JP4793468B2 - Iii族窒化物系化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法に関する。本発明は異種基板上にIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させて素子構造を形成したのち、当該異種基板の当該素子構造を形成した面に、金属、はんだその他の導電層を介して導電性の支持基板を接着し、異種基板との界面近傍のIII族窒化物系化合物半導体の薄層をレーザ照射で分解して異種基板を取り除く、いわゆるレーザリフトオフ技術に関する。本発明は特にpn接合又は活性層を挟んで上下にp型層とn型層を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法に特に有効である。
非特許文献1として後述する、Kellyらに始まるレーザリフトオフ技術により、発光素子その他のIII族窒化物系化合物半導体素子を、エピタキシャル成長に用いた基板から導電性の支持基板に貼り替えることが可能となった。これにより、例えば発光ダイオードにおいては、支持基板裏面に電極を設けることができる。これによりGaAs系の発光素子同様に、基板裏面とエピタキシャル層最上面の2箇所に正負のいわゆる対向電極を有する発光素子とすることが可能となる。
正負の電極が発光層を挟んで対向することの利点は、支持基板の水平面積と同程度の発光層面積を形成できること、及び、均一な発光を得ることができることによる、素子当たりの光取り出し効率の向上である。本発明の先行技術として、本願出願人による先行出願の公報を特許文献1として示す。
レーザリフトオフ技術は、適切な波長のレーザ照射により、例えば窒化ガリウムGaN層の、例えば窒化アルミニウムから成るバッファを介してサファイア基板と対向している界面部分を薄膜状に分解して溶融金属ガリウム(Ga)と窒素(N2)ガスに分解する。接合したウエハの外周部から順に当該窒化ガリウムGaN層の分解を行えば、分解により生ずる溶融金属ガリウム(Ga)と窒素(N2)ガスはウエハの外周に排出させることができる。
しかし、レーザ照射面積に対する照射エネルギーを十分に大きくするためには、ウエハ全体に一度にレーザ照射をすることは好ましくない。このため、例えば1回のレーザ照射範囲を0.1〜数mm角の正方形等に調整し、ウエハを当該正方形に分割して、外周付近からレーザ照射をスキャンするように行う。
ここで、1回のレーザ照射毎に生成する窒素ガスの体積が大きいので、窒素ガスによりエピタキシャル成長基板と、支持基板に接合されたエピタキシャル層とを剥がす方向に大きな応力が加わる。
実際には、紫外線で分解されるGaN層の厚さは数nmからせいぜい数十nmと考えられ、レーザ照射済領域の、分離したGaN層領域と異種基板との隙間は極めて狭い。一方、レーザ照射により発生する窒素ガスは、極めて大きな体積である。そこで発生する窒素ガスを効率的に外部に排出できなければ、レーザ未照射の、エピタキシャル層と異種基板の接合部分に大きな応力が係る。
そこで、例えば素子分離ラインに合わせて、窒素ガスを排出するための溝を形成したのちにレーザリフトオフを行う技術がある。まずこれを説明する。
図7.A乃至図7.Dは従来技術に係るレーザリフトオフの作業工程を示す断面図である。
エピタキシャル成長基板100にn型層11及びp型層12を順にエピタキシャル成長させて、エピタキシャル層10とする。発光領域LはMQW構造で形成したが、図7他では単に太破線で示した。
次に、レーザリフトオフ時の空気孔となる、溝trをレーザ照射により形成する。溝trにより、エピタキシャル層10は多数の拡大素子領域Sに分割される。拡大素子領域Sは、以下で示す素子領域S’を内包し、且つそれよりも大きな領域である。拡大素子領域Sと素子領域S’は、平面図においては矩形(正方形を含む)であるものとする。
次にp型層12の表面に導電多層膜120を形成する。導電多層膜120の最上面(図7.Aでは、p型層12から最も遠い下の面)ははんだ層とする。ここで、導電多層膜120の形成の際、それに先立って形成された溝trを、導電多層膜120が覆うことがあっても、溝trの空気孔としての外部との連通が確保されるか、レーザリフトオフの際のレーザ照射時に連通可能となれば良い。
以上のようにして、図7.Aの上側の、溝trを有する、エピタキシャル成長基板100にエピタキシャル層10と導電多層膜120を形成したウエハが形成される。溝trにより、エピタキシャル成長基板100に接合したエピタキシャル層10は、複数個の拡大素子領域Sに分割されたままである。
次に、導電性材料から成る支持基板200に、導電多層膜210を形成する。導電多層膜210の最上面ははんだ層とする(図7.Aの下側)。
こうして、上記エピタキシャル層10を有するエピタキシャル成長基板100と支持基板200を、いずれも最上層がはんだ層である、導電多層膜120と210を向かい合わせて接合する(図7.B)。
