JP4797967B2 - 音場再生装置 - Google Patents

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本発明は、頭部伝達関数(HRTF:Head-Related Transfer Function)を利用して信号処理した後方チャンネルの信号を前方に配置された実スピーカから出力することにより、後方の仮想スピーカ位置に定位させる音場再生装置に関する。
受聴者の後方にスピーカを配置せず、前方に設置した複数のスピーカから後方のサラウンドチャンネルの音を発生させるいわゆるバーチャル・サラウンド再生を行う音場再生装置が知られている。(特許文献1、2、3)
ある方向に音源が存在するときに、人は、そのことを、左右の耳に入る音のレベル差、遅延差、周波数特性差により知覚することができる。バーチャル・サラウンドは、この人の両耳聴の特性を応用したもので、サラウンドチャンネルの信号が受聴者の後方の仮想スピーカから再生されたように音像を定位させる後方定位付加手段と、受聴者の前方に配置された2個の実スピーカからの音が、それぞれの側の耳にのみ到達するように制御するクロストーク・キャンセル処理手段を備え、仮想スピーカ位置から再生され受聴者の左右の耳に到達する信号と同じ信号が、受聴者の前方に配置された実スピーカから再生された信号により、受聴者の左右の耳に発生するようにするものである。
なお、クロストーク・キャンセル処理については、非特許文献1に詳しい。
図6は、従来の音場再生装置の構成を示すブロック図である。
この図において、11はデコーダ部、12はポストプロセッシング部、13はコントローラ、14はメモリ、15はユーザーインターフェース部、16はD/A変換器、17は電子ボリューム、18はパワーアンプ、19は受聴者の左前方に設置されるフロントレフト(FL)スピーカ、20は受聴者100の右前方に設置されるフロントライト(FR)スピーカである。ここで、前記デコーダ部11及びポストプロセッシング部12は、DSP(Digital Signal Processor)により実現されている。
また、91はサラウンドレフト(LS)チャンネルの信号の仮想音源位置を示す仮想スピーカ、92はサラウンドライト(RS)チャンネルの仮想音源位置を示す仮想スピーカであり、仮想スピーカ91は受聴者100の左後方に、仮想スピーカ92は受聴者100の右後方に、それぞれ位置するように設定されている。
本発明では、実際に設置されたFLスピーカ19及びFRスピーカ20から再生される音により、あたかも受聴者100の左後方の仮想スピーカ91と右後方の仮想スピーカ92からサラウンドチャンネルの音が再生されているように聞こえるように制御される。
前記デコーダ部11は、DVDプレーヤー、スーパーオーディオCDプレーヤーなどのデジタルオーディオ機器やデジタル放送チューナなどからのオーディオ信号を入力して、例えば、5.1チャンネルのマルチチャンネル信号を出力する。すなわち、DIR(Digital Interface Receiver)からのビットストリーム信号、D/A変換器からのマルチチャンネルPCM信号、及び、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子からのマルチチャンネルビットストリーム信号を受け取り、ドルビーデジタル、DTS(Digital Theater Systems)、AAC(Advanced Audio Coding)などで圧縮されているデータは展開して、レフト(L)チャンネル、ライト(R)チャンネル、センター(C)チャンネル、サラウンドレフト(LS)チャンネル、サラウンドライト(RS)チャンネルの5つのチャンネルの信号を出力する。
ポストプロセッシング部12は、LSリア定位付加部71、RSリア定位付加部72及びクロストーク・キャンセル処理部73を有し、前記デコーダ部11から入力されるリア側の2チャンネル(LS、RS)の信号に対し、リア定位付加処理とクロストーク・キャンセル処理を行った後、該処理された信号と前記Cチャンネルの信号を、前記LチャンネルとRチャンネルの信号にそれぞれ加算して、FLスピーカ19から出力される左出力信号とFRスピーカ20から出力される右出力信号を出力する。
前記リア定位付加処理は、LSリア定位付加部71とRSリア定位付加部72において、前記リア側の2チャンネルの信号(LS、RS)が、受聴者の左右後方の仮想スピーカ91と92からそれぞれ再生されていると人が知覚するための情報を与えるための処理であり、LSチャンネルの信号とRSチャンネルの信号に、レベル差、遅延差及び周波数特性差を付けて、出力する処理である。
