JP4791599B2 - 位置検出システムおよび位置検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位置検出システムおよび位置検出方法に関し、特に磁界を用いて被検体内に導入されたカプセル型の被検体内導入装置(検出体)の位置を検出する位置検出システムおよび位置検出方法に関する。
近年、撮像素子を備えたカプセル型の被検体内導入装置(以下、カプセル内視鏡という)が開発されている。カプセル内視鏡は、例えば経口により被検体内に導入されて被検体内を撮像し、得られた画像(以下、被検体内画像という)を被検体外に配置された外部装置へ無線により送信する。操作者は、外部装置で受信した被検体内画像を目視により確認することで、被検体の症状等を診断することができる。
このようなカプセル内視鏡は、通常、自身で被検体内を移動することができず、被検体の消化器官などの蠕動運動によって被検体内を移動する。このため、例えばファイバスコープなどのような操作者が観察部位をある程度自由に選択できる内視鏡と比べると、観察能力に劣る点が存在した。
このような欠点を解決する技術としては、例えば以下に示す特許文献1が存在する。本特許文献1によれば、永久磁石などの磁界発生手段を備えたカプセル内視鏡に被検体外部から磁界(以下、これをガイダンス磁界という)を与えることで、被検体外からカプセル内視鏡の姿勢や動きを積極的に制御することが可能になる。
ただし、上記特許文献1のように、被検体外部から与えた磁界によって被検体内のカプセル内視鏡の姿勢や動きを制御するためには、被検体内におけるカプセル内視鏡の位置や向きなどを正確に知る必要がある。以下、カプセル内視鏡の位置や向き(姿勢)を検出することを、単に位置検出という。
そこで特許文献1では、コイル(L)とコンデンサ(C)とよりなる共振回路(以下、これをLC共振回路という)をカプセル内視鏡内に設け、このLC共振回路が外部から与えられた磁界(以下、これを駆動磁界という)によって発生する共振磁界を外部装置に設けられたセンスコイルで検出することで、カプセル内視鏡の位置や向きを検出する。以下、このようにLC共振回路に外部から駆動磁界を与えて発生させた共振磁界から位置や向きなどの情報を導出する方式をパッシブ方式という。パッシブ方式では、カプセル内視鏡内の消費電力を抑えることが可能であるというメリットが得られる。
しかしながら、パッシブ方式では、外部装置のセンスコイルが、LC共振回路から放出された共振磁界の他に、LC共振回路の誘導に使用した駆動磁界を検出してしまう。このため、カプセル内視鏡の正確な位置を検出するためには、駆動磁界による影響を排除して共振磁界のみの成分を抽出する必要がある。
通常、LC共振回路が放出する共振磁界の位相は、駆動磁界の位相に対して90°遅れている。そこで従来では、共振磁界のみの成分を抽出するために、例えば、あらかじめLC共振回路が無い状態で発生させた駆動磁界の影響をセンスコイルで検出しておき、実際にカプセル内視鏡(LC共振回路)の位置を検出する際に、駆動磁界から90°遅れた位相の磁界成分を抽出していた。
特開2005−245963号公報
ここで、通常、共振磁界を用いた位置検出では、LC共振回路から放出される共振磁界の磁界強度が大きいことが好ましい。共振磁界の磁界強度は、通常、これを誘導する駆動磁界の磁界強度に依存して大きくなる。このため、パッシブ方式による位置検出では、駆動磁界の磁界強度をできる限り大きくすることが望まれている。
しかしながら、駆動磁界の磁界強度を大きくすると、駆動磁界によって外部装置のセンスコイルが受ける影響が大きくなる。この影響は、駆動磁界を発生する駆動コイルとセンスコイルとの位置関係、特に距離によって大きく異なるが、外部装置において駆動コイルから離れた位置に配置したセンスコイルからの検出信号に合わせて駆動磁界の磁界強度や信号処理系のダイナミックレンジを調整すると、駆動コイルの近傍に配置したセンスコイルで検出された信号が飽和(サチレーション)してしまい、位置検出ができなくなるという問題が存在した。このため、駆動磁界は、検出空間内における特に検出体の存在可能範囲で強く、センスコイル付近で弱い磁界分布を有することが好ましい。
しかしながら、駆動コイルに最適の駆動磁界を発生させる最適な信号波形は、素子の特性ばらつきや経時変化や駆動コイルとセンスコイルとの配置誤差などの装置固有の特性差が存在するため、全ての位置検出システムに対して一意に決めることができないという問題が存在する。
また、駆動コイルが発生する磁界分布は検出空間内で均一にならず、位置によって磁界強度が変わってしまう。さらに、各駆動コイルが発生する磁界の磁界分布は、駆動コイルの形状等によっても変化するため、個々の駆動コイルで最適な磁界を発生させたときに、その合成磁界が最適な駆動磁界を形成しているとは限らないという問題が存在する。
これらのような問題が存在するため、従来の位置検出システムでは、装置特性に依らずに最適な駆動磁界を発生することができず、位置検出精度が低下してしまうという問題が存在した。
さらに、最適な駆動磁界を発生する方法としては、例えば駆動コイル近傍に駆動磁界と180°ずれた位相、すなわち反対の位相の磁界(以下、これを補助磁界という)を発生させるコイル(以下、これを補助コイルという)を配置し、この補助コイルが発生した補助磁界を用いて各センスコイルに入力する駆動磁界成分を低減させる技術が存在する。
ただし、補助コイルを用いる方法では、駆動磁界の位相と補助磁界の位相とを一致させる必要がある。これは、駆動磁界の位相と補助磁界の位相とが完全に逆の位相でなければ、センスコイルによって検出される磁界情報から駆動磁界成分と補助磁界成分とを完全に除去することができないためである。しかしながら、各コイルの駆動系は、それぞれ固有の装置特性や動作特性を有している。このため、各駆動系で完全に位相を調和させることは困難である。したがって、従来の補助コイルを用いる方法では、センスコイルで検出した磁界情報から駆動磁界成分や補助磁界成分を除去することができず、導出した位置の精度が低下してしまう場合があるという問題が存在した。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、安定して正確な位置を導出することが可能な位置検出システムおよび位置検出方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明による位置検出システムは、検出空間内に配置される検出体と、検出空間外に配置される外部装置と、を備えた位置検出システムであって、前記検出体は、前記検出空間内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生する共振回路を有し、前記外部装置は、前記検出空間内に前記駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルと、前記駆動磁界を形成させる駆動信号を前記駆動コイルにそれぞれ入力する少なくとも2つの駆動信号入力部と、前記検出空間内に形成された磁界を検出する少なくとも1つのセンスコイルと、前記センスコイルで検出された磁界に基づいて前記駆動信号入力部が前記駆動コイルそれぞれに入力する前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する信号調整部と、前記センスコイルで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出部と、を有することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係に応じて設定された重みを前記センスコイルで検出された磁界の強度に付加または乗算して解を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係および各駆動コイルの形状のうち少なくとも1つに応じて設定された重みを前記駆動信号の振幅に付加または乗算して解を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記信号調整部は、前記駆動信号の振幅および位相の少なくとも一方と前記センスコイルで検出された磁界の強度との少なくとも一方に基づいて前記重みを変更することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記外部装置は、前記センスコイルの少なくとも1つに入力する駆動磁界を打ち消す補助磁界を発生する補助コイルと、前記補助コイルに前記補助磁界を発生させる補助信号を入力する補助信号入力部と、を有し、前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界に基づいて、前記駆動信号入力部が前記駆動コイルの少なくとも1つに入力する前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方、ならびに/もしくは、前記補助信号入力部が前記補助コイルに入力する補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、前記評価関数は、各駆動コイルおよび前記補助コイルと各センスコイルとの位置関係に応じて設定された重みを前記センスコイルで検出された磁界の強度に付加または乗算して解を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、前記評価関数は、各駆動コイルおよび前記補助コイルと各センスコイルとの位置関係および各駆動コイルの形状のうち少なくとも1つに応じて設定された重みを前記駆動信号の振幅に付加または乗算して解を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記信号調整部は、前記駆動信号の振幅および位相の少なくとも一方と前記センスコイルで検出された磁界の強度との少なくとも一方に基づいて前記重みを変更することを特徴としている。
かかる目的を達成するために、本発明による位置検出方法は、駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルが配置された検出空間内に導入されて前記駆動磁界に応じて共振磁界を発生する検出体の位置を検出する位置検出方法であって、前記検出空間内に前記検出体が導入されていない状態で前記駆動コイルに駆動信号を入力することで前記検出空間内に形成された磁界を少なくとも1つのセンスコイルで検出する第1検出ステップと、前記第1検出ステップで検出された磁界に基づいて前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する調整ステップと、前記検出空間内に前記検出体が導入された状態で前記調整ステップで位相または振幅の少なくとも一方が調整された駆動信号を前記駆動コイルに入力することで前記検出空間内に駆動磁界を形成する駆動ステップと、前記駆動ステップで前記検出空間内に前記駆動磁界を形成した際の前記検出空間内の磁界を少なくとも1つのセンスコイルで検出する第2検出ステップと、前記第2検出ステップで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出ステップと、を含むことを特徴としている。
上記した本発明による位置検出方法は、前記調整ステップは、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係に応じて設定された重みを前記センスコイルで検出された磁界の強度に付加または乗算して解を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出方法は、前記調整ステップは、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係および各駆動コイルの形状のうち少なくとも1つに応じて設定された重みを前記駆動信号の振幅に付加または乗算して解を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出方法は、前記調整ステップは、前記少なくとも2つの駆動コイルそれぞれに入力する前記駆動信号のうち少なくとも1つの駆動信号の位相または振幅を固定し、該位相または振幅を固定した駆動信号に対して他の駆動信号の位相または振幅の少なくとも一方を調整することを特徴としている。
かかる目的を達成するために、本発明による位置検出システムは、被検体内に導入された状態で検出空間内に配置される被検体内導入装置と、前記被検体外に配置される外部装置と、を備えた位置検出システムであって、前記被検体内導入装置は、前記検出空間内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生する共振回路を有し、前記外部装置は、前記検出空間内に形成された磁界に応じて検出信号を生成するセンスコイルと、前記駆動磁界を発生する駆動コイルと、前記駆動コイルに前記駆動磁界を発生させる駆動信号を入力する駆動磁界発生部と、前記センスコイルに入力される前記駆動磁界を低減する補助磁界を発生する補助コイルと、前記補助コイルに前記補助磁界を発生させる補助信号を入力する補助磁界発生部と、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記検出空間内に形成した前記駆動磁界の位相を記憶する位相記憶部と、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界と前記補助磁界とを発生させた際に前記検出空間内に形成された合成磁界の情報を記憶する合成磁界情報記憶部と、前記検出信号から前記磁界の情報を導出する信号処理部と、前記信号処理部で導出された前記磁界の情報と前記位相記憶部に記憶された前記位相と前記合成磁界情報記憶部に記憶された前記合成磁界の情報とを用いて前記被検体内導入装置の位置を導出する位置導出部と、前記駆動磁界発生部に前記駆動信号を前記駆動コイルへ入力させつつ前記補助磁界発生部に前記補助信号を前記補助コイルに入力させた状態で前記センスコイルより読み出された前記検出信号に基づいて前記信号処理部に前記磁界の情報を導出させ、該得られた磁界の情報と前記位相記憶部に記憶された前記位相と前記合成磁界情報記憶部に記憶された前記合成磁界の情報とを用いて前記位置導出部に前記被検体内導入装置の位置を導出させる制御部と、を有することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記合成磁界の情報は、前記合成磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、前記磁界の情報は、前記磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、前記位置導出部は、前記磁界の情報から前記合成磁界の情報をベクトル演算により引算し、該引算により算出した複素ベクトルの前記位相記憶部に記憶された前記位相に対する余弦成分を算出し、該算出した余弦成分を用いて前記被検体内導入装置の位置を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記位相記憶部に記憶された前記位相は、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記センスコイルで検出された前記駆動磁界の位相であることを特徴としている。
上記した本発明による位置検出システムは、前記位相記憶部に記憶された前記位相は、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記検出空間内に配置した磁界センサによって検出された前記駆動磁界の位相であることを特徴としている。
かかる目的を達成するために、本発明による位置検出方法は、磁界を検出するセンスコイルと駆動磁界を発生する駆動コイルと前記センスコイルに入力される前記駆動磁界を低減する補助磁界を発生する補助コイルとが配置された検出空間内に配置されて前記駆動磁界に応じて共振磁界を発生する被検体内導入装置の位置を検出する位置検出方法であって、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に配置されていない状態で前記検出空間内に形成した前記駆動磁界の位相を検出する位相検出ステップと、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に配置されていない状態で前記駆動磁界と前記補助磁界とを発生させた際に前記検出空間内に形成された合成磁界の情報を取得する合成磁界情報取得ステップと、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に配置された状態で前記駆動磁界と前記補助磁界とを発生させた際に前記センスコイルで検出された磁界の情報を取得する磁界情報取得ステップと、前記磁界情報取得ステップで取得された前記磁界の情報と前記位相検出ステップで検出された前記位相と前記合成磁界情報取得ステップで取得された前記合成磁界の情報とを用いて前記被検体内導入装置の位置を導出する位置導出ステップと、を含むことを特徴としている。
上記した本発明による位置検出方法は、前記合成磁界の情報は、前記合成磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、前記磁界の情報は、前記磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、前記位置導出ステップは、前記磁界の情報から前記合成磁界の情報をベクトル演算により引算し、該引算により算出した複素ベクトルの前記位相記憶部に記憶された前記位相に対する余弦成分を算出し、該算出した余弦成分を用いて前記被検体内導入装置の位置を導出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出方法は、前記位相検出ステップは、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記センスコイルで検出された前記駆動磁界の位相を検出することを特徴としている。
上記した本発明による位置検出方法は、前記位相検出ステップは、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記検出空間内に配置した磁界センサによって検出された前記駆動磁界の位相を検出することを特徴としている。
本発明によれば、実際に検出空間内に形成された磁界を検出し、この検出結果に従って同時に駆動する駆動コイルに入力する駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整するため、検出空間内に最適な駆動磁界を形成することができ、結果、装置特性に依らずに最適な駆動磁界を発生させ、安定して正確な位置を導出することが可能な位置検出システムおよび位置検出方法を実現することが可能となる。
本発明によれば、共振回路が導入されていない状態で検出空間内に形成した駆動磁界の位相と、共振回路が導入されていない状態で駆動磁界と補助磁界とを発生させた際に検出空間内に形成された合成磁界の情報と、をあらかじめ記憶しておき、位置検出時に取得された磁界の情報と記憶された位相および合成磁界の情報とを用いて被検体内導入装置の位置を導出するため、位置検出時に共振磁界の情報を的確かつ精度よく抽出することができ、これにより、安定して正確な位置を導出することが可能な補助コイルを用いた位置検出システムおよび位置検出方法を実現することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1による位置検出システムの概略構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態1または2によるLCマーカの概略構成例を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態1、2または4によるLCマーカの概略構成例を示す外観図である。 図4は、本発明の実施の形態1における駆動磁界と検出磁界と誘導磁界との関係を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態1による駆動信号調整動作の概略流れを示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態1による位相調整処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態1による振幅調整処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態1または2による位置検出動作の概略流れを示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態2による位置検出システムの概略構成を示す模式図である。 図10は、本発明の実施の形態2による駆動信号および補助信号調整動作の概略流れを示すフローチャートである。 図11Aは、本発明の実施の形態2による位相調整処理の流れを示すフローチャートである(その1)。 図11Bは、本発明の実施の形態2による位相調整処理の流れを示すフローチャートである(その2)。 図12は、本発明の実施の形態2による振幅調整処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、本発明の実施の形態3による位置検出磁気誘導システムの概略構成を示す模式図である。 図14は、本発明の実施の形態3または5によるLCマーカの概略構成例を示すブロック図である。 図15は、本発明の実施の形態4による位置検出システムの概略構成を示す模式図である。 図16Aは、本発明の実施の形態4または5における駆動コイルが発生した駆動磁界とセンスコイルとの関係を示す図である(その1)。 図16Bは、本発明の実施の形態4または5における駆動コイルが発生した駆動磁界とセンスコイルとの関係を示す図である(その2)。 図17Aは、本発明の実施の形態4または5における駆動コイルが発生した駆動磁界と補助コイルが発生した補助磁界とセンスコイルとの関係を示す図である(その1)。 図17Bは、本発明の実施の形態4または5における駆動コイルが発生した駆動磁界と補助コイルが発生した補助磁界とセンスコイルとの関係を示す図である(その2)。 図18は、本発明の実施の形態4または5において駆動磁界を発生させた際の駆動磁界と検出信号と共振磁界との関係を示す図である。 図19は、本発明の実施の形態4または5において駆動磁界および補助磁界を発生させた際の駆動磁界と補助磁界と合成磁界と検出信号と共振磁界との関係を示す図である。 図20は、本発明の実施の形態4による位置導出の手順内容を説明するための図である。 図21は、本発明の実施の形態4による位置検出動作の概念を説明するための図である。 図22は、本発明の実施の形態4による第1プレキャリブレーション処理の概略流れを示すフローチャートである。 図23は、本発明の実施の形態4による第2プレキャリブレーション処理の概略流れを示すフローチャートである。 図24は、本発明の実施の形態4または5による位置検出処理の全体的な概略流れを示すフローチャートである。 図25は、本発明の実施の形態4または5によるコイル駆動処理の概略流れを示すフローチャートである。 図26は、本発明の実施の形態4または5による位置導出処理の概略流れを示すフローチャートである。 図27は、本発明の実施の形態5による位置検出磁気誘導システムの概略構成を示す模式図である。 図28は、本発明の実施の形態5による位置導出の手順内容を説明するための図である。 図29は、本発明の実施の形態5における磁界センサの一例を示す図である。 図30は、本発明の実施の形態5による位置検出動作の概念を説明するための図である。 図31は、本発明の実施の形態5による第3および第4プレキャリブレーション処理の概略流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。また、各図では、構成の明瞭化のため、断面におけるハッチングの一部が省略されている。さらに、後述において例示する数値は、本発明の好適な例に過ぎず、従って、本発明は例示された数値に限定されるものではない。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1による位置検出システム1の構成および動作を、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態は、装置特性に依らずに最適な駆動磁界を発生することで、精度良く検出体の位置を検出することを可能にする位置検出システムおよび位置検出方法を実現する。
