JP4799869B2 - 水分散型接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤などに用いられる水分散型粘着剤組成物に関する。
従来より、各種産業用途に用いられる粘着シートとして、粘着剤組成物からなる粘着剤層を積層する粘着シートが知られている。
また、近年、環境負荷の観点から、有機溶剤の使用を低減することが望まれており、粘着シートに積層される粘着剤組成物についても、溶媒として有機溶剤を使用する溶剤型粘着剤組成物から、分散媒として水を使用する水分散型粘着剤組成物への転換が図られている。
水分散型粘着剤組成物は、一般に、乳化重合により製造されるが、乳化重合では、得られるポリマーの分子量が高くかつ分子量分布が狭くなることから、そのようなポリマーからなる粘着剤では、凝集力が高くなる一方で、粗面の被着体に対する接着力(以下、「粗面接着力」とする。)が、溶剤型粘着剤組成物の粘着剤よりも低くなる。
そこで、粗面接着力を高めるために、水分散型粘着剤組成物に低分子量のアクリル系ポリマーを配合することが知られている。
例えば、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとするモノマーを水性媒体中で乳化重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーエマルジョンに、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとするモノマーを重合して得られる水溶性ないし水分散性で平均分子量が1000〜50000の低分子量(メタ)アクリル酸エステル系ポリマ−もしくはその塩を、エマルジョンの固形分100重量部に対して低分子量(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーが5〜200重量部となる割合で配合された水分散型感圧接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特公昭58−37348号公報
しかし、特許文献1に記載の水分散型感圧接着剤組成物では、粗面接着力が高い一方、高温での凝集力が低いという不具合がある。
本発明の目的は、粗面接着力を高めつつ、高温での凝集特性の低減を抑制することのできる水分散型粘着剤組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水分散型粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーを水性媒体中で乳化重合して得られるポリマーエマルションの固形分100重量部と、原料モノマーとして、原料モノマーの総量100重量部に対して(メタ)アクリル酸アルキルエステル75〜92重量部と、カルボキシル基含有不飽和モノマー8〜25重量部と、任意的に前記モノマーと共重合可能な共重合性モノマー17重量部以下とを含み、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量が、100000〜300000である低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー10〜100重量部とを含んでいることを特徴としている。
また、本発明の水分散型接着剤組成物では、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーが、アクリル酸であることが好適である。
本発明の水分散型接着剤組成物では、粗面接着力が高いので、粗面の被着体などにも確実に接着することができる。また、高温での凝集特性の低減を有効に抑制できるので、高温雰囲気下でも優れた凝集特性を得ることができる。
本発明の水分散型粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーを水性媒体中で乳化重合して得られるポリマーエマルションを含んでいる。
ポリマーエマルションの調製において、原料モノマーの主成分として用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、下記の一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004799869
(一般式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を、R2は、炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)
2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
そのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、メタクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキルエステルであって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル)エステルなどが挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、適宜、単独または併用して用いられる。
上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、ポリマーエマルションの原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、50重量部以上、好ましくは、70〜99.5重量部である。50重量部未満であると、(メタ)アクリル系ポリマーエマルションとしての特性を発現することが困難となる。
また、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外に、原料モノマーとして、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでいてもよい。
そのような共重合性モノマーとしては、例えば、官能基含有モノマーが挙げられる。
官能基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸、例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和ジカルボン酸モノエステル、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキシエチルピロメリット酸などの不飽和トリカルボン酸モノエステル、例えば、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどのカルボキシアルキルアクリレート、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸などの不飽和ジカルボン酸無水物などのカルボキシル基含有不飽和モノマーが挙げられる。
