JP4795526B2 - 脱硝装置における触媒再強化処理方法およびその方法に使用する強化剤液スプレー装置 - Google Patents

脱硝装置における触媒再強化処理方法およびその方法に使用する強化剤液スプレー装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば、火力プラントなどに設置されている脱硝装置おいて、触媒の上流側端面部分の強化部分を再度強化処理する方法およびその方法に使用する強化剤液スプレー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の脱硝装置について、図9〜図11を参照して説明する。この図示の例は、石炭焚きボイラーからの排ガスを脱硝する脱硝装置であって、縦置き棚段タイプの脱硝装置について説明する。
【0003】
図9において、1は脱硝装置のハウジングである。このハウジング1は、垂直方向(上下方向)に設置されている。前記ハウジング1の上部には、ダーティな排ガス2(図9中の格子矢印参照)が流入する流入口3が設けられている。一方、前記ハウジング1の下部には、クリーンな排ガス2(図9中の白抜き矢印参照)が流出する流出口4が設けられている。
【0004】
排ガス2が垂直(上下)に流れる前記ハウジング1の中間部には、4段(4層)の反応器(反応塔)5が上下に縦置き棚段タイプに設置されている。なお、最下段の反応器5(二点鎖線にて示す)は、予備の反応器である。各段の前記反応器5中には、複数個の触媒ユニット(もしくは、触媒パック)6がそれぞれ並設されている。
【0005】
前記触媒ユニット6の上面(排ガス2が流入する上流側端面)には、図10に示すように、比較的に目の細かい灰や煤塵の堆積防止用の金網7と、比較的に目の粗い足場用の金網8とが上下に敷設されている。前記触媒ユニット6は、複数本の触媒単体9がフレーム10中に整列充填されてなるものである。すなわち、触媒単体9(エレメント)がユニット化(モジュール化、パック化)して、ハンドリングし易いように構成されている。前記触媒ユニット6は、約3t以下の重量を有する。なお、この明細書において、前記触媒単体9は、触媒と同義語である。
【0006】
前記触媒単体9は、酸化チタンが主成分であり、活性金属成分(バナジウム、タングステンなど)が含有されてなるものである。主に、二元系のTiO2 −WO3 触媒および三元系のTiO2 −V2 5 −WO3 触媒が用いられている。また、前記触媒単体9は、図11に示すように、多数本の四角形の貫通孔11が格子状に設けられた角柱形状をなす。すなわち、ソリッド型(触媒成分自体で成形体となっているもの)のハニカム形状をなす。前記貫通孔11中を前記排ガス2が通過するものである。前記触媒単体9がハニカム形状をなすのは、排ガス2中の煤塵による閉塞を防止するためと、ガス接触面積を広くするためとによる。前記触媒単体9の上端部分(排ガス2が流入する上流側端面部分)には、強化部分12が形成されている。
【0007】
この強化部分12は、強化剤液(ホウ酸水溶液、リン酸水溶液、リン酸アルミニウム水溶液、硫酸水溶液、硫酸マグネシウム水溶液など)を含浸させてなるものである。この強化部分12は、排ガス2中に灰や煤塵が存在する場合に使用されるものであって、触媒単体9が排ガス2中の灰や煤塵により劣化摩耗するのを防止するものである。なお、この強化部分12を有する触媒単体9としては、たとえば、特許公報第2617574号に記載のものがある。
【0008】
前記触媒単体9の各寸法は、下記のとおりとなる。正方形の1辺Aが約150mm、高さHが約500〜1200mm、強化部分12の高さSが約100〜200mm、貫通孔11の開きピッチ(目開き)が約5〜10mm(ボイラーの燃料によりまちまちである)、壁の肉厚が約0.5〜1.5mmである。なお、前記触媒単体9の上下両端部の外周に緩衝材13(図11中の二点鎖線にて示す)を設けても良い。また、前記触媒単体9は、ハニカムタイプであるが、このハニカムタイプ以外に、プレートタイプ、S型ペーパーハニカムタイプ、その他のタイプであっても良い。
【0009】
以下、前記構成からなる脱硝装置の作用について説明する。まず、石炭焚きボイラー(図示せず)から、窒素酸化物を含有するダーティな排ガス2が流入口3からハウジング1中に流入する。このダーティな排ガス2中にアンモニアなどの還元剤(図示せず)を注入添加する。なお、このアンモニアなどの還元剤の注入添加は、前記触媒6の上流側において行う。
【0010】
還元剤が注入添加されたダーティな排ガス2が各段の反応器5の触媒単体9の貫通孔11中を貫通する。その際に、その触媒単体9の触媒作用により、ダーティな排ガス2中の窒素酸化物は、窒素と水蒸気とに分解される。
