JP4799869B2 - 水分散型接着剤組成物 - Google Patents
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また、近年、環境負荷の観点から、有機溶剤の使用を低減することが望まれており、粘着シートに積層される粘着剤組成物についても、溶媒として有機溶剤を使用する溶剤型粘着剤組成物から、分散媒として水を使用する水分散型粘着剤組成物への転換が図られている。
そこで、粗面接着力を高めるために、水分散型粘着剤組成物に低分子量のアクリル系ポリマーを配合することが知られている。
本発明の目的は、粗面接着力を高めつつ、高温での凝集特性の低減を抑制することのできる水分散型粘着剤組成物を提供することにある。
ポリマーエマルションの調製において、原料モノマーの主成分として用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、下記の一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
R2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、ポリマーエマルションの原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、50重量部以上、好ましくは、70〜99.5重量部である。50重量部未満であると、(メタ)アクリル系ポリマーエマルションとしての特性を発現することが困難となる。
そのような共重合性モノマーとしては、例えば、官能基含有モノマーが挙げられる。
官能基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸、例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和ジカルボン酸モノエステル、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキシエチルピロメリット酸などの不飽和トリカルボン酸モノエステル、例えば、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどのカルボキシアルキルアクリレート、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸などの不飽和ジカルボン酸無水物などのカルボキシル基含有不飽和モノマーが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、多官能性モノマーとして、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなども挙げられる。
シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリブトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
このような共重合性モノマーの配合割合は、ポリマーエマルションの原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、50重量部以下、好ましくは、0.5〜30重量部である。
そして、ポリマーエマルションを調製するには、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーを、例えば、乳化重合などの重合方法により、重合する。
乳化剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知の乳化剤が用いられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
これら乳化剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、乳化剤の配合割合は、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.3〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。上記した範囲より少ないと、重合安定性を保持できず、凝集物を生成する場合がある。上記した範囲より多いと、(メタ)アクリル系ポリマーエマルションとしての特性を発現することが困難となる場合がある。
添加剤としては、乳化重合に通常使用されるものであれば特に制限されず、例えば、pH緩衝剤、中和剤、発泡防止剤、安定剤などが挙げられる。
そして、このような乳化重合によって、ポリマーエマルションを水分散液として調製することができる。
低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、ポリマーエマルションを調製するための(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同様のものが挙げられ、適宜、単独または併用して用いられる。
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーであって、分子内にカルボキシル基を有する不飽和モノマーであればよく、ポリマーエマルションを調製するためのカルボキシル基含有不飽和モノマーと同様のものを挙げることができる。
これらカルボキシル基含有不飽和モノマーのうち、アクリル酸が好適に用いられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合割合は、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、8〜25重量部、好ましくは、8〜22重量部である。上記した範囲より少ないと、水分散型粘着剤組成物としての凝集特性の低減を抑制することができず、上記した範囲より多いと、粗面接着力を高めることができない。
上記した共重合性モノマーは、任意的に配合され、その配合割合は、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、17重量部以下、好ましくは、14重量部以下である。
そして、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するには、上記した原料モノマーを、例えば、塊状重合や乳化重合などの重合方法により重合する。
塊状重合における重合開始剤としては、特に制限されず、塊状重合(ラジカル重合)に通常使用される重合開始剤が挙げられ、例えば、ポリマーエマルションを調製するための重合開始剤と同様のものが挙げられる。そのような重合開始剤は、適宜、単独または併用して用いられる。
塊状重合における連鎖移動剤としては、上記したポリマーエマルションを調製するための連鎖移動剤と同様のものも挙げられ、必要により配合され、その配合割合は、得られるポリマーの分子量を調節する大きな要因となるため、必要とするポリマーの分子量に応じて適宜選択されるが、具体的には、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製するための原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.1〜20重量部である。
