JP4800028B2 - ベチバーの育苗/増殖方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベチバー(Vetiver grass)の育苗/増殖(植生)方法、及び、該育苗/増殖方法を使用しての土壌フィルターの形成工法に関する。
「ベチバー」は、イネ科の多年生草本で、根はそう生し、太いものでは直径4〜5mm、細いものは1〜2mmで、根は4〜5cmおきに結節がある。そして、日本ではほとんど見られないが、外国ではベチバーをグリーンベルトや垣根に使用されている。
そして、ベチバーの繁殖(増殖)は、非特許文献1のp310に下記の如く記載されている。
「繁殖法 一般に株分け法がとられている。株分けは、例年1〜2月ころの根の収穫と同時に行われる。掘り上げた株の茎を4〜5cm残し、また、付着している細根も2〜3cm残して切り落とす。切り落とした後に3〜4芽を一株としてナタ(鉈)などで株を割り株分けをする。このようにできた小株を3〜4月まで仮植床に植え込み育成管理をする。」
しかし、上記繁殖方法は工数が嵩んで、広面積かつ多量に繁殖(増殖)させるには必ずしも適しているとはいえなかった。
他方、海外では、ベチバーを定植・植生させて、土壌侵食防止策(A Hedge against Erosion)として広く使用されている。非特許文献2の「A Hedge against Erosion」の欄には下記記載がある。
「<ベチバーシステム(VS)>
・直立で、剛く、高密度の根を深く張る群生草本からなる簡単な植生バリア(生垣)で形成される。この群生草本(ベチバー)は雨水の流れを抑制して、土砂(sediments)を所定地点に止め、ときには、土壌隆起(台地:terraces)を形成する。
・ベチバー(Vetiver Grass)は、熱帯・亜熱帯の120を超える国で知られている。
・ベチバーは、“土壌結合(soil binding)”技術として、多くのアジア、アフリカ、カリブ海沿岸諸国において、一世紀以上にわたり使用されている。
・現在、VSは、土壌とその水分の保全、生物工学(bioengineering)及び生物的環境浄化(bioremediation)に使用されている。
<ベチバーは、雑草的でなく広がらない>
・生垣(Hedges)は無性的に繁殖し樹立(established)している。DNA試験では、推奨種は非多産系(横方向に広がらない)である。定植(planted)した苗は、定植部位に留まる;例えば、インド、グンダルペット(Gundalpet)における定植後数10年たった生垣。
・幅狭に定植された接ぎ穂(slip)は密な生垣に成長して、下方へ長く伸びた強靭な根構造を形成する。当該根構造は洪水(inundation)に耐え、流出水の流速を制御(減速)して、土壌流出を阻止し、優れた濾過作用を奏する。
<注>ここで、接ぎ穂(slip)は、挿し木のことと思われるが、本発明の如く、特定の節を積極的に土中へ又は水中へ挿して発芽させることは、何ら記載されていない。
<深い、強靭な根>
・ベチバーの深く伸び、しっかりした、繊維状の根構造は、一年で地下2〜3mにも達する。
・このがっしりした根構造は、土壌を結合する生きた杭(living nail)のようである。
・土中におけるベチバーの最大(引張り)強さ(maximum resistance)は、軟鋼(75MPa)の1/6に相当する;ほとんどの木の根より強い。
・根の繊維状マットは地表構造を強化するとともに土壌から及び土壌水からの多くの汚染物質を除去する。」
なお、日本では、法面等の土壌保全は、通常、植生マット上に緑化土壌(植生植物の種を混合した土)を吹付たり、芝生を定植したりして行っていた(特許文献1等参照)。
財団法人日本公定書協会編「新しい薬用植物栽培法 採収法・調製法、」廣川書店、昭和45年4月25日、p310 ベチバーネットワーク(The Vetiver Network)編「ベチバーシステム(The Vetiver System) 土壌侵食防止策(A Hedge Against Erosion)」[平成16年7月検索] インターネット<URL:www.vetiver.org> 特開2000−27188号公報
