JP4797602B2 - 試料中の被破砕物の破砕方法 - Google Patents

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本発明は、粉末状の固形物を用いて試料中の微生物又は生物組織を効率よく破砕する方法に関するものである。
細菌やウイルスによる感染症その他の病気の原因を確定診断するためには、その病気の原因となっている細菌やウイルスを検出し同定することが必要である。
臨床診断等の分野では、試料から核酸を抽出し、標的細菌またはウイルスの遺伝子を増幅し検出することにより、病気の確定診断が行われている(特開2000−14400号公報「標的核酸の定量方法」(特許文献1);Anal.Biochem.,314,77−86(2003)(非特許文献1))。さらに、人の各組織中の細胞から抽出した核酸は、癌やその他の病気の診断マーカーとして利用可能であり(Ann.Surg.Oncol.,11,778−785(2004)(非特許文献2))、病気の早期診断、治療のモニタリング、予後判定、治療方針決定の指標に有用である(J.Clin.Microbiol.,42,4284−4292(2004)(非特許文献3);J.Clin.Microbiol.,43,2489−2491(2005)(非特許文献4))。これら遺伝子検査の場合、試料からの核酸の抽出が重要な操作となっている。核酸抽出のための細胞破砕法には、ホモジェナイザー等による機械的方法、変性剤等による化学的な方法(Molecular Cloning:A laboratory manual Appendix 7.23−7.25(New York:Cold Spring Harbor Laboratory,1989)、酵素等による生物学的方法がある(Molecular Cloning:A laboratory manual Appendix E3−E4(New York:Cold Spring Harbor Laboratory,1989)。又、凍結した試料に粒子状の固形物を添加し混在させ、試料を攪拌することにより細胞を破砕する方法がある。
臨床診断における遺伝子検査において、これら従来法による核酸抽出法では、微生物によっては細胞壁が硬く十分に細菌を破砕することができず細菌の遺伝子を効率良く抽出することが困難なものも存在するという問題点があった。又、核酸抽出のために細胞壁を破砕するために時間がかかり、結果的に核酸の抽出に時間がかかるという問題点があった。又、凍結した試料に粒子状の固形物を添加し混在させ、試料を攪拌することにより組織や細胞を破砕する場合は、試料を予め凍結する必要があり、凍結のための時間がかかったり、試料を処理している間に試料が溶解して、効率よく細胞を破砕できないという問題点があった。又、その場合、試料を凍結したまま破砕するという特別な装置が必要であった。
以上の様に、試料に含まれる標的微生物や組織からの核酸抽出が困難であったり、時間がかかる場合は、病気の原因となっている微生物を遺伝子検査により高感度あるいは迅速に検出し特定することができない問題や、組織中の遺伝子が病気の遺伝子マーカーとして使用できない問題があった。
特開2000−14400号公報
Anal.Biochem.,314,77−86(2003) Ann.Surg.Oncol.,11,778−785(2004) J.Clin.Microbiol.,42,4284−4292(2004) J.Clin.Microbiol.,43,2489−2491(2005)
本発明の目的は、破砕困難な試料を破砕し、効率よく短時間で核酸を抽出する方法を提供することにある。これにより、効率よく短時間で微生物から核酸を抽出し、遺伝子を検出同定することにより、細菌やウイルスによる感染症の確定診断を行うことができる。又、組織から短時間で核酸を抽出し、病気のマーカー遺伝子を検出することにより、手術中の治療方針決定、治療のモニタリングの指標にすることができる。
本発明者らは研究を重ねた結果、試料中の微生物および組織を効率よく破砕する方法を見出した。
本発明は、粉末状固形物を、被破砕物を含む試料に添加し、該試料を攪拌することにより試料中の被破砕物を破砕する方法において、該粉末状固形物の長径が32μm以下であり、その比重が3.5以上であり、その硬度(Hv10)が600以上である、被破砕物の破砕方法を提供する。
好適な態様において、該粉末状固形物は無定形である。さらに、該被破砕物は微生物又は生物組織であることができる。より好ましい態様において、該粉末状固形物はジルコニアである。
別の観点において、本発明は上記方法により破砕した被破砕物から核酸を抽出することを特徴とする核酸の抽出方法も提供する。
