JP2007200672A - 負荷制御回路及び電子式スイッチ - Google Patents

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達哉 向井
Shuji Matsuura
修次 松浦
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Abstract

【課題】既存の配線を利用するなど容易な配線処理を可能としながら、負荷に対する高機能な負荷制御処理を行う。
【解決手段】スイッチ子器10をスイッチ操作されている間だけ当該負荷制御回路の電気的接続を切断する機械式スイッチとし、スイッチ親器20を当該負荷制御回路の回路電圧を検出し、検出された回路電圧の変化からスイッチ子器10のスイッチ操作がなされたかどうかを判定し、判定結果に基づき負荷2への電源供給を制御する制御回路22とを有する電子式スイッチとすることで実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明の点灯、消灯を制御する照明制御に関し、詳しくは、スイッチ操作に応じて負荷への電源供給を制御する負荷制御回路及び負荷制御回路に用いられる電子式スイッチに関する。
異なる階数のフロアーからフロアー間を結ぶ階段に設けられた照明の点灯、消灯をそれぞれ切り替え可能とする場合のように、異なる場所に設置されたスイッチによる同一負荷への電源供給制御は、例えば、図6(a)に示すような機械式の3路スイッチ53、54を用いて3路配線を施した負荷制御回路で実現することができる。
図6(a)に示すように機械式の3路スイッチ53、54を用い交流電源51から負荷52への電源供給を制御するようにした場合、3路スイッチ53、54が非常に安価であることから低コストで施工することができる。しかしながら、このような3路スイッチ53、54は、負荷である照明の点灯、消灯を切り替えることしかできないため、例えば、照明を任意の明るさに調光したり、タイマによる点灯、消灯の自動管理といった高機能制御をすることができないため、ユーザの多様な要求に応えられなかった。
そこで、負荷制御回路に設けるスイッチを電子式のスイッチとすることで、照明の点灯、消灯に限らず、調光制御や自動点灯、自動消灯といった高機能制御を可能とする負荷制御回路を実現することができる(例えば、特許文献1参照)。
電子式のスイッチを用いた負荷制御回路は、例えば、図6(b)に示すように、電子式のスイッチであるスイッチ親器55を2線式配線で交流電源51、負荷52と接続し、さらに、スイッチ親器55に専用配線でスイッチ子器56を接続することで構成される。スイッチ親器55は、トライアックとCPU(Central Processing Unit)とを備えており、ユーザによる直接、又はスイッチ子器56を介した操作入力に応じたCPUにより、トライアックのゲートにパルス信号を供給、パルス信号の供給停止、パルス信号のタイミングを変えるよう指示することで点灯、消灯制御、調光制御を可能とする。また、タイマによる計時に応じてCPUが、点灯、消灯を自動的に制御することも容易に可能となる。
特開平9−45175号公報
上述したような電子式のスイッチを負荷制御回路に用いる場合、図6(b)に示すようにしてスイッチ親器55とスイッチ子器56とを接続する必要がある。したがって、図6(a)に示すような機械式のスイッチである3路スイッチを用いた負荷制御回路において、3路配線された箇所に電子式のスイッチを単純に置き換えて設置することができない。
したがって、既存の宅内で照明を制御するために設置されている負荷制御回路は、図6(a)に示すような3路配線された負荷制御回路であることから、電子式のスイッチを設置する場合には、新たに配線工事を行う必要があるため大幅なコスト増加となってしまうといった問題がある。
また、電気工事を担う業者の大多数も、一般的に使用されている3路配線に関しては熟知しているが、製造メーカ毎に異なる独自の配線処理をする必要があるなど様々な制約があるスイッチ親器に対するスイッチ子器の配線処理は、不慣れであることが多く配線ミスなどのトラブルを生じやすいといった問題もある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、既存の3路配線を利用できるなど容易な配線処理を可能としながら、負荷に対する高機能な負荷制御処理を実現することができる負荷制御回路及び電子式スイッチを提供することを目的とする。
本発明の負荷制御回路は、スイッチ親器又はスイッチ子器のスイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路であって、前記スイッチ子器を、スイッチ操作されている間だけ当該負荷制御回路の電気的接続を切断する機械式スイッチとし、前記スイッチ親器を、当該負荷制御回路の回路電圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された回路電圧の変化から前記スイッチ子器のスイッチ操作がなされたかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づき、負荷への電源供給を制御する制御手段とを有する電子式スイッチとすることで、上述の課題を解決する。