本発明は、上記にかんがみて、育苗ないし増殖(植生)が簡便であり、土壌流出防止に対する効果が期待できるベチバーの新規な育苗/増殖方法及び該育苗/増殖方法を用いた土壌フィルター形成工法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発にする過程で、土中挿し木(cuttage)方式さらには水中挿し木方式でも十分に育苗ないし増殖(繁殖)させることができ、その後の成長状態(分げつ状態)も良好であることを見出して、下記構成のベチバー(vetiver)の育苗/増殖方法に想到した。
ベチバーを土中挿し木により、育苗ないし増殖(植生)させる方法であって、
ベチバーの成長株からの分け株を、上側シュート及び根側を切除して、1個以上の節(node)を有するように裁断して調製した茎を、挿穂として、前記節が土中に位置するように挿し木を行うことを特徴とする。
節を土中に位置するように挿し木を行うことにより、節から多くの根が出てくる。
そして、1)挿穂における節の数は2〜3個が、また、2)残す節としては通常根側からの第一節が、さらには、3)挿穂における節から伸長している葉は除去した方が、それぞれ、発芽(根付き)しやすいことを、本発明者らは確認している。すなわち、成長株が若いとき(1年以下)は、根側からの第一節が成長期にあるものが多い。しかし、成長株が1年を超えると、根側からの第二節以降が成長期にあることがあるため、そういう場合は、第一節を含む必然性はない。
そして、本発明のベチバーの育苗/増殖方法は、法肩及び/又はバームに挿し木又は定植(移植)し植生させて土壌フィルターを形成するのに適している。
従来の如く株分けせずに、挿し木によりそのまま、移植することなく増殖(植生)させることができ、従来の株分け法に比して、格段に土壌フィルターの形成工法の工数を削減できる。また、育苗後、植え付ける場合も、従来の株分け育苗より、定植しやすい苗を得ることができ、育苗が簡便であることも相まって、やはり、土壌フィルターの形成工法の工数を削減できる。さらに、ベチバーは、土壌フィルターに使用した場合、表層土強化効果及びフィルター効果が優れている。また、ベチバーは、地表層の強度増大効果が大きく、法面傾斜度を従来に比して急勾配にすることが可能となり、法面施工の際における、土壌切削・盛り土等の土砂移動量を少なくでき、法面施工工数の削減につながる。
土壌フィルターの形成工法を、法面の他の緑化工法(養生工法:土壌フィルター手段の一つ)と併用して、法面緑化工法とすることが望ましい。他の緑化工法と併用することにより、ベチバーによる土壌フィルターが形成されるまで、他の緑化工法が土壌流出の防止作用を補填し、該他の緑化手段として耐用期間の短いもの(例えば1年前後)を使用可能となる。
また、本発明の土壌フィルターの形成工法は、圃場等の法面に接しているグリーンベルトに使用することもできる。この場合は、土壌流出ばかりでなく、養分流出さらには汚染物質の系外流出の阻止も期待できる。
本発明に係るもう一つの増殖方法は、下記水中挿し木方式を利用してベチバーを育種/増殖させる方法に係る。
ベチバー(vetiver)を水中挿し木により育苗ないし増殖(植生)させる方法であって、
ベチバーの成長株からの分け株から、茎を部分的に残すとともに、適宜、根を部分的に残してカットして調製した茎根連接体を、挿穂として、茎を水面上に出した状態で水中に挿して行うことを特徴とする。
上記構成において、茎の残り長さが10〜30cm、さらには10〜20cmであり、根の残存長さが1〜15cmであり、さらには3〜10cmである構成が望ましい。
茎及び/又は根の残存長さが短すぎると、いずれも発芽率が下がり、また、長すぎると、発芽効率は余り変わらず、かつ、1株当たりの空間占有率が高くなり、育苗/増殖の生産性が低下する。
水耕栽培法によれば、限られたスペースで多量の育苗が可能となるとともに、培養液の植物栄養素濃度及び温度の管理が容易で、結果的に育苗・増殖管理が容易となる。
以下、本発明の各構成について、詳細に説明する。
本発明で使用するベチバーの性状をまとめると、下記の如くになる(前記非特許文献1・2等参照)。
・多年生草本、根は粘土質では一般に太いが少なく、砂質土では細かいが数が非常に多い。
・種子等で繁殖しないため雑草化して増えない。
・ほふく枝(地をはう根、茎、枝)、地下径がない。
・樹幹が地下にあるため、焼畑と過放牧、家畜、農機による踏み付けには強い。
そして、これらの性状を生かして、下記の如く、土壌流出防止効果及び溜め池等の水質浄化効果に優れた土壌フィルターの形成可能となる。
