JP4794044B2 - 複数成分よりなる混合物を処理する装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、数種の成分を有する混合物(特にプラスチック混合物)を処理するための装置に関するものであり、この装置は混合物もしくはその成分のための少なくとも1個の入口を有する混合ヘッドと、混合物もしくはその成分を混合するための混合ヘッドにおける回転駆動されるミキサーと、混合物のための出口とを備えると共に、ミキサーは駆動ユニットにより混合ヘッドにて軸線方向変位自在に配置されて軸線位置に従い出口を解放もしくは閉鎖する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば弁蓋上に直接成形されるシールを製造すべくプラスチック混合物を処理する場合、プラスチック混合物の個々の成分はできれば数種の成分よりなるプラスチック材料を処理する直前にのみ互いに混合すべきである。数種の成分を含む混合物を製造および処理するため典型的装置がDE−OS 42 35 850号から公知であり、ここでは処理すべきプラスチック混合物の個々の成分を混合ヘッドに供給すると共に、回転ミキサーにより混合する。混合された最終混合物は流出口により混合ヘッドから出てダイに直接注入され、或いはたとえばシールとして部品上に成形することができる。公知の混合装置ではミキサーは流出口の閉鎖手段としても作用し、ミキサーシャフトに係合する空気圧式シリンダにより混合ヘッドにて軸線方向に変位することができ、ミキサーは流出口をほぼ円錐ポイントを有する第1下側位置にて弁ニードルのように閉鎖し、第2上昇位置にて流出口を開口させて混合プラスチックを射出することができる。
【0003】
この公知装置は、ミキサーが一方では混合部材としてその二重機能を果たすと共に、他方では閉鎖手段として機能するので実用的に極めて有利であることが証明されており、操作障害は滅多に生ぜず、射出部品(特に成形シール)にて高品質が達成される。しかしながら、ミキサーの軸線方向における突然の開口もしくは閉鎖移動はミキサーシャフトに直接作用する空気圧式シリンダを用いれば混合物から製造される工具、シールなどの品質ロスを、鋭敏な材料を処理する場合に生ぜしめることが判明している。出口を開口させるべくミキサーの突然の起動および極めて急速な上昇の結果、混合ヘッドの混合領域における容積には極めて短時間で、生成混合物またはその成分の流動性に応じ、これらが出口の方向に混合領域を通過しミキサー側壁部に沿ってその入口から充分急速に流出しえない程度まで増大し、従ってこの領域における突然増大する容積を満たす。特に出口が事前の処理から抽出された混合物の残留物でまだ満たされる場合、混合ヘッドにおけるミキサーの突然の上昇から低圧力が生じうる。混合ヘッドにおける低圧力は僅か短時間ではあるが混合ヘッドにおける製造かつ処理プラスチック混合物の放出をもたらすことがあり、その結果として処理すべき物質の品質ロスをもたらし或いは処理過程に際し均一な処理品質を持たなくなる。その結果、装置により部品上に成形されるシールの1部が残余のシールよりも異なって発泡し、従って完全なシールが均一な厚さを得ず、従って、信頼しうる閉鎖は、製造されつつあるシールで保証することができない。JP−A 5124071号からは射出成形器の押出器ネジ山の軸方向ドライブが公知であり、回転駆動されるシャフト端部にはその周辺に装着された数個の制御溝部を設け、ここに回転装着フォロアーを摺動させることができる。フォロアーは回転しない軸方向変位自在なフランジに配置され、ここに押出器ネジの駆動シャフトが装着される。シャフト端部の回転に際し、フォロアーは制御溝部により軸方向変位して、フランジおよび駆動シャフトを軸線方向に変位させる。US−A 3921963号からは射出成型器が公知であり、その押出器は液圧シリンダにより軸線方向に駆動されると共に、その回転速度は各ステップにて所定軸線位置にて変化する。US−A 4883645号は、ミキサーなしの静的混合ヘッドを示している。この混合ヘッドには、各成分の供給が遮断される際に混合チャンバを清浄する細い清浄ピストンを有する清浄装置が設けられる。清浄ピストンは清浄操作のため回転させることができ、軸線ドライブにより往復に移動させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ミキサーによる出口開口部の突然の開口もしくは閉鎖が回避されて処理すべき鋭敏な材料に対する不利な影響が防止されるよう上記種類の装置を改善することにある。この目的は、駆動ユニットが少なくとも1個の作動カムを有する機械的カムドライブを備える本発明により解決され、前記作動カムはミキサーもしくはそのシャフトに係合する上昇部材と連携し、これにより少なくとも1個の作動カムは安定もしくは円滑経路および閉鎖位置から混合ヘッドの出口を解放するミキサーの位置まで増大する半径を持ったカム設計を有する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