また、本発明の負荷制御回路は、スイッチ親器又はスイッチ子器のスイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路であって、前記スイッチ子器を、アノード、カソードが当該負荷制御回路に接続される半導体素子と、スイッチ操作がない場合には前記半導体素子のアノード、カソード間が導通するよう制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけ前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御する第1の制御手段とを有する電子式スイッチとし、前記スイッチ親器を、当該負荷制御回路の回路電圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された回路電圧の変化から前記スイッチ子器のスイッチ操作がなされたかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づき、負荷への電源供給を制御する第2の制御手段とを有する電子式スイッチとすることで、上述の課題を解決する。
また、本発明の電子式スイッチは、スイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路に接続される電子式スイッチであって、前記負荷制御回路の回路電圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出される回路電圧の変化から、スイッチ操作されている間だけ前記負荷制御回路の電気的接続を切断する前記負荷制御回路に接続された常閉型の機械式スイッチのスイッチ操作がなされたかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づき、負荷への電源供給を制御する制御手段とを備えることで、上述の課題を解決する。
さらにまた、本発明の電子式スイッチは、スイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路に接続される電子式スイッチであって、前記負荷制御回路の回路電圧を検出し、検出された回路電圧の変化から、当該電子式スイッチのスイッチ操作がなされたかどうかを判定し、判定結果に基づき負荷への電源供給を制御するスイッチ親器と共に前記負荷制御回路に接続され、アノード、カソードを前記負荷制御回路に接続される半導体素子と、スイッチ操作がない場合には前記半導体素子のアノード、カソード間が導通するよう制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけ前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御する制御手段とを備えることで、上述の課題を解決する。
請求項1の発明は、機械式スイッチであるスイッチ子器のスイッチ操作を、電子式スイッチであるスイッチ親器の判定手段が、検出手段で検出される負荷制御回路の回路電圧の変化から判定し、判定結果に応じて負荷への電源供給状態を制御する。
これにより、電子式スイッチであるスイッチ親器を用いた負荷制御方式としながら、スイッチ親器とスイッチ子器とは、1線で配線することができるため容易で安価に施工することができる。また、この負荷制御回路は、3路配線された場所でもスイッチ間の2線のうちのいずれか一方の配線を利用すればよいため、既存の配線状態を有効に活用することを可能とする。
さらに、電子式スイッチであるスイッチ親器を用いることで、機械式スイッチでは実現できなかった、負荷に対する高機能な負荷制御処理も容易に実現することを可能とする。
請求項2の発明は、スイッチ子器を電子式スイッチとして、スイッチ操作がない場合には、半導体素子のアノード、カソード間を導通するように制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけ半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するように制御する。そして、電子式スイッチであるスイッチ親器の判定手段が、検出手段で検出される負荷制御回路の回路電圧の変化からスイッチ子器のスイッチが操作されたかどうかを判定し、判定結果に応じて負荷への電源供給状態を制御する。
これにより、スイッチ親器は、スイッチ子器が操作されたことを正確に検出することができるため、長押しされたとしても停電時における処理と明確に区別することを可能とする。
請求項3の発明は、スイッチ子器の制御手段が、スイッチ操作に応じて半導体素子のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給するように制御する。これにより、瞬時停電が発生した場合の誤動作を回避することを可能とする。
請求項4の発明は、スイッチ子器が有する負荷制御回路の通電状態を検出する通電状態検出手段の検出結果に応じて、スイッチ子器よって通知手段を制御することで、負荷への交流電源による電源供給状態を容易に外部に通知することを可能とする。
