JP4794658B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

この発明は、電気掃除機に関する。
従来、電気掃除機は、電動送風機によって吸気を発生させて、掃除の対象物の表面の塵埃を周囲の空気とともに電気掃除機内に吸い込む。電気掃除機内に吸い込まれた塵埃は、塵埃捕集室内において、フィルタによって吸気から取り除かれたり、吸気を旋回させて吸気と分離させられたりする。
電気掃除機において、吸気が通過する吸気通路を構成する部材は、吸気との摩擦によって帯電する。また、吸気と塵埃との摩擦によって、塵埃が帯電する。特に、吸気を旋回させて吸気と塵埃とを分離する電気掃除機では、吸気が塵埃捕集室の内周壁面に沿って旋回するので、塵埃捕集室が帯電しやすい。また、吸気との摩擦によって帯電した塵埃も吸気とともに塵埃捕集室内を旋回するので、帯電した塵埃が接触することによっても塵埃捕集室が帯電する。
塵埃捕集室や塵埃捕集室の内部の塵埃が帯電すると、次のような問題が生じることがある。すなわち、電気掃除機の使用者が塵埃捕集室内に溜められた塵埃を廃棄するときに、塵埃が塵埃捕集室に付着して完全に廃棄されにくくなったり、塵埃が塵埃捕集室から飛び出して周囲に飛び散ったりすることがある。また、電気掃除機の使用者が塵埃捕集室内に溜められた塵埃を廃棄するときに、使用者の手が帯電した塵埃捕集室に触れて、感電する危険性がある。
塵埃や塵埃捕集室の帯電を防ぐためには、例えば、吸気にイオンを供給することが考えられる。吸気にイオンを供給する電気掃除機として、次のような電気掃除機が提案されている。
特開2004−194977号公報(特許文献1)には、掃除を行なわないとき、吸塵ホースの代わりに掃除機本体の吸込み口に取り付けられるアダプタを備える電気掃除機が記載されている。このアダプタにはマイナスイオン発生器が組み込まれている。掃除機本体の吸込み口にアダプタを取り付けた状態で掃除機の電動送風機を駆動させると、アダプタを通過する気流とともに、マイナスイオンが掃除機本体内に供給される。また、アダプタの風路は風路絞りによって絞られており、アダプタを通過する気流の速度を通常の掃除時の気流の速度よりも高めることができる。この気流で、フィルタに付着している塵埃の膜を剥がす。また、この気流とともにマイナスイオンが供給されるので、フィルタの帯電を中和して塵埃を剥がしやすくする。
特開2006−158568号公報(特許文献2)には、集塵ケースを除電するために、集塵ケースの外側に除電手段を備える電気掃除機が記載されている。除電手段は、集塵ケースに接する部分を有し、集塵ケースに帯電した静電気を逃がすものでもよいし、除電手段で静電気を発生させて、集塵ケースに帯電した静電気と中和させるものでもよい。また、空気中にマイナスイオンを発生させて、マイナスイオンを用いて集塵ケースを除電するものでもよい。
特開2004−154214号公報(特許文献3)には、メッシュのフィルタから構成されている塵埃捕集部に電荷を放出するイオン発生手段を備え、塵埃捕集部の目詰まりを軽減する電気掃除機が記載されている。
特開2004−194977号公報 特開2006−158568号公報 特開2004−154214号公報
特開2004−194977号公報(特許文献1)、特開2006−158568号公報(特許文献2)、または、特開2004−154214号公報(特許文献3)に記載の電気掃除機においては、イオンをダストカップ、集塵ケース等の塵埃捕集室内に導入することにより、塵埃が帯電するのを防止している。
しかしながら、イオンによって帯電が防止された塵埃でも、この塵埃と塵埃捕集室の内周壁面との間の摩擦によって帯電することにより、その内周壁面に付着する場合がある。このため、電気掃除機の使用者が塵埃捕集室内に溜められた塵埃を廃棄するときに、塵埃が塵埃捕集室に付着して完全に廃棄されにくくなるという問題が十分に解消され難い。
そこで、この発明の目的は、塵埃捕集室内に溜められた塵埃をより効果的に廃棄することが可能な電気掃除機を提供することである。
