JP2000308423A - 緑化方法 - Google Patents

緑化方法

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JP2000308423A
JP2000308423A JP11119822A JP11982299A JP2000308423A JP 2000308423 A JP2000308423 A JP 2000308423A JP 11119822 A JP11119822 A JP 11119822A JP 11982299 A JP11982299 A JP 11982299A JP 2000308423 A JP2000308423 A JP 2000308423A
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ground surface
binder
plant
mixture
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JP11119822A
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Kota Ibuki
浩太 伊吹
Hidenori Koike
英憲 小池
Naotake Ito
尚武 伊東
Koichi Udagawa
浩一 宇田川
Shuichi Miyashita
修一 宮下
Tetsuzo Ozawa
徹三 小澤
Haruhito Oiwa
春仁 大岩
Hiroshi Yagihara
浩 八木原
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NIPPON GODO HIRYO KK
UCHIYAMA RYOKUCHI KENSETSU KK
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NIPPON GODO HIRYO KK
UCHIYAMA RYOKUCHI KENSETSU KK
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物の植え付け作業やマルチング作業を容易
に行うことができる緑化方法を提供する。 【解決手段】 繊維状物質とバインダーとの混合物から
なるマルチ層11を地表面10に敷設した後、無性繁殖
可能な植物の部位、例えばヤナギ類等の茎12を、マル
チ層11の上から地表面10に挿し木する。又は、ヤナ
ギ類等の茎12を地表面10に挿し木した後、繊維状物
質とバインダーとの混合物を上記挿し木の上から地表面
10に吹き付けてマルチ層11を敷設する。更には、サ
サ類、ユリ類等の地下茎や球根を地表面に固定した後、
繊維状物質とバインダーとの混合物を吹き付けてマルチ
層を敷設してもよく、繊維状物質とバインダーとの混合
物からなるマルチング材に上記地下茎や球根を混合し
て、同時に地表面に敷設することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、道路法面や中央分離帯
等の緑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速道路などの側方の法面から土
砂が流失して、道路に散らばるのを防止するため、法面
の地表面をコンクリートで固めるといった方法が採用さ
れている。しかし、コンクリートではコストが高い、車
両が法面に衝突した場合、大事故になりかねない、景観
上も殺風景である、などの問題があった。
【0003】そこで、近年では、土砂の崩落防止を兼ね
た緑化が行われている。図4には、このような従来の緑
化方法の一例が示されている。すなわち、地盤40に直
径10cm、深さ10cm程度の穴41をあけ、緩効性
の肥料を施し、そこへ常緑の葡蔔性の植物の苗42を5
ポット/m2 (3本仕立ポット)程度を植え付けた後、
雑草の繁殖を防止するため、無機質繊維を吹き付けるな
どして苗42と苗42の間隙にマルチ層43を敷設する
という方法が採用されている。
【0004】ここで、常緑の葡蔔性の植物の代表例はヘ
デラ類であるが、ツルニチニチソウやコトネアスター類
も使われている。これらは、葡蔔性であり成長も早く乾
燥にも強いものである。成長し地表面を覆うまでの時間
を1年程度にするために、通常直径9cmのポットに入
った3本仕立ての、長さ30cm以上の苗が使用され
る。
【0005】このような方法により、植物が地中に根を
張りめぐらして土砂の流失を防止することができ、ま
た、法面を緑が覆い、景観面でも大変良好な条件を得る
