JP2936451B2 - 山吹の栽培方法 - Google Patents

山吹の栽培方法

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JP2936451B2 JP6158685A JP15868594A JP2936451B2 JP 2936451 B2 JP2936451 B2 JP 2936451B2 JP 6158685 A JP6158685 A JP 6158685A JP 15868594 A JP15868594 A JP 15868594A JP 2936451 B2 JP2936451 B2 JP 2936451B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、山吹の栽培方法に関す
るもので、例えば、盆栽等の観賞用の山吹の栽培方法に
適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、山吹は、山地等に自生するバラ
科の落葉低木として知られている。木の高さは1〜1.
5m程度になり、4月〜5月頃に黄色または白色の花を
つける。花弁は、八重咲きまたは一重咲きものがあり、
幹は、はじめ緑色で古いものでは灰黒色となる。山吹
は、人家、公園などに植えられ、いくつかの園芸品種が
ある。従来、このような山吹の栽培する場合、山吹の株
を適当に切り分けて花壇等に植えている。根や幹から新
芽が出ると、2年程度で花を付けるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな山吹は、次のような欠点を有することから、観賞用
として栽培されることは少ない。 地下根は竹のように根をめぐらし、他の植物の成育を
邪魔するため、庭木として植える場合には垣根の隅にし
か移植できない。 山吹の幹を剪定すると、株の根元まで枯れ死し、その
年と翌年は花付きが悪くなる。 山吹は新芽の幹では花が咲かない。 山吹の幹は真っ直ぐに育って比較的長くなるため鉢植
えには適さない。 山吹の幹は各節の間が長く、内部が発泡スチロール状
であるため、挿木(分栽法)で栽培すると、ほとんど失
敗に終わる。 山吹は、松、楓(かえで)、欅(けやき)、真柏、
梅、桜等の盆栽用の花木に比べ弱性質である。
【0004】本発明は、このような現状に鑑みなされた
もので、山吹を挿し木により育てることを可能にし、さ
らには、山吹を鉢植えで手軽に観賞することを可能にし
た山吹の栽培方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】そのために本発明の山
吹の栽培方法は、山吹を挿し木により栽培する方法であ
って、山吹の古幹の枝のうち、5節以上を有する枝を切
り取って挿穂とし、この挿穂の切り口側から数えて少な
くとも3節目までを用土に挿すことを特徴とする。
【0006】前記古幹の枝とは、既に花を付けた幹の枝
をいう。山吹は新芽が成長して2年目以降に花を付ける
ため、通常、2年以上を経た枝であれば古幹である場合
が多い。このように古幹を用いるのは、古幹でないもの
を用いると、挿木をしても根が付きにくく、また、花が
咲きにくいからである。
【0007】前記古幹の5節以上の枝を挿穂とするの
は、少なくとも5節以上の枝の長さがないと、挿穂が枯
れ死しやすいからである。古幹の節の位置等により挿穂
の長さは異なるが、4節以下の挿穂で挿し木を行う場合
には根が付きにくい。前記挿穂の切り口側から数えて3
節以上を用土に挿すのは、3節未満のときには挿穂が土
に馴染みにくく、根が付きにくいからである。
【0008】また、本発明の山吹の栽培方法は、山吹の
幹の所定の部位に複数の新芽を成長させ、前記部位に瘤
状の枝分れ部を形成することを特徴とする。山吹の幹の
所定の部位に枝分け部を形成すると、根元から枝分け部
までの幹が太くなり、木の背丈が高くなるのが防止され
る。例えば、新芽の剪定を行う場合に、適当な高さ位置
に複数の新芽を残して他の部位に伸びる新芽をすべて掻
くようにすると、新芽を残した部分が次第に膨らんで瘤
状の枝分け部が形成され、この枝分け部に放射状に枝が
延びる。これにより、木全体が丸みを帯びた枝振りにな
り、観賞用の山吹として盆栽等の作成にも好適となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。山吹の挿穂を用土に挿し木をした例を図1に示
