以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加されたりする発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の情報処理システム(例えば、図1の表示システム1)は、
少なくとも第1および第2の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置(例えば、図1の記録装置13)は、
第1のフレームレートの第1の画像を、I枚以上取得する第1の取得手段(例えば、図2の一時記憶部32)と、
前記I枚の第1の画像から、前記I枚の第2の画像を生成し、出力する第1の生成手段(例えば、図2の伝送用データ変換部33)と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1のフレームレート以下の表示レートで画像を表示する表示装置と接続されており、
所定のフレームレート変換手段により前記第1のフレームレートから前記表示レートと同一の第2のフレームレートに変換された前記第2の画像を取得する第2の取得手段(例えば、図4の一時記憶部72)と、
前記第2のフレームレートの前記第2の画像を用いて前記第2のフレームレートの第3の画像を生成し、前記表示装置に出力する第2の生成手段(例えば、図4の再生用データ変換部74)と
を備え、
前記第1の生成手段は、I枚中のn(1≦n≦I)枚目の前記第2の画像については、n乃至I枚目の前記第1の画像を用いて生成し、生成された前記I枚の前記第2の画像を、予め決定した所定の順番で出力し、
前記第2の生成手段は、前記第2の画像を用いて、前記第1の画像を前記表示レートに応じて平均化した画像を、前記第3の画像として生成する
ことを特徴とする。
請求項2に記載の情報処理システムは、
前記第1または第2の情報処理装置のいずれかは、前記フレームレート変換手段(例えば、図15の間引き処理部241または図16の間引き処理部261)をさらに備える
ことを特徴とする。
請求項3に記載の情報処理システムは、
前記フレームレート変換手段(例えば、図3の間引き処理部54)を有する第3の情報処理装置(例えば、図1のプロキシサーバ15)をさらに備える
ことを特徴とする。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した表示システムの一実施の形態の構成例を示している。
図1の表示システム1は、カメラ(撮像装置)11、カメラケーブル12、記録装置13、ネットワーク14、プロキシサーバ15、再生装置16−1乃至16−3、ディスプレイケーブル17、およびディスプレイ(表示装置)18−1乃至18−3により構成されている。
カメラ11は、60fpsのフレームレートで撮像して得られるフレーム画像に対応するフレームデータ(画像データ)Fi(i=1,2,3,・・・)を、カメラケーブル12を介して記録装置13に供給する。即ち、カメラ11は、フレームレートが60fpsのフレーム画像(動画像)を記録装置13に供給する。以下において、フレームデータFi(i=1,2,3,・・・)を特に区別する必要がない場合、単にフレームデータFと称する。
記録装置13は、カメラ11から供給されるフレームデータFiを、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3/Fi+4,Fi+5,Fi+6,Fi+7/Fi+8,Fi+9,Fi+10,Fi+11,・・・というように4フレームごとに区切り、その4フレームのフレームデータそれぞれに対して、ネットワーク14を伝送させるための伝送用データに変換する伝送用データ変換処理を行う。なお、4フレーム単位で区切られたフレームデータそれぞれについて同様の処理が行われるため、以下では、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3について説明する。
伝送用データ変換処理では、記録装置13は、4枚のフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3を、4枚の(同一枚数の)伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+3)=Fi+3に変換する。そして、変換後の4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3が、ネットワーク14を介してプロキシサーバ15に伝送される。即ち、記録装置13は、フレームレートが60fpsの画像をプロキシサーバ15に供給する。
なお、上述の加算平均関数AVE()は、カッコ内のフレームデータFの加算平均値を求める関数であり、次式(1)で表すことができる。また、加算平均関数AVE()により加算平均された結果としての画像を加算平均画像と称する。
また、記録装置13が4つのフレームデータ(フレーム画像)Fを1区切りとしたのは、次のように計算される区切り周期Iによるものである。即ち、区切り周期Iは、「撮像したときの画像のフレームレート」(以下、撮像フレームレートと称する)を「再生時の画像のフレームレート(表示レートと同一)のなかの最小値」で除算して得られる値である。表示システム1では、カメラ11による撮像フレームレートが60fpsであり、ディスプレイ18−1乃至18−3それぞれが画像を表示する表示レートは、後述するように60fps,30fps,15fpsであるので、再生時の画像のフレームレートの最小値は15fpsとなり、I=60/15=4とされる。したがって、一時記憶部32は、上述したように4フレームごとにフレームデータFを取得し、伝送用データ変換部33に供給することになる。
ネットワーク14は、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)などの光ファイバ網、衛星通信網、イーサーネット(商標)、LAN(Local Area Network)、またはインターネットなどの通信網である。
プロキシサーバ15には、再生装置16−1乃至16−3それぞれに接続されているディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートが供給される。プロキシサーバ15は、ネットワーク14を介して記録装置13から供給された4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3に対し、ディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに応じた間引き処理(フレームレート変換処理)を施し、間引き処理後の伝送用データを再生装置18−1乃至18−3それぞれに送信する。換言すれば、プロキシサーバ15は、撮像フレームレートの画像(フレームデータF)を、ディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに対応するフレームレート(表示フレームレート)に変換し、その結果得られる表示フレームレートの画像を再生装置18−1乃至18−3に送信する。
なお、プロキシサーバ15の間引き処理では、表示レートによっては、伝送用データを間引かない場合もある。以下では、4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3のそれぞれを、第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)、第2伝送用データAVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3)、第3伝送用データAVE(Fi+2,Fi+3)、第4伝送用データFi+3とも称する。
図1に示す表示システム1では、ディスプレイ18−1は、60fpsの表示レートで画像を表示する表示装置であり、ディスプレイ18−2は、30fpsの表示レートで画像を表示する表示装置であり、ディスプレイ18−3は、15fpsの表示レートで画像を表示する表示装置となっている。
そこで、プロキシサーバ15は、再生装置16−1に対しては、記録装置13から送信されてくる第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)、第2伝送用データAVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3)、第3伝送用データAVE(Fi+2,Fi+3)、第4伝送用データFi+3を、そのまま送信する。その結果、60fpsのフレームレートの画像(フレーム画像)がプロキシサーバ15から再生装置16−1に送信される。
また、プロキシサーバ15は、再生装置16−2に対しては、記録装置13から送信されてくる4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3を2フレームに1回の割合で送信する。即ち、プロキシサーバ15は、再生装置16−2に対しては、第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)および第3伝送用データAVE(Fi+2,Fi+3)を送信する。その結果、30fpsのフレームレートの画像がプロキシサーバ15から再生装置16−2に送信される。
