JP4798740B2 - 光路偏向素子、画像表示装置および光路偏向素子の制御方法 - Google Patents

光路偏向素子、画像表示装置および光路偏向素子の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光路偏向素子、画像表示装置および光路偏向素子の制御方法に関し、特に、透明電極に制御電圧を印加することにより液晶分子の偏光率を変えて光路を偏向させる光路偏向素子と、その光路偏向素子を利用した画像表示装置および光路偏向素子の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ところで、従来の光路偏向素子を使用した画像表示装置においては、例えば、液晶を使用する場合などで、光路偏向素子ユニットの画素数を増大すると、開口率が悪化したり、輝点欠点が発生したりして、生産時の歩留りを低下させることとなり、これにより、コストが増大することが避けられなかった。
そこで、実際には、光路偏向素子ユニットの画素数を増大することなく、見かけ上の画素数の増大を図り、かつ、同時に、表示画面上でのコントラストも向上させる様々な技術が案出されている。
従来の光路偏向素子の制御方法 および画像表示装置に関する技術を、特許公報を対象として遡及調査すると、例えば、特許第2939826号公報には、表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置において、前記表示素子から前記スクリーンに至る光路の途中に透過光の偏光方向を旋回できる光学素子を少なくとも1個以上と、複屈折効果を有する透明素子を少なくとも1個以上を有して成る投影画像をシフトする手段と、前記表示素子の開口率を実効的に低減させ、表示素子の各画素の投影領域が前記スクリーン上で離散的に投影される手段とを備えたことを特徴とする技術が示されている。
【0003】
また、特開平6−324320号公報には、縦方向 および横方向に配列された複数個の画素の各々を表示画素パターンに応じて発光させて画像を表示する画像表示手段を備え、この画像表示手段と観測者またはスクリーンとの間に、光路をフィールドごとに変更する光学部材を配し、前記フィールド毎に、前記光路の変更に応じて表示位置がずれている状態の表示画素パターンを前記画像表示手段に表示することにより、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成された画像表示装置の画素数を増加させることなく、表示画像の解像度を、見掛け上、向上させる技術が示されている。この場合、屈折率が異なる部位が、画像情報のフィールドごとに、交互に、画像表示装置と観測者またはスクリーンとの間の光路中に現れるようにすることで、前記光路の変更が行われる。
また、特開平8−29779号公報には、低解像度の表示素子を使用して高精細な画像を表示可能にすると共に、コントラストを改善するための偏光スクリーン上でのコントラストの改善を図る技術が示されている。この場合、フィールド毎にLCDからの表示光の偏波面を第1の偏波面回転素子により回転させ、複屈折光学素子を通過させて一方のフィールドの光路を他方に対してシフトさせ、見かけ上の画素を増大させる。
【0004】
さらに、前記複屈折光学素子の後段に第2の偏波面回転素子を配置することにより、前記複屈折光学素子から出射された偏波面が回転された一方のフィールドの表示光の偏波面を逆に回転させて、その偏波面を通常の垂直に戻している。
さらに、特開平10−55029号公報には、1フレームの画像を複数フィールドに分割して表示させる投射型表示装置に関し、画素数の少ない光変調素子を用いても光の透過率やコントラストを低下させずに簡単な構成で時分割表示を行い、高解像度で画像を表示できる投射型表示装置が示されている。この場合、光変調素子に供給するフィールド信号に同期させてアクチュエータを駆動させることにより、マイクロレンズアレイに入射する光の光軸に直交する水平/垂直方向にマイクロレンズアレイを移動 または振動させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、前述の光路偏向素子の制御方法 および画像表示装置の従来技術では、通常、液晶材料は波長によって屈折率が異なる性質、即ち、波長分散特性があるため、光学素子(光路偏向素子)として液晶材料を用いた場合に、上記光学素子へ入射される入射光の波長により、光路シフト量が変動し、そのためスクリーン上に投射される表示画像の色にドットの位置ずれが生じるといった問題点を有していた。
なお、前述の特開平第2939826号公報の「投影表示装置」では、光の波長により投影画像のシフト量が変動し解像度が低下し易くなる。
また、特開平6−324320号公報の「画像表示装置、画像表示装置の解像度改善方法、撮像装置、記録装置 および再生装置」では、光路を変更するための具体的な手段として、電気光学素子と複屈折材料の組合わせ機構、レンズシフト機構、バリアングルプリズム、回転ミラー、回転ガラス等から成る装置が示されており、この他に、ボイスコイル、圧電素子等によりレンズ、反射板、複屈折板等の光学素子を変位(平行移動、傾斜)させて光路を切り替える方式を提案しているが、これらの装置や方式では、光学素子を駆動するために構成が複雑となり、従って、コストが高くなる。
【0006】
また、特開平8−29779号公報の「偏光回転による光学ウォブリング表示装置」では、複屈折光学素子に加えて、複屈折光学素子の後段の第2の偏波面回転素子が必要となるので、コストが増大する。
また、特開平10−55029号公報の「投射型表示装置」では、光路変調手段として、入射光の光軸に直交する水平/垂直方向にマイクロレンズアレイを物理的に移動 または振動させるため、振動、音の発生が問題となる。
さらに、特開平10−55029号公報の本文中には、「本実施の形態では複数画素に対応したマイクロレンズアレイ4を移動変化させたが、光変調素子の隣接する複数画素からの出射光をそれぞれの口径内に含む複数の集光光学素子を隣接配置した集光手段と、集光手段により離散的にされた投射画像を補間するように投射領域を変更する手段があればよいので、例えば文献(「佐藤進;液晶を利用した焦点可変レンズ」,光技術コンタクト,Vol32,No.11,p.24〜p.28,1994)に開示されているような液晶レンズを利用し、フィールド信号に同期させて選択的に電圧を印加してレンズの形成位置を変化させるようにしてもよい」、という記載がある。
【0007】
但し、上記文献に記載の円形穴形パターンを持つ液晶マイクロレンズアレイでは、光軸方向での焦点距離を変化させることは比較的容易であるが、レンズアレイの配列方向で集光位置を変化させることは出来ない。
なお、この点を解決する技術として、レンズの配列面方向での集光位置を制御する技術として特開平11−109304号公報に分割電極による方法が開示されている。
しかしながら、分割電極を有する液晶レンズをアレイ状とした場合、電極配線が複雑となるため、レンズ形成の間隔を比較的広く設定しなければならない。それ故、特開平11−109304号公報で開示されているような半導体レーザーアレイと複数の光ファイバーの結合を用いる場合のように、レンズの設置間隔が比較的広くても良い場合には適しているが、特開平10−55029号公報に示されている画像表示素子の画素ピッチのように、レンズ形成の間隔が比較的狭い場合には、レンズ形成部の開口率が小さくなってしまうといった問題点を有していた。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、透明電極へ印加する電圧を制御して透過光の波長域に対応した光路シフトを行ない、表示画素を見かけ上増大すると共に光路のシフト量を均一に保つことがきる光路偏向素子を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、光の波長分散を補正し、光路シフト量を一定にすることができる光路偏向素子を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、光路偏向素子に時間的に異なる波長域の波長が入射してくる場合でも光路シフト量を均一にする光路偏向素子を提供することにある