ことができる。
【0006】なお、上記方法は、法面のような傾斜のあ
る面に限らず、例えば道路の中央分離帯のような水平な
地面の緑化にも利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな緑化方法では、苗を植える密度が5ポット/m2
多く、苗は3本仕立ての30cm以上長さのものが使わ
れるため、葉もかなり茂っており、その苗の投影面積は
施工面積の30%以上にもなる。よって、マルチングす
る場合、いちいち幹と葉を手でつまみ上げて施工するこ
とになり、特に緑化面積が大規模の場合、機械で無機質
繊維を吹き付けるような、機械化されたマルチング工法
が採用できないという問題があった。
【0008】そこで、幹や葉を予め葡萄のように紙袋に
入れておき、その上からマルチングを行った後、袋を取
ることによって機械的な吹き付けマルチングを行いやす
くする方法も考えられるが、この方法では、袋を掛けた
り取ったりする手間がかかるため、さほど合理化される
ことにはならないという問題がある。
【0009】また、施工面が斜面の場合や地盤が固い場
合などは、穴明けやマルチングなどの作業がしにくいと
いう問題があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、施工面が斜面で
あったり、施工面積が大規模であっても、植物の植え付
け作業やマルチング作業を容易に行うことができる緑化
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による緑化方法の第1は、繊維状物質とバイ
ンダーとの混合物からなるマルチ層を地表面に敷設した
後、無性繁殖可能な植物の部位を、前記マルチ層の上か
ら地表面に固定することを特徴とする。
【0012】この方法によれば、先にマルチ層を敷設し
てから植物を固定するため、葉を気にすることなく、機
械で繊維状物質を吹き付けるような、機械化されたマル
チング工法を採用することができる。また、無性繁殖可
能な植物の部位をマルチ層の上から例えば挿し木等の方
法で地表面に固定するため、植え穴を掘る必要もなくな
る。このため、特に施工面が、斜面の場合や大規模な場
合などにおけるマルチングの作業を著しく軽減すること
ができる。
【0013】また、マルチ層は、繊維状物質を含有する
ため、透水性が大きく、表面の保水性が小さいので、飛
来した雑草の種が発芽せず、たとえ発芽したとしても、
マルチ層表面が短時間で乾燥するため、成育を防止する
ことができる。
【0014】更に、繊維状物質からなるマルチ層は、保
温断熱性を有するので、植物の根元の周囲を被覆する
と、冬は凍結や寒さから、夏は乾燥や暑さから、植物の
根元を守ることができ、植物の生育を促進することがで
きる。
【0015】本発明による緑化方法の第2は、無性繁殖
可能な植物の部位を地表面に固定した後、繊維状物質と
バインダーとの混合物を前記植物の上から地表面に吹き
付けてマルチ層を敷設することを特徴とする。
【0016】この方法によれば、繊維状物質とバインダ
ーとの混合物からなるマルチング材が、地表面に固定さ
れた無性繁殖可能な植物の部位にも積もることになる
が、無性繁殖可能な植物の部位は、マルチ層で乾燥から
守られ枯れることなく、マルチ層上に芽を出して繁殖す
ることができる。したがって、この方法においても前記
第1の方法と同様に、マルチングの作業を著しく軽減す
ることができる。
【0017】本発明による緑化方法の第3は、繊維状物
質とバインダーとの混合物からなるマルチ材に、無性繁
殖可能な植物の部位を混合し、これを地表面に敷設して
マルチ層を形成することを特徴とする。
【0018】この方法によれば、マルチ材に混合された
無性繁殖可能な植物の部位が、マルチ層中で発芽、発根
して、地面に根を延ばすと共に、マルチ層上に芽を出し
てマルチ層を覆うように繁殖する。そして、マルチ層の
敷設と植物の植え付けとを同時に行うことができるの
で、緑化作業をより一層簡略化することができる。
【0019】本発明において、特に前記第1又は第2の
方法に適した無性繁殖可能な植物の部位としては、例え
ばヤナギ類、アカシア類、グミ類、エニシダ類、ハギ
類、マツバギク、レンギョウ、ムクゲなどの発根性のよ
い樹種から選ばれた1種又は2種以上の茎が好ましく使
用される。
【0020】また、特に前記第2又は第3の方法に適し
た無性繁殖可能な植物の部位としては、例えばササ類、
タケ類、ドクダミ類、ヨシ類、ハギ類、アカシア類、ヘ
デラ類、シバクサ類、コトネアスター類、ユリ類などの
地下茎や球根が形成される植物から選ばれた1種又は2