さらに、プロキシサーバ15は、再生装置16−3に対しては、記録装置13から送信されてくる4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3を4フレームに1回の割合で送信する。即ち、プロキシサーバ15は、再生装置16−3に対しては、第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)のみを送信する。その結果、15fpsのフレームレートの画像がプロキシサーバ15から再生装置16−3に送信される。
再生装置16−1乃至16−3は、プロキシサーバ15から送信されてくる画像(伝送用データ)を、ディスプレイ18−1乃至18−3で再生(表示)させるための画像(再生データ)に変換し、ディスプレイケーブル17を介してディスプレイ18−1乃至18−3にそれぞれ供給する。換言すれば、再生装置16−1乃至16−3は、高フレームレートである撮像フレームレートで撮像されて得られたフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3を、撮像フレームレート以下の低フレームレートであるディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに応じたボケ度合いの再生データに変換し、ディスプレイケーブル17を介してディスプレイ18−1乃至18−3にそれぞれ供給する。
具体的には、再生装置16−1は、第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)、第2伝送用データAVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3)、第3伝送用データAVE(Fi+2,Fi+3)、第4伝送用データFi+3から、4つの再生データFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3に変換し(4つのフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3に戻し)、ディスプレイ18−1に供給する。即ち、撮像フレームレートと同一のフレームレートで表示することができるディスプレイ18−1に対しては、再生装置16−1において、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3と同一の再生データFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3に変換される。
再生装置16−2は、第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)および第3伝送用データAVE(Fi+2,Fi+3)から、2つの再生データAVE(Fi,Fi+1)およびAVE(Fi+2,Fi+3)に変換し、ディスプレイ18−2に供給する。即ち、撮像フレームレートの1/2のフレームレートで表示するディスプレイ18−2に対しては、再生装置16−2において、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3を2フレームごとに平均化した、フレームデータFiおよびFi+1の加算平均画像となる再生データAVE(Fi,Fi+1)とフレームデータFi+2およびFi+3の加算平均画像となる再生データAVE(Fi+2,Fi+3)とに変換される。
再生装置16−3は、第1伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)をそのまま再生データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)として、ディスプレイ18−3に供給する。即ち、撮像フレームレートの1/4のフレームレートで表示するディスプレイ18−3に対しては、再生装置16−3において、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3を平均化した、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2、およびFi+3の加算平均画像となる再生データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)に変換される。
ディスプレイ18−1乃至18−3それぞれは、60fps,30fps,15fpsの表示レートで、再生装置16−1乃至16−3から供給される再生データに基づく画像(動画像)を表示する。なお、以下において、再生装置16−1乃至16−3、または、ディスプレイ18−1乃至18−3それぞれを特に区別する必要がない場合には、再生装置16またはディスプレイ18と称する。
以上のように構成される表示システム1では、記録装置13は、カメラ11から供給されるフレームデータFi(i=1,2,3,・・・)をフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3の4フレーム単位で区切り、4つのフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3から、4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3を生成する。
プロキシサーバ15は、ネットワーク14を介して記録装置13から供給された4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3に対し、ディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに応じた間引き処理(フレームレート変換処理)を施し、間引き処理後の伝送用データを再生装置18−1乃至18−3に送信する。
再生装置16は、プロキシサーバ15から送信されてくる、ディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに対応する表示フレームレートの伝送用データを再生データに変換し、ディスプレイ18−1乃至18−3に供給する。
図2は、記録装置13の詳細な構成例を示すブロック図である。
記録装置13は、カメラIF(Inter Face)31、一時記憶部32、伝送用データ変換部33、データ圧縮部34、ネットワークIF35、および媒体記録再生装置36により構成されている。
カメラIF31は、外部装置IFの1つであり、カメラケーブル12を介してカメラ11から供給されるフレームデータFi(i=1,2,3,・・・)を順次、一時記憶部32に供給する。また、カメラIF31は、カメラ11の撮像時のフレームレートを必要に応じてネットワークIF35を介してプロキシサーバ15に送信する。カメラ11の撮像時のフレームレートは、プロキシサーバ15において、後述する間引き値hを求める際に利用される。
なお、記録装置13が、例えば、ハードディスクなどからなる外部記憶装置などのカメラ11以外の装置からフレームデータFの供給を受ける場合には、カメラIF31以外の外部装置IF(図示せず)が利用され、そこから一時記憶部32にフレームデータFが供給される。
一時記憶部32は、カメラIF31からのフレームデータFを順次記憶する。また、一時記憶部32は、区切り周期Iで決定される4フレームごとに、内部に記憶しているフレームデータFを取得し、伝送用データ変換部33に供給する。なお、記録装置13は、区切り周期Iを決定するのに必要な「撮像フレームレート」および「表示フレームレートなかの最小値」を、ユーザによる設定、または、カメラ11およびプロキシサーバ15との通信により認識することができるものとする。
また、一時記憶部32は、媒体記録再生装置36内のハードディスク41や脱着可能な光ディスク42から読み出されて供給されたフレームデータFに対しても同様の処理を行うことが可能である。
伝送用データ変換部33は、一時記憶部32から供給される4つのフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3を、4つの(同一枚数の)伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3に変換する伝送用データ変換処理を行う。
即ち、伝送用データ変換部33は、4つのフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3から、4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3), Fi+3を生成する。以下では、4つの伝送用データAVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3を、それぞれ、伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3と表す。
