以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るテレビジョン受信装置の実施の形態の構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示すテレビジョン受信装置の正面図であり、図3は、図1に示すチャンネル数変換処理部の機能を説明する説明図であり、図4は、図1に示すリモコン受光部の構成図であり、図5は、図1に示すメモリに記憶されているジャンル特定テーブル例を示す図であり、図6および図7は、図1に示すメモリに記憶されている音声出力モードテーブル例を示す図である。
本実施の形態のテレビジョン受信装置1は、図1を参照すると、アンテナ2と、チューナ3と、多重化復元部4と、映像復号部5と、音声復号部6と、コンテンツ情報復号部7と、表示部8と、オーディオ制御部9と、システムコントローラ10と、左右のフロントスピーカ11L、11Rと、センタスピーカ11Cと、サブウーファ11SWと、雑音検知部12と、リモコン受光部13と、アンプ14L、14R、14C、14SWと、ボリューム15と、遅延処理部16と、メモリ17と、操作部18とからなる。左右のフロントスピーカ11L、11Rと、センタスピーカ11Cと、サブウーファ11SWの配置は、図2に示すように、表示部8の左右に左右のフロントスピーカ11L、11Rがそれぞれ配置されていると共に、表示部8の下方にセンタスピーカ11Cが、表示部8の背面側にサブウーファ11SWがそれぞれ配置されている。
チューナ3は、アンテナ2によって受信された放送信号を所望の周波数が選局し、復調処理を行う。なお、アンテナ2によって受信される放送信号は、アナログ放送、BSアナログ放送、BSデジタル放送等であり、チューナ3によって復調される信号は、コンテンツの映像信号と音声信号および当該コンテンツに関する付加情報が時分割複合化された多重化信号として多重化復元部4に出力される。また、コンテンツとは、放送局からの放送信号によって供給される番組に限らず、インターネット等のネットワークを介して得られる番組、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から得られる番組を含むものとし、この場合には、ネットワークおよび記録媒体の再生装置からコンテンツの映像信号と音声信号および当該コンテンツに関する付加情報が時分割複合化された多重化信号が多重化復元部4に出力される。
多重化復元部4は、チューナ3(もしくはネットワーク、記録媒体の再生装置)から入力された多重化信号を映像信号と、音声信号と、付加情報とに分離し、分離した映像信号は、映像復号部5に、分離した音声信号は、音声復号部6に、分離した付加情報は、コンテンツ情報復号部7にそれぞれ出力する。なお、付加情報は、入力信号に多重されているジャンルコードや、EPG(Electronic Programming Guide)等の情報であり、コンテンツのジャンル(「映画」、「ドラマ」、「音楽」、「ドキュメンタリ」、「ニュース」等)が含まれているものとする。
映像復号部5は、多重化復元部4から入力された映像信号を復号化し、復号化された映像信号は、表示部8に表示される。表示部8としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT等の表示手段が用いられる。
音声復号部6は、多重化復元部4から入力された音声信号を復号化し、復号化された音声信号は、オーディオ制御部9によって加工された後、ボリューム15を介してアンプ14L、14R、14C、14SWで増幅され、左右のフロントスピーカ11L、11Rと、センタスピーカ11Cと、サブウーファ11SWとから音声出力される。
コンテンツ情報復号部7は、多重化復元部4から入力された付加情報を復号化すると共に、復号化された付加情報からジャンルを抽出し、抽出したジャンルがコンテンツ情報としてシステムコントローラ10に出力される。なお、同一のコンテンツに複数のジャンルが設定されている場合、すなわち付加情報として同一のコンテンツに複数のジャンルが含まれている場合には、抽出した複数のジャンルがシステムコントローラ10に出力される。
オーディオ制御部9は、音声復号部6によって復号化された音声信号に加工を施す音質調整手段であり、チャンネル数変換処理部91と、音場変更処理部92と、強調処理部93と、イコライザ処理部94とからなる。
チャンネル数変換処理部91は、音声復号部6によって復号化された音声信号のチャンネル数を変換する機能を有し、チャンネル数変換処理として、例えば、5.1chの音声信号を3.1ch又は1chに、2chの音声信号を1chに、3.1chの音声信号を1chにそれぞれ変換するダウンミックス処理、5.1chの音声信号を3.1ch又は2chに変換するバーチャルサラウンド処理、2chの音声信号を3.1ch又は5.1chに変換するマトリクスデコード処理、1chの音声信号を2chに変換するステレオ変換処理が行われる。