請求項5の発明は、機械式スイッチのスイッチ操作を、当該電子式スイッチの判定手段が、検出手段で検出される負荷制御回路の回路電圧の変化から判定し、判定結果に応じて負荷への電源供給状態を制御する。
これにより、電子式スイッチを用いた負荷制御方式としながら、電子式スイッチと機械式スイッチとは、1線で配線することができるため容易で安価に施工することができる。また、この負荷制御回路は、3路配線された場所でもスイッチ間の2線のうちのいずれか一方の配線を利用すればよいため、既存の配線状態を有効に活用することを可能とする。
さらに、電子式スイッチを用いることで、機械式スイッチでは実現できなかった、負荷に対する高機能な負荷制御処理も容易に実現することを可能とする。
請求項6の発明は、当該電子式スイッチのスイッチ操作がない場合には、半導体素子のアノード、カソード間を導通するように制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけ半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するように制御する。そして、スイッチ親器は、検出される負荷制御回路の回路電圧の変化から当該電子式スイッチのスイッチが操作されたかどうかを判定し、判定結果に応じて負荷への電源供給状態を制御する。
これにより、スイッチ親器は、当該電子式スイッチが操作されたことを正確に検出することができるため、長押しされたとしても停電時における処理と明確に区別することを可能とする。
請求項7の発明は、当該電子式スイッチの制御手段が、スイッチ操作に応じて半導体素子のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給するように制御する。これにより、瞬時停電が発生した場合の誤動作を回避することを可能とする。
請求項8の発明は、当該電子式スイッチが有する負荷制御回路の通電状態を検出する通電状態検出手段の検出結果に応じて、当該電子式スイッチによって通知手段を制御することで、負荷への交流電源による電源供給状態を容易に外部に通知することを可能とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路は、商用交流電源などである交流電源1と、交流電流方式の白熱灯、調光制御が可能な電球型蛍光灯などの照明である負荷2と、スイッチ子器10と、スイッチ親器20とが直列に接続されている。
この負荷制御回路は、スイッチ子器10又はスイッチ親器20を介したユーザによるスイッチ操作に応じて、負荷2に対する交流電源1からの電源供給を適切に制御する。
スイッチ子器10は、機械式スイッチである常閉型の押しボタンスイッチ11からなる。押しボタンスイッチ11は、ユーザによる操作がなされていない通常時において、負荷制御回路のスイッチ子器10での電気的接続を維持する。また、押しボタンスイッチ11は、ユーザによって操作されている間、負荷制御回路のスイッチ子器10での電気的接続を切断する。
この、スイッチ子器10のユーザによる押しボタンスイッチ11の操作は、押しボタンスイッチ11の操作が実行される直前における負荷2への交流電源1からの電源供給状態を切り替えることを、スイッチ親器20に要求するための操作である。
例えば、押しボタンスイッチ11が操作される直前で、負荷2へ交流電源1から電源供給がされている場合には、押しボタンスイッチ11を操作することで負荷2への電源供給を停止するよう要求したことを意味する。逆に、押しボタンスイッチ11が操作される直前で、負荷2へ交流電源1からの電源供給が停止されている場合には、押しボタンスイッチ11を操作することで負荷2への電源供給を開始するよう要求したことを意味する。
後述するように、この押しボタンスイッチ11、つまりスイッチ子器10の操作による負荷2への電源供給状態の切り替え要求は、負荷制御回路の回路電圧の変化としてスイッチ親器20で検出され、スイッチ親器20により負荷2への電源供給制御がなされる。
スイッチ親器20は、双方向サイリスタであるトライアックTRC1と、交流電源1から供給される交流電源を全波整流して直流電源に変換し、当該スイッチ親器20を駆動する電源を供給する電源回路21と、当該スイッチ親器20を統括的に制御する制御回路22と、ユーザによって操作され負荷2への電源供給の開始要求、負荷2への電源供給の停止要求を入力する操作スイッチ23と、制御回路22に設けられ検出ポートPで当該負荷制御回路の回路電圧を適切に検出できるように保護する抵抗R1、R2、ダイオードD1、コンデンサC1よりなる保護回路24とを備える電子式スイッチである。また、図示しないが、スイッチ親器20は、調光制御をするために、負荷2へ供給する交流電流量を指示する調光スイッチを備えていてもよい。また、タイマにより負荷2の点灯、消灯を時間管理するようにしてもよい。
トライアックTRC1は、2個のサイリスタを逆並列に接続し、双方向に電流を流せるようにした半導体素子であり、アノード、カソードで負荷制御回路に接続される。スイッチ親器20は、制御回路22により、このトライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、パルス信号の供給停止、パルス信号のタイミングを制御(位相制御)することでアノード、カソード間の導通(ターンオン)、導通の停止(ターンオフ)、負荷2に供給する交流電流量、つまりは交流電力量を制御する。