伝送用データ変換部33は、生成した4つの伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3をデータ圧縮部34に供給する。
データ圧縮部34は、JPEGまたはJPEG2000などのフレーム内圧縮方式を用いて、4つの伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3それぞれに対してデータ圧縮処理を施し、データ圧縮後の伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3をネットワークIF35に供給する。また、ネットワーク14が接続されていない場合などには、データ圧縮部34は、データ圧縮後の伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3を媒体記録再生装置36に供給し、媒体記録再生装置36内の記録媒体(ハードディスク41や光ディスク42など)に記憶(保存)しておくことも可能である。
ネットワークIF35は、例えば、LAN(Local Area Network)接続用のNIC(Network Interface Card)、あるいはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム等で構成され、データ圧縮部34から供給されたデータ圧縮後の伝送用データF’i=(AVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)),F’i+1=(AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3)),F’i+2=(AVE(Fi+2,Fi+3)),F’i+3=Fi+3それぞれを複数のパケット(以下、データパケットと称する)に格納し、ネットワーク14を介してプロキシサーバ15に送信する。
媒体記録再生装置36は、ハードディスク41や、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク42などの記録媒体に、データ圧縮部34からのデータ圧縮後の伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3を記録する。また、媒体記録再生装置36は、他の装置で記録されたフレームデータFを光ディスク42から読み出し、一時記憶部32に供給することもできる。
以上のように構成される記録装置13は、プロキシサーバ15においてディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに応じた間引き処理(フレームレート変換処理)が施された後でも、再生装置16で最適な再生データ(ボケ処理したデータ)に変換できるような伝送用データに変換し、プロキシサーバ15に供給する。
図3は、プロキシサーバ15の詳細な構成例を示すブロック図である。
プロキシサーバ15は、ネットワークIF51、受信処理部52、受信バッファ53、間引き処理部54、送信フレームレート保持部55、送信バッファ56−1乃至56−3、および送信処理部57により構成されている。
ネットワークIF51は、例えば、LAN(Local Area Network)接続用のNIC(Network Interface Card)、あるいはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム等で構成され、記録装置13または再生装置16から送信されてくるデータパケットを受信処理部52に供給するとともに、送信処理部57からのデータパケットを再生装置16に送信する。
受信処理部52は、ネットワークIF51を介して記録装置13からデータパケットとして送信されてくるデータ圧縮後の伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3それぞれを受信し、受信バッファ53に供給する。
受信バッファ53は、受信処理部52から供給されるデータパケットを保持し、間引き処理部54に供給する。
間引き処理部54は、受信バッファ53からデータパケットを取得し、そのデータパケット内に格納されているデータのなかから、伝送用データのフレーム番号iを取得する。伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2、またはF’i+3では、i,i+1,i+2、またはi+3のいずれかがフレーム番号として取得される。
また、間引き処理部54は、送信フレームレート保持部55に記憶されている、送信バッファ56−1乃至56−3それぞれに対応する再生装置16−1乃至16−3の間引き値hを取得する。
再生装置16−m(m=1,2,3)の間引き値hは、「撮像フレームレート」を「再生装置16−mと接続されたディスプレイ18−mの表示レート」で除算して得られる値である。従って、再生装置16−1の間引き値hは、60fps÷60fps=1であり、再生装置16−2の間引き値hは、60fps÷30fps=2であり、再生装置16−3の間引き値hは、60fps÷15fps=4である。
そして、間引き処理部54は、受信バッファ53から供給されたデータパケットに格納されていたフレーム番号iと再生装置16−mの間引き値hとから、受信バッファ53から供給された伝送用データが再生装置16−mに送信するべき伝送用データであるか否かを判断し、伝送用データが再生装置16−mに送信するべき伝送用データである場合には、その再生装置16−mに対応する送信バッファ56−mに、受信バッファ53から供給されたデータパケットを供給する。
換言すれば、間引き処理部54は、間引きhの再生装置16−mに対して、I枚の伝送用データF’i,F’i+1,・・・・・,F’i+(I-1)のうちの、伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hが送信されるように、伝送用データを送信するべきか否か判断し、送信バッファ56−mに供給する。ここで、Tは、区切り周期I枚中の間引き後のフレーム数を表す。即ち、再生装置16−1の間引き後フレーム数Tは4であり、再生装置16−2の間引き後フレーム数Tは2であり、再生装置16−3の間引き後フレーム数Tは1である。
したがって、間引き処理部54は、I=4,T=4,h=1の再生装置16−1に対して、受信バッファ53から供給される伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2、またはF’i+3を(間引きなしで)送信するため、伝送用データのフレーム番号がi,i+1,i+2、またはi+3であるデータパケットを送信バッファ56−1に供給する。
また、間引き処理部54は、I=4,T=2,h=2の再生装置16−2に対して、受信バッファ53から供給される伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2、またはF’i+3のうち、伝送用データF’iおよびF’i+2を送信するため、伝送用データのフレーム番号がiまたはi+2であるデータパケットを送信バッファ56−2に供給する。
さらに、間引き処理部54は、I=4,T=1,h=4の再生装置16−3に対して、受信バッファ53から供給される伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2、またはF’i+3のうち、伝送用データF’iを送信するため、伝送用データのフレーム番号がiであるデータパケットを送信バッファ56−3に供給する。
なお、間引き処理部54は、送信先となる再生装置16−mに応じて、データパケットの送信先IPアドレスを修正してから、データパケットを送信バッファ56−mに供給する。また、以下において、伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hを特に区別する必要がない場合、伝送用データF’と称する。
送信フレームレート保持部55は、再生装置16−mの間引き値hを記憶(保持)している。プロキシサーバ15は、記録装置13から伝送用データが送信されてくる前に予め、ディスプレイ18−mの表示レートを再生装置16−mから受信し、カメラ11の撮像フレームレートを記録装置13から受信し、「撮像フレームレート」を「ディスプレイ18−mの表示レート」で除算して得られる値を、再生装置16−mの間引き値hとして、送信フレームレート保持部55に記憶する。なお、プロキシサーバ15の図示せぬ操作部などから、上述の情報をユーザに入力させてもよい。
送信バッファ56−1乃至56−3は、それぞれ、再生装置16−1乃至16−3に対応し、間引き処理部54から供給される(伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2、またはF’i+3のいずれかの)データパケットを保持し、送信処理部57に供給する。なお、以下において、送信バッファ56−1乃至56−3を特に区別する必要がない場合には、送信バッファ56と称する。