また、官能基含有モノマーとしては、上記したカルボキシル基含有不飽和モノマーの他に、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどの水酸基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミドなどのアミド基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジアミノエチルなどのアミノ基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有不飽和モノマー、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド基含有モノマー、例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド基含有モノマー、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド基含有モノマー、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(1−メチルビニル)ピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのビニル基含有複素環化合物、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有不飽和モノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェイトなどのリン酸基含有不飽和モノマー、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。
さらに、官能基含有モノマーとしては、多官能性モノマーが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、多官能性モノマーとして、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなども挙げられる。
また、共重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族系ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、シクロペンチルジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有不飽和モノマー、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー、例えば、ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー、例えば、塩化ビニルなどのハロゲン原子含有不飽和モノマー、その他、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルや、フッ素(メタ)アクリレートなどの複素環や、ハロゲン原子を含有するアクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
さらにまた、共重合性モノマーとしては、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーが挙げられる。アルコキシシリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーや、シリコーン系ビニルモノマーなどが挙げられる。
シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリブトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
また、シリコーン系ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどのビニルトリアルコキシシランの他、これらに対応するビニルアルキルジアルコキシシランや、ビニルジアルキルアルコキシシラン、例えば、ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリエトキシシラン、β−ビニルエチルトリメトキシシラン、β−ビニルエチルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリブトキシシランなどのビニルアルキルトリアルコキシシランの他、これらに対応する(ビニルアルキル)アルキルジアルコキシシランや、(ビニルアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
これら共重合性モノマーは、適宜、単独または併用して用いられる。
このような共重合性モノマーの配合割合は、ポリマーエマルションの原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、50重量部以下、好ましくは、0.5〜30重量部である。
そして、ポリマーエマルションを調製するには、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーを、例えば、乳化重合などの重合方法により、重合する。
乳化重合では、例えば、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーとともに、重合開始剤、乳化剤、必要に応じて連鎖移動剤や公知の添加剤などを、水性媒体中において適宜配合して共重合する。より具体的には、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などの公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。反応条件などは、適宜選択されるが、重合温度は、例えば、20〜100℃である。
重合開始剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される重合開始剤が用いられる。例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ系開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物系開始剤、例えば、過酸化水素などの無機過酸化物系開始剤、例えば、フェニル置換エタンなどの置換エタン系開始剤、例えば、芳香族カルボニル化合物などのカルボニル系開始剤、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せなどのレドックス系開始剤などが挙げられる。
これら重合開始剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、重合開始剤の配合割合は、適宜選択されるが、ポリマーエマルションの原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.01〜1重量部、好ましくは、0.02〜0.5重量部である。
