JP4794097B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電力に基づいて電動機を可変速駆動する際に、漏洩電流を打ち消すようにノイズ補償電流を流すノイズ低減回路を備えた電力変換器装置に係り、特に高周波である漏洩電流を正確に測定する高価で重い専用の測定器を使用することなく、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を短時間で実施できるようにした電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えばエレベータ駆動用の電動機を駆動する際には、所望の電力を供給可能な電力変換装置が多く使用されてきている。
【0003】
この種の電力変換装置の典型的な例としては、例えばGTO(Gate turn-off thyristor)やIGBT(insulated gate bipolar transistor)等の複数の半導体スイッチング素子が直並列に配置されたインバータ装置がある。
【0004】
このインバータ装置は、以下の説明において電力変換装置の代表例として述べる。
【0005】
近年、この種のインバータ装置を用いた電動機の駆動システムでは、各半導体スイッチング素子の高速スイッチングに伴なう大地漏洩電流(以下、漏洩電流と称する)が問題として注目されている。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、最近では、漏洩電流を打ち消すようにノイズ補償電流を流すノイズ低減回路を備えた電力変換器装置が提案されてきている。
【0007】
図6は、この種の従来のノイズ低減回路を備えた電力変換器装置の全体構成例を示す回路図である。
【0008】
図6において、交流電源1から交流3相交流電圧を、全波整流回路2に供給する。
【0009】
全波整流回路2は、3相ブリッジに接続された複数個のダイオード素子D1〜D6からなり、この3相交流電圧を直流電圧に変換し、この直流電圧を正側入力ラインPと負側入力ラインNとの間からインバータ装置3に供給する。
【0010】
インバータ装置3は、3相ブリッジ接続された複数個のスイッチング素子Q1〜Q6からなり、図示しないゲート駆動回路による各スイッチング素子Q1〜Q6のPWM(pulse width modulation)制御により、幅の制御されたパルス状の電圧を電動機4の各相の巻線に与える。
【0011】
電動機4は、このパルス状の電圧によって駆動される。
【0012】
そして、この時の電圧変化率dv/dtによって、電動機4巻線とフレームアースとの間の浮遊容量Cを通じて、大地にノイズ電流である漏洩電流が流れる。
【0013】
この漏洩電流は、電動機4と交流電源1のアース端子との間の各アースラインおよび大地を通り、交流電源1のアース端子に対して、流入または流出するように極性に応じて流れる。
【0014】
このため、漏洩電流は、漏電ブレーカの誤動作や感電事故の原因となる。
【0015】
そこで、この漏洩電流を低減させるために、ノイズ低減回路6を備えている。
【0016】
このノイズ低減回路6は、交流電源1と全波整流回路2との間の電源ラインから漏洩電流を検出する漏洩電流検出器5により検出された漏洩電流に基づいて、当該漏洩電流を打ち消すようにアースラインにノイズ補償電流を流す。
【0017】
すなわち、このノイズ低減回路6は、電源としてアースに落ちていない相よりトランス7にて絶縁された交流電圧を、ダイオードブリッジ回路8にて整流し、2個の平滑コンデンサ9a,9bを介して直流電圧として安定させる。
【0018】
そして、漏洩電流を検出する漏洩電流検出器5により検出された漏洩電流の信号を反転増幅回路10で反転増幅させ、上記直流電圧に接続されたNPN型トランジスタTR1とPNP型トランジスタTR2により、コンデンサCE を介して接続されたアースラインに、ノイズ電流補償分を流す。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような従来のノイズ低減回路を備えた電力変換装置においては、設置環境等によって要素があるため、アースラインのインピーダンス、電源事情によって、漏洩電流の大きさが異なり、個別の調整を行なうことが必要となる。
【0020】
そして、この漏洩電流が最も小さくなるように調整するために、反転増幅回路10のゲイン調整用の可変抵抗11a,11bがある。
【0021】
この可変抵抗11a,11bによりゲイン調整をするためには、漏洩電流を測定する必要があるが、漏洩電流は高周波で発生するため、専用の測定器(例えばオシロスコープ等)で測定する必要がある。
【0022】
しかしながら、これらの測定器は、高価で重いものが多く、現地調整に使用することは難しいことから、最近では、例えばテスタ等のデジタル電圧計のみで、調整を行なえるようにすることが強く望まれてきている。
【0023】
また、装置の据付時に、接続や機器の故障によって、ノイズ低減回路6の出力電流と漏洩電流との位相が同相となった場合には、漏洩電流が2倍の大きさとなって、他の機器への影響が大きくなることから、それを事前に確認できる手段の出現が強く望まれてきている。
【0024】
