラグをチェックし(ステップS509)、特賞フラグONの場合、主制御部308は、大当り中フラグをONにし、大当りコマンド(各コマンドIDは3)の情報をRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS510)。主制御部308は、後のステップS470の処理により、大当りコマンドを特別図柄表示装置202へ送信し、それを受信した特別図柄表示装置202は、大当り中デモ画面を表示する。ただし、突然確変フラグがONの場合には、大当り中デモ画面を表示させないために、大当りコマンドの情報をRAM310上にセットしない。
さらに主制御部308は、ステップS510において、RAM310上のラウンドカウンタ、開放タイマを所定の値にセットし、インターバルタイマを所定の値(数秒)にセットし、VフラグをOFF、大入賞口カウンタを0にする。詳細には、突然確変フラグがONの場合には、ラウンドカウンタを1ラウンド、開放タイマを0.4秒にセットし、突然確変フラグがOFFの場合には、ラウンドカウンタを15ラウンド、開放タイマを30秒にセットする。
ステップS506において図柄変動タイマが0にならない場合、主制御部308は、処理をステップS550へ進める(ステップS507→S550)。また主制御部308は、特賞フラグをチェックし(ステップS509)、特賞フラグOFFの場合、処理をステップS550へ進める(ステップS509→S550)。
ここで、ステップS500において大当り中と判断された場合行われる、大当り処理(ステップS520)を、図6を参照し説明する。尚、制御部308は大当り処理(ステップS520)の後、処理をステップS550へ進める。
図6において、主制御部308は、ステップS600においてインターバルタイマの値を割り込み周期t(例えば4msec)分だけ減算し、ステップS605でインターバルタイマが0となったか、即ち大入賞口210の開放待ちがタイムアウトしたか否かを判定する。大入賞口210の開放待ちがタイムアウトした場合、ステップS610において、主制御部308は、可変入賞球装置208の前面の大入賞口210を開放することを、大入賞口作動ソレノイド312に指示する大入賞口開放データをRAM310上の所定エリアにセットする。大入賞口210の開放待ちがタイムアウトしない場合、主制御部308は処理を呼び出し元の図5の処理に戻す(ステップS605→リターン)。
ステップS610に続いて、主制御部308はステップS615において、開放タイマの値を割り込み周期t分だけ減算し、ステップS620で開放タイマが0となったか、即ち大入賞口210の開放がタイムアウトしたか否かを判定する。大入賞口210の開放がタイムアウトした場合、大当り動作のラウンド1回が終了したので、主制御部308は、ラウンドカウンタをデクリメントする(ステップS630)。
大入賞口210の開放がタイムアウトしていない場合、主制御部308はステップS625において、大入賞口カウンタが大入賞口規定数(通常は10カウント)に達したか否かを判定する。大入賞口規定数に達した場合、大当り動作のラウンド1回が終了したので、主制御部308は、ラウンドカウンタをデクリメントする(ステップS630)。ステップS625において大入賞口規定数に達していない場合、主制御部308は、処理をステップS655に進める。
また、主制御部308は、ステップS630に続き、VフラグがONか否かを判定する(ステップS635)。VフラグがONの場合、次のラウンドの権利が発生したため、主制御部308は、ステップS640において、開放タイマを所定の値にセットし、インターバルタイマを所定の値(数秒)にセットし、VフラグをOFF、大入賞口カウンタを0にする。詳細には、突然確変フラグがONの場合には、開放タイマを0.4秒にセットし、突然確変フラグがOFFの場合には、開放タイマを30秒にセットする。VフラグがONでない場合、次のラウンドの権利が発生しなかったため(所謂大当りのパンク)、主制御部308はステップS645において、大当り動作終了を示すために大当り中フラグをOFFにする。
次にステップS650において、主制御部308は、可変入賞球装置208の前面の大入賞口210を閉鎖することを、大入賞口作動ソレノイド312に指示する大入賞口閉鎖データをRAM310上の所定エリアにセットする。そして主制御部308は、処理をステップS655へ進める。
ステップS655において主制御部308は、ラウンドカウンタが0となったか、即ち大当り動作が終了したか否かを判定する。終了の場合、主制御部308は大当り中フラグをOFFにし、処理を呼び出し元の図5の処理に戻す(ステップS660→リターン)。終了でない場合、主制御部308は処理をステップS655から呼び出し元の図5の処理に戻す(ステップS655→リターン)。
再度、図5を参照すると、主制御部308は、普通図柄変動タイマが0でない、即ち普通図柄変動中と判断した場合(ステップS550→S555)、普通図柄変動タイマを割り込み周期t(例えば4msec)分だけ減算する(ステップS556)。
