図1はカーナビゲーション装置10の機能ブロック図である。カーナビゲーション装置10は、例えば、ユーザが自宅から観光地へ向かう往路における情報提示等を実施するものであるが、観光地から該観光地とは別の観光地へ行く場合に、別の観光地の情報提示等にも利用可能である。カーナビゲーション装置10は、観光関連施設検索手段11及び観光関連施設情報提示手段12を有している。観光関連施設検索手段11は、設定された目的地に対し、該目的地に関連する観光関連施設を検索する。観光関連施設情報提示手段12は、観光関連施設検索手段11による検索の結果、観光関連施設が見つかったならば該観光関連施設に係る情報を観光関連施設情報としてユーザに提示する。
目的地に関連する観光関連施設を検索する具体例は図2〜図4において後述する。観光関連施設とは例えば名産品販売店及び/又は名産料理店であるが、これに限定されない。ユーザが所定の観光地域の代表的な名所・旧跡を目的地として設定したならば、該観光地域内にあってユーザが見過ごしそうな名所・旧跡を観光関連施設に含ませてもよい。名産品には土産が含まれる。土産と言うと、自分以外の者へ贈るための物であるが、名産品は、自分が自宅等で使用したり飲食したりする物も含むものとする。現在時刻を検出し、現在時刻が食事の時間帯であれば、観光関連施設情報として名産料理店情報のみを提示し、現在時刻がその他の時間帯であれば、観光関連施設情報として名産品販売店情報のみを提示するようにしてもよい。観光関連施設情報提示手段12による情報提示態様は、例えば、モニタ163(図15)から視覚表示及び/スピーカ126(図10)からの聴覚表示である。
図2は目的地別の対応観光関連施設名検索用データベースの一部を例示している。各レコードは、目的地の名称、ジャンル、位置情報、営業時間、観光地フラグ及び観光関連施設名のフィールドを有している。なお、図2〜図4内の固有名詞は、すべて、本発明の説明の便宜のための架空のものである。観光関連施設検索手段11は、例えば目的地を検索キーに用いて、図2のデータベース内を検索し、目的地に対応するレコードを見つけ、さらに該レコードの観光関連施設名を抽出する。例えば、目的地が”武蔵野古墳”である場合は、”武蔵野古墳”に関連する観光関連施設として”ヤマダ土産店”及び”蕎麦わたなべ”なる名称の観光関連施設が見つけられる。観光関連施設情報提示手段12は、これら”ヤマダ土産店”及び”蕎麦わたなべ”に係る情報をユーザに提示する。
図3は市町村別の対応観光関連施設名検索用データベースの一部を例示している。各レコードは、市町村名、名産品1、名産品2及び名産料理1のフィールドを有している。別の具体例では、観光関連施設検索手段11は、図2の目的地別の対応観光関連施設名検索用データベースにおいて、目的地に対応するレコードのジャンルが名所・旧跡であることを検出すると、次に、目的地が属する観光地域としての市町村を調べ、それにより判明した市町村のレコードを図3のデータベースから検索し、該レコードの名産品及び名産料理を検出する。図3の例では、A1市には、名産品として陶器及びりんごがあり、名産料理として蕎麦があり、A3村には、名産品として饅頭及びこけしがあり、名産料理として□牛が(例:松坂牛)ある。また、A2町には、名産品及び名産料理が共にないことが分かる。したがって、目的地が図2のデータベースから名所・旧跡であることが判明しても、目的地がA2町にあるときは、観光関連施設検索手段11は、目的地に対応する名産品販売店及び名産料理店を見つけることができないことになり、結果、観光関連施設情報提示手段12による観光関連施設情報の提示は行われない。
図4は観光関連施設情報を視覚表示する場合の観光関連施設の具体例を示している。図4では、観光関連施設情報として、名産品又は名産料理、及び営業時間が提示される。全国の各名産品販売店及び名産料理店を1レコードとし、各レコードには、店舗名、市町村、名産品又は名産料理、及び営業時間がフィールドとして登録された全国版データベースが用意され、観光関連施設検索手段11は、目的地が属する市町村に名産品販売店及び名産料理があることが図3のデータベースから検出すると、次には、名産品及び名産料理を販売及び提供対象としている名産品販売店及び名産料理店であってかつ目的地が属する市町村にある名産品販売店及び名産料理店を、全国版データベースにおいて検索し、対応のレコードの店舗名、名産品又は名産料理、及び営業時間を検出し、それらは、観光関連施設情報提示手段12により例えば図4のように表示される。図4は、目的地が属する市町村が図3のA1市である場合、すなわち目的地が属する市町村の名産品販売店及び名産料理店が陶器、りんご及び蕎麦である場合の観光関連施設情報を例示している。
目的地の設定等はユーザによるキー操作の他に、ユーザが発話した目的地について音声認識を実行することにより行われてもよい。音声認識については図16及び図17において後述する。カーナビゲーション装置10におけるエージェントAとユーザUとの具体的な対話例を対話例1として次に示す。カーナビゲーション装置10(エージェント)からユーザへの情報提示は、典型的には、スピーカ126(図10)からの音声とモニタ163(図15)における映像との両方で行なわれるが、音声のみの情報提示及び映像のみの情報定時であってもよいとする。
[対話例1]
A:目的地を設定してください。
U:□古墳。
A:□古墳の地域では蕎麦やりんごが有名です。扱っている店舗を案内しますか?