本発明の目的は、高周波である漏洩電流を正確に測定する高価で重い専用の測定器を使用することなく、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を短時間で実施することが可能な電力変換装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、交流電源からの交流電力を任意の周波数を有する交流電力に変換し、当該交流電力を電動機に供給して可変速駆動するようにし、交流電源の電源ラインから漏洩電流を検出し、当該漏洩電流を増幅回路に入力し抵抗によりゲイン調整してノイズ補償電流を得、かつ漏洩電流を打ち消すように電力変換装置本体のアースラインにノイズ補償電流を流すノイズ低減回路を備えて構成される電力変換装置において、
請求項1に対応する発明では、増幅回路からの出力のピーク値をホールドし出力するピークホールド手段を備えている。
【0027】
従って、請求項1に対応する発明の電力変換装置においては、増幅回路からの出力のピーク値をホールドして出力することにより、ピークホールド手段のホールド電圧に基づいて、抵抗によってゲイン調整を行なうことができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0028】
また、請求項2に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の電力変換装置において、ピークホールド手段から出力される電圧を測定する電圧測定手段を付加している。
【0029】
従って、請求項2に対応する発明の電力変換装置においては、ピークホールド手段から出力される電圧を測定することにより、ピークホールド手段のホールド電圧を電圧測定手段によって確認することができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、電圧測定手段のみで、ノイズ低減回路のゲイン調整を行なうことができる。
【0030】
一方、請求項3に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の電力変換装置において、増幅回路のゲイン調整用の抵抗として電子ボリュームを使用し、ピークホールド手段から出力される出力電圧を、複数の異なる比較レベルと比較してデジタル信号に変換し出力するレベル比較手段と、レベル比較手段からの出力に基づいて、電子ボリュームの抵抗値を調整する手段とを付加している。
【0031】
従って、請求項3に対応する発明の電力変換装置においては、ピークホールド手段のホールド電圧を複数の異なる比較レベルと比較して認識し、適切なゲインを電子ボリュームに出力して抵抗値を調整することにより、ゲイン調整を自動的に行なうことができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0032】
また、請求項4に対応する発明では、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に対応する発明の電力変換装置において、ピークホールド手段におけるホールド電圧をリセットするゲイン調整モードスイッチ手段を付加している。
【0033】
従って、請求項4に対応する発明の電力変換装置においては、ピークホールド手段のホールド電圧をリセットすることにより、調整動作を繰り返し行なうことができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0034】
一方、請求項5に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の電力変換装置において、増幅回路のゲイン調整用の抵抗として電子ボリュームを使用し、ピークホールド手段から出力される出力電圧をデジタル信号に変換し出力するA/D変換手段と、A/D変換手段からの出力に基づいて、ゲインを演算し出力するマイコンと、マイコンからの出力に基づいて、電子ボリュームの抵抗値を調整する手段とを付加している。
【0035】
従って、請求項5に対応する発明の電力変換装置においては、ピークホールド手段のホールド電圧に基づいてゲインを演算し、当該ゲインを電子ボリュームに出力して抵抗値を調整することにより、ゲイン調整を自動的に行なうことができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0036】
また、請求項6に対応する発明では、上記請求項5に対応する発明の電力変換装置において、ピークホールド手段におけるホールド電圧をリセットするゲイン調整モードスイッチ手段を付加している。
【0037】
従って、請求項6に対応する発明の電力変換装置においては、ピークホールド手段のホールド電圧をリセットすることにより、調整動作を繰り返して行なうことができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0038】
さらに、請求項7に対応する発明では、上記請求項5に対応する発明の電力変換装置において、マイコンと通信手段を介して接続され、電動機の運転状況に応じて決定される計測要求時に、マイコンに対して自動調整を行なうための調整モード開始指令を出力するシステム全体を制御するメインマイコンを付加し、マイコンからの出力により、電子ボリュームの抵抗値を自動調整するようにしている。
【0039】
従って、請求項7に対応する発明の電力変換装置においては、マイコンを、システム全体を制御するメインマイコンと通信させることにより、メインマイコンからの調整モード開始指令に従って、定期的に自動的にゲイン調整を行なうことができ、外部環境が変化したような場合でも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0040】
