JP4798252B2 - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射ヘッドの製造方法およびそれによってえられた液体噴射ヘッドに関するものである。
液体をノズル開口から噴射させる液体噴射ヘッドは、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置に装着されるインク噴射部をあげることができる。そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録装置に採用されるインク噴射ヘッドを例にとって説明する。
図8および図9は、それぞれインク噴射ヘッド全体と同ヘッドの一部の断面図である。
インク噴射ヘッド1は、インク貯留源であるインクカートリッジ等(図示していない)からのインクを貯留するインク貯留室2と、上記インク貯留室2からインクを導入して圧力発生手段3によりインクを加圧する圧力発生室4と、上記圧力発生室4で加圧されたインクを噴射するノズル開口5を備えている。
上記インク噴射ヘッド1は、ノズル開口5が形成されたノズルプレート6と、上記ノズルプレート6に接合されインク貯留室2が形成されたインク貯留室形成板7と、上記インク貯留室形成板7に接合されインクの供給口8が形成された供給口形成板9と、上記供給口8に連通する圧力発生室4が形成され上記供給口形成板9に一体化されている圧力発生室形成板10と、上記圧力発生室形成板10に接合され圧力発生室4を封止する振動板11と、上記振動板11に取付けられた圧力発生手段である撓み振動型の圧電素子3との各機能部材から構成されている。
なお、ここではディスタンスプレート12が供給口形成板9と圧力発生室形成板10との間に接合され、圧力発生室4に開口する流通穴13が形成され、ノズル開口5と圧力発生室4を連通する流通穴14が設けられている。また、各部材の接合は、接着によってなされている。
上記インク貯留室2におけるインクの圧力変動に順応させるために、大気に連通している空間とされたコンプライアンス部15が形成されている。上記コンプライアンス部15を形成するために、供給口形成板9が積層構造とされている。供給口形成板9は、板厚の厚いステンレス製の第1板材16と上記第1板材16よりも板厚が薄くされたステンレス製の第2板材17とが接着剤層である接合層18により、一体化されている。そして、第1板材16にエッチング処理を施すことにより、コンプライアンス部15が形成される。
図10は、上記の各部の構造形態を平面的に透視して表した平面図であり、平面的に見た各部の位置関係が理解できる。
図9は、供給口8の部分を拡大して示した部分的な断面図である。供給口8は、断面形状が円形であり、第1板材16側に形成されたテーパ穴8Aと第2板材17側に形成されたストレート穴8Bから構成されている。実際には、後述の塑性加工工程から容易に理解されるように、供給口8はその全長が塑性変形をした第1板材16を貫通しているのであるが、上記のような「第1板材16側」や「第2板材17側」なる表現は、テーパ穴8Aやストレート穴8Bが、供給口形成板9の厚さ領域において、どの辺りに存在しているかを理解するために用いられている。
図12(A)にも示されているように、上記ストレート穴8Bは、塑性変形をした第1板材16に開口しており、その開口部(開口円)は符号8Cで示されている。上記開口部8Cの周囲には、略同心の状態で略円形の接合層19(以下、便宜上「円形接合層19」という)が露出している。上記円形接合層19は、後述の塑性加工工程後の開口工程によって表面(供給口形成板9の裏面)に露出するもので、第1板材16と第2板材17との境界部にあらわれている。
図11は、上記供給口8の穴あけ工程を示している。なお、第1板材16と第2板材17の厚さ寸法は、それぞれ50μm,15μmであり、上記のようにステンレスで作られている。
供給口8の穴あけ加工は、通常のパンチ20とダイ21によって行なわれる塑性加工工程と、上記塑性加工工程によって形成された膨出部を除去して供給口8を開口させる開口工程との2工程から成り立っている。上記パンチ20は、断面が円形であり、先端側に配置されたストレート部20Bと上記ストレート部20Bに連続しているテーパ部20Aが設けられ、上記テーパ部の拡開角度θ1は20度である。
図11(A)は、ダイ21上に供給口形成板9が載置された状態を示している。ここで、パンチ20のストレート部20Bが供給口形成板9の表面に圧入され、さらにこの圧入が進行すると、テーパ部20Aの部分が第1板材16に圧入される。そして、ストレート部20Bの先端部が第2板材17の外表面22を越えた箇所でパンチ20の進出が停止される。ストレート部20Bの先端部が第2板材17の外表面22を越えた長さは、図11(B)(C)に符号Lで示されている。
パンチ20の進出により、ダイ21の開口21A(その内径はφ1で示されている)内に、第1板材16,接合層18,第2板材17が層状になって押し込まれた状態となり、膨出部23が形成される。このような塑性加工が上記の「塑性加工工程」である。
つぎに、パンチ20が後退し膨出部23がダイ21の開口21Aから取出されると、(C)に示すように、有底の供給口8と膨出部23が形成される。ここで、第2板材17の外表面22に沿って膨出部23を除去すなわち研磨加工をすると、(D)に示すように、供給口形成板9を貫通した供給口8が形成される。上記のように越えた長さLが確保されているので、上記の研磨加工と同時に供給口8が開口する。この開口をさせる工程が上記の「開口工程」である。なお、上記の膨出部23の除去は、このような微細な構造部分であるので、研磨工程を適用している。
上記の開口工程により、第1板材16と第2板材17の境界部に円形接合層19が、図12(A)に示すように、露出する。なお、この露出形状はインク液によって膨潤していない状態である。
パンチ20の圧入ストロークの進行長さと膨出部23が次第に大きくなって行く変化状態は、パンチ20のストレート部20Bが第1板材16に圧入されることにより、膨出部23の初期の小さな膨出が進行する。さらに、パンチ20が進出してテーパ部20Aが第1板材16の素材中に圧入され始めると、それに伴う素材の流動量が増加して、膨出現象が促進され、最終的には図11(C)のような形状となる。
特開平8−174824号公報
図11にしたがって説明したように、パンチ20のテーパ部20Aのテーパ角度が第1板材16の素材流動にとって最適化されていないので、ダイ21の開口21A内に向って強制的に塑性流動をする素材の量が十分なものとはならない。したがって、図11(B)(C)に見られるように、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18までの肉厚S1が十分な厚さにならないので、開口工程後の状態は図12(A)に示すように、開口部8Cの直径D1と円形接合層19の直径D2の差が著しく小さな距離となる。