・密集した根茎による地盤の剪断強度の増加による法面の安定効果。
・密集した根茎が土壌フィルターとして働き、圃場の表層土が圃場から流出防止、及び、地区外における河川、海の汚染防止。
・法面を形成する土壌保水力が増大することによる盛土、切土面の風化防止。
・盛土・切土背面から法面に流出する浸透水による法面崩壊防止。
・溜池法面下流端における剪断強度の増加による法面安定効果と基礎地盤からの浸透によるパイピング破壊防止効果及び地震時の液状化防止。
・排水路の土粒子流出による水路底の侵食防止。
・窒素・リン・重金属の吸収率が高いため湖沼、溜池、排水路等における富栄養化を抑制して、アオコ発生等の水質汚染防止。
本発明の最大の特徴は、従来の株分けで繁殖させる方法以外の方法がなかったベチバーの育苗/増殖方法として、ベチバーを挿し木方式により育苗ないし増殖(植生)させることにある。
以下、本発明について、土中挿し木方式(A)と水中挿し木方式(B)とに分けて説明する。
<A.土壌挿し木方式>
従来の株分けと異なり、先ず、ベチバーの成長株(生育1年以上)からの分け株(通常、一株:一本)12を、上側シュート(茎と葉)(top shoot)14及び根側を切除するとともに、1個以上(図例では2〜3個)の節(node)16を有するように、裁断した茎を挿穂18とする(図1・2)。なお、“c”は裁断位置を示す。ここで節とは、後述の茎の根の生え際に発生する節(以下「根元節」という。)16Aを除く。
ここで、節の数は1個以上であればよいが、2〜3個とすることが、発芽性(根付き)が良好で望ましい。また、節はできるだけ根側に近い節(第一節16a、第二節16b)が発芽しやすくて望ましく、さらに、挿穂18の節16についている葉(二点鎖線)20は除去しておくことが望ましい。
そして、こうして調製した挿穂18を用いての挿し木は図3に示す方法で行う。
1)挿穂18を、節16が全て土中(地表下)になるように挿し込む。このときの挿し込み深さは、節16の上に土が被さっておればよい。したがって、後から図3の(b)の如く、盛り土22をする場合は、節が地表下になるように挿し込む必然性はない。
2)そして、挿穂18を挿し込んだ後、適宜、盛り土を行う。
3)挿穂18の本数は、育苗の場合は、1本ずつ所定間隔を開けて行う。しかし、挿し木後、移植しない場合、すなわち、直挿し木の場合は、(生え付き)が良好でないことが想定される。この場合は、2〜4本セット、望ましくは図例の如く3本セットとする。(図3(c))土壌の質や気候によって根付きしない挿穂がある場合に備えるためである。
該挿し木に使用する土壌は、特に限定されない。育苗する場合は、砂質壌土、赤土壌土が適している。
そして、育苗した場合は、約30日で定植(移植)可能な苗となる。このときの育苗条件は、植付け時に十分に潅水をしておけば、根がつくまで、1週間に3回程度でよい。また、植付け土壌が乾燥地でなければ、潅水の必要はない。
日平均気温が10℃以上であれば根付き可能であるが、日平均気温15℃以上が、生育が良好であり望ましい。
<B.水耕挿木方式(図7・8)>
ベチバーの成長株10を株分けして一本ずつの分け株12とする(図7(a))。株分けは、前述の挿し木法と同様に、通常、1株ずつ行うが、株が細い場合は、2株以上であってもよい。
そして、分け株12Aから、茎15を部分的に残して、適宜、根17も部分的に残してカットcして調製した茎根連接体を挿穂18Aとする(図7(b))。この際、前記茎の残存長さは、10〜30cm、望ましくは15〜20cmとし、根17の残存長さは、通常、1〜15cm、望ましくは3〜10cmとする。
このように調製した茎根連接体である挿穂18Aを、茎15を水面上に出した状態で浮かしないし保持して水中へ挿して保持し、育苗さらには増殖させる(図7(c))。茎の水面突出量は、0cm以上、望ましくは1cm以上とする。水面突出量が少ないと、炭酸同化作用による栄養補給が根の方へ行き難く、発芽が困難になると推定される。望ましくは、茎根連接部18aが水面直下に位置するように保持する。水分補給が十分に行われるようにするためである。
ここで、挿穂18Aはそのまま水中に挿しても倒れてしまうため、通常、図8(a)に示すような、パイプ状の浮き部材30と板状の挿穂保持部材32とからなる挿穂保持筏34で保持して行う。保持の態様は、特に限定されないが、挿穂保持部32に形成された保持穴32aに軟質発泡ポリウレタン等の保持スポンジ36を嵌合し、保持スポンジ36に挿し込んで保持することが望ましい。こうすれば、挿穂18Aの茎が短くても茎の水面突出量及び/又は根の水没長さを最適なものに調節できる。