U:蕎麦が食べたいな。
A:蕎麦△があります。
U:それも案内して。
A:それでは□古墳と蕎麦△を目的地として経路案内します。
対話例1では、ユーザが目的地を口頭で設定すると、その後すぐに、観光関連施設情報の提示(この場合、音声による提示)が行なわれているが、観光関連施設情報を提示する時期は、ユーザの自動車が目的地に適当に接近してから行なわれてもよい。また、目的地を設定する時と、観光関連施設情報を提示する時と、観光関連施設へ行くことを決定する時とを、同時ではなく、ずらしてもよい。例えば、観光関連施設情報の提示は、ユーザが目的地の方へ適当に進んで、目的地近辺のインターチェンジを出る少し前及び少し後、さらには、目的地へ所定距離以内又は目的地への到達まで残り時間が所定値以内になった時等とすることができる。
こうして、ユーザは、目的地を設定するだけで、追加操作なく、観光関連施設情報の提示を受けることができる。
カーナビゲーション装置10は、以下に説明する複数個の機能を任意の組み合わせで適宜、付加可能になっている。付加する各機能は、1個又は複数個の手段により達成される。各付加機能のために、手段が新規に付加される場合もあるし、既存の手段の機能を具体化する場合もある。以下、各付加機能ごとに説明する。
観光関連施設検索手段11は、目的地を含む所定地域を観光地域として該観光地域内の観光関連施設を検索する。
観光地域は、例えば、地図データベースを製作する際に、全国の観光地域の境界に係るデータを登録しており、観光地域の境界の内側にある地点は観光地域であるとすることができる。典型的には、観光地域の範囲は、例えば、ほぼ同一の名称を含んでいる名産品又は名産料理店が存在する地域範囲が1個の観光地域とされるが、これに限定されない。観光地域の広狭は、地図データベースの作成者に任せられる。観光地域を、その中心から所定距離内の範囲としたり、設定された目的地が存在する市町村としたり、隣接する市町村を含めたりすることもできる(例:草津温泉の観光地域は、草津温泉の湯元から所定距離以内の地域にしてもいいし、群馬県草津町全域としてもよい。)。さらに、1個の地点を複数の観光地域に属させてもよい(例:白根山を、草津温泉の観光地域と万座温泉の観光地域とに重複して設定する。この場合、草津温泉に関連する観光関連施設及び万座温泉に関連する観光関連施設の両方が検索される。)。
カーナビゲーション装置10は、機能付加のために、第1aの判定手段15及び観光関連施設検索手段11を有している。目的地の名称に対応付けて目的地についての旅行目的ジャンルを定義しているデータベースが存在し、第1aの判定手段15は、目的地に対しデータベースの旅行目的ジャンルを参照して該目的地が観光旅行目的に関連しているか否かの第1aの判定を行う。観光関連施設検索手段11は、第1aの判定が正であるとき、目的地を含む所定地域を観光地域として該観光地域内の観光関連施設を検索する。
旅行目的ジャンルをもつデータベースとは例えば図2のものである。その場合、観光関連施設検索手段11は、第1aの判定が正であるときは、目的地が属する市町村の名産品及び名産料理を図3のデータベースから検索し、さらに、前述の全国版データベースから図4の表示の基になる店舗名及び名産品及び名産料理等を抽出する。
カーナビゲーション装置10は、機能付加のために、さらに、第1bの判定手段17及び観光関連施設検索手段11を有している。第1bの判定手段17は、目的地は自宅から所定距離以上離れているか否かの第1bの判定を実施する。観光関連施設検索手段11は、第1bの判定が否であるときは検索を中止する。
ユーザの自宅がどこであるかは、ユーザがカーナビゲーション装置10を購入して、それを初めて使用する際に、自宅の場所を設定して、それが所定の記憶装置に記憶されることになっているので、その記憶データから検出できる。目的地が自宅から近いときは、たとえ目的地が観光地域内にあっても、今回のドライブが観光目的でなかったり、ユーザが目的地の観光地域に精通していて、観光地域情報を必要としなかったりする可能性が高い。そのような場合には、第1bの判定が否となって、ユーザへの観光関連施設情報の提示を中止できる。
カーナビゲーション装置10は、機能付加のために、第1cの判定手段19及び観光関連施設検索手段11を有している。第1cの判定手段19は、今回の目的地と同一の観光地域内に含まれる地点が過去所定期間内に目的地として設定された回数を目的地設定回数として調べ該目的地設定回数が所定値未満であるか否かの第1cの判定を実施する。観光関連施設検索手段11は、第1cの判定が否であるときは検索を中止する。
第1cの判定を実施するためには、走行履歴が記憶装置に記憶される必要がある。ユーザが、該観光地域を観光以外の目的、例えば出張や帰省等で頻繁に訪れているときは、ユーザへの該観光地域内の観光関連施設情報の提示は不要の可能性が大きい。そこで、第1cの判定が否であるときは、ユーザへの観光関連施設情報の提示は行わないようする。
カーナビゲーション装置10は、機能付加のために、経路探索手段22及び経路案内手段23を有している。経路探索手段22は、ユーザが、提示された観光関連施設情報に基づき案内を要求した観光関連施設を案内要求観光関連施設と呼ぶことにして、現在地から案内要求観光関連施設への経路を観光関連施設用経路として探索する。経路案内手段23は、観光関連施設用経路に基づき案内要求観光関連施設への経路案内を実施する。
観光関連施設情報に基づくユーザによる観光関連施設への案内要求は、例えば、図4の観光関連施設情報から所定の行を選択することにより行われる。案内要求は、典型的には、聴覚的及び/又は視覚的にユーザに提示された観光関連施設情報に対し、ユーザが発話することにより実施されるが、キー操作や観光関連施設情報画面へのタッチによって実施されてもよい。ユーザは、複数個の観光地域に対して案内要求を出してもよい。観光関連施設用経路は、典型的には、目的地及び案内要求観光関連施設をそれぞれ最終到達地及び経由地とする経路である。現在地に対して案内要求観光関連施設が目的地の先にある場合には、観光関連施設経路を、目的地を経由して、案内要求観光関連施設へ至る経路としてもよい。観光関連施設への経路案内は、例えば、目的地への経路案内と同様に、カーナビゲーション装置10のモニタ163(図15)に現在地を含む地域についての所定縮尺の地図を表示し、かつ観光関連施設用経路を、それが推奨経路であることが分かるように、地図上に表示し、スピーカ126(図10)からは、観光関連施設経路上の案内交差点に対して適宜、曲折等の指示を放音する。
こうして、ユーザは、提示された観光関連施設情報に対し、案内要求を出すのみで、所望の観光関連施設への経路案内を受けることができる。
カーナビゲーション装置10は、機能付加のために、さらに、送信手段25、受信手段26及び観光関連施設情報提示手段12を有している。送信手段25は、ユーザが利用した案内要求観光関連施設についての該ユーザの評価を所定の評価集計サーバ27へ送信する。受信手段26は、各観光関連施設についての複数のユーザの評価を集計して集計結果情報を作成する評価集計サーバ27から集計結果情報を受信する。観光関連施設情報提示手段12は、集計結果情報に基づき観光関連施設情報を提示する。
カーナビゲーション装置10がユーザから、ユーザが利用した案内要求観光関連施設についての該ユーザの評価を収集するときのエージェントAとユーザUとの具体的な対話例を対話例2として次に示す。ユーザが案内要求観光関連施設で買い物や食事をしたかは、例えば、ユーザの自動車が、案内要求観光関連施設への経路案内に従い案内要求観光関連施設へ到着し、自動車のイグニッションスイッチがオフになり、それから所定時間が経過し、その後、自動車のイグニッションスイッチがオンになったことから、検出できる。
[対話例2]
A:蕎麦△はいかがでしたか?
U:おいしかった。
A:他の人へ情報を教えても構いませんか?