音場変更処理部92は、音場、すなわちリスニング環境を変更する機能を有し、例えば、スイートスポットを拡大するスイートスポット拡大処理、仮想的なスピーカ位置をスピーカの外側に移動させるスピーカ位置変更処理が行われる。
強調処理部93は、センタスピーカ11Cからの音声出力を他のスピーカから音声出力よりも強調する機能を有し、例えば、センタスピーカ11Cから出力される音声信号のみを増幅するセンタ強調処理、センタスピーカ11Cから出力される音声信号を増幅すると共に、他のスピーカから出力される音声信号を減幅するバランス調整処理が行われる。
イコライザ処理部94は、周波数帯域毎に、ゲインを増減して音質をコントロールする機能を有し、フロントスピーカ11L、11Rの指向性による周波数特性を補正する指向性補正処理を行うと共に、低音を増幅する低音増強処理を行う。
雑音検知部12は、テレビジョン受信装置1周辺の雑音を集音するマイクを有し、雑音レベルが予め定められた所定値以上である場合には、雑音レベルが予め定められた所定値以上であることを知らせる雑音信号をシステムコントローラ10に出力する。なお、リモコン20にマイクを設け、リモコン20周辺の雑音を集音し、リモコン20周辺の雑音レベルが予め定められた所定値以上である場合に、リモコン20からシステムコントローラ10にリモコン受光部13を介して雑音信号が出力されるようにしても良い。
リモコン受光部13は、リモコン20からの操作信号(赤外線)を受信し、受信した操作信号をシステムコントローラ10に出力すると共に、リモコン20の距離および方向を検出して、検出したリモコン20の位置をシステムコントローラ10に出力する。リモコン受光部13は、図4を参照すると、取り付け方向が異なる受光素子131a、131b、131cを備えており、各受光素子131a、131b、131cの受信感度の光学指向性は、図4に符号132a、132b、132cで示すように、テレビジョン受信装置1前面側の異なるエリアをカバーするように設定されている。従って、受光素子131a、131b、131cの出力レベルを判定することで、テレビジョン受信装置1に対するリモコン20の位置を検出することができる。
遅延処理部16は、左のフロントスピーカ11Lから出力される音声信号、もしくは右のフロントスピーカ11Rから出力される音声信号のいずれかを遅延させる遅延処理を行う。
メモリ17は、コンテンツ情報復号部7によって抽出されたコンテンツ情報が記憶されると共に、コンテンツに複数のジャンルが設定されている場合に、コンテンツのジャンルを特定するジャンル特定テーブルと、コンテンツのジャンル、コンテンツのチャンネル数、リモコン受光部13によって検出されるリモコン20の位置および雑音検知部12によって検出される雑音レベルの各種条件に応じた音声出力モードが定義されている音声出力モードテーブルがそれぞれ記憶されている。
ジャンル特定テーブルは、図5に示すように、複数のジャンルを組み合わせた登録ジャンルが定義されていると共に、各ジャンルに対して優先順位が定義されている。なお、本実施の形態では、「映画」+「ドキュメンタリ」の組み合わせが「登録ジャンルA」として、「映画」+「音楽」の組み合わせが「登録ジャンルB」としてそれぞれ定義されていると共に、「ドキュメンタリ」、「ドラマ」、「音楽」、「映画」、「ニュース」の順に優先順位が定義されている。
音声出力モードテーブルは、図6および図7に示すように、各種条件に応じた音声出力モードが定義されている。図6は、コンテンツのジャンルおよびチャンネル数に応じた音声出力モードが定義された音声出力モードテーブルであり、ジャンルおよびチャンネル数の組み合わせに応じて、チャンネル数変換処理部91で行われるチャンネル数変換処理と、強調処理部93で行われるセンタ強調処理とが定義されている。また、図7は、リモコン20の位置および雑音レベルや、システムコントローラ10によって把握可能な情報(時刻等)に応じた音声出力モードが定義された音声出力モードテーブルであり、リモコン20の位置、雑音レベル、時刻に応じて音場変更処理部92で行われるスイートスポット拡大処理およびスピーカ位置変更処理と、強調処理部93で行われるセンタ強調処理と、イコライザ処理部94で行われる指向性補正処理および低音増強処理と、遅延処理部16で行われる遅延処理とが定義されている。
操作部18は、テレビジョン受信装置1における各種操作の実行を指示する入力手段であり、チャンネルの選択指示、ボリュームの調整指示等の入力が行われると共に、メモリ17に記憶されたジャンル特定テーブルおよび音声出力モードテーブルの新規登録、削除、変更入力が行われる。
システムコントローラ10は、メモリ17に記憶されているコンテンツ情報およびジャンル特定テーブルに基づいてコンテンツのジャンルを特定すると共に、特定したジャンルと、コンテンツのチャンネル数と、リモコン20の位置と、雑音レベルと、時刻とに基づいて音声出力モードテーブルを参照して音声出力モードを決定し、決定した音声出力モードに応じてオーディオ制御部9や遅延処理部16を制御する。
