JP4800488B2 - 軽金属から成るシリンダを備えたピストン機関 - Google Patents
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【０００１】
本発明は、ピストン機関であって、少なくとも１つのピストンと、軽金属から成る少なくとも１つのシリンダとが設けられており、該シリンダの摺動面がクロムめっきされている形式のものに関する。
【０００２】
このような形式のピストン機関は、たとえばＭＴＺ中の記事「バイテレ フォルトシュリッテ ミット フェアクロムテン ライヒトメタルツュリンデルン（Ｗｅｉｔｅｒｅ Ｆｏｒｔｓｃｈｒｉｔｔｅ ｍｉｔ ｖｅｒｃｈｒｏｍｔｅｎ Ｌｅｉｃｈｔｍｅｔａｌｌｚｙｌｉｎｄｅｒｎ）」（１９５３年、第６３頁、Ｄｒ．Ｅ．Ｍａｈｌｅ著）に基づき知られている。
【０００３】
最近、この摺動面対が、モペット、芝刈り機またはソー内でしばしば使用される、比較的高い出力のための適宜な機関の開発時に、焼付きに対してもはや十分に安全でないことが分かった。このことに対する原因として、増大された横力と、これに基づき生ぜしめられる、被覆されていないピストンからシリンダのクロム摺動面へのマイクロ範囲内の材料移行とが確認された。
【０００４】
対策としてまず、摺動面の合成樹脂黒鉛被覆層を備えたピストンが設けられた。しかし、この被覆層は、慣用の摺動面対での使用に比べて、増大された摩耗を示した。
【０００５】
この摩耗は、クロム層の粗さを最小限に抑えることによって確かに著しく減少させることができたが、しかし、この手段は、ピストンリングを焦がしてしまうことにも通じる。
【０００６】
したがって、本発明の問題は、クロムめっきされている摺動面を有する、軽金属から成る少なくとも１つのシリンダを備えたピストン機関において、ピストンとシリンダとの間の焼付き傾向を減少させることである。
【０００７】
この問題は、請求項１の特徴部に記載の特徴によって解決される。有利な改良形は従属請求項の対象である。
【０００８】
含有された硬質粒子を備えた合成樹脂層の本発明による使用によって初めて所望の効果が得られた。このことは、クロム層が「研削される」ことによって、本発明による層が、含有された硬質粒子によってほとんど自発的に有利な対応摺動面を提供していることに起因している。本発明による効果のためには、たとえば約５質量％、有利には３質量％未満の少量の硬質粒子ですでに十分である。たいてい、単に１％の割合でも所望の効果を得ることができる。硬質粒子の有利な平均的な粒子直径は３〜７μｍである。
【０００９】
被覆層の製造はスクリーン印刷、タンポン印刷または吹付けによって行われる。
【００１０】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３０４７９７８号明細書に基づき、特別なピストン圧縮機のためのピストンおよび／またはシリンダの摺動面を、エポキシ樹脂ベースで製造されたラッカと、このラッカに混加された酸化物セラミックス材料とによって被覆することが自体すでに公知である。しかし、前記ドイツ連邦共和国特許出願公開第３０４７９７８号明細書では、専ら被覆層が、公知の鉄層、クロム層またはニッケル層に対する変化形として開示されている。この変化形は、比較的高価にかつ製造技術的に見て部分的に困難に製造されるものとして記載される。最終的に、前記引用文献には、両機能パートナの一方だけしか被覆されないことおよび作業手間がより少ないためにピストンが考慮されることが記述される。
【００１１】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【００１２】
アルミニウム合金から成るピストン１は、アルミニウム合金から成るシリンダ２内に組み込まれている。このシリンダ２の摺動面はクロム層４によって被覆されている。ピストン１自体はその摺動面で、Ａｌ２Ｏ３から成る含有された硬質材料粒子を備えた合成樹脂層３によって被覆されている。ピストン１はコンロッド（図示せず）を介してクランクシャフト（図示せず）に結合されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるピストン機関を示す図である。
【符号の説明】
１ ピストン、 ２ シリンダ、 ３ 合成樹脂層、 ４ クロム層
本発明は、ピストン機関であって、少なくとも１つのピストンと、軽金属から成る少なくとも１つのシリンダとが設けられており、該シリンダの摺動面がクロムめっきされている形式のものに関する。
【０００２】