次に、レーザリフトオフを行う。エピタキシャル層のn型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近にレーザ照射して、薄膜状部分を分解する。この際、1回ごとのレーザ照射領域(ショットエリア、LS)としては、拡大素子領域Sを1個ずつ含む領域とする。こうして、n型層11の、サファイアから成るエピタキシャル成長基板100との界面付近の薄膜状部分を全て分解して結合を解き、エピタキシャル成長基板100を剥離させる(図7.C)。
次にドライエッチングにより、エピタキシャル層10のチップ外周部s1、s2を除去し、n電極130を形成する。
シリコンから成る支持基板200の裏面に導電多層膜230を形成する。
こうして図7.Dに示す構造が完成したので、破線で示された切り代領域Ctを除去することにより、個々の素子が得られる。
図7.Dの個々の素子領域S’は、エピタキシャル層10のチップ外周部s1だけ、図7.Aの拡大素子領域Sよりも小さい。チップ外周部s1と溝trは、切り代領域Ctに含まれる。尚チップ外周部s2は、n電極130と、p型層12から導電多層膜230までのp側領域との短絡を防止する絶縁性保護膜を形成する等の理由により、除去されるエピタキシャル層10の領域である。
特開2008−186959号公報 特開2004−363532号公報
Appl.Phys.Lett.,vol.69,1996,pp.1749−1751
ここにおいて、図7.Bにおける各レーザ照射の際に、レーザ未照射領域において応力が発生して、当該レーザ未照射領域のエピタキシャル層10にクラックが発生する問題が見出された。これを図8で説明する。
図8.Aは、拡大素子領域S2にレーザ照射を行っている状態を示す断面図、図8.Bは、拡大素子領域S3にレーザ照射を行っている状態を示す断面図である。
図8.Aのように4つの拡大素子領域を、S1、S2、S3、S4と呼ぶことにする。拡大素子領域S1とS2は溝tr12で分割され、拡大素子領域S2とS3は溝tr23で分割され、拡大素子領域S3とS4は溝tr34で分割されている。いま、4回のレーザ照射LSを、拡大素子領域をS1、S2、S3、S4の順に1つずつ内包するように順に行うものとする。
図8.Aにおいて、拡大素子領域S1は前回までにレーザ照射済であり、拡大素子領域S2は今回レーザ照射中であり、拡大素子領域S3及びS4はレーザ未照射である。
この時、拡大素子領域S2のn型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近の分解により窒素ガスが発生し、溝tr12及びtr23から排出される。この際、非常に大きな体積膨張が生じる。今回レーザ照射中の拡大素子領域S2の左側の領域である拡大素子領域S1のエピタキシャル層10は、エピタキシャル成長基板100と剥離している。このため、拡大素子領域S1のエピタキシャル層10には大きな応力はかからない。一方、今回レーザ照射中の拡大素子領域S2の右側の領域である拡大素子領域S3のエピタキシャル層10は、エピタキシャル成長基板100と接合している。このため、拡大素子領域S3のエピタキシャル層10には、大きな応力がかかる。即ち、拡大素子領域S2のn型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近の分解により窒素ガスが発生してエピタキシャル成長基板100を持ち上げる方向に応力がかかるからである。このため、今回レーザ照射中の拡大素子領域S2の右側の領域である拡大素子領域S3のエピタキシャル層10の、溝tr23付近にはクラックが生じる可能性が高い。エピタキシャル層10に一旦生じたクラックは、のちの工程で消滅することは無く、更に伸長する可能性が高い。すると、拡大素子領域S3のエピタキシャル層10の溝tr23付近に生じたクラックは、最終的には図7.Dの切り代領域Ct上のチップ外周部s1や、エッチングで除去されるチップ外周部s2を貫いて、素子領域S’に達することとなり、素子特性を大きく損なう。
ここで、図8.Bを検討すると、今回レーザ照射中の拡大素子領域S3の左側の領域である拡大素子領域S2のエピタキシャル層10は、エピタキシャル成長基板100と剥離している。このため、拡大素子領域S2のエピタキシャル層10には、大きな応力はかからない。
但し、拡大素子領域S3で瞬時に多量の窒素ガスが発生するため、エピタキシャル成長基板100と剥離している拡大素子領域S2のエピタキシャル層10にも部分的にクラックが発生することも、まれにある。特に、支持基板の固定が十分でない場合に、発生したガスの応力により支持基板が振動し、エピタキシャル層10にクラックが発生しやすい。
そこで特許文献2では、サファイア基板等のエピタキシャル成長基板を、レーザ照射された領域を順次破片化して破壊する技術を提示している。
特許文献2ではサファイアの小片が多数散乱するので、その収拾にコストがかかる。
本発明者らは、図7.Dに示す通り、溝trを形成する幅を含めて大きな切り代領域Ctがあることに着目し、本願発明を完成させた。