【0009】
発明の請求項の目的は、特に、入射側画素の画素ピッチよりも高い解像度で透過光偏向量の制御を行うことができると共に、表示画像の色によるドットの位置ずれを補正し得る光路偏向素子を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、フィールド・シーケンシャル方式を用いた場合でも表示画像の色によるドットの位置ずれを補正し、且つ比較的小型な画像表示装置を提供することにある
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る光路偏向素子は、上記した目的を達成するために、一対の透明基板と、前記一対の透明基板間の液晶層と、前記液晶層に電界を印加する透明電極を有する光路偏向素子において、前記液晶層への入射光の波長域に対応して、入射光の波長によらず光路シフト量を均一にするように、複数個の前記透明電極の各々に異なる印加電圧を印加する光路偏向電圧制御手段を備えたことを特徴としている。
また、請求項2に記載した本発明に係る光路偏向素子の前記光路偏向電圧制御手段は、複数の異なる波長域の光が時間的に順次切り替わりながら光路偏向素子に入射するとき、各波長域に対応して、印加電圧の値を時間的に順次切り替えるように構成したことを特徴としている
【0011】
求項に記載した本発明に係る画像表示装置は、上記した目的を達成するために少なくとも画像情報に従って、光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する光源と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子と前記光学部材の間の光路を偏向する請求項1またはに記載される光路偏向素子を有し、サブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示装置がずれている状態の画像パターンを表示することで、前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍すると共に表示画像の色によるドットの位置ずれを補正して表示するように構成したことを特徴としている。
【0012】
請求項に記載した本発明に係る画像表示装置は、複数の異なる波長域の光を時間的に順次切り替えながら前記画像表示素子に照射する光源または波長切替手段を有し、各波長に対応する画像信号を用いて前記画像表示素子を駆動することでカラー画像を得る画像表示装置において、前記各波長の切替えタイミングに同期させて、光路偏向素子の印加電圧を変化する光路偏向電圧制御手段を有することを特徴としている
【0013】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による光路偏向素子は、一対の透明基板と、前記一対の透明基板間の液晶層と、前記液晶層に電界を印加する透明電極を有する光路偏向素子において、前記液晶層への入射光の波長域に対応して、入射光の波長によらず光路シフト量を均一にするように、光路偏向電圧制御手段により複数個の前記透明電極の各々に異なる電圧を印加するようにしている。
このような構成により、光路偏向素子の偏向特性を入射光の各波長域で別々に設定し、各波長域毎の光の波長分散を補正しているので、光路シフト量を一定にすることができる。
また、請求項2による光路偏向素子の前記光路偏向電圧制御手段は、複数の異なる波長域の光が時間的に順次切り替わりながら光路偏向素子に入射するとき、各波長域に対応して、印加電圧の値を時間的に順次切り替えるように構成してある。
このような構成により、入射光の各波長域が時間分割されて入射するとき、その各波長に対応して印加電圧の値を切り替えるので、各波長域における光路シフト量を、確実に均一にすることができる。
【0015】
また、請求項による画像表示装置は、少なくとも画像情報に従って、光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する光源と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子と前記光学部材の間の光路を偏向する請求項1またはに記載される光路偏向素子を有し、サブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示装置がずれている状態の画像パターンを表示することで、前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍すると共に表示画像の色によるドットの位置ずれを補正して、表示するように構成してある。
このような構成により、光路偏向素子への入射光の波長域に対応した電圧を該光路偏向素子に印加させ、光路シフト量を一定にすることが可能な光路偏向素子を有しているので、表示画像の画素数を増倍し、かつ表示画像の色によるドットの位置ずれを補正することができる。
【0016】
また、請求項による画像表示装置は、複数の異なる波長域の光を時間的に順次切り替えながら前記画像表示素子に照射する光源または波長切替え手段を有し、各波長に対応する画像信号を用いて前記画像表示素子を駆動することでカラー画像を得る画像表示装置において、光路偏向電圧制御手段により前記各波長の切替えタイミングに同期させて、光路偏向素子の印加電圧を変化するように構成してある。
このような構成により、フィールドシーケンシャル方式により、光路偏向素子への入射光の各波長域が時間分割され、その各波長に対応して印加電圧の値を切り替えて、光路シフト量を均一に保つ光路偏向素子を有しているので、表示画像の色によるドットの位置ずれを補正し、且つ装置を小型化することができる
【0017】
尚、本発明は、つぎのように構成してもよい。
すなわち、本発明の光路偏向素子は、一対の透明基板と、前記透明基板間の液晶層と、前記液晶層に電界を印加する透明電極とを備えた光路偏向素子において、前記透明電極は、液晶層側に接するように設置する。このような構成により、液晶層に制御用の電界作用を効果的に及ぼすことができる。
本発明の光路偏向素子は、前記透明電極を前記一対の透明基板の少なくともいずれか1つの面上に設置し、かつ入射側画素の画素ピッチに対応してアレイ状に形成する。このような構成により、入射側画素の画素ピッチを維持する解像度で透過光偏向量の制御を行うことができる。
本発明の光路偏向素子は、前記透明電極が前記一対の透明基板の少なくともいずれか1つの面上に設置し、かつ前記透明電極のピッチは入射側画素の画素ピッチの整数倍、または整数分の1に一致して形成する。このような構成により、入射側画素の画素ピッチを基準とする望みの解像度で透過光偏向量の制御を行うことができる。
【0018】
本発明の光路偏向素子は、前記透明電極を前記一対の透明基板の少なくともいずれか1つの面に接して設置し、かつ複数本の透明電極ラインは一組として配置し、かつ透明電極ラインの組は、入射側画素の画素ピッチに対応して形成する。このような構成により、入射側画素の画素ピッチよりも高い解像度で透過光偏向量の制御を行うことができる。
本発明の光路偏向素子は、前記透明基板に導電性を付与し、かつ前記透明電極を前記透明基板で代用する。このような構成により、コストを低減することができる。