さらにまた、請求項8に対応する発明では、上記請求項6に対応する発明の電力変換装置において、マイコンと通信手段を介して接続され、電動機の運転状況に応じて決定される計測要求時に、マイコンに対して自動調整を行なうための調整モード開始指令を出力するシステム全体を制御するメインマイコンを付加し、マイコンからの出力により、電子ボリュームの抵抗値を自動調整すると共に、ゲイン調整モードスイッチ手段を自動開閉するようにしている。
【0041】
従って、請求項8に対応する発明の電力変換装置においては、メインマイコンからの調整モード開始指令に従って、電子ボリュームの抵抗値の調整、およびピークホールド手段のホールド電圧のリセットを自動的に行なうことにより、適切なゲインを電子ボリュームに出力してゲイン調整を自動的に行なうと共に、調整動作を繰り返して行なうことができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を行なうことができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による電力変換装置の全体構成例を示す回路図であり、図6と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0046】
すなわち、本実施の形態による電力変換装置は、図1に示すように、前記図6に、ピークホールド回路12を付加した構成としている。
【0047】
ピークホールド回路12は、前記ノイズ低減回路6における反転増幅回路10からの出力のピーク値をホールドし出力する。
【0048】
このピークホールド回路12は、反転増幅回路10からの出力を非反転入力端子の入力とし、本ピークホールド回路12からの出力を反転入力端子の入力とする演算増幅器OP1と、この演算増幅器OP1の出力端子に直列接続されたダイオードDおよびコンデンサCからなる接地回路と、この接地回路のコンデンサCに並列接続された抵抗Rおよびゲイン調整モードスイッチSW1からなる接地回路と、接地回路のダイオードDとコンデンサCとの接続点出力を非反転入力端子の入力とし、本ピークホールド回路12からの出力を反転入力端子の入力とする演算増幅器OP2と、この演算増幅器OP2の出力端子に接続されたチェックピンCPとから構成している。
【0049】
ここで、チェックピンCPには、ピークホールド回路12から出力される電圧を測定する電圧測定手段である、アナログ電圧計またはデジタル電圧計を適宜接続可能としている。
【0050】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電力変換装置の作用について説明する。
【0051】
図1において、漏洩電流検出器5の出力信号が反転増幅回路10に入力され、その出力のピーク値をピークホールド回路12にてホールドする。
【0052】
このピークホールド回路12の電圧を、チェックピンCPに接続されたアナログ電圧計またはデジタル電圧計で読み取る。
【0053】
そして、このホールド電圧に基づいて、可変抵抗11a,11bによって手動的にゲイン調整を行なう。
【0054】
かかるゲイン調整が終了したら、ピークホールド回路12のゲイン調整モードスイッチSW1を手動で閉操作して、ピークホールド回路12のホールド電圧をリセットした後、再度測定を行なう。
【0055】
以上のような動作を繰り返すことにより、漏洩電流波形を直接測定することなくアナログ電圧計またはデジタル電圧計のみで、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を実施することができる。
【0056】
上述したように、本実施の形態による電力変換装置では、高周波である漏洩電流を正確に測定する前述のような高価で重い専用の測定器を使用することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を行なうことが可能となる。
【0057】
また、ピークホールド回路12のホールド電圧を、アナログ電圧計またはデジタル電圧計によって確認することができ、前述のような高価で重い専用の測定器を使用しなくとも、アナログ電圧計またはデジタル電圧計のみで、ノイズ低減回路6のゲイン調整を行なうことが可能となる。
【0058】
(第2の実施の形態)
図2は、本実施の形態による電力変換装置の全体構成例を示す回路図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0059】
すなわち、本実施の形態による電力変換装置は、図2に示すように、前記図1における反転増幅回路10のゲイン調整用の可変抵抗として電子ボリューム11a’,11b’を使用し、さらにチェックピンCP、およびこれに接続されるアナログ電圧計またはデジタル電圧計を省略し、これらに代えて新たに、レベル比較手段であるレベルコンパレータ13を備えた構成としている。
【0060】
レベルコンパレータ13は、例えば図示のように、互いに直列接続され所定の設定電圧が印加される4個の抵抗R1,R2,R3,R4と、これら各抵抗R1,R2,R3,R4の各接続点電圧V1,V2,V3と、前記ピークホールド回路12から出力される電圧とをそれぞれ個別に比較する3個の比較器CM1,CM2,CM3と、インターフェースI/Fとから構成している。
【0061】