上記の円形接合層19がインクに浸されて膨潤すると、同図(B)に示すように、円形接合層19の接合材料、例えば合成樹脂製の接着剤がインク貯留室2内に突出してくる。このとき上記のように、D1とD2との差が小さいものであると、膨潤によって突出してきた膨潤片19Aが、ストレート穴8Bの開口部8Cの間際にまで到ったり、さらに著しく膨潤したときにはストレート穴8Bの仮想円筒の内側にまで侵入したりした状態になる。
上記のような膨潤片19Aが形成されると、開口部8Cの近傍でインク流に乱流が発生し、それにより開口部8Cの実質的な流路面積が小さくなるので、インク貯留室2から圧力発生室4に流入するインクが所定量を下回ることとなり、ノズル開口5からのインク滴吐出に異常を来すおそれがある。また、上記乱流による圧力損失で、同様にインク流量に不足を来すおそれがある。さらに、膨潤片19Aが存在すると、インク貯留室2内の気泡が膨潤片19Aにひっかかって、円滑に後流側へ排出されない可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、膨潤片による悪影響を最小化する液体噴射ヘッドの製造方法およびそれによって製造された液体噴射ヘッドの提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、液体貯留源からの液体を貯留する液体貯留室と、上記液体貯留室から液体を導入して圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口を備えた液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、先端側に配置されたストレート部と上記ストレート部に連続しているテーパ部が設けられた断面円形のパンチを、上記積層部材の上記第1板材側から上記テーパ部を上記第1板材に圧入させ上記ストレート部の先端部を上記第2板材の外表面を越える位置まで進出させて、積層部材の上記第2板材側に膨出部を形成する塑性加工工程と、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する開口工程とからなり、上記両工程によって積層部材にあけられたストレート穴とテーパ穴は、上記ストレート穴の断面積と積層部材の厚さ寸法によって求められる空間容積V1に対する上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される断面3角形の部分の環状容積V2の比は1以上であることを要旨とする。
すなわち、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、先端側に配置されたストレート部と上記ストレート部に連続しているテーパ部が設けられた断面円形のパンチを、上記積層部材の上記第1板材側から上記テーパ部を上記第1板材に圧入させ上記ストレート部の先端部を上記第2板材の外表面を越える位置まで進出させて、積層部材の上記第2板材側に膨出部を形成する塑性加工工程と、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する開口工程とからなり、上記両工程によって積層部材にあけられたストレート穴とテーパ穴は、上記ストレート穴の断面積と積層部材の厚さ寸法によって求められる空間容積V1に対する上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される断面3角形の部分の環状容積V2の比は1以上とされている。
このように、上記の所要の加工工程を実行するとともに、ストレート穴とテーパ穴によって形成された空間部の容積を、上記のような形態に分割して、環状容積V2/空間容積V1を1以上に設定しているので、環状容積V2に相当する第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をすることになる。この塑性流動の素材量はテーパ部の拡開角度すなわちテーパ角度を大きく設定することによって、適正化される。したがって、上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなる。このような形状の中間加工品に開口工程を実行することにより、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層とストレート穴の開口部との間隔が拡大される。したがって、接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
また、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する切断等の開口工程が実行されるものであるから、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の拡大された肉厚に異常な変形等が及ぶことなく、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が所要の値に維持される。上記環状容積V2が、上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される容積として位置付けられているので、このV2として把握される容積部分は第1板材の塑性流動量を適正化するものとして最適である。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記開口工程が、上記膨出部を研磨するものである場合は、上記膨出部をその先端部分から徐々に研削してゆくものであるから、上述のようにパンチのストレート部の外周面と接合層との間の拡大された肉厚部分に、何等支障を及ぼすことがない。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記テーパ穴の長さが、上記ストレート穴の長さより長く設定されている場合には、ストレート穴よりも長くされた長いテーパ穴が成型される際に、より多くの塑性流動が果たされるので、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記テーパ穴の長さとストレート穴の長さの比が、1.5対5.5〜2.5対4.5である場合には、上記塑性流動で移動する素材量が十分に確保され、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記比が、2対5である場合には、上記塑性流動で移動する素材量が最適の十分な量として確保され、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が十分に大きく設定できる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記ストレート穴の直径に対する上記第1板材と第2板材との境界部に露出した略円形の接合層の直径の比が1.3以上である場合には、ストレート穴の開口部と略円形の接合層との間の距離が十分長く確保できるので、接合層の膨潤片がストレート穴に及ぼす悪影響が実質的に回避される。