送信処理部57は、送信バッファ56からの再生装置16−1乃至16−3宛てのデータパケットを、ネットワークIF51を介して再生装置16−1乃至16−3に送信する。
以上のように、プロキシサーバ15は、送信フレームレート保持部55に記憶されている再生装置16の間引き値hに基づいて、記録装置13から供給された伝送用データF’を、撮像フレームレートからディスプレイ18の表示レートと同一の表示フレームレートに変換する間引き処理(フレーム変換処理)を施し、再生装置16に送信する。
図4は、再生装置16(16−m)の詳細な構成例を示すブロック図である。
再生装置16は、ネットワークIF71、一時記憶部72、データ伸長部73、再生用データ変換部74、ディスプレイIF75、ディスプレイ仕様保持部76、および媒体記録再生装置77により構成されている。
ネットワークIF71は、例えば、LAN(Local Area Network)接続用のNIC(Network Interface Card)、あるいはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム等で構成され、プロキシサーバ15から送信されてくる(伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2、またはF’i+3のいずれかの)データパケットを一時記憶部72に供給する。
また、ネットワークIF71は、ディスプレイ仕様保持部76から供給されるディスプレイ18の表示レートをプロキシサーバ15に送信する。このディスプレイ18の表示レートは、プロキシサーバ15において、上述した間引き値hを求めるために必要となるものである。
一時記憶部72は、ネットワークIF71を介してプロキシサーバ15から送信されてきた伝送用データF’のデータパケットを、フレーム画像単位となるまで一時記憶し、データ伸長部73にフレーム画像単位で順次供給する。また、一時記憶部72は、フレーム画像単位の伝送用データF’を媒体記録再生装置77に供給し、媒体記録再生装置77内のハードディスク81や光ディスク82に記録(記憶)しておくこともできるし、ハードディスク81や光ディスク82から読み出され、一時記憶部72に供給された伝送用データF’についても同様にデータ伸長部73に順次供給することができる。
データ伸長部73は、記録装置13のデータ圧縮部34において伝送用データF’に対して施されたデータ圧縮処理の圧縮方式に対応するデータの伸長処理を、一時記憶部72からの伝送用データF’に施して、再生用データ変換部74に供給する。
再生用データ変換部74には、ディスプレイ仕様保持部76から、上述した区切り周期Iおよび間引き値hが供給される。
再生用データ変換部74は、表示フレームレートの伝送用データF’を用いて、60fps(撮像フレームレート)のフレームデータFをディスプレイ18の表示レートで再生するのに最適となる、60fpsのフレームデータFをディスプレイ18の表示レートに応じて平均化した再生データF”i,F”i+h,F”i+2h,・・・・・,F”i+(T-1)hを生成し(再生データF”i,F”i+h,F”i+2h,・・・・・,F”i+(T-1)hに変換し)、ディスプレイIF(外部装置IF)75に供給する。また、再生用データ変換部74は、生成した再生データF”i,F”i+h,F”i+2h,・・・・・,F”i+(T-1)hを媒体記録再生装置77に供給して、ハードディスク81や光ディスク82記録させることもできる。以下において、再生データF”i,F”i+h,F”i+2h,・・・・・,F”i+(T-1)hを特に区別する必要がない場合、再生データF”と称する。
ディスプレイIF75は、再生用データ変換部74からの再生データF”を、ディスプレイケーブル17を介して、ディスプレイ18に供給する。また、ディスプレイIF75は、自分と接続されているディスプレイ18から、その表示レートを受信し、ディスプレイ仕様保持部76に供給する。
ディスプレイ仕様保持部76は、上述した間引き値hおよび区切り周期Iを保持(記憶)する。ここで、間引き値hおよび区切り周期Iは、ネットワーク14やディスプレイケーブル17を介して、記録装置13、プロキシサーバ15、またはディスプレイ18と通信することにより得られる、ディスプレイ18の表示レートや、カメラ11の撮像フレームレートなどから求められる。なお、間引き値hおよび区切り周期Iそのものを、図示せぬ操作部から必要な情報をユーザに入力させたり、プロキシサーバ15から受信するようにしてもよい。
媒体記録再生装置77は、ハードディスク81や光ディスク82に再生用データ変換部74からの再生データF”を記録する。また、媒体記録再生装置77は、他の装置で記録された光ディスク82から伝送用データF’を読み出し、一時記憶部72に供給することもできる。
以上のように構成される再生装置16−mは、ディスプレイ18−mの表示レートと同一の表示フレームレートの伝送用データF’を用いて、撮像フレームレートのフレームデータFを、ディスプレイ18−mの表示レートで再生(表示)するのに最適な再生データF”を生成し、ディスプレイ18−mに供給する。
次に、記録装置13の伝送用データ変換部33で行われるフレームデータFを伝送用データF’に変換する(フレームデータFから伝送用データF’を生成する)伝送用データ変換処理と、再生装置16の再生用データ変換部74で行われる伝送用データF’を再生データF”に変換する(伝送用データF’から再生データF”を生成する)再生用データ変換処理について具体的に説明する。
初めに、カメラ11から供給されるフレーム番号i(i=1,2,3,,・・・)のフレーム画像が、X×Y(横×縦)画素、および色コンポーネント数Cからなるとすると、そのフレーム画像に対応するフレームデータFiは、次式(2)で表すことができる。
式(2)において、ai (c,x,y)は、フレーム番号iのフレームデータ(フレーム画像)Fiを構成する画素の座標位置(x,y)(1≦x≦X,1≦y≦Y)および色コンポーネントc(1≦c≦C)における画素値を表す。また、色コンポーネントcは、(Y,U、およびV)の3つのコンポーネント、(R,G、およびB)の3つのコンポーネント、(Y,M,C、およびK)の4つのコンポーネント、または、(Y,I、およびQ)の3つのコンポーネントのうちのいずれか1つのコンポーネントを表す。
そして、フレーム画像内のある座標位置(x,y)および色コンポーネントcの画素に注目すると(フレーム画像内のある座標位置(x,y)および色コンポーネントcの画素を注目画素とすると)、伝送用データ変換部33には、フレーム番号i乃至i+3のI枚のフレームデータFi乃至Fi+3の注目画素の画素値ai (c,x,y),ai+1 (c,x,y),ai+2 (c,x,y),ai+3 (c,x,y)が供給される(以下では、(c,x,y)の表記を省略する)ことになる。
伝送用データ変換部33は、フレームデータFi乃至Fi+3の注目画素の画素値ai,ai+1,ai+2,ai+3を用いて、伝送用データF’i乃至F’i+3の注目画素の画素値bi,bi+1,bi+2,bi+3を次式(3)で求める。
bi=(ai+ai+1+ai+2+ai+3)/4
bi+1= (ai+1+ai+2+ai+3)/3
bi+2= (ai+2+ai+3)/2
bi+3= (ai+3)/1
・・・(3)
そして、伝送用データ変換部33は、(3)式の計算を、フレームデータFiを構成する全ての色コンポーネントcの各画素を順次注目画素として繰り返すことにより、次式(4)の伝送用データFi’を得ることができる。
伝送用データF’i+1,F’i+2、およびF’i+3も同様に求めることができる。
その後、再生装置16−1には、プロキシサーバ15で伝送用データF’が間引かれずに送信(転送)されてくる。即ち、再生装置16−1には、注目画素について、(3)式の画素値bi,bi+1,bi+2,bi+3が送信されてくる。
再生装置16−1の再生用データ変換部74は、伝送用データFi’乃至Fi+3’の画素値bi,bi+1,bi+2,bi+3を用いて、再生データFi”乃至Fi+3”の画素値di,di+1,di+2,di+3を次式(5)で求める。
di =4bi −3bi+1=ai=AVE(ai)
di+1=3bi+1−2bi+2=ai+1=AVE(ai+1)
di+2=2bi+2−bi+3 =ai+2=AVE(ai+2)
di+3=bi+3 =ai+3=AVE(ai+3)
・・・(5)
一方、再生装置16−2には、画像のフレームレートが30fpsの伝送用データF’がプロキシサーバ15から送信(転送)されてくる。即ち、再生装置16−2には、(3)式の画素値bi,bi+2が送信されてくる。
再生装置16−2の再生用データ変換部74は、伝送用データF’iおよびF’i+2の画素値biおよびbi+2を用いて、再生データF”iおよびF”i+2の画素値diおよびdi+2を次式(6)で求める。
di =(4bi −2bi+1)/2=(ai+ai+1)=AVE(ai,ai+1)
di+2=bi+2 =(ai+2+ai+3)=AVE(ai+2,ai+3)
・・・(6)
