JP4796710B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示装置、特に入力映像信号の信号レベルに基づいて省電力動作を行う表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピューター(以下、「PC」と呼ぶ)などのモニタ(「表示装置」とも呼ぶ)として使用される液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と呼ぶ)の省電力化に関する技術としては、例えば特開平6−95069号公報に開示されている従来技術がある。この従来技術は、透過型LCDの背後で発光するバックライトの輝度を低減することによって、省電力化を図るものである。具体的には、表示画面が、バックライトを遮る部分が多い場合には、つまり表示画面の映像に黒色部分が多い場合には、バックライトの輝度がそれほど必要とされていないので、バックライトの輝度を低下させて、消費電力を低減する。また、バックライトを遮る部分が少ない場合には、通常のバックライト輝度にして、表示品質を確保する。このように、バックライトの輝度を、表示画面の表示状態に応じて調整することにより、表示品質を劣化せずに、省電力化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のPCでは、一定時間の間、例えばキーボード入力がなければ、モニタの焼き付きを防止するために「スクリーンセーバー」と呼ばれる機能によって、モニタの表示画面に様々な動きのある映像が表示される。このとき、表示される映像は通常黒色部分が多く、焼き付き防止とともにモニタの消費電力の低減も図られている。モニタとしてCRT(陰極線管)を使用した場合、電子銃で取り出されるカソード電流の値によって表示画面の輝度は制御されるため、輝度の低い黒色部分の多い映像を表示画面に表示することによってCRTの消費電力を低減することができる。
【0004】
一方、モニタとしてLCDを使用した場合、バックライトでの消費電力が大きいため、バックライトからの光の透過量をLCD側で制御し、表示画面に黒色部分の多い映像を表示しただけでは、十分に省電力化を図ることができず、所望の省電力化を図るためにはバックライトの輝度を低減する必要があった。バックライトの輝度を低減する技術としては、上述の特開平6−95069号公報に開示されている従来技術がある。この従来技術では、表示画面全体におけるバックライトを遮る部分の割合を用いるため、通常動作において表示画面に黒色部分の多い映像を表示すると、スクリーンセーバーが働いていると誤って判断してしまい、通常動作時にバックライトの輝度を低減する確率が高いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上述のような問題を解決するためになされたものであり、スクリーンセーバーと通常動作との識別性を向上させ、その結果、通常動作時に誤って省電力動作が行われる確率を低減する表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1に記載の表示装置は、表示画面を有する透過型の表示部と、前記表示部に透過光を照射する発光部と、入力映像信号に基づいて前記表示画面に映像を表示する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記表示画面における所定の第1部分領域の前記映像に対応する前記入力映像信号の信号レベルを第1の所定の値と比較し、前記第1部分領域において、前記入力映像信号の信号レベルが前記第1の所定の値より低い値の画素数が前記第1部分領域の全画素数に対して第1の所定の比率よりも多いときに前記入力映像信号がスクリーンセーバーによるものと識別し、前記発光部の発光輝度を低下させて省電力動作を行うものである。
【0007】
また、この発明のうち請求項2に記載の表示装置は、請求項1に記載の表示装置であって、前記表示画面の前記第1部分領域は、複数の第2部分領域から成り、
前記表示制御部は、各前記第2部分領域の前記映像に対応する前記入力映像信号の信号レベルを第2の所定の値と比較し、各前記第2部分領域において、前記入力映像信号の信号レベルが前記第2の所定の値よりも高い値の画素数が、各前記第2部分領域の各全画素数に対して第2の所定の割合よりも大きい部分領域が存在しないときに前記入力映像信号がスクリーンセーバーによるものと識別し、前記発光部の発光輝度を低下させて省電力動作を行うものである。
【0008】
また、この発明のうち請求項3に記載の表示装置は、請求項1又は請求項2のいずれか一つに記載の表示装置であって、前記第1部分領域は、前記表示画面の周辺から該表示画面の内側に所定の画素数までの範囲に含まれ、前記表示画面の一部になるように定められた領域であるものである。