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記液体噴射ヘッドは、ノズル開口が形成されたノズルプレートと、上記ノズルプレートに接合され液体貯留室が形成された液体貯留室形成板と、上記液体貯留室形成板に接合され液体の供給口が形成された上記積層部材と、上記供給口に連通する圧力発生室が形成され上記積層部材に一体化されている圧力発生室形成板と、上記圧力発生室形成板に接合され圧力発生室を封止する振動板と、上記振動板に取付けられた撓み振動型の圧電素子とを含んで構成されている場合には、液体が上記のようにして正常にストレート穴やテーパ穴に流入するので、上記の各部材が正しく機能し、液体噴射ヘッドの動作が安定する。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、液体貯留源からの液体を貯留する液体貯留室と、上記液体貯留室から液体を導入して圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口を備えた液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、先端側に配置されたストレート部と上記ストレート部に連続しているテーパ部が設けられた断面円形のパンチを、上記積層部材の上記第1板材側から上記テーパ部を上記第1板材に圧入させ上記ストレート部の先端部を上記第2板材の外表面を越える位置まで進出させて、積層部材の上記第2板材側に膨出部を形成する塑性加工工程と、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する開口工程とからなり、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比は0.25以下であることを要旨とする。
すなわち、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、先端側に配置されたストレート部と上記ストレート部に連続しているテーパ部が設けられた断面円形のパンチを、上記積層部材の上記第1板材側から上記テーパ部を上記第1板材に圧入させ上記ストレート部の先端部を上記第2板材の外表面を越える位置まで進出させて、積層部材の上記第2板材側に膨出部を形成する塑性加工工程と、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する開口工程とからなり、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比は0.25以下とされている。
このように、上記の所要の加工工程を実行するとともに、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比を0.25以下に設定しているので、第2板材の厚さは第1板材のそれに対して著しく小さな値となる。したがって、パンチのテーパ部の圧入で第1板材が塑性流動をするときには、第2板材が容易に変形をするので、第1板材の塑性流動が促進されて、第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をすることになる。したがって、上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなる。このような形状の中間加工品に開口工程を実行することにより、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層とストレート穴の開口部との間隔が拡大される。したがって、接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
また、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する切断等の開口工程が実行されるものであるから、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の拡大された肉厚に異常な変形等が及ぶことなく、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が所要の値に維持される。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、液体貯留源からの液体を貯留する液体貯留室と、上記液体貯留室から液体を導入して圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口を備えた液体噴射ヘッドであって、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、第1板材側に形成されたテーパ穴と第2板材側に形成されたストレート穴が設けられ、上記ストレート穴の断面積と積層部材の厚さ寸法によって求められる空間容積V1に対する上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される断面3角形の部分の環状容積V2の比が1以上であることを要旨とする。
すなわち、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、第1板材側に形成されたテーパ穴と第2板材側に形成されたストレート穴が設けられ、上記ストレート穴の断面積と積層部材の厚さ寸法によって求められる空間容積V1に対する上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される断面3角形の部分の環状容積V2の比が1以上とされている。
このため、ストレート穴とテーパ穴によって形成された空間部の容積を、上記のような形態に分割して、環状容積V2/空間容積V1を1以上の範囲内に設定しているので、環状容積V2に相当する第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をした構造のものとなる。この塑性流動の素材量はテーパ部の拡開角度すなわちテーパ角度を大きく設定することによって、適正化される。したがって、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が大きくなり、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