また、普通図柄変動タイマが0になると、主制御部308は、普通図柄変動停止を指示する図柄停止指示データをRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS557→S558)。
主制御部308は、普通図柄変動タイマが0、即ち普通図柄変動中でない場合、小当りフラグをチェックし(ステップS559)、小当りフラグONの場合、主制御部308は、普通電動役物207を所定時間だけ開放することを、普通電動役物作動ソレノイド313に指示する小当り処理指示データをRAM310上の所定エリアにセットする(ステップS560)。特に、確変フラグONの場合は、普通電動役物207の開状態時間を通常時より長くセットする。これにより確変中には始動入賞口203に球が入りやすくなる。
主制御部308は処理を呼び出し元の図4の処理に戻すと、上述のRAM310上の所定エリアにセットされたコマンドの情報に基づいて、ステップS470の処理により、図柄停止コマンドがRAM310上にセットされている場合、図柄変動の停止と判断する。主制御部308は前述のステップS470の処理により、図柄停止コマンドを特別図柄表示装置202へ送信する。
これにより、特別図柄表示装置202は、先の左、右の各停止図柄指定コマンド受信時に把握している左、右の各図柄で特別図柄を停止し、同時に変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンでデモ図柄変動を停止させる。ただし、「変動パターンID=3(特賞、確変図柄、突然確変)、変動パターンイベント=リーチ種別(リーチ乱数)(“スーパーリーチ”)」の変動パターン情報をイベントとして設定した変動パターン指定コマンドの場合には、特別図柄を停止した後、上述の大当り動作1(ステップS102)の後確変1(ステップS103)に移行するに十分であろう所定時間(例えば約10秒)経過後まで、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターン(スーパーリーチ)でデモ図柄を変動した後、停止させる。
また、主制御部308は、大入賞口開放データがRAM310上の所定エリアにセットされている場合、前述のステップS470の処理により、大入賞口開放データを大入賞口作動ソレノイド312へ出力する。これにより、可変入賞球装置208の前面の大入賞口210を開放する。或いは主制御部308は、大入賞口閉鎖データがRAM310上の所定エリアにセットされている場合、前述のステップS470の処理により、大入賞口閉鎖データを大入賞口作動ソレノイド312へ出力する。これにより、可変入賞球装置208の前面の大入賞口210を閉じる。
また、主制御部308は、大当りコマンドがRAM310上の所定エリアにセットされている場合前述のステップS470の処理により、大当りコマンドを特別図柄表示装置202へ送信する。特別図柄表示装置202は、大当りコマンドによって大当り中デモ画面を表示する。或いは、主制御部308は、背景色指定コマンドがRAM310上の所定エリアにセットされている場合前述のステップS470の処理により、背景色指定コマンドを特別図柄表示装置202へ送信する。特別図柄表示装置202は、背景色指定コマンドのイベントによって背景色を青、赤、緑のいずれかに変え表示する。
同様に主制御部308は処理を図5から呼び出し元の図4の処理に戻すと、上述のRAM310上の所定エリアにセットされたデータに基づいて、前述のステップS470の処理により、図柄停止指示データおよび停止図柄データを普通図柄表示装置206へ出力する。これにより、普通図柄表示装置206の普通図柄変動は、停止図柄データで指示された図柄で停止する。また、主制御部308は、小当り処理指示データがRAM310上の所定エリアにセットされている場合、前述のステップ470の処理により、小当り処理指示データを普通電動役物作動ソレノイド313へ出力する。これにより、普通電動役物207を所定時間だけ開放する。
最後に、主制御部308からの遊技状態の情報を、外部情報基板321を介して遊技機外部に伝えるために、主制御部308が行うステップS460の処理について説明する。
主制御部308は、ステップS460において、
(A)突然確変フラグがONの場合、大当り0、2情報の大当り中信号は出力しない
(B)大当り中フラグONで突然確変フラグがOFFなら、大当り0、2情報の大当り中信号を出力する
(C)大当り中フラグ、確変フラグ、時短中フラグの1つでもONの場合、大当り1情報の大当り・確変・時短中信号を出力する
(D)大当り中フラグがONの場合、大当り3情報の大当り中信号を出力する
という処理をしている。図1の外部情報出力仕様を示すタイミングチャートの一例も、このステップS460のA〜Dの処理によって実現されるものである。
上述の実施形態は本発明の例示のために説明したが、上述の実施形態の他にも変形が可能である。その変形が特許請求の範囲で述べられている本発明の技術思想に基づく限り、その変形は本発明の技術的範囲内となる。