また、クロストーク・キャンセル処理は、前記LSリア定位付加部71及びRSリア定位付加部72から出力された信号に対し、それらの信号が、前記FLスピーカ19及びFRスピーカ20から出力されたときに、それぞれのスピーカからの出力が受聴者100のそれぞれのスピーカ側の耳に到達するように、スピーカのクロストークを排除するための処理である。このクロストーク・キャンセル処理は、左チャンネル(Lch)ダイレクト補正部74、Lchクロストーク補正部75、右チャンネル(Rch)クロストーク補正部76、Rchダイレクト補正部77、前記Lchダイレクト補正部74の出力と前記Rchクロストーク補正部76の出力とを加算する加算器78、前記Rchダイレクト補正部77の出力と前記Lchクロストーク補正部75の出力とを加算する加算器79を有するクロストーク・キャンセル処理部73において実行される。
前記クロストーク・キャンセル処理部73の加算器78の出力と前記センター(C)チャンネルの1/2のレベルとされた信号は、加算器80に供給され、ここで、前記Lチャンネルの信号と加算され、前記FLスピーカ19から出力される左出力信号とされる。また、前記加算器79の出力と前記センター(C)チャンネルの1/2のレベルとされた信号は、加算器81で前記Rチャンネルの信号と加算され、前記FRスピーカ20から出力される右出力信号とされる。
この左出力信号と右出力信号は、D/Aコンバータ16でアナログ信号に変換され、電子ボリューム17及びパワーアンプ18を介して、対応するFLスピーカ19又はFRスピーカ20から再生される。
これにより、受聴者100は、左右のサラウンドチャンネルの信号が、あたかも仮想スピーカ91及び92から再生されているように聞こえることとなる。
前記コントローラ13は、この音場再生装置全体の制御を行うものであり、ユーザーインターフェース部15から入力されるユーザーの指示に基づいて、前記各部における処理を制御する。
また、メモリ14は制御に用いる各種データやプログラムを記憶するものであり、前記ポストプロセッシング部12による定位付加処理及びクロストーク・キャンセル処理に用いられるFIRフィルタの係数データもメモリ14に記憶されている。
このようにして、受聴者100の両耳101及び102には、前記仮想スピーカ91から発生されたLSチャンネルの信号による音圧と前記仮想スピーカ92から発生されたRSチャンネルの信号による音圧が再生される。
これにより、DVDやデジタル放送などのマルチチャンネル(5.1チャンネル)コンテンツをフロント2チャンネルのスピーカで視聴するときに、受聴者の前方に設置された2個のスピーカを使用して、あたかも、受聴者の左右後方に配置された2個のサラウンドスピーカ(仮想スピーカ)から音が発せられているように、感じることができる。
特開平5−207597号公報 特開平8−51698号公報 特開平8−265899号公報 小林照二、"OSS−基準的音響伝送系−"、[online]、[平成18年10月24日検索]、インターネット <URL : http://www.noe.co.jp/news/04/04meca2.html>
上述した従来の音場再生装置によれば、バーチャル・サラウンドチャンネルが受聴者の左右後方に定位するはずであるが、実際には、受聴者の前方の左右に定位してしまい、サラウンド空間が狭く感じられることがあるという問題があった。
図7は、この様子を示す図であり、サラウンドチャンネルが、本来定位するはずの仮想スピーカ91及び92の位置から、図中93及び94で示す受聴者100の左右前方の位置に定位してしまい、サラウンド空間が狭く感じられるという問題点があった。
これは、前記リア定位付加処理やクロストーク・キャンセル処理を行うときに使用する頭部伝達関数が複数の人間の平均値のサイズで製作されたダミーヘッドを用いて測定されたものであり、これと受聴者個人との個体差により、後方の知覚が困難となったことが原因であると考えられる。
また、仮想音源位置を受聴者の後方に設定すると、耳介の存在により高音域のレベルが低下するため、後方に定位された信号の音質は劣化する。
そこで、本発明は、バーチャル・サラウンドチャンネルの左右、前後の定位を明りょうにするとともに、後方定位に伴う音質劣化を最小限に抑えることができる音場再生装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の音場再生装置は、後方チャンネルの信号を受聴者の後方に定位させるための信号処理を行う定位付加部の出力信号を、受聴者の左前方に配置されたフロントレフトスピーカ及び受聴者の右前方に配置されたフロントライトスピーカから再生することにより、前記後方チャンネルの信号を受聴者の後方に定位させる音場再生装置であって、前記定位付加部は、前記後方チャンネルの信号を受聴者の側方の第1の仮想スピーカ位置に定位させる側方定位付加部と、前記後方チャンネルの信号を受聴者の後方の第2の仮想スピーカ位置に定位させる後方定位付加部と、前記側方定位付加部の出力と前記後方定位付加部の出力を混合して出力する加算手段とを有するものであり、前記側方定位付加部は、前記後方チャンネルの信号に対し、前記第1の仮想スピーカ位置から受聴者の左耳までの伝達関数を畳み込んで前記フロントレフトスピーカから出力させる左出力信号とし、前記第1の仮想スピーカ位置から受聴者の右耳までの伝達関数を畳み込んで前記フロントライトスピーカから出力させる右出力信号