【0011】
窒素酸化物が分解されたクリーンな排ガス2は、流出口4から後段側装置(図示せず)および煙突(図示せず)を経て大気中に排出される。この種の装置としては、たとえば、特開平7−265666号公報に記載のもの、特開平9−267028号公報に記載のものなどがある。なお、前記公報に記載のものは、触媒が横置きのタイプであるが、その作用は前記縦置き棚段タイプの脱硝装置と変わらない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そして、前記脱硝装置においては、触媒単体9に強化部分12を形成して、触媒単体9が排ガス2中の灰や煤塵により劣化摩耗するのを防止する構成が採られている。それにも拘わらず、長期間の使用に際して、触媒単体9の強化部分12自体に劣化摩耗が発生し、その強化部分12の効果が消失する。その強化部分12の効果が消失すると、触媒単体9への劣化摩耗が著しく進行する。この劣化摩耗が触媒単体9に発生すると、その劣化摩耗の周囲の触媒単体9にも、ガス偏流やガス流速の集中増加などにより、劣化摩耗が感染発生する。そして、触媒単体9が劣化摩耗すると、脱硝性能が著しく低下するので、脱硝性能を維持するためには、劣化摩耗した触媒単体9を新規の触媒単体9と交換する必要がある。この場合、非常に不経済である。なお、劣化摩耗は、反応器5の局部的もしくは全体的に起き、その形態はさまざまである。
【0013】
この発明は、触媒の強化部分を再度強化処理してその強化部分、強いては、触媒自体の劣化摩耗を未然に防止することができる脱硝装置における触媒再強化処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、この発明は、作業性が良く、また、短時間で行え、さらに、スプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを確実に防止することができる強化剤液スプレー装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、排ガス中の窒素酸化物を触媒の作用により分解する脱硝装置であって、前記触媒のうち、前記排ガスが流入する上流側端面部分には、強化剤液を含浸させてなる強化部分が形成されている脱硝装置において、触媒が脱硝装置に設置されたままの状態で、触媒の強化部分に強化剤液を含浸させてその強化部分を再度強化処理することを特徴とする。
【0016】
この結果、請求項1にかかる発明は、触媒の強化部分を再度強化処理してその強化部分、強いては、触媒自体の劣化摩耗を未然に防止することができる。これにより、既設の触媒で所定の脱硝性能が得られるので、強化部分に強化剤液を含浸させる作業が必要であるが、劣化摩耗した触媒を新規の触媒と交換する必要がある場合と比較して、非常に経済的である。また、請求項1にかかる発明は、触媒を脱硝装置から取り外して抜き出す必要がないので、容易にかつ低コストで触媒再強化処理作業が行われる。
【0017】
また、請求項2にかかる発明は、スプレーノズルにより触媒の強化部分に強化剤液をスプレーして(吹き付けて)、強化部分に強化剤液を含浸させることを特徴とする。
【0018】
この結果、請求項2にかかる発明は、スプレーノズルにより機械的に触媒の強化部分に強化剤液をスプレーして含浸させるものであるから、作業性が良く、かつ、短時間で、触媒再強化処理作業が行える。
【0019】
また、請求項3にかかる発明は、刷毛やロールにより触媒の強化部分に強化剤液を塗布して(塗り込んで)、強化部分に強化剤液を含浸させることを特徴とする。
【0020】
この結果、請求項3にかかる発明は、刷毛やロールにより触媒の強化部分に強化剤液を塗布して含浸させるものであるから、簡単にかつ安価に触媒再強化処理作業が行える。
【0021】
また、請求項4にかかる発明は、触媒の上流側端面に付着した灰や煤塵を除去した後に、触媒の強化部分に強化剤液を含浸させることを特徴とする。
【0022】
この結果、請求項4にかかる発明は、灰や煤塵を除去することにより、触媒の強化部分の再強化の効果が上がる。
【0025】
また、請求項にかかる発明は、スプレーガンと、前記スプレーガンの先端に設けられたスプレーノズルと、前記スプレーノズルの周囲に設けられ、触媒の上流側端面を覆って、前記スプレーノズルからスプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを防止する飛散防止冶具とを備えたことを特徴とする。
【0026】