請求項1に係る発明は、異種基板をエピタキシャル成長基板として用い、III族窒化物系化合物半導体から成るエピタキシャル層を積層し、その最上面に導電層を介して支持基板を接着したのち、レーザリフトオフによりエピタキシャル成長基板を取り除く、III族窒化物系化合物半導体素子の製造方法において、エピタキシャル層を形成したエピタキシャル成長基板に支持基板を接着する前に、エピタキシャル成長基板に形成したエピタキシャル層を含む積層構造の最上面から、エピタキシャル層の最下面とエピタキシャル成長基板との界面まで少なくとも達する溝を形成する溝形成工程を有し、溝により、エピタキシャル成長基板に接合されたエピタキシャル層が分割されて、最終的に得るべき素子構造を内部に有すべき領域である拡大素子領域と、それ以外の応力緩和領域とが生成され、レーザリフトオフのために実施される複数回のレーザ照射の、各レーザ照射の際には、拡大素子領域と応力緩和領域の全てが、当該レーザ照射後にレーザ照射済となった領域とレーザ未照射の領域とに分けられ、且つその境界部は、帯状のレーザ未照射の応力緩和領域となるようにレーザ照射が実施されることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法である。
ここで異種基板とは、分解目的のIII族窒化物系化合物半導体層へのレーザ照射の際に当該レーザ光を吸収しないものを想定しているので、この点において分解目的のIII族窒化物系化合物半導体層と異なる組成のIII族窒化物系化合物半導体基板を排除するものではない。
拡大素子領域、応力緩和領域とは、エピタキシャル層を、異種基板との接合面内で分割したものを想定している。即ち、エピタキシャル層と異種基板との接合面が溝で分割されることにより、拡大素子領域と応力緩和領域が形成される。これらはエピタキシャル層の領域であって、異種基板との接合が解除されたあとのものも含まれる。拡大素子領域とは、最終的に得るべき素子構造において存在するエピタキシャル層を含む、応力緩和領域でない領域である。拡大素子領域のエピタキシャル層は、のちの工程で、その外周部が一部除去されて最終的な素子領域となる。
境界部の帯状のレーザ未照射の応力緩和領域とは、必ずしも連続しているものでなく、溝を挟んで分割された複数のレーザ未照射の応力緩和領域が帯状に形成されているものを含む。更に例えば矩形状の複数のレーザ未照射の応力緩和領域が、数カ所で屈曲した形状を成すものも帯状と称することとする。
請求項2に係る発明は、全ての溝の長手方向が、互いに垂直な2方向のいずれかに平行に形成されていることを特徴とする。この場合、拡大素子領域と応力緩和領域はいずれも矩形状となる。
請求項3に係る発明は、隣接する2つの拡大素子領域の間の応力緩和領域は、当該2つの拡大素子領域の間に順に並んだn個、但しnは2以上の整数、の矩形の領域であり、
各々1頂点で向き合う4つの拡大素子領域の当該4頂点の間の応力緩和領域は、n2個の矩形の領域であることを特徴とする。これは、n=1の場合の応力緩和領域を、分割した応力緩和領域とするものであり、請求項1に係る発明の帯状の領域が、1乃至n個の分割された細い帯状の領域から形成しうることを意味する。
請求項4に係る発明は、レーザリフトオフのために実施される複数回のレーザ照射の、各レーザ照射の際には、今回レーザ照射される拡大素子領域とレーザ照射済の拡大素子領域との間には、前回までにレーザ照射済の応力緩和領域が存在するようにレーザ照射が実施されることを特徴とする。これは下記で説明するが、応力緩和領域の一部を、境界部の帯状のレーザ未照射の応力緩和領域として活用せずに、レーザ照射済の状態であって、照射済の拡大素子領域と今回照射領域である拡大素子領域との間の空隙として用いるものである。
ある拡大素子領域がレーザ照射により窒素ガス発生源となった際に、その近傍のエピタキシャル成長基板と接合した状態の拡大素子領域との間には、エピタキシャル成長基板と接合した状態の応力緩和領域が必ず存在する。これにより、レーザ照射により発生した窒素ガスの体積膨張に伴う、エピタキシャル成長基板とエピタキシャル層とを引き剥がす方向に働く応力は、当該応力緩和領域に作用し、近傍のエピタキシャル成長基板と接合した状態の拡大素子領域には直接的には作用しない。これにより、当該近傍のエピタキシャル成長基板と接合した状態の拡大素子領域にクラックが発生することを抑制することが可能となる。
溝は、例えば5μm以上の幅と深さを有するように形成できるので、レーザリフトオフのためのレーザ照射の際に発生する窒素ガスの排出路として大いに作用する。この溝が、いずれのレーザ照射領域の回りにおいても二重又は(n+1)重になっているので、窒素ガスの排出が極めて効果的にできる。このため、エピタキシャル成長基板と、それとは剥離したIII族窒化物系化合物半導体層との数nm〜数十nmの間隙からの窒素ガスの排出が減り、剥離済のIII族窒化物系化合物半導体層に部分的にクラックが発生することを防ぐこともできる。
以下、図1及び図2を用いて本発明の効果を視覚的に説明する。