本発明の光路偏向素子は、前記液晶層の液晶分子が、前記液晶層が無電界の場合に前記透明基板に沿って平行となるように予めホモジニアス配向処理される。このような前処理により、透過光偏向量の制御を容易に実行することができる。
本発明の光路偏向素子の制御方法は、前記透明電極に印加する印加電圧の電圧値を、前記液晶層と前記透明電極とを通過する液晶光の周波数の増大に対応して増大させる。このような構成により、表示画像の色の違いによるドットの位置ずれを簡単な電圧制御手段で補正することができる。
【0019】
本発明の光路偏向素子の制御方法は、前記透明電極に印加する印加電圧の電圧値を、前記領域毎に設定される光路偏向条件に対応させて制御する。このような構成により、前記領域毎の光路の物理的な特性を考慮すると共に、前記領域毎の入射光の波長域に対応させて透過光偏向量を均一に制御することができる。
さらに、本発明の画像表示装置は、複数の画素を有する画像表示素子に表示された画像を、透過光を偏向させる光路偏向素子を介してスクリーンに上に拡大表示する画像表示装置において、前記光路偏向素子内を透過する光の光路を複数のサブフィールドに分割すると共に、前記サブフィールド内を透過する光の偏向量を、前記光の波長に応じて制御する光路偏向電圧制御手段を有する。このような構成により、画像表示素子が表示する画像を、画像表示素子の画素ピッチを基準とする望みの解像度で、スクリーンに表示する画像表示装置を実現することができる。
また、本発明の画像表示装置は、前記光路偏向素子内を透過する光の波長の切替タイミングに同期させて、前記制御用電圧の電圧値を変化させる。このような構成により、表示画像の画素数を見かけ上増倍し、かつ表示画像の色の違いによるドットの位置ずれを補正する画像表示装置を実現することができる。
【0020】
本発明の画像表示装置は、前記画像表示装置において複数の異なる波長域の光を時間的に順次切り替えながら前記画像表示素子に照射する光源または波長域切替手段と、前記波長域に対応する画像信号を用いて前記画像表示素子を駆動する表示駆動手段とを備える。このような構成により、いわゆるフィールドシーケンシャル方式を採用した画像表示素子からの表示画像の色の違いによるドットの位置ずれを補正し、かつ装置を小型化することができる。
本発明の画像表示装置は、前記光路偏向素子が、前記サブフィールドに対応した制御用電圧の電圧値に応じて、前記サブフィールドを透過する光の偏向量を変化させる光路偏向電圧制御手段を有する。このような構成により、前記サブフィールド毎の光路の物理的な特性を考慮すると共に、前記サブフィールド毎の入射光の波長域に対応させた透過光偏向量の制御が可能な画像表示装置を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の光路偏向素子 および画像表示装置を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の要部の構成を示す構成図である。
図1に示す画像表示装置は、光源駆動手段111、表示駆動手段112、光路偏向電圧制御手段113、画像表示制御回路114、白色ランプ121、拡散板122、コンデンサレンズ123、透過型液晶ライトバルブ124、光路偏向素子125、投射レンズ126およびスクリーン127を具備している。
このうち、光源駆動手段111は、光源である白色ランプ121を駆動制御したり、複数の異なる波長域の光を時間的に順次切り替えながら、透過型液晶型ライトバルブ124に照射するように制御する。また、表示駆動手段112は、画像表示素子である透過型液晶ライトバルブ124を駆動制御し、例えば、各波長に対応する画像信号を用いて上記ライトバルブ124を駆動制御する。さらに、光路偏向電圧制御手段113は、光路偏向素子125に印加される電圧を制御する。
【0022】
例えば液晶層313への入射光の波長域に対応して複数個の透明電極アレイ312の各々に異なる電圧を印加する。また、画像表示制御回路114は、光源駆動手段111、表示駆動手段112、光路偏向電圧制御手段113の駆動タイミングを制御する。
なお、白色ランプ121は、バックライト、即ち、画像表示素子である透過型液晶ライトバルブ124を照明するための光源として機能する。また、拡散板122は、白色ランプ121から放出された光を均一化された照明光に変換する。さらに、コンデンサレンズ123は、拡散板122で得られた照明光が、透過型液晶ライトバルブ124をクリティカルに照明できるような照明光に変換する。
透過型液晶ライトバルブ124は、コンデンサレンズ123で得られた照明光を画像光に変換する画像表示素子として機能する。また、光路偏向素子125は、透過型液晶ライトバルブ124で得られた画像光を、画素の配列方向に任意の距離だけシフトする。さらに、光学部材としての投射レンズ126は、光路偏向素子125を通過した画像光を拡大し、スクリーン127に投射する。スクリーン127は、投射レンズ126を通過した画像光を映像に変換する。
【0023】
なお、第1の実施の形態では、光源として白色ランプ121を示しているが、一般に、光源として白色あるいは任意の色の光を高速にON/OFFできるものならば全て用いることが可能である。例えば、LED(発光ダイオード)ランプや、レーザー光源、白色のランプ光源にシャッターを組合わせたものなどを用いることが可能である。
また、この第1の実施の形態では、画像表示素子として透過型液晶ライトバルブ124を示しているが、一般に、本発明には、画像表示素子として、透過型液晶ライトバルブの他に、反射型液晶ライトバルブや、DMD(Digital Micromirror Device)素子などを用いることが可能である。
さらに、光源から出た光を均一に画像表示装置に照射する装置としては、本実施の形態で示している拡散板122、コンデンサレンズ123の他に、フライアレンズを使用することも可能である。
【0024】
以下、第1の実施の形態に係る画像表示装置の機能をさらに詳細に説明する。
電源または波長切替手段を有する光源駆動手段111で制御されて光源である白色ランプ121から放出された光は、拡散板122により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ123により画像表示素子である透過型液晶ライトバルブ124をクリティカル照明する。
この透過型液晶ライトバルブ124で空間光変調された照明光は、画像光として投射レンズ126で拡大され、スクリーン127上に投射される。ここで、透過型液晶ライトバルブ124の後方に配置された光路偏向素子125に印加される電圧を、光路偏向電圧制御手段(以下、「電圧制御手段」と略称することがある)113により制御することで、画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトする。
この第1の実施の形態では、透過型液晶ライトバルブ124の直後に光路偏向素子125を配しているが、本発明では、一般に、光路偏向素子125を配する位置は、前述の位置には限定されず、例えば、スクリーン127の直前などに配置してもよい。但し、スクリーン127の付近に配置する場合には、光路偏向素子125のサイズや、光路偏向素子125の構成要素である透明電極ピッチ(図示は省略)などは、その位置での画面サイズや画素サイズに応じて設定されるので、大型化、高コスト化を来たすことになる。
【0025】