乳化剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知の乳化剤が用いられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
また、これらアニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(反応性基)が導入されたラジカル重合性(反応性)乳化剤などが挙げられる。
これら乳化剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、乳化剤の配合割合は、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.3〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。上記した範囲より少ないと、重合安定性を保持できず、凝集物を生成する場合がある。上記した範囲より多いと、(メタ)アクリル系ポリマーエマルションとしての特性を発現することが困難となる場合がある。
連鎖移動剤は、必要により、共重合により得られるポリマーの分子量を調節するものであって、乳化重合に通常使用される連鎖移動剤が用いられる。例えば、1−ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルへキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどのメルカプタン類などが挙げられる。
これら連鎖移動剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、連鎖移動剤の配合割合は、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、5重量部以下、好ましくは、1重量部以下である。
添加剤としては、乳化重合に通常使用されるものであれば特に制限されず、例えば、pH緩衝剤、中和剤、発泡防止剤、安定剤などが挙げられる。
水性媒体としては、例えば、水、水にアルコール類などの水溶性溶媒が少量添加されているものなどが挙げられ、水性媒体の配合割合は、得られるポリマーエマルション100重量部に対して、固形分(つまり、ポリマー)が、例えば、20〜80重量部、好ましくは、30〜70重量部となるように設定される。
そして、このような乳化重合によって、ポリマーエマルションを水分散液として調製することができる。
なお、得られたポリマーエマルションは、その溶剤可溶分(移動相溶媒可溶分)の重量平均分子量が、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量として、例えば、300000より高く、好ましくは、350000〜1000000の高分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含んでいる。
本発明の水分散型粘着剤組成物は、原料モノマーとして、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、任意的に上記モノマーと共重合可能な共重合性モノマーとを含む、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含んでいる。
低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、ポリマーエマルションを調製するための(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同様のものが挙げられ、適宜、単独または併用して用いられる。
そのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、75〜92重量部、好ましくは、78〜92重量部である。
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーであって、分子内にカルボキシル基を有する不飽和モノマーであればよく、ポリマーエマルションを調製するためのカルボキシル基含有不飽和モノマーと同様のものを挙げることができる。
これらカルボキシル基含有不飽和モノマーは、適宜、単独または併用して用いられる。
これらカルボキシル基含有不飽和モノマーのうち、アクリル酸が好適に用いられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合割合は、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、8〜25重量部、好ましくは、8〜22重量部である。上記した範囲より少ないと、水分散型粘着剤組成物としての凝集特性の低減を抑制することができず、上記した範囲より多いと、粗面接着力を高めることができない。
共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有不飽和モノマー以外の共重合性モノマーであって、例えば、ポリマーエマルションを調製するための共重合性モノマー(カルボキシル基含有不飽和モノマーを除く。)と同様のものが挙げられ、そのような共重合性モノマーは、適宜、単独または併用して用いられる。
上記した共重合性モノマーは、任意的に配合され、その配合割合は、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、17重量部以下、好ましくは、14重量部以下である。
なお、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーは、その種類または組成が、ポリマーエマルションを調製するための原料モノマーの種類または組成と同一であってもよく、異なっていてもよい。
そして、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するには、上記した原料モノマーを、例えば、塊状重合や乳化重合などの重合方法により重合する。
塊状重合では、例えば、上記した原料モノマーとともに、重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤などを、適宜配合して、モノマー混合物を調製し、共重合させればよい。
塊状重合における重合開始剤としては、特に制限されず、塊状重合(ラジカル重合)に通常使用される重合開始剤が挙げられ、例えば、ポリマーエマルションを調製するための重合開始剤と同様のものが挙げられる。そのような重合開始剤は、適宜、単独または併用して用いられる。
上記した重合開始剤の配合割合は、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.05〜5重量部である。