図1.A乃至図1.Dは、本発明の効果を説明するための工程を示す断面図である。図1.A乃至図1.Dは、図7.A乃至図7.Dで1本だった拡大素子領域S間の溝trを、2本の溝trと応力緩和領域Bとに置き換えたものである。
エピタキシャル成長基板100にn型層11及びp型層12を順にエピタキシャル成長させて、エピタキシャル層10とする。発光領域LはMQW構造で形成したが、図1他では単に太破線で示した。次に、レーザリフトオフ時の空気孔となる、溝trをレーザ照射により形成する。2本の溝trの幅及び当該2本の溝trに挟まれた応力緩和領域Bの幅は、各々、拡大素子領域Aの1辺の1/10以下、より好ましくは1/30以下とすると良い。拡大素子領域Aは、以下で示す素子領域A’を内包し、且つそれよりも大きな領域である。拡大素子領域Aと素子領域A’、応力緩和領域Bは、平面図においては矩形(正方形を含む)であるものとする。
次にp型層12の表面に導電多層膜120を形成する。導電多層膜120の最上面(図1.Aでは、p型層12から最も遠い下の面)ははんだ層とする。ここで、導電多層膜120の形成の際、それに先立って形成された溝trを、導電多層膜120が覆うことがあっても、溝trの空気孔としての外部との連通が確保されるか、レーザリフトオフの際のレーザ照射時に連通可能となれば良い。
以上のようにして、図1.Aの上側の、溝trを有する、エピタキシャル成長基板100にエピタキシャル層10と導電多層膜120を形成したウエハが形成される。溝trにより、エピタキシャル成長基板100に接合したエピタキシャル層10は、拡大素子領域Aと応力緩和領域Bとに分割されている。
次に、導電性材料から成る支持基板200に、導電多層膜210を形成する。導電多層膜210の最上面ははんだ層とする(図1.Aの下側)。
こうして、上記エピタキシャル層10を有するエピタキシャル成長基板100と支持基板200を、いずれも最上層がはんだ層である、導電多層膜120と210を向かい合わせて接合する。(図1.B)。
次に、レーザリフトオフを行う。エピタキシャル層のn型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近にレーザ照射して、薄膜状部分を分解する。この際、1回ごとのレーザ照射領域(ショットエリア、LS)としては、拡大素子領域Aを1個、応力緩和領域Bを1個含む領域として示した。こうして、n型層11の、サファイアから成るエピタキシャル成長基板100との界面付近の薄膜状部分を全て分解して結合を解き、エピタキシャル成長基板100を剥離させる(図1.C)。
次にドライエッチングにより、エピタキシャル層10のチップ外周部a1、a2を除去し、n電極130を形成する。
シリコンから成る支持基板200の裏面に導電多層膜230を形成する。
こうして図1.Dに示す構造が完成したので、破線で示された切り代領域Ctを除去することにより、個々の素子が得られる。
ここにおいて、図1.Bにおける各レーザ照射の際に、レーザ未照射領域との間に応力が発生せず、当該レーザ未照射領域のエピタキシャル層10にクラックが発生しないことを図2で説明する。
図2.Aは、拡大素子領域A2にレーザ照射を行っている状態を示す断面図、図2.Bは、拡大素子領域A3にレーザ照射を行っている状態を示す断面図である。
図2.Aのように4つの拡大素子領域をA1、A2、A3、A4と呼ぶことにする。同様に3つの応力緩和領域をB2、B3、B4と呼ぶことにする。拡大素子領域A1と応力緩和領域B2とは溝tr1bで分割され、応力緩和領域B2と拡大素子領域A2とは溝tr2aで分割されている。拡大素子領域A2と応力緩和領域B3とは溝tr2bで分割され、応力緩和領域B3と拡大素子領域A3とは溝tr3aで分割されている。拡大素子領域A3と応力緩和領域B4とは溝tr3bで分割され、応力緩和領域B4と拡大素子領域A4とは溝tr4aで分割されている。いま、4回のレーザ照射LSを、拡大素子領域A1、応力緩和領域B2と拡大素子領域A2、応力緩和領域B3と拡大素子領域A3、応力緩和領域B4と拡大素子領域A4をそれぞれ含むように4回、順に行うこととする。
図2.Aにおいて、拡大素子領域A1は前回までにレーザ照射済であり、応力緩和領域B2と拡大素子領域A2は今回レーザ照射中であり、応力緩和領域B3及びB4並びに拡大素子領域A3及びA4はレーザ未照射である。
この時、応力緩和領域B2と拡大素子領域A2のn型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近の分解により窒素ガスが発生し、溝tr1b、tr2a及びtr2bから排出される。この際、非常に大きな体積膨張が生じる。今回レーザ照射中の拡大素子領域A2の左側の領域である拡大素子領域A1のエピタキシャル層10は、エピタキシャル成長基板100と剥離している。このため拡大素子領域A1のエピタキシャル層10には大きな応力はかからない。また、今回レーザ照射中の拡大素子領域A2の右側の領域である応力緩和領域B3のエピタキシャル層10は、エピタキシャル成長基板100と接合しているので、大きな応力がかかる。しかし、更にその右側の領域である拡大素子領域A3には応力が直接には及ばない。よって、今回レーザ照射中の拡大素子領域A2の右側の領域である拡大素子領域A3のエピタキシャル層10の、溝tr3a付近にはクラックが生じる可能性が低い。よって拡大素子領域A3内部の最終的に得られる素子領域に達するクラックは無く、素子特性は損なわれない。