出口を開口させるべく上昇部材およびミキサーを上昇させる可変カム半径を有する1個もしくは数個の作動カムを含むカムドライブの使用により、操作過程の際のミキサーの速度をミキサーのさらなる軸方向変位経過の間に上昇運動の開始時点で極めて低い数値から増大させることができる。カムドライブは種々異なるカム領域を有する作動カムの使用を可能にして、処理すべき材料および材料の流動特性に最適にすることができる。作動カムは安定もしくは円滑経路を持ったカム設計を有するので、これらは混合ヘッドにおけるミキサーの上昇および後退を加速ジャンプなしに(すなわち全操作過程におけるミキサーの突然移動なしに)均一に増大する速度にて容易化させ、従って混合チャンバにおける容積は連続的に増大すると共に処理すべき材料で時間遅延なしに満たすことができる。閉鎖位置から混合ヘッドの出口を解放する位置まで増大するカム半径は、ミキサーの開口速度を出口の開口に際し連続的に増大させると共に駆動部材の駆動速度を維持することを容易化させ、または高速度を閉鎖の際の閉鎖位置に達する直前に極めて低い速度まで低下させることを容易化する。ニードル弁のように出口を閉鎖するミキサーの開口速度が開口移動の開始時点で極めて低いため、混合ヘッドにおける混合物は既に臨界的開口移動に際し混合ヘッドにおける増大容積を既に満たすことができ、従ってミキサーは混合ヘッドの混合チャンバにおけるその変位により低圧力を発生することなく、処理すべき数種の成分を含む混合された混合物はガス発生することがなく、さらに品質ロスを受けない。出口まで混合ヘッドに流入する材料の開口速度の影響が顕著に減少すると共に、急速な開口に基づく品質ロスの危険性が存在しないような開口移動のさらなる過程に際し、開口速度は相応に作動カムを形成することにより相当増大し、従って数種の成分を含む混合物の出口が完全解放される全時間が短くなる。
【0006】
好ましくはカムドライブは作動カムからなる少なくとも1個のカムシャフトを備え、このシャフトはミキサーシャフトに隣接する側にてベアリングハウジングに回転自在に装着される。それぞれ作動カムを有する2本の平行カムシャフトを含むカムドライブを設け、カムシャフトをミキサーシャフトの両側にて共通ベアリングハウジングに回転自在に装着するのが特に適する。この具体例において、上昇部材は好ましくはミキサーシャフトに係合し、軸線方向に混合物を変位させるための全駆動ユニットが実際の混合ヘッドから離間配置されうるようにする。従って、駆動ユニットが部分的に極めて精密に作成された部品で処理すべき数種の成分の混合物と接触して、出口の開口および閉鎖に際し欠陥もしくは不正確性をもたらしうる危険性が存在しない。好ましくは逆回転的にハウジング内で駆動される2本の平行カムシャフトの使用により、回転の際のカムが上昇部材にてビングする際に生ずる軸線移動がミキサーシャフト中へ正確に軸線方向へ導入されて、これがミキサーの変位に際し詰まらないよう確保する。好適にはカムシャフトは共通駆動部材を備えて、両カムシャフトのカムが常に正確に同量だけ回転すると共に上昇部材に均一に作用してミキサーヘッドにおけるミキサーを上昇させ或いは閉鎖に際し下降させるよう確保する。
【0007】
カムシャフトのための特に有利な種類のドライブはこれらに駆動ギヤを設けた場合に生じ、ドライブギヤは軸線変位自在な方向に駆動されるギヤラック駆動部材で回転させることができる。ギヤラック駆動部材には、両ドライブギヤにつき二重もしくは周辺ギヤを、好ましくは並列配置された2個のカムシャフトに設けることができる。軸線方向におけるギヤラック駆動部材の変位により、カムシャフトの2個のドライブギヤおよびそこに配置された作動ギヤは好ましくは逆回転式に回転され、カムがそのカム領域と共に上昇部材に沿ってホビングすると共に、これを持ち上げ或いはこれを下降させ或いはこれを前進移動させ、これら移動はギヤラック駆動部材の変位方向に依存する。最も有利な設定は、駆動部材が実質的に液圧式もしくは空気圧式ピストン−シリンダユニットのピストンよりなり或いはこれに連結されたものである。圧縮空気もしくは液圧流体からピストン−シリンダユニットのピストンに加えられる圧力はギヤにより或いは他の適する移行部材によりカムドライブに移行され、出口から増大速度にてミキサーを持ち上げる不均一な開口運動に変換される。
【0008】