U:はい
カーナビゲーション装置10は、ハードウェアとしての移動体通信装置169(図15)を装備し、移動体通信装置169は、近傍の携帯電話基地局と無線によりデータ及び音声を通信自在になっている。携帯電話基地局はインターネットを介して評価集計サーバ27へ接続されている。送信手段25及び受信手段26は、移動体通信装置169を使用して、評価集計サーバ27と相互通信自在になっている。評価集計サーバ27は、典型的には、所定の会員のみへ情報を提供するものであり、集計結果情報の提供を会員への1サービスとしてもっている。観光関連施設情報提示手段12が提示する集計結果情報に基づく観光関連施設情報とは、例えば、評価の低い観光関連施設は排除した観光関連施設の情報リストとか、評価を複数個のランクに分け、各観光関連施設についてその評価ランクを示した情報リストとかである。
カーナビゲーション装置10は、機能付加のために、経路探索手段22及び時間帯情報通知手段30を有している。経路探索手段22は、案内要求観光関連施設が名産料理店であるときは該名産料理店を案内要求名産料理店と呼ぶことにし、該案内要求名産料理店へ目的地への到着前に立寄るときの観光関連施設用経路を仮観光関連施設用経路として探索する。時間帯情報通知手段30は、仮観光関連施設用経路に係る案内要求名産料理店への立寄り時刻の時間帯に係る情報をユーザに通知する。経路探索手段22は、ユーザが立寄り時刻を別の時間帯に変更することを希望しない及び希望するに応じて、希望しないときは、仮観光関連施設用経路を観光関連施設用経路とし、また、希望するときは、目的地と案内要求名産料理店との到着順を入れ替えた観光関連施設用経路を探索する。
名産料理店への立寄り時刻の時間帯とは、例えば、食事時間帯か非食事時間帯か(昼食の食事時間帯は例えば11:00−13:00)とか、及び該名産料理店が客で混雑する時間帯か空いている時間帯か等である。食事時間帯と、名産料理店が客で混雑する時間帯とは、ずれていることがある。例えば、11:00−11:30は、食事時間帯ではあるが、名産料理店は比較的空いている時間帯となっている。また、食事時間帯は、ユーザが、カーナビゲーション装置10にデフォルトで設定される食事時間帯を適宜、予め変更できるようになっていることがあり、ユーザによっては、10:00−11:30を昼食の食事時間帯と設定することもあり得る。ユーザは、食事時間帯での名産料理の食事を希望しているのに、通常の推奨経路では、到着順が立寄り地及び目的地の順番とされて、名産料理店への到着時刻が非食事時間帯となることがある。ユーザが、自分の希望とずれた名産料理店への到着時刻に対して、変更を希望すれば、目的地と名産料理店との到着順を入れ替えた観光関連施設用経路が探索され、ユーザの希望に応えることができる。
図5は別のカーナビゲーション装置40の機能ブロック図である。このカーナビゲーション装置40は、例えば観光地から自宅への復路等における情報提示等を実施するものであるが、出発点の観光地域から別の観光地域へ行く場合に、出発点の観光地域における情報提示等に対して、また、出発点の観光地域から中間の観光地域を経て最終の観光地域へ行く場合に、中間の観光地域における情報提示等に対して、利用可能である。カーナビゲーション装置40は、第2aの判定手段41、第2bの判定手段42、名産品販売店検索手段43、第2cの判定手段44及び名産品販売店情報提示手段45を有している。第2aの判定手段41は、現在地が属する観光地域を第1の観光地域と呼ぶことにし目的地が第1の観光地域外になっているか否かの第2aの判定を実施する。第2bの判定手段42は、ユーザが現在から過去所定時間内に第1の観光地域内の名産品販売店に立ち寄っているか否かの第2bの判定を実施する。名産品販売店検索手段43は、第2a及び第2bの判定がそれぞれ正及び否であるならば第1の観光地域内の名産品販売店を検索する。第2cの判定手段44は、名産品販売店検索手段43による検索の結果、見つかった名産品販売店を提示用名産品販売店と呼ぶことにし、該提示用名産品販売店が存在するならば、ユーザへ第1の観光地域内の名産品の購入希望を問い合わせ、問合せに対するユーザ回答が購入希望有りとするものであるか否かの第2cの判定を実施する。名産品販売店情報提示手段45は、第2cの判定が正であるならば、提示用名産品販売店に係る情報を名産品販売店情報としてユーザに提示する。
例えば、現在地が日光東照宮であり、自宅が目的地に設定された場合を想定する。カーナビゲーション装置40は、土産の買い忘れがないように案内を行うものである。目的地が日光東照宮から所定距離(日光東照宮のある観光地域と同一の同じ観光地域)内、例えば目的地が霜降高原であれば(第2aの判定が否)、すぐに土産店を案内する必要はないと考えられる。また、目的地が土産店であれば当然、案内をする必要はない。さらに、過去の所定期間(例:2日又は1週間、)内に土産店に立ち寄っている場合は(第2bの判定が正)、土産は購入済みと考え、案内は行わない。なお、目的地が宇都宮(異なる観光地域)であれば(第2aの判定が正)、日光の土産物は購入できないため、案内を行う。
第1の観光地域内の名産品販売店に立ち寄っているか否かの第2bの判定は、ユーザの自動車が第1の観光地域内の名産品販売店で駐車したことの検出に基づいて実施する。駐車したことは、例えば、イグニッションスイッチがオフとされ、その後、所定時間以上経過してから、イグニッションスイッチがオンとされたことから検出できる。
第2cの判定手段44におけるユーザへの第1の観光地域内の名産品の購入希望の問い合わせは、第2a及び第2bの判定が行なわれた後に、行なわれる。これは、購入希望の問い合わせを第2a及び第2bの判定の前に実施すると、ユーザへの購入希望の問い合わせが、目的地の設定ごとになされるごとになり、ユーザにとって煩わしくなるからである。購入希望の問い合わせを第2a及び第2bの判定の後に実施することにより、ユーザが購入希望する確度がある程度高まってから、購入希望の問合せがなされることになる。
こうして、ユーザが、第1の観光地域外へ向かっていて、第1の観光地域内で名産品を購入していないと予想される場合には、第1の観光地域内の名産料理店に係る情報がユーザに提示され、ユーザは名産品を思い起こすことができる。
カーナビゲーション装置40は、機能付加のために、さらに、第2dの判定手段48及び経路案内手段49を有している。第2dの判定手段48は、ユーザが、提示された名産品販売店情報に係る名産品販売店への案内要求が有るか否かの第2dの判定を実施する。経路案内手段49は、第2dの判定が正であるならば、ユーザが案内要求した名産品販売店を案内要求名産品販売店とし、案内要求名産品販売店への経路案内を実施する。
これにより、ユーザは、提示された名産品販売店情報に対し、案内要求を出すのみで、所望の名産品販売店への経路案内を受けることができる。
カーナビゲーション装置40は、機能付加のために、さらに、第2eの判定手段51及び名産品販売店情報提示手段45を有している。第2eの判定手段51は、第1の観光地域内の名産品販売店へは立寄らないものとして現在地から目的地への推奨経路を探索し、該推奨経路には、現在地を含む一般道と該一般道の後に続く高速道路とが含まれているか否かの第2eの判定を実施する。名産品販売店情報提示手段45は、第2eの判定が正であるならば、提示用名産品販売店の内、高速道路へ進入するまでの推奨経路沿いの提示用名産品販売店のみに係る情報を名産品販売店情報としてユーザに提示する。
これにより、高速道路へこれから先に進入する予定になっている場合には、回り道を必要とするような名産品販売店への経路案内を回避できる。
図6はさらに別のカーナビゲーション装置55の機能ブロック図である。このカーナビゲーション装置55は、出発地から目的地までの間に名産料理の地域を通過するドライブに対して、ユーザに名産料理店情報を提供するものである。カーナビゲーション装置55は、第3aの判定手段56、第3bの判定手段57、第3cの判定手段58、名産料理店検索手段59及び名産料理店情報提示手段60を有している。第3aの判定手段56は、現在地が自宅から所定距離以上離れているか否かの第3aの判定を実施する。第3bの判定手段57は、現在地を含む所定地域への現在から過去所定期間内の訪問回数が所定値未満であるか否かの第3bの判定を実施する。第3cの判定手段58は、現在が食事の時間帯であるか否かの第3cの判定を実施する。名産料理店検索手段59は、第3a〜第3cの判定がいずれも正であるとき、現在地を含む所定地域において該所定地域に関連する名産料理を提供する名産料理店を検索する。名産料理店情報提示手段60は、検索の結果、見つかった名産料理店に係る情報を名産料理店情報としてユーザに提示する。
カーナビゲーション装置55におけるエージェントAとユーザUとの具体的な対話例を対話例3として示す。
[対話例3]
A:そろそろ食事にしませんか?