次に、図2.Bの状態を検討する。拡大素子領域A2は既にレーザ照射済であり、エピタキシャル層10とエピタキシャル成長基板100とは剥離しているので、応力緩和領域B3と拡大素子領域A3のn型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近の分解により窒素ガスが発生しても、拡大素子領域A2のエピタキシャル層10への影響は少ない。
ここまでは断面図のみで本発明を説明したが、平面図で説明する。
図3は、拡大素子領域A11乃至A34と、応力緩和領域B12乃至B34、C11乃至C44、D12乃至D44の配置を示した模式的平面図である。図3においては、n型層11の、エピタキシャル成長基板100と剥離した領域DNを間隔の広いハッチングで、n型層11の、エピタキシャル成長基板100と接合した領域UDを間隔の狭い左上から右下へのハッチングで示した。
また、図3では、拡大素子領域A22と応力緩和領域B22、C22、D22が今回レーザ照射されたことを示しており、これらのみを間隔の広い左上から右下へのハッチングで示し、領域DNのうち、前回までのレーザ照射によりエピタキシャル成長基板100と剥離した領域を間隔の広い右上から左下へのハッチングで示した。
図3は図2.A及び図2.Bを平面図的に示すためのものである。互いに垂直な2方向のいずれかに平行な溝により、エピタキシャル層10がいずれも矩形状の拡大素子領域A11乃至A34と、応力緩和領域B12乃至B34、C11乃至C44、D12乃至D44に分割されている。間隔の広いハッチングで示された、n型層11のエピタキシャル成長基板100と剥離した領域DNと、間隔の狭い左上から右下へのハッチングで示した、n型層11のエピタキシャル成長基板100と接合した領域UDの境界には、n型層11のエピタキシャル成長基板100と接合した領域UDに含まれる帯状領域BBが形成されている。帯状領域BBは、図3内では、エピタキシャル成長基板100と接合したレーザ未照射領域である応力緩和領域C31、D32、C32、D33、B23、D23、C23、D24及びC24である。
このため、拡大素子領域A22と応力緩和領域B22、C22、D22にレーザ照射されることにより発生する窒素ガスに基づく応力は、いずれもエピタキシャル成長基板100と接合したままの、応力緩和領域C31とD32により拡大素子領域A31には及ばず、応力緩和領域D32とC32とD33により拡大素子領域A32には及ばず、応力緩和領域D33により拡大素子領域A33には及ばず、応力緩和領域D33、B23、D23、C23により拡大素子領域A23には及ばない。
一方、拡大素子領域A22と応力緩和領域B22、C22、D22にレーザ照射されることにより発生する窒素ガスに基づく応力は、いずれもエピタキシャル成長基板100との接合が解除されている、拡大素子領域A11、A12、A21に及ぼす影響は小さい。
図3は、言わば第i行の、拡大素子領域Aijと応力緩和領域Bij、Cij、Dijを1度のレーザ照射領域として、jを1(図3で左)から4(図3で右)まで照射を繰り返し、iを1(図3で上)から4(図3で下)までこれを繰り返すものを想定している。ここにおいて、どのレーザ照射の際にも、応力緩和領域C(i+1,1)、D(i+1,2)、…、D(i+1,j)、C(i+1,j)、D(i+1,j+1)、B(i,j+1)、D(i,j+1)、C(i,j+1)、…、D(i,4)、C(i,4)が帯状領域BBとなる。このため、上記の、拡大素子領域A22にレーザ照射された場合の論理が、ウエハ全体で成り立つ。即ち、本発明により、いずれもエピタキシャル成長基板100と接合したままの、応力緩和領域の存在により拡大素子領域に応力が直接係ることはない。
図4は、本願の請求項3に係る発明のn=2の場合に相当する。図4は、図3で応力緩和領域を分割したものである。図3と同様に、n型層11の、エピタキシャル成長基板100と剥離した領域DNを間隔の広いハッチングで、n型層11の、エピタキシャル成長基板100と接合した領域UDを間隔の狭い左上から右下へのハッチングで示し、今回レーザ照射されたA22及びその周囲の領域を間隔の広い左上から右下へのハッチングで示し、領域DNのうち、前回までのレーザ照射によりエピタキシャル成長基板100と剥離した領域を間隔の広い右上から左下へのハッチングで示した。領域DNと領域UDの境界部の領域DN側を帯状領域BBとして示した。帯状領域BBに2重の応力緩和領域の帯が形成されていると見ることもできる。nの数により、n重の応力緩和領域の帯が形成されることを明らかである。この詳細を図5で説明する。
図5.Aは、図4の今回レーザ照射されたA22及びその周囲の領域を示す拡大図である。尚、各領域の縮尺は無視して領域の位置関係のみを示すものである。