カムギヤのドライブのためのピストン−シリンダユニットを使用する場合、二重作動式シリンダを用いてシリンダチャンバおよびその環状チャンバに圧縮空気もしくは液圧流体を供給して、出口を確実に閉鎖するためカムの戻りを確保することができる。一層簡単であるが、まだ極めて信頼しうる本発明の設計は、駆動部材がミキサーの開口運動に際し圧縮されるリセットバネを有する場合に生じ、リセットバネは出口が閉鎖された際に取り上げる駆動部材を閉鎖するためのその初期位置に戻る。液圧式もしくは空気圧式シリンダのピストンのピストンロッドを駆動部材として使用する場合、リセットバネはピストン−シリンダユニットのシリンダにおける圧力が減少もしくは取り消された場合に自動的に駆動部材を復帰移動させる。
【0009】
圧縮バネとして形成されたリセットバネが圧縮の際に側部まで屈曲するのを防止するよう、駆動部材は好ましくは軸方向ガイド孔を備え、この孔は圧縮バネは少なくとも部分的に収容する。圧縮バネとして形成されるリセットバネは、ガイド孔の他に或いはその代案として、ガイドマンドレルの周囲に巻回することもでき、このマンドレルはバネが圧縮され或いはその軸線方向に延びるよう確保すると共にバネの横方向移動が生じないよう確保する。
【0010】
螺旋バネを部分的に内蔵する。螺旋バネとして形成されたリセットバネは案内マンドレルの周囲に付加的または代案として巻回することができ、これはさらにバネがその軸線方向に互いに押圧されるよう確保すると共に側部の移動が生じないよう確保する。
【0011】
互いに並列配置されたカムシャフトの作動カムは既に記載したように好ましくは鏡像的に配置され、対応のカムシャフトは逆回転で駆動される。作動カムは対応カムシャフトに交換自在に配置することができ、従って作動カムのみの簡単な交換は処理すべき種々異なる混合物のミキサーの開口運動および速度を最適化することを容易化させる。さらに、完成カムシャフトをハウジング内に交換自在に装着すると共に、これらをそこに配置された作動カムと一緒に交換することをも可能であり、種々異なる材料を処理する際に利点を与える他のカムシャフトを有する駆動ギヤを装着することも可能である。代案として、ハウジング内に完成カムシヤフトを交換自在に装着することも可能である。
(公序良俗違反につき不掲載)
【0012】
上昇部材は好ましくは調整自在にミキサーシャフトの軸線方向に接続される。調整自在な接続は、ミキサーの閉鎖位置における作動カムが上昇部材に直接接触しないように装置を調整することを可能にし、従ってミキサーがその先端部で出口を完全に閉鎖するよう確保する。上昇部材は実質的にミキサーシャフトを同軸的に包囲する作動スリーブと、調整自在に螺着されたミキサーシャフトの軸ベアリングのベアリング受入部とで構成することができる。ミキサーシャフトにおける上昇部材の調節性は、ベアリング受入部を作動スリーブに螺入または螺出して容易化される。カムにより上昇部材に加わる軸方向運動を移行させると共にこれをハウジング内で移動させる軸ベアリングは好ましくはラジアル溝付ボールベアリングよりなり、これは同時にミキサーシャフトの1端部に配置されたラジアルシャフトベアリングを形成する。ラジアル溝付ボールベアリングは、それ自身の軸を中心とするシャフトの回転を容易化させるだけでなく、シャフトがハウジング内での変位につき回転される際に軸方向の力の移行をも可能にする。
【0013】
好適には上昇部材は、閉鎖バネの力に抗し作動カムによりハウジング内で軸線方向に変位することができる。閉鎖バネは上昇部材のリセットを確保すると同時に、作動カムがその初期位置まで復帰する際に出口を閉鎖すべくミキサーのリセットを確保し、初期位置は混合ヘッドの出口の開口前に存在した位置である。閉鎖バネはミキサーシャフトおよびミキサーをその先端部で堅固に出口に対し押圧すると共に、これを混合チャンバにまだ存在する材料の望ましくない流出に対して確実に閉鎖する。
【0014】
上昇部材の特に簡単かつ優雅な設計はベアリング受入部がスリーブ状にミキサーシャフトを包囲すると共に外ネジ山を設けた際に得られ、外ネジ山は作動スリーブに設けられた内ネジ山に螺着される。ベアリング受入部は好ましくは作動スリーブに対しハウジングの外側から調整することができ、このため軸方向変位自在にガイドスリーブに収容することができ、ガイドスリーブは、ハウジング内に回転自在に配置される一方、ベアリング受入部はガイドスリーブに関し周辺方向に拘束される。案内スリーブがハウジング内で回転する際、ベアリング受入部はこの設計で回転すると共に所望位置まで作動スリーブに対し螺入または螺出することができる。案内スリーブに関しベアリング受入部を拘束するため、好ましくはこれに少なくとも1個のストッパーピンを設け、このピンはラジアル内方に突出してラジアル方向にベアリング受入部に沿って延びる溝部に係合する。ベアリング受入部は案内スリーブに関し軸線方向に自由移動しうるが、案内スリーブに関し周辺方向には回転しえない。ハウジングの外側から案内スリーブの回転を容易化させるよう、好適にはハウジングの外側からアクセスしうる工具コネクタを設ける。