【0009】
また、この発明のうち請求項4に記載の表示装置は、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の表示装置であって、前記省電力動作には、前記発光部の発光を停止することが含まれるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本実施の形態1に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置100は表示部1と表示制御部2とを備えている。表示部1は、複数の画素(図示せず)から成る表示画面7を有するフラットパネル6と、フラットパネル6に光を照射するバックライト8とを備えており、表示制御部2は、画素変換部3と、バックライト8を駆動するバックライトインバータ4と、マイクロコンピューター5とを備えている。また、フラットパネル6は、例えば透過型LCDである。
【0013】
本実施の形態1に係る表示装置100では、外部から入力映像信号(以下、単に「映像信号」と呼ぶ)が画素変換部3に入力される。画素変換部3では、入力された映像信号に基づきフラットパネル6を制御し、バックライト8からの光の遮光量を変化させることにより、表示画面7に様々な映像を表示する。
【0014】
マイクロコンピューター5は、後述する信号レベル比較結果を画素変換部3から受け取り、バックライトインバータ4に輝度調整信号を送る。また、マイクロコンピューター5は、画素変換部3に各種設定を行ったり、画素変換部3に入力される映像信号を画素変換部3から読み取ることができる。そして、バックライトインバータ4は受け取った輝度調整信号に基づき、バックライト8に所定電圧を印可し、バックライト8の輝度を調整する。
【0015】
上述の構成を備える表示装置100を例えばPCのモニタとして採用した場合、画素変換部3に入力される映像信号は、図1では図示していない、例えばPC本体から送られてくる。PCに上述のスクリーンセーバーが働いているとき、入力される映像信号に基づいて表示画面7に映像を表示すると、通常、表示画面7のほぼ全領域に渡って、黒色部分が多い映像が表示される。
【0016】
また、PCのOSとして採用されているWindows(登録商標)における通常動作時の表示画面7には、「タスクバー」と呼ばれる映像が表示される。タスクバーは、例えば、灰色の棒にPC上で起動しているアプリケーションを切り替えるためのボタンが表示されている。図2は本実施の形態1に係る表示画面7においてタスクバーが表示される領域を示す図である。図2(a)〜(d)に示すように、タスクバーは部分領域10a〜10dのいずれかの周辺領域に表示される。なお、通常、スクリーンセーバーが働いているときには、タスクバーは表示されず、表示画面7の部分領域10a〜10dには、黒色部分が多い映像が表示される。
【0017】
上述のタスクバーは、通常動作時に表示画面7に表示されるが、タスクバーを隠す設定を行った場合でも、タスクバーは、隠す設定を行う前よりも細い、灰色の帯となって表示画面7の部分領域10a〜10dのいずれかの周辺領域に表示される。つまり、タスクバーは、表示される領域の大きさに変更はあるものの、通常動作では常に表示画面7に表示される。また、タスクバーの輝度は、通常スクリーンセーバーが働いているときに表示画面7の部分領域10a〜10dに表示される映像の輝度よりも全体的に高い。
【0018】
このように、表示画面7の部分領域10a〜10dにおいて、通常動作時に表示されるタスクバーは、スクリーンセーバーが働いているときに表示される映像よりも、その輝度が全体的に高いため、部分領域10a〜10dに表示される映像の輝度を検出することによって、表示装置100に入力される映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかを識別することができる。また、映像信号の信号レベルが、表示画面7に表示される映像の輝度を表しているため、映像信号の信号レベルを検出することによって、入力される映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかを識別することができる。そして、その識別結果をもとに、表示装置100は省電力動作を行う。
【0019】
次に、本実施の形態1に係る表示装置100の省電力動作について詳細に説明する。図3は本実施の形態1に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。また、図4は図3に示す省電力動作において信号レベルを検出する領域を示す図であって、タスクバーが図2中の部分領域10a〜10dのどの領域に表示されるかは表示装置100のユーザーによって異なるため、本実施の形態1では、部分領域10a〜10dのすべてを包含した部分領域10を利用する。
