JPS5847040Y2 - 液体充填装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、容器内に液体あるいは固体物混入液体を充
填するための装置に関するものである。

従来、液体または固体物たとえば粘度の高い果肉が混入
された液体の容器への充填は、充填シリンダーと充填物
収容タンクとの間に充填ノズルを備えた充填バルブが介
装せしぬられた充填機を使用し、充填ノズルによりこれ
の下方にある容器に注入することにより行なわれていた
。

ところが、特に粘度の高い果肉混入液体は、糖分の析出
により充填バルブシリンダーとその中にあって上下摺動
するスプールとの焼き付きを生せしめる。

また充填後に充填ノズルから液体が滴下することにより
、充填量のバラツキを生せしめると共に不衛生となり、
さらには、液体中に混入されている果肉を弁体と弁座と
の間に挾んで潰すという問題があった。

この考案の目的は、充填ノズルを備えた切換バルブのシ
リンダーのスプールの接液部組外の摺動部分に潤滑液を
循環させると共に、充填ノズルの開口部に付着した残液
は切換バルブ兼押出しロッドの作用をするスプールによ
り排出せしめるようになし、粘度の高い固形物混入液体
をも、高精度でかつ衛生的に充填しうるようにし、かつ
固形物を潰さないようにした液体充填装置を提供するこ
とにある。

この考案による液体充填装置は、上記の目的を達成する
ために、充填シリンダーと充填物収容タンクとの間に充
填ノズルを備えた切換バルブが介装せしぬられ、充填ノ
ズルによりこれの下方にある容器に充填物が注入せられ
る充填機において、切換バルブは、下端に充填ノズルが
形成せられたバルブシリンダーと、バルブシリンダー内
に摺動可能にはめ込まれかつ充填物流通路を形成する切
欠き部を有するスプールと、スプールを常時下方に付勢
するスプリングとからなり、スプールの切欠き部は、ス
プールが下降限に位置しその先端が充填ノズルの端と一
致した状態においてバルブシリンダーに設けられた充填
物の収容タンクがらの充填物流入口とその下方に設けら
れた充填シリンダーへの充填物出入口とを連通させる長
さをもって形成せられ、さらにスプールの切欠き部上方
の摺動面には縮径部が設けられ、バルブシリンダーには
スプールが上昇限および下降限のいずれかに位置したと
き、縮径部に連通ずる潤滑液供給口および同排出口が設
けられ、スプールは充填シリンダー内の充填ピストンの
昇降に先立って昇降せられ、充填ピストンが下降限にあ
るときは充填物流入口および同出入口を連通せしめ、充
填ピストンが上昇限にあるときは充填物流入口を閉塞す
るとともに同出入口を開くようになされているもので゛
ある。

以下、この考案の構成を図面に示す実施例について説明
する。

図面において、１は回転円板で、図示されていない機台
に垂直に配置された回転軸に取付けられてこれと一体に
回転するようになされている。

２は充填物の収容タンクで、図示しない回転軸の上端に
取付部材を介して固着されている。

３は下端が開口せられた充填シリンダー、４は充填ピス
トン、５は上端に充填ピストン４が取付部材６を介して
取付けられたピストンロッド、７はピストンロッド挿通
孔８を有する充填シリンダー装置筒体である。

この筒体７の上部開口９には充填シリンダー３がはめ込
まれて固定され、その下端フランジ部１０が回転円板１
の充填シリンダー取付部１１のピストンロッド貫通孔１
２の周縁部上面に、この貫通（Ｌ１２と同心的にボルト
等（図示せず）により固着されている。

そして充填シリンダー装着筒体７のピストンロッド挿通
孔８とピストンロッド５との間にパツキン１３が介装さ
れ、また回転円板１のピストンロッド貫通孔１２とピス
トンロッド５との間には案内筒１４か゛はめ込まれてい
る。

ピストンロッド５には、その円柱面の中央から下方部分
が軸線と平行に切除された案内平面１５が設けられ、案
内筒１４に内方に突出してはめ込まれた内端面が平面で
ある案内部材１６がこの案内平面１５に当接せられ、ピ
ストンロッド５が回動することなく上下方向に摺動する
ようになされている。

１７はピストンロッド５の下端がはめ込まれ、これにね
じ１８により取付けられたカム従動ローラ取付筒で、下
端に形成されたヨーク部１９にカム従動ローラ２０が水
平ピン２１により枢着されている。