今回レーザ照射された太破線で囲まれた領域は、拡大素子領域A22、応力緩和領域B221及びB222、C221及びC222、D221、D222、D223及びD224である。エピタキシャル成長基板100と剥離した領域DNに含まれるその他の領域は、拡大素子領域A11、A12、A13、A21、応力緩和領域B121及びB122、B131及びB132、C211及びC212である。
エピタキシャル成長基板100と接合した領域UDに含まれる領域は、拡大素子領域A23、A31、A32、A33、応力緩和領域B231及びB232、B321及びB322、B331及びB332、C231及びC232、C311及びC312、C321及びC322、C331及びC332、D231、D232、D233及びD234、D321、D322、D323及びD324、D331、D332、D333及びD334である。このうち、帯状領域BBを形成するのは、応力緩和領域C311及びC312、応力緩和領域D321、D322、D323及びD324、応力緩和領域C321及びC322、応力緩和領域D331、D332、D333及びD334、応力緩和領域B231及びB232、応力緩和領域D231、D232、D233及びD234、応力緩和領域C231及びC232である。帯状領域BBが応力緩和領域の二重の帯となっていることがわかる。帯状領域BBが応力緩和領域の多重の帯となると、レーザ未照射の拡大素子領域の、エピタキシャル成長基板と接合した状態のエピタキシャル層への応力がより一層低減できる。
図5.Bのようにレーザ照射を行っても良い。即ち、今回レーザ照射される太破線で囲まれた領域は、拡大素子領域A22、応力緩和領域D224、C222、D233、B231、D331、C321、D322、B222である。この時、エピタキシャル成長基板100と剥離した領域DNに含まれるその他の領域は、拡大素子領域A11、A12、A13、A21、応力緩和領域B121及びB122、B131及びB132、並びにB221、C211及びC212、C221、C231、並びにC311、D321、D223、D221、D222、D231、並びにD232である。
エピタキシャル成長基板100と接合した領域UDに含まれる領域は、拡大素子領域A23、A31、A32、A33、応力緩和領域B232、B321及びB322、B331及びB332、C232、C312、C322、C331及びC332、D234、D323及びD324、D332、D333及びD334である。このうち、帯状領域BBを形成するのは、応力緩和領域C312、応力緩和領域D323及びD324、応力緩和領域C322、応力緩和領域D333、D334及びD332、応力緩和領域B232、応力緩和領域D234、応力緩和領域C232である。図5.Aと違い、図5.Bでは帯状領域BBが応力緩和領域の一重の帯となっていることがわかる。
エピタキシャル成長基板100と剥離した領域DNに含まれる応力緩和領域D321、B221、D223、D221、D222、C221、D231、D232は、太破線で囲まれたレーザ照射領域から瞬時に多量に発生する窒素ガスの、素子拡大領域A21、A11、A12、A13への応力の影響を低減する応力緩和領域として働く。
以上の説明においては、例えば図3で、A11から右へA14まで、次に下の列のA21からA24まで、と言った、右から左へのレーザ照射スキャンを上の列から下の列へ順に行うものを示したが、逆方向にしたり、或いは左右のスキャンを交互に逆転させても良い。その際も、レーザ未照射領域に応力緩和領域から成る帯状領域BBを形成するようにする。
素子拡大領域は、所望の任意の多角形として本発明を適用できる。一例として六角形の素子拡大領域を形成した場合を図6に示す。ハッチングその他は図3と同様である。
本発明の効果を説明するための工程を示す4つの断面図。 図1.Bでの詳細を示す2つの断面図。 拡大素子領域と応力緩和領域の配置の一例を示す平面図。 拡大素子領域と応力緩和領域の配置の他の例を示す平面図。 5.Aは図4の詳細図、5.Bは変形例に係る平面図。 拡大素子領域と応力緩和領域の配置の更に他の例を示す平面図。 従来の工程を示す4つの断面図。 図7.Bでの詳細を示す2つの断面図。
本発明はレーザリフトオフを用いて、エピタキシャル成長基板を除去する工程を含む、任意のIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法に適用可能である。中でも、本発明を適用したIII族窒化物系化合物半導体発光素子は、大型で大電流を流すLED等として有用である。III族窒化物系化合物半導素子の構成は全く任意であり、以下の実施例に限定されるものではない。