【0020】
図3中のステップS1〜S3は、入力される映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかを識別するための工程であって、ステップS4,S5は省電力動作を実際に行う工程である。
【0021】
ステップS1では、画素変換部3は表示画面7における部分領域10の各画素に対応する映像信号の信号レベルを検出する。そして、ステップS2では、画素変換部3はステップS1で検出した信号レベルのそれぞれと、マイクロコンピューター5によって設定された基準値xとを比較する。ここで、基準値xは、例えば通常動作時に表示されるタスクバーにおける各画素に対応する映像信号の信号レベルをもとに設定される値である。なお、各信号レベルと基準値xとの比較結果を「信号レベル比較結果x」と呼ぶ。そして、画素変換部3は信号レベル比較結果xをマイクロコンピューター5に送る。
【0022】
ステップS3では、マイクロコンピューター5は受け取った信号レベル比較結果xから、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数に対して占める割合を計算する。そして、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数のA%以上であるとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号がスクリーンセーバーによるものと判断し、バックライトインバータ4にスクリーンセーバー時の輝度にするように輝度調整信号を送る。バックライトインバータ4は受け取った輝度調整信号をもとにバックライト8の輝度を下げる。その結果、表示装置100の消費電力が低減される。また、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数のA%未満であるとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号が通常動作によるものと判断し、バックライトインバータ4には通常動作時の輝度調整信号を送る。そして、バックライトインバータ4はバックライト8の輝度を通常動作時にする。ここで、上述の数値「A」は、基準値xの設定方法や、通常動作時に表示されるタスクバーが部分領域10に対して占める割合などによって決定される値である。
【0023】
上述のように、本実施の形態1に係る表示装置100の省電力動作では、表示画面7の全領域ではなく、表示画面7の部分領域10における映像に対応する映像信号の信号レベルに基づいて、入力される映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかを識別しているため、スクリーンセーバーと通常動作との識別性が向上する。その結果、通常動作時に誤って省電力動作を行う確率が低減される。
【0024】
具体的には、上述の特開平6−95069号公報に開示されている従来技術では、表示画面全体を利用してバックライトの輝度調整を行っており、本実施の形態1に係る表示装置100の省電力動作では、表示画面7の全体ではなく、部分領域10を利用してバックライトの輝度を調整している。ここで、本実施の形態1において使用したタスクバーのように、通常動作時において、スクリーンセーバーが働いているときに表示される映像よりもその輝度が高い領域、つまりスクリーンセーバーと通常動作との識別を可能にする領域を「識別可能領域」と呼ぶ。また、本実施の形態1において使用した部分領域10のように、識別可能領域を含み、スクリーンセーバーと通常動作との識別を行う際に使用する領域を「識別対象領域」と呼ぶ。識別可能領域が識別対象領域に対して占める割合は、識別対象領域を表示画面7の全領域に設定したときよりも、表示画面7の部分領域10に設定したときの方が大きいため、表示画面7の全体を利用してスクリーンセーバーと通常動作とを識別するよりも、部分領域10を利用してスクリーンセーバーと通常動作とを識別する方が、識別性は向上する。その結果、上述のように、通常動作時に誤ってバックライトの輝度を下げる確率、つまり省電力動作を行う確率は、特開平6−95069号公報に開示されている従来技術よりも低減される。
【0025】
なお、本実施の形態1に係る表示装置100の省電力動作において、図3のステップS4では、バックライトの輝度を下げることによって、表示装置100の消費電力を低減していたが、バックライトを完全にオフにすることによって表示装置100の消費電力を低減しても良いし、バックライトの輝度の低減とバックライトのオフとをユーザーの設定によって選択し、表示装置100の消費電力を低減し、省電力動作を行ってもよい。