す。鉢3には所定量の用土4が入っており、挿穂Sが所
定の深さだけ用土5に埋まっている。挿穂Sは、山吹の
古幹の枝を切断したものを用いる。図2および図3に示
すように、枝Eの節の数が5節以上になるように切断
し、枝Eの切り口側から数えて3節までの枝E1〜E3を
払って挿穂Sを完成させる。なお、挿穂Sの切除した部
分には、消毒液につけて殺菌するとよい。
【0010】鉢4の底部に小石6を敷き詰め、その上に
用土4を入れて十分に水を含ませてある。用土4として
は、保湿性の大きいものを用いることが望ましく、例え
ば、土壌、川砂、バーミキュライト等を用いることがで
きる。また、水ゴケを用いてもよい。鉢3については、
素焼きの陶器の他、プラスチック製のプランター等を用
いてもよい。また、基本サイズ最小の植木鉢でも花を咲
かせることができる。
【0011】挿し木を行う場合、用土4の中央付近に挿
穂Sを挿す。挿し木の方法は、図1に示すように、挿穂
Sの下端から3節S1〜S3が完全に用土4に埋まるよう
にする。なお、挿穂Sを挿入する角度については、ほぼ
垂直に立てることが望ましいが、特に限定されるもので
はない。
【0012】挿し木の時期については、5月上旬〜6月
下旬に行うのがよい。これは、7月から10月の間は土
壌に雑菌が繁殖しやすく、また、11月から翌4月まで
の間は寒挿しとなって根を付けるのが遅くなりやすいか
らある。
【0013】挿し木をした後3〜4カ月までは、1回/
日程度水をやり、必要に応じて肥料等を与える。この状
態で3〜4カ月経過後に根を張った時点で栄養のある用
土に植えかえる。次いで、植えかえた後1週間〜10日
毎に適当に新芽の剪定を行う。
【0014】ここで、水の供給量については、用土4が
十分に保湿性を保つように比較的多く与えるとよい。通
常の花木の場合、水分が多すぎると、根腐れする場合が
あるが、山吹の場合は水を多く与えすぎても、根腐れす
ることはなく良好に成長する。従って、例えば、挿穂を
管理する者が長期不在のときなどに、水の入ったバケツ
等に鉢3を入れることで、挿穂の根が必要な量だけ水分
を吸収し、順調に育つ。この点、山吹は比較的栽培しや
すい。
【0015】前述したように新芽の剪定を続けると、図
4に示すように、山吹の幹7が次第に太くなり、枝等を
剪定しても幹の根元まで枯れ死状態にならなくなる。従
って、好みの枝振りに形を整えて観賞用の山吹を作成す
ることができる。なお、剪定する新芽については、図5
に示すように、挿穂Sの幹に伸びる芽7のほか、挿穂S
の周囲の根から新たに伸びる芽8も生じるが、挿穂Sの
幹をより強く育てるためには周囲の芽8については切除
するのが望ましい。
【0016】次に、山吹を挿し木により栽培した試験例
を説明する。幹の種類および節の数の異なる挿穂(実施
例1〜実施例4および比較例1〜比較例4)について、
挿し木により根が付くかどうかについて試験を行った。
鉢の大きさ、用土の種類等は、実施例1〜実施例4およ
び比較例1〜比較例4ともに同一のものを用いた。表1
に幹の種類および節の数を示す。
【表1】 実施例1〜実施例4は、5節以上の古幹を3節以上の深
さで挿し木をしたものであり、比較例1は未だ花の付い
ていない新芽幹の挿穂を用いたもの、比較例2は挿し木
の深さを2節目までとしたもの、比較例3は4節の古幹
の挿穂を用いたもの、比較例4は3節の古幹を用いて2
節目まで挿し木をしたものである。前記実施例1〜実施
例4および比較例1〜比較例4に1回/日の割合で水を
与え、1週間〜10日経過した後に各挿穂に根が付くが
どうかを調べた。
【0017】調査の結果は、表1に示すように、実施例
1〜実施例4は根が付いたのに対し、比較例1〜比較例
4については、いずれも根が付かなかった。つまり、挿
穂は5節以上ないと根が付かず、また、5節以上の挿穂
であっても、挿し木の深さが3節以上でないと根が付か
なかった。
【0018】次に、観賞用の山吹の作成例を説明する。
山吹を用いて盆栽を作成した例を図6に示す。盆栽を作
成する場合、まず、山吹の古幹を挿穂に用いて挿し木を
行い、挿穂に根を付ける。1週間〜10日程度経過した
後、根が張っているのを確かめて挿穂を盆栽用の鉢10
に植えかえる。このとき、用土、水ごけ等を敷いて土台
を整える。挿穂の位置については、例えば鉢10の中央
に配置する。挿穂を挿す方向は、適当に傾けてもよい。