いずれの場合であっても、画像光のシフト量は、画素ピッチの整数分の1であることが好ましい。例えば、画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行う場合は、画素ピッチの1/2に設定し、3倍の画素増倍を行う場合は、画素ピッチの1/3に設定することが好ましい。また、光路偏向電圧制御手段113の構成によって大きいシフト量が得られる場合には、このシフト量を画素ピッチの(整数倍+整数分の1)の長さに設定してもよい。いずれの場合にも、画素のシフト位置に対応したサブフィールドの画像信号を用いて透過型液晶ライトバルブ124を駆動し、かつ光路偏向素子125へ入射する光の波長に対応して光路偏向電圧制御手段113における電圧制御を行い、これにより、図2に示すように、光路シフト量を一定に保つことが可能である。
図2は、第1の実施の形態に係る画像表示装置によって得られる画像の画素構成を示す構成図である。
【0026】
第1の実施の形態に掛かる画像表示装置では、図2に示すように、実際の画素2a(実線の矩形で示す)に加えて、見かけ上の画素である画素2b(破線の矩形で示す)による増倍効果が得られ、使用したライトバルブの解像度以上の高精細な画像を色収差なく表示することを可能にしている。
なお、図1に示す透過型液晶ライトバルブ124は、カラーフィルターを組み合わせて構成することが可能である。また、単板の画像表示素子を時間的に順次に3原色光で照明するフィールドシーケンシャル方式を採用しても、フルカラー画像を表示することが可能である。この時、白色ランプ光源と回転カラーフィルターを組み合わせることにより、時間にずらせて順次の3原色光を生成してもよい。
また、図1に示す光路偏向電圧制御手段113としては、電圧印加によって屈折率分布の制御が可能な液晶セルを用いることが可能であり、さらに、この液晶セルとして、第2の実施の形態で示す光路偏向素子を使用することも可能である。
【0027】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の状態別断面図である。
このうち、図3(a)は、第2の実施の形態に係る光路偏向素子の非動作時の構造を模式的に示している。図3(b)および図3(c)は、第2の実施の形態に係る光路偏向素子の動作時の構造を模式的に示し、透明電極アレイ312のうち、網掛け表示した透明電極にのみ閾値以上の電圧を印加した場合の(即ち、光路偏向素子の各動作時における)構造を模式的に示している。
この第2の実施の形態は、本発明の請求項1に対応する。図3(a)、(b)、(c)に示す光路偏向素子は、一対の透明基板311,315、このうち一方の透明基板311に連接された透明電極アレイ312、この透明電極アレイ312と透明電極314との間に挟まれた液晶層313を具備する。
透明電極アレイ312は複数とし、その各々には、上述した光路偏向電圧制御手段113などにより、それぞれ異なる電圧を印加することができるものとする。なお、この要請を具体化するには、印加電圧を供給する配線回路を透明電極アレイ312毎に別系統として設置することが可能である。
【0028】
透明電極アレイ312は、透明基板311の下部に画素ピッチに対応してアレイ状に形成されている。液晶層313は、透明電極アレイ312と透明電極314との間に電圧が印加されることによって屈折率分布が制御される。
透明基板311,315の材質は、ガラス、プラスチック等を使用できる。また、透明電極314の材質には、ITO(Indium Tin Oxide)等が使用可能である。
透明電極314は、液晶層側に接するように設置する。また、基板(ここでは、透明基板311,315)自体が導電性を有している場合は、この基板を電極としても利用することができる。
透明電極アレイ312のピッチは、画素ピッチと1対1で対応している場合だけとは限らず、所定の屈折率分布を得るために、画素ピッチの整数倍あるいは整数分の1に一致させる場合もあってよいものとする。また、複数本の透明電極ラインを一組として、その組を画素ピッチに対応させることも可能であるものとする。
【0029】
透明電極314の液晶層に接する面は、液晶分子が配向するように処理することが好ましい。この配向処理には、TN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜を利用することが可能である。また、ラビング処理や光配向処理を施すことが好ましい。さらに、透明電極314の表面には絶縁膜を設けても構わない。
液晶層313を形成する液晶材料としては、一般的なネマチック液晶を用いることが可能であるが、複屈折Δnや誘電異方性Δεが大きい方が好ましい。特に、液晶材料の常光屈折率は、ガラス基板の屈折率に近い1.5〜1.6程度とし、かつ、異常光屈折率は1.7〜1.8程度と大きくすることが好ましい。液晶層313の厚さは、透明基板311,315間のスペーサ部材の厚さに応じて設定し、上述のΔnやΔεに応じて所定の光路偏向量や応答速度が得られるように最適化するものとする。
なお、スペーサ部材は、光の透過を阻害することが無いように、液晶層の周辺部にのみ設けることが好ましい。
【0030】
図3(a)に示す光路偏向素子では、無電界の場合に、液晶分子が透明基板311に沿って平行になるようにホモジニアス配向処理されている(ここでは、液晶分子の長軸が紙面の左右方向になるような配向処理を想定している)。
透明基板311の下部には、前述のように透明電極ライン312がアレイ状に形成されている(ここでは、間隔の広い2本の電極ラインを1組として、画素1つに対応させている。なお、電極ライン間の間隔が狭い部分は、画素間の境界部に対応している)。透明電極314は、ここでは素子全面に形成されているが、図22に示すように、透明電極ライン312と対称をなすアレイ電極であってもよい。
図3(b)は、光路偏向素子(動作状態aに対応)が、透明電極ライン312のうち、ハッチングにて表示した透明電極ラインにのみ閾値以上の電圧を印加した場合の構造を模式的に示す。電圧を印加した電極部では、液晶分子が電界の作用によって垂直に配向し、無印加の電極部では水平に配向したままになる。この光路偏向素子の内部に存在する不均一電界の作用による配向方向の分布によって、異常光に対する屈折率分布が生じる。
【0031】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の動作状態(a)、(b)における透明電極に沿った方向の液晶層の位置と屈折率との関係を示すグラフである。
紙面の平行な偏光面を持つ直線偏光が入射する場合、液晶分子長軸が基板に垂直に配向するに従って実効的な屈折率が小さくなり、図4に示す実線グラフ(動作状態aに対応)のような屈折率分布の影響を受ける。また、前述のように構成される画素の各々の中心部に、下部から上部に入射した偏光は、屈折率の傾斜による屈折効果によって図3(b)に示すように左側に偏向される。
図3(c)に示す光路偏向素子(動作状態bに対応)の構造は、図3(b)に示す光路偏向素子の透明電極アレイ312のうち、電圧が印加される電極を隣接の透明電極に切り換えることにより得られるが、この時、液晶分子の配向状態も変化し、図4に示す破線グラフ(動作状態bに対応)のような屈折率分布に変化する。この場合、前述のように構成される画素の各々の中心部に、下部から上部に入射した偏光は、屈折率の傾斜による屈折効果によって図3(c)に示すように右側に偏向される。
【0032】
この時の屈折率の変化速度は、液晶材料の物性や電界によって最適化される。画素シフト方式では、サブフレームの時間を10msec以下とすることが好ましいため、応答時間としては数msec以下が要求される。ネマチック液晶を用いた場合には、2周波駆動法を用いて高速応答化しても良い。2周波駆動法を用いる場合には、1つの透明電極ラインに駆動周波数の異なる電圧の印加が可能な駆動方法を用いる必要がある。
この光路偏向素子を使用する際には、いずれかの駆動方法で、動作状態aと、動作状態bとを、液晶ライトバルブに表示するサブフレームの駆動タイミングに合わせて光路偏向電圧制御手段113によって交互に切換えることで、図2に示したような、見かけ上の画素増倍作用を得ることができる。但し、この偏向量は、入射光の波長の違いによっても変化する。