この発明に従った電気掃除機は、吸込口を有する吸込口体と、吸気を発生させる電動送風機と、吸気を吸込口体から電動送風機に導く吸気通路と、この吸気通路に配置され、吸気を旋回させて塵埃を分離する塵埃捕集室と、この塵埃捕集室内に供給するイオンを発生させるイオン発生部とを備える。塵埃捕集室の内周壁面には、塵埃捕集室内の塵埃が接触することができるように複数の障害物が形成されている。
この発明の電気掃除機では、吸気を旋回させることにより、塵埃が吸気から分離されて、塵埃捕集室内に捕集される。このとき、イオン発生部によって発生されたイオンが塵埃捕集室内に供給されるので、塵埃が帯電するのが防止される。しかし、この塵埃と塵埃捕集室の内周壁面とが摩擦することにより、塵埃が帯電する場合がある。
このような場合でも、本発明の電気掃除機では、塵埃が、塵埃捕集室の内周壁面に形成された複数の障害物に接触し内周壁面から浮き上がることにより、塵埃と塵埃捕集室の内周壁面との間の摩擦帯電量を減少させることができる。これにより、イオンによる塵埃の帯電防止作用と、複数の障害物による塵埃の摩擦帯電防止作用との相乗効果によって、塵埃が塵埃捕集室の内周壁面に付着するのをより効果的に防止することができる。その結果、塵埃捕集室内に溜められた塵埃をより効果的に廃棄することが可能となる。
また、この発明の一つの局面に従った電気掃除機において、塵埃捕集室の内周壁面には、複数の障害物が、内周壁面上で傾斜して上方に延びるように形成されるとともに、塵埃捕集室内への吸気の流入方向に対してほぼ直交する方向に延びるように形成されることにより、塵埃捕集室内の塵埃が接触することができるように複数の障害物が形成されている
この場合、塵埃を含む吸気が、複数の障害物に対してほぼ直交するように接触するので、塵埃が塵埃捕集室の内周壁面に付着するのをより効果的に防止することができる。
さらに、この発明のもう一つの局面に従った電気掃除機において、塵埃捕集室の内周壁面には、ドット状の突起物がランダムに配置されることにより、塵埃捕集室内の塵埃が接触することができるように複数の障害物が形成されている
この場合、塵埃捕集室内への吸気の様々な流入方向に応じて、塵埃を含む吸気が複数の障害物に接触することができるので、塵埃が塵埃捕集室の内周壁面に付着するのを防止することができる。
この発明の電気掃除機において、障害物が、塵埃捕集室の相対的に下方に位置する内周壁面に形成されていることが好ましい。
この場合、吸気を旋回させて塵埃を分離する塵埃捕集室において、塵埃捕集室の相対的に下方に位置する複数の障害物が、塵埃捕集室内の上方で生じる吸気の旋回気流を妨げることがない。このため、塵埃が塵埃捕集室の内周壁面に付着するのをより効果的に防止することができる。
以上のように、この発明によれば、塵埃捕集室内に溜められた塵埃をより効果的に廃棄することが可能な電気掃除機を提供することができる。
この発明の一つの実施形態として、電気掃除機の全体を示す斜視図である。 一つの実施形態の電気掃除機を上から見たときの断面図である。 一つの実施形態の電気掃除機を、図2に示すIII−III線の方向から見たときの図である。 図2に示す電気掃除機のイオン発生室を拡大して示す図(A)と、イオン発生室を(A)に示すB−B線の方向から見たときの図(B)である。 この発明の一つの実施形態の電気掃除機が備える第1の実施形態のダストカップの横断面を示す図(A)と、(A)に示すB−B線の方向から見た縦断面図である。 第1の実施形態のダストカップの内周壁面のみの横断面を示す図(A)と、(A)に示すB−B線の方向から見た縦断面図である。 第2の実施形態のダストカップの内周壁面のみの横断面を示す図(A)と、(A)に示すB−B線の方向から見た縦断面図である。 第3の実施形態のダストカップの内周壁面のみの横断面を示す図(A)と、(A)に示すB−B線の方向から見た縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、電気掃除機1は、吸込口を有する第1の吸込口体として吸込口体101と、吸気を発生させる電動送風機(吸引モーター)や塵埃捕集室を収容する本体100と、吸込口体101と本体100とを接続する延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105とを備える。延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105は、吸気通路を形成する。連結管105の外周面上には、第2の吸込口体としてイオン発生室130が設置されている。