なお、この方法において、得られる低分子量(メタ)アクリルアルキルエステル系ポリマーの粘度を低下させて、反応容器からの抜き取りを容易とするために、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの有機溶剤を、適宜少量添加してもよい。
乳化重合では、例えば、上記した原料モノマーとともに、重合開始剤、乳化剤、必要に応じて連鎖移動剤や公知の添加剤などを、水性媒体中において適宜配合して共重合する。具体的な乳化重合法としては、ポリマーエマルションを調製するための乳化重合と同様の方法が挙げられる。好ましくは、モノマー滴下法が挙げられる。また、モノマー滴下法においては、ポリマーエマルションとの配合の前後に分割して連続滴下重合する2段重合としてもよい。また、乳化重合において、反応条件は、例えば、窒素気流下で、反応温度が、例えば、20〜100℃である。
上記のように調製された低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量として、100000〜300000、好ましくは、100000〜250000である。上記した範囲より低いと、水分散型粘着剤組成物の凝集力が低下し、上記した範囲より高いと、粗面接着力を高めることができない。
次いで、ポリマーエマルションと低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとを配合することによって、水分散型粘着剤組成物を調製する。
そして、このように、ポリマーエマルションと低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとを配合することによって、本発明の水分散型粘着剤組成物を調製することができる。
粘着付与成分としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂(例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂などの芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂など)、エラストマー類などが挙げられる。
また、水分散型粘着剤組成物には、その目的および用途に応じて、必要により、架橋剤を配合してもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。これら架橋剤は、適宜、単独または併用して用いられ、その配合割合は、特に制限されず、適宜選択される。
そして、このような水分散型粘着剤組成物から、粘着シートに積層される粘着剤層を形成すれば、粗面接着力が高く、かつ、高温での凝集特性の低減を有効に抑制することができ、高温雰囲気においても耐久性に優れた粘着シートを得ることができる。
図1において、この粘着シートは、上記した本発明の水分散型粘着剤組成物からなる粘着層2が、基材1上に積層されている。
基材1としては、特に制限されず、粘着シートに通常使用される基材が用いられる。例えば、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム類、例えば、クラフト紙などの紙類、例えば、綿布、スフ布などの布類、例えば、ポリエステル不織布、ビニロン不織布などの不織布類、例えば、金属箔などが用いられる。
また、基材1において、水分散型粘着剤組成物が塗工される表面には、通常使用される下塗剤の下塗処理や、コロナ放電方式などによる表面処理を施しておいてもよい。
また、粘着シートを、光学材料の表面保護に用いる場合には、透明性に優れる基材が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
粘着層2は、上記した水分散型粘着剤組成物からなり、水分散型粘着剤組成物を基材1に塗工して得られる。
水分散型粘着剤組成物を基材1に塗工するには、特に制限されず、公知の塗工方法が用いられる。例えば、コーターを用いて、水分散型粘着剤組成物を基材1の表面に塗工すればよく、その後、乾燥させて、粘着層2を形成する。
また、このようなコーターによる塗工において、乾燥後の粘着層2の厚みは、特に制限されず、1mmを超えてもよいが、例えば、500μm以下、好ましくは、3〜300μm、さらに好ましくは、5〜200μmに設定される。
そして、このようにして得られる粘着シートは、例えば、図1に示すように、基材1の上に、粘着層2を積層し、基材1における粘着層2が積層されている表面と反対側の裏面が、剥離面とされている場合には、図1(a)に示すように、粘着層2が積層されている基材1を、その剥離面が、別の基材1に貼着されている粘着層2と接触するように、巻回することによって、ロール状に形成することができる。また、図1(b)に示すように、基材1の上に、粘着層2を積層し、さらに、その粘着層2の上に、離型シート3を積層して、巻回することによって、ロール状に形成することができる。
参考例1
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(商品名:VA−057、和光純薬工業(株)製)0.1部とイオン交換水40部を添加して、窒素置換しながら1時間攪拌混合し、60℃に保った。次いで、予め、アクリル酸ブチル86.6部、アクリル酸2−エチルヘキシル9.6部、アクリル酸3.8部、3−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越シリコーン(株)製)0.05部、1−ドデカンチオール0.07部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム26%水溶液8部を、水24.3部に添加して乳化したものを、4時間かけて上記の反応容器に滴下し、その後、3時間重合した。重合後、アンモニア水を添加してpH8に調整して、ポリマーエマルションを調製した。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル91部、アクリル酸9部、1−ドデカンチオール0.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を添加し、窒素置換しながら1時間攪拌混合した。その後、55℃で6時間重合して、さらに、85℃で2時間重合した。次いで、トルエン20部を添加し、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製した。
参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対する低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分の配合割合を60部から、20部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対する低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分の配合割合を60部から、90部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸ブチル91部を、82部に変更し、1−ドデカンチオール0.4部を、0.2部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸9部を、18部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例6