図22および23は、本発明の第3および第4の実施の形態に係る光路偏向素子の構造を模式的に示す断面図である。
図3に示す光路偏向素子では、上部透明基板311の下部の透明電極のみを透明電極アレイ312としてアレイ状に形成しているが、図22に示す第3の実施形態では、透明電極アレイ312を上下両基板に形成している。
【0033】
また、図23に示す第4の実施の形態では、斜線部で示したように電極アレイ316を追加し、液晶層内の電界分布をさらに微調整するために補助的に電圧を印加し、波長を変えることができるようにしてある。
さらに、図23に示す第4の実施の形態に係る光路偏向素子では、1画素当たりに補助的な電極アレイ316を1本づつ追加しているが、より細かく屈折率分布を調整するために、1画素当たりに複数本づつ追加すると共に、これらの追加された補助的な電極アレイ316に対しては、波長によって印加電圧を段階的に変化させてもよいものとする。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の第1の制御方法を示し、液晶ライトバルブの4つの画素からの出射光が液晶セルに入射する場合の光路を模式的に示す説明図である。
図5で、例えば、第1のサブフレームで4つの入射側画素55がそれぞれa,c,e,gの状態の時、液晶セル53(本発明の光路偏向素子に相当)を図3の動作状態aにすると、液晶セル53の下面に入射された入射側画素の各々からの光は、上方に進むにつれて左側に偏向する。また、第2のサブフレームでは4つの入射側画素55をそれぞれb,d,f,hの状態に切換え、それに同期して液晶セル53を図3の動作状態bに切換えると、液晶セル53の下面に入射された入射側画素の各々からの光は、上方に進むにつれて右側に偏向する。
【0034】
この第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法では、サブフレームを数十Hzから数百Hzで切換えることで、液晶セル53中で斜めに進んだ光は、液晶セル53の上面では見かけ上、a,b,c,d,e,f,g,hと並んだ8つの出射側画素51となって出力される。なお、液晶セル53から出射した光が投射光学系の光軸に対して平行になるような光学素子を設けてもよい。
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、透明電極に印加する電圧の制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
また、図7は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、透明電極に印加する電圧の制御を行った場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【0035】
さらに、図8は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を説明するためのもので、画素と、液晶ライトバルブの画素との対応関係を模式的に示す説明図である。
前述のとおり、波長の違いによって光の偏向量は変化する。例えば、図6に示すように液晶層313が図3の状態aのとき、入射光として波長の異なる3原色の入射側画素55(符号R,G,Bで示す)の光が、液晶層313の下面にそれぞれ入射されると、各色によって出射側画素51のシフト量が変化し、色の違いによるドットの位置ずれが生じる。図6では、R,G,Bの順で偏向料が大きくなっていく様子が示されている。
前述のとおり、複数の透明電極312の各々には、それぞれ異なる電圧を印加することが可能である。そこで、この複数の透明電極312の各々に、それぞれ異なる電圧を印加するような電圧制御手段を採用することにより偏向量を一定にし、色の違いによるドットの位置ずれを補正することができる。
【0036】
本発明の構成でフルカラー画像を表示するために、液晶ライトバルブにカラーフィルターを合わせたような場合、図8に示すように液晶ライトバルブの1画素に3原色(R,G,B)の各色が構成されている。液晶ライトバルブ82の1画素と光路偏向素子81の1画素とは1対1に対応し、かつ、それぞれ同一方向の直線で結ぶことが可能であるので、光路偏向素子へは決まった位置に決まった波長の光が入射する。
図3で示すように、液晶の配向状態により屈折率分布が変化し、偏向がなされるが、図6で示すように、透過光の波長の違いにより偏向量が変化するが、入射する光の各波長(色)毎に電圧を制御することにより、偏向量を一定にすることが可能となる。
図7に、偏向量を一定に補正する電圧の制御方法を示す。液晶の波長分散は、波長が高く(長く)なるにつれ屈折率は小さくなる傾向があるため、赤色の偏光に起因する電圧をV、緑色の偏光に起因する電圧をV、青色の偏光に起因する電圧をVとすると、V≦ V≦ Vとなるように電圧を制御することで、各色の偏向量は一定になる。
【0037】
しかし、液晶の種類によって波長分散は異なるため、印加電圧の電圧値は、光路偏向電圧制御手段113を備えた条件設定手段(図示せず)により、液晶の種類毎に適した値を選定して設定する。また、偏向量を一定にする手段として、フィルタ等を採用し、出射光の屈折率を変化させて偏向量を制御してもよく、電極構造、液晶層の厚さを適した条件に設定して制御してもよい。
なお、図5に示すように、液晶セル53により光の方向のみが変えられる場合には、出射側の画素サイズに合わせて入射側の画素サイズを小さく調整しておく必要がある。入射側の画素サイズの調整法としては、画素位置に対応した開口部を持つマスクを通して光路を規制する方法や、画素位置に対応したマイクロレンズアレイで集光する方法などを適用できる。
しかし、マスクを使う方法は光利用効率が低下するし、マイクロレンズアレイで集光する方法は、マイクロレンズアレイを新たに設ける必要があり、その分コストアップになる。そこで、本発明に係る光路偏向素子の他の構成では、1つの液晶セルに画素サイズの縮小機能と光路偏向機能を同時に持たせている。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、画素縮小機能を付加した場合の構造を模式的に示す状態別断面図である。
【0038】
また、図10は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子に画素縮小機能を付加した場合の液晶層の配列方向と屈折率との関係を示すグラフである。
使用する材料や処理方法などの基本的な構成は、図3に示す光路偏向素子と同じでよいが、透明電極アレイ312のピッチや幅などが図3に示す光路偏向素子とは異なる。
図9に示す光路偏向素子では、上側の透明基板311の下部に画像表示素子の画素ピッチと同じピッチで透明電極アレイ312が形成されている。各電極の幅は、特に限定されないが、液晶層313内の所望の電界強度分布に応じて設定される。
図9(a)は、動作状態aにおける光路偏向素子の構造を模式的に示し、この場合は、透明電極アレイ312の等間隔で並ぶ透明電極(ハッチングにて示す電極)に対して、交互に閾値以上の電圧を印加している。この電圧印加により前述の説明のように液晶層313に屈折率分布が生じる。この屈折率分布は、図10の実線グラフ(a)で示すように、ピッチが比較的大きな凸レンズ状になっている。この場合、画像表示素子の2画素に対して1つの凸レンズ効果を持たせる。しかし、この場合も波長によって、偏向量が変化する。
【0039】
ここで、図5と同様な説明図を図11に示す。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、画素縮小機能を付加した場合において、液晶ライトバルブの4つの画素からの出射光が液晶セルに入射する場合の光路を模式的に示す説明図である。