制御回路22は、ユーザにより操作スイッチ23が操作された場合、現在の負荷2への交流電源1からの電源供給状態に基づき、負荷2への電源供給を開始するよう要求されたのか、負荷2への電源供給を停止するよう要求されたのかを判定する。そして、制御回路22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、又はパルス信号の供給停止をすることで、トライアックTRC1のアノード、カソード間を導通、又は導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ親器20の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が制御される。
また、制御回路22は、検出ポートPで検出される負荷制御回路の回路電圧に応じて、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11の操作により、負荷2への電源供給を開始するよう要求されたのか、負荷2への電源供給を停止するよう要求されたのかを判定する。そして、制御回路22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、又はパルス信号の供給を停止することで、トライアックTRC1のアノード、カソード間を導通、又は導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ子器10の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が制御される。
(負荷制御処理回路の制御処理動作)
続いて、図2、図3を用いて、スイッチ子器10のスイッチ操作に応じた、スイッチ親器20の制御回路22による負荷制御処理動作について説明をする。
図2(a)、(b)、(c)は、それぞれ交流電源1から電源供給がなされたオン状態の負荷2をスイッチ子器10の操作により電源供給を停止させたオフ状態へと切り替えた際の、スイッチ子器10の両端電圧を示した図、スイッチ親器20の両端電圧を示した図、スイッチ親器20の検出ポートPの電圧を示した図である。
一般に、トライアックを制御して負荷へ交流電源より電源供給するように制御する電子式スイッチは、負荷のオン期間において自身の電源を確保するために、交流電源のゼロクロス後、僅かな時間(例えば、数10μs程度)だけ負荷をオフとするオフ期間を設けるようにトライアックを制御している。これにより、図2(c)に示すように、スイッチ親器20の検出ポートPの電圧は、負荷2がオン状態である場合には、このオフ期間において周期的なヒゲ状のピークが現れる電圧波形となる。
このとき、図2(c)に示すようにスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されるスイッチ子器操作期間Toへ移行した場合、このヒゲ状のピークが消失した電圧波形となる。したがって、スイッチ親器20の制御回路22は、検出ポートPで検出される電圧波形の変化からスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたかどうかを判定することができる。なお、図2(c)に示すスイッチ子器操作期間Toにおいて示される1V程度の電圧値は、トライアックTRC1のオン電圧である。
図3(a)、(b)、(c)は、それぞれ交流電源1からの電源供給が停止されたオフ状態の負荷2をスイッチ子器10の操作により電源供給をするオン状態へと切り替えた際の、スイッチ子器10の両端電圧を示した図、スイッチ親器20の両端電圧を示した図、スイッチ親器20の検出ポートPの電圧を示した図である。
図3(c)に示すように、スイッチ親器20の検出ポートPの電圧は、負荷2がオフ状態である場合には、図2(b)に示すスイッチ親器20の両端電圧の電圧波形を反映した周期的なパルス電圧を示す電圧波形となるが、スイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されるスイッチ子器操作期間Toでは、この周期的なパルス電圧が消失した電圧波形となる。したがって、スイッチ親器20の制御回路22は、検出ポートPで検出される電圧波形の変化からスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたかどうかを判定することができる。なお、図3(c)に示すスイッチ子器操作期間Toにおいて示される1V程度の電圧値は、トライアックTRC1のオン電圧である。
さらに、スイッチ親器20の制御回路22は、図2(c)、図3(c)で示したように検出ポートPで検出される負荷制御回路の回路電圧の変化から押しボタンスイッチ11が操作されたと判定した場合には、トライアックTRC1を制御して負荷2への電源供給状態を切り替える。
(第1の実施の形態の効果)