次に、本実施の形態におけるジャンル特定動作について図8を参照して詳細に説明する。
図8は、図1に示すシステムコントローラ10で行われるジャンル特定動作を説明するためのフローチャートである。
システムコントローラ10は、映像および音声出力するコンテンツのジャンル特定動作として、まず、メモリ17に記憶されているコンテンツ情報を参照することで、映像および音声出力するコンテンツに設定されているジャンルを把握し、把握したジャンルがメモリ17に記憶されているジャンル特定テーブルに定義されているか否かを判断し(ステップA1)、ジャンルがジャンル特定テーブルに定義されていない場合(複数のジャンルが設定されている際には、設定されている全てのジャンルが定義されていない場合)には、その他のジャンルとして特定する(ステップA2)。
ステップA1でジャンルがジャンル特定テーブルに定義されている場合(複数のジャンルが設定されている際には、設定されている全てもしくはいずれかのジャンルが定義されている場合)には、コンテンツに複数のジャンルが設定されているか否かを判断し(ステップA3)、コンテンツに複数のジャンルが設定されていない場合には、コンテンツに設定されているジャンルを特定する(ステップA4)。
ステップA3でコンテンツに複数のジャンルが設定されている場合には、複数のジャンルの組み合わせがジャンル特定テーブルに登録ジャンルとして定義されているか否かを判断し(ステップA5)、複数のジャンルの組み合わせがジャンル特定テーブルに登録ジャンルとして定義されている場合には、該当する登録ジャンルを特定し(ステップA6)、複数のジャンルの組み合わせがジャンル特定テーブルに登録ジャンルとして定義されていない場合には、複数のジャンルの中で最も優先順位の高いジャンルを特定する(ステップA7)。
次に、本実施の形態におけるコンテンツの音声信号が1chである場合の音声出力モードについて図9を参照して詳細に説明する。
図9は、テレビジョン受信装置1におけるコンテンツの音声信号が1chである場合の音声出力モードを説明するためのフローチャートである。
システムコントローラ10は、メモリ17に記憶されているコンテンツ情報およびジャンル特定テーブルに基づいてコンテンツのジャンルを特定し(ステップB1)、特定したジャンルとコンテンツのチャンネル数:1chとに基づいて音声出力モードテーブルを参照して音声出力モードを決定する(ステップB2)。
次に、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が1chであるか否かを判断し(ステップB3)、出力チャンネル数が1chである場合には、オーディオ制御部9を用いて1chの音声信号をセンタスピーカ11Cのみから出力させる(ステップB4)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「ドキュメンタリ」、「ニュース」等の声中心のソースである場合に該当する。1chの音声信号であり、且つ声中心のソースである場合に、左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力すると、視聴位置により左右のフロントスピーカ11L、11Rからの位相差で周波数により弱め合ったり、強め合ったりして、聞こえにくくなるが、センタスピーカ11Cのみから出力することで、視聴位置がどこであっても明瞭に聞き取ることができる。また、センタスピーカ11Cのみから出力する場合には、使わないチャンネルのアンプ14L、14R、14SWは電力を使わないようにすると良い。
ステップB3で出力チャンネル数が1chでない場合には、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が2chであるか否かを判断し(ステップB5)、出力チャンネル数が2chである場合には、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって1chの音声信号を2chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップB6)、2chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力させる(ステップB7)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「音楽」等の音楽中心のソースである場合に該当する。また、左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力する場合には、使わないチャンネルのアンプ14C、14SWは電力を使わないようにすると良い。なお、ステップB6でのチャンネル数変換処理としては、1chの音声信号をそのまま左右に割り当てて2chに変換しても良く、また、1chの音声信号をステレオ変換処理によって2chに変換しても良い。