本発明では、液晶セル53(本発明の光路偏向素子に相当)に入射する入射側画素55のサイズは比較的大きく設定される。図11に示す4つの入射側画素55に、第1のサブフレームとして、a,c,e,gの状態が表示されると、図10に示す実線グラフの屈折率分布によってaとc、eとgがそれぞれ縮小される。この時、図11の上部に実線で示した出力側画素51のように、画素ピッチは一定でなくなる。次に、第2のサブフレームの表示タイミングに合わせて、図9(b)に示すように、透明電極アレイ312のうちで、電圧を印加する透明電極を切換えると、屈折率分布は、図10に示す破線グラフ(b)のように切換わる。
【0040】
ここで、入射側画素55が、第2のサブフレームとして、b,d,f,hの状態を表示すると、図11の上部の破線で示した出射側画素51の位置に、縮小された画素が移動する。サブフレームを数十Hzから数百Hzで切換えることで、液晶セル53の上部面上では、見掛け上、b,a,c,d,f,e,g,hと、変則的に並んだ8個の画素となる。前述したように、この場合も波長によって偏向量が変化する。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子に画素縮小機能を付加した場合において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子に画素縮小機能を付加した場合において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行う場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
例えば、図12に示すように図9(a)に示す動作状態aの場合、入射光として波長の異なる3原色の光が液晶セル53の各位置に入射されると、出射側の画素サイズが一定でなくなり、色の違いによるドットの位置ずれが生じるのである。
【0041】
図13に示す電圧の制御方法の場合、光路偏向素子の各色の偏光に起因する電極に、V≦ V≦ Vとなるような電圧を印加し、制御することによって、偏向量は一定となり、色の違いによるドットの位置ずれが補正されるのである。
このような変則的な画素シフトによる表示画像が、正常な画像として形成されるように、画像表示素子上でサブフィールド画像のデータを補正し、光路偏向素子を電圧制御することによって光路シフト量を一定にして画素を表示することができる。
第3の本実施の形態では、簡単な電極構成で、液晶レンズの集光による画素縮小効果と、液晶レンズ形成位置の切換えによる画素シフト効果とを、1つの液晶セルで両立させることができる。したがって、単純な素子構成で、かつ、光の利用効率の低下を防止し、色の違いによるドットの位置ずれを補正することが可能となる。
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子を採用する画像表示装置の構成を主要な構成要素別に例示した説明図である。
【0042】
図14では、光路偏向手段を形成する光路偏向素子81の透明電極アレイ312は、紙面の上下方向に沿ってライン状に形成されている。この場合は、画像表示素子61を出射した光が、紙面に対して左右方向の直線偏光である場合、画像表示素子61の全体を紙面の左右方向に沿って画素シフトさせることができる。
従って、比較的簡単な電極構成で、画面の横方向での色収差の生じない高精細な画像表示装置を実現することができる。 図15は、単板の画像表示素子を時間順次に三原色光で照明し、フルカラー画像を表示するフィールドシーケンシャル方式の概略構成を示す斜視図である。
図16は、フィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【0043】
図17は、フィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す他の説明図である。
単板の画像表示素子を時間順次に3原色光で照明し、フルカラー画像を表示するフィールドシーケンシャル方式を採用する場合にも、図16,17に示すように、色の違いによるドットの位置ずれが生じるため、図18に示すように、電圧を時間分割して補正制御することにより、偏向量を一定にすることができる。
図18は、フィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御の方法を示す説明図である。
図19は、フィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を実施している途中の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
図20は、本発明に係るフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を実施した場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【0044】
図18において、横軸のtは光が入射する時間経過を示しており、赤色が入射してくる時間帯をt、緑色が入射してくる時間帯をt、青色が入射してくる時間帯をtとしている。また、縦軸のλは波長を示している。各色が入射する時間帯のタイミングに同期させて、波長域に対応した電圧を印加することによって、図19、20に示すように、シフト量は一定になり、色の違いによるドットの位置ずれを補正することができる。また、白色ランプ光源と回転カラーフィルターを組み合わせて時間順次の3原色光を生成した場合でも図19、図20に示す場合と同様に色の違いによるドットの位置ずれを補正することができる。
図11に示す構成では、光路が液晶レンズにより集光された非平行光であるため、液晶セル53の出射側からの位置によって、新たに画素サイズが変化してしまう。例えば、投射光学系を用いずに液晶セル53の出射側に拡散板などをおいて直接画像を観察するような場合、液晶セル53と拡散板の位置がずれると見かけ上の画素サイズが変わってしまう。
また、拡大光学系を用いる場合でも、レンズ設計の点から、セルからの出射光は平行であることが好ましい。そこで、第5の実施の形態に係る他の構成では、液晶セルから出射した光が投射光学系の光軸に対して平行になるような光学素子を設けることができる。
【0045】
図21は、本発明の第5の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、液晶層が形成する液晶レンズアレイによる光路の偏向を補正する光学素子の配置を模式的に示す説明図である。
光路偏向素子の液晶層が形成する液晶レンズアレイの特性が凸レンズである場合、前述の光学素子は、光路を平行光に戻すような凹レンズアレイであることが好ましい。例えば、前述の光学素子は、図21の光束平行化部56として示すように、入射側画素55の画素ピッチに等しく、かつ入射側画素位置に対して半画素分ずらした位置に設置することが好ましい。
この第5の実施の形態では、図11に示す液晶セル53に対応する光路偏向部57を、図14に示す光路偏向素子81と同様にして配置することで、画像表示素子を出射した光が紙面に対し左右方向の直線偏光である場合に、画像表示素子の全体を、実効的に紙面の左右方向に画素シフトさせることができる。従って、画面の横方向での解像度が高まり、また、色収差が解消し、さらに、画素の位置精度が高い高精細な画像表示装置を実現することができる。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