U:いいね。
A:現在走行中の〇市は蕎麦で有名です。お蕎麦はいかかですか?
U:いいね。
A:この近くに蕎麦△があります。ちょっと遠いですが、和食処〇は鴨せいろが絶品です。和食処〇は利用された方からの評価が非常に高いです。
U:蕎麦△でいいや。
A:分かりました。蕎麦△を案内します。
第3aの判定において、現在地が自宅から所定距離、離れていることを条件にするのは、自宅等の出発地の地域に係る名産料理店情報を排除して、目的地以外の地域に係る名産料理店情報に限定するためである。第3bの判定における現在地を含む所定地域への現在から過去所定期間内の訪問は、目的地としての訪問(例:東京から大阪へ行くときの大阪)だけでなく、目的地へ向かう途中の通過としての訪問(例:東京から大阪へ行くときの名古屋)も含める。訪問回数は、該所定地域へ突入した際にインクリメントするカウンタを設定することにより、計測できる。第3bの判定は、過去、所定期間内の訪問回数の多い地域では、同一の名産料理店情報をすでに繰り返しユーザに提供していると推測され、今回のドライブで同一の名産料理店情報をユーザに提示しても意義がないからである。第3cの判定は、食事時間帯でもないのに、名産料理店情報をユーザに提示しても意義がないからである。前回の目的地及び出発地と今回の目的地及び出発地とが同一であっても、前回のドライブと今回のドライブでは、食事時間帯となった地域が異なることがあり、その場合は、名産料理店情報は異なることになる。食事時間帯は、昼食の時間帯に限定されない。夕食や朝食の時間帯も含む。食事時間帯は、デフォルトで設定済みであったり、ユーザが適当な時期に自分に合わせて予め設定したりすることができる。
これにより、単に、名産料理店のある地域を食事時間帯に通過するのみで、該通過地域の名産料理店情報の提示を受けることができる。
カーナビゲーション装置55は、機能付加のために、さらに、経路探索手段64及び経路案内手段65を有している。経路探索手段64は、ユーザが、提示された名産料理店情報に基づき案内を要求した名産料理店を案内要求名産料理店と呼ぶことにし、案内要求名産料理店を経由地とする目的地への推奨経路を探索する。経路案内手段65は推奨経路に基づき経路案内を実施する。
ユーザは、提示された名産料理店情報に対し、案内要求を出すのみで、所望の名産料理店への経路案内を受けることができる。
図7はカーナビゲーション方法のフローチャートである。該カーナビゲーション方法は、前述のカーナビゲーション装置10の機能に対応する。S71(観光関連施設検索ステップ)では、設定された目的地に対し、該目的地に関連する観光関連施設を検索する。S72(観光関連施設情報提示ステップ)では、観光関連施設検索ステップにおける検索の結果、観光関連施設が見つかったならば該観光関連施設に係る情報を観光関連施設情報としてユーザに提示する。S73(経路探索ステップ)では、ユーザが、提示された観光関連施設情報に基づき案内を要求した観光関連施設を案内要求観光関連施設と呼ぶことにして現在地から案内要求観光関連施設への経路を観光関連施設用経路として探索する。S74(経路案内ステップ)では、観光関連施設用経路に基づき案内要求観光関連施設への経路案内を実施する。
ユーザは、観光目的のドライブをするとき、目的地を指定すると、目的地の観光に関連する観光関連施設情報を提示されるとともに、ユーザは、提示された観光関連施設情報に対して、所望の観光関連施設への経路案内の要求を出すだけで、該観光関連施設への経路案内を受けることができる。
図8は別のカーナビゲーション方法のフローチャートである。該カーナビゲーション方法は、前述のカーナビゲーション装置40の機能に対応する。S84(第2aの判定ステップ)では、現在地が属する観光地域を第1の観光地域と呼ぶことにし目的地が第1の観光地域外になっているか否かの第2aの判定を実施する。S85(第2bの判定ステップ)では、ユーザが現在から過去所定時間内に第1の観光地域内の名産品販売店に立ち寄っているか否かの第2bの判定を実施する。S86(名産品販売店検索ステップ)では、第2a及び第2bの判定がそれぞれ正及び否であるならば第1の観光地域内の名産品販売店を検索する。S87(第2cの判定ステップ)では、名産品販売店検索ステップにおける検索の結果、見つかった名産品販売店を提示用名産品販売店と呼ぶことにし、該提示用名産品販売店が存在するならば、ユーザへ第1の観光地域内の名産品の購入希望を問い合わせ、問合せに対するユーザ回答が購入希望有りとするものであるか否かの第2cの判定を実施する。S88(名産品販売店情報提示ステップ)では、第2cの判定が正であるならば、提示用名産品販売店に係る情報を名産品販売店情報としてユーザに提示する。S89(第2dの判定ステップ)では、ユーザが、提示された名産品販売店情報に係る名産品販売店への案内要求が有るか否かの第2dの判定を実施する。S90(経路案内ステップ)では、第2dの判定が正であるならば、ユーザが案内要求した名産品販売店を案内要求名産品販売店とし、案内要求名産品販売店への経路案内を実施する。これにより、ユーザは、所定の観光地域から出るとき、該観光地域内の名産品販売店情報を忘れずに入手できるとともに、該名産品販売店への経路案内を受けることができる。
図9は別のカーナビゲーション方法のフローチャートである。該カーナビゲーション方法は、前述のカーナビゲーション装置55の機能に対応する。S93(第3aの判定ステップ)では、目的地及び出発地は現在地より第1及び第2の所定距離以上離れているか否かの第3aの判定を実施する。S94(第3bの判定ステップ)では、目的地が現在から過去所定期間内に目的地として設定された回数が所定値未満であるか否かの第3bの判定を実施する。S95(第3cの判定ステップ)では、現在が食事の時間帯であるか否かの第3cの判定を実施する。S96(名産料理店検索ステップ)では、第3a〜第3cの判定がいずれも正であるとき現在地を含む所定地域において該所定地域に関連する名産料理を提供する名産料理店を検索する。S97(名産料理店情報提示ステップ)では、検索の結果、見つかった名産料理店に係る情報を名産料理店情報としてユーザに提示する。S98(経路探索ステップ)では、ユーザが、提示された名産料理店情報に基づき案内を要求した名産料理店を案内要求名産料理店と呼ぶことにし、案内要求名産料理店を経由地とする目的地への推奨経路を探索する。S99(経路案内ステップ)では、推奨経路に基づき経路案内を実施する。これにより、ユーザは、目的地へ進行中、途中の地域で食事時間帯になったときは、該地域の名産料理店の案内を自動的に受けるとともに、該名産料理店への経路案内を受けることができる。
本発明は、各カーナビゲーション装置10,40,55の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムとして、実施される。本発明は、また、図7〜図14のカーナビゲーション方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実施され得る。本発明は、これらプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。
図10は図7のカーナビゲーション方法についての第1の実施例のフローチャートである。図10〜図14の実施例は、ユーザにより目的地が設定されたときに実行開始するルーチンとなっている。S110では、目的地のジャンルが観光関連であるか否かを判定し、正であれば、S111へ進み、否であれば、S112(通常の経路探索及び経路案内)へ進む。図2において説明したように、ジャンルが名所・旧跡である場合は、該ジャンルは観光関連であるとされる。データベースに含めるジャンルをどのようにするか及びジャンルの名称は、データベース設計者により適宜、決められ、また、どのようなジャンルを観光関連のジャンルとして割当てるかもデータベース設計者により適宜決められる。S110では、ジャンルの代わりに、観光フラグ(図2)により判定結果を決めることもできる。すなわち、観光フラグがそれぞれセット及びリセットである場合は、S110の判定結果をそれぞれ正及び否とする。