ステップB5で出力チャンネル数が2chでない場合には、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が3.1chであると判断し、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって1chの音声信号を3.1chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップB8)、3.1chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11R、センタスピーカ11C、サブウーファ11SWから出力させる(ステップB9)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「映画」、「ドラマ」等の声+音楽・効果音中心のソースである場合に該当する。ステップB8でのチャンネル数変換処理としては、まず、1chの音声信号をステレオ変換処理によって2chに変換し、さらにマトリクスデコード処理によって3.1ch又は5.1chに変換する。5.1chに変換した場合は、次に、5.1chに変換された音声信号のフロント側の3.1chを用いるようにしても良く、また、5.1chに変換された音声信号をダウンミックス処理もしくはバーチャルサラウンド処理によって3.1chに変換しても良い。また、サブウーファ11SWは、なくても良く、この場合には、3.1chでなく3chとなる。
次に、本実施の形態におけるコンテンツの音声信号が2chである場合の音声出力モードについて図10を参照して詳細に説明する。
図10は、テレビジョン受信装置1におけるコンテンツの音声信号が2chである場合の音声出力モードを説明するためのフローチャートである。
システムコントローラ10は、メモリ17に記憶されているコンテンツ情報およびジャンル特定テーブルに基づいてコンテンツのジャンルを特定し(ステップC1)、特定したジャンルとコンテンツのチャンネル数:2chとに基づいて音声出力モードテーブルを参照して音声出力モードを決定する(ステップC2)。
次に、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が1chであるか否かを判断し(ステップC3)、出力チャンネル数が1chである場合には、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって2chの音声信号を1chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップC4)、1chの音声信号をセンタスピーカ11Cのみから出力させる(ステップC5)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「ドキュメンタリ」、「ニュース」等の声中心のソースである場合に該当する。また、センタスピーカ11Cのみから出力する場合には、使わないチャンネルのアンプ14L、14R、14SWは電力を使わないようにすると良い。なお、ステップC4でのチャンネル数変換処理としては、2chの音声信号をダウンミックス処理によって1chに変換する。
ステップC3で出力チャンネル数が1chでない場合には、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が2chであるか否かを判断し(ステップC6)、出力チャンネル数が2chである場合には、オーディオ制御部9を用いて2chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力させる(ステップC7)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「音楽」等の音楽中心のソースである場合に該当する。2chの音声信号であり、且つ音楽中心のソースである場合に、フロントスピーカ11L、11Rと共にセンタスピーカ11Cにモノラル成分が出力されると、音声がずれて聞こえてきたり重なったりして聞こえにくくなると共に、本実施の形態のようにセンタスピーカ11Cの高さが左右のフロントスピーカ11L、11Rと違ったり、また、スピーカ特性がセンタスピーカ11Cと左右のフロントスピーカ11L、11Rとで異なったりすると、センタスピーカ11Cを使用しない方が臨場感のある音楽を楽しむことができる。また、左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力する場合には、使わないチャンネルのアンプ14C、14SWは電力を使わないようにすると良い。さらに、サブウーファ11SWとの成分わけを行って2.1chに変換しても良い。
