JP3231863U - 根鉢付きダブル苗 - Google Patents
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Abstract
【課題】輸送コスト削減及び定植労力の生産性向上を実現させる、花苗や果菜苗等の葉茎を有する苗を2本植えた根鉢付きダブル苗を提供する。【解決手段】根鉢付きダブル苗は、根域を小型化した、培養土の塊である根鉢3と、根鉢に植えた2本の苗2と、を備え、根鉢に植えた2本の苗のそれぞれの茎を傾斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、2本の苗の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で生育されている。【選択図】図1
Description
本考案は、ポットがない培養土の塊の根鉢に、花苗や果菜苗等の葉茎を有する苗を2本植えた根鉢付きダブル苗に関する。
特許文献1には、根鉢形成用セルトレイのポット内で育苗され、複数本の根とポット内の充填土壌によって形成される根鉢を有しており、該根鉢の中心部には、前記充填土壌に埋設された芯材が位置しており、該芯材は、多数の孔を有し、該多数の孔に前記複数本の根を挿通した状態で該芯材の周囲及び底部の充填土壌と共に前記複数本の根によって保持されている根鉢付き苗が開示されている。
特許文献1には、根鉢に1本の苗が植えられた技術であるが、輸送費高騰や定植労力の生産性向上も限界近くになっておりトータルコストが増加するという問題があった。
本考案はこうした問題に鑑み創案されたもので、輸送コスト削減及び定植労力の生産性向上を実現させる、花苗や果菜苗等の葉茎を有する苗を2本植えた根鉢付きダブル苗を提供することを課題とする。
請求項1に記載の根鉢付きダブル苗は、根域を小型化した、培養土の塊である根鉢と、前記根鉢に植えた2本の苗と、を備え、前記根鉢に植えた2本の苗のそれぞれの茎を傾斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、前記2本の苗の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で生育されていることを特徴とする。
請求項2に記載の根鉢付きダブル苗は、請求項1において、前記根鉢が片手で摘まめる大きさであることを特徴とする。
請求項3に記載の根鉢付きダブル苗は、請求項1又は2において、前記根鉢の水平断面形状が略四角形状であることを特徴とする。
請求項4に記載の根鉢付きダブル苗は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記根鉢の底部近傍に、前記底部の一辺よりも長く、前記底壁の対角線の長さよりやや短い木製棒体を有することを特徴とする。
請求項1に記載の根鉢付きダブル苗は、ポットがない1つの小型の根鉢に2本の苗を植えた状態で農家の田畑等まで輸送し、前記田畑等の定植するところまでもっていって、そのまま定植するので、輸送コストが大幅低減し、定植作業の効率が大幅に向上するという際立つ有利な効果を奏する。
請求項2に記載の根鉢付きダブル苗は、コンパクトに生育させているので、さらに輸送コストを大幅低減し、定植作業の効率を大幅向上させるという際立つ有利な効果を奏する。
請求項3に記載の根鉢付きダブル苗は、根鉢の水平断面形状が略四角形状であるので、円形状のものより水平断面を広くできることから、2本の苗を植えても2つの苗の根がからみにくく、それぞれの苗が根巻きになりにくく新根が定植後に伸びやすいという効果を奏する。
請求項4に記載の根鉢付きダブル苗は、新芽が生育して伸びる根がポットの底壁の水抜き孔から外に出にくいため根が切断されていない根鉢付きダブル苗を育苗できるという効果を奏する。
本考案の根鉢付きダブル苗1は、トマト、なす、ピーマン、瓜等の果菜苗や、パンジー、サルビア等の花苗の定植時期に到達している完成苗、言い換えると定植できるまでに育苗された苗2を、1つの根鉢3当り2本植えたものである。
本考案の根鉢付きダブル苗1は、図1に示すように、根域を小型化した、培養土4の塊である根鉢3と、前記根鉢3に植えた2本の苗2と、を備え、前記根鉢3に植えた2本の苗2のそれぞれの茎7を傾斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、前記2本の苗2の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で生育されている。
前記根鉢付きダブル苗1は、定植に適するに到達した苗2に育苗するためにテーパー付箱型ポット9を使用して育苗する。その育苗方法は、図2に示すように、テーパー付箱型ポット育苗中のダブル苗10を示した、底壁の中央部に水抜き穴を有するテーパー付箱型ポット9の底壁の上に,培養土4が投入されるに先だって,前記水抜き穴の少なくとも一部の上に配置される木製棒体5を有して、前記木製棒体5の長さを、前記底壁の一辺よりも長く、而も、該底壁の対角線の長さよりもやや短く設定したテーパー付箱型ポット9を利用して育苗する。
種をまいて約1か月〜約1か月半経過後に新芽が発芽したときに前記テーパー付箱型ポット9に植え替えをする。そのときに前記新芽の茎7を、斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、かつ前記2本の新芽の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で1つのテーパー付箱型ポット9に2本植える。例えば、図1において、1本の苗は傾斜角度α、他の1本は傾斜角度βで植える。図1において、前記傾斜角度αは約15°で、前記傾斜角度βは約20°で植えている。