とする処理を行うリア側方定位付加部と、前記リア側方定位付加部からの左出力信号及び右出力信号に対し、受聴者の左耳に前記フロントレフトスピーカから再生された前記左出力信号のみを到達させ、受聴者の右耳に前記フロントライトスピーカから再生された前記右出力信号のみを到達させるための信号処理を行って、前記フロントレフトスピーカから出力させる信号及び前記フロントライトスピーカから出力させる信号を出力するクロストーク・キャンセル処理部とを有し、前記後方定位付加部は、前記後方チャンネルの信号に対し、各周波数ごとに前記第2の仮想スピーカ位置から受聴者の左耳までの伝達関数のゲインを前記フロントレフトスピーカから受聴者の左耳までの伝達関数のゲインで除算することにより得られた伝達関数を畳み込んで前記フロントレフトスピーカから出力させる信号とし、各周波数ごとに前記第2の仮想スピーカ位置から受聴者の右耳までの伝達関数のゲインを前記フロントライトスピーカから受聴者の右耳までの伝達関数のゲインで除算することにより得られた伝達関数を畳み込んで前記フロントライトスピーカから出力させる信号とする処理を行うものである。
また、前記側方定位付加部の出力と前記後方定位付加部の出力の混合比率を制御する手段を有するものである。
本発明の音場再生装置によれば、バーチャル・サラウンドチャンネルの定位処理を、左右方向と前後方向とで別処理化しているため、左右の拡がりと前後の差を明りょうにすることが可能となり、意図した受聴者の後方の位置に定位させることが可能となった。
また、側方定位付加部と後方定位付加部の出力の混合比率を制御可能とすることにより、後方定位とのトレードオフである音質劣化を調整することができ、後方定位の違和感を調整することが可能となった。
図1は、本発明の音場再生装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図1において、デコーダ部11、ポストプロセッシング部12、コントローラ13、メモリ14、ユーザーインターフェース部15、D/A変換器16、電子ボリューム17、パワーアンプ18、受聴者の左前方に設置されるフロントレフト(FL)スピーカ19、及び、受聴者100の右前方に設置されるフロントライト(FR)スピーカ20は、前記図6に示したものと同一の構成要素であり、重複する説明を省略する。
この図1と前記図6とを比較すると、図1に示す本発明の音場再生装置においては、受聴者100の左側方に仮想スピーカ21の位置が設定されており、受聴者100の右側方に仮想スピーカ22の位置が設定されている。そして、仮想スピーカ21及び22には、その位置を受聴者100の後方に移動させることを示す矢印23と24が記載されている。また、ポストプロセッシング部12の内部構成が異なっている点で相違している。
図1のポストプロセッシング部12において、31は前記サラウンドレフト(LS)チャンネルの信号を受聴者100の左側方の仮想スピーカ21の位置に定位させるための信号処理を行うLSリア側方定位付加部、32は前記サラウンドライト(RS)チャンネルの信号を受聴者100の右側方の仮想スピーカ22の位置に定位させるための信号処理を行うRSリア側方定位付加部である。LSリア側方定位付加部31及びRSリア側方定位付加部32の出力信号は、クロストーク・キャンセル処理部33に入力され、フロントの2chのスピーカ(FL,FR)からの出力が受聴者100のそれぞれのスピーカ側の耳にのみ到達するように信号処理されて、FLスピーカ19から出力される左出力信号とFRスピーカ20から出力される右出力信号が出力される。
また、40は前記サラウンドレフト(LS)チャンネルの信号に対して受聴者100の左後方(後述する仮想スピーカ25の位置)に定位させるための信号処理を行ってFLスピーカ19から出力される左出力信号とFRスピーカ20から出力される右出力信号を出力するLSリア後方定位付加部、41は前記サラウンドライト(RS)チャンネルの信号に対して受聴者100の右後方(後述する仮想スピーカ26の位置)に定位させるための信号処理を行って左出力信号と右出力信号を出力するRSリア後方定位付加部である。
前記LSリア後方定位付加部40からの左出力信号と前記RSリア後方定位付加部41からの左出力信号は加算器42で加算され、信号の出力レベルを制御するレベル制御部44を介して、加算器46に供給される。また、前記LSリア後方定位付加部40からの右出力信号と前記RSリア後方定位付加部41からの右出力信号は加算器43で加算され、レベル制御部45を介して加算器47に供給される。
加算器46の他方の入力には前記クロストーク・キャンセル処理部33からの左出力信号が供給されており、前記レベル制御部44を介して供給されるLSリア後方定位付加部40及びRSリア後方定位付加部41からの左出力信号と、前記クロストーク・キャンセル処理部33を介して供給されるLSリア側方定位付加部31及びRSリア側方定位付加部32からの左出力信号が混合されて加算器48に供給される。同様に、加算器47の他方の入力には前記クロストーク・キャンセル処理部33からの右出力信号が供給されており、前記レベル制御部45を介して供給されるLSリア後方定位付加部40及びRSリア後方定位付加部41からの右出力信号と前記クロストーク・キャンセル処理部33を介して供給されるLSリア側方定位付加部31及びRSリア側方定位付加部32からの右出力信号が混合されて加算器49に供給される。