(位置検出構成)
図1は、本実施の形態による位置検出システム1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、位置検出システム1は、検出体としてのLCマーカ10が導入された被検体900を収容する検出空間K1と、検出空間K1内のLCマーカ10の位置および向き(姿勢)を検出する外部装置200と、を備える。
・LCマーカ
LCマーカ10は、図2に示すように、位置検出用の共振磁界を発生する共振磁界発生部11を有する。共振磁界発生部11は、並列接続されたキャパシタ(C)とインダクタ(L)とよりなるLC共振回路111を含み、外部から入力された共振周波数F0と略等しい周波数の位置検出用の磁界(以下、駆動磁界という)によって励起することで、共振磁界を発生する。なお、共振周波数F0は、並列接続されたキャパシタ(C)とインダクタ(L)とによって決定されるLC共振回路111の共振周波数である。
また、LCマーカ10は、例えばカプセル型医療装置としての機能を有していてもよい。この場合、LCマーカ10は、図2に示すように、例えば、LCマーカ10内の各部を制御する制御部13と、被検体900内における各種情報を取得する被検体内情報取得部14と、被検体内情報取得部14が取得した被検体内情報を無線信号としてLCマーカ10外部へ送信する無線送信部15および送信用アンテナ15aと、外部装置200から無線信号として送信された各種操作指示等を受信する無線受信部16および受信用アンテナ16aと、LCマーカ10内の各部に電力を供給する内部電源17と、を含む。なお、図2は、本実施の形態によるLCマーカ10の概略構成例を示すブロック図である。
被検体内情報取得部14は、例えば被検体内情報としての被検体内画像を取得する撮像部142と、撮像部142で被検体900内を撮像する際に被検体900内を照明する照明部141と、撮像部142で取得された被検体内画像に所定の信号処理を実行する信号処理部143と、を有する。
撮像部142は、例えば図3に示すように、入射した光を電気信号に変換して像を形成する撮像素子142aと、撮像素子142aの受光面側に配設された対物レンズ142cと、撮像素子142aを駆動する不図示の撮像素子駆動回路と、を有する。なお、図3は、本実施の形態によるLCマーカ10の概略構成例を示す外観図である。
図3に示すように、撮像素子142aは、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどを用いることができる。撮像素子駆動回路は、制御部13からの制御のもと、撮像素子142aを駆動してアナログ信号の被検体内画像を取得する。また、撮像素子駆動回路は、撮像素子142aから読み出したアナログ信号の被検体内画像を信号処理部143へ出力する。
また、図3に示すように、照明部141は、複数の光源141Aと、各光源141Aを駆動する不図示の光源駆動回路と、を有する。各光源141Aには、例えばLED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。光源駆動回路は、制御部13からの制御のもと、撮像部142の駆動に合わせて光源141Aを駆動することで、被検体900内を照明する。
図2に戻り説明する。信号処理部143は、撮像部142から入力されたアナログの被検体内画像に例えばサンプリングや増幅やA/D(Analog to Digital)変換などの所定の信号処理を実行することで、デジタルの被検体内画像を生成する。各種処理が実行された被検体内画像は、無線送信部15に入力される。
なお、被検体内情報取得部14は、不図示のセンサ素子およびこれを駆動制御するセンサ素子駆動回路を備えていてもよい。センサ素子は、例えば体温計や圧力計やpH計などで構成され、適宜、被検体内情報として被検体900内の温度や圧力やpH値などを取得する。センサ素子駆動回路は、制御部13からの制御のもと、センサ素子を駆動して被検体内情報を取得し、これを無線送信部15に入力する。
無線送信部15は、コイルアンテナなどで構成された送信用アンテナ15aに接続されており、信号処理部143から入力された被検体内画像等の被検体内情報に送信用の基準周波数信号への重畳や変調やアップコンバートなどの種々の処理を実行した後、これを無線信号として送信用アンテナ15aから外部装置200へ送信する。
無線受信部16は、コイルアンテナなどで構成された受信用アンテナ16aに接続されており、この受信用アンテナ16aを介して外部装置200から無線信号として送信された各種操作指示等を受信し、受信した信号にフィルタリング、ダウンコンバート、復調および復号化などの種々の処理を実行した後、これを制御部13へ出力する。
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などで構成され、無線受信部16を介して外部装置200から入力された各種操作指示等に基づいて不図示の記憶部から読み出したプログラムおよびパラメータを読み出して実行することで、LCマーカ10内の各部を制御する。
メモリ部12は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などで構成され、制御部13が各部を制御する際に実行するプログラムおよびパラメータを保持する。また、このメモリ部12には、被検体内情報取得部14で取得された被検体内画像などの被検体内情報が適宜格納される。
内部電源17は、例えば1次電池または2次電池であるボタン電池と、ボタン電池から出力された電力を昇圧等してLCマーカ10内の各部へ供給する電源回路等を含み、LCマーカ10内の各部に駆動電力を供給する。ただし、ボタン電池に限定されるものではない。
また、上記した各部(11、13、14、15、15a、16、16aおよび17)は、例えばカプセル型の筐体18内に収納される。例えば図3に示すように、筐体18は、一方の端が半球状のドーム形状をしており他方の端が開口された略円筒形状または半楕円球状の形状の容器18aと、半球形状を有し、容器18aの開口に嵌められることで筐体18内を封止するキャップ18bと、よりなる。この筐体18は、例えば被検体900が飲み込める程度の大きさである。また、本実施の形態では、少なくともキャップ18bが透明な材料で形成される。上述した光源141Aは、上述の光源駆動回路(不図示)を搭載する回路基板141B上に実装される。同様に、撮像素子142aおよび対物レンズ142cは、撮像素子駆動回路(不図示)を搭載する回路基板(不図示)上に実装される。光源141Aを実装する回路基板141Bおよび撮像素子142aを実装する回路基板は、筐体18内における透明なキャップ18b側に配置される。この際、各回路基板における素子搭載面は、キャップ18b側に向けられる。したがって、撮像素子142aおよび光源141Aの撮像/照明方向は、図3に示すように、透明なキャップ18bを介してLCマーカ10外へ向けられる。
・検出空間
図1に戻り説明する。検出空間K1には、検出空間K1内に略均一な駆動磁界を形成する駆動コイルDx_1およびDx_2(以下、任意の駆動コイルの符号をDとする)と、LCマーカ10のLC共振回路111が発生した共振磁界を検出する複数のセンスコイルS_1〜S_8(以下、任意のセンスコイルの符号をSとする)および複数のセンスコイルS_1〜S_4およびS_5〜S_8がそれぞれ実装される配線基板214Aおよび214Bと、が配設される。また、配線基板214Aは、例えばLCマーカ10が導入された被検体900が載置される載置台(不図示)の下側に設置され、配線基板214Bは、例えば検出空間K1の上側に配置される。
検出空間K1を挟んで対向する駆動コイルDx_1およびDx_2は対をなし、例えば検出空間K1内にx軸方向に延在する磁力線よりなる略均一な駆動磁界を発生する。なお、検出空間K1近傍には、検出空間K1内にx軸と異なる方向(例えばy軸方向やx軸およびy軸と直行する軸(これをz軸とする)方向など)へ延在する磁力線よりなる略均一な駆動磁界を発生させる対の駆動コイルD(不図示)が別途設けられている。LCマーカ10の位置や向きに応じて上記複数の対をなす駆動コイルDのいずれかの対から駆動する駆動コイルDを切り替えることで、LCマーカ10のLC共振回路111(特にインダクタ(L))が検出空間K1内において如何なる方向を向いたとしても安定した強度の共振磁界をLC共振回路111に発生させることが可能となり、この結果、LCマーカ10の位置検出精度を改善することが可能となる。
各センスコイルSは、例えばy軸方向の磁界強度および方向を検出可能なコイルを含む磁気センサである。ただし、これに限定されず、例えば磁気抵抗素子や磁気インピーダンス素子(MI素子)などよりなる磁気センサを用いて各センスコイルSを構成してもよい。また、各センスコイルSを、x軸、y軸またはz軸をそれぞれ検出する3つのコイルよりなる3軸磁気センサなどで構成することも可能である。
複数のセンスコイルSは、駆動磁界の影響を受け難く且つLC共振回路111が発生した共振磁界を検出し易い位置に配置される。本実施の形態では、複数のセンスコイルS_1〜S_4が検出空間K1の下側に配置された配線基板214Aの底面(検出空間K1下側のx−y平面)に2次元配列された例を示し、また、複数のセンスコイルS_5〜S_8が検出空間K1の上側に配置された配線基板214Bの上面(検出空間K1上側のx−y平面)に2次元配列された例を示す。
・外部装置
また、外部装置200は、駆動コイルDの駆動に用いる信号(以下、駆動信号という)の振幅や位相を調整する駆動コイル入力信号調整部230と、駆動コイル入力信号調整部230からの制御に従って駆動コイルDx_1およびDx_2に入力する駆動信号をそれぞれ生成する駆動信号生成器(駆動信号入力部ともいう)233aおよび233b(以下、任意の駆動信号生成器の符号を233とする)と、センスコイルSより読み出された電圧変化(以下、これを検出信号という)から検出信号に含まれる磁界の情報(以下、これを磁界情報という)を取得する磁界情報取得部210と、磁界情報取得部210で得られた磁界情報からLCマーカ10の位置および向きを導出する位置情報演算部220と、外部装置200内の各部を制御する制御部201と、制御部201が各部を制御する際に実行する各種プログラムおよびパラメータ等を記憶するメモリ部202と、操作者がLCマーカ10に対する各種操作指示を入力する操作入力部203と、LCマーカ10の位置や向きおよびLCマーカ10から取得した被検体内情報を画像(映像を含む)や音声で表示する表示部204と、LCマーカ10から無線信号として送信された被検体内情報等を受信する無線受信部205と、LCマーカ10へ撮像指示などの各種操作指示を無線信号として送信する無線送信部206と、を備える。なお、図1では、駆動信号生成器233aおよび233bを外部装置200とは別体とした場合の構成を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、外部装置200内に設けられた構成であってもよい。
制御部201は、例えばCPUやMPUなどで構成され、メモリ部202から読み出したプログラムおよびパラメータに従って、外部装置200内の各部を制御する。また、メモリ部202は、例えばRAMやROMなどで構成され、制御部201が各部を制御する際に実行するプログラムおよびパラメータを保持する。このメモリ部202には、LCマーカ10から受信した被検体内画像や位置情報演算部220が導出したLCマーカ10の位置や向き等の情報が適宜格納される。
操作入力部203は、例えばキーボードやマウスやテンキーやジョイスティックなどで構成され、撮像指示(その他の被検体内情報取得指示を含む)などのLCマーカ10に対する各種操作指示や、表示部204に表示する画面を切り替える画面切替指示などの外部装置200に対する各種操作指示などを、操作者が入力するための構成である。なお、表示部204に表示する画面の切替機能は、LCマーカ10が複数の撮像部142を備えており、且つ、略リアルタイムにLCマーカ10で取得された画像を表示部204に表示する場合に備えるとよい。
表示部204は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイやLEDアレイなどの表示装置で構成され、LCマーカ10の位置や向き等の情報やLCマーカ10から送信された被検体内画像等の被検体内情報を表示する。また、表示部204には、スピーカなどを用いた音声再生機能を搭載していてもよい。表示部204は、この音声再生機能を用いて各種操作ガイダンスやLCマーカ10のバッテリ残量などについての情報(警告等を含む)を操作者に音で報知する。
無線受信部205は、検出空間K1に近接して配置されたダイポールアンテナなどよりなる不図示の受信用アンテナに接続されている。この受信用アンテナは、例えば検出空間K1近傍に配置される。無線受信部205は、受信用アンテナを介してLCマーカ10から無線信号として送信された被検体内画像等を受信し、受信した信号にフィルタリング、ダウンコンバート、復調および復号化などの種々の処理を実行した後、これを制御部201へ出力する。
無線送信部206は、検出空間K1に近接して配置されたダイポールアンテナなどよりなる不図示の送信用アンテナに接続されている。この送信用アンテナは、例えば検出空間K1近傍に配置される。無線送信部206は、制御部201から入力されたLCマーカ10に対する各種操作指示などの信号に送信用の基準周波数信号への重畳や変調やアップコンバートなどの種々の処理を実行した後、これを電波信号として送信用アンテナからLCマーカ10へ送信する。
また、図1における駆動コイル入力信号調整部230と駆動信号生成器233と駆動コイルDとは、検出空間K1内に駆動磁界を発生させる機構(以下、駆動系システムという)として機能する。
駆動コイル入力信号調整部230は、制御部201から入力された制御信号に従って、LCマーカ10におけるLC共振回路111の共振周波数F0と略等しい周波数の信号波形を算出し、これを駆動信号生成器233aおよび233bへ出力する。なお、駆動信号生成器233aに入力される信号波形と駆動信号生成器233bに入力される信号波形とは、異なる波形であってもよい。
駆動信号生成器233は、それぞれ、駆動コイル入力信号調整部230から入力された信号波形に従って駆動信号を生成し、これを電流増幅した後、増幅後の駆動信号を駆動コイルDへ入力する。増幅後の駆動信号が入力された駆動コイルDは、LCマーカ10のLC共振回路111が持つ共振周波数F0と略等しい周波数の磁界を発生することで、検出空間K1内にLC共振回路111を励起させる駆動磁界を形成する。
また、図1における磁界情報取得部210と制御部201は、駆動系システムが形成した駆動磁界とLCマーカ10が発生した共振磁界を合成した磁界を検出する機構(以下、検出系システムという)として機能する。
磁界情報取得部210は、センスコイルSから読み出した検出信号に対して所定の処理を実行することで、検出信号に含まれる磁界の情報(以下、これを磁界情報という)を略リアルタイムに導出する。この磁界情報取得部210は、例えばA/D変換部211とFFT演算部212とを含む。A/D変換部211は、複数のセンスコイルSそれぞれから検出信号を読み出し、読み出したアナログの検出信号を適宜、増幅、帯域制限、A/D変換する。また、FFT演算部212は、A/D変換部211から出力されたデジタルの検出信号を高速フーリエ変換することで、磁界情報を示すデータ(以下、これをFFTデータという)を生成し、これを制御部201に入力する。制御部201は、入力されたFFTデータを位置情報演算部220に入力する。
位置情報演算部220は、制御部201を介して入力されたFFTデータに対して所定の演算処理を実行することで、検出信号に含まれる磁界情報からLCマーカ10の現在の位置や向きを導出する。なお、各センスコイルSから読み出した検出信号は、各センスコイルSが配置された位置における磁界の強度や位相などの磁界情報を電圧で表した信号である。また、FFTデータは、センスコイルSから読み出した検出信号に含まれる磁界情報を強度と位相との成分よりなる情報に変換したデータである。
ただし、各センスコイルSから読み出された検出信号には、LC共振回路111が発生した共振磁界の他に、共振周波数F0と略等しい周波数を持つ駆動磁界や、共振磁界によって駆動コイルDが誘導されることで発生した磁界(以下、これを駆動磁界という)などの情報が含まれる。したがって、各センスコイルSから読み出した検出信号より生成したFFTデータそのままでは、位置情報演算部220がLCマーカ10(特にLC共振回路111)の正確な位置や向きを導出することができない。
ここで図4に示すように、LCマーカ10が発生する共振磁界(以下、強度および位相を示す平面空間に展開した共振磁界のベクトルをF_resoという)は、駆動磁界(以下、強度および位相を示す平面空間に展開した駆動磁界のベクトルをF_drivという)に対して90°の位相差を有する。したがって、FFTデータに含まれる全磁界(以下、これを検出磁界とし、強度および位相を示す平面空間に展開した検出磁界のベクトルをF_dtctという)から駆動磁界F_drivを除去して共振磁界F_resoを取り出すためには、検出磁界F_dtctから駆動磁界F_drivに対して90°の位相差を有するベクトル成分を抽出する必要がある。なお、図4は、本実施の形態における駆動磁界と検出磁界と共振磁界との関係を示す図である。
そこで本実施の形態では、実際に位置検出を実行する前に、検出空間K1内にLCマーカ10(すなわちLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動コイルDを駆動して検出空間K1内に駆動磁界を形成し、この状態で実際にセンスコイルSや検出空間K1内に配置された不図示の磁界センサで検出された駆動磁界F_drivの位相成分(以下、これをキャリブレーション情報という)を例えば磁界情報取得部210および制御部201を用いて導出しておく。また、導出したキャリブレーション情報を、駆動磁界を発生させた際の駆動信号の振幅値や位相などの情報に対応付けてLUT(ルックアップテーブル)などに保持しておく。後述する位置検出処理では、位置情報演算部220がこのLUTを参照することで、検出磁界F_dtctから除去すべき駆動磁界F_drivの位相を取得し、この位相に基づいてFFTデータを補正することで、共振磁界F_resoを抽出する。以下、検出磁界F_dtctから駆動磁界F_drivを除去する処理をキャリブレーション処理という。
また、検出磁界F_dtctには、上述したように、不要磁界として、検出空間K1の近傍に配置されたコイル(駆動コイルDなど)がLC共振回路111が発生した共振磁界によって干渉されることで発生した磁界(以下、これを干渉磁界という)が含まれる。そこで本実施の形態では、共振磁界F_reso(FFTデータ)を用いて導出した位置や向きに応じて上記の干渉磁界を除去する処理を実行する。以下、これを補正処理という。
補正処理には、例えば、位置や向きに応じた補正量をあらかじめLUTなどに登録しておく方法や、位置や向きに応じた補正用のパラメータをあらかじめLUTに登録しておく方法などが存在する。
補正量をあらかじめLUTに登録しておく方法では、例えば各駆動コイルDが発生した干渉磁界の情報(FFTデータ)をあらかじめシミュレーションや実測によって取得しておく。また、シミュレーションを行うために、各駆動コイルDに流れる電流を検出する電流検出部を設け、この電流検出部によって検出された電流値を用いてシミュレーションを行ってもよい。なお、取得しておいた情報は、補正量として、位置や向きに対応付けてLUTなどで管理される。位置検出時の補正処理では、先に導出した位置や向きを用いてLUTを参照することで、この位置や向きに応じた補正量を取得し、この補正量を用いてFFTデータを補正し、補正後のFFTデータを用いて新たなLCマーカ10の位置や向きを導出する。