カム従動ローラ取付筒１７の上部外周には縮径段差部１
７Ａが設けられ、ここにスプリング受座２２がはめ合わ
されており、このスプリング受座２２と充填シリンダー
取付部１１の下端面１１Ａとの間に、上部が案内筒１４
の外側にほめられがっピストン４を常時下方に押下ける
よう付勢するスプリング２３がはめ込まれている。

カム従動ローラ２０は、図示しない機台上に固定された
充填ピストン押上げ゛カム２４に当接し、回転円板１と
共に回転してピストン４を上下動させる役目をしている
。

２５は回転円板１の外周部に鍔状に形成された容器Ｃの
載置台で、この容器Ｃの中心を通る垂直線上に切換バル
ブ２６が、そのシリンダー２７の中心軸線が一致するよ
うに設けられている。

シリンダー２７は、その下端開口が充填ノズル２８とな
され、またシリンダー２７の内面の下半分は、切換弁体
兼液体押出しロッドの作用をなすスプール２９の摺動面
３０となされ、シリンダ−２７内面の上半分は、内径が
大きくなされてスプール押下げ用のスプリング３１をは
め込むためのスプリング嵌入部３２となされている。

シリンダー２７の下部には、上下に並んで充填物流入口
３３と充填物出入口３４が近接して設けられ、充填物流
入口３３は充填物収容タンク２にＬ形連通管３５により
連通されており、切換バルブ２６のシリンダー２７は、
このＬ形連通管３５によって支持されている。

充填物出入口３４は連通管３６により充填シリンダー３
の上端部周壁に設けられた出入口３Ａに連通されている
。

スプール２９はシリンダー２７に貫通状にはめ込まれ、
その中間部に形成された膨径部３７の上方にスプリング
３１がはめ込まれている。

スプール２９の上端はシリンダー２７の上端にはめ込ま
れ、ピン４０によって固定されたスプリング押え３８の
スプール貫通孔３９を通って上部外方へのびている。

シリンダー２７の収容タンク２と反対側側には、スプリ
ング嵌入部３２の壁を破って上下方向に長孔４１が設け
られ、この孔４１を貫通し、カム従動ローラ４２を外端
に枢着せしめた水平ローラ軸４３の内方端が、スプール
２９の膨径部３７に固着されている。

カム従動ローラ４２は、図示しない機台に固定されたス
プール押上げカム４４の上面に当接し、シリンダー２７
が回転円板１と一緒に回転することにより、スプール押
上げカム４４によってスプール２９は上昇限と下降限と
の間を昇降するようになされている。

４５はスプール２９の下部に設けられた充填物を流通さ
せるための切欠き部で、スプール２９が下降限に位置し
ているとき、充填物流入口３３と出入口３４とを連通さ
せうるように、充填物流入口３３の上端開口縁と出入口
３４の下端開口縁との間にわたる長さとなされている。

４６はスプール２９の切欠き部４５上方に設けられた縮
径部で、スプール２９のスＩ・ローフ上限の位置におい
て、シリンダー２７に設けられた潤滑液供給口４７およ
び同排出口４８に連通ずるようになされている。

５１は潤滑液供給管、５２は潤滑液排出管、４９．５０
はスプール２９に嵌着されたシールリングである。

回転円板１には、充填シリンダー３および切換バルブ２
６が一対となって多数組装着されている。

なお、潤滑液の種類は、充填せられる液体の種類によっ
て適当に選ばれるが、果肉混入液体のようなものの場合
には温水が好ましい。

つぎに、この考案による充填装置の作動について説明す
る。

まず、スプール２９が図面に実線で示されている状態に
あり、かつ充填ピストン４が図中２点鎖線で示されてい
る上昇限に位置している状態にあるとき、カム従動ロー
ラ２０に対する充填ピストン押上げカム２４による押上
げ力が解かれると、スプリング２３の力によって充填ピ
ストン４は押下けられ、図中実線で示されている下降限
まで下降する。

このさいに充填物は、その収容タンク２から連通管３５
、シリンダー２７の流入口３３、スプール２９の切欠き
部４５、出入口３４、連通管３６、充填シリンダー３の
出入口３Ａを経て充填シリンダー３内へと、充填に必要
な量だけ移動せしめられる。

回転円板１の回転に伴なって、続いてスプール２９がカ
ム従動ローラ４２を介してスプール押上げカム４４によ
り上昇限まで押上げられ、切欠き部４５が上方に移って
スプール２９が出入口３４を開き、同時に充填物流入口
３３が閉塞される。

ついで、充填ピストン４が押上げカム２４により上昇限
まで押上げられ、充填シリンダー３内の充填物が、スト
ローク分の量、すなわち充填必要量だけ出入口３４を通
り、充填ノズル２８から容器Ｃに注入される。