このように、本発明においては、バーチャル・サラウンドチャンネル(LS、RS)を定位させる処理を、受聴者の左右に定位させるリア側方定位付加処理と受聴者の後方に定位させるリア後方定位付加処理とに分離して行うようにしている。
ここで、LSチャンネルとRSチャンネルを受聴者の横方向に定位させるリア側方定位付加処理は、前後方向の要素がないため確実に横方向に定位させることができるため、左右の拡がりを出すことができる。そして、その上で、前記リア後方定位付加処理により、前記LSリア側方定位付加部31によるLSチャンネルの定位位置(仮想スピーカ21)を前記矢印23に示すように受聴者100の後方にシフトさせ、前記RSリア側方定位付加部32によるRSチャンネルの定位位置(仮想スピーカ22)を前記矢印24に示したように受聴者100の後方にシフトさせているため、LSチャンネルとRSチャンネルの音源位置が受聴者の前方に定位されることがなく、サラウンド空間を前後にも拡げることができる。
さらに、リア側方定位付加処理された信号とリア後方定位付加処理された信号を混合する際に、前記レベル制御部44及び45によりリア後方定位付加処理された信号のレベルを制御することにより、その混合比率を制御することができるようにしている。これにより、音質が劣化している後方定位の量を調整することができる。例えば、リア後方定位付加処理された信号のレベルを大きくすると、より後方に定位するが音質は劣化し、レベルを小さくすると、後方に定位する量は少なくなるが音質の劣化は少なくなる。この混合比率又は前記レベル制御部44及び45のレベルは、サラウンドチャンネルで再生される音の種類(拍手、音楽、効果音など)に応じて、ユーザーが前記ユーザーインターフェース部15を用いて複数の段階の中から最も適したレベルを選択できるようにすることができる。
加算器48には、前記レフト(L)チャンネルの信号と1/2のレベルとされた前記センター(C)チャンネルの信号が入力されており、これらの信号と前記加算器46からの受聴者100の左側方と左後方に定位されたサラウンドチャンネルの信号とが加算されて左出力信号として出力される。また、加算器49には前記ライト(R)チャンネルの信号と1/2のレベルとされた前記Cチャンネルの信号が入力されており、これらの信号と前記加算器47からの受聴者100の右側方と右後方に定位されたサラウンドチャンネルの信号とが加算されて右出力信号として出力される。
前記加算器48からの左出力信号と前記加算器49からの右出力信号は、それぞれ、前記D/A変換器16でアナログ信号に変換され、電子ボリューム17及びパワーアンプ18を介して前記FLスピーカ19と前記FRスピーカ20から再生される。これにより、受聴者100は、Lチャンネル、Cチャンネル及びRチャンネルの信号とともに、左右のサラウンドチャンネルの信号が、自分の左右後方から再生されているように聞こえることとなる。
次に、前記LSリア側方定位付加処理、RSリア側方定位付加処理、クロストーク・キャンセル処理、LSリア後方定位付加処理、RSリア後方定位付加処理について、図2〜図4を参照して詳細に説明する。
図2は、受聴者100、FLスピーカ19、FRスピーカ20、前記LSリア側方定位付加部31によりLSチャンネルが定位される左側方の仮想スピーカ21、前記RSリア側方定位付加部32によりRSチャンネルが定位される右側方の仮想スピーカ22、前記LSリア後方定位付加部40によりLSチャンネルが定位される左後方の仮想スピーカ25及び前記RSリア後方定位付加部40によりRSチャンネルが定位される右後方の仮想スピーカ26の位置関係、及び、各スピーカから受聴者100の両耳までの伝達関数を示す図である。図3は、LSリア側方定位付加部31、RSリア側方定位付加部32及びクロストーク・キャンセル処理部33の内部構成を示す図である。図4は、LSリア後方定位付加部40及びRSリア後方定位付加部41の内部構成を示す図である。
図2に示すように、この実施の形態では、フロントの2個のスピーカ(FL,FR)は、基準となるスピーカの配置法であるITU−R勧告のBS.775-1規格に従って配置されており、受聴者100は、2つのスピーカの見開き角度が60°となる位置で視聴する。また、仮想スピーカ21は、受聴者100の側方左側、すなわち、受聴者100の正面方向を示す直線103に対して−90°(時計回りを+、反時計回りを−とする。)の方向に配置されており、仮想スピーカ22は受聴者100の側方右側、すなわち、直線103に対して90°の方向に配置されている。さらに、仮想スピーカ25と26は、それぞれ、前記FLスピーカ19及びFRスピーカ20と受聴者100の両耳を通る線104に関して線対称となる位置に配置されており、仮想スピーカ25は受聴者100の正面方向の直線103に対して−150°、仮想スピーカ26は+150°の方向に配置されている。