この結果、請求項にかかる発明は、触媒の強化部分に強化剤液を含浸させて、その触媒を再度強化処理する際に、スプレーノズルにより機械的に行うので、作業性が良く、また、短時間で触媒再強化処理作業が行える。さらに、飛散防止冶具により、スプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを確実に防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる脱硝装置における触媒再強化処理方法およびその方法に使用する強化剤液スプレー装置の実施の形態の2例を図1〜図8を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの脱硝装置における触媒再強化処理方法およびその方法に使用する強化剤液スプレー装置が限定されるものではない。
【0028】
(実施の形態1)
図1〜図5は、この発明にかかる脱硝装置における触媒再強化処理方法およびその方法に使用する強化剤液スプレー装置の実施の形態1を示す。図中、図9〜図11と同符号は同一のものを示す。
【0029】
(強化剤液スプレー装置の説明)
図1において、符号14はこの実施の形態1における強化剤液スプレー装置である。この強化剤液スプレー装置14は、この実施の形態1における触媒再強化処理方法に使用するものである。
【0030】
前記強化剤液スプレー装置14は、図2に示すように、スプレーガン15と、そのスプレーガン15の先端に設けられたスプレーノズル16と、そのスプレーノズル16の周囲に設けられた飛散防止冶具17とを備える。
【0031】
前記スプレーガン15は、図1および図2に示すように、強化剤液(図示せず)が収納されたタンク18および強化剤液を圧送するポンプ19にホース20をして接続されている。このスプレーガン15と前記スプレーノズル16とは、作業が行え易いように角度調整可能に取り付けられている。なお、前記強化剤液としては、たとえば、ホウ酸水溶液、リン酸水溶液、リン酸アルミニウム水溶液、硫酸水溶液、硫酸マグネシウム水溶液などが使用される。
【0032】
前記飛散防止冶具17は、前記スプレーノズル16に固定される端部が円形をなし、かつ、1本の触媒単体9の上流側端面を覆う端部が正方形をなす(上円下方の)中空の錐形状をなす。この飛散防止冶具17は、1本の触媒単体9の上流側端面を覆って、前記スプレーノズル16からスプレーされた強化剤液(図2中の破線矢印にて示す)が周囲に飛散するのを防止するためのものである。なお、前記飛散防止冶具17の材質などは、特に限定しないが、スプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを防止し得る材質が必要であり、また、ある程度のフレキシブル性と保形性とを必要とする。
【0033】
(触媒再強化処理方法の説明)
以下、前記強化剤液スプレー装置14を使用したこの実施の形態1における触媒再強化処理方法について、図3の触媒再強化処理作業工程のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、前作業として、図1に示すように、脱硝装置の反応器5に対応するハウジング1の外側に作業用の足場21を組む。その足場21にタンク18およびポンプ19を設置する。そのタンク18およびポンプ19にホース20を介して強化剤液スプレー装置14を接続する。このホース20の長さは、作業員が反応器5中において隅々まで動き回れる長さとする。なお、図1において、符号22は作業員が反応器5中に出入りし、かつ、ホース20を反応器5中に引き込むためのマンホールである。
【0035】
つぎに、作業員が脱硝装置の反応器5中に入って本作業を行う。すなわち、図3に示すように、触媒ユニット6の上面に敷設された金網7および8を取り外す(S1)。
【0036】
それから、触媒単体9の上流側端面に付着した灰や煤塵(図示せず)をブローなどにより除去する(S2)。
【0037】
続いて、触媒単体9の貫通孔11が灰や煤塵などで目詰まりしていたならば、適宜な手段により目通しを行う(S3)。ついでに、目視などにより、触媒単体9の強化部分12のうち、再強化処理が必要であると判断した触媒単体9に、適宜手段によりマーキングを付ける(S4)。
【0038】
そして、マーキングが付された触媒単体9の強化部分12に強化剤液を強化剤液スプレー装置14によりスプレーし、その触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させてその強化部分12に再度強化処理を施す(S5)。
【0039】
すなわち、図2に示すように、マーキングが付された触媒単体9の上流側端面を強化剤液スプレー装置14の飛散防止冶具17で覆う。スプレーガン15を操作してスプレーノズル16から強化剤液(図2中の破線矢印にて示す)を触媒単体9の強化部分12にスプレーする。これにより、前記マーキングが付された触媒単体9の強化部分12の再度強化処理が完了する。