上記環状容積V2が、上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される容積として位置付けられているので、このV2として把握される容積部分は第1板材の塑性流動量を適正化するものとして最適である。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記テーパ穴の長さが、上記ストレート穴の長さより長く設定されている場合には、ストレート穴よりも長くされた長いテーパ穴が成型される際に、より多くの塑性流動が果たされるので、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなり、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が十分に確保できる。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記テーパ穴の長さとストレート穴の長さの比が、1.5対5.5〜2.5対4.5である場合には、上記塑性流動で移動する素材量が十分に確保され、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなり、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が十分に確保できる。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記比が、2対5である場合には、上記塑性流動で移動する素材量が最適の十分な量として確保され、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が十分に大きく設定でき、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が十分に確保できる。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、液体貯留源からの液体を貯留する液体貯留室と、上記液体貯留室から液体を導入して圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口を備えた液体噴射ヘッドであって、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、第1板材側に形成されたテーパ穴と第2板材側に形成されたストレート穴とが設けられ、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比が0.25以下であることを要旨とする。
すなわち、上記液体噴射ヘッドの一部を構成する板厚の厚い第1板材と上記第1板材よりも板厚の薄い第2板材とが接合層で一体化されている積層部材に対して、第1板材側に形成されたテーパ穴と第2板材側に形成されたストレート穴とが設けられ、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比が0.25以下とされている。
このため、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比を0.25以下に設定しているので、第2板材の厚さは第1板材のそれに対して著しく小さな値となり、第1板材が塑性流動をするときには、第2板材が容易に変形をするので、第1板材の塑性流動が促進されて、第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をした構造のものとなる。したがって、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が大きくなる。これにより、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記第1板材と第2板材との境界部に略円形の接合層が露出している場合には、ストレート穴と略円形の上記接合層との間隔が大きく設定され、接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記ストレート穴の直径に対する上記接合層の直径の比は1.3以上である場合には、ストレート穴と略円形の上記接合層との間隔が大きく設定され、接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記液体噴射ヘッドが、ノズル開口が形成されたノズルプレートと、上記ノズルプレートに接合され液体貯留室が形成された液体貯留室形成板と、上記液体貯留室形成板に接合され液体の供給口が形成された上記積層部材と、上記供給口に連通する圧力発生室が形成され上記積層部材に一体化されている圧力発生室形成板と、上記圧力発生室形成板に接合され圧力発生室を封止する振動板と、上記振動板に取付けられた撓み振動型の圧電素子とを含んで構成されている場合には、液体が上記のようにして正常にストレート穴やテーパ穴に流入するので、上記の各部材が正しく機能し、液体噴射ヘッドの動作が安定する。
本発明の対象になる液体噴射ヘッドの一実施の形態を示す断面図である。 図1のものの供給口の部分を拡大した断面図である。 本発明による製造方法の工程順序を示す断面図である。 供給口の開口状態を示す底面図と断面図である。 本発明による他の製造方法の工程順序を示す断面図である。 供給口の部分の空間状態等を示す断面図である。 供給口のインクの流れ状態を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。 図8のものの供給口の部分を拡大した断面図である。 インク噴射ヘッドの各部の位置関係を示す平面図である。 従来技術による工程順序を示す断面図である。 従来技術で形成された供給口の開口状態を示す底面図と断面図である。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の対象になる液体噴射ヘッドの一実施の形態を示し、また、図3〜図5は本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の実施の形態を示している。
本発明において対象とされている液体噴射ヘッドは、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施の形態においてはその代表的な事例として、インクジェット式記録装置に採用される記録ヘッドを実施の形態の対象にしている。