ステップC6で出力チャンネル数が2chでない場合には、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が3.1chであると判断し、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって2chの音声信号を3.1chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップC8)、3.1chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11R、センタスピーカ11C、サブウーファ11SWから出力させる(ステップC9)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「映画」、「ドラマ」等の声+音楽・効果音中心のソースである場合に該当する。ステップC8でのチャンネル数変換処理としては、2chの音声信号をマトリクスデコード処理によって3.1ch又は5.1chに変換した後、5.1chに変換した場合は、5.1chに変換された音声信号をフロント側の3.1chを用いるようにしても良く、また、5.1chに変換された音声信号をダウンミックス処理もしくはバーチャルサラウンド処理によって3.1chに変換しても良い。さらに、2chの音声信号を3chに変換した後、サブウーファ11SWとの成分わけを行って3.1chに変換しても良い。また、サブウーファはなくてもよく、この場合は3.1chでなく3chとなる。
次に、本実施の形態におけるコンテンツの音声信号が5.1chである場合の音声出力モードについて図11を参照して詳細に説明する。
図11は、テレビジョン受信装置1におけるコンテンツの音声信号が5.1chである場合の音声出力モードを説明するためのフローチャートである。
システムコントローラ10は、メモリ17に記憶されているコンテンツ情報およびジャンル特定テーブルに基づいてコンテンツのジャンルを特定し(ステップD1)、特定したジャンルとコンテンツのチャンネル数:5.1chとに基づいて音声出力モードテーブルを参照して音声出力モードを決定する(ステップD2)。
次に、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が1chであるか否かを判断し(ステップD3)、出力チャンネル数が1chである場合には、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって5.1chの音声信号を1chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップD4)、1chの音声信号をセンタスピーカ11Cのみから出力させる(ステップD5)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「ドキュメンタリ」、「ニュース」等の声中心のソースである場合に該当する。また、センタスピーカ11Cのみから出力する場合には、使わないチャンネルのアンプ14L、14R、14SWは電力を使わないようにすると良い。なお、ステップD4でのチャンネル数変換処理としては、5.1hの音声信号をダウンミックス処理によって1chに変換しても良く、また、5.1hの音声信号をバーチャルサラウンド処理によって2chもしくは3.1chに変換した後、ダウンミックス処理によって1chに変換しても良い。
ステップD3で出力チャンネル数が1chでない場合には、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が2chであるか否かを判断し(ステップD6)、出力チャンネル数が2chである場合には、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって5.1chの音声信号を2chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップD7)、オーディオ制御部9を用いて2chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力させる(ステップD8)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「音楽」等の音楽中心のソースである場合に該当する。また、左右のフロントスピーカ11L、11Rから出力する場合には、使わないチャンネルのアンプ14C、14SWは電力を使わないようにすると良い。なお、ステップD7でのチャンネル数変換処理としては、5.1hの音声信号をダウンミックス処理もしくはバーチャルサラウンド処理によって2chに変換すると良い。さらに、サブウーファ11SWとの成分わけを行って2.1chに変換しても良い。