塊状重合における連鎖移動剤としては、上記したポリマーエマルションを調製するための連鎖移動剤と同様のものも挙げられ、必要により配合され、その配合割合は、得られるポリマーの分子量を調節する大きな要因となるため、必要とするポリマーの分子量に応じて適宜選択されるが、具体的には、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.1〜20重量部である。
そして、この方法では、上記した原料モノマーとともに、重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤などを、適宜配合して、混合し、モノマー混合物を調製する。
なお、この方法において、得られる低分子量(メタ)アクリルアルキルエステル系ポリマーの粘度を低下させて、反応容器からの抜き取りを容易とするために、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの有機溶剤を、適宜少量添加してもよい。
なお、塊状重合において、反応条件は、例えば、窒素気流下で、反応温度が、例えば、40〜80℃、反応時間が、例えば、4〜12時間である。
乳化重合では、例えば、上記した原料モノマーとともに、重合開始剤、乳化剤、必要に応じて連鎖移動剤や公知の添加剤などを、水性媒体中において適宜配合して共重合する。具体的な乳化重合法としては、ポリマーエマルションを調製するための乳化重合と同様の方法が挙げられる。好ましくは、モノマー滴下法が挙げられる。また、モノマー滴下法においては、ポリマーエマルションとの配合の前後に分割して連続滴下重合する2段重合としてもよい。また、乳化重合において、反応条件は、例えば、窒素気流下で、反応温度が、例えば、20〜100℃である。
このような重合方法により、モノマー混合物を重合して、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを、塊状または水分散液(エマルション)として調製することができる。
上記のように調製された低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量として、100000〜300000、好ましくは、100000〜250000である。上記した範囲より低いと、水分散型粘着剤組成物の凝集力が低下し、上記した範囲より高いと、粗面接着力を高めることができない。
なお、調製した低分子量(メタ)アクリルアルキルエステル系ポリマーに、後述するポリマーエマルションとの配合において、均一に配合するために、アンモニア水などの塩基性化合物などを、ポリマーエマルションとの配合前後に添加して、ポリマー塩を形成させてもよい。
次いで、ポリマーエマルションと低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとを配合することによって、水分散型粘着剤組成物を調製する。
ポリマーエマルションと低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとの配合割合は、ポリマーエマルションの固形分(つまり、ポリマー)100重量部に対して、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーが、例えば、10〜100重量部、好ましくは、45〜100重量部である。上記した範囲より少ないと、粗面接着力を十分に高めることができず、上記した範囲より多いと、水分散型粘着剤組成物の凝集力が低下する。
ポリマーエマルションと低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとを配合するには、通常用いられる公知の混合方法によって、上記の各成分を配合して、均一に混合する。
そして、このように、ポリマーエマルションと低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとを配合することによって、本発明の水分散型粘着剤組成物を調製することができる。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物には、必要に応じて、粘着特性を向上させるため、粘着付与成分を配合してもよい。
粘着付与成分としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂(例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂などの芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂など)、エラストマー類などが挙げられる。
これら粘着付与成分は、適宜、単独または併用して用いられ、その配合割合は、ポリマーエマルションの固形分100重量部に対して、例えば、5〜100重量部、好ましくは、10〜80重量部である。
また、水分散型粘着剤組成物には、その目的および用途に応じて、必要により、架橋剤を配合してもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。これら架橋剤は、適宜、単独または併用して用いられ、その配合割合は、特に制限されず、適宜選択される。
さらに、水分散型粘着剤組成物には、必要に応じて、増粘剤、充填剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料など)、老化防止剤、界面活性剤など、水分散型粘着剤組成物に通常添加される添加剤を、適宜、配合してもよい。これら添加剤の配合割合は、特に制限されず、適宜、選択される。
そして、このような水分散型粘着剤組成物から、粘着シートに積層される粘着剤層を形成すれば、粗面接着力が高く、かつ、高温での凝集特性の低減を有効に抑制することができ、高温雰囲気においても耐久性に優れた粘着シートを得ることができる。
次に、本発明の水分散型粘着剤組成物を、粘着剤層の原料として用いた粘着シートの一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1において、この粘着シートは、上記した本発明の水分散型粘着剤組成物からなる粘着層2が、基材1上に積層されている。
基材1としては、特に制限されず、粘着シートに通常使用される基材が用いられる。例えば、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム類、例えば、クラフト紙などの紙類、例えば、綿布、スフ布などの布類、例えば、ポリエステル不織布、ビニロン不織布などの不織布類、例えば、金属箔などが用いられる。
なお、プラスチックフィルム類は、無延伸フィルムおよび延伸(一軸延伸または二軸延伸)フィルムのいずれをも用いることができる。
また、基材1において、水分散型粘着剤組成物が塗工される表面には、通常使用される下塗剤の下塗処理や、コロナ放電方式などによる表面処理を施しておいてもよい。
また、粘着シートを、光学材料の表面保護に用いる場合には、透明性に優れる基材が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
また、基材1の厚みは、その目的および用途など応じて適宜選択されるが、例えば、10〜100μm、好ましくは、25〜70μmである。