第2の実施の形態に係る光路偏向素子を使用して、図1に示すような第1の実施の形態に係る画像表示装置を作成した。画像表示素子(図1の透過型液晶ライトバルブ124に相当)として、対角0.9インチXGA(1024×768ドット)のポリシリコンTFT液晶パネルを用いた。画素ピッチは、縦横ともに約18μmである。画素の開口率は約50%である。また、画像表示素子の光源側にマイクロレンズアレイを設けて照明光の集光率を高める構成とした。
本実施例では、光源としてRGB三色のLED光源を用い、波長切替手段により上記の一枚の液晶パネルに照射する光の色を高速に切換えてカラー表示を行う、いわゆるフィールドシーケンシャル方式を採用している。一般的には、画像表示のフレーム周波数が60Hzの場合、1フレーム内をさらに3色分に分割するため、各色に対応した画像を180Hzで切換えるようにした。液晶パネルの各色の画像の表示タイミングに合わせて、対応した色のLED光源をON/OFFすることで、観察者にはフルカラー画像が見える。
【0047】
この方式は、カラーフィルターを使用せず、一枚の液晶パネルでよいので、画像の高精細化と装置の小型化に有利である。本実施例では、フィールドシーケンシャル方式に画素シフト方式を組み合わせている。
画像の横方向に2倍の画素増倍を行うためには、画素位置を120Hzでシフトさせ、サブフィールド画像の表示時間は8.3ミリ秒以内とする。この期間内には、光路が切り変わるのに必要な時間(光路切換え時間)Δtと、液晶パネルが画像表示に使用できる時間とを含んでいる。
画像表示に使用できる時間が長いほど、フィールドシーケンシャル方式でのLEDの発光時間を長くできるため、このLEDの発光輝度を小さくすることができることになり、LEDのための光源の負担が小さくて済む。従って、光路切換え時間Δtは、出来るだけ短い方が好ましく、高速な光路切換え手段が必要になる。
本実施例では、スイッチング時間を1ミリ秒以下と高速に切換える必要があるため、ネマチック液晶セルの二周波駆動方式を採用した。本発明の比較例として、高速動作が可能な光路切換え手段として、圧電アクチュエータなどの揺動機構を用いて屈折板の傾斜角度を変化させる方式も可能であるが、揺動運動によって振動や音が発生する場合があるため好ましくない。
【0048】
液晶マイクロレンズアレイは、以下の仕様に基づいて作成した。
薄いガラス基板(3cm×4cm、厚さ0.15mm)上のITO蒸着膜をエッチングして、幅10μm、ピッチ18μmのITOラインを形成した。このITOラインは、交互に同一電圧を印加できるように串形電極とした。ガラス基板のITO側にポリイミド系の配向材料をスピンコートし、約0.1μm の配向膜を形成した。
ガラス基板のアニール処理後、ITOラインに対して直角方向にラビング処理を行った。この二枚のガラス基板の間の周辺部に11μm厚のスペーサを挟み、上下基板のITOライン位置が一致するように張り合わせて空セルを作製した。このセルの中に、誘電率異方性が正のネマチック液晶を常圧下で注入し、液晶セルを作成した。上下基板のラビング処理の方向は一致しているため、図3(a)に示すように液晶分子が全て同じ向きに配向した状態となる。
【0049】
この液晶セルを、液晶ライトバルブの直後に設置し、画素位置と透明電極ラインの位置合わせを調整した。また、液晶セルの出射側に薄い拡散層を有する拡散板を合わせて、出射面での拡散光を拡大し観察した。
この液晶セルに入射される赤色、緑色、青色の光のタイミングに合わせて透明電極ラインに1:1:1の比率で電圧を印加したところ、液晶層内にレンズ効果が現れて、画素は縮小されていたが、色によって縮小量が異なっていた。
次に、電圧を印加する電極ラインを切換えたところ、縮小された画素の位置は移動するが、色によってその移動量は異なっていた。そこで、入射される赤色、緑色、青色の光のタイミングに合わせて7.1:8.5:9.2の比率の電圧を透明電極に印加し、液晶セルの拡散光を観察したところ、色むらのない良好な画像が見られた。印加電圧の比較結果を表1に簡単にまとめる。
【0050】
【表1】
Figure 0004798740
【0051】
(実施例2)
実施例1と同様にして液晶レンズセルを作成し、光源としては白色ランプを使用し、カラーフィルターを、各画素表面に設けた透過型液晶ライトバルブを介してカラー表示を行なった。
作成した液晶セルを液晶ライトバルブの直後に設置し、画素位置と透明電極ラインの位置合わせを調整した。また、液晶セルの出射側に薄い拡散層を有する拡散板を合わせて、出射面での拡散光を拡大し観察した。
液晶セルに入射される赤色、緑色、青色の光の位置に合わせて透明電極ラインに1:1:1の比率で電圧を切換えながら印加したところ、画素の縮小、移動は観察されたが、第1の実施例と同様の問題(色によって縮小量、移動量が異なる)が生じた。
そこで、入射される赤色、緑色、青色の光の位置に合わせて、7.1:8.5:9.2の比率の電圧を透明電極に印加したところ、色むらのない良好な画像が見られた。印加電圧の比較結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004798740
【0053】
以上の各実施例では、画像表示素子を直接あるいは拡大レンズ系を通して観察したが、投射レンズを通してスクリーン上に投影して観察しても同様な効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳しく述べたように、本発明の請求項1による光路偏向素子によれば、一対の透明基板と、前記一対の透明基板間の液晶層と、前記液晶層に電界を印加する透明電極を有する光路偏向素子において、前記液晶層への入射光の波長域に対応して、入射光の波長によらず光路シフト量を均一にするように、光路偏向電圧制御手段により複数個の前記透明電極の各々に異なる電圧を印加するように構成したので、光路偏向素子の偏向特性を入射光の各波長域で別々に設定し、各波長域毎の光の波長分散を補正しているので、光路シフト量を一定にすることができる。
また、請求項2による光路偏向素子の前記光路偏向電圧制御手段は、複数の異なる波長域の光が時間的に順次切り替わりながら光路偏向素子に入射するとき、各波長域に対応して、印加電圧の値を時間的に順次切り替えるように構成したので、入射光の各波長域が時間分割されて入射するとき、その各波長に対応して印加電圧の値を切り替えるので、各波長域における光路シフト量を、確実に均一にすることができる。
【0056】
また、請求項による画像表示装置は、少なくとも画像情報に従って、光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する光源と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子と前記光学部材の間の光路を偏向する請求項1またはに記載される光路偏向素子を有し、サブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示装置がずれている状態の画像パターンを表示することで、前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍すると共に表示画像の色によるドットの位置ずれを補正して、表示するように構成したので、表示画像の画素数を増倍し、かつ表示画像の色によるドットの位置ずれを補正することができる。
また、請求項による画像表示装置は、複数の異なる波長域の光を時間的に順次切り替えながら前記画像表示素子に照射する光源または波長切替え手段を有し、各波長に対応する画像信号を用いて前記画像表示素子を駆動することでカラー画像を得る画像表示装置において、光路偏向電圧制御手段により前記各波長の切替えタイミングに同期させて、光路偏向素子の印加電圧を変化するように構成し、フィールドシーケンシャル方式により、光路偏向素子への入射光の各波長域が時間分割され、その各波長に対応して印加電圧の値を切り替えて、光路シフト量を均一に保つ光路偏向素子を有しているので、表示画像の色によるドットの位置ずれを補正し、且つ装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の要部の構成を模式的に示す構成図である。