図1および図2に示されたインク噴射ヘッド1は、図8および図9で説明したものと同じであり、各部の構成部材には同一符号が付されている。すなわち、上記インク噴射ヘッド1は、ノズル開口5が形成されたノズルプレート6と、上記ノズルプレート6に接合されインク貯留室2が形成されたインク貯留室形成板7と、上記インク貯留室形成板7に接合されインクの供給口8が形成された供給口形成板9と、上記供給口8に連通する圧力発生室4が形成され上記供給口形成板9に一体化されている圧力発生室形成板10と、上記圧力発生室形成板10に接合され圧力発生室4を封止する振動板11と、上記振動板11に取付けられた圧力発生手段である撓み振動型の圧電素子3との各機能部材から構成されている。
なお、ここではディスタンスプレート12が供給口形成板9と圧力発生室形成板10との間に接合され、圧力発生室4に開口する流通穴13が形成され、ノズル開口5と圧力発生室4を連通する流通穴14が設けられている。また、各部材の接合は、接着によってなされている。
上記インク貯留室2におけるインクの圧力変動に順応させるために、大気に連通している空間とされたコンプライアンス部15が形成されている。上記コンプライアンス部15を形成するために、供給口形成板9が積層構造とされている。供給口形成板9は、板厚の厚いステンレス製の第1板材16と上記第1板材16よりも板厚が薄くされたステンレス製の第2板材17とが接着剤層である接合層18により、一体化されている。そして、第1板材16にエッチング処理を施すことにより、コンプライアンス部15が形成される。したがって、このように積層された構造の供給口形成板9が「積層部材」に相当している。
上記の各部の構造形態を、平面的に透視した各部の位置関係は、図10に示したものと同じである。
図2は、供給口8の部分を拡大して示した部分的な断面図である。供給口8は、断面形状が円形であり、第1板材16側に形成されたテーパ穴8Aと第2板材17側に形成されたストレート穴8Bから構成されている。実際には、後述の塑性加工工程から容易に理解されるように、供給口8はその全長が塑性変形をした第1板材16を貫通しているのであるが、上記のような「第1板材16側」や「第2板材17側」なる表現は、テーパ穴8Aやストレート穴8Bが、供給口形成板9の厚さ領域において、どの辺りに存在しているかを理解するために用いられている。
図4(A)にも示されているように、上記ストレート穴8Bは、塑性変形をした第1板材16に開口しており、その開口部(開口円)は符号8Cで示されている。上記開口部8Cの周囲には、略同心の状態で略円形の接合層19(以下、便宜上「円形接合層19」という)が露出している。上記円形接合層19は、後述の塑性加工工程後の開口工程によって表面(供給口形成板9の裏面)に露出するもので、第1板材16と第2板材17との境界部にあらわれている。
図3は、上記供給口8の穴あけ工程を示している。なお、第1板材16と第2板材17の厚さ寸法は、それぞれ50μm,15μmであり、上記のようにステンレスで作られている。
供給口8の穴あけ加工は、通常のパンチ20とダイ21によって行なわれる塑性加工工程と、上記塑性加工工程によって形成された膨出部23を除去して供給口8を開口させる開口工程との2工程から成り立っている。上記パンチ20は、断面が円形であり、先端側に配置されたストレート部20Bと上記ストレート部20Bに連続しているテーパ部20Aが設けられ、上記テーパ部の拡開角度θ2は25度である。
図3(A)は、ダイ21上に供給口形成板9が載置された状態を示している。ここで、パンチ20のストレート部20Bが供給口形成板9の表面すなわち第1板材16側に圧入され、さらにこの圧入が進行すると、テーパ部20Aの部分が第1板材16に圧入される。そして、ストレート部20Bの先端部が第2板材17の外表面22を越えた箇所でパンチ20の進出が停止される。ストレート部20Bの先端部が第2板材17の外表面22を越えた長さは、図3(B)(C)に符号Lで示されている。図3におけるダイ21の開口21Aの口径φ1は、図11の場合と同じである。したがって、この実施の形態では、パンチ20のテーパ部20Aのテーパ角度だけが20度から25度に増大されている場合である。
上記のパンチ20の進出により、ダイ21の開口21A(その内径はφ1で示されている)内に、第1板材16,接合層18,第2板材17が層状になって押し込まれた状態となり、膨出部23が第2板材17側に形成される。このような塑性加工が上記の「塑性加工工程」である。
つぎに、パンチ20が後退し膨出部23がダイ21の開口21Aから取出されると、(C)に示すように、有底の供給口8と膨出部23が形成される。ここで、第2板材17の外表面22に沿って膨出部23を除去すなわち研磨加工をすると、(D)に示すように、供給口形成板9を貫通した供給口8が形成される。上記のように越えた長さLが確保されているので、上記の切断と同時に供給口8が開口する。この開口をさせる工程が上記の「開口工程」である。なお、上記の切断は、このような微細な構造部分であるので、研磨加工をするのが好適である。
上記の開口工程により、第1板材16と第2板材17の境界部に円形接合層19が、図4(A)に示すように、露出する。なお、この露出形状はインク液によって膨潤していない状態である。
パンチ20の圧入ストロークの進行長さと膨出部23が次第に大きくなって行く変化状態は、パンチ20のストレート部20Bが第1板材16に圧入されることにより、膨出部23の初期の小さな膨出が進行する。さらに、パンチ20が進出してテーパ部20Aが第1板材16の素材中に圧入され始めると、それに伴う素材の流動量が増加して、膨出現象が促進され、最終的には(B)(C)のような形状となる。
上述のようにテーパ部20Aの拡開角度θ2が25度に設定されていることにより、第1板材16の素材がより多くストレート部20Bの方へ塑性流動をすることになる。すなわち、図6に示すように、ストレート穴8Bとテーパ穴8Aによって形成された空間部の容積を、ストレート穴8Bの断面積と供給口形成板9の厚さ寸法によって求められる空間容積V1と、上記テーパ穴8Aの形成によって上記空間容積V1に加算される断面3角形の部分の環状空間V2とに分割して塑性流動の現象を考察すると、環状空間V2の占める割合が大きくなることにより、素材のストレート部20B側への流動量が増量される。したがって、図3に示されたパンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の肉厚S2が大きくなる。この点について、図11に示した同様な肉厚S1と対比すると、あきらかにS2の方が増大していることが認められる。