粘着層2は、上記した水分散型粘着剤組成物からなり、水分散型粘着剤組成物を基材1に塗工して得られる。
水分散型粘着剤組成物を基材1に塗工するには、特に制限されず、公知の塗工方法が用いられる。例えば、コーターを用いて、水分散型粘着剤組成物を基材1の表面に塗工すればよく、その後、乾燥させて、粘着層2を形成する。
コーターとしては、特に制限されず、例えば、ファウンテンダイコーター、リップコーター、クローズドエッジダイコーター、グラビヤロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが用いられる。
また、このようなコーターによる塗工において、乾燥後の粘着層2の厚みは、特に制限されず、1mmを超えてもよいが、例えば、500μm以下、好ましくは、3〜300μm、さらに好ましくは、5〜200μmに設定される。
また、乾燥は、公知の方法によって、例えば、50〜200℃、好ましくは、80〜160℃で加熱する。
そして、このようにして得られる粘着シートは、例えば、図1に示すように、基材1の上に、粘着層2を積層し、基材1における粘着層2が積層されている表面と反対側の裏面が、剥離面とされている場合には、図1(a)に示すように、粘着層2が積層されている基材1を、その剥離面が、別の基材1に貼着されている粘着層2と接触するように、巻回することによって、ロール状に形成することができる。また、図1(b)に示すように、基材1の上に、粘着層2を積層し、さらに、その粘着層2の上に、離型シート3を積層して、巻回することによって、ロール状に形成することができる。
また、図1(c)に示すように、予め離型シート3の上に粘着層2を積層し、それを基材1の表裏面に粘着し、これを巻回することによって、ロール状に形成することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例に何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
参考例1
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(商品名:VA−057、和光純薬工業(株)製)0.1部とイオン交換水40部を添加して、窒素置換しながら1時間攪拌混合し、60℃に保った。次いで、予め、アクリル酸ブチル86.6部、アクリル酸2−エチルヘキシル9.6部、アクリル酸3.8部、3−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越シリコーン(株)製)0.05部、1−ドデカンチオール0.07部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム26%水溶液8部を、水24.3部に添加して乳化したものを、4時間かけて上記の反応容器に滴下し、その後、3時間重合した。重合後、アンモニア水を添加してpH8に調整して、ポリマーエマルションを調製した。
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル91部、アクリル酸9部、1−ドデカンチオール0.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を添加し、窒素置換しながら1時間攪拌混合した。その後、55℃で6時間重合して、さらに、85℃で2時間重合した。次いで、トルエン20部を添加し、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製した。
その後、参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対して、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分60部を配合した。次いで、ポリマーエマルションの固形分100部に対して、粘着付与剤(成分:ロジン系樹脂、商品名:タマノルE−200、荒川化学工業(株)製)30部を配合して、水分散型粘着剤組成物を調製した。
続いて、調製した水分散型粘着剤組成物を増粘剤で増粘し、増粘した水分散型粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが60μmとなるように剥離シートにコーティングし、これを100℃で2分間乾燥して、剥離シートに粘着剤層を形成した。次いで、このようにして得られた2枚の剥離シートを、単位面積あたりの重量が14g/m2の不織布の表裏面に貼着することにより、粘着シートを作製した。
実施例2
参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対する低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分の配合割合を60部から、20部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例3
参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対する低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分の配合割合を60部から、90部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸ブチル91部を、82部に変更し、1−ドデカンチオール0.4部を、0.2部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸9部を、18部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(商品名:VA−057、和光純薬工業(株)製)0.1部とイオン交換水42部を添加して、窒素置換しながら1時間攪拌混合し、60℃に保った。次いで、予め、アクリル酸ブチル91部、アクリル酸9部、1−ドデカンチオール0.33部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム26%水溶液4部を、水64.7部に添加して乳化したものを、4時間かけて上記の反応容器に滴下し、その後、3時間重合し、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製した。
その後、参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対して、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分60部を配合した。次いで、ポリマーエマルションの固形分100部に対して、粘着付与剤(成分:ロジン系樹脂、商品名:タマノルE−200、荒川化学工業(株)製)30部を配合して、水分散型粘着剤組成物を調製した。
続いて、実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