したがって、再生装置16−2の再生用データ変換部74は、画素値biおよびbi+2から、連続する2枚のフレームデータFの加算平均画像となるようにして60fpsのフレームデータFを30fpsに変換した画素値diおよびdi+2を算出することができる。即ち、再生装置16−2の再生用データ変換部74は、30fpsの(単一の)伝送用データF’から、60fpsのフレームデータFを基に1/2の(30fpsの)表示レートで画像を再生(表示)するのに最適な再生データF”iおよびF”i+2を算出することができる。
また、再生装置16−3には、画像のフレームレートが15fpsの伝送用データF’がプロキシサーバ15から送信(転送)されてくる。即ち、再生装置16−3には、(3)式の画素値biのみが送信されてくる。
再生装置16−3の再生用データ変換部74は、伝送用データF’iの画素値biのみを用いて、再生データF”iの画素値diを次式(7)で求める。
di=bi=(ai+ai+1+ai+2+ai+3)/4=AVE(ai,ai+1,ai+2,ai+3)
・・・(7)
したがって、再生装置16−3の再生用データ変換部74は、画素値diから、連続する4枚のフレームデータFの加算平均画像となるように60fpsのフレームデータFを15fpsに変換した画素値diを算出することができる。即ち、再生装置16−3の再生用データ変換部74は、15fpsの(単一の)伝送用データF’から、60fpsのフレームデータFを基に1/4の(15fpsの)表示レートで画像を再生(表示)するのに最適な再生データF”iを算出することができる。
伝送用データF’iを構成する全ての色コンポーネントcの各画素を順次注目画素として得られる再生データF”iは、次式(8)で表すことができる。
次に、区切り周期I=4以外のその他の具体例を説明する。例えば、カメラ11の撮像フレームレートが90fpsで、ディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートがそれぞれ90fps,30fps,10fpsである場合、換言すれば、撮像フレームレートの1/1,1/3,1/9のフレームレートで画像を再生する場合、「撮像フレームレート」は90fpsであり、「表示フレームレートのなかの最小値」は10fpsであるので、区切り周期I=90/10=9となる。
I=4における場合と同様に、カメラ11で撮像されたフレーム画像内のある座標位置(x,y)および色コンポーネントcの画素に注目した場合の、フレーム番号i乃至i+8の9枚のフレームデータFi乃至Fi+8の画素値をそれぞれai乃至ai+8とする。
伝送用データ変換部33は、フレームデータFi乃至Fi+8の画素値ai乃至ai+8を用いて、伝送用データF’i乃至F’i+8の画素値bi乃至bi+8を次式(9)で求める。
bi =(ai+ai+1+ai+2+ai+3+ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/9
bi+1= (ai+1+ai+2+ai+3+ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/8
bi+2= (ai+2+ai+3+ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/7
bi+3= (ai+3+ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/6
bi+4= (ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/5
bi+5= (ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/4
bi+6= (ai+6+ai+7+ai+8)/3
bi+7= (ai+7+ai+8)/2
bi+8= (ai+8)/1
・・・(9)
そして、90fpsの表示レートで画像を表示させる再生装置16−1の再生用データ変換部74は、画像のフレームレートが90fpsの伝送用データF’i乃至F’i+8、即ち、(9)式の画素値bi乃至bi+8から、再生データF”i乃至F”i+8の画素値di乃至di+8を次式(10)で求める。
di =9bi −8bi+1=ai=AVE(ai)
di+1=8bi+1−7bi+2=ai+1=AVE(ai+1)
di+2=7bi+2−6bi+3=ai+2=AVE(ai+2)
di+3=6bi+3−5bi+4=ai+3=AVE(ai+3)
di+4=5bi+4−4bi+5=ai+4=AVE(ai+4)
di+5=4bi+5−3bi+6=ai+5=AVE(ai+5)
di+6=3bi+6−2bi+7=ai+6=AVE(ai+6)
di+7=2bi+7− bi+8=ai+7=AVE(ai+7)
di+8= bi+8 =ai+8=AVE(ai+8)
・・・(10)
また、30fpsの表示レートで画像を表示させる再生装置16−2の再生用データ変換部74は、画像のフレームレートが30fpsの伝送用データF’i,F’i+3、およびF’i+6、即ち、(9)式の画素値bi,bi+3、およびbi+6から、再生データF”i,F”i+3、およびF”i+6の画素値di,di+3di+6を次式(11)で求める。
di =(9bi −6bi+3)/3=(ai+ai+1+ai+2)/3=AVE(ai,ai+1,ai+2)
di+3=(6bi+3 −3bi+6)/3=(ai+3+ai+4+ai+5)/3=AVE(ai+3,ai+4,ai+5)
di+6=bi+6 =(ai+6+ai+7+ai+8)/3=AVE(ai+6,ai+7,ai+8)
・・・(11)
さらに、10fpsの表示レートで画像を表示させる再生装置16−3の再生用データ変換部74は、画像のフレームレートが10fpsの伝送用データF’i、即ち、(9)式の画素値biのみから、再生データF”iの画素値diを次式(12)で求める。
di=bi=(ai+ai+1+ai+2+ai+3+ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)/9
=AVE(ai+ai+1+ai+2+ai+3+ai+4+ai+5+ai+6+ai+7+ai+8)
・・・(12)
以上のようにI=9における場合においても、表示フレームレートの(単一の)伝送用データF’iから、ディスプレイ18の表示レートに最適な(ディスプレイ18の表示レートに応じてボケ処理を施した)再生データF”iを得ることができる。
次に、図5のフローチャートを参照して、記録装置13の伝送用データ変換処理について説明する。
初めに、ステップS10において、伝送用データ変換部33は、フレーム番号を表す変数iに1をセットして、ステップS11に進む。
ステップS11において、一時記憶部32は、一時記憶部32に1区切周期分のフレームデータFi,Fi+1,・・・,Fi+(I-1)が記憶された時点で、それを取得し、伝送用データ変換部33に供給する。
ステップS12において、伝送用データ変換部33は、区切り周期I内のフレーム番号を表す変数nに(i−1)の値をセットして、ステップS13に進む。
ステップS13において、伝送用データ変換部33は、変数nを区切り周期Iで除算した剰余、即ち(n mod I)の計算結果を変数rとして、ステップS14に進む。
ステップS14において、伝送用データ変換部33は、フレームデータF(n+1)+rの全ての色コンポーネントcの座標位置(x,y)の画素を順次注目画素として、次式(13)を計算する。
式(13)は、フレームデータF(n+1)+rの注目画素の画素値a(n+1)+rに対応する伝送用データF’ (n+1)+rの画素値b(n+1)+rを求める式を一般化した式であり、具体的には、例えば、I=4,i=1の場合、r=0となり、上述した(3)式のbi=(ai+ai+1+ai+2+ai+3)/4が得られる。
ステップS14の処理後、ステップS15において、伝送用データ変換部33は、変数nを1だけインクリメントして、ステップS16に進む。
ステップS16において、伝送用データ変換部33は、変数nが{i+(I−1)}以上となったか、即ち、フレームデータFi,Fi+1,・・・,Fi+(I-1)の枚数と同じ枚数の伝送用データF’n,F’n+1,・・・,F’n+(I-1)を求めたか否かを判定する。
ステップS16で、変数nが{i+(I−1)}より小さいと判定された場合、ステップS13に戻り、ステップS13乃至S16の処理が繰り返される。これにより、伝送用データF’n+1,・・・,F’n+(I-1)のbi+1・・・,bn+(I-1)が順次求められる
一方、ステップS16で、変数nが{i+(I−1)}以上であると判定された場合、即ち、フレームデータFi,Fi+1,・・・,Fi+(I-1)の枚数と同じ枚数の伝送用データF’n,F’n+1,・・・,F’n+(I-1)を求めた場合、ステップS17に進み、伝送用データ変換部33は、伝送用データF’n,F’n+1,・・・,F’n+(I-1)を、伝送用データF’i,F’i+1,・・・,F’i+(I-1)としてデータ圧縮部34に供給(出力)する。この伝送用データF’i,F’i+1,・・・,F’i+(I-1)それぞれが、データ圧縮部34でデータ圧縮処理された後、プロキシサーバ15に送信される。