本発明に従えば、試料中の微生物又は生物組織が、硬い細胞壁を持った物であっても効率よく破砕することができ、それらの核酸を抽出し遺伝子の高感度・迅速検査を行うことが可能である。また、試料を凍結する必要がないことから、装置の低価格化、小型化が可能である。これにより、効率よく短時間で微生物から核酸を抽出し、遺伝子を検出同定することにより、細菌やウイルスによる感染症の確定診断を行うことができる。又、組織から短時間で核酸を抽出し、病気のマーカー遺伝子を検出することにより、手術中の治療方針決定、治療のモニタリングの指標にすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における粉末状固形物質とは、長径が32μm以下であり、その比重が3.5以上であり、その硬度(Hv10)が600以上であるという条件を満たす物質であれば何でも良く、無機材料でも有機材料であってもよい。かかる粉末状固形物質の材料の限定でない例として、例えば、ジルコニア、ダイアモンド、鉄、合金、例えばタングステンカーバイド−コバルト合金(WC−Co合金)といった無機材料等が挙げられる。
本発明における粉末状固形物は不均一で無定形の形状の粉末であることが好ましいが、均一な形状のものであってもよい。粉末状固形物は球形、楕円形等の滑らかな角を持った形状ではなく、鋭利な角を持つ角張った形状を有することが好ましい。このような形状の具体例としては、例えば先端が角形状を有する1個所以上の縁部を保有する半球、円錐、三角錐、四角錐、円柱、立方体、三角乃至十六角柱、板状、例えば三角形、四角形、五角形等を含む多角形状の板、これらの形状が複合した形状、鋭利な突起を有する星型形状、などが挙げられる。粉末状固形物の形状は例えば位相差光学顕微鏡や走査型もしくは透過型電子顕微鏡などにより観察で確認することができる。
粒子の大きさはその粉末の径の最も長い部分が32μm以下であればよいが、好ましくは20μm以下であればよい。その比重は、攪拌の運動エネルギーを利用して組織を破砕することから、大きい方が好ましく、3.5以上あればよい。粒子の比重の上限は特に限定されるものではないが、粒子の製造や入手のし易さを考慮すれば、例えば最大で約20、より好ましくは最大で約10程度であろう。試料と粉末状固形物との分離は遠心分離で行えばよく、比重が試料溶液より大きい場合は、静置により粉末状固形物が沈降し試料と分離することができる。また、粉末状固形物にあらかじめ磁性体を含有させておくことにより、磁力による分離が可能である。粉末状固形物の硬さは、硬いほど好ましく、ビッカース硬度(Hv10)にして600以上、好ましくは1000以上であることが好ましい。硬度はまた、試料への粉末状固形物の添加量は、試料の種類、攪拌方法、攪拌時間によって適宜決められる。硬度は例えば、JISハンドブック:セラミックス、財団法人日本規格協会、p315−317に従い測定することができる。
本発明における粉末状固形物は市販のものであっても、あるいは調製したものであってもよい。例えば、本発明における粉末状固形物の原材料となる物質、例えば板状ジルコニアを粉砕機により適宜破砕し、得られた粉末状を、所望する大きさの粉末を選別するのに適切な孔径を有するふるい(例えば、粒子の長径が32μm以下の粉末を所望する場合はφ32μm以下のふるい、粒子の長径が20μm以下の粉末を所望する場合はφ20μm以下のふるい)にかけ、長径が所望の大きさの粉末を回収し、好ましくは滅菌処理することで調製することができる。粉末の大きさ及び形状は例えば走査型電子顕微鏡観察により確認することができる。
本発明における試料には、喀痰、膿、コロニー、スワブ等の生体試料の試料懸濁液、食物試料のホモジェナイズ等の試料懸濁液、あるいは血液、尿、血液培養液等の試料溶液等が挙げられる。試料が喀痰の場合は、NALC(N-アセチル-L-システイン)処理等の試料の粘性を落す前処理を行うとより好ましい結果が得られる。また、環境分析等における環境水や排水、土壌の懸濁液等が挙げられる。
試料中の微生物は、細菌では例えば大腸菌、サルモネラ、肺炎桿菌、セラチア菌、腸炎ビブリオ、インフルエンザ桿菌等のグラム陰性菌、黄色ぶどう球菌、レンサ球菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、炭疽菌等のグラム陽性菌、および結核菌が挙げられる。ウイルスでは例えばノロウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルス、SARSウイルス、鳥インフルエンザウイルス等が挙げられる。試料中の生物組織は、人の病理組織、例えば乳癌の組織や肝臓癌の組織等、人の臓器の組織、動物の臓器、植物の組織が挙げられる。
試料の攪拌方法は、試料を入れた容器を手で往復振動させれば良く、振幅の方向は縦でも横でもよいが、好ましくは縦方向に1秒当たり約2〜10往復程度の速さで往復振動させるのがよい。あるいは、ボルテックスミキサーで攪拌してもよい。攪拌時間は、微生物および組織の細胞膜が破壊されるまででよく、具体的には2分間以上でよい。組織が植物の組織の様に、丈夫な細胞壁を持ち、硬い場合には、それ以上長くても良い。