【0015】
本発明による装置の好適設計は、ミキサーまたはミキサーシャフトのための少なくとも1個のストッパー部材を備える。ストッパー部材はシャフトもしくはミキサーが出口を完全に開口させるべく覆わねばならない開口通路を制限する。ストッパー部材はハウジングのヘッドに配置することができ、これによりハウジングをその端部で閉鎖する。配置は好ましくはハウジングのヘッドがミキサーシャフトの上端部もしくは後端部のための円筒受入部を形成するような配置であり、受入部は内ネジ山を有し、ここにストッパー部材を調整自在に螺着する。ハウジングのヘッドにおけるストッパー部材の調整自在な配置はミキサーの上昇通路の変化および適合を可能にし、従ってミキサー先端部により規定される環状空隙部の寸法および出口を種々異なる性質を有する材料に変化かつ適合させることができる。好ましくはミキサーシャフトはストッパー部材に当接しないが、当接はベアリング受入部により間接的に生ずる。さらに閉鎖バネをハウジングのヘッドに配置することもでき、これは軸線方向における第1端部にてミキサーシャフトまたはそのベアリング受入部に対し作用すると共に、ハウジングのヘッド内にその第2端部で配置されたバネストッパーに支持される。バネストッパーをハウジングのヘッドに調整自在に配置し、たとえばハウジングのヘッドに設けられた内ネジ山に螺着されるストッパー部材とすれば特に有利である。閉鎖バネの第1端部はバネプレートによりミキサーシャフトに対し作用することができ、バネプレートはベアリング受入部に支持されてバネ力をベアリング受入部の全外周部に均一分配すると共に、これを純中心作用力としてミキサーに導入する。
【0016】
本発明は、数種の成分を有する混合物を製造および/または処理するための、特に閉鎖部材またはこれを形成するミキサーを先ず最初にゆっくり出口を解放する開口の際の出口開口部から持ち上げ、出口開口部から増大間隔にてそこから益々急速に離間移動させ、さらに出口を遮断する閉鎖に際し出口開口部から間隔を持った閉鎖部材を最初に開口部の方向へ一層高速度かつ開口部へ一層接近する際に開口部から減少間隔にて移動させ、閉鎖速度を減少させるような請求項1の導入部に記載の装置を操作するための方法を示唆する。本発明による装置のカムドライブにより特に有利に実施しうるが装置における他の適する駆動手段(たとえば制御液圧式ドライブ)によっても実現しうるこの種の方法は、混合ヘッドで処理して高品質の部品をこの方法により製造しうるよう鋭敏な材料の極めて緩和な処理を容易化させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のさらなる特徴および利点は以下の説明および図面から明らかとなり、本発明の好適実施の形態を以下詳細に説明する。
【0018】
図面において、参照符号10はプラスチック混合物(たとえばシールを形成される部品上に成形される封止用フォーム)の各成分を混合および処理する本発明による装置を示す。
【0019】
装置10は実質的に図1および2の底部に示した混合ヘッド11よりなり、ここにフランジ付けしたベアリングハウジング12を有し、これもその上端部にてハウジングのヘッド13で閉鎖される。混合チャンバ14は公知方法で混合ヘッド11に形成され、ここに数個の入口15をラジアルに走らせ、これを介し混合すべきプラスチック混合物の各成分を導入すると共に部品(図示せず)上に成形せねばならない。
【0020】
混合チャンバ14の下部は、混合チャンバの壁部19で空隙部18を形成しながらミキサー17の混合ヘッド16により満たされ、これにより供給プラスチック成分を互いに混合することができる。ミキサーは、その前端部(図面にて下端部)にて円錐の形状に形成され、その先端部20は混合物出口の開口部21の直前に位置し、この出口は混合ヘッド11の下側もしくは前側先端部23にて注射器と同様なカニューレ(カニュール)として配置される。
【0021】
ミキサー17は回転操作のためミキサーシャフト24に接続されて、ベアリングハウジング12内に回転自在に装着される。駆動モータ(図示せず)は駆動を行い、これをハウジングのヘッド13にフランジ付けすると共に、その駆動シャフトはハウジングヘッドの蓋部25に配置されて適する連結部によりミキサーシャフトの上端部に接続された開口部を介しハウジングのヘッドに突入する。
【0022】