ステップD6で出力チャンネル数が2chでない場合には、システムコントローラ10は、決定した音声出力モードにおいて出力チャンネル数が3.1chであると判断し、オーディオ制御部9のチャンネル数変換処理部91によって5.1chの音声信号を3.1chの音声信号に変換するチャンネル数変換処理を行い(ステップD9)、決定した音声出力モードにおいてセンタ強調処理が設定されているか否かを判断する(ステップD10)。なお、ステップD9でのチャンネル数変換処理としては、5.1hの音声信号をダウンミックス処理もしくはバーチャルサラウンド処理によって3.1chに変換すると良い。また、サブウーファ11SWはなくてもよく、この場合は3.1chでなく3chとなる。
ステップD10でセンタ強調処理が設定されていない場合には、システムコントローラ10は、3.1chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11R、センタスピーカ11C、サブウーファ11SWから出力させる(ステップD11)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「映画」、「ドラマ」等の声+音楽・効果音中心のソースである場合に該当する。
ステップD10でセンタ強調処理が設定されている場合には、システムコントローラ10は、強調処理部93を用いてセンタスピーカ11Cからの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調させるセンタ強調処理を行い(ステップD12)、3.1chの音声信号を左右のフロントスピーカ11L、11R、センタスピーカ11C、サブウーファ11SWから出力させる(ステップD11)。この音声出力モードは、コンテンツのジャンルが「映画」、「ドラマ」等の声+音楽・効果音中心のソースであるが、音楽・効果音に比べて声のウエイトが高い場合に該当する。ステップD10でのセンタ強調処理としては、センタスピーカ11Cから出力される音声信号のみを増幅しても良く、また、センタスピーカ11Cから出力される音声信号を増幅すると共に、他のスピーカから出力される音声信号を減幅しても良い。もしくは、センタスピーカ11Cから出力される音声信号はそのままで、他のスピーカから出力される音声信号を減幅してもよい。D10、D12の処理はコンテンツの音声信号が1chもしくは2chで出力が3chもしくは3.1chの場合も同様に行うことができる。1chの場合は、B8とB9の間に、2chの場合は、C8とC9の間に挿入する。また、コンテンツの音声信号が2chの場合に、3chもしくは3.1chに変換する手段として、センタ強調処理の設定において、センタ強調処理前の左のフロントスピーカ11Lの出力をL、右のフロントスピーカ11Rの出力をRとすると、センタ強調処理によって、左のフロントスピーカ11Lの出力をL/αに、右のフロントスピーカ11Rの出力をR/αに、センタスピーカ11Cの出力を{(R+L)(α−1)}/αにそれぞれ制御するようにすると良い。なお、αは、2?α??であり、αが大になるほど、センタスピーカ11Cの割合が大きくなる。
次に、本実施の形態におけるリモコン20の位置に応じた音声出力モードについて図12乃至図14を参照して詳細に説明する。
図12は、テレビジョン受信装置1におけるリモコン20の位置に応じた音声出力モードを説明するためのフローチャートであり、図13は、図1に示すリモコン20の位置を説明するための説明図であり、図14は、図1に示すイコライザ処理部94で行われる指向性補正処理を説明するための説明図である。
本実施の形態では、リモコン20の位置が試聴位置であると仮定し、リモコン20の位置に応じた音声出力モードが決定される。まず、システムコントローラ10は、リモコン受光部13から入力されたリモコン20の位置を判定する(ステップE1)。ステップE1での判定は、リモコン20が「センタからずれているか」、「ずれは所定角度β以上か」、「所定距離x以上離れているか」、「所定距離y(x<y)以上離れているか」について行う。図13に示す例では、位置aのリモコン20が「センタからずれているか」および「所定距離x以上離れているか」の判定に該当し、位置bのリモコン20が「センタからずれているか」および「ずれは所定角度β以上か」の判定に該当し、位置cのリモコン20が「所定距離y(x<y)以上離れているか」の判定に該当する。なお、位置cのリモコン20は、センタ上に位置していないが、例えばセンタから5°以内は、ほぼセンタと見なすものとする。なお、本実施の形態では、x<yとしたが、x=yもしくはx>yとしても良い。
システムコントローラ10は、「センタからずれているか」を判定し(ステップE2)、センタからずれていると判定した場合には、メモリ17に記憶されている音声出力モードテーブルを参照することで、オーディオ制御部9のイコライザ処理部94によって指向性補正処理を行うと共に(ステップE3)、遅延処理部16によって遅延処理を行う(ステップE4)。