吸込口体101には、延長管102、取っ手を備える接続パイプ103、サクションホース104、連結管105が順次接続されている。サクションホース104は連結管105を介して本体100に接続されている。接続パイプ103の取っ手には、使用者が電動送風機の駆動と駆動停止とを切り替えたりするための操作部(図示しない)が配置されている。
延長管102は、用途に合わせて使用者が長さを調節することが可能であるように、途中で分割されたり、二重構造の伸縮式にされたりしてもよい。サクションホース104は、柔軟に曲がるように構成されている。
本体100には、本体100を床面上で移動可能に支持する車輪106が設けられている。また、本体100上には、通常、使用者が本体100を持ち上げるためのハンドル(図示しない)が配置されているが、本体100上にはハンドルが配置されていなくてもよい。
図2と図3に示すように、電気掃除機1(図1)の本体100の内部には、主に、電動送風機110と、塵埃捕集室120と、フィルタ150と、吸気経路107Aと、排気経路107Bが配置されている。本体100の外周面において、2つの車輪106の間には、排気経路107Bに接続される排気口108が形成されている。
塵埃捕集室120の上流側には連結管105が接続され、後流側には吸気経路107Aを介して電動送風機110が接続されている。電動送風機110の後流側には、フィルタ150が配置されている。
本体100に連結されている連結管105の外周面上には、イオン発生室130が形成されている。イオン発生室130には、イオン発生室130の内部と連結管105の内部とを連通するイオン放出口135が形成されている。イオン放出口135は、連結管105の内側から、壁部として隔壁140によって覆われている。隔壁140は、連結管105内を通過する吸気ならびに吸気に含まれる塵埃が、イオン発生室130内へ流入するのを防止するものである。図2の二点鎖線で示す吸気の流れから見て、イオン放出口135の上流側端部より連結管105の中心部に向けて壁が伸び、途中で屈曲し、イオン放出口135の下流側端部近傍まで延設されている。言い換えると、隔壁140は、吸気の流れに対して略垂直に伸びる垂直壁と、吸気の流れに対して略水平に伸びる水平壁とから構成されている。
イオン発生室130内への塵埃を含む吸気の流入を防止する点において、隔壁140の形状は、図2に示すようにその断面は、垂直壁より水平壁が長い略L字形状とし、イオン放出口135の下流側端部近傍に隙間を設けるのが好ましい。
イオン発生室130内で発生したイオンを速やかに連結管105内に供給する場合には、イオン放出口135の開口を大きくするために、隔壁140の垂直壁と水平壁の長さを略同じ長さにするのが好ましいが、この場合、イオン発生室130内への塵埃の流入を防止するために、網目状のメッシュフィルタをイオン放出口135の開口を覆うように設けるのがよい。
図4の(A)と(B)に示すように、イオン発生室130の内部には、イオン発生部としてイオン発生素子131と、正イオンと負イオンの分離部材として分離壁134と、逆止弁137が配置されている。イオン発生室130には、2つの開口部、すなわち、イオン放出口135と吸気口136とが形成されている。イオン放出口135は常に開放されている。
吸気口136は、両端が開口した中空円筒体で、外部とイオン発生室130内を連通している。逆止弁137は、吸気口136の外形より大きい内径寸法をもつ円筒形状で、一端が閉じ他端が開口した蓋体である。逆止弁137は、他端の開口側から、吸気口136の一端に覆い被さるように組み合わさっている。