そして、その際、培養液は、固形化学肥料を溶解させて行ったり、液肥を添加したりするが。また、培養液の温度を、シーズヒータ等を培養液中に配して制御することも可能である。
なお、化学肥料の濃度は、肥料を溶解させたときEC(Electric Conductivity)値で、0.5〜5.0mS/cm、さらには1.0〜2.0mS/cmが望ましい。
そして、上記のようにして水中挿し木して、水温を15〜20℃以上、望ましくは、25〜30℃以上に保持する。すると、2〜3週間で挿穂18Aの茎根連接節部18aから発芽38する(図7(c)参照)。なお、水温が低い場合は、前記シーズヒータをオンして又は室内水耕の場合は室内を暖房することにより対処する。
そして、上記の土中挿し木方式又は水中挿し木方式で育苗したベチバー苗は、法面等に定植(移植)し植生(vegetation)させて、土壌フィルター形成できる。当然、条件が良好で土中挿し木方式の場合は、上記の如く、直挿し木で植性させてもよい。
なお、挿し木ないし苗移植(定植)時期は、その地域における年間平均気温から生育に適した時期を定め、植付けを行う。例えば、月間平均気温が10℃以上、望ましくは15℃以上とする(図4参照)。そして、寒冷地への移植は、南から段階的に移植させていくことにより、順化ないし馴化(acclimation)させれば、寒冷地でのベチバー繁殖も可能となることが期待できる。
以下に、土壌形成フィルター形成工法について、具体的に説明する。
例えば、図5は、土砂流亡防止工とした例である。
すなわち、圃場、道路盛土、各種造成地から、土砂12が雨水と一緒に流出することを防ぐために法肩24にベチバー苗(Vetiver grass seedling)26(又は挿穂)を1列または2〜3列に定植して植生する。この株間は30〜60cm、2列以上とする場合の列間隔は、25〜35cmが望ましい。なお、2列以上とする場合は、千鳥状に定植(移植)することが、土砂流出防止のフィルター効果が増大して望ましい。
ベチバー苗26を列状に植え込むことによりベチバー苗26の根26aが幅(横)方向に伸びず、地中略垂直下方へ伸びる。このため、ベチバーの根26aでしっかりと保持されたシュート26bにより生垣状に連続した砂防壁(土砂流出防止フィルター)が形成される。したがって、圃場、道路盛土、造成地の表面から流出する土砂混じり雨水を、密集した根茎がフィルターの役割を果たして、土砂と水に分離させ、地区外に流出させる効果がある。
また、図6に示すように、ベチバーの垂直下方へ伸びる根16aの特性を生かして切り土及び盛土法面の安定化を図るために、法肩24及びバーム28に定植し植生(繁殖)させる。このとき、場所(土質)によるが、通常、バーム28の幅W1:1〜2m、切り土の幅W2は、法面垂直高さHの0.5〜1.0倍とする。なお、法面垂直高さは2〜5mとする。
このときの定植間隔は上記の場合と同様である。
ベチバーの根16aは、通常地中2〜3mまで、場合によっては5m近くまで達し、かつ、密集して分布するため、ベチバーの根が土砂の土粒子の結合力を高め、その結果土壌強度が増加する。したがって、法面の安定性が増大して、法面崩壊を防ぐ効果がある。そして、法面勾配を急傾斜とすることができ、経済的にもなる。
なお、このとき、従来の法面養生に使用される汎用の法面緑化(養生)工法(例えば、前述の特許文献1に記載の方法)を併用することが望ましい。ベチバーの根が伸びて土壌フィルターの作用を十分に奏するまでの法面保護を行うためである。
また、地下水Wが高くて法面に流出する場合は、ベチバーの植生により、上記と同様の理由により、フィルター効果をもつ地中壁が形成される。ベチバーの根は地下水部位まで伸び、さらには、地下水通過部位を貫通することが期待できるためである。このため、地下水の流出に伴う土砂の流出を防ぎ、パイピングによる法面崩壊を防ぐ作用を奏する。
さらに、表層土の保水力が増大して表層土劣化(風化)が抑制される。このため、表層土劣化による法面崩壊を発生し難くなる。
(1)本発明の効果を確認するために行った、土中挿し木の繁殖方法について説明する。実験は、琉球大学農学部亜熱帯科学センター内で行った。
