以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路は、商用交流電源などである交流電源1と、交流電流方式の白熱灯などの照明である負荷2と、スイッチ子器10と、スイッチ親器20とが直列に接続されている。
この負荷制御回路は、スイッチ親器20又はスイッチ子器10を介したユーザによるスイッチ操作に応じて、負荷2に対する交流電源1からの電源供給を適切に制御する。
スイッチ子器10は、常開型の押しボタンスイッチ11を備え、端子S1と端子S2間を負荷制御回路の主電流が流れる主電流配線(電流スルーライン)が通過するように、端子S2と端子S3間を主電流配線から分岐された分岐配線BL1が通過するように、端子S1、S2、S3によって負荷制御回路に3路配線される。また、スイッチ子器10は、押しボタンスイッチ11に対して並列に発光ダイオード12、抵抗R1、ダイオードD1が設けられている。
押しボタンスイッチ11は、ユーザによる操作がなされていない通常時では常に開いているが、ユーザによる操作によって閉じることで端子S3を介して接続されたスイッチ親器20を通過する分岐配線BL1と導通することになる。このスイッチ子器10のユーザによる押しボタンスイッチ11の操作は、押しボタンスイッチ11の操作が実行される直前における負荷2への交流電源1からの電源供給状態を切り替えることをスイッチ親器20に要求するための操作である。
例えば、押しボタンスイッチ11が操作される直前で負荷2へ交流電源1から電源供給されている場合には、押しボタンスイッチ11を操作することで負荷2への電源供給を停止するよう要求したことを意味する。逆に、押しボタンスイッチ11が操作される直前で負荷2へ交流電源1からの電源供給が停止されている場合には、押しボタンスイッチ11を操作することで負荷2への電源供給を開始するよう要求したことを意味する。
後述するように、この押しボタンスイッチ11、つまりスイッチ子器10の操作による負荷2への電源供給状態の切り替え要求は、スイッチ親器20で検出されスイッチ親器20により負荷2への電源供給制御がなされる。
発光ダイオード12は、負荷2への電源供給が停止されオフ状態となっている場合に発光することで、ユーザにスイッチ子器10の位置や負荷2の電源供給状態を通知するために設けられている。発光ダイオード12の発光制御は、端子S3を介して接続されたスイッチ親器20にて実行される。
スイッチ親器20は、双方向サイリスタであるトライアックTRC1と、交流電源1から供給される交流電源を全波整流して直流電源に変換し、当該スイッチ親器20を駆動する電源を供給する電源回路/制御回路21と、当該スイッチ親器20を統括的に制御するマイコン22と、ユーザによって操作される負荷2への電源供給の開始要求、負荷2への電源供給の停止要求を入力する操作スイッチ23とを備える電子式のスイッチである。
スイッチ親器20は、端子S4、S5、S6により負荷制御回路に3路配線される。具体的には、端子S5が、スイッチ子器10の端子S1と接続され、端子S4、S5間を主電流配線が通過する。また、端子S6は、スイッチ子器10の端子S3と接続され、端子S4、S6間を分岐配線BL1が通過する。
また、図示しないが、スイッチ親器20は、調光制御をするために負荷2へ供給する交流電流量を指示する調光スイッチを備えていてもよい。また、タイマにより負荷2の点灯、消灯を時間管理するようにしてもよい。
トライアックTRC1は、2個のサイリスタを逆並列に接続し、双方向に電流を流せるようにした半導体素子であり、端子S4、S5間にアノード、カソードで主電流配線に対して直列接続されている。スイッチ親器20は、マイコン22により、このトライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、パルス信号の供給停止、パルス信号のタイミングを制御(位相制御)することでアノード、カソード間の導通(ターンオン)、導通の停止(ターンオフ)、負荷2に供給する交流電流量、つまりは交流電力量を制御する。
マイコン22は、ユーザにより操作スイッチ23が操作された場合、現在の負荷2への交流電源1からの電源供給状態に基づき、負荷2への電源供給を開始するよう要求されたのか、負荷2への電源供給を停止するよう要求されたのかを判定する。そして、マイコン22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、又はパルス信号の供給停止をすることで、トライアックTRC1のアノード、カソード間を導通、又は導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ親器20の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が制御される。
また、マイコン22は、検出ポートP2で検出される電圧値に応じて、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を開始(オフ状態→オン状態)するように要求されたのか、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を停止(オン状態→オフ状態)するよう要求されたのかどうかを判定する。
そして、マイコン22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、又はパルス信号の供給を停止することで、トライアックTRC1のアノードカソード間を導通、又は導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ子器10の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が制御される。
スイッチ親器20は、分岐配線BL1の端子S4側から流れる電流を抵抗R2、ダイオードD2を介してベース電流としてオン、オフ制御されるトランジスタTR1を備えている。トランジスタTR1は、エミッタ接地され、コレクタ側が検出ポートP2に接続されている。
また、このトランジスタTR1として、バイポーラトランジスタを使用することができるが、FET(Field Effect Transistor)を使用することもできる。FETを使用するとゲート電流(バイポーラトランジスタの場合のベース電流)を非常に小さくすることができる。したがって、押しボタンスイッチ11の操作を検出するために負荷オフ時に流す電流を小さくすることができるというメリットがある。
負荷オフ時に無駄な電流を消費させると、電子点灯方式の蛍光灯や電球型蛍光灯の誤点灯(ちらつき)を引き起こしたり、電灯以外の負荷、例えば、換気扇などを使用した場合には換気扇の誤動作を誘発したりすることになる。したがって、負荷制御回路により各種負荷を制御することが困難となってしまうため、できるだけ負荷オフ時に流す電流を小さくすることが望ましい。
したがって、スイッチ子器10の発光ダイオード12も高輝度でありながら、低電流で駆動するものを使用することが望ましい。