逆止弁137は、図示しない付勢手段により吸気口136を開放する方向に常に付勢されている。付勢手段は、例えば、連結管105の内部の圧力が所定の圧力よりも高いときに逆止弁137が吸気口136を閉塞し、連結管105の内部の圧力が所定の圧力よりも低いときに逆止弁137が吸気口136を開放するよう付勢力が調整された巻きばねであり、逆止弁137と吸気口136の間に内装されている。これにより、逆止弁137は、連結管105の内部の圧力に基づいて吸気口136を開放または閉塞する。吸気口136、逆止弁137、付勢手段により吸気口開閉手段が構成される。
なお、逆止弁137の代わりに、電気的駆動弁により吸気口136を開閉する電磁弁を用いても良い。
この場合、接続パイプ103の取っ手にイオン発生素子131の操作部を設け、使用者がイオン発生素子131の駆動と駆動停止の切り替えに応じて、電磁弁による吸気口136の開放と閉塞が行われる。
また、吸気口136は、連結管105が本体100に接続された状態において、その開口が下方を向くように配置されている。これにより、水などの液体がイオン発生室130内に入った場合でも速やかに外部に排出することができる。
イオン発生素子131は、正イオン発生部132と負イオン発生部133とを含む。正イオン発生部132と負イオン発生部133とは、それぞれ尖端部を有しており、高電圧が印加されると尖端部でコロナ放電を発生させることができるように構成されている。たとえば、正イオン発生部132の尖端部に交流インパルス電圧をプラスにバイアスした電圧波形を印加することで、正イオン発生部132では正イオンが発生され、負イオン発生部133の尖端部に交流インパルス電圧をマイナスにバイアスした電圧波形を印加することで、負イオン発生部133では負イオンが発生される。
イオン放出口135は、正イオン発生部132と負イオン発生部133の両方から、距離がほぼ等しい位置に形成されている。分離壁134は、正イオン発生部132と負イオン発生部133との間に両者を仕切るように配置されている。分離壁134は、イオン発生素子131からイオン放出口135まで延びている。以上の構成により、正イオン発生部132と負イオン発生部133から発生された正イオンと負イオンは、イオン発生室130内で中和することが防止される。
以上のように構成される電気掃除機1の動作について説明する。図2から図4に二点鎖線で示す矢印は、吸気の流れる方向を示す。まず、塵埃捕集室120の内部に溜められている塵埃の量があまり多くない場合、すなわち、吸気通路内の圧力が低い場合について説明する。
使用者が操作部を操作して電気掃除機1の運転を開始すると、イオン発生素子131と電動送風機110とが駆動される。イオン発生素子131が駆動されると、イオン発生素子131の正イオン発生部132と負イオン発生部133のそれぞれにおいてイオンが発生する。
電動送風機110が駆動されると、吸気が発生する。吸気は、吸込口から吸込口体101の内部に吸い込まれる。吸込口体101の内部に吸い込まれた吸気は、延長管102、接続パイプ103、サクションホース104、連結管105を順に通って、電気掃除機1の本体100内に吸い込まれる。本体100内においては、吸気はまず、連結管105から塵埃捕集室120内に流入する。
塵埃捕集室120内に塵埃があまり溜められていない場合には、吸気通路の一部である連結管105内の圧力が低い。このとき、吸気口136に配置されている逆止弁137は、吸気口136を開放している。そのため、電動送風機110が駆動されると、イオン発生室130の吸気口136からイオン発生室130の内部に吸い込まれる吸気も発生する。
吸気口136からイオン発生室130に流入した吸気は、正イオン発生部132を通ってイオン放出口135から連結管105の内部に流出する。また、吸気口136からイオン発生室130に流入した吸気は、負イオン発生部133を通ってイオン放出口135から連結管105の内部に流入する。吸気が正イオン発生部132と負イオン発生部133を通るときに、正負のイオンが吸気に供給される。イオン放出口135から連結管105の内部に流入したイオンを含む吸気は、塵埃捕集室120内に向かって流通する。