比較例1
低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを配合せず、参考例1で調製したポリマーエマルションの固形分100部に対して、粘着付与剤(成分:ロジン系樹脂、商品名:タマノルE−200、荒川化学工業(株)製)30部を配合して、水分散型粘着剤組成物を調製した。
続いて、実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
比較例2
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸9部を、5部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
比較例3
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸9部を、27部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
比較例4
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、1−ドデカンチオール0.4部を、1.6部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
比較例5
参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対する低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分の配合割合を60部から、120部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
比較例6
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、1−ドデカンチオール0.4部を、0.6部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
(評価)
1)重量平均分子量測定
各実施例および各比較例において、調製した低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーをサンプリングし、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーのテトラヒドロフラン溶液を調製し、これを下記に示すゲル・パーミエーション・クロマトグラフにて測定し、ポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量を算出した。
その結果を、表1に示す。
装置:LS−8000(東ソー(株)製)
カラム:TSgel GMH−H(S)、2本連結
カラム温度:38℃
流量:1mL/分
なお、同様の条件にて参考例1のポリマーエマルションの溶剤可溶分の重量平均分子量を測定した。その結果は、354000であった。
2)粗面接着力
各実施例および各比較例の粘着シートを、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート基材に貼り付け、次いで、20×100mmの大きさに切断し、これを厚み10mmのウレタンフォーム(商品名:エバーライトMSG、ブリジストン(株)製)の両面に、厚み1mmのスペーサーを介して、ゴムローラを1往復して圧着した。その後、23℃で30分放置して、23℃雰囲気中で、剥離角度180°および剥離速度300mm/分にて剥離試験を実施し、粗面剥離力を測定した。その結果を、表1に示す。
3)保持力
各実施例および各比較例の粘着シートを、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート基材に貼り付け、次いで、幅10mmで切断して、フェノール樹脂板に対して、10×20mmの接触面積で貼り付けた。その後、これを一晩放置し、さらにその後、80℃で30分放置した。次いで、フェノール樹脂板を垂下して、粘着シートの下方の自由端に、500gの荷重を均一に負荷して、温度80℃、1時間でのずれ距離を測定した。その結果を、表1に示す。なお、表1中、「×」は、粘着シートがずれて、落下したことを示す。
4)端末剥がれ性
各実施例および各比較例の粘着シートの一方面を、厚み10mmのウレタンフォーム(商品名:エバーライトMSG、ブリジストン(株)製)に圧着して、1日放置し、その後、幅10mm長さ50mmの大きさに切断した。次いで、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)板の端部に、ウレタンフォームに圧着された粘着シートの他方面を、その長手方向端面から20mmの長さの部分(幅10mm長さ20mmの部分)において、2kgローラを1往復して圧着し、残りの30mmの長さの部分を、ABS板の圧着面の裏面に軽く折り曲げ、その裏面に十分に接着した。その後、23℃で24時間放置し、ローラで圧着したウレタンフォーム末端の浮き距離を測定した。その結果を、表1に示す。なお、表1中、「×」は、ウレタンフォーム末端が、完全に浮く状態を示す。
Figure 0004799869
本発明の水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着シートの一実施形態であって、 (a)は、基材の片面に粘着層が積層された状態で、巻回されている態様を模式的に示す断面図である。 (b)は、基材の片面に粘着層が積層され、その粘着層に離型シートが貼着された状態で巻回されている態様を模式的に示す断面図である。
(c)は、基材の両面に粘着層が積層され、その粘着層に離型シートがそれぞれ貼着された状態で巻回されている態様を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基材
2 粘着層
3 離型シート

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーを水性媒体中で乳化重合して得られるポリマーエマルションの固形分100重量部と、
    原料モノマーとして、原料モノマーの総量100重量部に対して(メタ)アクリル酸アルキルエステル75〜92重量部と、カルボキシル基含有不飽和モノマー8〜25重量部と、任意的に前記モノマーと共重合可能な共重合性モノマー17重量部以下とを含み、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量が、100000〜300000である低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー10〜100重量部と
    を含んでいることを特徴とする、水分散型接着剤組成物。
  2. 前記カルボキシル基含有不飽和モノマーが、アクリル酸であることを特徴とする、請求項1に記載の水分散型接着剤組成物。
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