すなわち、このレベルコンパレータ13は、ピークホールド回路12から出力される出力電圧を、複数の異なる比較レベルV1,V2,V3と比較して擬似的にデジタル信号に変換し、その出力により電子ボリューム11a’,11b’の抵抗値を調整するようにしている。
【0062】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電力変換装置の作用について説明する。
【0063】
図2において、漏洩電流検出器5の出力信号が反転増幅回路10に入力され、その出力のピーク値をピークホールド回路12にてホールドする。
【0064】
このピークホールド回路12の電圧を、レベルコンパレータ13により、擬似的にデジタル信号に変換する。
【0065】
そして、このデジタル信号を電子ボリューム11a′,11b′に対して出力し、その抵抗値を調整して、自動的にゲイン調整を行なう。
【0066】
かかるゲイン調整が終了したら、ピークホールド回路12のゲイン調整モードスイッチSW1を手動で閉操作して、ピークホールド回路12のホールド電圧をリセットした後、再度測定を行なう。
【0067】
以上のような動作を繰り返すことにより、漏洩電流波形を直接測定することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を実施することができる。
【0068】
上述したように、本実施の形態による電力変換装置では、高周波である漏洩電流を正確に測定する前述のような高価で重い専用の測定器を使用することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を自動的に行なうことが可能となる。
【0069】
また、ピークホールド回路12のホールド電圧をリセットすることで、調整動作を繰り返し行なうことが可能となる。
【0070】
(第3の実施の形態)
図3は、本実施の形態による電力変換装置の全体構成例を示す回路図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0071】
すなわち、本実施の形態による電力変換装置は、図3に示すように、前記図1における反転増幅回路10のゲイン調整用の可変抵抗として電子ボリューム11a’,11b’を使用し、さらにチェックピンCP、およびこれに接続されるアナログ電圧計またはデジタル電圧計を省略し、これらに代えて新たに、A/D変換器15と、マイコン14とを備えた構成としている。
【0072】
A/D変換器15は、前記ピークホールド回路12から出力される出力電圧をデジタル信号に変換し出力する。
【0073】
マイコン14は、A/D変換器15からの出力に基づいて、ゲインを演算し出力する。
【0074】
そして、このマイコン14からの出力により、電子ボリューム11a’,11b’の抵抗値を調整するようにしている。
【0075】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電力変換装置の作用について説明する。
【0076】
図3において、自動調整モードに設定し、漏洩電流検出器5の出力信号が反転増幅回路10に入力され、その出力のピーク値をピークホールド回路12にてホールドする。
【0077】
このピークホールド回路12の電圧を、A/D変換器15により、デジタル信号に変換する。
【0078】
このデジタル信号をマイコン14で読み取り、ゲインを演算して適切な抵抗値を電子ボリューム11a′,11b′に対して出力し、その抵抗値を調整して、自動的にゲイン調整を行なう。
【0079】
かかるゲイン調整が終了したら、ピークホールド回路12のゲイン調整モードスイッチSW1もマイコン14の出力により自動で閉操作して、ピークホールド回路12のホールド電圧をリセットした後、再度測定を行なう。
【0080】
以上のような動作を繰り返すことにより、漏洩電流波形を直接測定することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を自動的に実施することができる。
【0081】
上述したように、本実施の形態による電力変換装置では、高周波である漏洩電流を正確に測定する前述のような高価で重い専用の測定器を使用することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を自動的に行なうことが可能となる。
【0082】
また、ピークホールド回路12のホールド電圧を自動的にリセットすることで、調整動作を自動的に繰り返し行なうことが可能となる。
【0083】
(第4の実施の形態)
図4は、本実施の形態による電力変換装置の全体構成例を示す回路図であり、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0084】
すなわち、本実施の形態による電力変換装置は、図4に示すように、前記図3に、メインマイコン16を付加した構成としている。
【0085】
メインマイコン16は、システム全体を制御するものであり、前記マイコン14と公衆電話回線等の通信手段を介して接続され、前記電動機4の運転状況(エレベータ駆動用電動機の場合には、エレベータの運転状況)に応じて決定される計測要求時に、マイコン14に対して自動調整を行なうための調整モード開始指令を出力する。
【0086】
そして、マイコン14からの出力により、電子ボリューム11a’,11b’の抵抗値を調整するようにしている。