混合ヘッド16を含むミキサーは処理すべきプラスチック混合物の個々の成分を混合するよう作用するだけでなく、混合物をその先端部20でノズルニードルのように射出すべく出口22の開口部21を閉鎖もしくは解放する目的をも有する。この目的でミキサー17には軸方向変位自在にそのミキサーシャフトを混合チャンバ14に或いはベアリングハウジング12に装着する。この配置はミキサーシャフト24がシャフトの下側主ローラベアリング27の内側リング26に対し移動しうるよう設定され、これにはその外側リング28をベアリングハウジング12の2個のハウジング部分12aと12bとの間に堅固に装着する。図面にてミキサーシャフト24にはその上端部にも第2ベアリング29が装着され、その内側リング30を逆回転シャフトナット31によりシャフトショルダーに設置するのに対し、ローラベアリング29の外側リング(これは溝付ボールベアリングとして配置される)をベアリング受入部32に配置する。ここでもベアリング受入部を軸方向変位自在に案内スリーブ33に装着し、これは軸線方向34における溝部35を備えて案内スリーブに対する回転に抗するよう確保し、溝部は案内スリーブに配置されてラジアル内方に突出するストッパーピン36に係合する。
【0023】
案内スリーブ33にはその外側周辺部に工具接続部38を設け、これにはハウジングの外側37からアクセスして適する工具で外側からハウジング内にて回転させうるようにする。
【0024】
この装置には、ハウジング12内でミキサーシャフトを移動させることによりミキサー17を出口22の開口部21から持ち上げるための駆動ユニット39を設け、このユニットは実質的に図2〜4に最も良く見られるように機械的カムドライブで構成される。カムドライブ40は作動カム42a、bを有する2本の平行カムシャフト41を備え、それぞれカムシャフトの1端部に形成されて、これに横方向にミキサーシャフトの両側にてベアリングハウジング12に回転自在に装着される。カムシャフト41にはその他端部に駆動ギヤ43a、bを設け、これらにより開口回転方向に二重回転ギヤ45を有する共通ギヤラック駆動部材44により逆回転させることができる。
【0025】
ギヤラック駆動部材44は空気圧式ピストン−シリンダユニット48の部分であるピストン47のピストンロッド46により形成され、このユニットもミキサーシャフトに隣接する側にてハウジング12に位置する。
【0026】
図1から見られるように、ピストン−シリンダユニット48のシリンダチャンバ49は閉鎖蓋50により底部で閉鎖され、この蓋にはピストンが破線で示された最下部位置にて当接する。ピストンロッド46は中空シリンダとして形成され、螺旋バネ52の軸方向ガイド孔部51を備え、これを一方ではバネ支持体54における案内孔部51の孔ベース53に支持し、他方ではピストンロッド46が軸方向変位自在に装着された円筒チャンバ56の上前側55に支持する。
【0027】
螺旋バネ52は破線で示した最下位置にて、シリンダチャンバ49に圧縮空気が充填されない際に、ピストン47のためのリセットバネとして作用する。予備緊張リセットバネ52がピストンロッドの上方にてピストンの最下部位置における側まで屈曲するのを回避するよう、上前側55から下方向に突出してその周囲に螺旋バネを巻き付ける案内マンドレル57が設けられる。
【0028】
次に図2および4を参照して、作動カム42a、bは互いに鏡像的に配置されると共に約180°の回転角度により最小値から最大値まで常に増大するカム半径を有することが見られるであろう。カム42は、ミキサーシャフト24を包囲すると共に作動シャフトの上端部にて螺着されるベアリング受入部32と一緒にミキサーシャフト24を変位させる上昇部材60を形成する作動カム59の下端部に対し作用する。混合チャンバ14における混合ヘッド16のリフターを上昇させると共に開口部21を解放させるべく、シリンダチャンバ49には圧縮空気を充填し、これによりピストン47は図1にて破線で示した位置から実線で示した位置まで増大圧力によりシリンダチャンバ内で移動する。頂部まで移動するピストンロッド46は2本のカムシャフト41を互いに逆回転的にギヤラック44により回転させ、ギヤラックは駆動ギヤ43a、bと噛合して作動カム42a、bが図4に示した位置から図2による位置まで回転するようにし、これにより上昇部材60を上方向に変位させ、これは作動スリーブ59とベアリング受入部32とで構成される。この軸方向移動は上側溝付ボールベアリング29によりミキサーシャフト24まで移行し、このシャフトを上昇部材60と同じ程度だけ混合ヘッド16と共に軸方向に持ち上げ、出口開口部21を解放させる。
【0029】
望ましい最大開口部断面を図1および2に示される混合物出口22につき達成する場合、上昇部材60はベアリング受入部32の上前側に装着された部分61によりストッパー部材62に当接し、ベアリング受入部は上方からハウジングのヘッド13に設けられた内ネジ山により調整自在に螺着される。ミキサーシャフトおよび混合ヘッドのシフト通路はストッパー部材62により制限され、シフト通路の長さはストッパー部材を内ネジ山に螺着して変化することができる。
【0030】