【0026】
図5は本実施の形態1に係る表示装置100の変形例の構成を示すブロック図であって、図中の表示装置101は、図1に示す表示装置100において、バックライトの輝度を調整する機能の代わりに、バックライトを完全にオフする機能を有している。また、図6は本実施の形態1に係る表示装置100の変形例の構成を示すブロック図であって、図中の表示装置102は、図1に示す表示装置100において、バックライトの輝度を調整する機能に加えて、バックライトを完全にオフする機能を備えている。
【0027】
図5に示すように、表示装置101の表示制御部2はスイッチ9を更に備えている。スイッチ9には、表示装置101の外部からバックライトインバータ電源(以後、「インバータ電源」と呼ぶ)が供給され、バックライトインバータ4にはスイッチ9を介してインバータ電源が供給される。
【0028】
マイクロコンピューター5はスイッチ9をオン/オフすることによって、バックライトインバータ4へのインバータ電源の供給を制御する。バックライトインバータ4へのインバータ電源の供給が停止されると、バックライトインバータ4からバックライト8に電圧が出力されなくなるため、バックライト8はオフとなる。また、バックライトインバータ4へのインバータ電源の供給が開始されると、バックライトインバータ4から所定電圧がバックライト8に出力され、バックライト8はオンとなる。その他の構成については、上述の表示装置100と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0029】
また、図6に示すように、表示装置102の表示制御部2はスイッチ9を更に備えている。スイッチ9には、表示装置102の外部からインバータ電源が供給され、バックライトインバータ4にはスイッチ9を介してインバータ電源が供給される。
【0030】
マイクロコンピューター5はスイッチ9をオン/オフすることによって、バックライトインバータ4へのインバータ電源の供給を制御する。また、上述の表示装置100と同様に、マイクロコンピューター5はバックライトインバータ4に輝度調整信号を送ることも可能である。マイクロコンピューター5は、表示装置102の外部から入力される選択信号に基づいて、スイッチ9をオン/オフするか、バックライトインバータ4に輝度調整信号を送るかの選択を行う。ここで、選択信号は、例えばPCのユーザーが所定の操作をすることによって送られてくる信号である。つまり、マイクロコンピューター5は、ユーザーの要望に沿って、スイッチ9をオン/オフするか、バックライトインバータ4に輝度調整信号を送るかの選択、つまりバックライト8をオン/オフするか、バックライト8の輝度を調整するかの選択を行う。その他の構成については、上述の表示装置100と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0031】
このように、表示装置101はバックライト8の輝度を調整する機能の代わりに、バックライト8をオン/オフする機能を有しているため、図3に示す省電力動作を表示装置101に適用すると、図3に示すステップS4において、バックライト8の輝度を下げる代わりに、バックライト8を完全にオフすることによって、省電力化を図ることができる。
【0032】
また、表示装置102はバックライト8の輝度を調整する機能と、バックライト8をオン/オフする機能とを有し、選択信号に基づいてどちらの機能を使用するか選択されるため、図3に示す省電力動作を表示装置102に適用すると、図3に示すステップS4において、バックライト8の輝度を下げて省電力化を図るか、バックライト8をオフすることによって省電力化を図るかをユーザーの要望に沿って選択することができる。なお、バックライト8をオフすると表示画面7には映像が表示されない。そのため、表示画面7に映像を表示した状態で省電力化を図るためには、バックライト8の輝度を下げる必要がある。
【0033】
また、通常タスクバーは表示画面7の周辺領域に表示されるため、本実施の形態1のように、識別対象領域を表示画面7の周辺領域である部分領域10に設定することは有効である。
【0034】
また、本実施の形態1では、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数に占める割合に基づいて、入力された映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかの判断を行っていたが、本発明において、当該判断の方法は、これに限定されるものではない。例えば、部分領域10の各画素に対応する映像信号の信号レベルを、部分領域10の全画素に渡って積算し、その積算値と基準値とを比較することによって、当該判断を行うことができる。
【0035】
実施の形態2.