種以の地下茎及び/又は球根が好ましく使用される。こ
れらの地下茎や球根は、マルチ層で覆われ、あるいはマ
ルチ層中に混合された状態でも、マルチ層により乾燥か
ら守られることにより、マルチ層を突き破って地上に芽
を出して生長し、マルチ層上を葉や茎で覆うことができ
る。
【0021】また、前記マルチ層は、無機質繊維とバイ
ンダーとの混合物を、密度200kg/m3 以下、面密
度0.5〜10kg/m2 で敷設したものであることが
好ましい。この場合、無機質繊維がロックウール又はス
ラグウ−ルであり、前記バインダーがセメントであるこ
とがより好ましい。繊維状物質として無機質繊維を用い
た場合は、不燃性であるため、煙草の投げ捨てなどによ
る火事を未然に防ぐことができ、土に帰り得る材質であ
るから環境を汚す虞れもない。
【0022】更に、本発明においては、前記マルチ層及
び/又は前記マルチ層の下方の地中に、吸水性樹脂、緩
効性肥料、発根促進剤から選ばれた少なくとも一種を含
有させることが好ましく、また、予め発根剤などで処理
をして置くことが好ましい。それによって植物が発芽、
発根して繁殖するのを促進することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において、マルチ層とは、
雑草の繁茂を防止する目的で行われるマルチングによっ
て形成される層を意味し、繊維状物質とバインダーとの
混合物からなるものである。
【0024】繊維状物質としては、合成繊維などを用い
ることもできるが、無機質繊維が好ましい。無機質繊維
としては、不燃性、通気性、透水性に優れたロックウー
ル、スラグウ−ル、グラスウールなどの使用が可能であ
るが、特にロックウール又はスラグウ−ルを使用するこ
とが好ましい。
【0025】バインダーとしては、腐敗しにくく、植物
に対して安全なものであれば特に限定されることはない
が、セメントを用いるのが好ましい。また、その使用量
は、マルチ層を成形するのに必要な範囲で、できるだけ
少なくするのが好ましく、マルチ層全体に対して5〜4
0重量%とするのが好ましい。
【0026】また、マルチ層を敷設したとき、特にマル
チ層を敷設した後から植物がマルチ層表面を覆うまでの
期間の景観を損なわないようにするため、マルチ層中に
は、上記成分に加えて顔料を添加して、マルチ層を例え
ば茶色、緑色などに着色してもよい。
【0027】更に、マルチ層として、無機質繊維とバイ
ンダーとの混合物を敷設する場合には、密度200kg
/m3 以下、面密度0.5〜10kg/m2 となるよう
に敷設することが好ましい。密度が200kg/m3
超えると、植物の新芽がマルチ層を貫通しにくくなるの
で好ましくない。また、面密度が0.5kg/m2 未満
では、日光が土の表面まで透過しやすくなり、植物の向
日性によりマルチ層を通して雑草の芽がでてくるので、
雑草の成育防止効果が十分得られなくなり、10kg/
2 を超えると、マルチ層が厚くなりすぎて敷設作業が
大変であり、単位面積当たりの無機質繊維量が多くなる
ので不経済となる。
【0028】本発明において、無性繁殖可能な植物の部
位としては、例えばヤナギ類、アカシア類、グミ類、エ
ニシダ類、ハギ類、マツバギク、レンギョウ、ムクゲな
どの発根性のよい樹種から選ばれた1種又は2種以上の
茎が好ましく使用される。これらの茎は、マルチ層を形
成する前又は後に、例えば挿し木、挿し穂等によって手
軽に地表面に固定することができる。
【0029】このような植物を挿し木、挿し穂にする場
合は、例えば、太さ5mm以上の成長旺盛な枝を、長さ
10〜20cmに切断し、根元を斜めに切落し、その先
端を切返し、葉を半分程度落として、これを地中に深さ
約5cm程度挿し込むといった方法を採用することがで
きる。なお、挿し穂は、葉が多く付いている方が活着率
は高いが、水分バランスを保つため半分程度落とすこと
が好ましい。葉が半分程度なら、マルチングの際に葉に
付着する繊維状物質等は、風や雨などで容易に落ちるた
め問題は生じない。
【0030】また、本発明において、無性繁殖可能な植
物の部位としては、地下茎や球根が発達しやすい植物、
例えばササ類、タケ類、ドクダミ類、ヨシ類、ハギ類、
アカシア類、ヘデラ類、シバクサ類、コトネアスター
類、ユリ類などから選ばれた1種又は2種以上の地下茎
及び/又は球根も好ましく使用される。
【0031】これらの植物の地下茎及び/又は球根は、
マルチ層で覆われ、あるいはマルチ層中に混合された状
態でも、発芽、発根して旺盛に繁殖するので、マルチ層
を敷設する前に予め地表面に植えておいたり、マルチン