このような形式のピストン機関は、たとえばＭＴＺ中の記事「バイテレ フォルトシュリッテ ミット フェアクロムテン ライヒトメタルツュリンデルン（Ｗｅｉｔｅｒｅ Ｆｏｒｔｓｃｈｒｉｔｔｅ ｍｉｔ ｖｅｒｃｈｒｏｍｔｅｎ Ｌｅｉｃｈｔｍｅｔａｌｌｚｙｌｉｎｄｅｒｎ）」（１９５３年、第６３頁、Ｄｒ．Ｅ．Ｍａｈｌｅ著）に基づき知られている。
【０００３】
最近、この摺動面対が、モペット、芝刈り機またはソー内でしばしば使用される、比較的高い出力のための適宜な機関の開発時に、焼付きに対してもはや十分に安全でないことが分かった。このことに対する原因として、増大された横力と、これに基づき生ぜしめられる、被覆されていないピストンからシリンダのクロム摺動面へのマイクロ範囲内の材料移行とが確認された。
【０００４】
対策としてまず、摺動面の合成樹脂黒鉛被覆層を備えたピストンが設けられた。しかし、この被覆層は、慣用の摺動面対での使用に比べて、増大された摩耗を示した。
【０００５】
この摩耗は、クロム層の粗さを最小限に抑えることによって確かに著しく減少させることができたが、しかし、この手段は、ピストンリングを焦がしてしまうことにも通じる。
【０００６】
したがって、本発明の問題は、クロムめっきされている摺動面を有する、軽金属から成る少なくとも１つのシリンダを備えたピストン機関において、ピストンとシリンダとの間の焼付き傾向を減少させることである。
【０００７】
この問題は、請求項１の特徴部に記載の特徴によって解決される。有利な改良形は従属請求項の対象である。
【０００８】
含有された硬質粒子を備えた合成樹脂層の本発明による使用によって初めて所望の効果が得られた。このことは、クロム層が「研削される」ことによって、本発明による層が、含有された硬質粒子によってほとんど自発的に有利な対応摺動面を提供していることに起因している。本発明による効果のためには、たとえば約５質量％、有利には３質量％未満の少量の硬質粒子ですでに十分である。たいてい、単に１％の割合でも所望の効果を得ることができる。硬質粒子の有利な平均的な粒子直径は３〜７μｍである。
【０００９】
被覆層の製造はスクリーン印刷、タンポン印刷または吹付けによって行われる。
【００１０】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３０４７９７８号明細書に基づき、特別なピストン圧縮機のためのピストンおよび／またはシリンダの摺動面を、エポキシ樹脂ベースで製造されたラッカと、このラッカに混加された酸化物セラミックス材料とによって被覆することが自体すでに公知である。しかし、前記ドイツ連邦共和国特許出願公開第３０４７９７８号明細書では、専ら被覆層が、公知の鉄層、クロム層またはニッケル層に対する変化形として開示されている。この変化形は、比較的高価にかつ製造技術的に見て部分的に困難に製造されるものとして記載される。最終的に、前記引用文献には、両機能パートナの一方だけしか被覆されないことおよび作業手間がより少ないためにピストンが考慮されることが記述される。
【００１１】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【００１２】
アルミニウム合金から成るピストン１は、アルミニウム合金から成るシリンダ２内に組み込まれている。このシリンダ２の摺動面はクロム層４によって被覆されている。ピストン１自体はその摺動面で、Ａｌ２Ｏ３から成る含有された硬質材料粒子を備えた合成樹脂層３によって被覆されている。ピストン１はコンロッド（図示せず）を介してクランクシャフト（図示せず）に結合されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるピストン機関を示す図である。
【符号の説明】
１ ピストン、 ２ シリンダ、 ３ 合成樹脂層、 ４ クロム層
Claims (3)
- ピストン機関であって、少なくとも１つのピストン（１）と、軽金属から成る少なくとも１つのシリンダ（２）とが設けられており、該シリンダ（２）の摺動面がクロムめっきされている形式のものにおいて、
ピストン（１）の摺動面が、３〜７μｍの平均的な粒子直径を有する、含有された硬質粒子を備えた合成樹脂ベースの被覆層（３）を少なくとも部分的に有していて、硬質粒子が、Ａｌ２Ｏ３，ＳｉＣ，Ｓｉ３Ｎ４，ＴｉＣまたはＷＣから成っていることを特徴とする、ピストン機関。 - 被覆層（３）内の硬質粒子の質量割合が、５％よりも小さく設定されている、請求項１記載のピストン機関。
- 滑り特性を改善するために、黒鉛またはＭｏＳ２が、層内に含有されている、請求項１記載のピストン機関。
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Patent Citations (2)
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