図7は本実施の形態2に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。上述の実施の形態1における省電力動作では、タスクバーが表示される領域が、表示画面7の部分領域10a〜10dのどの領域に表示されるか分からなかったため、部分領域10a〜10dの領域をすべて包含する部分領域10を利用して、スクリーンセーバーと通常動作との識別を行った。本実施の形態2における省電力動作では、部分領域10a〜10dのそれぞれの領域ごとに、基準値yと映像信号の信号レベルとを比較する。
【0036】
図7中のステップS11では、画素変換部3は部分領域10aの各画素に対応する映像信号の信号レベルを検出する。同様に、部分領域10b,10c,10dのそれぞれにおいて、各画素に対応する映像信号の信号レベルを検出する。そして、ステップS12では、画素変換部3は、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、ステップS11で検出した信号レベルのそれぞれと、マイクロコンピューター5によって設定された基準値yとを比較する。ここで、基準値yは、例えば通常動作時に表示されるタスクバーにおける各画素に対応する映像信号の信号レベルをもとに設定される値である。なお、各信号レベルと基準値yとの比較結果を「信号レベル比較結果y」と呼ぶ。そして、画素変換部3は信号レベル比較結果yをマイクロコンピューター5に送る。
【0037】
ステップS13では、マイクロコンピューター5は受け取った信号レベル比較結果yから、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、基準値yより高い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける全画素数に対して占める割合を計算する。そして、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、基準値yより高い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける全画素数のB%以上である部分領域が存在しないとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号がスクリーンセーバーによるものと判断し、バックライトインバータ4にスクリーンセーバー時の輝度にするように輝度調整信号を送る。バックライトインバータ4は受け取った輝度調整信号をもとにバックライト8の輝度を下げる。その結果、表示装置100の消費電力が低減される。また、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、基準値yより高い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける全画素数のB%以上である部分領域が存在するとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号が通常動作によるものと判断し、バックライトインバータ4には通常動作時の輝度調整信号を送る。そして、バックライトインバータ4はバックライト8の輝度を通常動作時の輝度にする。ここで、上述の数値「B」は、基準値yの設定方法や、通常動作時に表示されるタスクバーが部分領域10a〜10dのいずれかの領域に対して占める割合などによって決定される値である。
【0038】
上述のように、本実施の形態2に係る表示装置100の省電力動作では、表示画面7の部分領域10a〜10dのすべてを包含した部分領域10ではなく、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける映像に対応する映像信号の信号レベルに基づいて、入力される映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかを識別しているため、スクリーンセーバーと通常動作との識別性がさらに向上する。
【0039】
具体的には、通常動作時に表示されるタスクバーのような識別可能領域が、識別対象領域に対して占める割合は、識別対象領域を部分領域10に設定したときよりも、部分領域10a〜10dのそれぞれに設定したときの方が、部分領域10a〜10dのいずれか一つの領域においては、大きくなる。そのため、部分領域10を利用してスクリーンセーバーと通常動作とを識別するよりも、部分領域10a〜10dのそれぞれを利用してスクリーンセーバーと通常動作とを識別する方が、識別性は向上する。
【0040】
なお、本実施の形態2における省電力動作は、バックライト8の輝度を下げることによって行われているが、上述の表示装置101に、本実施の形態2における省電力動作を適用すると、バックライト8をオフすることによって省電力化を図ることができる。また、上述の表示装置102に、本実施の形態2における省電力動作を適用すると、バックライト8の輝度を下げて省電力化を図るか、バックライト8をオフすることによって省電力化を図るかをユーザーの要望に沿って選択することができる。
【0041】
実施の形態3.
図8は本実施の形態3に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。図8に示す省電力動作は、上述の実施の形態1において、表示画面7の全領域における映像に対応する映像信号の信号レベルと基準値zとを比較し、その比較結果を利用する工程を更に備えるものである。
【0042】
図8中のステップS1,S2は、図3中のステップS1,S2と同様であるため、説明を省略する。ステップS3では、マイクロコンピューター5は受け取った信号レベル比較結果xから、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数に対して占める割合を計算する。そして、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数のA%以上であるとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号がスクリーンセーバーによるものと判断し、バックライトインバータ4にスクリーンセーバー時の輝度にするように輝度調整信号を送る。バックライトインバータ4は受け取った輝度調整信号をもとにバックライト8の輝度を下げる。その結果、表示装置100の消費電力が低減される。また、基準値xより低い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10の全画素数のA%未満であるとき、ステップS21に移る。