ピストンシリンダユニット48における圧力を混合物出口22を閉鎖すべく減少させる場合、螺旋バネ52はピストン47を破線で示す下側位置まで押し戻し、これによりカムシャフト41により駆動される作動カム42は図4に示した位置まで復帰回転する。ミキサー17をハウジングのヘッドに配置された閉鎖バネ64により閉鎖位置まで帰還移動させ、ミキサーヘッド16の先端部20が混合物出口22の開口部21を閉鎖する。螺旋バネとして形成された閉鎖バネ64は一方ではバネプレートを形成する部分61に装着され、他方ではバネストッパー65に装着され、このバネストッパーはストッパー部材62と同様にハウジングのヘッド13にて内ネジ山63に螺入されると共に、閉鎖バネ64の予備緊張を変化させるべく前方向または後方向に内ネジ山に螺動させることができる。閉鎖バネ64はミキサーシャフト24と混合ヘッド16とをバネプレート61とベアリング受入部32と上側溝付ボールベアリング29とにより堅固に下方向へ混合チャンバ14の方向に押圧し、ミキサー先端部を緊密に開口部21の縁部に当接させる。
【0031】
次に図4を参照して、僅かな空隙部が上昇部材16の最下位置(すなわち開口部21を閉鎖する混合ヘッド16の位置)にて作動カム42a、bと作動スリーブ59との間に残留することが見られる。この空隙部は混合ヘッドがその先端部20と共に混合シャフトによりおよび装置の他の部分が閉鎖バネ64により開口部21の縁部と緊密接触するまで押圧されて確実かつ完全に閉鎖されるよう確保し、さらに図4にて見られる作動カムと作動スリーブとの間の空隙部66なしに生じうる先端部20と開口部21の縁部との間の環状空隙部が残留しないよう確保する。装置の操作に際し一般に数mm以下でありできるだけ小さくすべきである空隙部66を調整するため、既に上記したベアリング受入部33の案内スリーブ33の特定設計(これは内部で変位自在であるが、案内スリーブに対し回転しない)およびミキサーシャフト24のための貫通孔部67におけるネジ山68が設けられた作動スリーブ59の設計はネジ山連続部69にてベアリング受入部32が螺着される。作動スリーブ59はハウジング12内に軸方向変位自在に収容されるが、これはハウジングに対し回転しえず、図1および2におけるスリーブ59の肉厚と比較して見られるように作動スリーブ59の非円形断面により容易化される。案内スリーブ33はハウジング内で工具により回転させることができ、この工具を工具コネクタ38に接続し、これを空隙部66を調整するためハウジングの外側37に接続し、これによりストッパーピン36はベアリング受入部32を搬送すると共に、ネジ山連続部69を作動スリーブに螺入もしくは螺出させかつハウジング内の作動スリーブの軸方向位置を変化させる。上昇部材60とカムドライブ40の作動カムとの相対位置は簡単かつ正確に、図4に示した閉鎖位置におけるカムと作動スリーブとの間のトレランス66ができるだけ小さくなるよう調整しうるが、いずれの場合も混合ヘッドにおける安全な閉鎖を確保するよう充分大とする。
【0032】
本発明は図面に描写して説明した実施の形態のみに限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく多くの改変および付加を与えることができる。上記した実施の形態によれば、カムシャフトをその作動カムおよび駆動ギヤとの一体部分として設計し、さらにたとえば異なる混合物の処理につき他のカム設計を有する混合ヘッドの開口速度および加速に他の比が所望される場合、全体として交換することもできる。代案として、作動カムをカムシャフトに交換自在に装着すると共に、全カムシャフトを変化させるのでなくカム自身を変化させることもできる。上記した空気圧式シリンダの代わりに、カムドライブにつき液圧式シリンダもしくは他の適するドライブを選択しうることも明らかであり、たとえば適する減速ギヤにより両カムシャフトを回転させる電気モータがある。ミキサーシャフトのための実施の形態にて装着されるラジアルボールベアリングの代わりに、ニードルベアリングなどを高い回転速度につき使用することもでき、これにより上昇部材の軸方向運動を別途の軸方向ローラベアリングによりミキサーシャフトに移行させる。何故なら、ニードルベアリングは溝付ボールベアリングとは異なり軸方向力を移行させえないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプラスチック混合物の処理装置の縦断面図;
【図2】 図1の処理装置のII-II線断面図;
【図3】 図1の処理装置のIII-III線断面図;
【図4】 図2に対応する装置の拡大図における、その閉鎖位置での本発明による装置の駆動ユニットの1部を示す略図。

Claims (33)