【0040】
前記強化処理が完了したところで、触媒ユニット6の上面に金網7および8を復旧敷設する(S6)。これにより、触媒再強化処理作業が終了する。
【0041】
(実施の形態1の効果の説明)
このように、この実施の形態1における触媒再強化処理方法は、触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させてその強化部分12を再度強化処理するものであるから、その強化部分12、強いては、触媒単体9自体の劣化摩耗を未然に防止することができる。これにより、既設の触媒単体9で所定の脱硝性能が得られるので、強化部分12に強化剤液を含浸させる作業が必要であるが、劣化摩耗した触媒単体9を新規の触媒単体9と交換する必要がある場合と比較して、非常に経済的である。
【0042】
また、この実施の形態1における触媒再強化処理方法は、強化剤液スプレー装置14のスプレーノズル16により、機械的に、触媒単体9の強化部分12に強化剤液をスプレーして(吹き付けて)、触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させるものであるから、作業性が良く、かつ、短時間で、触媒再強化処理作業が行える。
【0043】
特に、この実施の形態1における触媒再強化処理方法は、触媒単体9の上流側端面に付着した灰や煤塵を除去した後に、その触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させるものであるから、触媒単体9の強化部分12の再強化の効果が上がる。
【0044】
また、この実施の形態1における触媒再強化処理方法は、触媒単体9を脱硝装置に設置したままの状態で、その触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させるものであるから、触媒単体9を脱硝装置から取り外して抜き出す必要がないので、容易にかつ低コストで触媒再強化処理作業が行われる。
【0045】
また、この実施の形態1における強化剤液スプレー装置は、スプレーノズル16により機械的に行うので、作業性が良く、また、短時間で触媒再強化処理作業が行える。しかも、この実施の形態1における強化剤液スプレー装置は、飛散防止冶具17により、スプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを確実に防止することができる。
【0046】
特に、この実施の形態1における強化剤液スプレー装置においては、スプレーノズル15から強化剤液が触媒単体9の上流側端面に均等にスプレーすることができるので、触媒単体9の強化部分12を均等に強化することができる。また、この実施の形態1における強化剤液スプレー装置においては、飛散防止冶具17の下端が150mm×150mmであるから、強化剤液スプレー装置14を触媒単体9の強化部分12にセットする際に、飛散防止冶具17が位置決めの作用をなす。さらに、この実施の形態1における強化剤液スプレー装置においては、設置型のタンク18およびポンプ19を用いているが、作業員Mが携帯するハンディタイプのスプレー装置であっても良い。さらにまた、飛散防止冶具17の下端は、触媒単体9の上流側端面の倍数であっても良い。
【0047】
(実施の形態1の試験結果の説明)
図4および図5は、実施の形態1における触媒再強化処理方法による試験結果を示す触媒摩耗率比のグラフおよび脱硝率のグラフである。
【0048】
この試験は、石炭焚きボイラーに設置された脱硝装置で約40000時間使用された触媒単体9を用い、スプレーノズルにより、触媒単体9の強化部分12に強化剤液をスプレーして(吹き付けて)、触媒単体9の強化部分12に再強化処理を施した。
【0049】
強化剤液としては、リン酸とリン酸アルミニウムの混合液であって、その濃度がリン酸7wt%、リン酸アルミニウム16.5wt%を含有する水溶液を用いた。
【0050】
スプレー条件は、下記の通りである。
ノズルの種類:1流体充角錐ノズル
スプレー圧力:2kg/cm2
スプレー時間:10秒
スプレー量 :約280ml(断面形状150mm×150mmの触
媒単体9の1本当たり)
強化剤液温度:35°C
スプレーノズルの先端から触媒単体9の上流側端面までの距離:115mm
【0051】
前記の強化部分12に再強化処理を施した触媒単体9の強化効果および脱硝性能を図4および図5に示す。この結果、スプレーノズルで触媒単体9の強化部分12に強化剤液をスプレーすることにより、触媒単体9の摩耗強度が向上し、脱硝性能への影響が小さいことが判明した。
【0052】
(実施の形態2の説明)