【0087】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電力変換装置の作用について説明する。
【0088】
図4において、システム全体を制御するメインマイコン16が、マイコン14に対して調整モード開始指令を出力すると、それを受けたマイコン14が自動調整モードに入り自動調整を実施する。
【0089】
すなわち、漏洩電流検出器5の出力信号が反転増幅回路10に入力され、その出力のピーク値をピークホールド回路12にてホールドする。
【0090】
このピークホールド回路12の電圧を、A/D変換器15により、デジタル信号に変換する。
【0091】
このデジタル信号をマイコン14で読み取り、ゲインを演算して適切な抵抗値を電子ボリューム11a′,11b′に対して出力し、その抵抗値を調整して、自動的にゲイン調整を行なう。
【0092】
かかるゲイン調整が終了したら、ピークホールド回路12のゲイン調整モードスイッチSW1もマイコン14の出力により自動で閉操作して、ピークホールド回路12のホールド電圧をリセットした後、再度測定を行なう。
【0093】
以上のような動作を繰り返すことにより、漏洩電流波形を直接測定することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を自動的に実施することができる。
【0094】
また、メインマイコン16が公衆電話回線等で接続されていることにより、遠隔操作可能な場合には、かかるゲイン調整を遠隔操作により自動的に行なうことができる。
【0095】
上述したように、本実施の形態による電力変換装置では、高周波である漏洩電流を正確に測定する前述のような高価で重い専用の測定器を使用することなく、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を自動的に行なうことが可能となる。
【0096】
また、マイコン14を、システム全体を制御するメインマイコン16と通信させることで、メインマイコン16からの調整モード開始指令に従って、定期的に自動的にゲイン調整を行なうことができ、外部環境が変化したような場合でも、ノイズ低減回路6の適切なゲイン調整を行なうことが可能となる。
【0097】
さらに、ピークホールド回路12のホールド電圧を自動的にリセットすることで、調整動作を自動的に繰り返し行なうことが可能となる。
【0098】
(第5の実施の形態)
図5(a)は、本実施の形態による電力変換装置の要部構成例を示す回路図であり、図6と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0099】
すなわち、本実施の形態による電力変換装置は、図5(a)に示すように、前記図6に、漏洩電流発生手段である短絡用抵抗17と、電圧計21と、チェックピン22とを付加した構成としている。
【0100】
短絡用抵抗17は、漏洩電流を強制的に発生させるものであり、前記漏洩電流検出器5を挟んでS相−T相間を短絡可能に設けられ、S相−T相間に漏洩電流を強制的に流す。
【0101】
電圧計21は、短絡用抵抗17により漏洩電流を流した時における、交流電源1の電圧を測定する。
【0102】
チェックピン22は、前記ノイズ低減回路6における反転増幅回路10からの出力を取り出す。
【0103】
ここで、チェックピン22には、反転増幅回路10からの出力を測定する電圧測定手段である、シンクロスコープを適宜接続可能としている。
【0104】
そして、短絡用抵抗17により漏洩電流を流した時における、交流電源1の電圧波形とノイズ低減回路6の反転増幅回路10からの出力波形との位相を比較することにより、反転増幅回路10からの出力極性を判定するようにしている。
【0105】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電力変換装置の作用について説明する。
【0106】
図5(a)において、漏洩電流を検出する漏洩電流検出器5を挟んで、S相−T相間を短絡用抵抗17を介して短絡し、当該S相−T相間に漏洩電流(IR )を強制的に流すようにする。
【0107】
この短絡用抵抗17により漏洩電流を流した状態で、電圧計21により交流電源1の電圧を測定し、チェックピン22に接続されたシンクロスコープによりノイズ低減回路6の反転増幅回路10の出力を測定する。
【0108】
そして、この交流電源1の電圧波形(VI )とノイズ低減回路6の反転増幅回路10の出力波形(VO )とを比較して、交流電源1の電圧波形(VI )の位相が、ノイズ低減回路6の反転増幅回路10の出力波形(VO )の位相よりも90度進んでいることを確認することで、ノイズ低減回路6の反転増幅回路10の出力極性が正しいことを確認することができる。
【0109】
すなわち、交流電源1の電圧波形(VI )はS−T間電圧であるので、図5(b)に示すベクトル図の下向き、漏洩電流(IR )は右向きであるが、反転増幅回路10を通るので、反転増幅回路10の出力波形(VO )は左向きとなる。
【0110】
よって、交流電源1の電圧波形(VI )は反転増幅回路10の出力波形(VO )よりも90度進んでいることを確認すればよいことになる。
【0111】
以上により、装置設置時に、簡単な試験回路にてノイズ低減回路6の動作確認を確実に行なうことができる。
【0112】
上述したように、本実施の形態による電力変換装置では、装置設置時に、簡単な試験回路にてノイズ低減回路6の動作確認を確実に実施することが可能となる。