ステップE3での指向性補正処理は、高い周波数のゲインを上げる処理であり、センタからずれた位置で試聴した場合でも、各周波数の音圧レベルがフラットになるように制御される。すなわち、スピーカの特性は、図14(a)に示すように、センタからずれるほど高い周波数の音圧レベルが低下する傾向があり、図14(b)に示すように、高い周波数のゲインを上げることで、図14(c)に示すように、センタからずれた位置(30°)でも各周波数の音圧レベルをフラットにすることができ、センタからずれた試聴位置の角度に応じて高い周波数のゲインの上げ幅が制御される。
ステップE4での遅延処理は、左のフロントスピーカ11Lから出力される音声信号、もしくは右のフロントスピーカ11Rから出力される音声信号のいずれかを遅延させる処理であり、リモコン20が図13に示す位置aにある場合には、リモコン20と右のフロントスピーカ11Rとの距離rよりもリモコン20と左のフロントスピーカ11Lとの距離lの方が長いため、遅延処理部16によって距離(l−r)分の時間だけ右のフロントスピーカ11Rから出力される音声信号が遅延され、左のフロントスピーカ11Lからの音声と右のフロントスピーカ11Rからの音声との到達時間を合わせることができる。さらに、左右のスピーカから出力される音量を調節して試聴位置でのL、Rのバランスを同じにさせてもよい。
システムコントローラ10は、ステップE2でセンタからずれていると判定した場合には、さらに、「ずれは所定角度β以上か」を判定し(ステップE5)、ずれが所定角度β以上であると判定した場合には、メモリ17に記憶されている音声出力モードテーブルを参照することで、オーディオ制御部9の音場変更処理部92によってスイートスポット拡大処理を行う(ステップE6)。スイートスポット拡大処理によるスイートスポットの拡大は、センタからずれたところには効果的だが、センタ付近では音声がモノラル的になって逆効果となり、従って、試聴位置のずれがセンタから所定角度β以上であると判定された場合のみにスイートスポット拡大処理を行うようになっている。なお、ステップE3の指向性補正処理、ステップE4の遅延処理は、例えば複数の視聴者のときはOFFさせるという設定にしても良い。同様に、ステップE6のスイートスポット拡大処理は、例えば1人の視聴者のときはOFFさせるという設定にしても良い。
システムコントローラ10は、ステップE2でセンタからずれていると判定し、且つステップE5でずれが所定角度β以上であると判定した場合には、さらに、「所定距離x以上離れているか」を判定し(ステップE7)、所定距離x以上離れていると判定した場合には、オーディオ制御部9のイコライザ処理部94によって低音増強処理を行う(ステップE8)。音声は、スピーカから遠くなるほど、低音成分が他に比べて小さくなって行くため、試聴位置が所定距離x以上離れていると判定された場合に低音増強処理を行うようになっている。
システムコントローラ10は、ステップE2でセンタからずれていないと判定した場合には、さらに、「所定距離y以上離れているか」を判定し(ステップE9)、所定距離y以上離れていると判定した場合には、オーディオ制御部9の音場変更処理部92によってスピーカ位置変更処理を行い(ステップE10)、ステップE7に至る。例えば、ハイビジョン放送において画像を見る最適な角度は33°であり、音声は60°が良いとされているが、左右のフロントスピーカ11L、11Rの位置が表示部8に隣接しているため、表示部8からある程度以上距離があり、且つほぼセンタが試聴位置である場合には、スピーカ位置変更処理が行われるようになっている。スピーカの位置変更処理は、例えばステレオエンハンサーなどの信号処理によって仮想スピーカの位置を広げるという処理を行う。
次に、本実施の形態におけるボリュームに応じた音声モード決定動作について詳細に説明する。
操作部18もしくはリモコン20の操作によって、ボリュームが予め定められた所定ボリューム値よりも小さく設定された場合には、システムコントローラ10は、ボリュームが予め定められた所定ボリューム値よりも小さいことを条件として音声出力モードテーブルを参照することで音声出力モードを決定する。
ボリュームが予め定められた所定ボリューム値よりも小さい場合には、決定される音声出力モードとしてセンタ強調処理が設定されており、システムコントローラ10は、オーディオ制御部9の強調処理部93によってセンタ強調処理を行うことで、センタスピーカ11Cからの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調し、セリフ等の声を聴取しやすくする。
次に、本実施の形態における雑音レベルに応じた音声モード決定動作について詳細に説明する。
雑音検知部12によって予め定められた所定値以上の雑音レベルが検出された場合には、システムコントローラ10は、雑音レベルが予め定められた所定値以上であることを条件として音声出力モードテーブルを参照することで音声出力モードを決定する。