図6〜図8は、この発明にかかる脱硝装置における触媒再強化処理方法の実施の形態2を示す。図中、図1〜図5、図9〜図11と同符号は同一のものを示す。
【0053】
図6(A)に示す刷毛23や図6(B)に示すスポンジロール24は、この実施の形態2における触媒再強化処理方法に使用するものである。この刷毛23やロール24は、触媒単体9の強化部分12に強化剤液を塗布して(塗り込んで)、その触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させる道具である。
【0054】
前記刷毛23やロール24を使用したこの実施の形態2における触媒再強化処理方法は、前記図3中のS5の強化処理において、強化剤液をスプレーする代わりに塗布するものである。すなわち、この実施の形態2における触媒再強化処理方法は、刷毛23やロール24により、触媒単体9の強化部分12に強化剤液を塗布して(塗り込んで)、その触媒単体9の強化部分12に強化剤液を含浸させるものである。
【0055】
このように、この実施の形態2における触媒再強化処理方法は、刷毛23やロール24により、触媒単体9の強化部分12に強化剤液を塗布して含浸させるものであるから、簡単にかつ安価に触媒再強化処理作業が行える。
【0056】
(実施の形態2の試験結果の説明)
図7および図8は、実施の形態2における触媒再強化処理方法による試験結果を示す触媒摩耗率比のグラフおよび脱硝率のグラフである。
【0057】
この試験は、石炭焚きボイラーに設置された脱硝装置で約40000時間使用された触媒単体9を用い、刷毛23やロール24により、触媒単体9の強化部分12に強化剤液を塗布して(塗り込んで)、触媒単体9の強化部分12に再強化処理を施した。
【0058】
強化剤液としては、リン酸とリン酸アルミニウムの混合液であって、その濃度がリン酸7wt%、リン酸アルミニウム16.5wt%を含有する水溶液を用いた。その強化剤液を、断面形状150mm×150mmの触媒単体9の1本当たりに、160ml塗布した。
【0059】
前記の強化部分12に再強化処理を施した触媒単体9の強化効果および脱硝性能を図7および図8に示す。この結果、刷毛23やロール24で触媒単体9の強化部分12に強化剤液を塗布することにより、触媒単体9の摩耗強度が向上し、脱硝性能への影響が小さいことが判明した。
【0060】
(実施の形態1、2以外の例の説明)
なお、前記実施の形態1、2においては、触媒が縦置き棚段タイプの石炭焚き用における脱硝装置について説明したが、この発明は、触媒が縦置き積み重ねタイプの脱硝装置、触媒が横置きのタイプの石油焚き用における脱硝装置にも適用できる。
【0061】
また、前記実施の形態1、2の図3の作業工程において、金網7、8がなければ、S1の金網取外しの工程およびS6の金網復旧の工程は、省略できる。また、S3の触媒目通しの工程は、必ずしも行わなくても良い。さらに、各段の反応器5の触媒を全部再強化処理を行うのであれば、S4の触媒マーキングは、不要である。
【0062】
さらに、前記実施の形態1、2の触媒再強化処理作業を行う時期としては、プラントの定期点検時に同時に行っても良いし、または、それと別個に独自に行っても良い。ただし、触媒単体9が劣化摩耗する前に行うことが良い。
【0063】
なお、触媒再強化処理作業に使用する強化剤液スプレー装置としては、前記の強化剤液スプレー装置14以外のものであっても良い。たとえば、触媒ユニット6の幅全体に亘る長さの管に多数のノズルを設け、この管を触媒ユニット6に沿って移動させ、もしくは、回転させて、強化剤液をスプレーするものなど。
【0064】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる触媒再強化処理方法(請求項1)によれば、触媒の強化部分に強化剤液を含浸させてその強化部分を再度強化処理するものであるから、触媒の強化部分、強いては、触媒自体の劣化摩耗を未然に防止することができる。これにより、既設の触媒で所定の脱硝性能が得られるので、強化部分に強化剤液を含浸させる作業が必要であるが、劣化摩耗した触媒を新規の触媒と交換する必要がある場合と比較して、非常に経済的である。
【0065】
また、この発明にかかる触媒再強化処理方法(請求項2)によれば、スプレーノズルにより機械的に触媒の強化部分に強化剤液をスプレーして(吹き付けて)、強化部分に強化剤液を含浸させるものであるから、作業性が良く、かつ、短時間で、触媒再強化処理作業が行える。
【0066】
また、この発明にかかる触媒再強化処理方法(請求項3)によれば、刷毛やロールにより触媒の強化部分に強化剤液を塗布して(塗り込んで)、強化部分に強化剤液を含浸させるものであるから、簡単にかつ安価に触媒再強化処理作業が行える。