ステップS18において、伝送用データ変換部33は、フレーム番号を表す変数iにステップS15で計算された変数nを代入し、ステップS11に処理を戻す。これにより、次のI枚のフレームデータFi,Fi+1,・・・,Fi+(I-1)について、ステップS11乃至ステップS18の処理が繰り返される。そして、一時記憶部32に記憶されているフレームデータFi,Fi+1,・・・,Fi+(I-1)がなくなるまで同様の処理が繰り返される。
以上の伝送用データ変換処理により、伝送用データ変換部33は、(3)式に表されるように、I枚の伝送用データF’i,F’i+1,・・・,F’i+(I-1)それぞれを、異なる枚数(I枚以下)のフレームデータFi,Fi+1,・・・,Fi+(I-1)を用いて生成し、換言すれば、I枚中のn’枚目(1≦n’≦I)の伝送用データF’n'については、n’乃至I枚目のフレームデータFn'乃至フレームデータFn'+(I-1)を用いて生成する。
次に、図6のフローチャートを参照して、プロキシサーバ15の間引き処理部54の間引き処理について説明する。
初めに、ステップS21において、間引き処理部54は、受信バッファ53からデータパケットを取得し、ステップS22において、そのデータパケット内に格納されているデータのなかから、伝送用データF’のフレーム番号iを取得する。
そして、ステップS23において、間引き処理部54は、変数mに1をセットして、ステップS24に進む。
ステップS24において、間引き処理部54は、再生装置16−mの間引き値hを送信フレームレート保持部55から取得する。
ステップS25において、間引き処理部54は、(i−1)を再生装置16−mの間引き値hで除算した剰余、即ち、((i-1) mod h)の計算結果が0であるか否かを判定し、(i−1)を再生装置16−mの間引き値hで除算した剰余が0ではないと判定した場合、ステップS26をスキップして、ステップS27に進む。
一方、ステップS25において、(i−1)を再生装置16−mの間引き値hで除算した剰余が0であると判定された場合、ステップS26に進み、間引き処理部54は、データパケットの送信先IPアドレスを再生装置16−mのIPアドレスに修正し、送信バッファ56−mにコピーする。
その後、ステップS27に進み、間引き処理部54は、変数mを1だけインクリメントして、ステップS28に進む。
ステップS28において、間引き処理部54は、変数mが再生装置の台数N(図1ではN=3)より大きいか否かを判定し、再生装置の台数N以下であると判定した場合、処理をステップS24に戻し、ステップS24乃至ステップS28の処理を繰り返す。
一方、ステップS28で、変数mが再生装置の台数Nより大きいと判定された場合、間引き処理部54は、処理をステップS21に戻し、次のデータパケットについて、ステップS21乃至S28の処理を繰り返す。そして、受信バッファ53に記憶されているデータパケットがなくなるまで間引き処理が継続される。
以上のように間引き処理によれば、記録装置13から供給された撮像フレームレートの伝送用データF’をディスプレイ18の表示レートと同一の表示フレームレートに変換する。これにより、記録装置13は、再生装置16が所望する表示フレームレートを気にせずに単一のフレームレートの画像(伝送用データF’)を送信することができ、再生装置16−mは、ディスプレイ18−mの表示レートと同一の表示フレームレートの画像(伝送用データF’)を受信することができる。
なお、記録装置13が出力する画像のデータは、伝送用データ変換処理が施された伝送用データF’である必要は必ずしもなく、記録装置13は、カメラ11が出力するフレームデータFをそのまま出力してもよい。この場合でも、プロキシサーバ15は、同一の処理で対応可能である。
次に、図7のフローチャートを参照して、再生装置16の再生用データ変換処理について説明する。
初めに、ステップS40において、再生用データ変換部74は、フレーム番号を表す変数iに1をセットして、ステップS41に進む。
ステップS41において、再生用データ変換部74は、ディスプレイ仕様保持部76から、区切り周期Iおよび間引き値hを取得する。
ステップS42において、一時記憶部72は、ディスプレイ18の表示レートに応じて間引かれた(フレーム変換処理がなされた)伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hを取得し、データ伸長部73を介して再生用データ変換部74に供給する。
ステップS43において、再生用データ変換部74は、変数nに(i−1)の値をセットして、ステップS43に進む。
ステップS44において、再生用データ変換部74は、変数nを区切り周期Iで除算した剰余、即ち(n mod I)の計算結果を変数rとして、ステップS44に進む。
ステップS45において、再生用データ変換部74は、伝送用データF’(n+1)+rの全ての色コンポーネントcの座標位置(x,y)の画素を順次注目画素として、次式(14)を計算する。
式(14)は、伝送用データF’(n+1)+rの注目画素の画素値b(n+1)+rに対応する再生データF”(n+1)+rの画素値d(n+1)+rを求める式を一般化した式であり、具体的には、例えば、h=1,I=4,i=0の場合、r=0となり上述した(5)式のdi=4bi −3bi+1=ai=AVE(ai)が得られる。
ステップS45の処理後、ステップS46において、再生用データ変換部74は、変数nをhだけインクリメントして、ステップS47に進む。
ステップS47において、再生用データ変換部74は、変数nが{i+(I−1)}以上となったか、即ち、伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hの枚数と同一枚数の再生データF”n,F”n+h,F”n+2h,・・・・・,F”n+(T-1)hを求めたか否かを判定する。
ステップS47で、変数nが{i+(I−1)}より小さいと判定された場合、ステップS44に戻り、ステップS44乃至S47の処理が繰り返される。これにより、再生データF”n+h,F”n+2h,・・・・・,F”n+(T-1)hが順次求められる。
一方、ステップS47で、変数nが{i+(I−1)}以上であると判定された場合、即ち、伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hの枚数と同一枚数の再生データF”n,F”n+h,F”n+2h,・・・・・,F”n+(T-1)hを求めた場合、ステップS48に進み、再生用データ変換部74は、再生データF”n,F”n+h,F”n+2h,・・・・・,F”n+(T-1)hを再生データF”i,F”i+h,F”i+2h,・・・・・,F”i+(T-1)hとしてディスプレイIF75に供給(出力)する。この再生データF”i,F”i+h,F”i+2h,・・・・・,F”i+(T-1)hそれぞれがディスプレイケーブル17を介してディスプレイ18に供給される。
ステップS49において、再生用データ変換部74は、フレーム番号を表す変数iにステップS46で計算された変数nを代入し、ステップS42に処理を戻す。これにより、次の伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hについて、ステップS42乃至ステップS49の処理が繰り返される。そして、一時記憶部72に記憶されている伝送用データF’i,F’i+h,F’i+2h,・・・・・,F’i+(T-1)hがなくなるまで同様の処理が繰り返される。
以上のように再生用データ変換処理によれば、間引かれた(フレーム変換処理がなされた)表示フレームレートの伝送用データF’を用いて、フレームデータFをディスプレイ18の表示レートに応じて加算平均値を求めたデータを、再生データF”として生成する。
図8は、記録装置13のその他の伝送用データ変換処理を示すフローチャートである。
図8においては、ステップS64の処理が図5のステップS14の処理と異なる以外は、図5の伝送用データ変換処理と同様である。即ち、図8のステップS60乃至S63およびステップS65乃至S68は、図5のステップS10乃至S13およびステップS15乃至S18とそれぞれ同様である。
ステップS64では、伝送用データ変換部33は、フレームデータF(n+1)+rの全ての色コンポーネントcの座標位置(x,y)の画素を順次注目画素として、次式(15)を計算する。
図5のステップS14の処理では、フレームデータF(n+1)+rの注目画素の画素値a(n+1)+rに対応する伝送用データF’(n+1)+rの画素値b(n+1)+rが、k=r乃至(I−1)の画素値a(n+1)+kの加算平均値とされていたが、式(15)では、k=r乃至(I−1)の画素値a(n+1)+kの加算値とされている。
図9は、図8に示した伝送用データ変換処理に対応する、その他の再生用データ変換処理のフローチャートである。