このように、本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路は、機械式スイッチである押しボタンスイッチ11からなるスイッチ子器10のスイッチ操作を、電子式スイッチであるスイッチ親器20の制御回路22が、検出ポートPで検出される当該負荷制御回路の回路電圧の変化から判定し、判定結果に応じて負荷2への電源供給状態を制御する。
これにより、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いた負荷制御方式としながら、図1に示すように、スイッチ親器20とスイッチ子器10とは、1線で配線することができるため容易で安価に施工することができる。また、この負荷制御回路は、3路配線された場所でもスイッチ間の2線のうちのいずれか一方の配線を利用すればよいため、既存の配線状態を有効に活用することができる。
さらに、電子式スイッチであるスイッチ親器20を用いることで、機械式スイッチでは実現できなかった、照明である負荷2の点灯・消灯制御の他に、調光制御やタイマによる負荷2の点灯、消灯を時間管理するといった高機能な負荷制御処理も容易に実現することができる。
[第2の実施の形態]
続いて、図4を用いて、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。図4に示すように、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路は、図1を用いて説明した本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路の機械式スイッチであるスイッチ子器10に替えて、電子式スイッチであるスイッチ子器30を用いたものである。したがって、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路において、図1に示す負荷制御回路と重複する箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
この負荷制御回路は、スイッチ親器20又はスイッチ子器30を介したユーザによるスイッチ操作に応じて、負荷2に対する交流電源1からの電源供給を適切に制御する。また、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路は、停電が生じた場合に適切に停電モードへと移行することができる。
スイッチ子器30は、双方向サイリスタであるトライアックTRC2と、交流電源1から供給される交流電源を全波整流して直流電源に変換し、当該スイッチ子器30を駆動する電源を供給する電源回路31と、当該スイッチ子器30を統括的に制御する制御回路32と、ユーザによって操作され負荷2への電源供給の開始要求、負荷2への電源供給の停止要求を入力する操作スイッチ33とを備える電子式スイッチである。
トライアックTRC2は、2個のサイリスタを逆並列に接続し、双方向に電流を流せるようにした半導体素子であり、アノード、カソードで負荷制御回路に接続される。
制御回路32は、トライアックTRC2のゲートにパルス信号を供給、パルス信号の供給停止を制御することでアノード、カソード間の導通(ターンオン)、導通の停止(ターンオフ)を制御する。制御回路32は、操作スイッチ33が操作されていない通常時において、所定の周期のパルス信号を供給し、アノード、カソード間を導通させるように制御している。
また、制御回路32は、操作スイッチ33が操作されたことに応じて所定の時間だけ、パルス信号の供給を停止し、トライアックTRC2のアノード、カソード間の導通を一定時間だけ停止するように制御する。この制御回路32によるトライアックTRC2のアノード、カソード間の導通を停止させる時間は、例えば、操作スイッチ33のスイッチ操作が、所定の閾値以下の時間であった場合でも、所定の閾値よりも長い時間であった場合でも同じ時間である。
図1に示した本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路では、ある一定の閾値よりも長い時間、検出ポートPで回路電圧が検出されない状態が続くと、スイッチ親器20の制御回路22が停電となったと判断して停電モードへと移行するようになっている。
しかしながら、第1の実施の形態として示す負荷制御回路では、スイッチ子器10を機械式スイッチとしているため、ユーザによって押しボタンスイッチ11が長時間、押下された場合、電源回路21のダウンにより、検出ポートPで検出される回路電圧は、停電時と同じような電圧状態を示すことになる。つまり、制御回路22は、実際に停電が発生していない場合でも制御状態を停電モードへと移行させてしまう虞がある。
そのため、スイッチ親器20の制御回路22は、電源回路21がダウンする直前でのスイッチ子器10の押しボタンスイッチ11が操作されたことを図示しないメモリなどに記憶させ、電源復旧時には、メモリに記憶させた押しボタンスイッチ11の操作を反映させるように復帰制御を行う必要がある。このような復帰制御を行うためには、メモリを別途用意したり、回路配線を複雑にするなどコスト増加を招来してしまうことになる。