S112の通常の経路探索及び経路案内では、現在地から目的地へ至る推奨経路が探索される。推奨経路とは、例えば、現在地から目的地へ最短の道のりとなる経路又は最小時間で行くことのできる経路である。ユーザの希望により、高速道路や有料道路の使用を取止めたり、所定幅以下の道路の使用は取止めたりして、推奨経路の探索も可能である。
S111では、目的地を含む観光地域内の名産品販売店を検索する。S113では、検索の結果、名産品販売店が見つかったか否かを判定し、該判定が正及び否であれば、それぞれS114及びS112へ進む。S114では、見つかった名産品販売店に係る情報をモニタ163(図15)視覚表示する。S115では、ユーザがS114の情報提示に対し、所定の名産品販売店への立寄りを指示したか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS116及びS112へ進む。S116では、ユーザが立寄りを指示した名産品販売店を立寄り地として目的地への推奨経路を探索する。S117では、S116で探索した推奨経路に基づき立寄り地としての名産品販売店へ経路案内を行なう。
図11は図7のカーナビゲーション方法についての第2の実施例のフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、図10のフローチャートのステップと同一であるステップは、図10のフローチャートのステップと同一の符号を付し、説明を省略する。また、図11のフローチャートにおいて、図10のフローチャートのステップにおける”名産品販売店”を”名産料理店”に機械的に置き換えただけのステップは、図10のフローチャートのステップの符号に添え字としてbを付加している。その他の相違点のみについて、図11のフローチャートを説明する。S118では、立寄り指示のあった名産料理店を立寄り地とする推奨経路、すなわち名産料理店を目的地より先に訪問する推奨経路において、該名産料理店の到着時刻の時間帯に係る情報をユーザに通知する。該情報とは、例えば、このまま進むと、名産料理店への立寄り時刻が非食事時間帯になってしまうとかの、名産料理店の駐車場が混雑する時間帯となっているとかの情報である。S119では、名産料理店へ到着する時間帯についてユーザの変更希望の有無を検出して、それに基づき推奨経路を維持するか、再探索するかする。再探索では、例えば、目的地と名産料理店との到着順の入れ替えを行なう。これにより、最探索後の推奨経路では、名産料理店への立寄り時刻が、ユーザ希望の時間帯となる。
S118,S119の具体例を詳細に説明する。最初に設定された目的地を「日光東照宮」とし、名産を食事できる店舗として「そば草庵(架空名)」がユーザに選択されたとします。この2地点を含む経路としては、(a)出発地→日光東照宮→そば草庵の場合の経路と、(b)出発地→そば草庵→日光東照宮が考えられる。通常の推奨経路探索では、(b)の経路のように、到着順は、立寄り地としてのそば草庵、及び目的地としての日光東照宮の順番になる。
名産料理店への到着時刻と食事時間帯との関係について述べる。(b)の経路のそば草庵に直接向かった場合に、食事に適した時間であるときは(b)の経路がそのまま採用される。例えば「そば草庵にはお昼頃つきますが、東照宮へ行く前にそば草庵で食事しますか?」とカーナビゲーション装置のエージェントはユーザに聞く。逆に、(b)の経路では、名産料理店への到着時刻が、食事に適した時間でないときは、(a)の経路を採用し、例えば「そば草庵に直接行くと10時頃になりそうです。先に東照宮へ行きませんか?」と、カーナビゲーション装置のエージェントがユーザに問合せ、ユーザがそれを希望したら、(a)の経路を採用して、該経路に基づき案内を実施する。
名産料理店や名所・旧跡地での滞在時間に係るデータにデータベースにあることがある。日光東照宮の平均滞在時間3時間、そば草庵(蕎麦屋のジャンルとして時間を持っていてもよい)の滞在時間を30分といったデータがあれば、より詳細に設定できる。例えば(a)出発地→日光東照宮→そば草庵、(b)出発地→そば草庵→日光東照宮の場合において(a)の経路でも日光東照宮での滞在時間を加算することにより、そば草庵への到達時間が算出できます。したがってそば草庵に到着する時刻を(a)と(b)で比較し、食事に適している時間を案内することができる。なお、滞在時間、食事に適した時間はユーザが設定してもよい。
名産料理店の空いている時間の情報を入手できる場合について説明する。前述の食事に適した時間帯の代わりに、名産料理店の空いている時間の情報が入手できる場合は、それを利用することもできる。例えば「そば草庵に直接行くと3時頃になりそうです。この時間は比較的お店が空いていますがいかがですか?」と、カーナビゲーション装置のエージェントがユーザへ問い合わせる。あるいは、食事に適した時間帯を昼であれば11時〜13時と設定し、店舗の空いている時間帯が10時〜11時半、13時半〜17時とすればこれのアンドを取って11時〜11時半に到達する場合に、エージェントが問い合わせるという方法も考えられる。なお、空いている時間帯を観光名所に割り当てて、こちらを重視する方法も考えられる。例えば「日光東照宮は10時頃は空いています。先に東照宮に行きませんか?」といった案内を行う。
図12は図8のカーナビゲーション方法についての実施例のフローチャートである。該実施例は、例えば、観光地域から自宅へ帰るときに観光地域において利用されるものである。典型例として、ユーザが、土曜及び日曜の一泊二日の旅行日程で一日目は、観光地域内の適当な旅館に泊まり、二日目は該観光地域において適当な観光を済ませ、帰宅するとした場合に、本日が該旅行日程の二日目であることを想定する。S120では、現在地が観光地域であるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS121及びS112へ進む。S121では、ユーザの自動車が現在から過去所定期間内に、該観光地域(=S120の観光地域)内で、データベースに観光関連ジャンルとして設定されている場所に駐車したか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS122及びS112へ進む。観光関連ジャンルとしては例えば「名所・旧跡」ジャンル、「遊園地」ジャンル、「スキー場」ジャンル及び「ホテル・旅館」ジャンルである。「名産品販売店」ジャンルは、ここでは、観光関連ジャンルに含めない。コンビニエンスストアは、観光関連ジャンルとは別の、例えば「コンビニエンスストア」ジャンルに設定されており、ユーザが、コンビニエンスストアに駐車しただけでは、ユーザへの該観光地域内の名産品販売店情報の提示は排除される。過去所定期間とは例えば過去2日である。これにより、前述の一泊二日の旅行日程では、ユーザが該観光地域へ入ってからの全期間が過去所定期間に含められる。前述の典型例では、旅館で駐車しているので、S121の判定は正となる。観光地域の旅館には、名産品の売店があることもあるが、該実施例では、ユーザは旅館では名産品を購入しないと想定している。特定の旅館については、そのジャンルを観光関連ジャンルに含ませることも可能である。S121により、ユーザがすでに該観光地域内の名産品販売店で名産品を購入していたときに、S122へ進むのを排除できる。