また、前記新芽に限らず、接ぎ木した苗2でもよい。前記接ぎ木は、病害虫に弱い品種を病害虫に強い品種に接ぎ木したり、特定の個体を増殖させたりするなどの品種改良をするために行われるが、前記接ぎ木した苗2も前記テーパー付箱型ポット9に植え替えをすることができる。植え替えをするときに前記接ぎ木した苗の茎7を、斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、かつ前記2本の接ぎ木した苗の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で1つのテーパー付箱型ポット9に2本植える。
また、1つの根鉢3に、2本の新芽の苗を植え替えたり、2本の接ぎ木をした苗を植え替えたり、1本の新芽の苗と1本の接ぎ木をした苗の組み合わせで植え替えてもよい。いずれにしても前記根鉢付きダブル苗1は、1つの根鉢3に2本の苗を育苗させている形態を有する。
このままの状態で育苗を約3週間実施し、田畑、花壇、鉢に定植できるまでに育苗されたら、すなわち定植を行う時期になったらテーパー付箱型ポット9から根鉢3の部分を抜き出す。この抜き出した状態で農家の田畑等の苗を定植するところまで輸送する。
また、テーパー付箱型ポット9から根鉢3の部分を抜き出した後に底部近傍の木製棒体5を除いてもよい。
新芽の時期から定植ができる時期までの約3週間で、前記テーパー付箱型ポット9内で2本の根の根回りはほとんどなく、また、2本の苗2は傾けた状態でそのまま生育するのであまり茎7が曲がることもない。
そして、2本の苗2が1つの根鉢3で育苗された状態で運搬し、そのままの状態を維持したままで田畑、花壇、鉢等に定植する。
ここで、前記根鉢3は、根域を小型化した、培養土4の塊である。その小型化の大きさとしては、例えば、片手で摘まめる大きさである。
また、前記根鉢3は水平断面形状を略四角形状にして水平断面の面積を同じ縦横長さの円形状より広くしている。そして、前記根鉢3の底部近傍に、前記底部の一辺よりも長く、前記底壁の対角線の長さよりやや短い木製棒体5を有するものもある。
前記苗2は、前記根鉢3に植えた2本の苗2のそれぞれの茎7を傾斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、前記2本の苗2の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で生育されている。
そのため、種から新芽に育苗されて、テーパー付箱型ポット9に植え替えるときに、2本の新芽のそれぞれの茎7を傾斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、前記2本の新芽の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で植えている。
前記2本の苗2のそれぞれの茎7を傾斜角度5°未満に傾斜させると、略直立状態となり新芽から定植できる苗2に育苗する間に、2本の苗2の葉6同士が干渉し太陽光を十分受けられにくくなり光合成が不足して育苗が抑制され、前記2本の苗2のそれぞれの茎7を傾斜角度25°超に傾斜させると、平面視で苗2の大きさが前記根鉢3より大きく拡大するので輸送時などの箱詰めするときに根鉢3同士を接触させた状態にすることが困難になり輸送効率が低下し、田畑等に定植後に定植した苗が太陽光に向かって生育するので茎が曲がり見栄えが悪化するという問題が生ずる。
根鉢付きダブル苗1は、根域を小型化した、培養土4の塊である根鉢3と、前記根鉢3に植えた2本の苗2と、を備えており、テーパー付箱型ポット9が不要であり、2本の苗2を1つの根鉢3に植えたまま定植できるので、輸送効率及び定植作業効率が大幅に向上し作物のトータル生育コスト低減に大きく寄与させることができる。
1 根鉢付きダブル苗
2 苗
3 根鉢
4 培養土
5 木製棒体
6 葉
7 茎
9 テーパー付箱型ポット
10 テーパー付箱型ポット育苗中のダブル苗
2 苗
3 根鉢
4 培養土
5 木製棒体
6 葉
7 茎
9 テーパー付箱型ポット
10 テーパー付箱型ポット育苗中のダブル苗
Claims (4)
- 根域を小型化した、培養土の塊である根鉢と、
前記根鉢に植えた2本の苗と、を備え、
前記根鉢に植えた2本の苗のそれぞれの茎を傾斜角度5°〜25°のうちのいずれかの角度で傾斜させて、前記2本の苗の上端側の間隔を下端側の間隔より離隔させた状態で生育されていることを特徴とする根鉢付きダブル苗。 - 前記根鉢が片手で摘まめる大きさであることを特徴とする請求項1に記載の根鉢付きダブル苗。
- 前記根鉢の水平断面形状が略四角形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の根鉢付きダブル苗。
- 前記根鉢の底部近傍に、前記底部の一辺よりも長く、前記底壁の対角線の長さよりやや短い木製棒体を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の根鉢付きダブル苗。
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JP2021000148U JP3231863U (ja) | 2021-01-18 | 2021-01-18 | 根鉢付きダブル苗 |
Publications (1)
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2021
- 2021-01-18 JP JP2021000148U patent/JP3231863U/ja active Active
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