なお、補正処理を含むLCマーカ10の位置検出処理には、例えば、最小二乗法を用いた収束計算を用いることができる。この収束計算では、処理対象のFFTデータ(検出信号から算出される最初のFFTデータまたは後述する補正後のFFTデータに相当)を真値とし、先に導出した位置や向きのLCマーカ10と等価的な磁気モーメントとが形成する理想的な磁界分布でのFFTデータを推定値とする。また、収束計算では、まず、検出信号から直接算出したFFTデータからキャリブレーション処理を経てLCマーカ10の位置や向き(例えば上述の先に導出した位置や向きに相当)を導出し、この位置や向きに対応付けられた補正量でFFTデータを補正する。その後、補正後のFFTデータから導出した位置や向きに対応付けられている補正量で再度FFTデータを補正して補正後のFFTデータから新たな位置や向きを導出する計算を繰り返す(反復計算)。この反復計算は、最小二乗法で求まる真値と推定値との誤差がある一定以下で安定するまで継続される。これにより、より精度が向上された位置や向きが最終的に導出される。なお、最終的に導出された位置や向きは、例えば、LCマーカ10から受信した被検体内画像などの情報と共に表示部204に表示される。
また、操作者は、操作入力部203からLCマーカ10の位置や向きを操作する操作指示を入力することが可能である。さらに、操作者は、操作入力部203を用いてLCマーカ10に被検体内情報の取得指示などを入力することも可能である。
(位置検出動作)
次に、本実施の形態による位置検出システム1の位置検出の動作について詳細に説明する。本実施の形態では、上述したように、駆動信号生成器233から駆動信号を出力して駆動コイルDに駆動磁界を発生させることで、LCマーカ10に共振磁界を発生させる。この共振磁界は他の共振周波数F0の磁界と共にセンスコイルSによって検出信号として検出される。各センスコイルSから読み出した検出信号は、検出磁界の情報を示すFFTデータに変換される。このFFTデータを用いてキャリブレーション処理および補正処理を含む位置検出処理を実行することで、LCマーカ10の位置や向きが導出される。
この際、LCマーカ10が発生する共振磁界の強度が大きいほど、検出信号に対する分解能を上げることができるため、位置検出精度を向上させることが可能となる。ただし、共振磁界の強度を大きくするために駆動磁界の強度を大きくしすぎると、センスコイルSより読み出した検出信号がセンスコイルSに対するダイナミックレンジや検出系システムにおけるダイナミックレンジに対してサチレーション(飽和)してしまい、位置検出自体が不可能となってしまう。そこで本実施の形態では、駆動磁界の強度を、センスコイルSより読み出される検出信号をサチレーションさせることなく、且つ、高い分解能を得るのに十分な程度の強度に調整する。
また、同時に駆動される駆動コイルD(例えば駆動コイルDx_1およびDx_2)が発生する磁界の位相にずれが存在すると、検出空間K1内に形成される駆動磁界の強度および位相がターゲットとする駆動磁界の強度および位相から外れてしまう。そこで本実施の形態では、同時に駆動する複数の駆動コイルDが発生する磁界の位相を揃える。これにより、検出空間K1内に最適な駆動磁界を形成することができ、結果、位置検出精度を向上することが可能となる。
上述のような駆動磁界の強度および位相の調整は、例えば駆動コイル入力信号調整部230(図1参照)において実行される。すなわち、駆動磁界強度は、駆動コイル入力信号調整部230が生成する駆動信号の信号波形の振幅値を制御することで調整される。また、同時に駆動される駆動コイルDが発生する磁界の位相は、駆動コイル入力信号調整部230が複数の駆動信号生成器233に同時に入力する信号波形の位相を制御することで調整される。
駆動磁界の強度および位相の調整は、例えば後述する評価関数を用いて行うことができる。以下、本実施の形態による評価関数および駆動磁界の強度および位相の調整方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下では、センスコイルSの個数を8つ(S_1〜S_8)とし、駆動コイルDの組数を1つ(Dx_1およびDx_2)とし、それぞれが図1に示すように配置された場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変形することが可能であることは言うまでもない。
本実施の形態による評価関数を設定するにあたり、各センスコイルS_1〜S_8から読み出される検出信号の電圧値をVS_1〜VS_8とする。電圧値VS_1〜VS_8は、評価関数に使用されるパラメータである。なお、電圧値VS_1〜VS_8において、VS_1の位相に対して同相の電圧値を正、逆相の電圧値を負とする。
・位相調整
まず、同時に駆動する複数の駆動コイルDx_1およびDx_2それぞれに入力する駆動信号の位相を調整する流れについて説明する。各センスコイルSで検出された駆動磁界の強度の絶対値の合計値(解F)は、上述のパラメータを用いて以下の式1で表すことができる。
Figure 0004791599
ここで、Dx_1およびDx_2がそれぞれ発生した磁界が各センスコイルS面で打ち消し合うため、解Fは、複数の駆動コイルDx_1およびDx_2それぞれが発生する磁界の位相が揃っているほど小さくなり、2つの磁界の位相が揃った場合に最小になる。そこで本実施の形態では、上記の式1を、位相調整用の評価関数(以下、位相評価関数という)として使用する。
位相調整では、式1に示される位相評価用評価関数が最小値もしくはあらかじめ設定しておいた所定値以下となるように、各駆動コイルDx_1およびDx_2へ入力する駆動信号の位相を調整する。例えば、駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の位相を固定し、これに対して駆動コイルDx_2に入力する駆動信号の位相を調整することで、各駆動コイルDx_1およびDx_2が発生する駆動磁界の位相を揃える。各駆動信号の位相の調整は、電圧値VS_1〜VS_8がサチレーションすることがない値で行うことが好ましい。位相を固定する駆動信号は、駆動コイルDx_2に入力する駆動信号であってもよい。
・振幅調整
次に、同時に駆動する駆動コイルDx_1およびDx_2にそれぞれ入力する駆動信号の振幅を調整する流れについて説明する。なお、以下では、センスコイルSがサチレーションする電圧値を飽和電圧値といい、この飽和電圧値の所定割合(例えば90%)を基準電圧値VSmaxとして用いつつ駆動信号の振幅を調整することで、各センスコイルS_1〜S_8で得られる電圧値VS_1〜VS_8がサチレーションしないように駆動信号の振幅を調整する場合を説明する。
本実施の形態による振幅調整では、例えば以下に示す式2を、振幅調整用の評価関数(以下、振幅評価関数という)として用いる。なお、式2において、Aは振幅評価関数による解であり、VSmaxは上述したように基準電圧値である。
Figure 0004791599
上記式2は、サチレーションし易いセンスコイルS、すなわち駆動コイルDx_1の近傍に配置されたセンスコイルS_1およびS_5ならびに駆動コイルDx_2の近傍に配置されたセンスコイルS_5およびS_8から読み出された検出信号の電圧値VS_1、VS_5、VS_4およびVS_8の絶対値と基準電圧値VSmaxとの差の絶対値の和に、各センスコイルSから読み出された検出信号の電圧値VS_1〜VS_8の逆数の和を加算する関数である。
そこで本実施の形態では、解Aが最小値もしくはあらかじめ設定しておいた所定値以下となるように、各駆動コイルDx_1およびDx_2に入力する駆動信号の振幅を調整する。これにより、駆動磁界の強度を、各センスコイルSより読み出される検出信号をサチレーションさせることなく、且つ、高い分解能を得るのに十分な程度の強度に調整することが可能となる。なお、式2では、駆動コイルDx_1近傍のセンスコイルS_1およびS_5から読み出される検出信号の電圧値VS_1およびVS_5ならびに駆動コイルDx_2近傍のセンスコイルS_4およびS_8から読み出される検出信号の電圧値VS_4およびVS_8がサチレーションせずにできるだけ大きな値をとり、且つ、各センスコイルS_1〜S_8から読み出した検出信号の電圧値VS_1〜VS_8が略0(ゼロ)とならないときに、解Aが最小値となる。
次に、本実施の形態による駆動信号の振幅および位相の調整動作(以下、単に駆動信号調整動作という)について、図面を用いて詳細に説明する。図5は、本実施の形態による駆動信号調整動作の概略流れを示すフローチャートである。また、図6は図5のステップS102における位相調整処理の流れを示すフローチャートであり、図7は図5のステップS103における振幅調整処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下では、図1のx軸、y軸およびz軸それぞれの方向の駆動磁界を発生させる3組の駆動コイルDが設けられている場合を例に挙げる。また、外部装置200における制御部201の動作に着目して説明する。
図5に示すように、本実施の形態による駆動信号調整動作では、まず、制御部201は、x軸、y軸およびz軸のうち何れかを選択し(ステップS101)、選択した軸に関する位相調整処理を式1に示す位相評価関数を用いて実行する(ステップS102)。続いて制御部201は、選択した軸に関する振幅調整処理を式2に示す振幅評価関数を用いて実行する(ステップS103)。その後、制御部201は、全ての軸を選択したか否か、すなわち全ての軸に関して位相調整処理および振幅調整処理を実行したか否かを判定し(ステップS104)、選択済みであれば(ステップS104のYes)、駆動信号調整処理を終了する。一方、選択済みでなければ(ステップS104のNo)、ステップS101へ帰還して、未選択の軸を選択し、その後、同様の動作を実行する。
図5のステップS102に示す位相調整処理では、図6に示すように、制御部201は、ステップS101(図5参照)で選択した軸方向の駆動磁界を発生する駆動コイルを1組選択し(ステップS111)、選択した駆動コイルDが初期値として登録された振幅および位相の駆動信号で駆動されるように、駆動コイル入力信号調整部230を駆動する(ステップS112)。これにより、駆動コイル入力調整部230から選択中の駆動コイルDに接続された駆動信号生成器233へ初期値の振幅および位相の駆動信号を生成させるための信号波形が入力され、駆動信号生成器233において駆動信号が生成されて出力される。この結果、選択中の駆動信号から駆動信号に応じた磁界が発生して、検出空間K1内に初期値の振幅および位相に応じた磁界強度および位相の駆動磁界が形成される。なお、以下では、説明の明確化のため、図5のステップS101においてx軸が選択され、図6のステップS111で駆動コイルDx_1およびDx_2が選択された場合を例に挙げる。
次に制御部201は、磁界情報取得部210を駆動して、各センスコイルS_1〜S_8から検出信号を読み出し(ステップS113)、各検出信号の電圧値VS_1〜VS_8から式1の位相評価関数を用いて解Fを算出する(ステップS114)。
次に制御部201は、ステップS114で算出した解Fが最小値または所定値以下であるか否かを判定し(ステップS115)、最小値または所定値以下でない場合(ステップS115のNo)、選択中の駆動コイルDのうち1つの一方の駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の位相を固定しつつ、他方の駆動コイルDx_2に入力する駆動信号の位相を変化させる(ステップS116)。続いて制御部201は、ステップS113へ帰還し、以降、位相評価関数の解Fが最小値または所定値以下となるまで駆動コイルDx_2に入力する駆動信号の位相を変化させる。言い換えれば、制御部201は、一方の駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の位相に対して他方の駆動コイルDx_2に入力する駆動信号の位相をスキャンすることで、位相評価関数(式1)が最小値または所定値以下となるポイントを特定する。この結果、各駆動コイルDに発生する駆動磁界の位相を一致させることが可能となる。
また、ステップS115の結果、ステップS114で算出した解Fが最小値または所定値以下であると判定された場合(ステップS115のYes)、制御部201は、現在の各駆動信号の位相の情報を取得してこれをメモリ部202等に記録しておく(ステップS117)。
その後、制御部201は、x軸方向の駆動磁界を発生させる全ての駆動コイルDの組を選択したか否か、すなわち、x軸方向に関する全ての駆動コイルDに入力する駆動信号の位相を調整したか否かを判定し(ステップS118)、選択済みである場合(ステップS118のYes)、図5の駆動信号調整動作へリターンする。一方、ステップS118の判定の結果、未選択の駆動コイルDが存在する場合(ステップS118のNo)、制御部201は、ステップS111へ帰還して、以降、新たに選択した駆動コイルDに対して同様の動作を実行する。これにより、同時に駆動される全ての駆動コイルDについての駆動磁界の位相が一致するように調整される。
また、図5のステップS103に示す振幅調整処理では、図7に示すように、制御部201は、ステップS101(図5参照)で選択した軸方向の駆動磁界を発生する対の駆動コイルDを1組選択し(ステップS121)、選択した駆動コイルDが位相調整処理で調整した位相で且つ初期値の振幅の駆動信号で駆動されるように、駆動コイル入力信号調整部230を駆動する(ステップS122)。これにより、駆動コイル入力信号調整部230から選択中の駆動コイルDに接続された駆動信号生成器233へ調整された位相および初期値の振幅の駆動信号を生成させるための信号波形が入力され、駆動信号生成器233において駆動信号が生成されて駆動コイルDに入力される。この結果、選択中の駆動コイルDから駆動信号に応じた磁界が発生して、検出空間K1内に調整された位相で且つ初期強度の駆動磁界が形成される。なお、振幅の初期値は、例えば最大振幅など、あらかじめ決めておいた値であればよい。また、以下では、説明の簡略化のため、駆動コイルDx_1およびDx_2が選択された場合を例に挙げる。
次に制御部201は、磁界情報取得部210を駆動して、各センスコイルS_1〜S_8から検出信号を読み出し(ステップS123)、各検出信号の電圧値VS_1〜VS_8から式2の振幅評価関数を用いて解Aを算出する(ステップS124)。
次に制御部201は、ステップS124で算出した解Aが最小値または所定値以下であるか否かを判定し(ステップS125)、最小値または所定値以下でない場合(ステップS125のNo)、選択中の各駆動コイルDx_1およびDx_2に入力する駆動信号の振幅を変化させる(ステップS126)。これは、例えば先に駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の振幅を調整し、次に駆動コイルDx_2に入力する駆動信号の振幅を調整するなど、種々の方法を用いることができる。続いて制御部201は、ステップS123へ帰還し、以降、振幅評価関数の解Aが最小値または所定値以下となるまで駆動信号の振幅を変化させる。
また、ステップS125の結果、ステップS124で算出した解Aが最小値または所定値以下であると判定された場合(ステップS125のYes)、制御部201は、各センスコイルS_1〜S_8から読み出した検出信号が飽和しているか否かを判定し(ステップS127)、飽和している場合(ステップS127のYes)、ステップS126へ移行して再度駆動信号の振幅を調整する。一方、ステップS127の判定の結果、各検出信号が飽和していない場合(ステップS127のNo)、次に制御部201は、各センスコイルS_1〜S_8から読み出した検出信号が0(ゼロ)であるか否かを判定し(ステップS128)、ゼロである場合(ステップS128のYes)、ステップS126へ移行して再度駆動信号の振幅を調整する。一方、ステップS128の判定の結果、各検出信号がゼロでない場合(ステップS128のNo)、制御部201は、現在の各駆動信号の振幅の情報を取得してこれをメモリ部202等に記録しておく(ステップS129)。
その後、制御部201は、x軸方向の駆動磁界を発生させる全ての駆動コイルDの組を選択したか否か、すなわち、x軸方向に関する全ての駆動コイルDに入力する駆動信号の振幅を調整したか否かを判定し(ステップS130)、選択済みである場合(ステップS130のYes)、図5の駆動信号調整動作へリターンする。一方、ステップS130の判定の結果、未選択の駆動コイルDが存在する場合(ステップS130のNo)、制御部201は、ステップS121へ帰還して、以降、新たに選択した駆動コイルDに対して同様の動作を実行する。これにより、同時に駆動される全ての駆動コイルDについての駆動信号の振幅が調整される。
また、本実施の形態による位置検出動作を、図8を用いて詳細に説明する。図8は、本実施の形態1による位置検出動作の概略流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、本実施の形態による位置検出動作では、制御部201は、まず、LCマーカ10が検出空間K1内の初期位置および向きにあると仮定し、この初期位置および向きにLCマーカ10がある場合に生成する駆動信号の調整された振幅および位相を取得し(ステップS141)、さらに、この初期位置および向きにあるLCマーカ10に対して最適な駆動磁界を発生する駆動コイルDを1組選択する(ステップS142)。なお、調整された振幅および位相は、上述の駆動信号調整処理で調整された振幅と位相である。
次に制御部201は、選択した駆動コイルDが取得した調整後の振幅および位相の駆動信号で駆動されるように、駆動コイル入力信号調整部230を駆動する(ステップS143)。これにより、駆動コイル入力信号調整部230から選択中の駆動コイルDに接続された駆動信号生成器233へ調整後の振幅および位相の駆動信号を生成させるための信号波形が入力され、駆動信号生成器233において駆動信号が生成されて出力される。この結果、選択中の駆動信号から駆動信号に応じた磁界が発生して、検出空間K1内に調整された強度および位相の駆動磁界が形成される。
次に制御部201は、磁界情報取得部210を駆動して、各センスコイルSから検出信号を読み出し(ステップS144)、この読み出した検出信号のFFTデータを磁界情報取得部210のFFT演算部212に算出させる(ステップS145)。続いて制御部201は、算出させたFFTデータを位置情報演算部220に入力して所定の計算処理を実行させることで、LCマーカ10の位置および向きを導出させる(ステップS146)。なお、このステップには、上述したキャリブレーション処理や補正処理なども含まれる。また、導出された位置や向きは、例えばLCマーカ10から受信した被検体内画像等と共に表示部204に表示される。
次に制御部201は、例えば操作入力部203(図1参照)から終了指示が入力されたか否かを判定し(ステップS147)、終了指示が入力されていた場合(ステップS147のYes)、処理を終了する。一方、終了指示が入力されていなければ(ステップS147のNo)、制御部201は、ステップS146で導出した位置および向きに基づいて、この位置および向きにLCマーカ10がある場合に生成する駆動信号の調整された振幅および位相を取得し(ステップS148)、さらに、この位置および向きにあるLCマーカ10に対して最適な駆動磁界を発生する駆動コイルDを1組選択する(ステップS149)。その後、ステップS143へ移行して、終了指示が入力されるまで、LCマーカ10の位置および向きに応じた最適な駆動磁界を発生させると共に、これに応じて検出された検出信号からLCマーカ10の新たな位置および向きを導出する動作を繰り返す。
以上のように、本実施の形態による位置検出システム1は、被検体900内に導入された状態で検出空間K1内に配置されるLCマーカ10と、被検体900外に配置される外部装置200と、を備える。LCマーカ10は、検出空間K1内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生するLC共振回路111を有している。外部装置200は、同時に駆動されることで検出空間K1内に駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルDと、駆動コイルDに駆動磁界を形成させる駆動信号をそれぞれ入力する少なくとも2つの駆動信号生成器233と、検出空間K1内に形成された磁界を検出する少なくとも1つのセンスコイルSと、制御部201および駆動コイル入力信号調整部230からなる信号調整部と、磁界情報取得部210と制御部201と位置情報演算部220とからなる位置導出部と、を有している。この構成において、制御部201と駆動コイル入力信号調整部230とは、センスコイルSで検出された磁界に基づいて駆動信号生成器233が駆動コイルDそれぞれに入力する駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する信号調整部として機能する。また、磁界情報取得部210と制御部201とは、センスコイルSで検出された磁界に基づいてLCマーカ10の位置を導出する位置導出部として機能する。これにより、本実施の形態では、実際に検出空間K1内に形成された磁界を検出し、この検出結果に従って同時に駆動する駆動コイルDに入力する駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整するため、検出空間K1内に最適な駆動磁界を形成することができ、結果、装置特性に依らずに最適な駆動磁界を発生して精度良くLCマーカ10の位置を検出することが可能な位置検出システム1およびその位置検出方法を実現することが可能となる。
また、制御部201および駆動コイル入力信号調整部230よりなる信号調整部は、センスコイルSで検出された磁界の強度(例えば電圧値VS)から駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する。この評価関数には、例えば、センスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)の絶対値の総和を算出する位相評価関数(式1参照)が含まれる。信号調整部は、少なくとも2つの駆動コイルDそれぞれに入力する駆動信号を入力した場合に位相評価関数の解Fが最小値または所定値以下となるように駆動信号の位相を調整する。これにより、同時に駆動する複数の駆動コイルDに入力する駆動磁界の位相を揃えることが可能となる。