供給口8の空間を上記のような形態に分割して、環状容積V2/空間容積V1の比を1以上に設定することにより、適正な肉厚S2を設定できることが判明した。このような数値内において、環状容積V2に相当する第1板材16の素材がより多くパンチ20のストレート部20Bの方へ塑性流動をすることになる。この塑性流動の素材量はテーパ部20Aの拡開角度すなわちテーパ角度θ2を大きく設定することによって、適正化される。したがって、上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の肉厚S2が大きくなり、ストレート穴8Bの開口部8Cと円形接合層19との間隔が大きくなる。
このような形状の中間加工品に対して上記開口工程を実行することにより、第1板材16と第2板材17の境界部に露出している円形接合層19とストレート穴8Bの開口部8Cとの間隔が拡大される。したがって、円形接合層19がインク中で膨潤しても、その膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。
上記膨潤片19Aの形状は、図4(B)に示されている。同図に見られるように、膨潤片19Aと開口部8Cとの間隔d1,d2は図12(B)に示した場合と比べて、大幅に開口部8Cから離隔している。したがって、上記のように、膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。
テーパ穴8A(テーパ部20A)の拡開角度θ2を設定する際に注目するべき事項は、1つには、上記の塑性流動量の増量である。さらに、2つ目として、テーパ穴8Aにおけるインク流の挙動をあげることができる。図7(A)に示す方向へのインク流は圧力発生室4側へ向う流れであり、このときテーパ穴8Aでインク流が適正な拡散流を呈するのが良好であり、もし、テーパ角度が大きくなりすぎると、インク流がテーパ穴8Aの内面から剥離して、インク流とテーパ穴8Aの内面との間にボルテックス(剥離渦流)が発生する。このような現象が発生すると、圧力発生室4に向うインク流に圧力損失等が発生し、圧力発生室4への正常なインク供給に支障を来すおそれがある。
上記のような圧力損失等の現象をも考慮して、テーパ角度θ2は25度〜60度の範囲内に設定するのが適当である。なお、図7(B)は、圧力発生室4からインク貯留室2の方へインクが流れる模様を示している。このときには、ストレート穴8Bを出た箇所で渦流(ボルテックス)が発生しているが、テーパ穴8Aでは正常な層流となっている。
上記のような第1板材16の素材の流動量を増量する他の手段として、第2板材17の厚さ15μmは不変のままにしておき、第1板材16の厚さを50μm以上、例えば55μmに設定することができる。このように、第1板材16の厚さを大きくすることにより、第1板材16の流動素材の量が増えるので、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の肉厚S2が大きくなるのである。
上記開口工程は、上記膨出部23に研磨加工を行ない、膨出部23をその先端部分から徐々に研削してゆくことから、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の拡大された肉厚部分(S2)に、何等支障を及ぼすことがない。
上記ストレート穴8Bの直径D1に対する第1板材16と第2板材17との境界部に露出した略円形の円形接合層19の直径D2の比を1.3以上とすることにより、ストレート穴8Bの開口部8Cと略円形の円形接合層19との間の距離が十分長くに確保できるので、円形接合層19の膨潤片19Aがストレート穴8Bに及ぼす悪影響が実質的に回避される。
上記のような構成のインク噴射ヘッド1において、供給口形成板9すなわち積層部材に供給口8を形成することにより、円形接合層19が膨潤しても、インクが上記のようにして正常にストレート穴8Bやテーパ穴8Aに流入するので、上記のインク噴射ヘッド1を構成する各部材が正しく機能し、インク噴射ヘッドの動作が安定する。
以上に述べた液体噴射ヘッドの製造方法により形成されたテーパ穴8Aの長さは、ストレート穴8Bの長さよりも長く設定され、テーパ穴8Aとストレート穴8Bとの比は、好ましくは1.5対5.5〜2.5対4.5であり、さらに最適値としては2対5である。こうすることにより、ストレート穴よりも長くされた長いテーパ穴が成型される際に、より多くの塑性流動が果たされるので、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなり、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が十分に確保できる。上記の比が、1.5対5.5〜2.5対4.5である場合には、上記塑性流動で移動する素材量が十分に確保され、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなり、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が十分に確保できる。さらに上記比が、2対5であれば、最良の結果がえられる。
つぎに、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の第2の実施の形態を、図6にしたがって説明する。
この実施の形態は、第2板材17の厚さをできるだけ薄くして、第1板材16の塑性流動の量をできるだけ多くし、しかも円滑に流動させる考え方である。そのために、第1板材16の板厚寸法T1に対する第2板材17の板厚寸法T2の比は0.25以下に設定されている。図6の場合は、第1板材16の厚さ寸法T1は50μm、第2板材17の厚さ寸法T2は12μmである。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
したがって、パンチ20のテーパ部20Aの圧入で第1板材16が塑性流動をするときには、第2板材17が容易に変形をするので、第1板材16の塑性流動が促進されて、第1板材16の素材がより多くパンチ20のストレート部20Bの方へ塑性流動をすることになる。上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の肉厚S2が大きくなる。このような形状の中間加工品に開口工程を実行することにより、第1板材16と第2板材17の境界部に露出している円形接合層19とストレート穴8Bの開口部8Cとの間隔が拡大される。したがって、円形接合層19がインク中で膨潤しても、その膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。