イオン放出口135の上流側は隔壁140によって覆われている。そのため、吸込口体101から延長管102、接続パイプ103、サクションホース104を通って連結管105に流入した塵埃を含む吸気は、イオン放出口135の上流側から、イオン放出口135を覆う隔壁140に沿って、連結管105の下流側に向かって流れる。隔壁140がイオン放出口135の上流側を覆っているので、塵埃を含む空気はイオン放出口135に入り込みにくい。したがって、イオン放出口135が塵埃でふさがれたり、塵埃を含む吸気がイオン放出口135からイオン発生室130内に入り込んで、正イオン発生部132や負イオン発生部133が塵埃で汚損されたりして放電が生じにくくなることを防ぐことができる。
連結管105の内部にイオンを含む空気が流通することによって、連結管105と連結管105内の塵埃が除電される。
次に、イオンを含む吸気は、連結管105から塵埃捕集室120内に流入し、旋回させられる。このとき、吸気中のイオンは、吸気中の塵埃に衝突する。また、吸気中のイオンは塵埃捕集室120の内壁面に衝突する。
吸気中の塵埃は、吸気との摩擦や塵埃どうしの接触によって帯電していることが多い。また、塵埃捕集室120の内壁面も、吸気との摩擦や塵埃との接触によって帯電していることが多い。このように帯電している塵埃や塵埃捕集室120の内壁面にイオンが衝突することによって、塵埃や塵埃捕集室120が除電される。
吸気は、塵埃捕集室120内で旋回することによって塵埃と分離される。塵埃捕集室120内で塵埃と分離された吸気は、電動送風機110に向かって流通する。電動送風機110の下流側にはフィルタ150が設置されている。吸気は、フィルタ150を通過して清浄化され、排気経路107Bを通って、排気口108から本体100の外に排出される。
電気掃除機1を用いた掃除が終了すると、使用者は操作部を操作して、電動送風機110の駆動とイオン発生素子131の駆動を停止させる。電動送風機110とイオン発生素子131の駆動が完全に停止した後、使用者は、塵埃捕集室120を本体100から取り外して、塵埃捕集室120内に溜められた塵埃を廃棄する。
塵埃と塵埃捕集室120は電動送風機110とイオン発生素子131の駆動中に除電されている。そのため、塵埃捕集室120から塵埃を廃棄するときに、静電気によって塵埃が飛び散ったり、塵埃捕集室120に塵埃が付着したまま残ったりすることが少なくなる。塵埃を取り除かれた塵埃捕集室120は、再び電気掃除機1の本体100に装着される。
また、この実施形態の電気掃除機1は、吸気通路に配置され、吸気を旋回させて塵埃を分離する塵埃捕集室120を備える。塵埃捕集室120は、吸気の流れにおいてイオン放出口135の下流側に配置されている。
吸気を旋回させて塵埃を分離する塵埃捕集室120においては、吸気と塵埃との摩擦、塵埃どうしの摩擦、吸気と塵埃捕集室120との摩擦、塵埃と塵埃捕集室120との摩擦が生じやすく、塵埃と塵埃捕集室120が帯電しやすい。そこで、吸気の流れにおいてイオン放出口135の下流側に塵埃捕集室120が配置されることによって、イオン放出口135から吸気通路に放出されるイオンを塵埃捕集室120の除電に用いることができる。
しかしながら、上述したようにイオンによって帯電が防止された塵埃でも、この塵埃と塵埃捕集室120の内周壁面との間の摩擦によって帯電することにより、その内周壁面に付着する場合がある。このため、電気掃除機の使用者が塵埃捕集室120内に溜められた塵埃を廃棄するときに、塵埃が塵埃捕集室120に付着して完全に廃棄されにくくなるという問題が十分に解消され難い。