S122では、目的地が該観光地域より所定距離以上、離れているか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS123及びS112へ進む。ユーザが自宅から遠方の観光地域へ遊びに来ているときは、S122の判定は正となる。ユーザの自宅が観光地域内に存在することもあり、このような場合には、ユーザは、今回、名産品を購入する必要はない。S122の判定では、単なる目的地に代えて、次の立寄り地(全部の立寄り地への立寄りを済ませた場合には、目的地)が、該観光地域より所定距離以上、離れているか否かを判定としてもよい、例えば、ユーザの自動車が、(日光国立公園内の)ホテル→コンビニエンスストア→日光東照宮→自宅で出発地としてのホテルから目的地としての自宅へ経路を指定する場合があり、その場合、最後の立寄り地の日光東照宮を出発してから、S123以降へ進むことになる。
S123では、ユーザ(の自動車)が過去所定期間に該観光地域内の名産品販売店に立寄っているか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS112及びS124へ進む。ユーザが該観光地域内の名産品販売店に立寄っているのであれば、名産品はすでに購入済みと考えられ、名産料理店への案内は不要であり、そのような場合は、S123の判定が正となる。S121及びS123により、名産品販売店以外の場所への立寄り及び名産品販売店への立寄りを調べるのは、ユーザが、観光地域内で、名所・旧跡(名所・旧跡の場所には名産品販売店無しと想定する。)に立寄ったり、宿泊したりしないのにもかかわらず、名産品の購入に係る情報を提示することは、ユーザに煩わしいと考えて、これを排除するためである。S123の所定期間は、典型的には、S121の所定期間と同一であるが、相違させてもよい。S123の所定期間は、例えば当日に限定してもよい。
S124では、該観光地域における名産品販売店を検索し、検索の結果、名産品販売店が見つかったか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS125及びS112へ進む。S125では、ユーザに、名産品を購入するか否かを視覚的及び/又は聴覚的に問合せ、ユーザの回答が名産品を購入するか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS126及びS112へ進む。S125をS120の前に実行すると、ユーザは、観光目的でないドライブのときにも、カーナビゲーション装置から名産品の購入希望の有無を問い合わされて、不快となる。これに対して、S125をS124の後に実行すれば、ユーザが名産品の購入情報について欲する状況にある確度が十分にあると考えられるときにのみ、ユーザに名産品の購入希望の有無を問い合わせることになるので、無駄な情報提示を減らすことができる。
S126では、名産品販売店を考慮しない目的地への推奨経路を探索する。S130では、推奨経路において、現在地前方に高速道路が含まれているか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS131及びS132へ進む。S132では、S124の検索で見つけた名産品販売店から、高速道路進入前の推奨経路沿いの名産品販売店に絞り込み、それらを現在地から近い順に提示する。S132では、S124の検索で見つけた名産品販売店を、現在地から近い順に提示する。S131,S132の名産品販売店の提示は、モニタ163(図15)の地図上に各名産品販売店の位置を示した視覚表示であったり、各名産品販売店についてその店名、営業時間、具体的な名産品名を示したリストの視覚表示であったりする。
S133では、S131又はS132における名産品販売店の提示に対して、ユーザからの名産品販売店への立寄り指示があるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS134及びS112へ進む。ユーザは、複数個の名産品販売店に対して立寄り指示を出してもよい。名産品販売店が違えば、具体的名産品(例:或る名産品販売店は饅頭店、他方の名産品販売店は工芸店。)が異なる場合があり、ユーザは各名産品販売店の名産品を購入したときがあるからである。S134では、ユーザが立寄り指示を出した名産品販売店へ経路案内する。
図13は図10及び図11のカーナビゲーション方法を一部変更したフローチャートの変更部を示す。変更箇所は、S110の前に、S139,S140が追加されたことである。S139では、現在地は自宅から所定距離以上であるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS140及びS112へ進む。ユーザの自宅が観光地域内にある場合があり、S139の判定は、そのような場合に名産品及び名産料理の案内が提示されないようにする。S140では、該目的地(=設定された目的地)が、現在から過去所定期間(例:6月)内に、目的地として設定された回数を検出し、該回数が所定値(例:1)未満であるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS110及びS112へ進む。ユーザの勤務先が観光地域にあったり、ユーザが最近、頻繁に出張する場所が観光地域にあったりする場合があり、そのような場合には、S140の判定は否となって、名産品及び名産料理の案内を中止できる。
図14は図9のカーナビゲーション方法についての実施例のフローチャートである。該実施例は、例えば、東京から大阪へ自動車で出張するときに、名古屋で昼食や夕食の時間帯になった場合に利用される。S145では、現在地が出発地及び目的地から所定距離以上離れているか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS146及びS112へ進む。S146では、該目的地(今回、設定された目的地)が過去所定期間内に何回、目的地として設定されたかを記憶装置の履歴から検出し、目的地設定回数が所定値未満であるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS147及びS112へ進む。ユーザが、出張等の理由により自宅又は勤務先から今回の目的地へ頻繁に訪れており、そのような場合には、名古屋等の途中地域で今回、特に名産料理を食べる必要もないので、S146はそのような場合を排除する役目を果たす。S147では、現在は食事時間帯であるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS148及びS112へ進む。S147の判定は、食事時間帯でなければ、名産料理店への案内を行なわないようにするものである。
S148では、現在地がある地域における名産料理店を検索し、検索の結果、名産料理店が見つかったか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS149及びS112へ進む。S149では、過去所定期間内における該地域(目的地が存在する地域)の名産品販売店の案内回数(=図14のルーチンの実行回数)が所定値未満であるか否かを判定し、該判定が正及び否であるならば、それぞれS150及びS112へ進む。S150では、S148の検索により見つかった名産料理店への経路探索を行なう。S148の検索により見つかった名産料理店が複数個、ある場合には、S150の実行に先立ち、それら複数個の名産料理店に係る情報を提示して、ユーザによりその内の1個の名産料理店を選択させ、S150では、該選択された名産料理店への経路探索をすることもできる。S151では、S150で探索した経路に基づきユーザを名産料理店へ経路案内する。