また、上記塑性加工工程の後、上記第2板材17の外表面に沿って上記膨出部23を除去する研磨加工や切断等の開口工程が実行されるものであるから、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の拡大された肉厚S2に異常な変形等が及ぶことなく、ストレート穴8Bの開口部8Cと円形接合層19との間隔が所要の値に維持される。それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
図5は、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の第3の実施の形態を示す。
この実施の形態は、ダイ21の開口21Aの口径φ2を先の実施の形態の口径φ1よりも大きくした場合である。また、パンチ20のテーパ部20Aのテーパ角θ2は、先の実施の形態と同様の25度である。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、拡大されたダイ21の開口21A内への塑性流動が容易に行なわれるようになるので、第1板材16の塑性流動の素材量が増量されることとなる。したがって、上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチ20のストレート部20Bの外周面と接合層18との間の肉厚S2が大きくなる。このような形状の中間加工品に開口工程を実行することにより、第1板材16と第2板材17の境界部に露出している円形接合層19とストレート穴8Bの開口部8Cとの間隔が拡大される。したがって、円形接合層19がインク中で膨潤しても、その膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
上述の製造方法によってえられたインク噴射ヘッドの実施の形態について説明する。
すなわち、上記インク噴射ヘッド1の一部を構成する板厚の厚い第1板材16と上記第1板材16よりも板厚の薄い第2板材17とが接合層18で一体化されている積層部材(9)に対して、第1板材16側に形成されたテーパ穴8Aと第2板材17側に形成されたストレート穴8Bが設けられ、上記ストレート穴8Bの断面積と積層部材(9)の厚さ寸法によって求められる空間容積V1に対する上記テーパ穴8Aの形成によって上記空間容積V1に加算される断面3角形の部分の環状容積V2の比が1以上とされている。
このため、ストレート穴8Bとテーパ穴8Aによって形成された空間部の容積を、上記のような形態に分割して、環状容積V2/空間容積V1を1以上に設定しているので、環状容積V2に相当する第1板材16の素材がより多くパンチ20のストレート部20Bの方へ塑性流動をした構造のものとなる。この塑性流動の素材量はテーパ部20Aの拡開角度θ2すなわちテーパ角度を大きく設定することによって、適正化される。したがって、ストレート穴8Bの開口部8Cと円形接合層19との間隔が大きくなり、第1板材16と第2板材17の境界部に露出している円形接合層19がインク中で膨潤しても、その膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。
上記環状容積V2が、上記テーパ穴8Aの形成によって上記空間容積V1に加算される容積として位置付けられているので、このV2として把握される容積部分は第1板材16の塑性流動量を適正化するものとして最適である。
上述の製造方法によってえられたインク噴射ヘッドの第2の実施の形態について説明する。
すなわち、上記インク噴射ヘッド1の一部を構成する板厚の厚い第1板材16と上記第1板材16よりも板厚の薄い第2板材17とが接合層18で一体化されている積層部材(9)に対して、第1板材16側に形成されたテーパ穴8Aと第2板材17側に形成されたストレート穴8Bとが設けられ、第1板材16の板厚寸法T1に対する第2板材17の板厚寸法T2の比が0.25以下とされている。
このため、第1板材16の板厚寸法T1に対する第2板材17の板厚寸法T2の比を0.25以下に設定しているので、第2板材17の厚さは第1板材16のそれに対して著しく小さな値となり、第1板材16が塑性流動をするときには、第2板材17が容易に変形をするので、第1板材16の塑性流動が促進されて、第1板材16の素材がより多くパンチ20のストレート部20Bの方へ塑性流動をした構造のものとなる。したがって、ストレート穴8Bの開口部8Cと円形接合層19との間隔が大きくなる。これにより、第1板材16と第2板材17の境界部に露出している円形接合層19がインク中で膨潤しても、その膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。
上記インク噴射ヘッド1において、上記ストレート穴8Bの直径D1に対する上記円形接合層19の直径D2の比が1.3以上である場合には、ストレート穴8Bと略円形の上記円形接合層19との間隔が大きく設定され、円形接合層19がインク中で膨潤しても、その膨潤片19Aによる弊害が実質的にストレート穴8Bには及ばない状態になり、圧力発生室4へのインク流入量やインクの円滑な流れ等が良好な状態となる。
上述のような環状容積V2/空間容積V1,板厚寸法に関するT2/T1,ストレート穴8Bの直径に関するD2/D1等が上記のような数値内に設定されたインク噴射ヘッド1により、膨潤片19Aによる支障が回避された安定したインク滴吐出性能のインク噴射ヘッド1がえられる。
上述の実施の形態は、1つの供給口8を開口するような形になっているが、実際には図10に示すように、供給口形成板9に一定間隔で配列された多数の供給口8を形成する。したがって、パンチ20やダイ21もそれに応じた複数穴を開口できる構造になっている。
上記の実施の形態では、圧力発生素子が撓み振動モードの形式であるが、他に、縦振動モードで液体を噴射したり、液体の加熱素子で液体を噴射したりする形式のものであってもよい。また、本発明における液体貯留手段は、キャリッジにインクカートリッジを搭載する形式のものに加えて、インクタンクをインクジェット式記録装置の本体側に装着し、キャリッジには圧力変動を吸収するサブタンクを搭載した形式のものであってもよい。
上述の実施の形態は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体噴射装置は、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施の形態では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレイ,FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