【0067】
また、この発明にかかる触媒再強化処理方法(請求項4)によれば、触媒の上流側端面に付着した灰や煤塵を除去した後に、触媒の強化部分に強化剤液を含浸させるものであるから、触媒の強化部分の再強化の効果が上がる。
【0068】
また、この発明にかかる触媒再強化処理方法(請求項5)によれば、触媒が脱硝装置に設置されたままの状態で、触媒の強化部分に強化剤液を含浸させるものであるから、触媒を脱硝装置から取り外して抜き出す必要がないので、容易にかつ低コストで触媒再強化処理作業が行われる。
【0069】
また、この発明にかかる強化剤液スプレー装置(請求項6)によれば、スプレーノズルにより機械的に行うので、作業性が良く、また、短時間で触媒再強化処理作業が行える。しかも、この発明にかかる強化剤液スプレー装置によれば、飛散防止冶具により、スプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態1を示す作業状態の一部破断斜視図である。
【図2】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態1に使用される強化剤液スプレー装置であって、この発明にかかる強化剤液スプレー装置の実施の形態1を示す使用状態の一部斜視図である。
【図3】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態1を示す作業工程のフローチャートである。
【図4】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態1による試験結果を示す触媒摩耗率比のグラフである。
【図5】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態1による試験結果を示す脱硝率のグラフである。
【図6】(A)はこの発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態2に使用される刷毛の斜視図、(B)は同じくロールの斜視図である。
【図7】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態2による試験結果を示す触媒摩耗率比のグラフである。
【図8】この発明にかかる触媒再強化処理方法の実施の形態2による試験結果を示す脱硝率のグラフである。
【図9】従来の脱硝装置の使用例を示す一部斜視図である。
【図10】触媒ユニットの斜視図である。
【図11】触媒単体の斜視図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 排ガス
3 流入口
4 流出口
5 反応器
6 触媒ユニット
7 金網
8 金網
9 触媒単体
10 フレーム
11 貫通孔
12 強化部分
13 緩衝材
14 強化剤液スプレー装置
15 スプレーガン
16 スプレーノズル
17 飛散防止冶具
18 タンク
19 ポンプ
20 ホース
21 足場
22 マンホール
23 刷毛
24 ロール
M 作業員

Claims (5)

  1. 排ガス中の窒素酸化物を触媒の作用により分解する脱硝装置であって、前記触媒のうち、前記排ガスが流入する上流側端面部分には、強化剤液を含浸させてなる強化部分が形成されている脱硝装置において、
    前記触媒が脱硝装置に設置されたままの状態で、前記強化部分に強化剤液を含浸させて前記強化部分を再度強化処理することを特徴とする脱硝装置における触媒再強化処理方法。
  2. 前記強化部分に強化剤液を含浸させる方法は、スプレーノズルにより前記強化部分に強化剤液をスプレーすることを特徴とする請求項1に記載の脱硝装置における触媒再強化処理方法。
  3. 前記強化部分に強化剤液を含浸させる方法は、刷毛やロールにより前記強化部分に強化剤液を塗布することを特徴とする請求項1に記載の脱硝装置における触媒再強化処理方法。
  4. 前記触媒の上流側端面に付着した灰や煤塵を除去した後に、前記強化部分に強化剤液を含浸させることを特徴とする請求項1または2または3に記載の脱硝装置における触媒再強化処理方法。
  5. 脱硝装置における触媒再強化処理方法に使用する強化剤液スプレー装置であって、
    スプレーガンと、前記スプレーガンの先端に設けられたスプレーノズルと、前記スプレーノズルの周囲に設けられ、触媒の上流側端面を覆って、前記スプレーノズルからスプレーされた強化剤液が周囲に飛散するのを防止する飛散防止冶具とを備えたことを特徴とする脱硝装置における触媒再強化処理方法に使用する強化剤液スプレー装置。
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