本発明に従い標的細菌および組織を破砕することで、これらから様々な生理活性物質、例えば核酸、タンパク質、糖質、脂質、ホルモン等が容易に抽出される。好ましくは、破砕した細菌又は組織の残骸は、例えば遠心分離や濾過などの周知の手段により除去する。本発明の方法は特に核酸の抽出に極めて有用である。本発明の破砕方法を通じて抽出された核酸は様々な処理にかけられることができ、その典型例は核酸増幅検査である。核酸増幅検査には、PCR(Polymerase Chain Reaction)、RT−PCR(Reverse−Transcriptase PCR)、LCR(Ligase Chain Reaction)、LAMP(Loop−mediated Isothermal Amplification of DNA)等のDNA増幅法、NASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)、TMA(Transcription−Mediated Amplification)あるいはTRC(Transcription Reverse Transcription Concerted Reaction、医学のあゆみ、Vol.206.No8、2003)等のRNA増幅法が挙げられる。
核酸の抽出は、酵素や界面活性剤で細胞膜や細胞壁、または外皮蛋白質を破壊し、複合体の蛋白質を分解して核酸を遊離させた後、フェノール/クロロホルムを添加して遊離した核酸を抽出する、いわゆるフェノール/クロロホルム法(Molecular Cloning:A laboratory manual Appendix E3−E4(New York:Cold Spring Harbor Laboratory,1989年))、塩酸グアニジンまたはチオシアン酸グアニジンで処理して細胞膜や細胞壁、または外皮蛋白質を破壊し、核酸との複合体を形成している蛋白質を変性して核酸を遊離させた後、エタノール等を添加して遊離した核酸を抽出する、いわゆるグアニジン法(Molecular Cloning:A laboratory manual Appendix 7.23〜7.25(New York:Cold Spring Harbor Laboratory,1989年))等がある。しかしこれらの方法は、処理工程数が多く、煩雑でかつ時間を要する。また、酸性溶液であるフェノールや、有機溶媒であるクロロホルムや、強力な変性剤である塩酸グアニジンあるいはチオシアン酸グアニジンは刺激性、毒性がある。そのため人体に有害であり取り扱いに注意が必要で、廃液が自然環境へ及ぼす悪影響も大きい。本発明では、短時間で、これらの酸性溶液、有機溶媒、および変性剤を使用することなく、細菌の細胞や組織を破砕し、それらの持つ核酸を抽出することが可能である。
また核酸増幅検査のための核酸の抽出を行う場合、試料によっては細菌の細胞壁が硬いあるいは組織が硬く、核酸の抽出が困難な場合がある。喀痰中の好酸菌などは硬い細胞壁を持っており、通常の核酸抽出方では全ての好酸菌を効率よく破砕し、核酸を抽出することは困難である。しかしながら本発明により、硬い細胞壁を持つ細菌および組織を効率よく破砕し核酸を抽出することが可能である。
これまでにも、試料にビーズ等を添加し攪拌することにより細胞や組織を破砕する方法はあったが、試料を凍結しなければならず、あるいは攪拌中の試料の溶解を防ぐため、冷凍した状態で攪拌しなければならなかった。そのため試料を凍結する時間が長時間必要であり、迅速検査を行うことは不可能であった。また、冷凍機能を持った装置でなければならず、価格も高価であり装置の小型化も困難であった。また、試料を凍結しない場合は、破砕効率が低いため長時間攪拌しなければならず、試料の温度が上昇してしまい、細胞中のたんぱく質が変性してしまう場合があった。本発明では、試料を凍結する必要がないため凍結にかかる時間を省くことができ、攪拌時間を短時間にすることが可能でることから、抽出した核酸による迅速検査を行うことが可能である。また、冷凍機能も必要でないため、装置の低価格化、小型化が可能である。
以下に、発明を更に詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.無定形ジルコニア粉末の調整
板状ジルコニアTZ−8YS(東ソー社製、110mmX110mm、厚さ0.3mm、比重6.05)をニットー電動スタンプミルANS143(愛知電機株式会社製)により、120rpmで5分間破砕した。得られた粉末状のジルコニアをφ32μmのふるいにかけ、粒子の長径が32μm以下のジルコニア粉末を回収し、121℃で20分間滅菌処理し、無定形ジルコニア粉末(φ32μm以下)とした。該無定形ジルコニア粉末(φ32μm以下)の走査型電子顕微鏡写真を図1に示した。粒子の長径が32μm以下で、鋭利な角を持った不均一な形状の無定形粉末であることが示される。φ32μmのふるいにかけた残りのジルコニア粉末を同様にφ75μmのふるいにかけ、φ32μm以上φ75μm以下の粉末とφ75μm以上の粉末をそれぞれ回収し、121℃で20分間滅菌処理し、それぞれ無定形ジルコニア粉末(φ32μm以上φ75μm以下)、無定形ジルコニア粉末(φ75μm以上)とした。