2節、3節および上側シュートを切除しない、長さ、それぞれ、7cm、15cm及び15cmの各挿穂を調製した。なお、親株は、琉球大学農学部保存株(生育3ヶ月)を使用した。
そして、培養土を充填したプランター(内幅20cm×内長60cm×内高さ15cm)に、約15cm隔で挿し木(7本ずつ)をし、1週間に3回程度の潅水を行いながら、30日経過後のベチバー苗木の状態を観察した。
その結果は、2節挿穂が、シュート及び根の生育が1番良好でシュートのつやも良かった。3節挿穂は、シュート及び根の生育はほとんどかわらかなかったが、シュートのつやが若干劣った。これに対して、トップシュートまで残したものは、シュート及び根がほとんど生育せず、苗として使用可能なものは得られなかった。
(2)また、本発明者らは、ベチバー成長株(1年もの)から調製した挿穂(根残存長さ:5cm、茎残存長さ:15cm)を使用して、8月初旬に、水中に挿して、水温(常温:25〜30℃)で育苗・増殖した結果、2週間で茎根連接体の茎連接節から発芽したことを確認している。
挿穂を調製する場合の説明用のベチバー成長株(親株)のモデル図である。 2節挿穂の一例を示すモデル図である。 本発明における挿し木の方法を示す説明図である。 定植適正期間を示すグラフ図である。 法肩に植生させたベチバーの土砂流出防止作用を説明するモデル図である。 法肩及びバームに植生させたベチバーの盛土・切土法面崩壊防止作用を説明するモデル図である。 水耕法で育苗/増殖させる場合に使用する挿穂の調製方法を示す概念図である。 水耕法で育苗/増殖させる場合に使用する挿穂挿し前挿穂保持筏の斜視図(a)及び同じく挿穂保持筏で挿穂挿し後の正面図(b)である。
符号の説明
10 ベチバーの成長株
12、12A 分け株
14 上側シュート(茎と葉)
15 茎
16 茎の節
16a 第一節
16b 第二節
17 根
18、18A 挿穂
20 葉
22 盛り土
24 法肩
26 ベチバー苗
28 バーム

Claims (11)

  1. ベチバー(vetiver)を土中挿し木により、育苗ないし増殖(植生)させる方法であって、
    ベチバーの成長株からの分け株から、上側シュート及び根側を切除して、1個以上の節(node)を有するように裁断して調製した茎を、挿穂として、前記節が土中に位置するように土中に挿して行うことを特徴とするベチバーの育苗/増殖方法。
  2. 前記挿穂における節の数を2〜3個とすることを特徴とする請求項1記載のベチバーの育苗/増殖方法。
  3. 前記挿穂における節が成長期にある節を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のベチバーの育苗/増殖方法。
  4. 前記挿穂における節から伸長している葉部が除去されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のベチバーの育苗/増殖方法。
  5. 前記挿し木を、挿穂3本セットで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベチバーの育苗/増殖方法。
  6. 前記請求項1〜5のいずれかに記載のベチバーの育苗/増殖方法により、法肩及び/又はバームに挿し木又は定植(移植)し植生させて土壌フィルターを形成することを特徴とする土壌フィルターの形成工法。
  7. 請求項6記載の土壌フィルターの形成工法を、法面の他の緑化工法(養生工法)と併用することを特徴とする法面緑化工法。
  8. 請求項6記載の土壌フィルターの形成工法を圃場等の法面に接しているグリーンベルトに使用することを特徴とするグリーンベルト施工工法。
  9. ベチバー(vetiver)を水中挿し木により育苗ないし増殖(植生)させる方法であって、
    ベチバーの成長株からの分け株から、茎を部分的に残すとともに、適宜、根を部分的に残してカットして調製した茎根連接体を、挿穂として、茎を水面上に出した状態で水中に挿し保持して行うことを特徴とするベチバーの育苗/増殖方法。
  10. 前記茎の残り長さが10〜30cmであり、前記根の残り長さが1〜15cmであることを特徴とする請求項9記載のベチバーの育苗/増殖方法。
  11. 前記水中への挿し木をスポンジを介して行うことを特徴とする請求項9又は10記載のベチバーの育苗/増殖方法。
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