例えば、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されていない状態で、負荷2への電源供給が停止されオフ状態となるように、マイコン22によりトライアックTRC1が制御されている場合、スイッチ親器20には、交流電源1からの電源がそのまま印加される。したがって、トランジスタTR1のベースには、周期的なベース電流が供給されてトランジスタTR1は、周期的にオン・オフを繰り返すよう制御される。
つまり、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されていない状態で、負荷2への電源供給が停止されオフ状態の場合、マイコン22は、検出ポートP2から周期的な電圧値を検出することになる。
このとき、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されると、分岐配線BL1が導通して電流がダイオードD3へと流れるため、トランジスタTR1のベースにはベース電流が供給されずオフし続ける。したがって、マイコン22は、検出ポートP2から周期的な電圧値ではなく一定の電圧値(Hi電圧)を検出することになる。つまり、マイコン22は、所定のサンプリングタイミングで検出ポートP2から検出される周期的な電圧値が一定の電圧値へと変化した場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたと判定することができる。
マイコン22は、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたと判定したことに応じて、トライアックTRC1を制御して、負荷2をオフ状態からオン状態へと切り替えるよう電源供給制御をする。
一方、負荷2へ電源供給されオン状態となるようにマイコン22によりトライアックTRC1が制御されている場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたことをマイコン22で検出するためには、押しボタンスイッチ11が操作されていない状態で、トランジスタTR1が、周期的にオン・オフを繰り返すよう制御しておく必要がある。
一般に、トライアックを制御して負荷へ交流電源より電源供給するように制御する電子式スイッチは、負荷のオン期間において自身の電源を確保するために、交流電源のゼロクロス後、僅かな時間(例えば、数10μs程度)だけ負荷をオフとするオフ期間を設けるようにトライアックを制御している。この場合、負荷としては低ワットの蛍光灯(30W以下程度)以外の負荷である蛍光灯、換気扇、インバータ照明、一般の電球型蛍光灯などを使用することができる。
そこで、マイコン22は、トライアックTRC1のゲートに供給するパルス信号の位相制御をすることで、負荷2をオン状態とするオン期間において、負荷2を安定して駆動することが十分可能な程度の微少時間であるオフ期間を設けるようにする。なお、このように、オン期間に積極的にオフ期間を設定した場合、例えば、蛍光灯などのように放電により点灯する照明は、使用することができないが、オフ期間を適切に設定(数ms程度)すれば、白熱灯以外にも調光制御が可能な電球型蛍光灯なども使用することが可能である。
このオフ期間は、負荷制御回路の負荷2の種別に応じて決定することができ、白熱灯などの場合には、一般的なオン・オフ制御のみを行う電子式スイッチで設ける時間よりも長いオフ期間を確保することができる。
これにより、負荷2がオン状態であったとしても、トランジスタTR1のベースには周期的なベース電流が供給され、トランジスタTR1は、周期的にオン・オフを繰り返すように制御される。
したがって、マイコン22は、所定のサンプリングタイミングで検出ポートP2から検出される周期的な電圧値が一定の電圧値へと変化した場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたと判定することができる。オフ期間を長くすることができれば、トランジスタTR1を確実に周期的にオン・オフさせることができるため、判定の精度を上げることができる。
マイコン22は、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたと判定したことに応じて、トライアックTRC1を制御して、負荷2をオン状態からオフ状態へと切り替えるよう電源供給制御をする。
また、マイコン22は、スイッチ子器10が備える発光ダイオード12の発光を制御する。マイコン22の検出ポートP17は、抵抗R3、ダイオードD4、トランジスタTR2のベースを介して端子S6と接続されている。これにより、マイコン22は、負荷2をオン状態とするように電源供給制御している場合には、発光ダイオード12の発光を停止させる。また、マイコン22は、負荷2をオフ状態とするように電源供給制御している場合には、交流の片方向の半波整流波を発光ダイオード12に流すよう制御して発光させる。なお、トランジスタTR2は、負荷制御回路の消費電力を低減させるように構成する場合、FETを使用するようにしてもよい。
(負荷制御処理回路の制御処理動作)
続いて、図2、図3を用いて、スイッチ子器10のスイッチ操作に応じた、スイッチ親器20のマイコン22による負荷制御処理動作について説明をする。
図2(a)、(b)、(c)は、それぞれ交流電源1から電源供給がなされたオン状態の負荷2をスイッチ子器10の操作により電源供給を停止させたオフ状態へと切り替えた際の、スイッチ子器10の発光ダイオード12を流れる電流を示した図、スイッチ親器20の両端にかかる両端電圧を示した図、マイコン22の検出ポートP2の電圧を示した図である。
スイッチ親器20のマイコン22は、負荷2がオン状態の場合でも周期的な微少なオフ期間を有するようにトライアックTRC1を制御するため、図2(b)に示すように、スイッチ親器20にはオフ期間の間、ある程度の電圧(最大100V程度)がかかることになる。
したがって、上述したようにトランジスタTR1が、周期的にオン・オフを繰り返すように制御されるため、図2(c)に示すように、スイッチ親器20の検出ポートP2の電圧は、負荷2がオン状態である場合には周期的なパルス電圧値となる。そして、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されるスイッチ子器操作期間Toへ移行した場合、周期性が消失した一定の電圧値となる。したがって、スイッチ親器20のマイコン22は、検出ポートP2で検出される電圧値の変化からスイッチ子器10の押しボタンスイッチが操作されたかどうかを判定することができる。
図3(a)、(b)、(c)は、それぞれ交流電源1からの電源供給を停止されたオフ状態の負荷2をスイッチ子器10の操作により電源供給をするオン状態へと切り替えた際の、スイッチ子器10の発光ダイオード12を流れる電流を示した図、スイッチ親器20の両端にかかる両端電圧を示した図、マイコン22の検出ポートP2の電圧を示した図である。
図3(b)に示すように、負荷2がオフ状態の場合には、スイッチ親器20には、交流電源1からの電圧がそのままかかることになる。