図9においては、ステップS85の処理が図7のステップS45の処理と異なる以外は、図7の再生用データ変換処理と同様である。即ち、図9のステップS80乃至S84およびステップS86乃至S89は、図7のステップS40乃至S44およびステップS46乃至S49とそれぞれ同様である。
ステップS85では、再生用データ変換部74は、伝送用データF’(n+1)+rの全ての色コンポーネントcの座標位置(x,y)の画素を順次注目画素として、次式(16)を計算する。
図8の伝送用データ変換処理および図9の再生用データ変換処理によれば、上述のステップS85の処理(即ち、(16)式の計算)が、図7のステップS45の処理(即ち、(14)式の計算)に比べて簡素化されるという利点がある。但し、伝送用データ変換処理後の伝送用データF’(n+1)+rの最大値は、元のフレームデータF(n+1)+rの最大値と異なるため、その伝送用データF’(n+1)+rを整数型または固定小数点型で保持した場合、元のフレームデータF(n+1)+rに比べて画素毎の必要ビット数が大きくなってしまう。したがって、図8の伝送用データ変換処理および図9の再生用データ変換処理を採用する場合には、画素毎のビット数を同一とするために、伝送用データF’(n+1)+rを浮動小数点型で保持することに注意する必要がある。
図10は、記録装置13のさらにその他の伝送用データ変換処理を示すフローチャートである。
図10においては、ステップS104の処理が図5のステップS14の処理と異なる以外は、図5の伝送用データ変換処理と同様である。即ち、図10のステップS100乃至S103およびステップS105乃至S108は、図5のステップS10乃至S13およびステップS15乃至S18とそれぞれ同様である。
ステップS104では、伝送用データ変換部33は、フレームデータF(n+1)+rの全ての色コンポーネントcの座標位置(x,y)の画素を順次注目画素として、次式(17)を計算する。
図5のステップS14の処理では、フレームデータF(n+1)+rの注目画素の画素値a(n+1)+rに対応する伝送用データF’(n+1)+rの画素値b(n+1)+rが、k=r乃至(I−1)の画素値a(n+1)+kの加算平均値とされていたが、式(17)では、画素値a(n+1)+kに対する重みwkを考慮してk=r乃至(I−1)で画素値a(n+1)+kを加算した重み付け加算値とされている。
図11は、図10に示した伝送用データ変換処理に対応する、さらにその他の再生用データ変換処理のフローチャートである。
図11においては、ステップS125の処理が図7のステップS45の処理と異なる以外は、図7の再生用データ変換処理と同様である。即ち、図11のステップS120乃至S124およびステップS126乃至S129は、図7のステップS40乃至S44およびステップS46乃至S49とそれぞれ同様である。
ステップS125では、再生用データ変換部74は、伝送用データF’(n+1)+rの全ての色コンポーネントcの座標位置(x,y)の画素を順次注目画素として、次式(18)を計算する。
図10の伝送用データ変換処理および図11の再生用データ変換処理によれば、ディスプレイ18の表示レートに応じたボケ度合いの再生データに変換する際に、ディスプレイ18に表示させる各フレーム画像に対してボケ度合いを調整したい場合に有効である。以下に、具体的な数値例を示す。
区切り周期I=4枚のフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3に対する重みが、例えば、wi=8,wi+1=4,wi+2=2,wi+3=1である場合、フレームデータFi乃至Fi+3の注目画素の画素値ai,ai+1,ai+2,ai+3にそれぞれ対応する伝送用データF’i乃至F’i+3の画素値bi,bi+1,bi+2,bi+3は、次式(19)で表すことができる。
bi=(8ai+4ai+1+2ai+2+ai+3)/15
bi+1= (4ai+1+2ai+2+ai+3)/7
bi+2= (2ai+2+ai+3)/3
bi+3= (ai+3)/1
・・・(19)
再生装置16−1による図11に示した再生用データ変換処理後の再生データFi”乃至Fi+3”の画素値di,di+1,di+2,di+3は、次式(20)で表すことができる。
di =(15bi −7bi+1)/8=ai
di+1=( 7bi+1−3bi+2)/4=ai+1
di+2=( 3bi+2− bi+3)/2=ai+2
di+3= bi+3/1=ai+3
・・・(20)
また、再生装置16−2による図11に示した再生用データ変換処理後の再生データF”iおよびF”i+2の画素値diおよびdi+2は、次式(21)で表すことができる。
di =(15bi −3bi+1)/12=(2ai+ai+1)/3
di+2=bi+2 =(2ai+2+ai+3)/3
・・・(21)
さらに、再生装置16−3による図11に示した再生用データ変換処理後の再生データF”iの画素値diは、次式(22)で表すことができる。
di=bi=(8ai+4ai+1+2ai+2+ai+3)/15=
・・・(22)
このように、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3に対する重みを、フレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3の順に単調減少するように設定した場合、図5および図7に示したフレームデータFi,Fi+1,Fi+2,Fi+3それぞれに対して一様に加算平均する場合に比べて、ボケ効果が抑制されたフレーム画像を生成させることができる。
図12は、図1の表示システム1における記録装置13のその他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図2の記録装置13と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明を省略する。
カメラ11から記録装置13に供給されるフレームデータFが、カメラ11においてガンマ補正処理されたデータである場合、記録再生装置13において加算平均処理((13)式の処理)を正確に行うためには、カメラ11からのフレームデータFにガンマ逆補正処理を施す必要がある。
そこで、図12の記録装置13では、一時記憶部32と伝送用データ変換部33との間にガンマ逆補正部121が新たに設けられている点が図2の記録装置13と異なっている。
ガンマ逆補正部121は、カメラ11における撮像時(ガンマ補正処理前)の画素値(光量値)Yを、Y=U1/rcにより求めるガンマ逆補正処理を施す。ここで、Uは、カメラ11から供給された(ガンマ補正処理後の)画素値を表し、rcは、ガンマ補正値を表す。
図13は、図1の表示システム1において、図12の記録装置13と対応して用いられる再生装置16のその他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図4の再生装置16と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明を省略する。
図13の再生装置16は、再生用データ変換部74とディスプレイIF75との間にガンマ補正部161が新たに設けられている点以外は、図4の再生装置16と同様に構成されている。
ガンマ補正部161は、再生用データ変換部74から供給される再生データF”に対して、U=Yrcで表されるガンマ補正処理を施す。ここで、Yは、再生データF”の画素値を表し、Uは、ガンマ補正処理後の画素値を表す。
図12および図13に示したように、記録装置13および再生装置16を構成することで、カメラ11からガンマ補正処理が施されたフレームデータFが出力されている場合にも対応することができる。
図14は、表示システム1のその他の実施の形態の構成例を示している。
図14の表示システム1は、カメラ11、カメラケーブル12、記録装置201、再生装置221−1乃至221−3、ディスプレイケーブル17、およびディスプレイ18−1乃至18−3により構成されている。なお、再生装置221−1乃至221−3を特に区別する必要がない場合、単に再生装置221と称する。
記録装置201は、上述した記録装置13と同様に、カメラ11から供給されるフレームデータFに対して区切り周期Iごとに伝送用データ変換処理を施し、処理後の伝送用データF’を記録媒体211−1乃至211−3に記録する。
再生装置221−1乃至221−3それぞれは、上述した再生装置16と同様に、記録媒体211−1乃至211−3から読み出された伝送用データF’を再生データF”に変換し、ディスプレイ18−1乃至18−3に供給する。
即ち、図1の表示システム1では、記録装置13で生成された伝送用データF’が、ネットワーク14上を伝送し、プロキシサーバ15を経由して再生装置16に供給されていたが、図14の表示システム1においては、記録装置201で生成された伝送用データFが、記録媒体211−1乃至211−3それぞれにより再生装置221−1乃至221−3に供給されるようになされている。
なお、図1の表示システム1においてプロキシサーバ15が行っていた、ディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに応じた間引き処理は、記録装置201か、または再生装置221のいずれか一方の装置で行われる。