レーザリフトオフのためのレーザ照射の際の、窒素ガスの排出路となり、且つエピタキシャル層を拡大素子領域と応力緩和領域とに分割する溝は、公知の任意の技術で形成できる。ダイサーによるダイシング加工、ブラスト処理によるエッチング、レーザ加工、その他エッチングを用いて良い。溝の幅は5μm以上50μm以下とすると良い。応力緩和領域の幅は、5μm以上50μm以下とすると良い。n重とする場合は、各応力緩和領域の幅は、5μm以上50μm以下とすると良い。2つの隣接する拡大素子領域の間の溝の幅と応力緩和領域の幅の合計は、切り代領域の幅以下が好ましく、概ね15μm以上200μm以下、好ましくは30μm以上100μm以下とすると良い。
最終的に素子を得るための支持基板を切断する工程においては、任意の切断方法を用いることができる。この場合、金属その他の導電層と導電性の支持基板の小片等が飛散及び付着する可能性がある。そこで、絶縁性保護膜を形成して、支持基板の切断の際にp型層とn型層とのショートを防止するとと良い。切断方法として採用されうる技術は、極めて選択範囲が広い。ダイサー等によるハーフカットと機械的切断の組み合わせや、レーザ照射による分解も好ましい。
工程中にエピタキシャル成長基板や支持基板を薄肉化する工程を設けても良い。
次のようにして青色発光ダイオード(LED)を作製した。各工程では図1.A乃至図1.Dを当てはめているが、拡大素子領域と応力緩和領域は正確には、図4のように形成したものであり、拡大素子領域と応力緩和領域へのレーザ照射は、正確には図5.Bのように実施した。
厚さ500μmのサファイアから成るエピタキシャル成長基板100にn型層11及びp型層12を順にエピタキシャル成長させて、エピタキシャル層10とした。発光領域LはMQW構造で形成したが、図1他では単に太破線で示した。
次に、レーザリフトオフ時の空気孔となる、溝trを次のようにレーザ照射により形成した。即ち、エピタキシャル層10の最上層であるp型層12全面に酸化シリコン(SiO2)被膜を形成したのち、YAGレーザ(出力8W)により溝trを形成した。溝trは、p型層12及びn型層11の合計膜厚約4μmと、エピタキシャル成長基板100の深さ10μm程度を除去することにより形成された。溝trの幅は約15μmとし、2本の溝trに挟まれた応力緩和領域Bの幅は20μmとした。こののち、硫酸と過酸化水素の混合液での処理により、レーザで溶解して残存したガリウムその他の金属を除去した。こののち、バッファードHF(BHF)での処理により、p型層12を覆う酸化シリコン(SiO2)被膜を除去した。こうして、エピタキシャル層10は溝trにより、拡大素子領域Aと応力緩和領域Bとに分割された。尚、拡大素子領域と応力緩和領域は正確には、図4のように形成したものである。溝trは3重、応力緩和領域は2重とした。
次にp型層12の表面に導電多層膜120を以下のように形成した。
まずスパッタ装置により、Ag合金層を全面に形成し、レジストマスクを形成してAg合金層の不要部分を除去し、レジストマスクを除去し、その後、加熱によりアロイ化してpコンタクト電極を形成した。次にスパッタ装置によりTi層、TiN層、Ti層、Ni層、Au層を順に全面に形成した。 また、抵抗加熱蒸着装置によりはんだ層として、AuSn層及びAu層を全面に形成した。最終形成のAu層は、スズ(Sn)の酸化を防止するための薄膜である。こうしてAg合金から成るコンタクト電極、Ti層、TiN層、Ti層、Ni層及びAu層の5層構造、並びにAuSn層及びAu層から成るハンダ層の積層構造からなる導電多層膜120を形成した。
ここで、導電多層膜120の形成の際、それに先立って形成された溝trを、導電多層膜120が覆うことがあっても、溝trの空気孔としての外部との連通が確保されるか、レーザリフトオフの際のレーザ照射時に連通可能となれば良い。即ち、溝trの底部には導電多層膜120が形成されうるが、側壁には形成されないか、形成されたとしても極めて薄い。よって、n型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面付近に発生した窒素が溝trに排出されるべき、連通すべき位置に導電多層膜120が形成されたとしても、レーザリフトオフ時に発生する窒素ガスにより容易に除かれ、生成する窒素ガスの排出が容易となる。以上のようにして、溝trを有する、エピタキシャル成長基板100にエピタキシャル層10と導電多層膜120を形成したウエハが形成された(図1.Aの上側に相当)。
次に、厚さ500μmのシリコンから成る支持基板200に、抵抗加熱蒸着装置によりTi層、Ni層及びAu層の5層構造と、AuSn層及びAu層から成るはんだ層を全面に形成して導電多層膜210を形成した(図1.Aの下側に相当)。
こうして、上記エピタキシャル層10を有するエピタキシャル成長基板100と支持基板200を、いずれも最上層がはんだ層である、導電多層膜120と210を向かい合わせて接合した。加熱温度は320℃、圧力は196kPa(約2気圧、2kgf/cm2)とした(図1.Bに相当)。
図1等では、導電多層膜120と210として別々に示したが、2つのAuSn層の間のAu薄膜2層は、AuSn層に吸収され、且つ導電多層膜120と210それぞれに形成された2つのAuSn層は1つのAuSn層となっている。