  1. 混合物もしくはその成分のための少なくとも1個の入口を有する混合ヘッドを備えると共に、混合物もしくはその成分を混合する混合ヘッドにて回転駆動しうるミキサーと混合物の出口とを備え、ミキサーをドライブユニットにより軸方向変位自在に混合ヘッドに配置すると共にその軸方向位置に応じ出口を解放もしくは閉鎖するようにしてなる、数種の成分を有する混合物の処理装置において、ドライブユニット(39)はミキサー(17)もしくはそのシャフト(24)に係合する上昇部材(60)と連携する少なくとも1個の作動カム(42)を備えた機械的カムドライブ(40)からなると共に、少なくとも1個の作動カム(42)は閉鎖位置から混合ヘッド(11)の出口(22)を解放するミキサー(17)の位置まで増大するカム半径(r)を有することを特徴とする混合物の処理装置。
  2. 前記カムドライブ(40)が作動カム(42)を有する少なくとも1個のカムシャフト(41)を備え、カムシャフトが前記ミキサーシャフト(24)に隣接する側にてベアリングハウジング(12)に旋回自在に装着されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記カムドライブ(40)が、互いに並列配置されると共にそれぞれ作動カム(42a、b)を有する2本のカムシャフト(41)を備え、前記2本のカムシャフトが前記ミキサーシャフト(24)の両側にてベアリングハウジング(12)に回転自在に装着されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 前記ベアリングハウジング(12)における2本の前記カムシャフト(41)が互いに逆方向に回転するように駆動されることを特徴とする請求項2または3に記載の装置。
  5. 前記カムシャフト(41)が共通駆動部材を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
  6. 前記共通駆動部材は、ギヤラック駆動部材(44)を有し、前記カムシャフト(41)にはそれぞれ1個の駆動ギヤ(43a、b)を設け、該駆動ギヤを軸線方向(34)に変位自在に駆動される前記ギヤラック駆動部材(44)により回転させうることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 前記ギヤラック駆動部材(44)には、並列配置された2本のカムシャフト(41)に両駆動ギヤ(43a、b)のための二重もしくは周辺ギヤ(45)を設けることを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 前記共通駆動部材が液圧式もしくは空気圧式ピストン−シリンダユニット(48)のピストン(47)よりなり、またはピストン(47)に連結されることを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
  9. 前記共通駆動部材にはリセットバネ(52)を設けることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記共通駆動部材が、圧縮バネとして形成される前記リセットバネ(52)のための軸方向案内孔部(51)を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 圧縮バネとして形成された前記リセットバネ(52)のための案内マンドレル(57)を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の装置。
  12. 並列配置された2本の前記カムシャフト(41)の前記作動カムが互いに鏡像で形成されると共に、これに属する前記カムシャフト(41)が逆回転式に駆動されることを特徴とする請求項2〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記作動カムが対応する前記カムシャフト(41)に交換自在に配置されることを特徴とする請求項2〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記カムシャフト(41)が前記ベアリングハウジング(12)に交換自在に装着されることを特徴とする請求項2〜13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記上昇部材(60)が前記ミキサーシャフト(24)にその軸線方向にて調整自在に接続されることを特徴とする請求項〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記上昇部材(60)が、同軸的に前記ミキサーシャフト(24)を包囲する作動スリーブ(59)と、調整自在に螺着しうる前記ミキサーシャフト(24)の軸ベアリング(29)のためのベアリング受入部(32)とよりなることを特徴とする請求項〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記軸ベアリング(29)がラジアル溝付ボールベアリングよりなることを特徴とする請求項16に記載の装置。