【0043】
ステップS21では、画素変換部3は表示画面7の全領域の各画素に対応する映像信号の信号レベルを検出する。そして、ステップS22では、画素変換部3はステップS21で検出した信号レベルのそれぞれと、マイクロコンピューター5によって設定された基準値zとを比較する。ここで、基準値zは、例えば通常動作時に表示される全画面における各画素に対応する映像信号の信号レベルをもとに設定される値である。なお、各信号レベルと基準値zとの比較結果を「信号レベル比較結果z」と呼ぶ。そして、画素変換部3は信号レベル比較結果zをマイクロコンピューター5に送る。
【0044】
ステップS23では、マイクロコンピューター5は受け取った信号レベル比較結果zから、基準値zより低い信号レベルに対応する画素の数が、表示画面7の全領域における全画素数に対して占める割合を計算する。そして、基準値zより低い信号レベルに対応する画素の数が、表示画面7の全領域における全画素数のC%以上であるとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号がスクリーンセーバーによるものと判断し、バックライトインバータ4にスクリーンセーバー時の輝度にするように輝度調整信号を送る。バックライトインバータ4は受け取った輝度調整信号をもとにバックライト8の輝度を下げる。その結果、表示装置100の消費電力が低減される。また、基準値zより低い信号レベルに対応する画素の数が、表示画面7の全領域における全画素数のC%未満であるとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号が通常動作によるものと判断し、バックライトインバータ4には通常動作時の輝度調整信号を送る。そして、バックライトインバータ4はバックライト8の輝度を通常動作時にする。ここで、上述の数値「C」は、基準値zの設定方法や、通常動作時に表示される画像が表示画面7の全領域に対して占める割合などによって決定される値である。
【0045】
図9は本実施の形態3に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートであって、上述の実施の形態2において、表示画面7の全領域における映像に対応する映像信号の信号レベルと基準値zとを比較し、その比較結果を利用する工程を更に備えるものである。
【0046】
図9中のステップS11,S12は、図7中のステップS11,S12と同様であるため、説明を省略する。ステップS13では、マイクロコンピューター5は受け取った信号レベル比較結果yから、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、基準値yより高い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける全画素数に対して占める割合を計算する。そして、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、基準値yより高い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける全画素数のB%以上である部分領域が存在しないとき、マイクロコンピューター5は入力された映像信号がスクリーンセーバーによるものと判断し、バックライトインバータ4にスクリーンセーバー時の輝度にするように輝度調整信号を送る。バックライトインバータ4は受け取った輝度調整信号をもとにバックライト8の輝度を下げる。その結果、表示装置100の消費電力が低減される。また、部分領域10a〜10dのそれぞれにおいて、基準値yより高い信号レベルに対応する画素の数が、部分領域10a〜10dのそれぞれにおける全画素数のB%以上である部分領域が存在するとき、ステップS21に移る。ステップS21〜S23ついては、図8中のステップS21〜S23と同じであるため、説明は省略する。
【0047】
上述のように、本実施の形態3に係る表示装置100の省電力動作では、部分領域10あるいは部分領域10a〜10dのそれぞれの映像に対応する映像信号の信号レベルに加えて、表示画面7の全領域における映像に対応する映像信号の信号レベルを利用しているため、スクリーンセーバーと通常動作との識別性が更に向上する。
【0048】
例えば、スクリーンセーバーが働いているときの部分領域10a〜10dにおける映像が、通常動作時に表示されるタスクバーの輝度と同等か、あるいはそれ以上の輝度を有している場合であっても、表示画面7の全領域を利用した識別を行っているため、スクリーンセーバーと通常動作との識別を行うことが可能となる。
【0049】
なお、本実施の形態3における省電力動作は、バックライト8の輝度を下げることによって行われているが、上述の表示装置101に、本実施の形態3における省電力動作を適用すると、バックライト8をオフすることによって省電力化を図ることができる。また、上述の表示装置102に、本実施の形態3における省電力動作を適用すると、バックライト8の輝度を下げて省電力化を図るか、バックライト8をオフすることによって省電力化を図るかをユーザーの要望に沿って選択することができる。
【0050】
また、実施の形態1〜3において、表示部1として、バックライト8によって光が照射されるフラットパネル6を使用したが、CRTや、例えばプラズマディスプレイパネル、EL(有機ELを含む)、LED、VFD(Vaccum Fluorescense Display)、FED(Field Emission Display)などの自発光型フラットパネルを使用しても良い。表示部1にCRTを使用した場合、CRTの表示画面における映像の輝度調整は、電子銃で取り出すカソード電流値を調整することによって行うことができる。また、表示部1にプラズマディスプレイパネルを使用した場合、プラズマディスプレイパネルの表示画面における映像の輝度調整は、放電セルにおける放電回数の調整によって行うことができる。上述の他のディスプレイについても所定の方法で輝度を調整することができる。