したがって、上述したようにトランジスタTR1が、周期的にオン・オフを繰り返すように制御されるため、図3(c)に示すように、スイッチ親器20の検出ポートP2の電圧は、負荷2がオフ状態である場合には周期的なパルス電圧値となる。そして、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されるスイッチ子器操作期間Toへ移行した場合、周期性が消失した一定の電圧値となる。したがって、スイッチ親器20のマイコン22は、検出ポートP2で検出される電圧値の変化からスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたかどうかを判定することができる。
スイッチ親器20のマイコン22は、図2(c)、図3(c)で示したように検出ポートP2で検出される電圧値の変化から押しボタンスイッチ11が操作されたと判定した場合には、トライアックTRC1を制御して負荷2への電源供給状態を切り替える。
(第1の実施の形態の効果)
このように、本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路は、主電流配線から分岐された分岐配線BL1に接続された常開型の機械式スイッチである押しボタンスイッチ11のスイッチ操作を、スイッチ親器20のマイコン22が分岐配線BL1の通電状態を検出することで判定し、判定結果に応じて負荷2への電源供給を制御する。
具体的には、スイッチ親器20は、分岐配線BL1にベースを接続されたトランジスタTR1の出力が、分岐配線BL1に電流が流れる前後で変化することに応じて、分岐配線BL1の通電状態を検出する。マイコン22は、負荷2へ電源供給するように制御する際、負荷2への電源供給を周期的な微少時間だけ停止させるオフ期間を設けるように制御することで、負荷2をオン状態からオフ状態へと切り替えさせる押しボタンスイッチ11の要求を確実に判定することができる。
これにより、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いた負荷制御方式としながら、図1に示すように、スイッチ親器20とスイッチ子器10とは、3路配線することができるため容易に施工することができる。したがって、既に3路配線された場所でも、この配線をそのまま利用すればよいため、既存の配線状態を有効に活用することができ、施工のコスト、労力、施工時間を大幅に削減することができる。
さらに、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いることで、機械式スイッチでは実現できなかった、照明である負荷2の点灯・消灯制御の他に、調光制御やタイマによる負荷2の点灯、消灯を時間管理するといった高機能な負荷制御処理も容易に実現することができる。
また、主電流配線に対して設けた分岐配線BL1に流れる交流の片方向の半波整流波を制御することで、負荷2への電源供給状態を通知する発光ダイオード12の発光制御をスイッチ親器20から容易に行うことができる。
[第2の実施の形態]
続いて、図4を用いて、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。図4に示すように、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路は、図1を用いて説明した本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路の電子式スイッチであるスイッチ親器20において、高電圧回路であるスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出する検出回路などと、低電圧回路であるマイコン22周りの回路とを分離するようにした構成である。したがって、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路において、図1に示す負荷制御回路と重複する箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、本発明の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ親器20は、端子S4と端子S6間とを通過する分岐配線BL1に抵抗R4、絶縁素子であるフォトカプラPC1、端子S4から端子S6方向へと整流するダイオードD5を設け、フォトカプラPC1の出力をトランジスタTR1のベースにベース電流として供給しトランジスタTR1のオン・オフを制御するようにしている。
負荷2がオフ状態の場合、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されると、分岐配線BL1が電気的に接続され端子S4、S6間に、交流の片方向の半波整流波が流れるため、フォトカプラPC1の1次側の発光ダイオードPC1dが発光する。これに応じて、フォトカプラPC1の2次側のフォト・トランジスタPC1tがオンするため、トランジスタTR1もオンすることになる。
したがって、マイコン22の検出ポートP2で検出される電圧は、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されていない時と、押しボタンスイッチ11が操作された時とで異なる電圧値を示すことになる。
一方、負荷2がオン状態の場合、負荷制御回路の主電流は、押しボタンスイッチ11を操作したとしても分岐配線BL1に流れ込まないが、上述した第1の実施の形態として示す負荷制御回路のように、マイコン22が、トライアックTRC1のゲートに供給するパルス信号の位相制御をすることで、負荷2をオン状態とするオン期間において、負荷2を安定して駆動することが十分可能な程度のオフ期間を設け、分岐配線BL1に交流の片方向の半波整流波を流すことができる。
これにより、この負荷2がオン状態のオフ期間において、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されると、負荷2がオフ状態の時と同様に、端子S4、S6間に、交流の片方向の半波整流波が流れるため、フォトカプラPC1の1次側の発光ダイオードPC1dが発光する。これに応じて、フォトカプラPC1の2次側のフォト・トランジスタPC1tがオンするため、トランジスタTR1もオンすることになる。
したがって、マイコン22の検出ポートP2で検出される電圧は、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されていない時と、押しボタンスイッチ11が操作された時とで異なる電圧値を示すことになる。
これにより、マイコン22は、検出ポートP2で検出される電圧値に応じて、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を開始(オフ状態→オン状態)するように要求されたのか、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を停止(オン状態→オフ状態)するよう要求されたのかどうかを判定することができる。