【0113】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
また、各実施の形態は可能な限り適宜組合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電力変換装置によれば、高周波である漏洩電流を正確に測定する高価で重い専用の測定器を使用することなく、デジタル電圧計等で、ノイズ低減回路の適切なゲイン調整を実施することができ、またマイコン等による自動化を実施することで、調整時間の短縮化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電力変換装置の第1の実施の形態を示す回路構成図。
【図2】本発明による電力変換装置の第2の実施の形態を示す回路構成図。
【図3】本発明による電力変換装置の第3の実施の形態を示す回路構成図。
【図4】本発明による電力変換装置の第4の実施の形態を示す回路構成図。
【図5】本発明による電力変換装置の第5の実施の形態を示す回路構成図。
【図6】従来のノイズ低減回路を備えた電力変換器装置の構成例を示す回路図。
【符号の説明】
1…交流電源、
2…全波整流回路、
3…インバータ装置、
4…電動機、
5…漏洩電流検出器、
6…ノイズ低減回路、
7…トランス、
8…ダイオードブリッジ回路、
9…平滑コンデンサ、
10…反転増幅回路、
11…可変抵抗、
11a’,11b’…電子ボリューム、
12…ピークホールド回路、
13…レベルコンパレータ、
14…マイコン、
15…A/D変換器、
16…メインマイコン、
17…短絡用抵抗、
21…電圧計、
22…チェックピン、
OP1…演算増幅器、
OP2…演算増幅器、
D…ダイオード、
C…コンデンサ、
R…抵抗、
SW1…ゲイン調整モードスイッチ、
CP…チェックピン。
Claims (8)
- 交流電源からの交流電力を任意の周波数を有する交流電力に変換し、当該交流電力を電動機に供給して可変速駆動するようにし、
前記交流電源の電源ラインから漏洩電流を検出し、当該漏洩電流を増幅回路に入力し抵抗によりゲイン調整してノイズ補償電流を得、前記漏洩電流を打ち消すように電力変換装置本体のアースラインに前記ノイズ補償電流を流すノイズ低減回路を備えて構成される電力変換装置において、
前記増幅回路からの出力のピーク値をホールドし出力するピークホールド手段を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項1に記載の電力変換装置において、
前記ピークホールド手段から出力される電圧を測定する電圧測定手段を付加して成ることを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項1に記載の電力変換装置において、
前記増幅回路のゲイン調整用の抵抗として電子ボリュームを使用し、
前記ピークホールド手段から出力される出力電圧を、複数の異なる比較レベルと比較してデジタル信号に変換し出力するレベル比較手段と、
前記レベル比較手段からの出力に基づいて、前記電子ボリュームの抵抗値を調整する手段と、
を付加して成ることを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記ピークホールド手段におけるホールド電圧をリセットするゲイン調整モードスイッチ手段を付加して成ることを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項1に記載の電力変換装置において、
前記増幅回路のゲイン調整用の抵抗として電子ボリュームを使用し、
前記ピークホールド手段から出力される出力電圧をデジタル信号に変換し出力するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段からの出力に基づいて、ゲインを演算し出力するマイコンと、
前記マイコンからの出力に基づいて、前記電子ボリュームの抵抗値を調整する手段と、
を付加して成ることを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項5に記載の電力変換装置において、
前記ピークホールド手段におけるホールド電圧をリセットするゲイン調整モードスイッチ手段を付加して成ることを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項5に記載の電力変換装置において、
前記マイコンと通信手段を介して接続され、前記電動機の運転状況に応じて決定される計測要求時に、前記マイコンに対して自動調整を行なうための調整モード開始指令を出力するシステム全体を制御するメインマイコンを付加し、
前記マイコンからの出力により、前記電子ボリュームの抵抗値を自動調整するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - 前記請求項6に記載の電力変換装置において、
前記マイコンと通信手段を介して接続され、前記電動機の運転状況に応じて決定される計測要求時に、前記マイコンに対して自動調整を行なうための調整モード開始指令を出力するシステム全体を制御するメインマイコンを付加し、
前記マイコンからの出力により、前記電子ボリュームの抵抗値を自動調整すると共に、前記ゲイン調整モードスイッチ手段を自動開閉するようにしたことを特徴とする電力変換装置。
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