そこで、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路では、スイッチ子器30を電子式スイッチとし、制御回路32は、操作スイッチ33のいかなるスイッチ操作によっても、トライアックTRC2のカソード、アノード間の導通を一定時間だけ停止するように制御する。これにより、スイッチ親器20の制御回路22は、検出ポートPで検出される負荷制御回路の回路電圧に応じて、スイッチ子器30の操作スイッチ33の操作により、負荷2への電源供給を開始するよう要求されたのか、負荷2への電源供給を停止するよう要求されたのかを判定する。
具体的には、スイッチ親器20の制御回路22は、負荷2がオン状態の場合には、図2(c)に示す検出ポートPで検出されるような電圧波形、負荷2がオフ状態の場合には、図3(c)に示す検出ポートPで検出されるような電圧波形に基づき、スイッチ子器30の操作スイッチ33の操作を検出する。このとき、図2(c)、図3(c)のスイッチ子器操作期間Toとして示される検出ポートPの電圧値が変化する期間は、スイッチ子器30の操作スイッチ33の操作期間にかかわらず一定時間となっている。
そして、制御回路22は、判定結果に応じて、トライアックTRC1のゲートにパルス信号を供給、又はパルス信号の供給を停止することで、トライアックTRC1のアノード、カソード間を導通、又は導通を停止するよう制御する。これにより、スイッチ子器30の操作に応じて、負荷2への交流電源1からの電源供給が制御され、実際に停電が発生した場合にのみ停電モードへと移行する。
さらに、スイッチ子器30の制御回路32は、瞬間的に発生する瞬時停電に対応するため、操作スイッチ33のスイッチ操作に応じて所定の時間だけ、パルス信号の供給を停止し、トライアックTRC2のアノード、カソード間の導通を一定時間だけ停止するように制御する替わりに、操作スイッチ33のスイッチ操作に応じてトライアックTRC2のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給するように制御する。
負荷制御回路に瞬時停電が発生した場合、スイッチ親器20の検出ポートPで検出される電圧値は、長時間の停電には有効であった操作スイッチ33のスイッチ操作に応じて、トライアックTRC2のアノード、カソード間の導通を一定時間だけ停止させる制御により検出ポートPで検出される電圧値と類似してしまう。したがって、マイコン22は、スイッチ子器10のスイッチ操作がなされたと判定してしまう可能性がある。
そこで、上述したように、スイッチ子器30の制御回路32は、操作スイッチ33のスイッチ操作があった場合、トライアックTRC2のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給するように制御することで、瞬時停電において検出ポートPで検出される回路電圧との区別を図り、スイッチ子器30の操作を正確に判定するようにする。
検出ポートPで検出される電圧波形は、トライアックTRC2を制御するパルスパターンを反映した電圧波形となる。
具体的には、負荷2がオン状態の場合には、図2(c)に示す電圧波形のスイッチ子器操作期間Toを一定時間とし、この一定時間においてトライアックTRC2を制御するパルスパターンを反映した電圧波形が検出されることになる。また、負荷2がオフ状態の場合には、図3(c)に示す電圧波形のスイッチ子器操作期間Toを一定時間とし、この一定時間においてトライアックTRC2を制御するパルスパターンを反映した電圧波形が検出されることになる。
(第2の実施の形態の効果)
このようにして、本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路は、電子式スイッチであるスイッチ子器30の操作スイッチ33のスイッチ操作がない場合には、制御回路32によりトライアックTRC2のアノード、カソード間を導通するように制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけトライアックTRC2のアノード、カソード間の導通を停止するように制御する。そして、電子式スイッチであるスイッチ親器20の制御回路22が、検出ポートPで検出される当該負荷制御回路の回路電圧の変化からスイッチ子器30の操作スイッチ33が操作されたかどうかを判定し、判定結果に応じて負荷2への電源供給状態を制御する。
これにより、操作スイッチ33が長押しされた場合であっても、スイッチ親器20の制御回路22は、操作スイッチ33が操作されたことを正確に検出することができるため、停電時における処理と明確に区別することができる。
また、スイッチ子器30の制御回路32は、操作スイッチ33のスイッチ操作に応じてトライアックTRC2のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給するように制御する。これにより、スイッチ親器20の制御回路22は、瞬時停電が発生した場合の誤動作を回避することができる。
[第3の実施の形態]
次に、図5を用いて、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路について説明をする。図5に示す本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路は、図4に示した第2の実施の形態として示す負荷制御回路において、電子式スイッチであるスイッチ親器20、スイッチ子器30それぞれにおいて、負荷2の電源供給状態を通知する機能を備えた構成である。したがって、図4に示す第2の実施の形態として示す負荷制御回路と重複する構成については、同一符号を付し説明を省略する。