そして、マイコン22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、又はパルス信号の供給を停止することで、トライアックTRC1のアノード、カソード間を導通、又は導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ子器10の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が制御される。
なお、このように、オン期間に積極的にオフ期間を設定した場合、例えば、蛍光灯などのように放電により点灯する照明は、使用することができないが、オフ期間を適切に設定(数ms程度)すれば、白熱灯以外にも調光制御が可能な電球型蛍光灯なども使用することが可能である。
また、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ親器20は、端子S4、S6間に、抵抗R4、フォトカプラPC、ダイオードD5と並列に、端子S6から端子S4方向へと整流するダイオードD6、絶縁素子であるフォトトライアックPT1を設け、マイコン22によりスイッチ子器10の発光ダイオード12の発光制御をする。マイコン22の検出ポートP16には、フォトトライアックPT1の1次側の発光ダイオードPT1dが接続されている。
これにより、マイコン22は、負荷2をオン状態とするように電源供給制御している場合には、フォトトライアックPT1の1次側の発光ダイオードPT1dの発光を停止させる。また、マイコン22は、負荷2をオフ状態とするように電源供給制御している場合には、フォトトライアックPT1の発光ダイオードPT1dを発光させ、フォトトライアックPT1の2次側のフォトトライアックPT1tを動作させ、交流の片方向の半波整流波で発光ダイオード12を発光させるように制御する。
(第2の実施の形態の効果)
このように、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路は、主電流配線から分岐された分岐配線BL1に接続された常開型の機械式スイッチである押しボタンスイッチ11のスイッチ操作を、スイッチ親器20のマイコン22が分岐配線BL1の通電状態を検出することで判定し、判定結果に応じて負荷2への電源供給を制御する。
具体的には、スイッチ親器20は、分岐配線BL1に接続されたフォトカプラPC1を介して伝達される電流をベース電流とするトランジスタTR1の出力が、分岐配線BL1に電流が流れる前後で変化することに応じて、分岐配線BL1の通電状態を検出する。マイコン22は、負荷2へ電源供給するように制御する際、負荷2への電源供給を周期的な微少時間だけ停止させるオフ期間を設けるように制御することで、負荷2をオン状態からオフ状態へと切り替えさせる押しボタンスイッチ11の要求を確実に判定することができる。
これにより、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いた負荷制御方式としながら、図4に示すように、スイッチ親器20とスイッチ子器10とは、3路配線することができるため容易に施工することができる。したがって、既に3路配線された場所でも、この配線をそのまま利用すればよいため、既存の配線状態を有効に活用することができ、施工のコスト、労力、施工時間を大幅に削減することができる。
さらに、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いることで、機械式スイッチでは実現できなかった、照明である負荷2の点灯・消灯制御の他に、調光制御やタイマによる負荷2の点灯、消灯を時間管理するといった高機能な負荷制御処理も容易に実現することができる。
また、主電流配線に対して設けた分岐配線BL1に流れる交流の片方向の半波整流波をフォトトライアックPT1を介して制御することで、負荷2への電源供給状態を通知する発光ダイオード12の発光制御をスイッチ親器20から容易に行うことができる。
また、フォトカプラPC1により、分岐配線BL1とトランジスタTR1とを電気的に分離し、フォトトライアックPT1により、分岐配線BL1とマイコン22とを電気的に分離することで、高電圧回路であるスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出する検出回路などと、低電圧回路であるマイコン22周りの回路とを分離することができる。したがって、マイコン22周りの回路定数設定を容易なものとし、マイコン22の耐電圧やサージ電圧による影響を考慮する必要がなくなるため、回路設計を容易に行うことができる。
[第3の実施の形態]
続いて、図5を用いて、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。
図5に示すように、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路は、図1を用いて説明した本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路の機械式スイッチであるスイッチ子器10において、発光ダイオード12を確実に発光制御できるようにした構成である。したがって、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路において、図1に示す負荷制御回路と重複する箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路は、スイッチ子器10において、発光ダイオード12、抵抗R1、ダイオードD1と並列に接続された押しボタンスイッチ11と直列に端子S3から端子S2方向へと整流するダイオードD7を接続し、押しボタンスイッチ11を操作している間でも発光ダイオード12が点灯するようにしている。
本発明の第1の実施の形態として図1に示した負荷制御回路では、押しボタンスイッチ11を操作すると、インピーダンスの関係により発光ダイオード12には電流が流れず、押しボタンスイッチ11側を電流が流れる。したがって、押しボタンスイッチ11の操作期間においては、発光ダイオード12を発光させることができなかった。
上述したように、スイッチ親器20のマイコン22は、押しボタンスイッチ11の操作を検出すると、負荷2への電源供給状態を切り替えるように制御する。例えば、ユーザが、オン状態にある負荷2をオフ状態にするために押しボタンスイッチ11を長押ししたとする。マイコン22は、このように押しボタンスイッチ11が長押しされている間であっても、押しボタンスイッチ11の操作を検出したことに応じて負荷2をオフ状態へと切り替えることになる。しかしながら、負荷2がオン状態からオフ状態へと切り替わったとしても、押しボタンスイッチ11が操作されている間は、上述したように発光ダイオード12を発光させることができない。
そこで、負荷制御回路のスイッチ子器10に、ダイオードD7を設けることで、押しボタンスイッチ11を操作している間であっても、発光ダイオード12へ電流を流すことができる。これにより、マイコン22は、負荷2をオフ状態とするように電源供給制御している場合には、押しボタンスイッチ11が操作されていたとしても交流の片方向の半波整流波で発光ダイオード12を確実に発光させるように制御することができる。