雑音レベルが予め定められた所定値以上である場合には、決定される音声出力モードとしてセンタ強調処理が設定されており、システムコントローラ10は、オーディオ制御部9の強調処理部93によってセンタ強調処理を行うことで、センタスピーカ11Cからの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調し、雑音に左右されることなくセリフ等の声を聴取しやすくする。
次に、本実施の形態における時刻に応じた音声モード決定動作について詳細に説明する。
システムコントローラ10は、時計機能を有しており、時刻が夜間の場合(例えばPM11:00〜AM5:00)には、時刻が夜間であることを条件として音声出力モードテーブルを参照することで音声出力モードを決定する。
時刻が夜間である場合には、決定される音声出力モードとしてセンタ強調処理が設定されており、システムコントローラ10は、オーディオ制御部9の強調処理部93によって低音増強処理を行うことで、センタスピーカ11Cからの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調し、近隣への騒音を軽減する。なお、センタ強調処理はL、R成分に対してセンタ成分を大きくしてもよいし、センタ成分に対してL、R成分を小さくしてもよいし、センタ成分を大きくL、R成分を小さくしてもよい。
なお、本実施の形態では、各種条件に応じてセンタ強調処理をオーディオ制御部9の強調処理部93によって行うように構成したが、リモコン20もしくは操作部18に、センタスピーカ11Cの独立ボリューム(もしくはバランス調整)を設け、視聴者によってセンタ強調を行えるようにしても良い。
また、上述の説明では、各条件について個別に説明したが、複数の条件が重なっている場合には、それぞれの音声出力モードが適用される。但し、オーディオ制御部9の音場変更処理部92で行われるスイートスポット拡大処理およびスピーカ位置変更処理と、オーディオ制御部9の強調処理部93で行われるセンタ強調処理とは、出力チャンネルが3.1chである場合に限られ、オーディオ制御部9のイコライザ処理部94で行われる指向性補正処理と、遅延処理部16で行われる遅延処理とは、出力チャンネルが2ch以上である場合に限られるものとする。
さらに、本実施の形態のテレビジョン受信装置1では、サブウーファ11SWを設け、3.1chに対応できるように構成したが、必ずしもサブウーファ11SWを設ける必要はなく、サブウーファ11SWを設けない場合には、チャンネル数変換処理部91によって、3.1chの代わりに3chにチャンネル数を変換させるようにすると良い。この場合、サブウーファの出力成分は、他のスピーカに分配して出力してもいいし、出力しなくてもよい。同様に2.1ch出力は、2ch出力となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ジャンルの優先順位と、ジャンルに対応した音声出力モードとをメモリ17に記憶しておき、システムコントローラ10は、付加情報に複数のジャンルが設定されている場合には、優先順位が最も高いジャンルに対応する音声出力モードを決定するように構成することにより、優先順位によってコンテンツに適したジャンルを特定することができるため、コンテンツに付加されている付加情報に複数のジャンルが設定されている場合にも、適切なジャンルを特定でき、コンテンツに適した音声出力モードで音声出力を行うことができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、複数のジャンルの組み合わせを登録ジャンルと、登録ジャンルに対応した音声出力モードとをメモリ17に記憶しておき、システムコントローラ10は、付加情報に複数のジャンルが設定されており、複数のジャンルの組み合わせが登録ジャンルに該当する場合には、登録ジャンルに対応する音声出力モードを決定するように構成することにより、複数のジャンルが設定されているコンテンツに適した音声出力モードを設定することができるため、コンテンツに付加されている付加情報に複数のジャンルが設定されている場合にも、適切なジャンルを特定でき、コンテンツに適した音声出力モードで音声出力を行うことができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、その他のジャンルに対応した音声出力モードをメモリ17に記憶しておき、システムコントローラ10は、メモリ17に付加情報に設定されているジャンルが記憶されていない場合には、その他のジャンルに対応する音声出力モードを決定するように構成することにより、コンテンツに新たに設定されたジャンルにも対応することができるという効果を奏する。
という効果を奏する。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。