また、評価関数には、例えば、センスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)とあらかじめ設定しておいた所定値との差の絶対値の総和にセンスコイルSで検出された磁界の強度の逆数の総和を加算する振幅評価関数(式2参照)が含まれる。信号調整部は、少なくとも2つの駆動コイルDそれぞれに駆動信号を入力した場合に振幅評価関数の解Aが最小値または所定値以下となるように駆動信号の振幅を調整する。これにより、同時に駆動する複数の駆動コイルDに入力する駆動信号の振幅を調整することが可能となる。
(変形例1)
ここで、本実施の形態による振幅評価関数の変形例について説明する。以下の式3は、本変形例1による振幅評価関数を示している。なお、式3において、VS_1r〜VS_8rはシミュレーション等で得られた各センスコイルS_1〜S_8から読み出される電圧値VS_1〜VS_8の理想値である。
Figure 0004791599
上記式3に示す振幅評価関数は、各センスコイルSから読み出された電圧値VS_1〜VS_8の理想値VS_1r〜VS_8rに対する誤差の絶対値の和を算出する関数である。そこで本変形例1では、図7のステップS126において、式3の振幅評価関数による解Aが最小値または所定値以下となるように、各駆動コイルDx_1およびDx_2に入力する駆動信号の振幅を調整する。これにより、駆動磁界の強度を、各センスコイルSより読み出される検出信号をサチレーションさせることなく、且つ、高い分解能を得るのに十分な程度の強度に調整することが可能となる。なお、式3では、シミュレーション等で求めておいた理想値VS_1r〜VS_8rと各センスコイルS_1〜S_8での電圧値VS_1〜VS_8との差、すなわち理想的な磁界分布と実際に形成された駆動磁界の磁界分布との差が最小となるときに、解Aが最小となる。また、他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(変形例2)
なお、上記実施の形態では、式2において、駆動コイルD近傍のセンスコイルS_1、S_5、S_4およびS_8の重みを‘1’とし、他のセンスコイルS_2、S_3、S_6およびS_7の重みを‘0’としており、また、上記変形例1では、式3において、全てのセンスコイルSの重みを‘1’としているが、本発明はこれに限定されず、以下の式4または式5に示す振幅評価関数のように、各センスコイルS_1〜S_8の重みをあらかじめ設定しておき、この重み付けが式2において考慮されるように構成してもよい。なお、式4または式5におけるa〜hは、各センスコイルS_1〜S_8に設定された重みであり、例えば正の整数である。また、この重みは、各駆動コイルDと各センスコイルSとの位置関係に応じて設定されるとよい。この際、例えば駆動コイルDに近い方、すなわちb、c、fおよびgと比較してa、d、eおよびhの値の方が大きな値となるように設定されることが好ましい。
Figure 0004791599
Figure 0004791599
また、式2または式3に示す振幅評価関数に限らず、式1に示す位相評価関数についても、同様に、以下の式6に示すように、あらかじめ求めた重みa〜hを用いることで、センスコイルSや駆動コイルDなどの配置に応じて重み付けされた評価関数とすることが可能となる。なお、式4〜式6で使用する重みを共通の値とする必要はなく、種々変形可能である。
Figure 0004791599
以上のように、評価関数を、各駆動コイルDと各センスコイルSとの位置関係に応じて重みを設定し、この重みをセンスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VSより定まる値)に付加または乗算して解Aを導出するように構成することで、評価関数を位置関係などに応じてサチレーションし易いセンスコイルSを強く考慮した評価関数とすることが可能となり、より的確な駆動信号の振幅および/または位相の調整が可能となる。
なお、上記で例示した評価関数には、各駆動コイルDに入力する駆動信号の振幅(電圧値VS)に関する項が含まれていないが、例えば各駆動信号の振幅を考慮した評価関数を用いた場合、各駆動コイルDと各センスコイルSとの位置関係および各駆動コイルDの形状のうち少なくとも1つに応じて重みを設定し、この重みを駆動信号の振幅(駆動信号の振幅より定まる値)に付加または乗算して解を導出するように構成してもよい。
また、上記のような重みを、駆動信号の振幅および位相の少なくとも一方やセンスコイルSで検出された磁界の強度との少なくとも一方などに基づいて、制御部201(信号調整部)が変更するように構成してもよい。この場合、例えば制御部201は、駆動信号の位相または振幅を大きく変更した場合、これにより影響を受けるセンスコイルSに対する重みを大きくし、影響を受け難いセンスコイルSに対する重みを軽くする。これにより、上記各評価関数を位相または振幅の変更に対してセンシティブな評価関数とすることが可能となるため、より高い精度で駆動信号の調整が可能となる。
なお、他の構成は、上記実施の形態1またはその変形例1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2による位置検出システム2の構成および動作を、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明において、本発明の実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
(位置検出構成)
図9は、本実施の形態による位置検出システム2の概略構成を示す模式図である。図9と図1とを比較すると明らかなように、位置検出システム2は、図1に示す位置検出システム1と同様の構成において、センスコイルS近傍に補助コイルEx_1およびEx_2(以下、任意の補助コイルの符号をEとする)が配置され、外部装置200に補助コイルEの駆動に用いる信号(以下、補助信号という)の振幅や位相を調整する補助コイル入力信号調整部240および補助コイル入力信号調整部240からの制御に従って補助コイルEx_1およびEx_2に入力する補助信号をそれぞれ生成する補助信号生成器(補助信号入力部ともいう)243aおよび243b(以下、任意の補助信号生成器の符号を243とする)と、が設けられた構成を備える。なお、図9では、補助信号生成器243aおよび243bを外部装置200とは別体とした場合の構成を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、外部装置200内に設けられた構成であってもよい。また、図9に示す例では、駆動コイルDx_1およびDx_2で挟まれた空間に対し、センスコイルS_5〜S_8がこの空間内に配置され、センスコイルS_1〜S_4がこの空間外に配置される。他の構成は、図1に示す位置検出システム1と同様である。
駆動磁界は、通常、対向して配置された駆動コイルDx_1およびDx_2では挟まれた空間内では略平行であるのに対し、この空間外(ただし、駆動コイルDの近傍)では、平行な磁界とならず、外側への広がりを持つ。このため、センスコイルS_5〜S_8にはx軸方向に略平行な駆動磁界が入力されるのに対し、センスコイルS_1〜S_4にはx軸方向と平行でない駆動磁界が入力される。
また、通常、駆動コイルDに近いセンスコイルSほど入力する駆動磁界の強度が大きい。このため、図9に示す例では、駆動コイルDx_1およびDx_2にそれぞれ近いセンスコイルS_1およびS_4ほど、読み出される検出信号がサチレーション(飽和)し易い。
そこで本実施の形態では、図9に示すように、駆動コイルDが発生した駆動磁界の影響を受けやすいセンスコイルS、例えば駆動コイルDに近接して配置されたセンスコイルS_1およびS_4の近傍に補助コイルEx_1およびEx_2をそれぞれ設ける。各駆動コイルEは、各センスコイルSから検出信号を読み出す際に各センスコイルSに入力される駆動磁界を打ち消す磁界(以下、これを補助磁界という)を発生するように駆動される。これにより、センスコイルSから読み出す検出信号に含まれる駆動磁界の成分を低減することが可能となるため、より強度の大きい駆動磁界を発生させることができ、結果、より精度の高い位置検出が可能となる。
また、図9における補助コイル入力信号調整部240と補助信号生成器243と補助コイルEとは、各センスコイルSに入力する駆動磁界を打ち消す補助磁界を発生させる機構(以下、補助系システムという)として機能する。
補助コイル入力信号調整部240は、制御部201から入力された制御信号に従って、共振周波数F0と略等しい周波数の信号波形を算出し、この信号波形をセンスコイルSに対して最適な補助磁界を発生させる補助コイルEを駆動する補助信号生成器243へ出力する。なお、複数の補助コイルEは同時に駆動されてもよい。
各補助信号生成器243は、補助コイル入力信号調整部240から入力された信号波形に従って補助信号を生成し、これを電流増幅した後、増幅後の補助信号を補助コイルEへ入力する。増幅後の補助信号が入力された補助コイルEは、LCマーカ10のLC共振回路111が持つ共振周波数F0と略等しい周波数の補助磁界を発生することで、読み出し対象のセンスコイルSに入力される駆動磁界を打ち消す。
(位置検出動作)
次に、本実施の形態による位置検出システム2の位置検出の動作について詳細に説明する。本実施の形態では、上述したように、駆動信号生成器233から駆動信号を出力して駆動コイルDに駆動磁界を発生させることで、LCマーカ10に共振磁界を発生させる。この共振磁界は他の共振周波数F0の磁界と共にセンスコイルSによって検出信号として検出される。この際、補助信号生成器243から補助信号を出力して補助コイルEに補助信号を発生させることで、読み出し対象のセンスコイルSに入力される駆動磁界を打ち消す補助磁界を発生する。各センスコイルSから読み出した検出信号は、検出磁界の情報を示すFFTデータに変換される。このFFTデータを用いてキャリブレーション処理および補正処理を含む位置検出処理を実行することで、LCマーカ10の位置や向きが導出される。
そこで本実施の形態では、駆動磁界と補助磁界との強度および位相を調整することで、センスコイルSより読み出される検出信号をサチレーションさせることなく、且つ、高い分解能を得るのに十分な強度および位相の駆動磁界および補助磁界を検出空間K1内に形成する。これにより、検出空間K1内に最適な駆動磁界および補助磁界を形成することができ、結果、位置検出精度を向上することが可能となる。
本実施の形態において、駆動磁界および補助磁界の強度および位相は、上記実施の形態1と同様に、評価関数を用いて調整される。ただし、各評価関数は、後述のようになる。なお、以下では、センスコイルSの個数を8つ(S_1〜S_8)とし、駆動コイルDの組数を1つ(Dx_1およびDx_2)とし、補助コイルEの個数を2つ(Ex_1およびEx_2)とし、それぞれが図9に示すように配置された場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変形することが可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態による評価関数を設定するにあたり、駆動コイルDx_1およびDx_2それぞれに入力する駆動信号の振幅をそれぞれVDx_1およびVDx_2とし、補助コイルEx_1およびEx_2それぞれに入力する駆動信号の振幅をそれぞれVEx_1およびVEx_2とする。振幅VDx_1、VDx_2、VEx_1およびVEx_2は、電圧値VS_1〜VS_8と同じく、評価関数に使用されるパラメータである。なお、電圧値VS_1〜VS_8において、VS_1の位相に対して同相の電圧値を正、逆相の電圧値を負とする。
・位相調整
まず、同時に駆動する複数の駆動コイルDx_1およびDx_2それぞれに入力する駆動信号ならびに補助コイルEx_1およびEx_2それぞれに入力する補助信号の位相を調整する流れについて説明する。例えば補助コイルEx_1がセンスコイルS_1およびS_2に入力する駆動磁界を打ち消すのに最適な補助コイルEであるとすると、駆動コイルDx_1と補助コイルEx_1とがそれぞれ発生する磁界の位相を調整するための位相評価関数(以下、これを第1a位相評価関数という)は、上述のパラメータを用いて以下の式7で表すことができる。
Figure 0004791599
ここで、第1a位相評価関数の解、すなわち、センスコイルS_1およびS_2に入力する駆動磁界の強度と補助磁界の強度との合計値F1は、駆動コイルDx_1および補助コイルEx_1それぞれが発生する磁界の位相が揃っているほど小さくなり、2つの磁界の位相が揃った場合に最小になる。
また、例えば補助コイルEx_2がセンスコイルS_4およびS_3に入力する駆動磁界を打ち消すのに最適な補助コイルEであるとすると、駆動コイルDx_2と補助コイルEx_2とがそれぞれ発生する磁界の位相を調整するための位相評価関数(以下、これを第1b位相評価関数という)は、上述のパラメータを用いて以下の式8で表すことができる。
Figure 0004791599
ここで、第1b位相評価関数の解、すなわち、センスコイルS_4およびS_3に入力する駆動磁界の強度と補助磁界の強度との合計値F2は、駆動コイルDx_2および補助コイルEx_2それぞれが発生する磁界の位相が揃っているほど小さくなり、2つの磁界の位相が揃った場合に最小になる。
さらに、駆動コイルDx_1およびDx_2がそれぞれ発生した磁界がセンスコイル面で打ち消し合う場合、駆動コイルDx_1およびDx_2それぞれが発生する磁界の位相を調整するための位相評価関数(以下、これを第2位相評価関数という)は、上述のパラメータを用いて以下の式9で表すことができる。
Figure 0004791599
ここで、合計値F3は、複数の駆動コイルDx_1およびDx_2それぞれが発生する磁界の位相が揃っているほど小さくなり、2つの磁界の位相が揃った場合に最小になる。
以上のことから、本実施の形態では、上記第1a、第1bおよび第2位相評価関数を用いて、駆動コイルDに入力する駆動信号および補助コイルEに入力する補助信号の位相を調整する。
位相調整では、式7〜式9に示される各位相評価関数の解(合計値F1〜F3)が最小値もしくはあらかじめ設定しておいた所定値以下となるように、各駆動コイルDおよび補助コイルEへ入力する駆動信号および補助信号の位相を調整する。
・振幅調整
次に、同時に駆動する駆動コイルDx_1およびDx_2にそれぞれ入力する駆動信号ならびに補助コイルEx_1およびEx_2にそれぞれ入力する補助信号の振幅を調整する流れについて説明する。なお、駆動信号および補助信号の振幅調整では、例えば駆動コイルDと補助コイルEとに優先順位を設け、駆動コイルDに入力する駆動信号が優先して最適な振幅となるように調整するように構成してもよい。
本実施の形態による振幅調整では、例えば以下に示す式10〜式12を振幅調整用の評価関数(以下、それぞれ第1、第2aおよび第2b振幅評価関数という)として用いる。なお、式10の第1振幅評価関数は駆動コイルDx_1およびDx_2用の評価関数であり、式11の第2a振幅評価関数は補助コイルEx_1用の評価関数であり、式12の第2b振幅評価関数は補助コイルEx_2用の評価関数である。なお、式10において、VDmaxは、駆動信号について設定可能な振幅の最大値である。
Figure 0004791599
Figure 0004791599
Figure 0004791599
上記式10は、サチレーションし易いセンスコイルS、すなわち駆動コイルDx_1の近傍に配置されたセンスコイルS_1およびS_5ならびに駆動コイルDx_2の近傍に配置されたセンスコイルS_5およびS_8から読み出された検出信号の電圧値VS_1、VS_5、VS_4およびVS_8の絶対値と基準電圧値VSmaxとの差の絶対値の和に、各センスコイルSから読み出された検出信号の電圧値VS_1〜VS_8の逆数の和と、駆動信号が取り得る振幅の最大値VDmaxに対する実際の駆動信号の振幅の差の和と、を加算する関数である。
そこで本実施の形態では、解A1が最小値もしくはあらかじめ設定しておいた所定値以下となるように、各駆動コイルDx_1およびDx_2に入力する駆動信号の振幅を調整する。これにより、駆動磁界の強度を、各センスコイルSより読み出される検出信号をサチレーションさせることなく、且つ、高い分解能を得るのに十分な程度の強度に調整することが可能となる。なお、式10では、駆動コイルDx_1近傍のセンスコイルS_1およびS_5から読み出される検出信号の電圧値VS_1およびVS_5ならびに駆動コイルDx_2近傍のセンスコイルS_4およびS_8から読み出される検出信号の電圧値VS_4およびVS_8がサチレーションせずにできるだけ大きな値をとり、且つ、各センスコイルS_1〜S_8から読み出した検出信号の電圧値VS_1〜VS_8が0(ゼロ)とならないときに、解A1が最小値となる。
また、上記式11は、補助コイルEx_1が発生する補助磁界の影響を最も受けるセンスコイルS_1から読み出した検出信号の電圧値VS_1のVSmaxに対する差の絶対値を解A2とする関数であり、上記式12は、補助コイルEx_2が発生する補助磁界の影響を最も受けるセンスコイルS_4から読み出した検出信号の電圧値VS_4のVSmaxに対する差の絶対値を解A3とする関数である。
そこで本実施の形態では、解A2および解A3がそれぞれあらかじめ設定しておいた所定値以下となるように、各補助コイルEx_1およびEx_2に入力する補助信号の振幅を調整する。これにより、駆動磁界の影響を受けやすいセンスコイルSに入力される駆動磁界を的確に打ち消すことが可能となり、結果、各センスコイルSより読み出される検出信号をサチレーションさせることなく、且つ、高い分解能を得るのに十分な程度の強度に調整することが可能となる。
次に、本実施の形態による駆動信号および補助信号調整動作について、図面を用いて詳細に説明する。図10は、本実施の形態による駆動信号および補助信号調整動作の概略流れを示すフローチャートである。また、図11Aおよび図11Bは図10のステップS202における位相調整処理の流れを示すフローチャートであり、図12は図10のステップS203における振幅調整処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図9のx軸、y軸およびz軸それぞれの方向の駆動磁界を発生させる3組の駆動コイルDとそれぞれの駆動コイルDに応じた補助コイルEとが設けられている場合を例に挙げる。
図10に示すように、本実施の形態による駆動信号および補助信号調整動作では、まず、制御部201は、x軸、y軸およびz軸のうち何れかを選択し(ステップS201)、選択した軸に関する位相調整処理を式7〜式9に示す第1a、第1bおよび第2位相評価関数を用いて実行する(ステップS202)。続いて制御部201は、選択した軸に関する振幅調整処理を式10〜式12に示す第1〜第3振幅評価関数を用いて実行する(ステップS203)。その後、制御部201は、全ての軸を選択したか否か、すなわち全ての軸に関して位相調整処理および振幅調整処理を実行したか否かを判定し(ステップS204)、選択済みであれば(ステップS204のYes)、駆動信号および補助信号調整処理を終了する。一方、選択済みでなければ(ステップS204のNo)、ステップS201へ帰還して、未選択の軸を選択し、その後、同様の動作を実行する。
図10のステップS202に示す位相調整処理では、図11Aに示すように、制御部201は、ステップS201(図10参照)で選択された軸方向の駆動磁界を発生する対の駆動コイルDを選択し(ステップS211)、選択した駆動コイルDを初期値の振幅および位相で駆動する(ステップS212)。なお、以下では、説明の明確化のため、図11AのステップS211で駆動コイルDx_1およびDx_2が選択された場合を例に挙げる。
次に制御部201は、各センスコイルS_1〜S_8から検出信号を読み出し(ステップS213)、各検出信号の電圧値VS_1〜VS_8から式9の第2位相評価関数を用いて解F3を算出する(ステップS214)。
次に制御部201は、ステップS214で算出した解F3が最小値または所定値以下であるか否かを判定し(ステップS215)、最小値または所定値以下でない場合(ステップS215のNo)、選択中の駆動コイルDx_1およびDx_2のうち一方の駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の位相を固定しつつ、他方の駆動コイルDx_2に入力する駆動信号の位相を変化させる(ステップS216)。続いて制御部201は、ステップS213へ帰還し、以降、第2位相評価関数の解F3が最小となるまで、駆動信号の位相を変化させる。
また、ステップS215の結果、ステップS214で算出した解F3が最小値または所定値以下であると判定された場合(ステップS215のYes)、制御部201は、ステップS201(図10参照)で選択された軸方向の駆動磁界を発生する駆動コイルDのうち未選択の駆動コイルDが存在するか否かを判定し(ステップS217)、未選択の駆動コイルDが存在する場合(ステップS217のYes)、ステップS211へ帰還して、未選択の駆動コイルDを選択する。一方、未選択の駆動コイルDが存在しない場合(ステップS217のNo)、制御部201は、各駆動コイルDに入力している各駆動信号の位相の情報を取得してこれをメモリ部202等に記録しておく(ステップS218)。
次に制御部201は、ステップS201(図10参照)で選択した軸方向の補助磁界を発生する補助コイルEのうち1つを選択し(ステップS219)、また、選択した補助コイルEが発生する補助磁界を打ち消す駆動磁界を発生する駆動コイルDを1つ選択する(ステップS220)。以下では、説明の明確化のため、図10のステップS201においてx軸が選択され、図11BのステップS219およびS220で補助コイルEx_1および駆動コイルDx_1が選択された場合を例に挙げる。