グ材と混合しておいてマルチ層の敷設と同時に植えるこ
とができる。
【0032】次に、本発明の緑化方法の好ましい例につ
いて、図面を参照して説明する。図1に示すように、繊
維状物質とバインダーを混合した後、緑化しようとする
地表10の全面に、吹き付けなどの方法でマルチ層11
を敷設する。なお、マルチ層の敷設方法としては、吹き
付け以外にも、マルチ層をシートやマットにして敷設す
る方法もあるが、この方法では、敷設場所の形状によっ
ては隙間ができ、そこから雑草が成育してしまうことが
あるため、上記吹き付けによる方法で行うことが好まし
い。
【0033】次に、無性繁殖可能な植物の部位、例えば
ヤナギ類等の茎12を、マルチ層11の上から、マルチ
層11を貫通して地中に深さ約5cm程度挿し込んで挿
し木をする。なお、挿し木は、例えばヤナギの場合で1
0本/m2 程度とすることが好ましい。また、地表10
は、あまりに固いと挿し木の活着率が低下することがあ
る。
【0034】更に、挿し木の活着率を上げるため、地表
10やマルチ層11には、吸水性樹脂、緩効性肥料、発
根促進剤から選ばれた少なくとも一種を含有させること
が好ましい。吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸アミ
ド、セルロースなどが挙げられ、また、緩効性肥料とし
ては、「グリーンマップ」(商品名、日本合同肥料株式
会社製)などが挙げられる。
【0035】こうして挿し木された植物は、発葉してマ
ルチ層11を覆い、道路法面が緑に覆われた美しい景観
になる。また、マルチ層11内部や地中に根を張りめぐ
らして、マルチ層全体を地表にしっかりと固着させると
共に、土砂の流失を防止することができる。
【0036】また、別の例として、マルチ層11を敷設
する前に、ヤナギ類等の茎12を地表10に挿し木して
おき、その上からマルチング材を吹き付けてマルチ層1
1を敷設してもよい。その場合には、茎12の葉や枝に
もマルチング材が付着することになるが、挿し木の葉は
上記のように半分程度に落とされており、茎も棒状をな
していて隣接する挿し木との隙間も十分に空いているの
で、マルチ層11を敷設するのに大きな支障はない。
【0037】更に別の例として、図2、3に示すよう
に、ササ類等の地下茎22を、緑化しようとする地表2
0の上に伏せて置き、それぞれをピンのような固定具2
3を用いて仮止め程度の固定を施す。その後、地下茎2
2の上から、緑化しようとする地盤20の全体に、繊維
状物質とバインダーとの混合物を吹き付けてマルチ層2
1を敷設する。
【0038】このように、マルチ層21で被覆されたサ
サ類等の地下茎22は、マルチ層21を突き破って芽を
出して生長し、発葉してマルチ層21の全面を覆い、道
路法面が緑に覆われた美しい景観になる。また、マルチ
層21内部や地中に根を張りめぐらして、マルチ層21
全体を地表にしっかりと固着させると共に、土砂の流失
を防止することができる。
【0039】なお、図示しないが、前述したように、サ
サ、ユリ等の地下茎や球根と、マルチング材とを予め混
合して、これらを一緒に地表面に敷設することもでき
る。
【0040】以上説明した本発明の緑化方法は、傾斜の
ない地盤においても効果的な方法であるが、特に傾斜の
ある地盤での施工において、その効果が発揮される最適
の方法である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて説明する。な
お、以下の実施例は、1997年6月に千葉県で実施し
たものである。
【0042】実施例1 傾斜が約15°の斜面を、幅2m、奥行2mにわたって
緑化するため、まず、地盤に十分潅水した後、粒状のロ
ックウール85重量部とポルトランドセメント15重量
部とを混合し、この混合物に2リッター/kgの水を加
えながら、吹き付け機械で5kg/m2 程度に吹き付け
て厚さ3.5cmのマルチ層を施工面の全面に敷設し
た。
【0043】次に、ネコヤナギの枝を、太さ6mm、長
さ20cmに切り、葉をほぼ半分切り落とし、これを1
0本/m2 の割合で、マルチ層を貫通して地中にほぼ4
cmの深さまで差し込んで挿し木をした。その結果、施
工から3ケ月後のネコヤナギの活着率は80%であっ
た。
【0044】実施例2 傾斜が約15°の斜面を、幅2m、奥行2mにわたって
緑化するため、アカシアの枝を、太さ8mm、長さ30
cmに切り、葉をほぼ半分切り落とし、インド−ルブチ
ル酸10重量%水溶液に浸たしたものを用意し、これを
7本/m2 の割合で地中にほぼ5cmの深さまで挿して
挿し木をした。この後、粒状のロックウール85%とポ