第3の実施の形態として示す負荷制御回路は、3路配線される機械式のスイッチを用いた負荷制御回路では一般的となっているが、親器と子器とからなる電子式スイッチを用いた負荷制御回路においては実現できていなかった発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などを点灯させることで、負荷に対する電源供給状態やスイッチの設置位置をユーザに通知する通知機能を備えた構成となっている。
図5(a)に示すようにスイッチ親器20には、負荷2の電源供給状態を通知する機能として発光ダイオード25が設けられており、スイッチ子器30には、発光ダイオード34が設けられている。
発光ダイオード25、34は、それぞれ、制御回路22、制御回路32によって制御される。例えば、負荷2への電源供給が停止している場合には緑色に点灯するように制御され、ユーザに現在の負荷2への電源供給状態を通知する。
スイッチ親器20に設けられた発光ダイオード25は、当該負荷制御回路において、負荷2への電源供給制御を担う制御回路22によって制御されるため、負荷2の電源供給状態を別途検出する必要がない。
一方、スイッチ子器30においては、制御回路32は、負荷2への電源供給状態を自身で把握することができないため、負荷制御回路の通電状態を検出するための通電状態検出部を設ける必要がある。
図5(a)では、この通電状態検出部として、電流トランス(CT)35を設けている。電流トランス35は、一次側と二次側の電流の比率が特定の比率に保たれるように設計された特殊なトランスであり、負荷制御回路に流れる交流電流を測定することができる。電流トランス35で測定された測定値は、制御回路32に出力される。制御回路32は、電流トランス35で測定された測定値から、負荷制御回路の通電状態を検出し、検出結果に応じて発光ダイオード34の点灯を制御する。
また、図5(b)に示すように、この通電状態検出部として、スイッチ子器30にフォトカプラ36を設けるようにすることもできる。フォトカプラ36は、負荷制御回路に設けられた整流ダイオードD2、D3により整流された半波の電流を検出することができる。フォトカプラ36で検出された電流は、制御回路32に出力される。制御回路32は、フォトカプラ36による検出結果に応じて発光ダイオード34の点灯を制御する。
また、図示しないがシャント抵抗を用いることで、主回路である負荷制御回路に対して分流回路を配置させ、この分流回路の電圧を検出することで主回路である負荷制御回路の電流変動を検出するようにしてもよい。制御回路32は、この検出結果に応じて発光ダイオード34の点灯を制御する。
(第3の実施の形態の効果)
このように、本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路は、当該負荷制御回路の通電状態を検出する電流トランス35やフォトカプラ36といった通電状態検出部を設け、この通電状態検出部の検出結果に応じて、スイッチ子器30の制御回路32によって発光ダイオード34の点灯を制御することで、負荷2への交流電源1による電源供給状態を外部に通知することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の第1の実施の形態として示す負荷制御回路の構成について説明するための図である。 負荷制御回路の負荷に対する電源供給状態が変化した際の回路電圧の時間的変化の一例を示した図である。 負荷制御回路の負荷に対する電源供給状態が変化した際の回路電圧の時間的変化の一例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態として示す負荷制御回路の構成について説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態として示す負荷制御回路の構成について説明するための図である。 従来の技術として示す負荷制御回路について説明するための図である。
符号の説明
1 交流電源
2 負荷
10 スイッチ子器
11 押しボタンスイッチ
20 スイッチ親器
22 制御回路
23 操作スイッチ
25 発光ダイオード
30 スイッチ子器
32 制御回路
33 操作スイッチ
34 発光ダイオード
35 電流トランス
36 フォトカプラ
TRC1 トライアック
TRC2 トライアック

Claims (8)

  1. スイッチ親器又はスイッチ子器のスイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路であって、
    前記スイッチ子器は、スイッチ操作されている間だけ当該負荷制御回路の電気的接続を切断する常閉型の機械式スイッチであり、
    前記スイッチ親器は、当該負荷制御回路の回路電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される回路電圧の変化から前記スイッチ子器のスイッチ操作がなされたかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づき、負荷への電源供給を制御する制御手段とを有する電子式スイッチであること