そこで、この発明の電気掃除機1において、図5の(A)と(B)、図6の(A)と(B)に示すように、第1の実施形態では、塵埃捕集室120を構成するダストカップ121の内周壁面には、複数の障害物としてのリブ124が形成されている。各リブ124は、ダストカップ121の内周壁面から中央部に向かって突出した凸形状を有する。また、各リブ124は、ダストカップ121にてほぼ鉛直方向、または、ダストカップ121のほぼ中心軸線方向に延びるように形成されている。複数のリブ124は、ダストカップ121の相対的に下方に位置する内周壁面に形成されている。
塵埃を含む吸気は、流入口122からダストカップ121の内部に流入し、旋回する。この旋回によって吸気から分離された塵埃は、ダストカップ121の下方に集積する。このとき、塵埃は、複数のリブ124に接触する。言い換えれば、複数のリブ124は、流入口122から流入した吸気に含まれる塵埃が接触することができるように形成されている。塵埃が分離された後の吸気は、ダストカップ121の相対的に上方に位置付けられた内筒フィルタ123を通過して、電動送風機110(図2、図3)に向かって流通する。
以上のようにして、この発明の電気掃除機1では、吸気を旋回させることにより、塵埃が吸気から分離されて、ダストカップ121内に捕集される。このとき、イオン発生室130によって発生されたイオンがダストカップ121内に供給されるので、前述したように塵埃が帯電するのが防止される。しかし、この塵埃とダストカップ121の内周壁面とが摩擦することにより、塵埃が帯電する場合がある。
このような場合でも、本発明の電気掃除機1では、塵埃が、ダストカップ121の内周壁面に形成された複数のリブ124に接触することにより、塵埃とダストカップ121の内周壁面との接触が減少することにより、塵埃とダストカップ121の内周壁面との間の摩擦帯電量を減少させることができる。これにより、イオンによる塵埃の帯電防止作用と、複数のリブ124による塵埃の摩擦帯電防止作用との相乗効果によって、塵埃がダストカップ121の内周壁面に付着するのをより効果的に防止することができる。その結果、ダストカップ121内に溜められた塵埃をより効果的に廃棄することが可能となる。
第1の実施形態では、複数のリブ124が、ダストカップ121内にてほぼ鉛直方向、または、ダストカップ121のほぼ中心軸線方向に延びるように形成されているので、複数のリブ124をダストカップ121の内周壁面に容易に形成することができる。また、塵埃が複数のリブ124付近に集積したとしても、その塵埃をダストカップ121から外へ容易に廃棄することができる。
また、第1の実施形態では、複数のリブ124が、ダストカップ121の相対的に下方に位置する内周壁面に形成されているので、吸気を旋回させて塵埃を分離するダストカップ121において、ダストカップ121の相対的に下方に位置する複数のリブ124が、ダストカップ121内の上方で生じる吸気の旋回気流を妨げることがない。このため、塵埃がダストカップ121の内周壁面に付着するのをより効果的に防止することができる。
次に、図7の(A)と(B)に示すように、第2の実施形態では、塵埃捕集室120を構成するダストカップ121の内周壁面には、複数の障害物としてのリブ125が形成されている。各リブ125は、ダストカップ121の内周壁面から中央部に向かって突出した凸形状を有する。また、各リブ125は、ダストカップ121の内周壁面上で傾斜して上方に延びるように形成されている。塵埃を含む吸気は、流入口122からダストカップ121の内部に流入し、旋回する。この旋回気流は、ダストカップ121の内周壁面に沿って下方に傾斜した方向に生じる。そうすると、各リブ125は、ダストカップ121内への吸気の流入方向に対してほぼ直交する方向に延びるように形成されていることになる。複数のリブ125は、ダストカップ121の相対的に下方に位置する内周壁面に形成されている。
この場合、上記の第1の実施形態の作用効果に加えて、塵埃を含む吸気が、複数のリブ125に対してほぼ直交するように接触するので、塵埃がダストカップ121の内壁面に付着するのをより効果的に防止することができる。