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(商品名:VA−057、和光純薬工業(株)製)0.1部とイオン交換水42部を添加して、窒素置換しながら1時間攪拌混合し、60℃に保った。次いで、予め、アクリル酸ブチル91部、アクリル酸9部、1−ドデカンチオール0.33部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム26%水溶液4部を、水64.7部に添加して乳化したものを、4時間かけて上記の反応容器に滴下し、その後、3時間重合し、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを調製した。
比較例1
低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを配合せず、参考例1で調製したポリマーエマルションの固形分100部に対して、粘着付与剤(成分:ロジン系樹脂、商品名:タマノルE−200、荒川化学工業(株)製)30部を配合して、水分散型粘着剤組成物を調製した。
比較例2
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸9部を、5部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、アクリル酸9部を、27部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
比較例4
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、1−ドデカンチオール0.4部を、1.6部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
参考例1のポリマーエマルションの固形分100部に対する低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの固形分の配合割合を60部から、120部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
比較例6
実施例1の低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーの調製において、1−ドデカンチオール0.4部を、0.6部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、続いて、粘着シートを作製した。
1)重量平均分子量測定
各実施例および各比較例において、調製した低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーをサンプリングし、低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーのテトラヒドロフラン溶液を調製し、これを下記に示すゲル・パーミエーション・クロマトグラフにて測定し、ポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量を算出した。
装置:LS−8000(東ソー(株)製)
カラム:TSgel GMH−H(S)、2本連結
カラム温度:38℃
流量:1mL/分
なお、同様の条件にて参考例1のポリマーエマルションの溶剤可溶分の重量平均分子量を測定した。その結果は、354000であった。
各実施例および各比較例の粘着シートを、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート基材に貼り付け、次いで、20×100mmの大きさに切断し、これを厚み10mmのウレタンフォーム(商品名:エバーライトMSG、ブリジストン(株)製)の両面に、厚み1mmのスペーサーを介して、ゴムローラを1往復して圧着した。その後、23℃で30分放置して、23℃雰囲気中で、剥離角度180°および剥離速度300mm/分にて剥離試験を実施し、粗面剥離力を測定した。その結果を、表1に示す。
各実施例および各比較例の粘着シートを、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート基材に貼り付け、次いで、幅10mmで切断して、フェノール樹脂板に対して、10×20mmの接触面積で貼り付けた。その後、これを一晩放置し、さらにその後、80℃で30分放置した。次いで、フェノール樹脂板を垂下して、粘着シートの下方の自由端に、500gの荷重を均一に負荷して、温度80℃、1時間でのずれ距離を測定した。その結果を、表1に示す。なお、表1中、「×」は、粘着シートがずれて、落下したことを示す。
各実施例および各比較例の粘着シートの一方面を、厚み10mmのウレタンフォーム(商品名:エバーライトMSG、ブリジストン(株)製)に圧着して、1日放置し、その後、幅10mm長さ50mmの大きさに切断した。次いで、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)板の端部に、ウレタンフォームに圧着された粘着シートの他方面を、その長手方向端面から20mmの長さの部分(幅10mm長さ20mmの部分)において、2kgローラを1往復して圧着し、残りの30mmの長さの部分を、ABS板の圧着面の裏面に軽く折り曲げ、その裏面に十分に接着した。その後、23℃で24時間放置し、ローラで圧着したウレタンフォーム末端の浮き距離を測定した。その結果を、表1に示す。なお、表1中、「×」は、ウレタンフォーム末端が、完全に浮く状態を示す。
2 粘着層
3 離型シート
Claims (2)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする原料モノマーを水性媒体中で乳化重合して得られるポリマーエマルションの固形分100重量部と、
原料モノマーとして、原料モノマーの総量100重量部に対して(メタ)アクリル酸アルキルエステル75〜92重量部と、カルボキシル基含有不飽和モノマー8〜25重量部と、任意的に前記モノマーと共重合可能な共重合性モノマー17重量部以下とを含み、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレンの校正曲線に基づく重量平均分子量が、100000〜300000である低分子量(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー10〜100重量部と
を含んでいることを特徴とする、水分散型接着剤組成物。 - 前記カルボキシル基含有不飽和モノマーが、アクリル酸であることを特徴とする、請求項1に記載の水分散型接着剤組成物。
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