ルトランドセメント15%(重量比)を混合し、それに
2リッター/kgの水を加えたものを施工面全面に5k
g/m2 程度に均しながら、厚さ2.5cmにコテでお
さえた。その結果、施工から3ケ月後、18本が根を出
し、その後、発葉してマルチ層を被覆した。
【0045】実施例3 傾斜が約15°の斜面を、幅2m、奥行2mにわたって
緑化するため、土壌中に予め「グリーンマップ」(商品
名、日本合同肥料株式会社製)を20g/m2施肥して
おき、吸水性樹脂(ポリアクリル酸アミド)を50g/
2 散布しておいた。
【0046】この斜面に、実施例1と同様にして、マル
チ層を敷設した後、土壌に十分に潅水し、太さ4mm、
長さ20cmのエニシダの枝を、マルチ層を貫通して、
10本/m2 の数で挿し木した。その結果、施工から3
ケ月後、9本が根を出し、その後、発葉してマルチ層を
被覆した。
【0047】実施例4 傾斜が約15°の斜面を、幅2m、奥行2mにわたって
緑化するため、実施例3と同じ施肥及び吸水性樹脂の散
布処理をした後、粒状のロックウール85重量部とポル
トランドセメント15重量部を混合し、それに2リッタ
ー/kgの水を加えながら、吹き付け機械で5kg/m
2 程度に吹き付けて厚さ3cmのマルチ層を敷設した。
【0048】次に、太さ5mmのピンでマルチ層を貫通
して地中に深さ5cm程度の孔をあけ、この中に、予め
用意しておいた、太さが約2mmのヘデラの茎を長さ1
5cmに切り、葉の半分を落としたものを、8本/m2
の割合で差し込んで挿し木をし、挿し木の回りの土壌を
指で抑えた。
【0049】その結果、施工3ケ月後には平均6本/m
2 が活着して成長し、その後、発芽、発葉してマルチ層
を被覆した。
【0050】実施例5 約20°の斜面を緑化するべく、幅2m、奥行2mの施
工対象地に、長さ2mのコクマササの地下茎(葉を落と
したもの)を5本置き、約30cm間隔でU字型の鋼線
製ピンで止めた。
【0051】粒状のロックウール85重量部、ポルトラ
ンドセメント15重量部、緩効性肥料(商品名「グリー
ンマップ」、日本合同肥料株式会社製)2重量部を混合
し、それに2リッター/kgの水を加えたマルチング材
を、上記斜面上に5kg/m 2 程度になるように均しな
がら厚さ2.5cmにコテでおさえた後、十分に潅水し
た。
【0052】その結果、施工から2ケ月後、地下茎から
発根し、その後、マルチ層を突き破って発芽し、発葉し
てマルチ層を被覆した。
【0053】比較例1 傾斜が約15°の斜面を、幅2m、奥行2mにわたって
緑化するため、まず、長さが30cmである3本仕立て
のヘデラヘリックス(ツタ類)のポット苗を、施工面に
明けた直径9cm、深さ10cmの大きさの植え穴に、
緩効性肥料と共に9ポット/m2 植え付けた。
【0054】次に、粒状のロックウール85重量部とポ
ルトランドセメント15重量部との混合物に2リッター
/kgの水を加えたものを、手作業で5kg/m2 程度
に均しながら、苗の周囲にマルチ層を敷設し、これをコ
テで押さえた。その結果、施工から1ケ月後、発根、発
葉した。
【0055】以上の実施例1、2、3、4、5及び比較
例1の各施工例における、無機質繊維の密度(kg/
3)、マルチ層を敷設した際の面密度(kg/
2 )、単位面積当たりの作業量(人・時間/
2 )、植物の茎や葉によって被覆された面積率(マ
ルチ層上の植物の茎や葉の投影面積の割合、%)を求め
た結果を表1に示した。
【0056】なお、密度の測定は、施工後に一部を切り
取り、乾燥後の重量と体積から計算して求め、面密度の
測定は、同様に切り取り、乾燥後の重量と面積から計算
して求めた。
【0057】また、単位面積当たりの作業量は、施工に
かかった人数と時間の積を施工面積で割ることにより求
めた。更に、被覆面積率は、1年後の施工面を直角方向
から写真撮影して測定した植物の茎や葉の投影面積をマ
ルチ層の全体面積で割ることにより求めた。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繊維状物質とバインダーとの混合物を吹き付け等の手段
で敷設してマルチ層を形成することができるので、施工
面が広大であったり、斜面であったりしても、マルチン
グの作業労力を著しく軽減することができる。
【0060】また、マルチ層は、繊維状物質を含有する
ため、透水性が大きく、表面の保水性が小さいので、飛
来した雑草の種が発芽せず、たとえ発芽したとしても、
マルチ層表面が短時間で乾燥するため、成育を防止する
ことができる。
【0061】更に、繊維状物質からなるマルチ層は、保
温断熱性を有するので、植物の根元の周囲を被覆する