なお、この発明の電気掃除機1において、第3の実施形態として、図8の(A)と(B)に示すように、複数の障害物の一例であるドット状の突起物126が、ダストカップ121の内周壁面にランダムに配置されて形成されていてもよい。
この場合、ダストカップ121内への吸気の様々な流入方向に応じて、塵埃を含む吸気が複数の突起物126に接触することができるので、塵埃がダストカップ121の内壁面に付着するのを防止することができる。
第1〜第3の実施形態では、複数の障害物として、凸状物を形成した例を説明したが、凹状物でもよく、凸状物と凹状物とを組み合わせて構成しても、上述した作用効果を達成することができる。また、障害物の断面形状は、矩形状、三角形状、カマボコ形状等のいずれでもよい。
また、以上の実施形態では、連結管105の外周面上に、イオン発生部としてイオン発生室130が形成されている例について説明したが、イオン発生部を配置または形成する箇所は、連結管105に限定されるものではなく、少なくともイオンを塵埃捕集室120の内部に供給することができれば、いずれの箇所でもよく、本体100内でもよい。
なお、第1〜第3の実施形態のイオン発生室では、正イオンと負イオンを略同数発生させ、吸気に流通させている。一般的に塵埃はプラスの電荷が帯電する傾向にあるので、負イオンのみを発生させて除電することも可能であるが、本発明では、正イオンと負イオンの両方を発生させることで、塵埃捕集室120内の除電に加えて、殺菌および消臭を行っている。正イオンは、水素イオン(H)の周囲に複数の水分子が付随したクラスターイオンであり、H(HO)(ただし、mは任意の自然数である)と表わされる。負イオンは、酸素イオン(O )の周囲に複数の水分子が付随したクラスターイオンであり、O (HO)(ただし、nは任意の自然数である)と表わされる。正イオンおよび負イオンを塵埃捕集室120内に放出すると、両イオンが空気中を浮遊するカビ菌やウィルスの周りを取り囲み、その際に生成される活性種の水酸化ラジカル(・OH)の作用により、浮遊カビ菌などが除去される。さらに、活性種は、空気中の臭い分子を酸化させ分解する作用があるので、塵埃捕集室120内の消臭も行える。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
1:電気掃除機、101:吸込口体、110:電動送風機、120:塵埃捕集室、121:ダストカップ、122:流入口、124,125:リブ、126:突起物、130:イオン発生室。

Claims (3)

  1. 吸込口を有する吸込口体と、
    吸気を発生させる電動送風機と、
    吸気を前記吸込口体から前記電動送風機に導く吸気通路と、
    前記吸気通路に配置され、吸気を旋回させて塵埃を分離する塵埃捕集室と、
    前記塵埃捕集室内に供給するイオンを発生させるイオン発生部とを備え、
    前記塵埃捕集室の内周壁面には、複数の障害物が、前記内周壁面上で傾斜して上方に延びるように形成されるとともに、前記塵埃捕集室内への吸気の流入方向に対してほぼ直交する方向に延びるように形成されることにより、前記塵埃捕集室内の塵埃が接触することができるように前記複数の障害物が形成されている、電気掃除機。
  2. 吸込口を有する吸込口体と、
    吸気を発生させる電動送風機と、
    吸気を前記吸込口体から前記電動送風機に導く吸気通路と、
    前記吸気通路に配置され、吸気を旋回させて塵埃を分離する塵埃捕集室と、
    前記塵埃捕集室内に供給するイオンを発生させるイオン発生部とを備え、
    前記塵埃捕集室の内周壁面には、ドット状の突起物がランダムに配置されることにより、前記塵埃捕集室内の塵埃が接触することができるように複数の障害物が形成されている、電気掃除機。
  3. 前記障害物が、前記塵埃捕集室の相対的に下方に位置する内周壁面に形成されている、請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
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