また、図4に示した本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ子器10にも、同じように、発光ダイオード12、抵抗R1、ダイオードD1と並列に接続された押しボタンスイッチ11と直列に、端子S3から端子S2方向へと整流するダイオードD7を接続することで、押しボタンスイッチ11を操作している間でも、負荷2がオフ状態となったことに応じて発光ダイオード12を確実に発光させることができる。
(第3の実施の形態の効果)
このように、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路は、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11と直列に、端子S3から端子S2方向へ整流するダイオードD7を設けることで、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作され押下され続けた場合であっても、スイッチ子器10の両端(端子S2,S3間)に電圧を発生させることができるため、発光ダイオード12を発光させることができる。
また、ダイオードD7により、交流を半波整流することでスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11に掛かる耐圧を下げることができるため、押しボタンスイッチ11としていわゆる弱電用の信号用スイッチを使用することができる。これにより、負荷制御回路の小型化、低コスト化を実現することができる。
[第4の実施の形態]
次に、図6を用いて、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。
上述した第1の実施の形態の負荷制御回路では、負荷2がオン状態である場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出するために、マイコン22による位相制御により積極的にオフ期間を設けるようにしていた。図6に示す本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路では、スイッチ親器20を動作させるのに必要最低限の電源だけ確保するように、このオフ期間を減らすことで、例えば、蛍光灯なども負荷2として使用できるような構成となっている。
したがって、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路において、図1に示す負荷制御回路と重複する箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。また、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路において、負荷2がオフ状態に制御されている際のスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出する手法は、上述した第1の実施の形態として示す負荷制御回路での検出手法と全く同じであるため説明を省略する。
図6(a)に示すように、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路は、オン状態に制御された負荷2をオフ状態へと切り替えるよう要求するスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出するために、スイッチ子器10の端子S1、S2間に端子S2から端子S1方向に整流するダイオードD11と、ダイオードD11と並列に端子S1から端子S2方向に整流するダイオードD12とを設けている。このダイオードD11、D12は、押しボタンスイッチ11が操作された際に、押しボタンスイッチ11側に、負荷制御回路の主電流を分岐配線BL1へと分流させるために設けられている。
また、図6(a)に示すように、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ親器20は、トライアックTRC1と端子S5間で主電流配線から分岐され、端子S6へと接続させることで分岐配線BL1に接続された分岐配線BL2に抵抗R6と、絶縁素子であるフォトカプラPC2とを直列に接続させている。このフォトカプラPC2の出力は、エミッタ接地されコレクタ側をマイコン22の検出ポートP8に接続したトランジスタTR3のベースにベース電流として供給され、トランジスタTR3のオン・オフを制御する。
これにより、負荷2がオン状態に制御されている場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されると、押しボタンスイッチ11側に負荷制御回路の主電流が分流するため、フォトカプラPC2の1次側の発光ダイオードPC2dが発光する。これに応じて、フォトカプラPC2の2次側のフォト・トランジスタPC2tがオンするため、トランジスタTR3もオンすることになる。
したがって、マイコン22の検出ポートP8で検出される電圧は、負荷2がオン状態である場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されていない時と、押しボタンスイッチ11が操作された時とで異なる電圧値を示すことになる。
これにより、マイコン22の検出ポートP8で検出される電圧値に応じて、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を停止(オン状態→オフ状態)するように要求されたのかを判定することができる。
そして、マイコン22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートへのパルス信号の供給を停止することで、トライアックTRC1のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ子器10の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が停止される。
上述したように、スイッチ子器10は、押しボタンスイッチ11が操作された際に、分岐配線BL2に負荷制御回路の主電流を分流させるためにダイオードD11、D12を設けている。このように、押しボタンスイッチ11が操作された際に、分岐配線BL2のフォトカプラPC2に電流が流れるように負荷制御回路の主電流を分流できればよいため、図6(b)に示すようにダイオードD11、D12に替えて、端子S1、S2間に分流が生ずるような抵抗値の抵抗R7を直列に接続するようにしてもよい。また、図6(c)に示すように、ダイオードD11、D12に替えて、ゲートを抵抗R8を介してショートさせたトライアックTRC2を端子S1、S2間に接続するようにしてもよいし、図示しないがトライアックTRC2と同等の機能となる双方向に入れたサイリスタなど抵抗成分を有する抵抗素子を用いることもできる。