次に制御部201は、選択した駆動コイルDx_1および補助コイルEx_1を初期値の振幅および位相で駆動する(ステップS221)。続いて制御部201は、磁界情報取得部210を駆動して、複数のセンスコイルSのうち選択した補助コイルEx_1に近接するセンスコイルS、すなわち選択した駆動コイルDx_1による影響を受け易いセンスコイルS_1およびS_2から検出信号を読み出し(ステップS222)、読み出した各検出信号の電圧値VS_1およびVS_2から式7の第1a位相評価関数を用いて解F1を算出する(ステップS223)。
次に制御部201は、ステップS223で算出した解F1が最小値または所定値以下であるか否かを判定し(ステップS224)、最小値または所定値以下でない場合(ステップS224のNo)、選択中の駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の位相を固定しつつ、選択中の補助コイルEx_1に入力する補助信号の位相を変化させる(ステップS225)。続いて制御部201は、ステップS222へ帰還し、以降、第1a位相評価関数の解F1が最小値または所定値以下となるまで補助コイルEx_1に入力する補助信号の位相を変化させる。言い換えれば、制御部201は、駆動コイルDx_1に入力する駆動信号の位相に対して補助コイルEx_1に入力する補助信号の位相をスキャンすることで、第1a位相評価関数(式1)が最小値または所定値以下となるポイントを特定する。この結果、駆動コイルDx_1に発生する駆動磁界の位相と補助コイルEx_1に発生する補助磁界の位相とを一致させることが可能となる。
また、ステップS224の結果、ステップS223で算出した解F1が最小値または所定値以下であると判定された場合(ステップS224のYes)、制御部201は、現在の各駆動信号の位相の情報を取得してこれをメモリ部202等に記録しておく(ステップS226)。
その後、制御部201は、選択されているx軸方向の補助磁界を発生する補助コイルEのうち未選択の補助コイルEがあるか否かを判定し(ステップS227)、未選択の補助コイルEがある場合(ステップS227のYes)、ステップS219へ帰還して、以降、未選択の補助コイルEを選択して同様の動作を実行する。例えば上記の例では、補助コイルEx_1および補助コイルEx_2のうち補助コイルEx_2が未選択であるため、ステップS219へ帰還して補助コイルEx_2を選択し、また、この補助コイルEx_2が発生した補助磁場の影響を打ち消す駆動コイルDx_2を選択し、補助コイルDx_2からの補助磁場の影響を受け易いセンスコイルS_3およびS_4から読み出した検出信号と式8の第1b位相評価関数とから算出される解F2を用いて、同様の動作を実行する。これにより、駆動コイルDx_1に入力される駆動信号と補助コイルEx_1に入力される補助信号との位相、および、駆動コイルDx_2に入力される駆動信号と補助コイルEx_2に入力される補助信号との位相がそれぞれ一致するように調整される。
一方、未選択の補助コイルEがない場合(ステップS227のNo)、制御部201は、図10の駆動信号および補助信号調整動作へリターンする。これにより、同時に駆動される全ての駆動コイルDおよび補助コイルEについての駆動信号および補助信号の位相が一致するように調整される。
また、図10のステップS203に示す振幅調整処理では、図12に示すように、制御部201は、ステップS201(図10参照)で選択した軸方向の駆動磁界を発生する対の駆動コイルDおよびこの駆動コイルDが発生した駆動磁界によるセンスコイルSへの影響を打ち消す補助コイルEをそれぞれ選択し(ステップS241)、選択した駆動コイルDおよび補助コイルEが位相調整処理で調整した位相で且つ初期値の振幅の駆動信号で駆動されるように、駆動コイル入力信号調整部230および補助コイル入力信号調整部240を駆動する(ステップS242)。これにより、駆動コイル入力信号調整部230から選択中の駆動コイルDに接続された駆動信号生成器233へ調整された位相および初期値の振幅の駆動信号を生成させるための信号波形が入力され、駆動信号生成器233において駆動信号が生成されて駆動コイルDに入力される。また、補助コイル入力信号調整部240から選択中の補助コイルEに接続された補助信号生成器243へ調整された位相および初期値の振幅の補助信号を生成させるための信号波形が入力され、補助信号生成器243において補助信号が生成されて駆動コイルEに入力される。この結果、選択中の駆動コイルDから駆動信号に応じた磁界が発生して、検出空間K1内に調整された位相で且つ初期強度の駆動磁界が形成され、また、選択中の補助コイルEから補助信号に応じた磁界が発生して、センスコイルSに入力する駆動磁界が打ち消される。なお、以下では、説明の簡略化のため、駆動コイルDx_1およびDx_2と補助コイルEx_1およびEx_2とが選択された場合を例に挙げる。
次に制御部201は、磁界情報取得部210を駆動して、各センスコイルS_1〜S_8から検出信号を読み出し(ステップS243)、各検出信号の電圧値VS_1〜VS_8から式10の第1振幅評価関数を用いて解A1を算出する(ステップS244)。続いて、制御部201は、読み出した各検出信号の電圧値VS_1〜VS_8から式11の第2a振幅評価関数および式12の第2b振幅評価関数を用いて解A2および解A3を算出する(ステップS245)。
次に制御部201は、ステップS245で算出した解A2およびA3が最小値または所定値以下であるか否かを判定し(ステップS246)、最小値または所定値以下でない場合(ステップS246のNo)、ステップS251へ移行して、選択中の各駆動コイルDx_1およびDx_2ならびに補助コイルEx_1およびEx_2に入力する駆動信号および補助信号の振幅を変化させる(ステップS251)。続いて制御部201は、ステップS243へ帰還し、以降、第2a振幅評価関数の解A2および第2b振幅評価関数の解A3が最小値または所定値以下となるまで駆動信号および補助信号の振幅を変化させる。
また、ステップS246の結果、ステップS245で算出した解A2およびA3が最小値または所定値以下であると判定された場合(ステップS246のYes)、制御部201は、次にステップS244で算出した解A1が所定値以下であるか否かを判定し(ステップS247)、所定値以下でない場合(ステップS247のNo)、ステップS251へ移行して、上記と同様に、第1振幅評価関数の解A1が所定値以下となるまで駆動信号および補助信号の振幅を変化させる。
また、ステップS247の結果、ステップS244で算出した解A1が所定値以下であると判定された場合(ステップS247のYes)、制御部201は、各センスコイルS_1〜S_8から読み出した検出信号が飽和しているか否かを判定し(ステップS248)、飽和している場合(ステップS248のYes)、ステップS251へ移行して再度駆動信号および補助信号の振幅を調整する。一方、ステップS248の判定の結果、各検出信号が飽和していない場合(ステップS248のNo)、次に制御部201は、各センスコイルS_1〜S_8から読み出した検出信号が0(ゼロ)であるか否かを判定し(ステップS249)、ゼロである場合(ステップS249のYes)、ステップS251へ移行して再度駆動信号および補助信号の振幅を調整する。
一方、ステップS249の結果、各検出信号がゼロでない場合(ステップS249のNo)、制御部201は、選択中の各駆動コイルDおよび補助コイルEに入力している各駆動信号および補助信号の振幅をメモリ部202等に記録しておき(ステップS250)、その後、図10の駆動信号および補助信号調整動作へリターンする。
なお、本実施の形態による位置検出動作は、本発明の実施の形態1において図8を用いて説明した動作に、補助コイルEによる駆動磁界の打ち消し動作を加えたものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のように、本実施の形態による位置検出システム2は、被検体900内に導入された状態で検出空間K1内に配置されるLCマーカ10と、被検体900外に配置される外部装置200と、を備える。LCマーカ10は、検出空間K1内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生するLC共振回路111を有している。外部装置200は、同時に駆動されることで検出空間K1内に駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルDと、駆動コイルDに駆動磁界を形成させる駆動信号をそれぞれ入力する少なくとも2つの駆動信号生成器233と、検出空間K内に形成された磁界を検出する少なくとも1つのセンスコイルSと、制御部201および駆動コイル入力信号調整部230からなる信号調整部と、磁界情報取得部210および制御部201からなる位置導出部と、センスコイルSの少なくとも1つに入力する駆動磁界を打ち消す補助磁界を発生する補助コイルEと、補助コイルEに補助磁界を発生させる補助信号を入力する補助信号入力部243と、を有している。この構成において、制御部201と駆動コイル入力信号調整部230とは、センスコイルSで検出された磁界に基づいて駆動信号生成器233が駆動コイルDそれぞれに入力する駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する信号調整部として機能する。また、磁界情報取得部210と制御部201とは、センスコイルSで検出された磁界に基づいてLCマーカ10の位置を導出する位置導出部として機能する。さらに、信号調整部は、センスコイルSで検出された磁界に基づいて、駆動信号生成器233が駆動コイルDの少なくとも1つに入力する駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方、ならびに/もしくは、補助信号入力部243が補助コイルEに入力する補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する。これにより、本実施の形態では、実際に検出空間K1内に形成された磁界を検出し、この検出結果に従って同時に駆動する駆動コイルDおよび補助コイルEに入力する駆動信号および補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整するため、検出空間K1内に最適な駆動磁界および補助磁界を形成することができ、結果、装置特性に依らずに最適な駆動磁界および補助磁界を発生して精度良くLCマーカ10の位置を検出することが可能な位置検出システム2およびその位置検出方法を実現することが可能となる。
また、制御部201および駆動コイル入力信号調整部230よりなる信号調整部は、センスコイルSで検出された磁界の強度(例えば電圧値VS)から駆動信号および/または補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて駆動信号および/または補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する。この評価関数には、例えば、センスコイルSのうち駆動コイルDおよび補助コイルEと近接するセンスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)の絶対値の総和を算出する第1aおよび第1b位相評価関数(式7および式8参照)と、センスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)の絶対値の総和を算出する第2位相評価関数(式9参照)と、が含まれる。信号調整部は、駆動コイルDに駆動信号を入力し且つ補助コイルEに補助信号を入力した場合に第1aおよび第1b位相評価関数の解F1およびF2が最小値または所定値以下となるように補助信号の位相を調整し、第2位相評価関数の解F3が最小値または所定値以下となるように駆動信号の位相を調整する。これにより、同時に駆動する複数の駆動コイルDおよび補助コイルEに入力する駆動信号および補助信号の位相を揃えることが可能となる。
また、評価関数には、センスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)とあらかじめ設定しておいた所定値との差の絶対値の総和にセンスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)の逆数の総和を加算する第1振幅評価関数(式10参照)と、センスコイルSのうち駆動コイルDおよび補助コイルEと近接するセンスコイルSで検出された磁界の強度(電圧値VS)とあらかじめ設定しておいた所定値との差の絶対値を算出する第2aおよび第2b位相評価関数(式11および式12参照)と、が含まれる。信号調整部は、選択中の駆動コイルDおよび補助コイルEに駆動信号および補助信号それぞれを入力した場合に第1振幅評価関数の解A1ならびに第2aおよび第2b振幅評価関数の解A2およびA3が最小値または所定値以下となるように駆動信号および補助信号の振幅を調整する。これにより、同時に駆動する複数の駆動コイルDおよび補助コイルEに入力する駆動信号および補助信号の振幅を調整することが可能となる。
(変形例1)
また、本実施の形態による第1、第2aおよび第2b振幅評価関数は、以下の式13〜式15のように変形することができる。以下、これを本実施の形態の変形例1として説明する。
Figure 0004791599
Figure 0004791599
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上記式13に示す第1振幅評価関数は、式10に示す第1振幅評価関数の変形例であり、各センスコイルSから読み出された電圧値VS_1〜VS_8の理想値VS_1r〜VS_8rに対する誤差の絶対値の和(解A1)を算出する関数である。これは、上述した実施の形態1の変形例1による振幅評価関数(式3)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、上記式14または式15に示す第2aまたは第2b振幅評価関数は、補助コイルEに最も近接したセンスコイルS_1またはS_4から読み出した検出信号の電圧値VS_1またはVS_4とその理想値VS_1rまたはVS_4rとの差を算出する関数である。そこで、第2aおよび第2b振幅評価関数の解A2およびA3が最小値または所定値以下となるように補助コイルEx_1およびEx_2に入力する補助信号の振幅を調整することで、センスコイルS_1〜S_4に入力される駆動磁界を的確に打ち消すことが可能となるため、より精度の高い位置検出が可能となる。なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(変形例2)
また、本実施の形態およびその変形例1で例示した各評価関数(式7〜式15参照)は、上記実施の形態1の変形例2と同様に、各センスコイルS_1〜S_8ならびに駆動コイルDx_1およびDx_2の重みをあらかじめ設定しておき、この重み付けが考慮されるように構成してもよい(以下に示す式16〜式24参照)。なお、式16において、αは駆動コイルDx_1に対する重みであり、βは駆動コイルDx_2に対する重みである。
Figure 0004791599
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また、上記のような重みを、駆動信号および/または補助信号の振幅および位相の少なくとも一方やセンスコイルSで検出された磁界の強度との少なくとも一方などに基づいて、制御部201(信号調整部)が変更するように構成してもよい。この場合、例えば制御部201は、駆動信号または補助信号の位相または振幅を大きく変更した場合、これにより影響を受けるセンスコイルSに対する重みを大きくし、影響を受け難いセンスコイルSに対する重みを軽くする。これにより、上記各評価関数を位相または振幅の変更に対してセンシティブな評価関数とすることが可能となるため、より高い精度で駆動信号および補助信号の調整が可能となる。
なお、他の構成は、上記実施の形態1または2(変形例を含む)と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3による位置検出磁気誘導システム3の構成および動作について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明において、本発明の実施の形態1または2と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図13は、本実施の形態による位置検出磁気誘導システム3の概略構成を示す模式図である。図13に示すように、位置検出磁気誘導システム3は、検出体としてのLCマーカ20が導入された被検体を収容する検出空間K1と、検出空間K1内のLCマーカ20の位置および向き(姿勢または方向ともいう)を検出する外部装置300と、を備える。
・LCマーカ
本実施の形態によるLCマーカ20は、図14に示すように、上記実施の形態におけるLCマーカ10(図2参照)と同様の構成において、さらに永久磁石M12を備えている。この永久磁石M12は、LCマーカ20の筐体18に対して固定されており、後述するガイダンス磁界が作用することで、LCマーカ20の位置や向きを変化させる推進力や回転力をLCマーカ20に発生させる。なお、本発明では永久磁石M12に限らず、後述するガイダンス磁界が作用する磁界を発生させることが可能な構成であれば如何様にも変更することが可能である。また、他の構成は、上述の実施の形態によるLCマーカ10と同様である。
また、検出空間K1には、上記各実施の形態と同様に、検出空間K1内にそれぞれ異なる方向の略均一な駆動磁界を形成する駆動コイルDx、DyおよびDz(以下、任意の駆動コイルの符号をDとする)と、LCマーカ20のLC共振回路111が発生した共振磁界を検出する複数のセンスコイルS_1、S_2、…(以下、任意のセンスコイルの符号をSとする)と、が配設される。さらに、検出空間K1には、検出空間K1内にそれぞれ異なる方向のガイダンス磁気を形成するガイダンスコイルG_x、G_yおよびG_z(以下、任意のガイダンスコイルの符号をGとする)が配設される。ただし、図13では、説明の明確化のため、それぞれ対を成す駆動コイルDのうち一方の駆動コイルを省略する。また、図13では、検出空間K1の天井側に設けられたセンスコイルSを省略する。さらに、特に図示されていない構成についても、上記実施の形態で説明した検出空間K1の構成と同様である。
各ガイダンスコイルGは、それぞれ検出空間K1を挟んで対向する不図示のガイダンスコイルと対をなし、それぞれLCマーカ20(特に永久磁石M12)の位置や向きに応じてLCマーカ20を目標とする位置や向きへ誘導するためのガイダンス磁界を検出空間K1内に形成する。なお、以下では、説明の簡略化のため、図示されている方のガイダンスコイルGに着目する。
また、外部装置300は、制御部201とメモリ部202と操作入力部203と表示部204と無線受信部205と無線送信部206との他に、駆動コイル入力信号調整部230と磁気情報取得部310と位置情報演算部220とガイダンスコイル駆動部340とを備える。
駆動コイル入力信号調整部230は、上記した各実施の形態と同様である。この駆動コイル入力信号調整部230は、例えば、制御部201から入力された信号に基づいて駆動信号を生成する駆動信号生成部231と、制御部201からの制御に従って駆動信号を入力する駆動コイルDを切り替える駆動コイル切替部232と、を含む。なお、駆動信号生成部231は、上記した実施の形態における駆動信号生成器233を各駆動コイルDに対して共通化したものである。したがって、この駆動信号生成部231は、駆動コイルDごとに設けられた駆動信号生成器233a、233b、…に置き換えてもよい。
磁気情報取得部310は、例えば、信号検出部311とセンスコイル選択部312と干渉補正部313とを含む。
センスコイル選択部312は、例えば、制御部201からの制御の下、信号検出部311が検出信号の読み出し対象とするセンスコイルSを複数のセンスコイルSの中から選択する。
信号検出部311は、定期的または不定期に、センスコイルSに生じた電圧変化を検出信号として読み出し、読み出した検出信号に適宜、増幅、帯域制限、A/D変換、および、高速フーリエ変換などの処理を実行することで、選択中のセンスコイルSに入力された磁界の情報を示すFFTデータ(または検出値)を生成する。なお、各センスコイルSから読み出した検出信号は、各センスコイルSが配置された位置における磁界の強度や位相などの磁界情報を電圧の変化で表した信号である。また、FFTデータは、センスコイルSから読み出した検出信号に含まれる磁界情報を強度と位相との成分よりなる情報に変換したデータである。このように生成されたFFTデータは、例えばセンスコイル選択部212を介して干渉補正部313に入力される。
干渉補正部213は、センスコイル選択部312を介して入力されたFFTデータからこれに含まれる干渉磁界などの不要磁界の成分を除去する。なお、不要磁界については、上述の各実施の形態で説明した、駆動コイルDがLC共振回路111からの共振磁界によって励起されて生じた不要磁界の他に、ガイダンスコイルGが共振回路111からの共振磁界によって励起されて生じた不要磁界も含まれる。このガイダンスコイルGからの不要磁界についても、上述の各実施の形態で説明した駆動コイルDからの不要磁界と同様の方法で除去することが可能であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、本実施の形態では、磁気情報取得部310を例示するが、本発明はこれに限定されず、上記各実施の形態で説明した磁気情報取得部210を用いることも可能である。
磁気情報取得部310は、取得した不要磁界成分除去後の磁界情報(FFTデータ)を位置情報演算部220に入力する。なお、位置情報演算部220は、上述した各実施の形態と同様に、入力したFFTデータを用いてLCマーカ20の位置および向きを導出し、これを制御部201へ入力する。なお、磁気情報取得部310からのFFTデータは、制御部201を介して位置情報演算部220に入力されてもよい。