    を特徴とする負荷制御回路。
  2. スイッチ親器又はスイッチ子器のスイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路であって、
    前記スイッチ子器は、アノード、カソードが当該負荷制御回路に接続される半導体素子と、
    スイッチ操作がない場合には前記半導体素子のアノード、カソード間が導通するよう制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけ前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御する第1の制御手段とを有する電子式スイッチであり、
    前記スイッチ親器は、当該負荷制御回路の回路電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された回路電圧の変化から前記スイッチ子器のスイッチ操作がなされたかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づき、負荷への電源供給を制御する第2の制御手段とを有する電子式スイッチであること
    を特徴とする負荷制御回路。
  3. 前記第1の制御手段は、スイッチ操作されたことに応じて、所定の時間だけ前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御することに替えて、
    所定の時間だけ前記半導体素子のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給し、前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を制御すること
    を特徴とする請求項2記載の負荷制御回路。
  4. 前記スイッチ子器は、前記スイッチ親器の第2の制御手段による制御によって、負荷へ電源供給がなされているかどうかを通知する通知手段と、
    当該負荷制御回路の通電状態を検出する通電状態検出手段とを有し、
    前記第1の制御手段は、前記通電状態検出状態によって検出された当該負荷制御回路の通電状態に応じて、負荷へ電源供給がなされているかどうかを通知させるよう前記通知手段を制御すること
    を特徴とする請求項2又は請求項3記載の負荷制御回路。
  5. スイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路に接続される電子式スイッチであって、
    前記負荷制御回路の回路電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される回路電圧の変化から、スイッチ操作されている間だけ前記負荷制御回路の電気的接続を切断する前記負荷制御回路に接続された常閉型の機械式スイッチのスイッチ操作がなされたかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づき、負荷への電源供給を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする電子式スイッチ。
  6. スイッチ操作に応じて交流電源から負荷への電源供給を制御する負荷制御回路に接続される電子式スイッチであって、
    前記負荷制御回路の回路電圧を検出し、検出された回路電圧の変化から、当該電子式スイッチのスイッチ操作がなされたかどうかを判定し、判定結果に基づき負荷への電源供給を制御するスイッチ親器と共に前記負荷制御回路に接続され、
    アノード、カソードを前記負荷制御回路に接続される半導体素子と、
    スイッチ操作がない場合には前記半導体素子のアノード、カソード間が導通するよう制御し、スイッチ操作されたことに応じて所定の時間だけ前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする電子式スイッチ。
  7. 前記制御手段は、スイッチ操作されたことに応じて、所定の時間だけ前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を停止するよう制御することに替えて、
    所定の時間だけ前記半導体素子のゲートに所定のパルスパターンを示すパルス信号を供給し、前記半導体素子のアノード、カソード間の導通を制御すること
    を特徴とする請求項6記載の電子式スイッチ。
  8. 前記スイッチ親器による制御によって、負荷へ電源供給がなされているかどうかを通知する通知手段と、
    前記負荷制御回路の通電状態を検出する通電状態検出手段とを有し、
    前記制御手段は、前記通電状態検出状態によって検出された前記負荷制御回路の通電状態に応じて、負荷へ電源供給がなされているかどうかを通知させるよう前記通知手段を制御すること
    を特徴とする請求項6又は請求項7記載の電子式スイッチ。
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