ここで、FLスピーカ19から受聴者100の左耳101までの伝達関数をHLD(ω)、受聴者100の右耳102までの伝達関数をHLC(ω)、FRスピーカ20から受聴者100の左耳101までの伝達関数をHRC(ω)、受聴者100の右耳までの伝達関数をHRD(ω)とする。
また、受聴者100の左側方に設定されるLSチャンネルの仮想スピーカ21から受聴者100の左耳101までの伝達関数をHSLD(ω)、右耳102までの伝達関数をHSLC(ω)、受聴者100の右側方に設定されるRSチャンネルの仮想スピーカ22から受聴者100の左耳101までの伝達関数をHSRC(ω)、右耳102までの伝達関数をHSRD(ω)とする。
さらに、受聴者100の左後方に設定されるLSチャンネルの仮想スピーカ25から受聴者100の左耳101までの伝達関数をHRLD(ω)、右耳102までの伝達関数をHRLC(ω)、受聴者100の右後方に設定されるRSチャンネルの仮想スピーカ26から受聴者100の左耳101までの伝達関数をHRRC(ω)、右耳102までの伝達関数をHRRD(ω)とする。
前記仮想スピーカ21でサラウンドレフト(LS)チャンネルの音が再生され、前記仮想スピーカ22でサラウンドライト(RS)チャンネルの音が再生されたときに、受聴者100の左耳101に生じる音Lと右耳102に生じる音Rは、次の式(1)で表される。
Figure 0004797967
前記LSリア側方定位付加部31と前記RSリア側方定位付加部32は、上記式(1)の処理を行うものであり、図3に示すように、FIRフィルタ51〜54と加算器55及び56を有している。
各FIRフィルタ51〜54は、それぞれの伝搬経路のインパルス応答を係数とするFIRフィルタであって、FIRフィルタ51はLSチャンネルの信号と前記仮想スピーカ21から受聴者100の左耳101までの伝達関数HSLD(ω)のインパルス応答との畳み込み演算を行い、FIRフィルタ52はLSチャンネルの信号と仮想スピーカ21から受聴者100の右耳102までの伝達関数HSLC(ω)のインパルス応答との畳み込み演算を行い、FIRフィルタ53はRSチャンネルの信号と仮想スピーカ22から受聴者100の左耳101までの伝達関数HSRC(ω)のインパルス応答の畳み込み演算を行い、FIRフィルタ54はRSチャンネルの信号と仮想スピーカ22から受聴者の右耳102までの伝達関数HSRD(ω)のインパルス応答との畳み込み演算を行う。そして、加算器55により前記FIRフィルタ51と53の出力を加算して、仮想スピーカ21及び22から受聴者100の左耳101に到達する音(L)を得、加算器56により前記FIRフィルタ52と54の出力を加算して、受聴者100の右耳102に仮想スピーカ21及び22から到達する音(R)を得る。
このように、前記LSリア側方定位付加部31において、LSチャンネルの信号を受聴者100の左側方の仮想スピーカ21の位置に定位させるための信号処理が行われ、RSリア側方定位付加部32において、RSチャンネルの信号を受聴者100の右側方の仮想スピーカ22の位置に定位させるための信号処理が行われる。
前記加算器55及び56の出力L及びRは、クロストーク・キャンセル処理部33に入力される。
図3に示すように、クロストーク・キャンセル処理部33は、Lchダイレクト補正部34、Lchクロストーク補正部35、Rchクロストーク補正部36、Rchダイレクト補正部37、Lchダイレクト補正部34の出力とRchクロストーク補正部36の出力を加算する加算器38及びLchクロストーク補正部35とRchダイレクト補正部37の出力を加算する加算器39を有している。ここで、Lchダイレクト補正部34とRchダイレクト補正部37はFIRフィルタにより構成されており、Lchクロストーク補正部35はFIRフィルタ57とその出力の位相を反転する符号反転器58により構成されており、Rchクロストーク補正部36はFIRフィルタ59とその出力の位相を反転する符号反転器60により構成されている。
前記Lchダイレクト補正部34、Lchクロストーク補正部35、Rchクロストーク補正部36、Rchダイレクト補正部37及びLchダイレクト補正部34の伝達関数を、それぞれ、G11(ω)、G12(ω)、G21(ω)及びG22(ω)とすると、前記加算器38の出力SL1と前記加算器39の出力SR1は、次の式(2)で表される。
Figure 0004797967
前記クロストーク・キャンセル処理部33からの左出力信号SL1及び右出力信号SR1を、それぞれ、前記FLスピーカ19及びFRスピーカ20から再生したとき、受聴者100の左耳101に到達する音PLと右耳102に到達する音PRは、前記FLスピーカ19及びFRスピーカ20から前記次の式(3)で表される。
Figure 0004797967