ガイダンスコイル駆動部340とガイダンスコイルGとは、LCマーカ20に固定された永久磁石M12に作用するガイダンス磁界を検出空間K1内に形成して、LCマーカ20を目標の位置および向きへ誘導するための構成である。なお、目標の位置および向きは、例えば操作者が操作入力部203を操作して制御部201へ入力される。
ガイダンスコイル駆動部340は、例えば、位置情報演算部220において導出されたLCマーカ20の位置および向きと制御部201から入力された目標の位置および向きとに基づいて、LCマーカ20を目標の位置および向きへ誘導するための情報(以下、これをガイダンス情報という)を取得し、このガイダンス情報に基づいて共振周波数F0と異なる周波数の信号波形を1つ以上生成し、この信号波形を用いて1つ以上のガイダンスコイルGに入力するガイダンス信号を適宜生成する。また、ガイダンスコイル駆動部340は、生成したガイダンス信号を適宜電流増幅した後、増幅後のガイダンス信号を該当するガイダンスコイルGへ出力する。これにより、検出空間K1内にLCマーカ20を目標の位置および向きへ誘導するためのガイダンス磁界が形成される。
なお、ガイダンス情報は、目標とする位置および向きや、目標とするLCマーカ20の速度および角速度や、目標とするLCマーカ20の加速度および角加速度など、種々の情報を用いることができる。
さらに、ガイダンス情報は、例えば、入力されたLCマーカ20の現在の位置および向きならびに目標の位置および向きに対応づけてルックアップテーブルなどに予め登録されていてもよい。ただし、これに限定されず、例えば入力されたLCマーカ20の現在の位置および向きと目標の位置および向きとから求まる、LCマーカ20へ要求する移動量および姿勢の変化量をベクトルで表したものに、予め求めておいたガイダンス情報を対応づけて、LUT等で管理されていてもよい。
また、位相評価関数や振幅評価関数等の評価関数(式1〜式24参照)を含む他の構成は、上記した各実施の形態と同様である。したがって、本実施の形態によっても、上記した各実施の形態と同様の効果を奏することが可能となる。さらに、本実施の形態では、ガイダンスコイルGからの干渉磁界についても除去することが可能となるため、LCマーカ20を磁気(ガイダンス磁界)により誘導可能なシステムにおいても、実際に検出空間K1内に形成された磁界を検出し、この検出結果に従って同時に駆動する駆動コイルDに入力する駆動信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整するため、検出空間K1内に最適な駆動磁界を形成することができ、結果、装置特性に依らずに最適な駆動磁界を発生して精度良くLCマーカ20の位置を検出することが可能な位置検出磁気誘導システム3およびその位置検出磁気誘導方法を実現することが可能となる。
なお、本実施の形態についても、上述の他の実施の形態と同様に、その変形例を適用することが可能であることは言うまでもない。
また、上記実施の形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、本発明による位置検出方法は、駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルと該駆動コイルが発生した駆動磁界を一部の空間で打ち消す補助磁界を発生する補助コイルとが配置された検出空間内に導入されて前記駆動磁界に応じて共振磁界を発生する検出体の位置を検出する位置検出方法であって、前記検出空間内に前記検出体が導入されていない状態で、前記少なくとも2つの駆動コイルそれぞれに駆動信号を入力することで前記検出空間内に形成された磁界、ならびに、前記少なくとも2つの駆動コイルのうち少なくとも1つと前記補助コイルとにそれぞれ駆動信号および補助信号を入力することで前記検出空間内に形成された磁界を、少なくとも1つのセンスコイルで検出する第1検出ステップと、前記第1検出ステップで検出された磁界に基づいて前記駆動信号および前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整する調整ステップと、前記検出空間内に前記検出体が導入された状態で前記調整ステップで位相または振幅の少なくとも一方が調整された駆動信号および補助信号を前記駆動コイルおよび前記補助コイルにそれぞれ入力することで前記検出空間内に駆動磁界および補助磁界を形成する駆動ステップと、前記駆動ステップで前記検出空間内に前記駆動磁界および前記補助磁界を形成した際の前記検出空間内の磁界を少なくとも1つのセンスコイルで検出する第2検出ステップと、前記第2検出ステップで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出ステップと、を含んでもよい。
また、上述の位置検出方法は、前記調整ステップが、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整してもよい。
また、上述の位置検出方法は、前記調整ステップが、前記センスコイルのうち前記駆動コイルおよび前記補助コイルと近接するセンスコイルで検出された磁界の強度の絶対値の総和を算出する第1位相評価関数と、前記センスコイルで検出された磁界の強度の絶対値の総和を算出する第2位相評価関数と、を用い、前記駆動コイルに前記駆動信号を入力し且つ前記補助コイルに前記補助信号を入力した場合に前記第1位相評価関数の解が最小値または所定値以下となるように前記補助信号の位相を調整し、前記第2位相評価関数の解が最小値または所定値以下となるように前記駆動信号の位相を調整してもよい。
また、上述の位置検出方法は、前記調整ステップが、前記センスコイルで検出された磁界の強度とあらかじめ設定しておいた所定値との差の絶対値の総和に前記センスコイルで検出された磁界の強度の逆数の総和を加算する第1振幅評価関数と、前記センスコイルのうち前記駆動コイルおよび前記補助コイルと近接するセンスコイルで検出された磁界の強度とあらかじめ設定しておいた所定値との差の絶対値を算出する第2振幅評価関数と、を用い、前記駆動コイルに前記駆動信号を入力し且つ前記補助コイルに前記補助信号を入力した場合に、前記第1振幅評価関数が最小値または所定値以下となり、且つ、前記第2振幅評価関数が所定値以下となるように、前記駆動信号と前記補助信号との振幅を調整してもよい。
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4による位置検出システム4の構成および動作を、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態は、後述する補助コイル1244aおよび1244bを用いて各センスコイル1214に入力される駆動磁界DMFの成分を低減する位置検出システム4において、センスコイル1214ごとの最適な補助磁界SMFの強度を求めると共に、各センスコイル1214から読み出される検出信号Sdetに含まれる共振磁界RMF以外の成分を実測値に基づいてキャンセルすることで、より精度を高めて共振磁界発生源(LCマーカ10の特にLC共振回路111)の位置や向きを検出するためのものである。また、以下の説明において、本発明の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
(位置検出構成)
図15は、本実施の形態による位置検出システム4の概略構成を示す模式図である。図15に示すように、位置検出システム4は、被検体内導入装置としてのLCマーカ10が導入された被検体900を収容する円筒状の検出空間K2と、検出空間K2内のLCマーカ10の位置および向き(姿勢)を検出する外部装置400と、を備える。
・LCマーカ
本実施の形態によるLCマーカ10は、図2に示すように、位置検出用の共振磁界を発生する共振磁界発生部11(図15参照)を有する。共振磁界発生部11は、並列接続されたコンデンサ(C)とインダクタ(L)とよりなるLC共振回路111を含み、外部から入力された共振周波数F0と略等しい周波数の位置検出用の磁界(以下、駆動磁界という)DMFによって励起することで、共振周波数F0の共振磁界(RMF)を放出する。なお、共振周波数F0は、並列接続されたコンデンサ(C)とインダクタ(L)とによって決定されるLC共振回路111の共振周波数である。また、他の構成は、上述の実施の形態1,2によるLCマーカ10と同様である。
・検出空間
図15に戻り説明する。検出空間K2には、検出空間K2内に略均一な駆動磁界DMFを形成する駆動コイル1224aおよび1224bと、LCマーカ10のLC共振回路111が発生した共振磁界を検出する複数のセンスコイル1214、1215および複数のセンスコイル1214および1215がそれぞれ実装される配線基板1214Bおよび1215Bと、駆動磁界DMFの影響を特に受けやすいセンスコイル1214の近傍に配置された補助コイル1244aおよび1244bと、が配設される。また、配線基板1214Bは、例えばLCマーカ10が導入された被検体900が載置される載置台1250の下側に設置される。
検出空間K2を挟んで対向する駆動コイル1224aおよび1224bは対をなし、例えば検出空間K2内にx軸方向に延在する磁力線よりなる略均一な駆動磁界DMFを発生する。なお、検出空間K2内にx軸と異なる方向へ延在する磁力線よりなる略均一な駆動磁界DMFを発生させる駆動コイルを別途設けてもよい。これによりLCマーカ10のLC共振回路111(特にインダクタ(L))が検出空間K2内において如何なる方向を向いたとしても、安定した強度の共振磁界をLC共振回路111に発生させることが可能となり、この結果、LCマーカ10の位置検出精度を改善することが可能となる。また、以下の説明において、任意の駆動コイルの符号を1224として説明する。
各センスコイル1214および1215は、例えばy軸方向の磁界強度および方向を検出可能なコイルを含む磁気センサである。ただし、これに限定されず、例えば磁気抵抗素子や磁気インピーダンス素子(MI素子)などよりなる磁気センサを用いて各センスコイル1214および/または1215を構成してもよい。また、各センスコイル1214を、x軸、y軸またはz軸をそれぞれ検出する3つのコイルよりなる3軸磁気センサなどで構成することも可能である。
複数のセンスコイル1214または1215は、駆動磁界DMFの影響を受け難く且つLC共振回路111が発生した共振磁界を検出し易い位置に配置される。本実施の形態では、複数のセンスコイル1214が検出空間K2の下側に配置された配線基板1214Bの底面(検出空間K2下側のx−y平面)に2次元配列された例を示し、また、複数のセンスコイル1215が検出空間K2の上側に配置された配線基板1215Bの上面(検出空間上側のx−y平面)に2次元配列された例を示す。
なお、センスコイル1214および1215のうち、例えば検出空間K2の下側に配置されたセンスコイル1214は、上側に配置されたセンスコイル1215と比べて駆動コイル1224に近接して配置される。このように駆動コイル1224に近接して配置されると、図16Aまたは図16Bに示すように、各センスコイル1214には、駆動コイル1224が形成する駆動磁界DMFが強く入力する。なお、図16Aは、本実施の形態における駆動コイル1224aが発生した駆動磁界DMFとセンスコイル1214との関係を示す図であり、図16Bは、本実施の形態における駆動コイル1224bが発生した駆動磁界DMFとセンスコイル1214との関係を示す図である。
そこで本実施の形態では、各センスコイル1214に入力する駆動磁界DMFを打ち消す補助磁界SMFを出力するための補助コイル1244aおよび1244bを設ける。補助コイル1244aおよび1244bは、複数のセンスコイル1214のうちの何れかから信号(以下、これを検出信号Sdetという)を読み出す際に該当するセンスコイル1214に入力する駆動磁界DMFを打ち消すための補助磁界SMFを放出することで、各センスコイル1214に入力する駆動磁界DMFの成分を低減する。以下の説明において、任意の補助コイルの符号を1244として説明する。
ただし、駆動磁界DMFが各センスコイル1214へ与える影響は、駆動コイル1224とセンスコイル1214との位置関係に依って変化する。この影響は、通常、駆動コイル1224に近接しているセンスコイル1214ほど強い。そこで本実施の形態では、図15および図17Aまたは図17Bに示すように、複数のセンスコイル1214のうち駆動コイル1224の近傍に配置されたセンスコイル1214に最も強く補助磁界SMFが入力されるように、補助コイル1244を配置する。この際、各補助コイル1244から出力する磁力線の方向が近傍の最も駆動コイル1224に近接したセンスコイル1214へ向いているとよい。これにより、駆動磁界DMFを打ち消すために発生させる補助磁界SMFの磁界強度を抑えることが可能となる。なお、図17Aは、本実施の形態4における駆動コイル1224aが発生した駆動磁界DMFと補助コイル1244aが発生した補助磁界SMFとセンスコイル1214との関係を示す図であり、図17Bは、本実施の形態4における駆動コイル1224bが発生した駆動磁界DMFと補助コイル1244bが発生した補助磁界SMFとセンスコイル1214との関係を示す図である。
また、上記では、センスコイル1214側に補助コイル1244を配設する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、センスコイル1215側にも補助コイル1244を設けて各センスコイル1215に入力される駆動磁界DMFを低減するように構成してもよい。
・外部装置
また、外部装置400は、駆動コイル1224の駆動に用いる信号(以下、駆動信号という)を出力する駆動磁界発生部1220と、補助コイル1244の駆動に用いる信号(以下、補助信号という)を補助磁界SMFを出力する補助磁界発生部1240と、センスコイル1214で得られた電圧変化(検出信号Sdet)からLCマーカ10の位置および向きを導出する位置導出部1210と、外部装置400内の各部を制御する制御部1201と、制御部1201が各部を制御する際に実行する各種プログラムおよびパラメータ等を記憶するメモリ部1202と、操作者がLCマーカ10に対する各種操作指示を入力する操作入力部1203と、LCマーカ10の位置や向きの情報(以下、単に位置情報等という)およびLCマーカ10から取得した被検体内情報を画像(映像を含む)や音声で表示する表示部1204と、LCマーカ10から無線信号として送信された被検体内情報等を受信する無線受信部1205と、LCマーカ10へ撮像指示などの各種操作指示を無線信号として送信する無線送信部1206と、を備える。
制御部1201は、例えばCPUやMPUなどで構成され、メモリ部1202から読み出したプログラムおよびパラメータに従って、外部装置400内の各部を制御する。具体的には、制御部1201は、例えば、駆動磁界発生部1220に駆動信号を駆動コイル1224へ入力させつつ補助磁界発生部1240に補助信号を補助コイル1244に入力させた状態でセンスコイル1214より読み出された検出信号に基づいて信号処理部143に磁界の情報を導出させ、これにより得られた磁界の情報とメモリ部1202等に記憶された位相とメモリ部1202等に記憶された合成磁界の情報とを用いて位置導出部1210にLCマーカ10の位置を導出させる。また、メモリ部1202は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などで構成され、制御部1201が各部を制御する際に実行するプログラムおよびパラメータを保持する。このメモリ部1202は、LCマーカ10から受信した被検体内画像や位置導出部1210が導出したLCマーカ10の位置や向きなどの位置情報等を適宜保持する。
操作入力部1203は、例えばキーボードやマウスやテンキーやジョイスティックなどで構成され、撮像指示(その他の被検体内情報取得指示を含む)などのLCマーカ10に対する各種操作指示や、LCマーカ10を誘導する際の移動指示や表示部1204に表示する画面を切り替える画面切替指示などの外部装置400に対する各種操作指示などを、操作者が入力するための構成である。なお、表示部1204に表示する画面の切替機能は、LCマーカ10が複数の撮像部142を備えており、且つ、略リアルタイムにLCマーカ10で取得された画像を表示部1204に表示する場合に備えるとよい。
表示部1204は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイやLEDアレイや有機ELディスプレイなどの表示装置で構成され、LCマーカ10の位置情報等やLCマーカ10から送信された被検体内画像等の被検体内情報を表示する。また、表示部1204には、スピーカなどを用いた音声再生機能を搭載していてもよい。表示部1204は、この音声再生機能を用いて各種操作ガイダンスやLCマーカ10のバッテリ残量などについての情報(警告等を含む)を操作者に音で報知する。
無線受信部1205は、検出空間K2に近接して配置されたダイポールアンテナなどよりなる不図示の受信用アンテナに接続されている。この受信用アンテナは、例えば検出空間K2近傍に配置される。無線受信部1205は、受信用アンテナを介してLCマーカ10から無線信号として送信された被検体内画像等を受信し、受信した信号にフィルタリング、ダウンコンバート、復調および復号化などの種々の処理を実行した後、これを制御部1201へ出力する。すなわち、無線受信部1205は、LCマーカ10から送信された被検体内情報(例えば被検体内画像)を受信する被検体内情報受信部(例えば画像受信部)としても機能する。
無線送信部1206は、検出空間K2に近接して配置されたダイポールアンテナなどよりなる不図示の送信用アンテナに接続されている。この送信用アンテナは、例えば検出空間K近傍に配置される。無線送信部1206は、制御部1201から入力されたLCマーカ10に対する各種操作指示などの信号に送信用の基準周波数信号への重畳や変調やアップコンバートなどの種々の処理を実行した後、これを電波信号として送信用アンテナ15aからLCマーカ10へ送信する。
駆動磁界発生部1220は、信号生成部1221と駆動コイル駆動部1222とを有する。信号生成部1221は、制御部1201から入力された制御信号に従って、LCマーカ10におけるLC共振回路111の共振周波数F0と略等しい周波数を有する信号波形を算出し、この信号波形を有する駆動信号を生成して、これを駆動コイル駆動部1222へ出力する。
駆動コイル駆動部1222は、信号生成部1221から入力された駆動信号を電流増幅した後、増幅後の駆動信号を駆動コイル1224へ入力する。増幅後の駆動信号が入力された駆動コイル1224は、LCマーカ10のLC共振回路111が持つ共振周波数F0と略等しい周波数の磁界を放出し、これにより、検出空間K2内にLC共振回路111を励起させる駆動磁界DMFが形成される。なお、駆動コイル駆動部1222による電流増幅率は、後述するセンスコイル1214および信号処理部1211の処理能力(例えばダイナミックレンジ)やセンスコイル1214により得られる検出信号SdetのS/N比などを鑑みて設定される。
補助磁界発生部1240は、信号生成部1241と補助コイル駆動部1242とを有する。信号生成部1241は、制御部1201から入力された制御信号に従って、LCマーカ10におけるLC共振回路111の共振周波数F0と略等しい周波数を有し且つ駆動信号と略180°ずれた位相を有する信号波形を算出し、この信号波形を有する補助信号を生成して、これを補助コイル駆動部1242へ出力する。
補助コイル駆動部1242は、信号生成部1241から入力された補助信号を電流増幅した後、増幅後の補助信号を補助コイル1244へ入力する。増幅後の補助信号が入力された補助コイル1244は、LCマーカ10のLC共振回路111が持つ共振周波数F0と略等しい周波数の磁界を放出し、これにより、駆動対象のセンスコイル1214に入力する駆動磁界DMFを打ち消す補助磁界SMFが放出される。
位置導出部1210は、センスコイル1214から読み出された検出信号Sdetに含まれる磁界の情報(以下、これを磁界情報という)に対して所定の処理を実行することで、LCマーカ10の位置および向き(位置情報等)を略リアルタイムに導出する。
この位置導出部1210は、例えば信号処理部1211および位置計算部1212を含んで構成される。信号処理部1211は、複数のセンスコイル1214それぞれから検出信号Sdetを読み出す。また、信号処理部1211は、読み出した検出信号Sdetを適宜、増幅、帯域制限、A/D変換、FFTし、処理後の検出信号Sdet(FFTデータ)を位置計算部1212へ出力する。なお、信号処理部1211は、定期的にセンスコイル1214から検出信号Sdet(FFTデータ)を読み出し、これに上述の信号処理を実行した後、位置計算部1212へ出力する。なお、各センスコイル1214から出力された検出信号Sdetは、各センスコイル1214が配置された位置における磁界の強度や位相などの磁界情報を電圧で表した信号である。
位置計算部1212は、信号処理部1211から入力された検出信号Sdetに対して所定の演算処理を実行することで、検出信号Sdetに含まれる磁界情報からLCマーカ10の現在の位置情報等を導出する。また、位置計算部1212は、導出した位置情報等を制御部1201へ出力する。
なお、例えば図18に示すように、補助コイル1244を設けない場合、各センスコイル1214から読み出された検出信号Sdetには、LC共振回路111から放出された共振磁界RMFの成分(共振磁界成分)の他に、共振周波数F0と略等しい周波数を持つ駆動磁界DMFの成分が含まれる。この駆動磁界DMFの成分は、位置情報等を導出する際には不要な磁界の成分である。したがって、各センスコイル1214から読み出した検出信号Sdetそのままでは、LCマーカ10(特にLC共振回路111)の正確な位置情報等を導出することができない。なお、図18は、本実施の形態において駆動磁界DMFを発生させた際の駆動磁界DMFと検出信号Sdetと共振磁界RMFとの関係を示す図である。