2.細菌を含んだ試料の調整
MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)のPBP−2’をコードするmecA遺伝子(FEBS Lett. 221(1)、167−171,1987)を組み込んだpUC19により形質転換を行ったJM109を、100μg/mlのアンピシリンを添加したLB培地により37℃で一晩培養した。該培養液を、波長600nmにおける吸光度が0.5となるようにPBSで希釈し、試料とした。
3.試料中の細菌の破砕による核酸抽出
2.により調整した試料1mlを2ml容量のエッペンドルフチューブ(エッペンドルフ社製)に入れ、これに1.により調整した無定形ジルコニア粉末(φ32μm以下)あるいは無定形ジルコニア粉末(φ32μm以上φ75μm以下)、あるいは無定形ジルコニア粉末(φ75μm以上)を3.0g添加した。該試料と無定形ジルコニア粉末を含んだチューブを室温で2分間激しく攪拌した。その後、遠心分離により上清を回収した。一方、2ml容量のエッペンドルフチューブに入れた該試料1mlに上記無定形ジルコニア粉末と同容積の球形ジルコニア(φ30μm)あるいはアルミナ粉末(比重3.5、φ50μm以下)を添加し、上記操作と同様に試料を攪拌し、上清を回収した。
4.遺伝子の検出
3.で調整した上清を滅菌水で2倍希釈し、そのうち2μlを用いて、プライマー(MecP4:5’−TGCTATCCACCCTCAAACAGG−3’(配列番号1)とプライマー(MecP2:5’−AACGTTGTAACCACCCCAAGA−3’(配列番号2)を用いたライトサイクラー(ロッシュ・ダイアグノスティックス社製)による定量PCRを行うことにより上清中のmecA遺伝子を定量した。PCR反応は、94℃で20秒、43℃で30秒、72℃で2分を1サイクルとして40サイクル行った。対照として、2.により調整した該試料1mlを13000回転で10分間遠心した沈殿からQIA prep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)によりプラスミドを抽出し、定量PCRを行なった。
結果を図2に示した。図2に示すグラフは、各種ジルコニア粉末又はアルミナ粉末を用いて、大腸菌を含んだ試料から大腸菌を破砕し核酸を抽出した場合の、核酸抽出率を見たものである。波長600nmにおける吸光度が0.5の大腸菌溶液1mlから抽出したプラスミドの量を100%とし、それに対する各試料から抽出されたプラスミドの割合を核酸抽出率とした。
(i)は長径が32μm以下の無定形ジルコニア粉末により、大腸菌を破砕し核酸を回収した場合、(ii)は長径が32μm以上75μm以下の無定形ジルコニア粉末により、大腸菌を破砕し核酸を回収した場合、(iii)は長径が75μm以上の無定形ジルコニア粉末により、大腸菌を破砕し核酸を回収した場合、(iv)は粒子径が30μm以下の球形ジルコニアにより、大腸菌を破砕し核酸を回収した場合、(v)は長径が50μm以下の無定形アルミナ粉末により、大腸菌を破砕し核酸を回収した場合を示す。
その結果、対照の結果を100%とすると、3.で無定形ジルコニア粉末(φ32μm以下)により細菌を破砕し抽出した遺伝子の回収率は、約100%であった。一方、無定形ジルコニア粉末(φ32μm以上φ75μm以下)、あるいは無定形ジルコニア粉末(φ75μm以上)、球形ジルコニア(φ30μm)、アルミナ粉末(比重3.5、粒径50μm以下)により細菌を破砕し抽出した遺伝子の回収率は、全て約50%以下であった。このことは、本法により試料中の細菌を効率よく破砕し、100%の効率で核酸を回収することが可能であることを示す。
実施例1.で示した無定形ジルコニア粉末(φ32μm以下)の走査型電子顕微鏡写真である。写真中右下の傍線は30μmを示す。
各種ジルコニア粉末又はアルミナ粉末を用いて、大腸菌を含んだ試料から大腸菌を破砕し核酸を抽出した場合の、核酸抽出率を示す。

Claims (2)

  1. 粉末状固形物を、微生物を含む試料に添加し、該試料を攪拌することにより試料中の微生物を破砕する方法において、該粉末状固形物が無定形ジルコニアであり、該ジルコニアの長径が32μm以下であり、該ジルコニアの比重が3.5以上であり、該ジルコニアの硬度(Hv10)が600以上である、微生物の破砕方法。
  2. 請求項1の方法により微生物を破砕することで該微生物から核酸を抽出することを特徴とする、核酸の抽出方法。
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