ここで、受聴者100の左耳101に到達する音PLが、SLチャンネルの信号が仮想スピーカ21から再生され、SRチャンネルの信号が仮想スピーカ22から再生されたときに受聴者の左耳101に生じる音Lと等しく(PL=L)、受聴者100の右耳102に到達する音PRが、SLチャンネルの信号が仮想スピーカ21から再生され、SRチャンネルの信号が仮想スピーカ22から再生されたときに受聴者の右耳102に生じる音Rと等しい(PR=R)ときには、SLチャンネルとSRチャンネルの音が前記仮想スピーカ21と22に定位される。そのためには、前記クロストーク・キャンセル処理部33内の各補正部34〜37の伝達関数G11〜G22からなる行列が、前記各スピーカから受聴者の両耳までの伝達関数HLD、HLC、HRC、HRDからなる行列の逆行列であればよい。
Figure 0004797967
すなわち、Lchダイレクト補正部34はHRD/H00、Lchクロストーク補正部35は−HLC/H00、Rchクロストーク補正部36は−HRC/H00、Rchダイレクト補正部37はHLD/H00の伝達関数を有するものであればよい。ここで、H00=HLD・HRD−HLC・HRCである。FIRフィルタであるLchダイレクト補正部34、Lchクロストーク補正部35のFIRフィルタ57,Rchクロストーク補正部36のFIRフィルタ59及びFIRフィルタであるRchダイレクト補正部37は、それぞれに対応する上記伝達関数を逆フーリエ変換して得られたインパルス応答が係数として設定され、それぞれの入力信号に対する畳み込み演算を実行する。
そして、前記Lchダイレクト補正部34の出力と、前記FIRフィルタ59の出力が符号反転器60により逆相とされたRchクロストーク補正部36の出力とが加算器38で加算されて左出力信号SL1とされ、前記FIRフィルタ57の出力が符号反転器58により逆相とされたLchクロストーク補正部35の出力と前記Rchダイレクト補正部37の出力とが加算器39で加算されて右出力信号SR1とされる。
このクロストーク・キャンセル処理部33により、LSチャンネルの信号が受聴者100の左側方の仮想スピーカ21の位置に正確に定位され、RSチャンネルの信号が受聴者100の右側方の仮想スピーカ22の位置に正確に定位される。
また、前記LSチャンネルの信号は前記LSリア後方定位付加部40にも入力されており、前記RSチャンネルの信号は前記RSリア後方定位付加部41にも入力されている。 図4に示すように、LSリア後方定位付加部40はFIRフィルタ61及び62で構成されており、RSリア後方定位付加部41はFIRフィルタ64及び65で構成されている。このように、リア後方定位付加処理では、前記図3に示したLSリア側方定位の場合とは異なり、簡略な構成のLSリア後方定位付加部40及びRSリア後方定位付加部41が用いられている。
前記図2に関して説明したように、仮想スピーカ25はFLスピーカ19と受聴者100の両耳を通る直線104に関して線対称の位置に設定されており、仮想スピーカ26はFRスピーカ20と直線104に関して線対称の位置に設定されている。ダミーヘッドは左右対称としてよいため、仮想スピーカ25から受聴者100の左耳101までの距離、FLスピーカ19から左耳101までの距離、仮想スピーカ26から受聴者100の右耳102までの距離及びFRスピーカ20から右耳102までの距離は全て等しいものとすることができる。
したがって、FLスピーカ19から再生された音が左耳101に到達するまでの遅延時間と仮想スピーカ25から再生された音が左耳101に到達するまでの遅延時間は等しく、その減衰量はほぼ等しいものとすることができる。したがって、FLスピーカ19から左耳101までの伝達関数HLD(ω)と仮想スピーカ25から左耳101までの伝達関数HRLD(ω)はゲインの周波数特性にのみ差があるものとしてよい。
同様に、FLスピーカ19から受聴者100の右耳102までの伝達関数HLC(ω)と仮想スピーカ25から右耳102までの伝達関数HRLC(ω)、FRスピーカ20から左耳101までの伝達関数HRC(ω)と仮想スピーカ26から左耳101までの伝達関数HRRC(ω)、FRスピーカ20から右耳102までの伝達関数HRD(ω)と仮想スピーカ26から右耳102までの伝達関数HRRD(ω)は、いずれも、ゲインの周波数特性にのみ差があるとしてよい。
前記LSリア後方定位付加部40のFIRフィルタ61は、LSチャンネルの信号を入力し、FLスピーカ19から出力される信号を出力するフィルタである。そこで、このフィルタ61は、前記仮想スピーカ25からLSチャンネルの信号が再生されたときに受聴者100の左耳101に到達する音をFLスピーカ19から再生することによる影響を取り除くために、仮想スピーカ25から左耳101までの伝達関数HRLD(ω)をFLスピーカ19から左耳101までの伝達関数HLD(ω)で除算した伝達関数を有するものとされている。このとき、ゲインの周波数特性のみを考慮すればよいので、受聴者から−150°の位置の頭部伝達関数であるHRLD(ω)のゲインの周波数特性を受聴者から−30°の位置の頭部伝達関数であるHLD(ω)のゲインの周波数特性で除算して求めた伝達関数とすればよい。具体的には、各周波数ごとにHRLD(ω)のゲインをHLD(ω)のゲインで除算(dB値表示のときは減算)して得られたゲインの周波数特性(HRLD(ω)/HLD(ω))を逆フーリエ変換して得られたインパルス応答をFIRフィルタ61の係数として設定し、LSチャンネルの信号を畳み込み演算する。