また、例えば図19に示すように、補助コイル1244を用いた場合であっても、補助磁界SMFによってセンスコイル1214に入力される駆動磁界DMFが完全に打ち消されなければ、位置計算部1212に入力される検出信号Sdetには、共振磁界RMFの他に、不要磁界の成分として、駆動磁界DMFと補助磁界SMFとを合成した合成磁界CMFの成分が含まれる。したがって、上記と同様に、検出信号Sdetから合成磁界CMFの成分を除去しなければ、LCマーカ10(特にLC共振回路111)の正確な位置および向きを導出することができない。なお、図19は、本実施の形態において駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを発生させた際の駆動磁界DMFと補助磁界SMFと合成磁界CMFと検出信号Sdetと共振磁界RMFとの関係を示す図である。
さらに、通常、駆動コイル駆動部1222と駆動コイル1224との間の電気的経路等にはインピーダンスや寄生容量などが存在するため、駆動コイル1224が発生した駆動磁界DMFの位相が駆動コイル駆動部1222が出力した駆動信号の位相から遅れてしまう。すなわち、駆動信号と駆動磁界との間に位相差が発生する。このような位相差は、位置検出結果に誤差を生じさせるため、排除されることが好ましい。
そこで本実施の形態では、信号処理部1211から出力された検出信号Sdetに対し、合成磁界CMFの成分を除去する処理と、駆動磁界DMFの駆動信号に対する位相差を除去する処理と、を実行する。以下、これらを含む処理を2段階キャリブレーション処理という。これにより、実際に形成された磁界に応じて検出信号Sdetから共振磁界情報を抽出することが可能となるため、より精度の高い位置検出が可能となる。
2段階キャリブレーション処理を実行するにあたり、本実施の形態では、例えばプレキャリブレーション処理として、検出空間K2内にLCマーカ10(すなわちLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動コイル1224を駆動して検出空間K2内に駆動磁界DMFを形成し、この状態で検出空間K2内に実際に形成された駆動磁界DMFを例えば位置導出部1210で検出し、得られた駆動磁界DMFの情報からこれの位相(例えば駆動信号を基準とした位相:後述する第1キャリブレーション情報に相当)を取得しておく。なお、第1キャリブレーション情報取得時は、駆動磁界DMFのみが発生しているため、各センスコイル1214の位置での磁界の位相と検出空間K2の磁界の位相とは同じになる。また、同じくプレキャリブレーション処理として、検出空間K2内にLCマーカ10(すなわちLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動コイル1224および補助コイル1244を駆動して検出空間K2内に駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを形成し、この状態で検出空間K2内に実際に形成された磁界(合成磁界CMF)を検出することで、共振磁界RMFの成分が含まれていない磁界情報(合成磁界CMFの情報:後述する第2キャリブレーション情報に相当)を導出しておく。また、2段階キャリブレーション処理では、例えばメモリ部1202等に保持しておいた第1および第2キャリブレーション情報を読み出して、検出信号Sdetに含まれる磁界情報から第1および第2キャリブレーション情報を除去する処理を行う。これにより、検出信号Sdetから共振磁界RMFの成分を抽出することができる。
なお、共振磁界RMFの成分を含まない磁界(合成磁界CMF)の位相(第1キャリブレーション情報)は、例えばセンスコイル1214より読み出した検出信号Sdetから導出することも、検出空間K2内に別途配置した磁界センサ(不図示)より読み出した検出信号から導出することも可能である。ただし、磁界センサから読み出した検出信号に対する処理は、例えば位置導出部1210を用いることが可能である。また、共振磁界RMFの成分が含まれていない磁界情報(第2キャリブレーション情報)は、例えばセンスコイル1214より読み出した検出信号Sdetから導出することが可能である。
なお、第2キャリブレーション情報取得時および位置検出動作時は、補助コイル1244から発生した補助磁界SMFによりセンスコイル1214の位置では磁界の位相が変化する。一方で、検出空間K2では、補助コイル1244が小さいため、補助コイル1244から磁界が届かず、磁界の位相は駆動磁界DMFと略同じとなる。よって第1キャリブレーションで検出空間K2に発生する磁界の位相を検出し、第2キャリブレーションでセンスコイル1214の位置での合成磁界CMFの位相を検出することができる。
以上のような処理によって検出信号Sdetから抽出された共振磁界情報を用いて位置計算部1212が導出した位置情報等は、制御部1201に入力される。制御部1201は、入力された位置情報等を用いて、LCマーカ10の現在の位置や向きなどの情報を表示部1204に表示する。これにより、操作者は、表示部1204からLCマーカ10の現在の位置や向きを確認することが可能となる。
また、操作者は、操作入力部1203からLCマーカ10の位置や向きを操作する操作指示を入力することが可能である。さらに、操作者は、操作入力部1203を用いてLCマーカ10に被検体内情報の取得指示などを入力することも可能である。
(位置導出手順)
次に、本実施の形態による位置導出の手順について、図面を用いてより詳細に説明する。図20は、本実施の形態による位置導出の手順内容を説明するための図である。
図20に示すように、本実施の形態では、まず、プレキャリブレーション処理によって、LCマーカ10(特にLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動磁界DMFを発生させた際に各センスコイル1214の位置に形成される駆動磁界DMFの位相を実測しておき、これを例えば第1キャリブレーション情報としてメモリ部1202等(位相記憶部)に記憶しておく。なお、駆動磁界発生部1220から駆動コイル1224へ入力される駆動信号の強度および位相は例えば図20の複素ベクトル‘A’となるのに対し、信号処理部1211から読み出された検出信号Sdetに含まれる駆動磁界DMFの強度および位相は例えば図20の複素ベクトル‘B’となる。また、図20において、複素ベクトル‘A’に対する複素ベクトル‘B’の傾きθを示す駆動磁界成分線L1は、駆動磁界DMFの駆動信号に対する位相差、すなわち、駆動信号の位相を基準とした駆動磁界DMFの位相を示している。
また、本実施の形態では、同じくプレキャリブレーション処理によって、LCマーカ10(特にLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを発生させた際に各センスコイル1214の位置に形成される合成磁界CMFの強度および位相を取得し、これを例えば第2キャリブレーション情報としてメモリ部1202等(合成磁界情報記憶部)に記憶しておく。なお、合成磁界CMFの強度および位相は、例えば図20の複素ベクトル‘C’となる。
また、実際の位置導出処理における2段階キャリブレーション処理では、あるセンスコイル1214から読み出した検出信号Sdetに含まれる磁界情報が図20における複素ベクトル‘D’とすると、これから第2キャリブレーション情報(複素ベクトル‘C’)をベクトル演算により引算する。これにより、検出信号Sdetに含まれる磁界情報から合成磁界CMFの成分(複素ベクトル‘C’)が除去される(複素ベクトル‘E’=複素ベクトル‘D’−複素ベクトル‘C’)。続いて、上記ベクトル演算により得られた複素ベクトル‘E’を、駆動磁界DMFの位相を示す駆動磁界成分線L1に投影することで、複素ベクトル‘E’の駆動磁界成分線L1に対する余弦成分を導出する。これにより、検出信号Sdetから共振磁界RMF成分(複素ベクトル‘F’)を抽出することができる。
以上のような処理を実行することで、より正確に共振磁界RMF成分(複素ベクトル‘F’)を抽出することが可能となり、結果、LCマーカ10のより正確な位置や向き等の情報を導出することができる。
(位置検出動作)
次に、本実施の形態による位置検出の動作を図面と共に詳細に説明する。図21は、本実施の形態による位置検出動作の概念を説明するための図である。また、図22は、本実施の形態による第1プレキャリブレーション処理の概略流れを示すフローチャートであり、図23は、本実施の形態による第2プレキャリブレーション処理の概略流れを示すフローチャートである。なお、本動作説明では、外部装置400の各部を制御する制御部1201の動作に着目して説明する。
・プレキャリブレーション処理
本実施の形態では、実際のLCマーカ10の位置検出処理を実行する前に、図21に示すように、プレキャリブレーション処理として、第1プレキャリブレーション処理(ステップS1101)と第2プレキャリブレーション処理(ステップS1102)とを実行する。なお、プレキャリブレーション処理では、図15における検出空間K2内にLCマーカ10が導入されていない状態で行われる。
・・第1プレキャリブレーション処理
図21のステップS101に示す第1プレキャリブレーション処理では、図22に示すように、制御部1201は、未選択の駆動コイル1224を1組選択し(ステップS1111)、続いて未選択のセンスコイル1214を1つ選択する(ステップS1112)。なお、図15では、1組の駆動コイル1224aおよび1224bを例示しているが、本説明では不図示の複数組の駆動コイルが検出空間K2近傍に配置されており、これらが駆動磁界発生部1220を用いて適宜駆動されるとする。
次に制御部1201は、駆動磁界発生部1220を駆動することで、駆動磁界DMFを発生させるための駆動信号を生成して、これをステップS1111で選択した駆動コイル1224に入力する(ステップS1113)。続いて制御部1201は、駆動磁界発生部1220の信号生成部1221が発生する駆動信号の振幅を徐々に増幅させながら(ステップS1114)、位置導出部1210の信号処理部1211によって選択中のセンスコイル1214から読み出された検出信号Sdetの信号強度(振幅)が第1所定値以上になったか否かを判定する(ステップS1115)。なお、第1所定値は、検出信号Sdetを読み出す信号処理部1211のダイナミックレンジに応じて設定される値であり、例えばこのダイナミックレンジの90%などの値とされる。ただし、第1所定値は、上記値に限定されず、検出信号Sdetの信号強度が移送を導出するのに十分な強度を持てばよい。
ステップS1115の判定の結果、検出信号Sdetの信号強度が第1所定値以上となった場合(ステップS1115のYes)、制御部1201は、選択中のセンスコイル1214より読み出された検出信号Sdetから駆動磁界DMFの位相(図20の駆動磁界成分線L1参照)を導出し(ステップS1116)、これを第1キャリブレーション情報として例えばメモリ部1202等に記憶しておく(ステップS1117)。なお、駆動信号の振幅の増幅(ステップS1114)は、検出信号Sdetの信号強度が第1所定値以上となるまで継続される(ステップS1115のNo)。また、第1キャリブレーション情報は、位置導出部1210の位置計算部1212が導出して制御部1201に入力されたものであってもよい。さらに、各コイルと対応付けるとは、例えば各コイルにあらかじめ付与されて管理されている識別情報を用いて対応づけることを意味する。
その後、制御部1201は、全てのセンスコイル1214を選択済みであるか否か、すなわち、全てのセンスコイル1214についてステップS1117の第1キャリブレーション情報を記憶したか否かを判定し(ステップS1118)、選択済みでない場合(ステップS1118のNo)、ステップS1112に帰還して未選択のセンスコイル1214を選択し、以降、同様の動作を実行する。一方、全てのセンスコイル1214を選択済みであれば(ステップS1118のYes)、制御部1201は、全ての対をなす駆動コイル1224を選択済みか否かを判定し(ステップS1119)、全ての駆動コイル1224を選択済みでない場合(ステップS1119のNo)、ステップS1111へ帰還して、以降、同様の動作を実行する。一方、全ての駆動コイル1224を選択済みであれば(ステップS1119のYes)、制御部1201は、図21の第1プレキャリブレーション処理へリターンする。
・・第2プレキャリブレーション処理
また、図21のステップS1102に示す第2プレキャリブレーション処理では、図23に示すように、制御部1201は、未選択の駆動コイル1224を1組選択し(ステップS1121)、選択された駆動コイル1224に対応した補助コイル1244を1つ選択し(ステップS1122)、選択中の駆動コイル1224に位置検出処理の際に加える振幅値の駆動信号が入力されるように駆動磁界発生部1220を駆動する(ステップS1123)。続いて制御部1201は、補助磁界発生部1240の信号生成部1241が発生する補助信号の振幅と位相との値を位置検出処理の際に加える補助信号の振幅と位相とに設定する(ステップS1124)。さらに、制御部1201は、未選択のセンスコイル1214を1つ選択する(ステップS1125)。なお、図15では、2つの補助コイル1244aおよび1244bを例示しているが、本発明はこれに限定されず、駆動コイル1224の配置に応じて適宜追加配置してもよい。
次に制御部1201は、位置導出部1210の信号処理部1211によって選択中のセンスコイル1214から読み出された検出信号Sdetの信号強度(振幅)と位相とを検出する(ステップS1126)。
続いて制御部1201は、選択中のセンスコイル1214より読み出した検出信号Sdetに含まれる磁界成分(合成磁界CMFの成分)を第2キャリブレーション情報として例えばメモリ部1202に記憶しておく(ステップS1127)。
その後、制御部1201は、全てのセンスコイル1214を選択済みであるか否か、すなわち、全てのセンスコイル1214についてステップS1127の補助信号の振幅およびステップS1127の磁界成分(第2キャリブレーション情報)を記憶したか否かを判定し(ステップS1128)、選択済みでない場合(ステップS1128のNo)、ステップS1125へ帰還して、以降、同様の動作を実行する。一方、全てのセンスコイル1214を選択済みであれば(ステップS1128のYes)、制御部1201は、全ての駆動コイル1224を選択済みであるか否かを判定し(ステップS1129)、全ての駆動コイル1224を選択済みでない場合(ステップS1129のNo)、ステップS1121へ帰還して、以降、同様の動作を実行する。一方、全ての駆動コイル1224を選択済みであれば(ステップS1129のYes)、制御部1201は、図21の第2キャリブレーション処理へリターンする。
以上のような動作を実行することで、本実施の形態では、各駆動コイル1224および補助コイル1244の駆動時の振幅ならびに位置検出時の2段階キャリブレーション処理に用いる第1および第2キャリブレーション情報を取得できる。なお、本実施の形態では、センスコイル1214を順番に選択判定するとしたが、これに限らず、例えば全てのセンスコイル1214に対して同時に選択判定してもよい。
・位置検出処理
続いて、本実施の形態による位置検出処理について、図面を用いて詳細に説明する。図24は、本実施の形態による位置検出処理の全体的な概略流れを示すフローチャートである。また、図25は、本実施の形態によるコイル駆動処理の概略流れを示すフローチャートであり、図26は、本実施の形態による位置導出処理の概略流れを示すフローチャートである。なお、本動作は、実際のLCマーカ10の位置検出時の動作であるため、検出空間K2内には被検体900内に導入されたLCマーカ10が被検体900ごと配置されている。
図24に示すように、本位置検出処理では、制御部1201は、駆動磁界発生部1220および補助磁界発生部1240を駆動して検出空間K2内に駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを形成するコイル駆動処理を実行し(ステップS1151)、この状態で各センスコイル1214から信号処理部1211によって読み出された検出信号Sdetに基づいてLCマーカ10の位置等を導出する位置導出処理を実行する(ステップS1152)。その後、制御部1201は、例えば操作入力部1203(図15参照)から終了指示が入力されたか否かを判定し(ステップS1153)、入力されていなければ(ステップS1153のNo)、ステップS1151へ帰還して以降の動作を繰り返す。また、終了指示が入力されていた場合(ステップS1153のYes)、処理を終了する。なお、位置導出処理は、位置計算部1212において実行されてもよい。すなわち、本実施の形態では、制御部1201と位置計算部1212との少なくとも一方が、信号処理部1211で導出された磁界情報とメモリ部1202等(位相記憶部)に記憶された駆動磁界DMFの位相とメモリ部1202等(合成磁界情報記憶部)に記憶された合成磁界CMFの情報とを用いてLCマーカ10の位置情報等を導出する位置検出部として機能する。
・・コイル駆動処理
図24のコイル駆動処理(ステップS1151)では、制御部1201は、図25に示すように、まず、現在のLCマーカ10の位置や向きに基づいて最適な駆動磁界DMFを発生させる駆動コイル1224および各駆動コイル1224に対してあらかじめ最適な補助磁界を発生するとして対応付けられている補助コイル1244を1組選択する(ステップS1161)。
次に制御部1201は、駆動コイル1224に入力する駆動信号の振幅値および位相値ならびに補助コイル1244に入力する補助コイル1244の振幅値および位相値を取得し(ステップS1162)、これらの振幅値および位相値の駆動信号および補助信号を信号生成部1221および1241に発生させるように駆動磁界発生部1220および補助磁界発生部1240を駆動することで、検出空間K2内に駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを形成する(ステップS1163)。なお、駆動信号および補助信号の振幅値および位相値は、あらかじめ設定されているものとする。
次に制御部1201は、未選択のセンスコイル1214を1つ選択し(ステップS1164)、選択中のセンスコイル1214から検出信号Sdetが読み出されたか否かを監視し(ステップS1165)、読み出しが完了するまで待機する(ステップS1165のNo)。これは、例えば位置導出部1210における信号処理部1211または位置計算部1212が検出信号Sdetの読み出し済みを通知する信号を制御部1201へ入力する構成や、位置導出部1210から位置情報等が入力されたことに基づいて判定することで実現することができる。
ステップS1165の判定の結果、検出信号Sdetの読み出しが完了した場合(ステップS1165のYes)、制御部1201は、全てのセンスコイル1214を選択済みであるか否か、すなわち、全てのセンスコイル1214から検出信号Sdetが読み出されたか否かを判定し(ステップS1166)、読み出し済みでない場合(ステップS1166のNo)、ステップS1164へ帰還して、以降、同様の動作を実行する。一方、全てのセンスコイル1214から読み出し済みである場合(ステップS1166のYes)、制御部1201は、図24に示す位置検出処理へ帰還する。
・・位置導出処理
また、図24の位置導出処理(ステップS1152)では、制御部1201は、図26に示すように、まず、図25のステップS1162で選択したセンスコイル1214を特定し(ステップS1171)、このセンスコイル1214からの検出信号Sdetの読み出しを位置導出部1210の信号処理部1211に実行させる(ステップS1172)。
次に制御部1201は、選択中のセンスコイル1214および駆動コイル1224に対応付けられた第1キャリブレーション情報と、選択中のセンスコイル1214、駆動コイル1224および補助コイル1244に対応付けられた第2キャリブレーション情報と、をメモリ部1202等から取得する(ステップS1173およびステップS1174)。なお、第1キャリブレーション情報は、例えば図22のステップS1117で記憶された第1キャリブレーション情報であり、第2キャリブレーション情報は、例えば図23のステップS1127で記憶された第2キャリブレーション情報である。
次に制御部1201は、上述において図20を用いて説明した位置導出手順に従って、検出信号Sdetに含まれる磁界情報から第2キャリブレーション情報、すなわち合成磁界CMFの成分をベクトル演算により引算することで除去し(ステップS1175)、これにより得られた共振磁界RMFの複素ベクトル成分の駆動磁界成分線L1(駆動磁界DMFの位相)に対する余弦成分を算出する(ステップS1176)。なお、算出された余弦成分は、選択中のセンスコイル1214と対応付けて、例えばメモリ部1202等に記憶される。
次に制御部1201は、全てのセンスコイル1214を選択済みであるか否か、すなわち、全てのセンスコイル1214から読み出した検出信号Sdetを用いて共振磁界RMFの余弦成分を算出したか否かを判定し(ステップS1177)、選択済みである場合(ステップS1177のYes)、センスコイル1214からの検出信号Sdetごとに算出した共振磁界RMFの余弦成分を用いてLCマーカ10の現在の位置や向きなどの位置情報等を算出する(ステップS1178)。一方、全てのセンスコイル1214を選択済みでない場合(ステップS1177のNo)、制御部1201は、ステップS1171へ帰還して、以降、同様の動作を実行する。なお、導出された位置情報等は、例えばメモリ部1202等に記憶される。
以上のように動作することで、本実施の形態では、LC共振回路111が導入されていない状態で検出空間K2内に形成した駆動磁界DMFの位相と、LC共振回路111が導入されていない状態で駆動磁界DMFと補助磁界SMFとを発生させた際に検出空間K2内に形成された合成磁界CMFの情報と、をあらかじめメモリ部1202等に記憶しておき、位置検出時に信号処理部1211で取得された磁界の情報からメモリ部1202等に記憶された駆動信号DMFの位相および合成磁界CMFの情報とを用いて共振磁界RMFの情報(余弦成分)を抽出し、抽出した共振磁界RMFの情報(余弦成分)を用いてLCマーカ10の位置情報等を導出するため、位置検出時に共振磁界RMFの情報を的確に抽出することができ、これにより、安定して正確な位置を導出することが可能な補助コイルを用いた位置検出システム4および位置検出方法を実現することが可能となる。