次に、レーザリフトオフを行った。エピタキシャル層のn型層11の、サファイアから成るエピタキシャル成長基板100との界面付近にレーザ照射して、薄膜状部分を分解した。この際、レーザ照射領域(ショットエリア)としては、1mmピッチに形成される正方形状のチップを1個含む、1辺1mmの正方形領域とした。こうして、n型層11の、サファイアから成るエピタキシャル成長基板100との界面付近の薄膜状部分を全て分解して結合を解き、エピタキシャル成長基板100を剥離させた(図1.Cに相当)。尚、拡大素子領域と応力緩和領域へのレーザ照射は、正確には図5.Bのように実施した。
次にCVDによりを形成したSiO2マスクを用いたドライエッチングにより、エピタキシャル層10のチップ外周部a1及びa2を除去し、レジストマスクを用いて、所望領域にAl層、Ti層、Ni層、Au層を順に積層してn電極130を形成した。
シリコンから成る支持基板200の裏面を研磨して薄肉化し、研磨した面にPt層、Ti層、Au層から成る導電層と、AuSn層とAu層から成るはんだ層(ソルダ層)を蒸着して導電多層膜230を形成した。
こうして素子構造が完成したので(図1.Dに相当)、破線で示された切り代領域Ctを除去することにより、個々の素子が得られた。
このように得られたIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)は、1枚のエピタキシャル成長基板100(支持基板200)から得られた1mm四方の複数個のチップについて、逆電流不良の発生率を確認した。試験条件は、逆方向電圧5V、即ちLEDのp電極側であるシリコン基板裏面の電位に対し、n電極130の電位を5V高くした場合に、電流が2μA以上であるものを逆電流不良と判定した。逆電流不良は2%、即ち合格率は98%であり、極めて高い歩留まり率を示した。
〔比較例〕
比較のため、応力緩和領域を形成せず、素子間の溝を1本とした他は同様にしてIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)を形成した。1枚のエピタキシャル成長基板100(支持基板200)から得られたチップのうち、逆電流不良は30%、即ち合格率は70%であり、歩留まり率が非常に低かった。
100:サファイア基板(エピタキシャル成長基板)
11:n型層
L:発光領域
12:p型層
120:導電多層膜
210、230:導電多層膜
130:n電極
200:シリコン基板(支持基板)

Claims (4)

  1. 異種基板をエピタキシャル成長基板として用い、III族窒化物系化合物半導体から成るエピタキシャル層を積層し、その最上面に導電層を介して支持基板を接着したのち、レーザリフトオフにより前記エピタキシャル成長基板を取り除く、III族窒化物系化合物半導体素子の製造方法において、
    エピタキシャル層を形成したエピタキシャル成長基板に支持基板を接着する前に、エピタキシャル成長基板に形成したエピタキシャル層を含む積層構造の最上面から、エピタキシャル層の最下面とエピタキシャル成長基板との界面まで少なくとも達する溝を形成する溝形成工程を有し、
    前記溝により、前記エピタキシャル成長基板に接合された前記エピタキシャル層が分割されて、最終的に得るべき素子構造を内部に有すべき領域である拡大素子領域と、それ以外の応力緩和領域とが生成され、
    レーザリフトオフのために実施される複数回のレーザ照射の、各レーザ照射の際には、前記拡大素子領域と前記応力緩和領域の全てが、当該レーザ照射後にレーザ照射済となった領域とレーザ未照射の領域とに分けられ、且つその境界部は、帯状のレーザ未照射の前記応力緩和領域となるようにレーザ照射が実施されることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
  2. 全ての前記溝の長手方向が、互いに垂直な2方向のいずれかに平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
  3. 隣接する2つの前記拡大素子領域の間の前記応力緩和領域は、当該2つの前記拡大素子領域の間に順に並んだn個、但しnは2以上の整数、の矩形の領域であり、
    各々1頂点で向き合う4つの前記拡大素子領域の当該4頂点の間の前記応力緩和領域は、n2個の矩形の領域であることを特徴とする請求項2に記載のIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
  4. レーザリフトオフのために実施される複数回のレーザ照射の、各レーザ照射の際には、
    今回レーザ照射される前記拡大素子領域とレーザ照射済の前記拡大素子領域との間には、前回までにレーザ照射済の前記応力緩和領域が存在するようにレーザ照射が実施されることを特徴とする請求項3に記載のIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
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