と、冬は凍結や寒さから、夏は乾燥や暑さから、植物の
根元を守ることができ、植物の生育を促進することがで
きる。
【0062】更にまた、繊維状物質として無機質繊維を
用いた場合は、不燃性であるため、例えば煙草の投げ捨
てによる火事を、未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による緑化方法の一実施形態を示す道路
法面の断面図
【図2】本発明による緑化方法の他の実施形態を示す道
路法面の正面図
【図3】図2の緑化方法における道路法面の断面図
【図4】従来の緑化方法の一例を示す道路法面の断面図
【符号の説明】
10、20 地表 11、21 マルチ層 12 ヤナギ類等の茎 22 ササ類等の地下茎 23 固定具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 英憲 千葉県君津市馬登677−1 内山緑地建設 株式会社環境緑化技術研究所内 (72)発明者 伊東 尚武 東京都千代田区岩本町1−13−12 梅岡ビ ル 日本合同肥料株式会社内 (72)発明者 宇田川 浩一 千葉県市原市五井海岸10 日本合同肥料株 式会社千葉工場内 (72)発明者 宮下 修一 神奈川県川崎市麻生区片平4−8−17 (72)発明者 小澤 徹三 神奈川県川崎市宮前区けやき平1−15− 502 (72)発明者 大岩 春仁 神奈川県川崎市麻生区王禅寺2625−26 J H百合ヶ丘寮404 (72)発明者 八木原 浩 千葉県船橋市東中山2−4−25−303 Fターム(参考) 2B022 AB02 BA06 2B024 DB10 2B051 AB07 AC02 BA16 CB01 CB25 CB26 CB30 CB35 2D044 DA13 DA32

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状物質とバインダーとの混合物から
    なるマルチ層を地表面に敷設した後、無性繁殖可能な植
    物の部位を、前記マルチ層の上から地表面に固定するこ
    とを特徴とする緑化方法。
  2. 【請求項2】 無性繁殖可能な植物の部位を地表面に固
    定した後、繊維状物質とバインダーとの混合物を前記植
    物の上から地表面に吹き付けてマルチ層を敷設すること
    を特徴とする緑化方法。
  3. 【請求項3】 繊維状物質とバインダーとの混合物から
    なるマルチ材に、無性繁殖可能な植物の部位を混合し、
    これを地表面に敷設してマルチ層を形成することを特徴
    とする緑化方法。
  4. 【請求項4】 前記無性繁殖可能な植物の部位は、ヤナ
    ギ類、アカシア類、グミ類、エニシダ類、ハギ類、マツ
    バギク、レンギョウ、ムクゲから選ばれた1種又は2種
    以上の茎である請求項1〜3のいずれか1つに記載の緑
    化方法。
  5. 【請求項5】 前記無性繁殖可能な植物の部位は、ササ
    類、タケ類、ドクダミ類、ヨシ類、ハギ類、アカシア
    類、ヘデラ類、シバクサ類、コトネアスター類、ユリ
    類、ツルニチニチソウから選ばれた1種又は2種以上の
    地下茎及び/又は球根である請求項1〜3のいずれか1
    つに記載の緑化方法。
  6. 【請求項6】 前記マルチ層は、無機質繊維とバインダ
    ーとの混合物を、密度200kg/m3 以下、面密度
    0.5〜10kg/m2 で敷設したものである請求項1
    〜5のいずれか1つに記載の緑化方法。
  7. 【請求項7】 前記無機質繊維がロックウール又はスラ
    グウ−ルであり、前記バインダーがセメントである請求
    項6記載の緑化方法。
  8. 【請求項8】 前記マルチ層及び/又は前記マルチ層の
    下方の地中に、吸水性樹脂、緩効性肥料、発根促進剤か
    ら選ばれた少なくとも一種を含有させる請求項1〜7の
    いずれか1つに記載の緑化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006197927A (ja) * 2004-12-24 2006-08-03 Nichigi Crown Kk ベチバーの育苗/増殖方法
JP2010226963A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Chugoku Electric Power Co Inc:The 水耕栽培方法及び水耕栽培装置

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