例えば、間引き処理が記録装置201で行われる場合、記録装置201は、間引き値h=1の再生装置221−1用の伝送用データF’を光ディスク(記録媒体)211−1に記録する。また、記録装置201は、間引き値h=2の再生装置221−2用の伝送用データF’を記録媒体211−2に記録し、間引き値h=4の再生装置221−3用の伝送用データF’を記録媒体211−3に記録する。即ち、記録媒体211−1乃至211−3それぞれに記録される伝送用データF’は、再生装置221−1乃至221−3の間引き値hに応じて異なるものとなる。
記録媒体211−1乃至211−3それぞれに記録される伝送用データF’が、再生装置221−1乃至221−3の間引き値hに応じて異なる場合、間引き値hが区切り周期Iと等しい(h=I=4)再生装置221−3は、(7)式で表されるように、di=biとなるので、再生用データ変換処理を行う必要がない。
一方、間引き処理が記録装置201で行われる場合、記録装置201は、記録装置13が出力するのと同様の伝送用データF’を記録媒体211−1乃至211−3に記録する。従って、記録媒体211−1乃至211−3は同一のものとなる。そして、再生装置221−1乃至221−3それぞれは、自分に接続されているディスプレイ18−1乃至18−3の表示レートに応じて間引き処理を行う。
図15は、記録装置201の詳細な構成例を示すブロック図である。
図15の記録装置201は、伝送用データ変換部33とデータ圧縮部34との間に、間引き処理部241が設けられている以外は、図2の記録装置13と同様に構成されている。
伝送用データ変換部33からの伝送用データF’は、データ圧縮部34に供給される他に、間引き処理部241にも供給される。間引き処理部241は、図3のプロキシサーバ15の間引き処理部54と同様の間引き処理を行い、処理後の伝送用データF’をデータ圧縮部34に供給する。なお、間引き処理に必要な間引き値hなどのデータは、例えば、図示せぬ操作部などにおいてユーザにより入力される。
媒体記録再生装置36には、光ディスク42(図2)に代えて光ディスク221−1乃至221−3のいずれかが装着される。そして、媒体記録再生装置36は、データ圧縮部34から供給される伝送用データF’を、装着された光ディスク221−1乃至221−3(のいずれか)に記録する。
なお、光ディスク221−1乃至221−3に記録する伝送用データF’を間引き処理されたものとするか否かについては、図示せぬ操作部または制御部などから、必要に応じて選択(指定)することが可能である。また、間引き処理部241とデータ圧縮部34の処理順は逆でも良い。即ち、データ圧縮部34によるデータ圧縮後に、間引き処理を行うようにすることもできる。
図16は、再生装置221の詳細な構成例を示すブロック図である。
図16の再生装置221は、一時記憶部72とデータ伸長部73との間に、間引き処理部261が設けられている以外は、図4の再生装置16と同様に構成されている。
媒体記録再生装置77には、光ディスク82(図4)に代えて光ディスク221−1乃至221−3のいずれかが装着される。媒体記録再生装置77は、光ディスク221−1乃至221−3(のいずれか)に記録されている伝送用データF’を読み出し、一時記憶部72に供給する。
一時記憶部72からの伝送用データF’は、データ伸長部73に供給される他に、間引き処理部261にも供給される。間引き処理部261は、ディスプレイ仕様保持部76から供給される間引き値hに基づいて、図3のプロキシサーバ15の間引き処理部54と同様の間引き処理を行い、処理後の伝送用データF’をデータ伸長部73に供給する。なお、間引き処理部261とデータ伸長部73の処理順は逆でも良い。即ち、データ伸長部73によるデータ伸長後に、間引き処理を行うようにすることもできる。
なお、記録装置13と再生装置16とが、図1に示したようにネットワーク14を介して伝送用データF’を授受する場合であっても、間引き処理(フレームレート変換処理)を行う装置(図1では、プロキシサーバ15)を介さない場合には、記録装置13または再生装置16に代えて、記録装置201または再生装置221を採用することが可能である。
また、図1および図14の表示システム1において、伝送用データF’をデータ圧縮して伝送または記録しない場合には、記録装置13(201)や再生装置16(221)において、データ圧縮部34またはデータ伸長部73を省略することができる。
以上のように、図1および図14の表示システム1によれば、撮像フレームレートと異なる表示レートで(撮像フレームレートより低い表示レートで)画像を再生するための間引き処理が行われたとしても、撮像フレームレートのフレームデータFを、表示フレームレート(表示レート)に応じて平均化した、連続するh枚のフレームデータFの加算平均画像として表示することができるので、従来の単なる間引き処理により生じていた移動物体の離散的な動き(ジャーキネス)を抑制した画像を再生(表示)させることができる。即ち、従来より高画質で画像データを再生することができる。
また、表示システム1によれば、撮像フレームレート以下の表示レートであって、異なる複数の表示レートで複数のディスプレイ18にそれぞれ表示させる場合でも、記録装置13(201)は、1種類の伝送用データF’を供給(伝送)するだけでよい。
なお、図1の表示システム1では、伝送用データF’i,F’i+1,F’i+2,F’i+3として、AVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi+2,Fi+3),Fi+3の順に伝送するようにしたが、Fi+3,AVE(Fi+2,Fi+3)AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3)や、AVE(Fi+1,Fi+2,Fi+3),AVE(Fi,Fi+1,Fi+2,Fi+3),Fi+3, AVE(Fi+2,Fi+3)の順に伝送するようにしてもよい。即ち、伝送用データ変換処理により得られた区切り周期Iの伝送用データF’を、どのような順番で供給(伝送または記録)するかは、限定されない。但し、間引き処理において間引く位置(データ)が変わるので、どのような順番で伝送するかを予め決定(固定)しておく必要はある。
上述した一連の処理は、専用のハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアによって行う場合、例えば、その一連の処理は、図17に示されるような(パーソナル)コンピュータにプログラムを実行させることにより実現することができる。
即ち、図17は、上述した記録装置13(201)、プロキシサーバ15、または再生装置16(221)のハードウエア構成例を示すブロック図である。
図17において、CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302に記憶されているプログラム、または記憶部308からRAM(Random Access Memory)303にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304を介して相互に接続されている。このバス304にはまた、入出力インタフェース305も接続されている。
入出力インタフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部307、ハードディスクなどより構成される記憶部308、ターミナルアダプタ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデムや、LAN (Local Area Network)カード等より構成される通信部309が接続されている。通信部309は、インターネットなどの各種のネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース305にはまた、必要に応じてドライブ310が接続され、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア(記録媒体)321が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部308にインストールされる。
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1 表示システム, 13 記録装置, 15 プロキシサーバ, 16−1乃至16−3 再生装置, 18−1乃至18−3 ディスプレイ, 33 伝送用データ変換部, 34 データ圧縮部, 36 媒体記録再生装置, 54 間引き処理部, 55 送信フレームレート保持部, 73 データ伸長部, 74 再生用データ変換部, 76 ディスプレイ仕様保持部, 77 媒体記録再生装置, 121 ガンマ逆補正部, 161 ガンマ補正部, 201 記録装置, 211−1乃至211−3 光ディスク, 221−1乃至221−3 再生装置, 241 間引き処理部, 261 間引き処理部