【図2】第1の形態に係る画像表示装置によって得られる画像の画素構成を示す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の状態別断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の液晶セル内の画素配列と屈折率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の液晶ライトバルブの4つの画素からの出射光が液晶セルに入射する場合の光路を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の透明電極に印加する電圧の制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の透明電極に印加する電圧の制御を行った場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の画素と、液晶ライトバルブの画素との対応関係を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、画素縮小機能を付加した場合の構造を模式的に示す状態別断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子に画素縮小機能を付加した場合の液晶セル内の画素配列方向位置と屈折率との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子に画素縮小機能を付加した場合において、液晶ライトバルブの4つの画素からの出射光が液晶セルに入射する場合の光路を模式的に示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る光路偏向素子の画素縮小機能を付加した場合において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、画素縮小機能を付加した場合において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行う場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を採用する画像表示装置の構成を主要な構成要素別に例示した説明図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を採用するフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置の主要な構成を例示した斜視図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る光路偏向素子のフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図17】本発明のフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を行わない場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す他の説明図である。
【図18】本発明のフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御の方法を示す説明図である。
【図19】本発明のフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を実施している途中の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図20】本発明のフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置において、透明電極に印加する電圧の補正制御を実施した場合の、透過光の波長と偏向量との関係を模式的に示す説明図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る光路偏向素子の制御方法を示し、液晶層が形成する液晶レンズアレイによる光路の偏向を補正する光学素子の配置を示す説明図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る光路偏向素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係る光路偏向素子の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2a 実際の画素
2b 見かけ上画素
51 出射側画素
52 出射光
53 液晶セル
54 入射光
55 入射側画素
56 光束平行化部
57 光路偏向部
61 画像表示素子
62 光源・照明装置
81 光路偏向素子(液晶)
82 ライトバルブ
111 光源駆動手段
112 表示駆動手段
113 光路偏向電圧制御手段
114 画像表示制御回路
121 白色ランプ
122 拡散板
123 コンデンサレンズ
124 透過型液晶ライトバルブ
125 光路偏向素子
126 投射レンズ
127 スクリーン
311 透明基板
312 透明電極アレイ
313 液晶層
314 透明電極
315 透明基板

Claims (4)

  1. 一対の透明基板と、前記一対の透明基板間の液晶層と、前記液晶層に電界を印加する透明電極を有する光路偏向素子において、前記液晶層への入射光の波長域に対応して、入射光の波長によらず光路シフト量を均一にするように、複数個の前記透明電極の各々に異なる印加電圧を印加する光路偏向電圧制御手段を備えたことを特徴とする光路偏向素子。
  2. 前記光路偏向電圧制御手段は、複数の異なる波長域の光が時間的に順次切り替わりながら光路偏向素子に入射するとき、各波長域に対応して、印加電圧の値を時間的に順次切り替えるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の光路偏向素子。
  3. 少なくとも画像情報に従って、光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する光源と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子と前記光学部材の間の光路を偏向する請求項1またはに記載される光路偏向素子を有し、サブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示装置がずれている状態の画像パターンを表示することで、
    前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍すると共に表示画像の色によるドットの位置ずれを補正して表示するように構成したことを特徴とする画像表示装置。
  4. 複数の異なる波長域の光を時間的に順次切り替えながら前記画像表示素子に照射する光源または波長切替手段を有し、各波長に対応する画像信号を用いて前記画像表示素子を駆動することでカラー画像を得る画像表示装置において、前記各波長の切替えタイミングに同期させて、光路偏向素子の印加電圧を変化する光路偏向電圧制御手段を有することを特徴とする請求項に記載の画像表示装置。
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