  18. 前記上昇部材(60)を前記ベアリングハウジング(12)における閉鎖バネ(64)の作用に抗し前記作動カムにより軸方向変位自在にすることを特徴とする請求項16または17に記載の装置。
  19. 前記ベアリング受入部(32)がスリーブのように前記ミキサーシャフト(24)を包囲すると共に、前記作動スリーブ(59)に設けられた内ネジ山(68)に螺着される外ネジ山(69)を設けたことを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記ベアリング受入部(32)をハウジングの外側(37)から前記作動スリーブ(59)に対し調整しうることを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記ベアリング受入部(32)が案内スリーブ(33)に軸方向変位自在に位置することを特徴とする請求項16〜20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 前記ベアリング受入部(32)が、周辺方向にて前記案内スリーブ(33)に対し停止されることを特徴とする請求項21に記載の装置。
  23. 前記案内スリーブ(33)が前記ベアリングハウジング(12)に回転自在に位置することを特徴とする請求項21または22に記載の装置。
  24. 前記案内スリーブ(33)には少なくとも1個の半径方向内方に突出する保持ピン(36)を設け、このピンは前記ベアリング受入部(32)に沿って軸線方向(34)に延びる溝部(35)を包封することを特徴とする請求項21〜23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記案内スリーブ(33)には、ハウジングの外側(37)からアクセスしうる工具接続部(38)を設けることを特徴とする請求項21〜24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記ミキサー(17)または前記ミキサーシャフト(24)のための少なくとも1個のストッパー部材(62)を設けることを特徴とする請求項16〜25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記ベアリングハウジング(12)が、前記ストッパー部材(62)を配置するハウジングヘッド(13)を備えることを特徴とする請求項26に記載の装置。
  28. 前記ハウジングヘッド(13)が前記ミキサーシャフト(24)の上端部もしくは後端部のための円筒状受入部を形成すると共に内ネジ山(63)を備え、該内ネジ山(63)に前記ストッパー部材(62)を調整自在に螺着することを特徴とする請求項27に記載の装置。
  29. 前記ミキサーシャフト(24)が前記ベアリング受入部(32)により間接的に前記ストッパー部材(62)に当接することを特徴とする請求項27または28に記載の装置。
  30. 閉鎖バネ(64)が前記ハウジングヘッド(13)に配置されると共に前記ミキサーシャフト(24)もしくは該ミキサーシャフト(24)のベアリング受入部(32)に対しその第1端部にて軸線方向に作用し、バネストッパー(65)にてその第2端部で支持されることを特徴とする請求項27〜29のいずれか一項に記載の装置。
  31. 閉鎖バネ(64)の第1端部が、前記ベアリング受入部(32)に装着されたバネプレート(61)により前記ミキサーシャフト(24)に作用することを特徴とする請求項27〜30のいずれか一項に記載の装置。
  32. 前記バネストッパー(65)が前記ハウジングヘッド(13)に調整自在に配置されることを特徴とする請求項30または31に記載の装置。
  33. 請求項1に記載の数種の成分の混合物を処理する装置にて閉鎖部材を開口および閉鎖する方法において、閉鎖部材もしくはこれを形成する前記ミキサー(17)を前記出口(22)を解放させる開口運動に際し出口開口部(21)から先ず初期開口速度にて上昇させると共に、前記出口開口部(21)からの距離が増大するにつれて前記開口速度を急速にして離間移動させ、さらに、前記出口(22)を遮断する閉鎖に際して前記出口開口部(21)から離れている前記ミキサー(17)を最初に前記出口開口部の方向へ初期閉鎖速度で移動させると共に、前記ミキサー(17)から前記出口開口部(21)までの距離が減少するにつれて前記閉鎖速度を減速させながら前記ミキサー(17)を移動させることを特徴とする閉鎖部材の開口および閉鎖方法。
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