また、図7に示すように、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路は、図1に示す本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路と同様に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11に対して並列となるように発光ダイオード12、抵抗R1、ダイオードD1を設け、負荷2への電源供給が停止されオフ状態となっている場合に発光ダイオード12を発光させることで、ユーザにスイッチ子器10の位置や負荷2の電源供給状態を通知することができる。
発光ダイオード12の発光制御をするために、図1に示す本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路と同様に、スイッチ親器20のマイコン22の検出ポートP17は、抵抗R3、ダイオードD4、トランジスタTR2を介して端子S6と接続されている。これにより、マイコン22は、負荷2をオン状態とするように電源供給制御している場合には、発光ダイオード12の発光を停止させ、負荷2をオフ状態とするように電源供給制御している場合には、交流の片方向の半波整流波を発光ダイオード12に流すよう制御して発光させる。
(負荷制御処理回路の制御処理動作)
続いて、図8、図9を用いて、スイッチ子器10のスイッチ操作に応じた、スイッチ親器20のマイコン22による負荷制御処理動作について説明をする。
図8(a)、(b)、(c)は、それぞれ交流電源1から電源供給がなされたオン状態の負荷2をスイッチ子器10の操作により電源供給を停止させたオフ状態へと切り替えた際の、スイッチ子器10の発光ダイオード12を流れる電流を示した図、スイッチ親器20の両端にかかる両端電圧を示した図、マイコン22の検出ポートP8の電圧を示した図である。
図8(b)に示すように、スイッチ親器20のマイコン22は、負荷2をオン状態に制御している間、当該スイッチ親器20を動作させるのに必要最低限の電源だけを確保して、負荷2に対して100%に近い電圧を供給するようにトライアックTRC1を位相制御している。図8(b)で示されているスイッチ親器20の両端にかかる両端電圧において、負荷2をオン状態に制御している際の様子を拡大すると図8(d)に示すようになる。図8(d)に示すように、負荷2をオン状態としている際のオフ期間は、非常に短く、低い電圧値(10V以下)となっている。
一方、図8(c)に示すように、スイッチ親器20の検出ポートP8の電圧は、負荷2がオン状態である場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されないとトランジスタTR3がオフとなり一定のHi電圧が印加され続けることになる。そして、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されるスイッチ子器操作期間Toへ移行した場合、フォトカプラPC2の出力に応じてトランジスタTR3がオンするため、検出ポートP8で検出される電圧値が変化することになる。
したがって、スイッチ親器20のマイコン22は、検出ポートP8で検出される電圧値の変化からスイッチ子器10の押しボタンスイッチが操作されたかどうかを判定することができる。
図9(a)、(b)、(c)は、それぞれ交流電源1からの電源供給を停止されたオフ状態の負荷2をスイッチ子器10の操作により電源供給をするオン状態へと切り替えた際の、スイッチ子器10の発光ダイオード12を流れる電流を示した図、スイッチ親器20の両端にかかる両端電圧を示した図、マイコン22の検出ポートP2の電圧を示した図である。
図9(b)に示すように、負荷2がオフ状態の場合には、スイッチ親器20には、交流電源1からの電圧がそのままかかることになる。
したがって、上述したようにトランジスタTR1が、周期的にオン・オフを繰り返すように制御されるため、図9(c)に示すように、スイッチ親器20の検出ポートP2の電圧は、負荷2がオフ状態である場合には周期的なパルス電圧値となる。そして、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されるスイッチ子器操作期間Toへ移行した場合、周期性が消失した一定の電圧値(Hi電圧)となる。したがって、スイッチ親器20のマイコン22は、検出ポートP2で検出される電圧値の変化からスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたかどうかを判定することができる。
スイッチ親器20のマイコン22は、図8(c)、図9(c)で示したように検出ポートP8又は検出ポートP2で検出される電圧値の変化から押しボタンスイッチ11が操作されたと判定した場合には、トライアックTRC1を制御して負荷2への電源供給状態を切り替える。
(第4の実施の形態の効果)
このように、本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路は、主電流配線から分岐された分岐配線BL1に接続された常開型の機械式スイッチである押しボタンスイッチ11のスイッチ操作を、スイッチ親器20のマイコン22が分岐配線BL1、又は分岐配線BL1に接続された分岐配線BL2の通電状態を検出することで判定し、判定結果に応じて負荷2への電源供給を制御する。
具体的には、スイッチ親器20は、マイコン22により負荷2へ電源供給するよう制御されている場合、分岐配線BL2に接続されたフォトカプラPC2を介して伝達される電流をベース電流とするトランジスタTR3の出力が、ダイオードD11、D12などの抵抗素子によって主電流配線より分岐配線BL1に接続された分岐配線BL2に分流される前後で変化することに応じて、分岐配線BL2の通電状態を検出する。
また、スイッチ親器20は、マイコン22により負荷2への電源供給を停止するよう制御されている場合、分岐配線BL1にベースを接続されたトランジスタTR1の出力が、分岐配線BL1に電流が流れる前後で変化することに応じて、分岐配線BL1の通電状態を検出する。
これにより、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いた負荷制御方式としながら、図6、図7に示すように、スイッチ親器20とスイッチ子器10とは、3路配線することができるため容易に施工することができる。したがって、既に3路配線された場所でも、この配線をそのまま利用すればよいため、既存の配線状態を有効に活用することができ、施工のコスト、労力、施工時間を大幅に削減することができる。
さらに、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いることで、機械式スイッチでは実現できなかった、照明である負荷2の点灯・消灯制御の他に、調光制御やタイマによる負荷2の点灯、消灯を時間管理するといった高機能な負荷制御処理も容易に実現することができる。
さらにまた、マイコン22は、負荷2へ電源供給するよう制御している場合、分岐配線BL2に主電流から分流させた電流を利用することで、スイッチ親器20を動作させるのに必要最低限の電源だけ確保するように、オフ期間を減らすことができるため、例えば、蛍光灯など、様々な種類の負荷を負荷2として広く使用することができる。