この充填ピストン４の上昇動作に続いて、スプール２９
がカム４４による押上げ力の解放と同時にスプリング３
１の力により押下げられ、下降限に至るまでの間、シリ
ンダー２７の充填物出入口３３から下方内壁に付着して
いる充填物がかき落とされるようにして容器Ｃへと押出
される。

以上の作動によって充填物の容器Ｃ内への充填が完了し
、１充填サイクルが終了する。

なお充填サイクル中、潤滑液供給管５１からシリンダー
２７の潤滑液供給口４７を経てスプール２９の中間部に
設けられた縮径部４６に流入した潤滑液が、シリンダー
２７の充填物の接触しない摺動面３０に供給され、排出
口４８から排出管５２を経て排出せられているため、シ
リンダー２７の摺動面３０とスプール２９の焼付き現象
は完全に防止される。

このようにして、充填された容器Ｃは受台２５より取り
除かれて次の工程に送られ、再び回転円板１の容器受台
２５に、図示しない単列移送経路上から送られてくる容
器Ｃが１個ずつ載換えられ、回転円板１の回転に伴なっ
て平面からみて円弧状に送られ、前記の充填サイクルが
繰り返される。

上記実施例では、バルブシリンダー２７にスプール２９
が上昇限に位置したとき、縮径部４６に連通する潤滑液
供給口４７および同排出口４８が設けられているが、潤
滑液供給口４７および同排出口４８は、スプール２９が
下降限に位置したとき、縮径部４６に連通するように設
けてもよい。

この考案による液体の充填装置は、上述のように切換バ
ルブのシリンダー内にはめられて摺動するスプールに充
填物流通用の切欠き部を設けであるから、充填物の充填
シリンダーへの流入および流路の切換えを円滑に行なわ
せることができ、またスプール下端により充填ノズル端
に至るバルブシリンダー内面に付着した充填物を完全に
押出すようにしであるため、残留充填物の滴下を防止で
きかつ充填量を一定とすることができ、またシリンダー
とスプールとの充填物の接触しない摺動面に潤滑液を供
給させであるので、焼付き現象を完全に防止することが
でき、さらに固形物混入液体、たとえば高粘度の果肉混
入液体をも、高精度で衛生的にしかも従来のように弁座
に弁体が圧接しないから果肉等を潰すことなく効率的に
充填することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示す要部の拡大縦断面図であ
る。 １・・・・・・回転円板、２・・・・・・充填物の収容
タンク、３・・・・・・充填シリンダー、４・・・・・
・充填ピストン、２６・・・・・・切換バルブ、２７・
・・・・・バルブシリンダー、２８・・・・・・充填ノ
ズル、２９・・・・・・スプール、３０・・・・・・摺
動面、３１・・・・・・スプリング、３３・・・・・・
充填物流入口、３４・・・・・・充填物出入口、４５・
・・・・・切欠き部、４６・・・・・・スプールの縮径
部、４７・・・・・・潤滑液供給口、４８・・・・・・
潤滑液排出口、Ｃ・・・・・・容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 充填シリンダーと充填物収容タンクとの間に充填ノズル
   を備えた切換バルブが介装せしめられ、充填ノズルによ
   りこれの下方にある容器に充填物が注入せられる充填機
   において、切換バルブ２６は、下端に充填ノズル２８が
   形成せられたバルブシリンダー２７と、バルブシリンダ
   ー２７内に摺動可能にはめ込まれかつ充填物流通路を形
   成する切欠き部４５を有するスプール２９と、スプール
   ２９を常時下方に付勢するスプリング３１とからなり、
   スプール２９の切欠き部４５は、スプール２９が下降限
   に位置しその先端が充填ノズル２８の端と一致した状態
   においてバルブシリンダー２７に設けられた充填物の収
   容タンク２からの充填物流入口３３とその下方に設けら
   れた充填シリンダー３への充填物出入口３４とを連通さ
   せる長さをもって形成せられ、さらにスプール２９の切
   欠き部４５上方の摺動面３０には縮径部４６が設けられ
   、バルブシリンダー２７にはスプール２９が上昇限およ
   び下降限のいずれかに位置したとき、縮径部４６に連通
   する潤滑液供給口４７および同排出口４８が設けられ、
   スプール２９は充填シリンダー３内の充填ピストン４の
   昇降に先立って昇降せられ、充填ピストン４が下降限に
   あるときは充填物流入口３３および同出入口３４を連通
   せしめ、充填ピストン４が上昇限にあるときは充填物流
   入口３３を閉塞するとともに同出入口３４を開くように
   なされている液体充填装置。