図15はカーナビゲーション装置10のハードウェア構成図である。前述のカーナビゲーション装置40,55もカーナビゲーション装置10と同一のハードウェアを使用する。GPSモジュール151は、GPS衛星からの電波に基づき自車位置を検出する。VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール152は、FM多重放送等から道路渋滞情報を受信する。TVチューナ153は、VHFやUHFのテレビ放送電波に係るビデオ及びオーディオ信号を出力する。ハードディスク装置154は、地図データベース155を含むとともに、CD等からダビングした楽曲データ等を適宜書き込み及び読み出し自在になっている。CD/DVDドライブ158は、所定のCD−ROMから地図データベース155用のデータを読み取り自在になっているとともに、音楽CDやDVD等から楽曲や映画の再生用データを読み取り可能になっている。処理及び制御装置160は、CPUを含み、GPSモジュール151、VICSモジュール152、TVチューナ153、ハードディスク装置154及びCD/DVDドライブ158からのデータ及び信号を受け取り、各種の処理を実行する。画像生成器162は、処理及び制御装置160から入力されるデータに基づき画像表示信号を生成して、モニタ163に出力する。D/A変換器165は、処理及び制御装置160からデジタルオーディオ信号を受け、それをアナログオーディオ信号へ変換して、スピーカ166へ出力する。このカーナビゲーション装置10は、音楽CDをCD/DVDドライブ158にセットして、該音楽CDに記録されている楽曲を再生して、スピーカ166から放音するとともに、映画DVDをCD/DVDドライブ158にセットして、該映画DVDに記録されている映画を再生して、モニタ163に映像を表示し、かつスピーカ166から放音するようになっている。カーナビゲーション装置10は、さらに、移動体通信装置169及びマイクロホン170を装備する。移動体通信装置169は表示器付き携帯電話であってもよく、ユーザは、自動車から下車の際に、カーナビゲーション装置10から移動体通信装置169を適宜、分離して、携帯できるようになっている。マイクロホン170はユーザの発話を電気信号へ変換して処理及び制御装置160へ送る。
処理及び制御装置160は、ナビゲーション部231(図16)用のNAVIボードと、音声認識及び対話用のエージェントシステム200(図16)とを装備している。ナビゲーション部231における経路案内は、例えば、モニタ163上に、マーク付けした現在地を含む所定縮尺の地図とそれに重ねて推奨経路とを視覚表示しつつ、経路案内地点等に差し掛かると、スピーカ166から進路変更等を音声で案内することにより実施される。
図16はエージェントシステム200の詳細な構成図である。エージェントシステム200は、音声入力部201、音声認識部202、自然言語解析部203、エージェント処理部207、音声合成処理部220、音声出力部226、及び入出力対象機器群230を有している。エージェントシステム200におけるエージェントの基本動作は、(a)入力された音声を認識:(音声認識処理)、(b)認識された言葉に基づいて動作(ユーザへの質問、機器制御等)を決定:(エージェント処理)、及び(c)ユーザへの対応動作(音声の出力、機器の制御)の実行(音声合成+α)という3段階に分かれる。最初に、音声認識及び音声合成の発話について概略的に説明し、その後、カーナビゲーション装置10におけるエージェントシステム200の役割を説明する。
音声入力部201では、ユーザによる音声が入力される。音声認識部202では、音声認識によって、ユーザの発話を認識する。このとき、エージェント処理部207の単語D/B(D/B:データベース)212と協働して、入力音声を認識する。音声認識の手法は様々なものがあるが、例えば以下のようになる。
入力音声の波形と、単語D/B212内の各単語の波形とのマッチング度合いを計算する。この計算結果を尤度(スコア)として出力する。この時点で、スコアが最大値となった単語を入力音声の単語と認識してもよいし、所定のスコア以上の単語を全て候補として処理することとしてもよい。
自然言語解析部203は、例えば、入力音声から所定の品詞(例えば、名詞、動詞のみ)を抽出する。この結果、入力音声がユーザの自然な発話でなされたものであっても(例えば、「あ〜お腹すいたなあ」等)処理に必要なキーワードだけが抽出されることになる。
エージェント処理部207は、自然言語解析部203から入力された所定の品詞に基づいて、ユーザへの問い掛けなどの制御を行う。例えば、ユーザ発話「お腹がすいたなあ」→エージェント「食事にいくか?」の音声合成、となる。具体的には、認識された単語が、いずれのカテゴリーに属するかを識別し、識別されたカテゴリーの会話フローに入っていく。図17は認識した単語とカテゴリーとの関係図である。上述の「お腹がすいたなあ」が入力されると、「お腹」及び「すいた」が音声認識部202、自然言語解析部203で認識、分別され、これを受け取ったエージェント処理部207は、これらの単語がどのカテゴリーに属するかを識別する。上記関係図から、「お腹」及び「すいた」はいずれも食事のカテゴリーに属することが識別されるので、これに基づいて「食事」に関連する会話フローに入っていく。
例えば、「食事」のフローのトリガーがかかると、「食事に行く?」と音声合成して(後述)、ユーザに設問する。そして、ユーザの返答によって会話フローが進んでいく。所定のステップ、例えば「食事の場所のナビ設定」に移行するまで、音声入力部201のユーザによる音声入力、音声認識部202のユーザの発話の認識、自然言語解析部203における入力音声から所定の品詞の抽出、及びエージェント処理部207におけるユーザへの問い掛けなどの制御(音声合成も含む)が繰り返される。
音声合成処理部220における音声合成は、基本的に「音片合成用D/B221」による音声合成である。音片とは、所定の長さ、具体的には1つ以上の音素からなる音声の集合である。例えば、「食事に」「いくか?」を録音して、音声合成用の単語として音片合成用D/B221に持たせておけば、これを繋ぎ合わせることで「食事にいくか?」という極めて自然な発話の音声合成が可能である。ただし、場合によっては合成しようとする単語が音片合成用D/B221にない場合も存在する。その場合には、音素合成D/B222から機械合成で単語を作り出す。当然音片合成用D/B221のように滑らかな発話にはならず、ロボットボイスと言われる機械的な合成になってしまうので、音素合成D/B222を用いた合成は音片合成を補完する意味で用いることとなる。
さらに、具体的に説明すると、音声合成しようとする言葉が決定されると、これに「韻律予測」処理が施される。韻律予測とは、言葉の抑揚(イントネーション)を単語の並びから予測するもので、簡単な例では、疑問形の言葉では、語尾を上げる等が該当する。実際にはもっと詳細に予測を行う。1つの単語内での抑揚も様々であるので、個々にこれを予測する。例えば、「南浦和」と「浦和南」とでは、単語はそれぞれ同じ「南」と「浦和」であるが、使われ方によってイントネーションが異なる。そして、予測された韻律に最も近い韻律を有する音片をそれぞれ音片合成用D/B221から選択し、これらを繋ぎ合わせて合成する音声を決定する。その他、発話スピード(ゆっくり言うのか、早口で言うのか)も、音片選択の指標に加えることも考えられる。
次に、カーナビゲーション装置10におけるエージェントシステム200の具体的な役割を説明する。音声入力部201は、例えば、マイクロホンマイクロホン86、AF(Audio Frequency)増幅器、サンプラー及びA/D(Analog−to−Digital)コンバータなどより構成されている。音声入力部201は、自己のマイクロホンマイクロホン86が集音した音声を表す音声信号を増幅し、サンプリングしてA/D変換することにより、当該音声を表すデジタル形式の音声データを生成する。そして、この音声データを音声認識部202へと供給する。