【0051】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1に係る表示装置によれば、入力映像信号の信号レベルによって、入力映像信号がスクリーンセーバーによるものか、通常動作によるものかを識別する際、表示画面における全領域の映像に対応する入力映像信号の信号レベルに基づいて識別を行うよりも、表示画面において、スクリーンセーバーによって表示される映像の輝度よりも、通常動作によって表示される映像の輝度の方が高い領域(識別可能領域)を少なくとも含む部分領域に、第1部分領域を設定し、その第1部分領域の映像に対応する入力映像信号の信号レベルに基づいて識別を行う方が、スクリーンセーバーと通常動作との識別性が向上する。よって、誤って通常動作時に省電力動作を行うことが低減される。
【0052】
また、この発明のうち請求項2に係る表示装置によれば、第1部分領域に、識別可能領域以外の領域を含む際、第2部分領域のいずれかの領域に含まれる識別可能領域は、第1部分領域よりも多いため、第1部分領域の映像に対応する入力映像信号の入力信号レベルに基づいてスクリーンセーバーと通常動作との識別を行うより、各第2部分領域の映像に対応する入力映像信号の信号レベルに基づいて識別を行う方が、スクリーンセーバーと通常動作との識別性がさらに向上する。
【0053】
また、この発明のうち請求項3に係る表示装置によれば、通常、識別可能領域は、表示画面の周辺領域に設定されることが多い。そのため、識別可能領域以外の領域を、第1部分領域が含む量が少なくなる。そのため、スクリーンセーバーと通常動作との識別性がさらに向上する。
【0054】
また、この発明のうち請求項4に係る表示装置によれば、表示画面における第1部分領域の映像に対応する入力映像信号の信号レベルと、全領域の映像に対応する入力映像信号の信号レベルとの両方に基づいて、スクリーンセーバーと通常動作との識別を行うことができるため、スクリーンセーバーと通常動作との識別性がさらに向上する。
【0055】
また、この発明のうち請求項5に係る表示装置によれば、表示画面に映像を表示した状態で、省電力動作を行うことができる。
【0056】
また、この発明のうち請求項6に係る表示装置によれば、省電力動作として、輝度調整及び輝度調整以外の動作のいずれか一方の省電力動作を選択することができるため、よりユーザーの要望に沿った表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態1に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】 本実施の形態1に係る表示画面7においてタスクバーが表示される領域を示す図である。
【図3】 本実施の形態1に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。
【図4】 本実施の形態1に係る表示装置100の省電力動作において、信号レベルを検出する領域を示す図である。
【図5】 本実施の形態1に係る表示装置100の変形例の構成を示すブロック図である。
【図6】 本実施の形態1に係る表示装置100の変形例の構成を示すブロック図である。
【図7】 本実施の形態2に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。
【図8】 本実施の形態3に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。
【図9】 本実施の形態3に係る表示装置100における省電力動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 表示部、2 表示制御部、6 フラットパネル、7 表示画面、8 バックライト、100〜102 表示装置。

Claims (4)

  1. 表示画面を有する透過型の表示部と、
    前記表示部に透過光を照射する発光部と、
    入力映像信号に基づいて前記表示画面に映像を表示する表示制御部とを備え、
    前記表示制御部は、
    前記表示画面における所定の第1部分領域の前記映像に対応する前記入力映像信号の信号レベルを第1の所定の値と比較し、前記第1部分領域において、前記入力映像信号の信号レベルが前記第1の所定の値より低い値の画素数が前記第1部分領域の全画素数に対して第1の所定の比率よりも多いときに前記入力映像信号がスクリーンセーバーによるものと識別し、前記発光部の発光輝度を低下させて省電力動作を行う表示装置。
  2. 前記表示画面の前記第1部分領域は、複数の第2部分領域から成り、
    前記表示制御部は、各前記第2部分領域の前記映像に対応する前記入力映像信号の信号レベルを第2の所定の値と比較し、各前記第2部分領域において、前記入力映像信号の信号レベルが前記第2の所定の値よりも高い値の画素数が、各前記第2部分領域の各全画素数に対して第2の所定の割合よりも大きい部分領域が存在しないときに前記入力映像信号がスクリーンセーバーによるものと識別し、前記発光部の発光輝度を低下させて省電力動作を行う、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第1部分領域は、前記表示画面の周辺から該表示画面の内側に所定の画素数までの範囲に含まれ、前記表示画面の一部になるように定められた領域である、請求項1又は請求項2のいずれか一つに記載の表示装置。
  4. 前記省電力動作には、前記発光部の発光を停止することが含まれる
    請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の表示装置。
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