また、前記LSリア後方定位付加部40のFIRフィルタ62は、LSチャンネルの信号を入力し、FRスピーカ20から出力される信号を出力するものである。そこで、このフィルタ62は、仮想スピーカ25からLSチャンネルの信号が再生されたときに受聴者100の右耳102に到達する音をFRスピーカ20から再生することによる影響を除去するために、仮想スピーカ25から右耳102までの伝達関数HRLC(ω)をFRスピーカ20から右耳102までの伝達関数HRD(ω)で除算した伝達関数(HRLC(ω)/HRD(ω))を有するものとされている。すなわち、上と同様に、各周波数ごとにHRLC(ω)のゲインをHRD(ω)のゲインで除算することにより得られたゲインの周波数特性(HRLC(ω)/HLC(ω))に対応するインパルス応答をFIRフィルタ62の係数として設定し、LSチャンネルの信号を畳み込み演算する。
同様に、RSリア後方定位付加部41のFIRフィルタ63は、RSチャンネルの信号を入力し、FLスピーカ19から出力される信号を出力するものであり、仮想スピーカ26からRSチャンネルの信号が再生されたときに受聴者100の左耳101に到達する音をFLスピーカ19から再生することによる影響を除去するために、仮想スピーカ26から受聴者100の左耳101までの伝達関数HRRC(ω)をFLスピーカ19から左耳101までの伝達関数HLD(ω)で除算した伝達関数(HRRC(ω)/HLD(ω))を有するものである。すなわち、各周波数ごとにHRRC(ω)のゲインをHLD(ω)のゲインで除算して得られた伝達関数に対応するインパルス応答をFIRフィルタ63の係数として設定し、RSチャンネルの信号を畳み込み演算する。
また、RSリア後方定位付加部41のFIRフィルタ64は、RSチャンネルの信号を入力し、FRスピーカ20から出力される信号を出力するものであり、仮想スピーカ26からRSチャンネルの信号が再生されたときに受聴者100の右耳102に到達する音をFRスピーカ20から再生することによる影響を除去するために、仮想スピーカ26から受聴者100の右耳102までの伝達関数HRRD(ω)をFRスピーカ20から右耳102までの伝達関数HRD(ω)で除算した伝達関数を有するものである。すなわち、各周波数ごとにHRRD(ω)のゲインをHRD(ω)のゲインで除算して得られた伝達関数に対応するインパルス応答をFIRフィルタ64の係数として設定し、RSチャンネルの信号を畳み込み演算する。
このような簡略な方法の場合には、前記LSリア側方定位付加部31、RSリア側方定位付加部32及びクロストーク・キャンセル部33を用いる場合と比較して、複数の位置に定位されるという問題はあるが、音の拡がり感は得ることができる。
また、伝達関数のゲインの周波数特性のみを用いて定位付加処理を行っているため、従来の後方定位付加処理の場合と比較して、頭部伝達関数の計測に用いられたダミーヘッドに対する受聴者の個人差に起因する誤差が少なくなるという効果もある。
前記FIRフィルタ61から出力される信号と前記FIRフィルタ63から出力される信号は加算器42で加算され、レベル制御部44で振幅を制御されて、リア後方定位付加部から出力される左出力信号SL2とされる。また、前記FIRフィルタ62の出力信号と前記FIRフィルタ64の出力信号は加算器43で加算され、レベル制御部45で振幅を制御されて、リア後方定位付加部から出力される右出力信号SR2とされる。
前述のように、左出力信号SL2は、加算器46において前記クロストーク・キャンセル処理部33からの左出力信号SL1と加算され、さらに、加算器48においてLチャンネル及びCチャンネルの信号と加算されてFLスピーカ19から再生される信号とされる。
同様に、右出力信号SR2は、加算器47において、前記クロストーク・キャンセル処理部33の加算器39から出力されるリア側方定位付加部からの右出力信号SR1と加算され、さらに、加算器49においてRチャンネルの信号及びCチャンネルの信号と加算されて、FRスピーカ20から再生される信号とされる。
図5は、上述した本発明の音場再生装置において再生されるバーチャル・サラウンドチャンネルの定位について示す図である。
LSチャンネルの信号は、受聴者100の左側方に設定された仮想スピーカ21と後方定位付加処理において受聴者の左後方に設定された仮想スピーカ25の両者から再生されることとなるため、図中27で示す領域に定位される。また、RSチャンネルの信号は、受聴者100の右側方に設定された仮想スピーカ22と後方定位付加処理において受聴者の右後方に設定された仮想スピーカ26の両方から再生されることとなるため、図中28で示す領域に定位される。