また、主電流配線に対して設けた分岐配線BL1に流れる交流の片方向の半波整流波を制御することで、負荷2への電源供給状態を通知する発光ダイオード12の発光制御をスイッチ親器20から容易に行うことができる。
[第5の実施の形態]
続いて、図10を用いて、本発明の第5の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。
図10に示すように、本発明の第5の実施の形態として示す負荷制御回路は、図6、図7を用いて説明した本発明の第4の実施の形態として示す負荷制御回路の電子式スイッチであるスイッチ親器20において、高電圧回路であるスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出する検出回路などと、低電圧回路であるマイコン22周りの回路とを分離するようにした構成である。したがって、本発明の第5の実施の形態として示す負荷制御回路において、図6、図7に示す負荷制御回路と重複する箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、本発明の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ親器20は、ダイオードD2に替えて絶縁素子であるフォトカプラPC3を設け、フォトカプラPC3の出力をトランジスタTR1のベースにベース電流として供給しトランジスタTR1のオン・オフを制御するようにしている。
これにより、負荷2がオフ状態となっている場合に、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されると、ダイオードD3を介して端子S4から端子S6方向へ、交流の片方向の半波整流波が流れるため、フォトカプラPC3の1次側の発光ダイオードPC3dが発光する。これに応じて、フォトカプラPC3の2次側のフォト・トランジスタPC3tがオンするため、トランジスタTR1もオンすることになる。
したがって、マイコン22の検出ポートP2で検出される電圧は、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されていない時、押しボタンスイッチ11が操作された時とで異なる電圧値を示すことになる。
これにより、マイコン22は、検出ポートP2で検出される電圧値に応じて、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を開始(オフ状態→オン状態)するように要求されたのかを判定することができる。
そして、マイコン22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートへのパルス信号の供給をすることで、トライアックTRC1のアノード、カソード間を導通するよう制御する。これにより、スイッチ子器10の操作に応じて、負荷2へ交流電源1から電源供給される。
また、本発明の第5の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ親器20は、端子S4、S6間のダイオードD3と並列に絶縁素子であるフォトトライアックPT2を設け、マイコン22によりスイッチ子器10の発光ダイオード12の発光制御をする。マイコン22の検出ポートP16には、フォトトライアックPT2の1次側の発光ダイオードPT2dが接続されている。
これにより、マイコン22は、負荷2をオン状態とするように電源供給制御している場合には、フォトトライアックPT2の1次側の発光ダイオードPT2dの発光を停止させる。また、マイコン22は、負荷2をオフ状態とするように電源供給制御している場合には、検出ポートP16をLowに落とすことでフォトトライアックPT2の発光ダイオードPT2dを発光させ、フォトトライアックPT2の2次側のフォトトライアックPT2tを動作させ、交流の片方向の半波整流波で発光ダイオード12を発光させるように制御する。
(第5の実施の形態の効果)
このように、本発明の第5の実施の形態として示す負荷制御回路は、主電流配線から分岐された分岐配線BL1に接続された常開型の機械式スイッチである押しボタンスイッチ11のスイッチ操作を、スイッチ親器20のマイコン22が分岐配線BL1、又は分岐配線BL1に接続された分岐配線BL2の通電状態を検出することで判定し、判定結果に応じて負荷2への電源供給を制御する。
具体的には、スイッチ親器20は、マイコン22により負荷2へ電源供給するよう制御されている場合、分岐配線BL2に接続されたフォトカプラPC2を介して伝達される電流をベース電流とするトランジスタTR3の出力が、ダイオードD11、D12などの抵抗素子によって主電流配線より分岐配線BL1に接続された分岐配線BL2に分流される前後で変化することに応じて、分岐配線BL2の通電状態を検出する。
また、スイッチ親器20は、マイコン22により負荷2への電源供給を停止するよう制御されている場合、分岐配線BL1に接続されたフォトカプラPC3を介して伝達される電流をベース電流とするトランジスタTR1の出力が、分岐配線BL1に電流が流れる前後で変化することに応じて、分岐配線BL1の通電状態を検出する。
また、主電流配線に対して設けた分岐配線BL1に流れる交流の片方向の半波整流波をフォトトライアックPT2を介して制御することで、負荷2への電源供給状態を通知する発光ダイオード12の発光制御をスイッチ親器20から容易に行うことができる。
このように、フォトカプラPC2により、分岐配線BL2とトランジスタTR3とを電気的に分離し、フォトカプラPC3により、分岐配線BL1とトランジスタTR1とを電気的に分離し、フォトトライアックPT2により、分岐配線BL1とマイコン22とを電気的に分離することで、高電圧回路であるスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作を検出する検出回路などと、低電圧回路であるマイコン22周りの回路とを分離することができる。したがって、マイコン22周りの回路定数設定を容易なものとし、マイコン22の耐電圧やサージ電圧による影響を考慮する必要がなくなるため、回路設計を容易に行うことができる。
[第6の実施の形態]
続いて、図11を用いて、本発明の第6の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。
図11に第6の実施の形態として示す負荷制御回路は、例えば、玄関から比較的長い廊下における異なる3箇所以上の場所から共通照明の入切、異なる3箇所以上の場所から階段の共通照明の入切、非常階段の1階、2階、3階などからの共通照明の入切、大ホールなどの数カ所(3箇所以上)の入口からの共通照明の入切などを同一のスイッチ子器の増設によって実現することができるようにしたものである。
上述したような、異なる3箇所以上の場所から共通照明の入切といった点灯、消灯制御は、通常、図12(a)に示すように機械式の3路スイッチ57,58、4路スイッチ59,60とを組み合わせることで実現することができる。このような機械式スイッチは、非常に安価であることから低コストで施工することができる。しかしながら、このような3路スイッチ57,58、4路スイッチ59,60は、負荷である照明の点灯、消灯を切り替えることしかできないため、例えば、任意の明るさに調光したり、タイマによる点灯、消灯の自動管理といった高機能制御をすることができないため、ユーザの多様な要求に応えることができない。