次いで、挿穂の幹および周囲の根から伸びる新芽の剪定
を行い、幹12を太く育てる。新芽の剪定の方法につい
ては、例えば、挿穂の根元から10〜15cm程度の部
位の新芽を残して他の新芽はすべて切除するようにす
る。
【0019】このような剪定を続けると、図6に示すよ
うに、挿穂の枝分け部14が瘤状に膨らみ、この枝分け
部14に枝が放射状に伸びる。延びた枝を適当に剪定す
ることで、背丈が高くなることなく、丸みを帯びた枝振
りの盆栽を作成することができる。また、古幹の挿穂を
用いたため、山吹の花15も比較的早い時期に咲くよう
になる。
【0020】図7に示す山吹は、鉢植えの山吹の幹を所
定方向に曲げるように仕立てたものである。山吹の幹1
6の根元には瘤状の枝分け部17が形成されている。他
の部位に伸びる新芽については、月毎または年毎に掻く
ようにする。
【0021】次に、吊り鉢を用いて山吹を上向に仕立て
る例を図8および図9に示す。図8に示すような針金や
プラスチックでつくった網目状の容器20に用土または
水ごけを入れ、中央よりズラした位置に根を張った山吹
21を植える。図9に示すように、新芽は上向きに延び
るので、先端を摘むと自然に枝を張り、形が良くなり2
年目より花が付く。
【0022】吊り鉢を用いて山吹を下向きに仕立てる例
を図10、図11に示す。図10に示すような吊り鉢式
のポット30の中央に根の張った山吹31を植える。新
芽は真っ直ぐに育つので、古幹になった時点であるアル
ミ線32で下向きにする。全体のバランスを整えるよう
に適当に新芽を摘む。なお、下向き仕立ては、一般に、
つるやカズラは知られるが、花木では行われる例はほと
んど知られない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の山吹の栽
培方法によれば、山吹を挿し木により育てることができ
るため、植木鉢やポット、吊り鉢等で手軽に一本仕立て
の山吹を栽培することができ、家の中へ気軽に持ち込む
ことができる。また、山吹の幹の弱性質を強くし、花付
けよく背丈を短く、育てることができるため、従来の切
り花だけでなく、花木を長期に渡って常緑盆栽で楽しむ
ことができる。さらに、従来の山吹と違って幹を短く太
く育てることができるため、枝を剪定しても枯れ死状態
になりにくく、強い木に仕立てることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による山吹の栽培方法を説明す
るための断面図である。
【図2】本発明の実施例による山吹の挿穂を示す平面図
である。
【図3】本発明の実施例による山吹の挿穂を示す平面図
である。
【図4】本発明の実施例による山吹を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の実施例による山吹の新芽の切除位置を
説明するため模式図である。
【図6】本発明による山吹の盆栽の作成例を示す正面図
である。
【図7】本発明による山吹の鉢植えの作成例を示す正面
図である。
【図8】吊り鉢の一例を示す斜視図である。
【図9】山吹を上向き仕立てる例を示す模式図である。
【図10】吊り鉢の一例を示す斜視図である。
【図11】山吹を下向き仕立てる例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
S 挿穂 S1〜S3 節 4 用土 3 鉢 12 幹 14 枝分け部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 山吹を挿し木により栽培する方法であっ
    て、山吹の古幹の枝のうち、5節以上を有する枝を切り
    取って挿穂とし、この挿穂の切り口側から数えて少なく
    とも3節目までを用土に挿すことを特徴とする山吹の栽
    培方法。
  2. 【請求項2】 山吹の幹の所定の部位に複数の新芽を成
    長させ、前記部位に瘤状の枝分け部を形成することを特
    徴とする請求項1記載の山吹の栽培方法。
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CN105359795B (zh) * 2015-11-19 2018-02-06 四川农业大学 一种紫云菜无性繁殖方法

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