以上のように、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法によれば、塑性加工工程および開口工程の加工工程を実行するとともに、ストレート穴とテーパ穴によって形成された空間部の容積を、上記のような形態に分割して、環状容積V2/空間容積V1を1以上に設定しているので、環状容積V2に相当する第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をすることになる。この塑性流動の素材量はテーパ部の拡開角度すなわちテーパ角度を大きく設定することによって、適正化される。したがって、上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなる。このような形状の中間加工品に開口工程を実行することにより、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層とストレート穴の開口部との間隔が拡大される。したがって、接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
また、上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去する切断等の開口工程が実行されるものであるから、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の拡大された肉厚に異常な変形等が及ぶことなく、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が所要の値に維持される。上記環状容積V2が、上記テーパ穴の形成によって上記空間容積V1に加算される容積として位置付けられているので、このV2として把握される容積部分は第1板材の塑性流動量を適正化するものとして最適である。
塑性加工工程および開口工程の加工工程を実行するとともに、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比を0.25以下に設定しているので、第2板材の厚さは第1板材のそれに対して著しく小さな値となる。したがって、パンチのテーパ部の圧入で第1板材が塑性流動をするときには、第2板材が容易に変形をするので、第1板材の塑性流動が促進されて、第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をすることになる。したがって、上記塑性加工工程が完了した状態では、パンチのストレート部の外周面と接合層との間の肉厚が大きくなる。このような形状の中間加工品に開口工程を実行することにより、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層とストレート穴の開口部との間隔が拡大される。したがって、接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
本発明の液体噴射ヘッドによれば、ストレート穴とテーパ穴によって形成された空間部の容積を、上記のような形態に分割して、環状容積V2/空間容積V1を1以上に設定しているので、環状容積V2に相当する第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をした構造のものとなる。この塑性流動の素材量はテーパ部の拡開角度すなわちテーパ角度を大きく設定することによって、適正化される。したがって、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が大きくなり、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
さらに、第1板材の板厚寸法に対する第2板材の板厚寸法の比を0.25以下に設定しているので、第2板材の厚さは第1板材のそれに対して著しく小さな値となり、第1板材が塑性流動をするときには、第2板材が容易に変形をするので、第1板材の塑性流動が促進されて、第1板材の素材がより多くパンチのストレート部の方へ塑性流動をした構造のものとなる。したがって、ストレート穴の開口部と接合層との間隔が大きくなる。これにより、第1板材と第2板材の境界部に露出している接合層が液体中で膨潤しても、その膨潤片による弊害が実質的にストレート穴には及ばない状態になり、圧力発生室への液体流入量や液体の円滑な流れ等が良好な状態となる。
1…インク噴射ヘッド、2…インク貯留室、3…圧力発生手段,撓み振動型の圧電素子、4…圧力発生室、5…ノズル開口、6…ノズルプレート、7…インク貯留室形成板、8…供給口、8A…テーパ穴、8B…ストレート穴、8C…開口部、9…供給口形成板,積層部材、10…圧力発生室形成板、11…振動板、12…ディスタンスプレート、13…流通穴、14…流通穴、15…コンプライアンス部、16…第1板材、17…第2板材、18…接合層、19…略円形の接合層,円形接合層、19A…膨潤片、20…パンチ、20A…テーパ部、20B…ストレート部、21…ダイ、21A…開口、22…外表面、23…膨出部、V1…空間容積、V2…環状容積、T1…第1板材の板厚寸法、T2…第2板材の板厚寸法、L…越えた長さ、θ1…拡開角度、θ2…拡開角度、d1…膨出片の変形量、d2…膨出片の変形量、D1…ストレート穴の直径、D2…円形接合層の直径、S1…肉厚、S2…肉厚、φ1…ダイの開口径、φ2…ダイの開口径。

Claims (1)

  1. 液体貯留源からの液体を貯留する液体貯留室と、上記液体貯留室から液体を導入して圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口と、上記液体貯留室からの液体を上記圧力発生室へ供給する供給口とが形成された液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    ステンレスからなる第1板材とステンレスからなり上記第1板材の板厚寸法に対する板厚寸法の比が0.25以下となる第2板材とが接着剤からなる接合層で一体化されて、上記供給口が形成される積層部材に対して、先端側に配置されたストレート部と上記ストレート部に連続しているテーパ部が設けられた断面円形のパンチを、上記積層部材の上記第1板材側から上記テーパ部を上記第1板材に圧入させ上記ストレート部の先端部を上記第2板材の外表面を越える位置まで進出させて、積層部材の上記第2板材側に膨出部を形成する塑性加工工程と、
    上記塑性加工工程の後、上記第2板材の外表面に沿って上記膨出部を除去して上記接合層を前記第2板材の外表面に露出させる開口工程と、を含む液体噴射ヘッドの製造方法。
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