そこで、負荷制御回路に設けるスイッチを図12(b)に示すように電子式のスイッチとすることで照明の点灯、消灯に限らず調光制御や自動点灯、自動消灯といった高機能制御を可能とする負荷制御回路を実現することができる。上述したような電子式のスイッチを負荷制御回路に用いる場合、図12(b)に示すようにしてスイッチ親器61とスイッチ子器62,63,64とを接続する必要がある。したがって、図12(a)に示すような機械式のスイッチである3路スイッチを用いた負荷制御回路において、3路配線された箇所に電子式のスイッチを単純に置き換えて設置することができない。
したがって、既存の宅内で照明を制御するために設置されている負荷制御回路は、図12(a)に示すような3路配線された負荷制御回路であることから、電子式のスイッチを設置する場合には、新たに配線工事を行う必要があるため大幅なコスト増加となってしまうといった問題がある。
また、電気工事を担う業者の大多数も、一般的に使用されている3路配線に関しては熟知しているが、製造メーカ毎に異なる独自の配線処理をする必要があるなど様々な制約があるスイッチ親器に対するスイッチ子器の配線処理は、不慣れであることが多く配線ミスなどのトラブルを生じやすいといった問題もある。
そこで、本発明の第6の実施の形態として、図11に示すように、複数のスイッチ子器10を接続可能とし、接続した各スイッチ子器10による押しボタンスイッチ11の操作による負荷制御を実現する回路を提案する。図11に示すように、本発明の第6の実施の形態として示す負荷制御回路は、図5を用いて説明した本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ子器10を複数接続できるようにした構成である。したがって、本発明の第6の実施の形態として示す負荷制御回路において、図5に示す負荷制御回路と重複する箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の説明において、スイッチ子器10を複数(図11では2つ)設けるため、互いに識別可能とするように、スイッチ子器10A、スイッチ子器10B、スイッチ子器10C…と呼び、総称する場合には単にスイッチ子器10と呼ぶ。
図11に示すように、本発明の第6の実施の形態として示す負荷制御回路のスイッチ子器10Aは、端子S3と、互いに並列に接続されたダイオードD7、ダイオードD1との間から分岐された分岐配線BL3の先に端子S7を備えている。スイッチ子器10Bも全く同様に引き出された分岐配線BL3の先に端子S7を備えている。言い換えれば、スイッチ子器10Aの端子S7は、当該スイッチ子器10Aと同一機能を有するスイッチ子器10Bの押しボタン式スイッチ11、発光ダイオード12と、分岐配線BL1とを接続させ、スイッチ子器10Aの押しボタン式スイッチ11、発光ダイオード12と、スイッチ子器10Bの押しボタン式スイッチ11、発光ダイオード12とを並列に接続させるための接続端子である。
スイッチ子器10A,10Bは、それぞれ端子S1と端子S2間を主電流配線が通過するように接続されるとともに、スイッチ子器10Aの端子S7と、スイッチ子器10Bの端子S3とが接続される。同様にして、同一のスイッチ子器10を複数個連接することができる。
ところで、スイッチ子器10を複数個連接した場合、各スイッチ子器10の抵抗R1の抵抗値(抵抗値×スイッチ子器10の数)とスイッチ親器20の抵抗R3の抵抗値との合成抵抗によって、スイッチ子器10の発光ダイオード12の発光電流が決定されることになる。この発光電流は、連接したスイッチ子器10で分流されるため、スイッチ子器10にそれぞれ設けられた発光ダイオード12の発光強度を低下させてしまう。
そこで、あらかじめスイッチ子器10の抵抗R1を抵抗R3に較べて大きくしておくことで、スイッチ子器10の発光ダイオード12の発光電流を抵抗R1を基準として決定できるようにする。これにより、スイッチ子器10を複数個連接して負荷制御回路を構成した場合における発光ダイオード12の発光強度の低下を抑制することができる。
具体的には、スイッチ親器20の電流制御用の抵抗R3と、スイッチ子器10の電流制御用の抵抗R1との比を概ね3倍(R3:R1=1:3)程度以上に設定する。これにより、スイッチ親器20の抵抗R3の抵抗値への依存度が相対的に低くなるため、スイッチ子器10の抵抗R1を主体として発光ダイオード12の発光電流を容易に考慮することができる。
ここで、発光ダイオード12の発光電流をILEDとし、抵抗R1、抵抗R3の抵抗値をそれぞれR1、R3とし、電圧をVとすると、スイッチ子器10Aのみを使用した場合の発光電流ILED(A)は、(1)式に示すようになる。
ILED(A)=V/(R1+R3) ・ ・ ・(1)
また、スイッチ子器10A,10Bを使用した場合の1台の発光ダイオード12の発光電流ILED(AB)は、(2)式に示すようになる。
ILED(AB)=V/(R1/2+R3)×1/2
=V/(R1+2×R3) ・ ・ ・(2)
ここで、負荷制御回路において、スイッチ子器10を2台接続したときの発光ダイオード12の発光電流の減少分を、スイッチ子器10を1台だけ接続したときの80%まで許容するものとすると、以下に示す(3)式のようになる。
ILED(AB)=0.8×ILED(A) ・ ・ ・(3)
上述した(1)式、(2)式を用いて(3)式を整理すると、以下に示す(4)式のようになる。
V/(R1+2×R3)=0.8×V/(R1+R3)
R1=3×R3 ・ ・ ・(4)
したがって、(4)式からもわかるように、スイッチ子器10をさらに連接した場合には、抵抗R1を、抵抗R3の3倍以上に設定することで、スイッチ親器20の抵抗R3の抵抗値への依存度を相対的に低くできるため、スイッチ子器10の抵抗R1を主体として発光ダイオード12の発光電流を容易に考慮することができる。
(第6の実施の形態の効果)
このように、スイッチ子器10Aの押しボタンスイッチ11を操作したとしても、スイッチ子器10Bの押しボタンスイッチ11を操作したとしても、押しボタンスイッチ11の操作をマイコン22によって検出することができる。また、さらにスイッチ子器10Bの端子S7に、図示しないスイッチ子器10Cの端子S3を接続させる…というように、機械式スイッチのように3路スイッチ、4路スイッチを併用して使用するといったこともなく、電子式スイッチのように煩雑で特別な施工を要求されることもなく、同一のスイッチ子器10のみだけで、簡便な施工により容易にスイッチ子器10を複数個連接することができる。
また、スイッチ親器20の電流制御用の抵抗R3と、スイッチ子器10の電流制御用の抵抗R1との比を概ね3倍(R3:R1=1:3)程度以上に設定することで、スイッチ子器10を複数個連接して負荷制御回路を構成した場合における発光ダイオード12の発光強度の低下を抑制することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。