音声認識部202、自然言語解析部203、音声合成処理部220及びエージェント処理部207は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等からなるプロセッサと、このプロセッサが実行するプログラムを記憶するハードディスク装置等の不揮発性メモリと、このプロセッサのワークエリアとなる記憶領域を有するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとより構成されている。
なお、音声認識部202、自然言語解析部203、音声合成処理部220及びエージェント処理部207の一部又は全部の機能を単一のプロセッサや単一の不揮発性メモリや単一の揮発性メモリが行うようにしてもよい。
音声認識部202は、音声入力部201より音声データを供給されると、例えばこの音声データに含まれる雑音を除去する処理等を行った後、後述するエージェント処理部207内の単語D/Bを参照して、この音声データに音声認識を施す処理を行うことにより、この音声データが表している可能性のあるすべての単語の候補と、この候補の尤度(スコア)とを特定する。
音声認識部202は、具体的には、例えば、入力された音声と単語D/Bに登録されるすべての単語とのマッチングの度合い、即ち尤度(スコア)を算出して、どの単語のスコアが最も高いかを認識する。例えば、「え〜と、???が減ったよ」という文章を表しており、ただし「???」の部分が「お腹」とも「お墓」とも認識され得るような音声を表す音声データが供給された場合は、「???」の部分については、単語「お腹」に対するスコアが80%、単語「お墓」に対するスコアが65%、などと、それぞれの単語に対するスコアを計算する。そして、最も高い値を示した「お腹」を、当該部分「???」が表す単語であるとして選択する。そして、音声認識部202は、「え〜と、お腹が減ったよ」という認識結果を示すテキスト文字列(若しくは単語ID(IDentifier))を生成して、自然言語解析部203に供給する。
なお、音声認識部202が行う音声認識の手法は任意である。また、スコアの値が所定値を下回る単語については、候補として選択しないようにしてもよい。また、1つの音声入力に対して単語の候補が複数特定されてもよい(この場合、上述のように単語「お腹」を1つ選択するのではなく、「お腹」「お墓」を選択して、それぞれ自然言語解析部203に送出する)。そして、特定した候補及び当該候補のスコアを示すデータ(以下、単語データと呼ぶ)を生成し、自然言語解析部203へと供給する。
なお、単語データは、単語情報そのものとスコアを含むものとしても良いが、実際には単語IDとスコアを含むものとした方が、データの取扱上有利である。
自然言語解析部203は、音声認識部202より供給された単語データ(若しくはテキストデータ)に形態素解析を施す処理を行うなどすることにより、この単語データが表している単語を品詞ごとに分類し、分類結果を示すデータを単語データに付してエージェント処理部207へと供給する。なお、自然言語解析部203が行う分類の手法は任意であり、例えば、奈良先端科学技術大学で開発された日本語形態素解析の手法である"ChaSen"などを用いればよい。
音声合成処理部220の不揮発性メモリは、更に、単語の波形を表すデータを記憶する音片合成用D/Bと、音素の波形を表すデータを記憶する音素合成用D/Bと、を記憶する。そして、音声合成処理部220は、音片D/Bや音素D/Bに格納されているデータを用いて、録音編集方式や規則合成方式の手法により、エージェント処理部207より供給された文章データを読み上げる音声を表すデジタル形式の音声データを生成する。そして、生成した音声データを音声出力部226に供給する。
音声出力部226は、例えば、D/A(Digital−to−Analog)コンバータ、AF増幅器及びスピーカなどより構成されている。音声出力部226は、音声合成処理部220より供給された音声データをD/A変換して増幅し、得られたアナログ信号を用いてスピーカを駆動することにより、当該音声データが表す音声を再生する。
入出力対象機器群230は、例えば、ナビゲーション部231や、クロック232などより構成されている。ナビゲーション部231は、図9のNAVIボードNAVIボード81のことであり、GPS(Global Positioning System)の移動局や液晶ディスプレイ等の表示装置やプロセッサを用いた公知のカーナビゲーションシステムなどより構成されている。ナビゲーション部231は地図を表す地図情報を記憶しており、エージェント処理部207が供給する制御信号に従って車両の現在位置を検知し、検知した現在位置が地図上でどの位置に当たるかを表すデータを生成して、現在位置近隣の地図を表す地図情報と共にエージェント処理部207に供給する。また、現在位置近隣の地図を、現在位置を示す図形と共に表示する。
クロック232は、例えば水晶発振器やカウンタ回路等より構成されており、現在の時刻を示すデータを連続的に生成し、エージェント処理部207へと供給する。なお、ナビゲーション部231を介してGPSから得られる時刻情報を供給するようにしてもよい。
エージェント処理部207に戻って、エージェント処理部207は更に、モデムやパケット通信端末等からなる通信制御装置208を備え、この通信制御装置208を介して外部のネットワークに接続している。
また、エージェント処理部207の不揮発性メモリは、更に、単語D/B212を記憶する。単語D/B212は、単語を示すデータと、この単語がどのような概念ないしカテゴリーの下にグルーピングされているかを示すためのカテゴリー辞書211とを格納するD/Bである。
カテゴリー辞書211は、例えば図17に示すデータ構造を有する。すなわち、カテゴリー辞書211は、単語を示すデータと、当該単語が属するカテゴリーを示すデータとを、互いに対応付けて格納している。例えば、図17に示す例では、単語「減った」はカテゴリー「食事」に対応付けられている。なお、1個の単語が複数のカテゴリーに属していてもよい。(例えば図17に示す例では、単語「お腹」は、カテゴリー「食事」及び「病院」に対応付けられている。)
そして、このエージェントシステム200は、複数の単語が同一の文章に含まれていた場合に、これらの単語が共通して属するカテゴリーのみを、これらの単語が属するカテゴリーとして扱うことにより、これらの単語が発話された意図を文脈に応じて把握することを可能とする。例えば図17に示す例では、「お腹が減った」という文章を構成する単語データの集合が自然言語解析部203からエージェント処理部207に供給された場合、エージェント処理部207が、単語「お腹」及び「減った」が共通して属するカテゴリー、すなわち「食事」のみを、当該文章に係る処理を行う限りでは、単語「お腹」及び「減った」が属するカテゴリーとして扱うこととできる。同様に、単語データの集合が、ユーザの発話「食事に行きたいなあ」を表している場合は、単語「食事」及び「行きたい」が共通して属するカテゴリー「食事」のみを、文章「食事に行きたいなあ」に係る処理を行う限りでは、単語「食事」及び「行きたい」が属するカテゴリーとして扱うこととできる。
また、エージェント処理部207は、自然言語解析部203から供給された単語データのうち、特定の品詞を表すもののみ(例えば、名詞と動詞のみ)を、自己が行う後続の処理に用いるようにしてもよい。
なお、単語が属するカテゴリーは必ずしも複数の単語の組み合わせから特定される必要はない。例えば、単語「すいた」はカテゴリー「食事」にのみ対応付けられているから、単語「すいた」を表す単語データが供給された場合、エージェント処理部207は、他の単語と組み合わせて判別処理を行うまでもなく、この単語データをカテゴリー「食事」に属するものとして扱ってよい。
また、エージェント処理部207の不揮発性メモリは、適宜、地名D/B、名産品D/B、及び名産料理D/Bを記憶している(図示せず)。