このように、リアのバーチャルチャンネルの定位処理を受聴者の側方と後方に分離して行うことにより、受聴者の後方に確実に定位させることができる。
このような本発明の音場再生装置は、AVレシーバ、AVアンプ、アンプ、テレビなど2本のスピーカが左右に存在しているものにおいて、スピーカをバーチャル再生するシステム全てに適用することができる。
なお、上記においては、5.1チャンネルの再生の場合を例にとって説明したが、これに限られることはなく、7.1チャンネルなど他のマルチチャンネル再生にも同様に適用することができる。
本発明の音場再生装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。 受聴者、FLスピーカ19、FRスピーカ20、仮想スピーカ21、22,25及び26の位置関係とそれらの間の伝達関数について説明するための図である。 LSリア側方定位付加部31、RSリア側方定位付加部32及びクロストーク・キャンセル処理部33の構成を示す図である。 LSリア後方定位付加部40及びRSリア後方定位付加部41の構成を示す図である。 本発明の音場再生装置により再生されるバーチャル・サラウンドチャンネルが定位される位置について説明するための図である。 従来の音場再生装置の構成を示すブロック図である。 従来の音場再生装置により再生されるバーチャル・サラウンドチャンネルが定位される位置について説明するための図である。
符号の説明
11:デコーダ部、12:ポストプロセッシング部、13:コントローラ、14:メモリ、15:ユーザーインターフェース部、16:D/A変換器、17:電子ボリューム、18:パワーアンプ、19:Lチャンネルスピーカ(FL)、20:Rチャンネルスピーカ(FR)、21,22,25,26:仮想スピーカ、31:LSリア側方定位付加部、32:RSリア側方定位付加部、33:クロストーク・キャンセル処理部、34:Lchダイレクト補正部、35:Lchクロストーク補正部、36:Rchクロストーク補正部、37:Rchダイレクト補正部、38,39,42,43,46,47,48,49:加算器、40:LSリア後方定位付加部、41:RSリア後方定位付加部、51,52,53,54,57,5961,62,63,64:FIRフィルタ、58,60:符号反転器、100:受聴者、101:受聴者の左耳、102:受聴者の右耳、103:受聴者の正面方向を示す直線、104:受聴者の両耳を通る直線

Claims (2)

  1. 後方チャンネルの信号を受聴者の後方に定位させるための信号処理を行う定位付加部の出力信号を、受聴者の左前方に配置されたフロントレフトスピーカ及び受聴者の右前方に配置されたフロントライトスピーカから再生することにより、前記後方チャンネルの信号を受聴者の後方に定位させる音場再生装置であって、
    前記定位付加部は、前記後方チャンネルの信号を受聴者の側方の第1の仮想スピーカ位置に定位させる側方定位付加部と、前記後方チャンネルの信号を受聴者の後方の第2の仮想スピーカ位置に定位させる後方定位付加部と、前記側方定位付加部の出力と前記後方定位付加部の出力を混合して出力する加算手段とを有するものであり、
    前記側方定位付加部は、前記後方チャンネルの信号に対し、前記第1の仮想スピーカ位置から受聴者の左耳までの伝達関数を畳み込んで前記フロントレフトスピーカから出力させる左出力信号とし、前記第1の仮想スピーカ位置から受聴者の右耳までの伝達関数を畳み込んで前記フロントライトスピーカから出力させる右出力信号とする処理を行うリア側方定位付加部と、前記リア側方定位付加部からの左出力信号及び右出力信号に対し、受聴者の左耳に前記フロントレフトスピーカから再生された前記左出力信号のみを到達させ、受聴者の右耳に前記フロントライトスピーカから再生された前記右出力信号のみを到達させるための信号処理を行って、前記フロントレフトスピーカから出力させる信号及び前記フロントライトスピーカから出力させる信号を出力するクロストーク・キャンセル処理部とを有し、
    前記後方定位付加部は、前記後方チャンネルの信号に対し、各周波数ごとに前記第2の仮想スピーカ位置から受聴者の左耳までの伝達関数のゲインを前記フロントレフトスピーカから受聴者の左耳までの伝達関数のゲインで除算することにより得られた伝達関数を畳み込んで前記フロントレフトスピーカから出力させる信号とし、各周波数ごとに前記第2の仮想スピーカ位置から受聴者の右耳までの伝達関数のゲインを前記フロントライトスピーカから受聴者の右耳までの伝達関数のゲインで除算することにより得られた伝達関数を畳み込んで前記フロントライトスピーカから出力させる信号とする処理を行うことを特徴とする音場再生装置。
  2. 前記側方定位付加部の出力と前記後方定位付加部の出力の混合比率を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載の音場再生装置。
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