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5による位置検出システム5の構成および動作を、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態による位置検出システム5は、上記した実施の形態4による位置検出システム4が、外部磁界(以下、これをガイダンス磁界という)を用いてLCマーカ20の位置や向きを誘導する構成をさらに備えたものである。以下の説明では、本発明の実施の形態4と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(位置検出磁気誘導構成)
図27は、本実施の形態による位置検出磁気誘導システム5の概略構成を示す模式図である。図27に示すように、位置検出磁気誘導システム5は、検出空間K2と、検出空間K2内のLCマーカ20の位置および向き(姿勢)を検出し、また、ガイダンス磁界を発生させてLCマーカ20の位置や向きを誘導する外部装置500と、を備える。
・LCマーカ
本実施の形態によるLCマーカ20は、図14に示すように、上記実施の形態1,2,4におけるLCマーカ10(図2参照)と同様の構成において、さらに永久磁石M12を備えている。この永久磁石M12は、LCマーカ20の筐体18に対して固定されており、後述するガイダンス磁界が作用することで、LCマーカ20の位置や向きを変化させる推進力や回転力をLCマーカ20に発生させる。なお、本発明では永久磁石M12に限らず、後述するガイダンス磁界GMFが作用する磁界を発生させることが可能な構成であれば如何様にも変更することが可能である。また、他の構成は、上述の実施の形態1,3,4によるLCマーカ10と同様である。
・検出空間
また、検出空間K2には、駆動コイル1224および補助コイル1244の他に、検出空間K2を取り囲むようにガイダンスコイル1234a〜1234d(以下、任意のガイダンスコイルの参照符号を1234とする)が配設される。
x軸方向において検出空間K2を挟むように対向する2つのガイダンスコイル1234aおよび1234bは対をなし、例えば検出空間K2内にx軸方向に延在する磁力線よりなる略均一なガイダンス磁界GMFxを発生する。また、y軸方向において検出空間K2を挟むように対向する2つのガイダンスコイル1234cおよび1234dは対をなし、例えば検出空間K2内にy軸方向に延在する磁力線よりなる略均一なガイダンス磁界GMFyを発生する。この他、検出空間K2内にx軸およびy軸と異なる方向へ延在する磁力線よりなる略均一なガイダンス磁界を発生させる駆動コイルを別途設けてもよい。さらに、検出空間K2内に勾配磁界を発生するように、ガイダンスコイル1234を構成してもよい。以下、任意の方向のガイダンス磁界の参照符号をGMFとして説明する。なお、他の構成は、上述の実施の形態4における検出空間K2に配置されたコイル構成と同様である。
・外部装置
また、本実施の形態による外部装置500は、上記実施の形態4による外部装置400と同様の構成において、さらにガイダンスコイル1234を駆動するガイダンス磁界発生部1230を備えている。
ここで制御部1201は、位置計算部1212から入力された位置情報等を用いて、LCマーカ20の現在の位置や向きなどの情報を表示部1204に表示する。操作者は、表示部1204からLCマーカ20の現在の位置や向きを確認しつつ、操作入力部1203からLCマーカ20の位置や向きを操作する操作指示を入力することが可能である。さらに、操作者は、操作入力部1203を用いてLCマーカ20に被検体内情報の取得指示などを入力することも可能である。
制御部1201は、LCマーカ20の現在の位置および向きと操作入力部1203から入力された目標位置および向きとから、LCマーカ20に搭載された永久磁石M12に与えるべきガイダンス磁界を含む情報(以下、ガイダンス情報という)を計算し、これをガイダンス磁界発生部1230に入力する。
ガイダンス磁界発生部1230は、信号生成部1231とガイダンスコイル駆動部1232とを有する。制御部1201が計算したガイダンス情報は、ガイダンス磁界発生部1230における信号生成部1231に入力される。信号生成部1231は、制御部1201から入力されたガイダンス情報に従って共振周波数F0と異なる周波数を有する信号波形を算出し、この信号波形を有する信号(以下、これをガイダンス信号という)を発生して、これをガイダンスコイル駆動部1232へ出力する。
信号生成部1231から出力されたガイダンス信号は、ガイダンスコイル駆動部1232に入力される。ガイダンスコイル駆動部1232は、入力されたガイダンス信号を電流増幅した後、ガイダンスコイル1234に適宜入力する。増幅後のガイダンス信号が入力されたガイダンスコイル1234は、LCマーカ20のLC共振回路111が持つ共振周波数F0と異なる周波数の磁界を放出し、これにより、検出空間K2内にLCマーカ20における永久磁石M12と作用するガイダンス磁界GMFが形成される。
(位置導出手順)
次に、本実施の形態による位置導出の手順について、図面を用いてより詳細に説明する。図28は、本実施の形態による位置導出の手順内容を説明するための図である。
本実施の形態では、上述したように、検出空間K2近傍に、駆動コイル1224および補助コイル1244の他にガイダンスコイル1234が配置される。このため、駆動コイル1224から放出された駆動磁界DMFや補助コイル1244から放出された補助磁界SMFによってガイダンスコイル1234が相互誘導することで、検出空間K2内にガイダンスコイル1234から放出された共振周波数F0の不要な磁界(以下、これをガイダンスコイル不要磁界という)が形成される。
そこで本実施の形態では、図28に示すように、ガイダンスコイル不要磁界を含む不要磁界(駆動磁界DMFや補助磁界SMFなど)の影響をキャンセルするために、LCマーカ20(特にLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを発生させた際に検出空間K2内に形成される合成磁界CMFの強度および位相を実測しておき、これを例えば第3キャリブレーション情報としてメモリ部1202等(位相記憶部)に記憶しておく。なお、駆動磁界発生部1220から駆動コイル1224へ入力される駆動信号の強度および位相は例えば図28の複素ベクトル‘G’となるのに対し、信号処理部1211から読み出された検出信号Sdetに含まれる合成磁界CMFの強度および位相は例えば図28の複素ベクトル‘H’となる。また、図28において、複素ベクトル‘G’に対する複素ベクトル‘H’の傾きφを示す駆動磁界成分線L2は、検出空間K2に形成される合成磁界CMFの駆動信号に対する位相差、すなわち、駆動信号の位相を基準とした合成磁界CMFの位相を示している。
また、本実施の形態では、上記実施の形態4と同様に、プレキャリブレーション処理によって、LCマーカ20(特にLC共振回路111)が導入されていない状態で駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを発生させた際に各センスコイル1214の位置に形成される合成磁界CMFの強度および位相を取得し、これを例えば第4キャリブレーション情報としてメモリ部1202等(合成磁界情報記憶部)に記憶しておく。なお、合成磁界CMFの強度および位相は、例えば図28の複素ベクトル‘I’となる。ただし、この合成磁界CMFには、駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFの他にガイダンスコイル不要磁界も含まれている。
また、実際の位置導出処理における2段階キャリブレーション処理では、あるセンスコイル1214から読み出した検出信号Sdetに含まれる磁界情報を図28における複素ベクトル‘J’とすると、これから第4キャリブレーション情報(複素ベクトル‘I’)をベクトル演算により引算する。これにより、検出信号Sdetに含まれる磁界情報から合成磁界CMFの成分(複素ベクトル‘I’)が除去される(複素ベクトル‘K’=複素ベクトル‘J’−複素ベクトル‘I’)。続いて、上記ベクトル演算により得られた複素ベクトル‘K’を、駆動磁界DMFの位相を示す駆動磁界成分線L2に投影することで、複素ベクトル‘K’の駆動磁界成分線L2に対する余弦成分を導出する。これにより、検出信号Sdetから共振磁界RMF成分(複素ベクトル‘L’)を抽出することができる。
以上のような処理を実行することで、実際に生じた磁界に含まれる不要磁界の成分を排除することができるため、より正確に共振磁界RMF成分(複素ベクトル‘L’)を抽出することが可能となり、結果、LCマーカ20のより正確な位置や向き等の情報を導出することができる。
なお、本実施の形態では、検出空間K2内に形成された駆動磁界DMFの検出に、図29に示すような磁界センサ1414を用いる場合を例に挙げる。図29に示すように、磁界センサ1414は、検出空間K2内に形成された磁界のx軸方向の成分を検出するセンスコイル1414xと、同磁界のy軸方向の成分を検出するセンスコイル1414yと、同磁界のz軸方向の成分を検出するセンスコイル1414zと、を含む3軸磁界センサであり、駆動コイル1224、補助コイル1244およびセンスコイル1214と同期して駆動されることで、検出空間K2内に形成された磁界の位相を検出する。なお、3軸の磁界センサ1414の各センスコイル1414x、1414yおよび1414zで検出された検出信号は、例えば上述した位置導出部1210の信号処理部1211と同様の検出回路で信号処理することが可能である。
上記の磁界センサ1414は、例えば載置台1250上に載置されるスタンド1410の上端側に配設される。載置台1250の上面には、スタンド1410の位置決め用のマーカが付されているとよい。これにより、プレキャリブレーション処理ごとに異なる第3キャリブレーション情報が取得されるという不具合を回避することができる。
また、スタンド1410による磁界センサ1414の載置台1250上面からの高さは、被検体900内に導入されたLCマーカ20が存在する高さの範囲の略中央に合わせることが好ましい。これにより、実際にLCマーカ20のLC共振回路111が受ける磁界に略等しい駆動磁界DMFの情報を第3キャリブレーション情報として取得することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、複数の磁気センサ1414を載置台1250上に配列させ、それぞれのポジションにおける第3キャリブレーション情報を取得してもよい。これにより、位置検出時のLCマーカ20の位置に応じて最適な第3キャリブレーション情報を選択することができ、結果、LCマーカ20のより正確な位置や向き等の情報を導出することが可能となる。
なお、本説明において磁界センサ1414を3軸磁界センサとした理由は、本実施の形態が、LCマーカ20の位置や向きに応じて、x軸方向の駆動磁界DMFとy軸方向の駆動磁界DMFとz軸方向の駆動磁界とを適宜切り替えて発生させることを想定しているためである。
(位置検出動作)
次に、本実施の形態による位置検出の動作を図面と共に詳細に説明する。図30は、本実施の形態による位置検出動作の概念を説明するための図である。また、図31は、本実施の形態による第3および第4プレキャリブレーション処理の概略流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、外部装置500の各部を制御する制御部1201の動作に着目して説明する。
(プレキャリブレーション処理)
本実施の形態では、実際のLCマーカ20の位置検出処理を実行する前に、図31に示すように、プレキャリブレーション処理として、後述する第3および第4プレキャリブレーション処理(ステップS1201)を実行する。なお、プレキャリブレーション処理は、図27における検出空間K2内にLCマーカ20が導入されていない状態で行われる。
・第3および第4プレキャリブレーション処理
また、図30のステップS1201に示す第3および第4プレキャリブレーション処理では、図31に示すように、制御部1201は、未選択の駆動コイル1224とこの駆動コイル1224にあらかじめ対応付けられた補助コイル1244とを1組選択し(ステップS1231)、続いて選択中の駆動コイル1224と補助コイル1244とに対応付けて記憶された駆動信号および補助信号の振幅値を例えばメモリ部1202等から読み出し、この振幅値の駆動信号および補助信号がステップS1231で選択した駆動コイル1224および補助コイル1244にそれぞれ入力されるように駆動磁界発生部1220を駆動する(ステップS1232)。
次に制御部1201は、未選択の磁界センサ1414を1つ選択する(ステップS1233)。なお、第3プレキャリブレーション処理は、載置台1250上の所定の位置に複数の磁界センサ1414が配置された状態で行われる。
次に制御部1201は、信号処理部1211を用いて選択中の磁界センサ1414から検出信号(説明の都合上、以下、これを第2検出信号という)を読み出し、この第2検出信号に含まれる合成磁界CMFの位相(図28の駆動磁界成分線L2参照)を導出し(ステップS1234)、これを第3キャリブレーション情報として例えばメモリ部1202等に記憶しておく(ステップS1235)。なお、第3キャリブレーション情報は、位置導出部1210の位置計算部1212が導出して制御部1201に入力されたものであってもよい。
その後、制御部1201は、全ての磁界センサ1414を選択済みであるか否か、すなわち、全ての磁界センサ1414についてステップS1235の第3キャリブレーション情報を記憶したか否かを判定し(ステップS1236)、選択済みでない場合(ステップS1236のNo)、ステップS1233に帰還して未選択の磁界センサ1414を選択し、以降、同様の動作を実行する。一方、全ての磁界センサ1414を選択済みであれば(ステップS1236のYes)、制御部1201は、未選択のセンスコイル1214を1つ選択する(ステップS1237)。なお、第4プレキャリブレーション処理は、第3プレキャリブレーション処理において載置台1250上に配置された磁界センサ1414が取り除かれた状態で行われる。
次に制御部1201は、信号処理部1211を用いて選択中のセンスコイル1214から第1検出信号Sdetを読み出し、この第1検出信号Sdetに含まれる磁界成分(合成磁界CMFの成分)を第4キャリブレーション情報として例えばメモリ部1202に記憶しておく(ステップS1238)。
次に制御部1201は、全てのセンスコイル1214を選択済みであるか否かを判定し(ステップS1239)、選択済みでない場合(ステップS1239のNo)、ステップS1237に帰還して未選択のセンスコイル1214を選択し、以降、同様の動作を実行する。一方、全てのセンスコイル1214を選択済みであれば(ステップS1239のYes)、制御部1201は、全ての対をなす駆動コイル1224を選択済みか否かを判定し(ステップS1240)、全ての駆動コイル1224を選択済みでない場合(ステップS1240のNo)、ステップS1231へ帰還して、以降、同様の動作を実行する。一方、全ての駆動コイル1224を選択済みであれば(ステップS1240のYes)、制御部1201は、図30の第3および第4プレキャリブレーション処理へリターンする。
以上のような動作を実行することで、本実施の形態では、各駆動コイル1224および補助コイル1244の駆動時の振幅ならびに位置検出時の2段階キャリブレーション処理に用いる第3および第4キャリブレーション情報を取得できる。
・位置検出処理
また、本実施の形態による位置検出処理において、位置検出処理の全体的な概略流れと、駆動磁界発生部1220および補助磁界発生部1240を駆動して検出空間K内に駆動磁界DMFおよび補助磁界SMFを形成するコイル駆動処理の概略流れとは、上記実施の形態4において図24および図25を用いて説明した流れと同様である。さらに、位置導出処理(図24のステップS1152に相当)は、第1キャリブレーション情報と第2キャリブレーション情報とをそれぞれ第3キャリブレーション情報と第4キャリブレーション情報とに置き換え、図28に示す原理を用いて共振磁界RMFの余弦成分を算出する処理以外は、図26を用いて説明した流れと同様である。
以上のように動作することで、本実施の形態では、LC共振回路111が導入されていない状態で検出空間K2内に形成した駆動磁界DMFの位相と、LC共振回路111が導入されていない状態で駆動磁界DMFと補助磁界SMFとを発生させた際に検出空間K2内に形成された合成磁界CMFの情報と、をあらかじめメモリ部1202等に記憶しておき、位置検出時に信号処理部1211で取得された磁界の情報からメモリ部1202等に記憶された駆動信号DMFの位相および合成磁界CMFの情報とを用いて共振磁界RMFの情報(余弦成分)を抽出し、抽出した共振磁界RMFの情報(余弦成分)を用いてLCマーカ20の位置情報等を導出するため、位置検出時に共振磁界RMFの情報を的確に抽出することができ、これにより、安定して正確な位置を導出することが可能な補助コイルを用いた位置検出磁気誘導システム5および位置検出方法を実現することが可能となる。
また、上記実施の形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。
1、2、3、4、5 位置検出システム
10、20 LCマーカ
11 共振磁界発生部
13 制御部
14 被検体内情報取得部
15 無線送信部
15a 送信用アンテナ
16 無線受信部
16a 受信用アンテナ
17 内部電源
18 筐体
18a 容器
18b キャップ
200、300、400、500 外部装置
111 LC共振回路
141 照明部
141A 光源
141B 回路基板
142 撮像部
142a 撮像素子
142c 対物レンズ
143 信号処理部
201、1201 制御部
202、1202 メモリ部
203、1203 操作入力部
204、1204 表示部
205、1205 無線受信部
206、1206 無線送信部
210、310 磁界情報取得部
211 A/D変換部
212 FFT演算部
214A、214B 配線基板
220 位置情報演算部
230 駆動コイル入力信号調整部
231 駆動信号生成部
232 駆動コイル切替部
233a、233b 駆動信号生成器
240 補助コイル入力信号調整部
243a、243b 補助信号生成器
311 信号検出部
312 センスコイル選択部
313 干渉補正部
340、1232 ガイダンスコイル駆動部
900 被検体
1210 位置導出部
1211 信号処理部
1212 位置計算部
1214、1215 センスコイル
1214B、1215B 配線基板
1220 駆動磁界発生部
1221、1231、1241 信号生成部
1222 駆動コイル駆動部
1224a、1224b 駆動コイル
1230 ガイダンス磁界発生部
1234a、1234b、1234c、1234d ガイダンスコイル
1240 補助磁界発生部
1242 補助コイル駆動部
1244a、1244b 補助コイル
1250 載置台
1410 スタンド
1414 磁界センサ
CMF 合成磁界
RMF 共振磁界成分
DMF 駆動磁界
Dx_1、Dx_2、Dx、Dy、Dz 駆動コイル
Ex_1、Ex_2 補助コイル
Gx、Gy、Gz ガイダンスコイル
M12 永久磁石
S_1〜S_8 センスコイル
K1、K2 検出空間
L1、L2 駆動磁界成分線
SMF 補助磁界
Sdet 検出信号

Claims (18)

  1. 検出空間内に配置される検出体と、検出空間外に配置される外部装置と、を備えた位置検出システムであって、
    前記検出体は、
    前記検出空間内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生する共振回路を有し、前記外部装置は、
    前記検出空間内に前記駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルと、
    前記駆動磁界を形成させる駆動信号を前記駆動コイルにそれぞれ入力する少なくとも2つの駆動信号入力部と、
    前記検出空間内に形成された磁界を検出する少なくとも1つのセンスコイルと、
    前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相または振幅を評価する評価関数を用いて前記駆動信号入力部が前記コイルそれぞれに入力する前記駆動信号の位相または振幅を調整する信号調整部と、
    前記センスコイルで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出部と、
    を有し、
    前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係に応じて設定された重みを前記センスコイルで検出された磁界の強度に付加または乗算して解を導出することを特徴とする位置検出システム。
  2. 検出空間内に配置される検出体と、検出空間外に配置される外部装置と、を備えた位置検出システムであって、
    前記検出体は、
    前記検出空間内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生する共振回路を有し、前記外部装置は、
    前記検出空間内に前記駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルと、
    前記駆動磁界を形成させる駆動信号を前記駆動コイルにそれぞれ入力する少なくとも2つの駆動信号入力部と、
    前記検出空間内に形成された磁界を検出する少なくとも1つのセンスコイルと、
    前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相または振幅を評価する評価関数を用いて前記駆動信号入力部が前記コイルそれぞれに入力する前記駆動信号の位相または振幅を調整する信号調整部と、
    前記センスコイルで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出部と、
    を有し、
    前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係および各駆動コイルの形状のうち少なくとも1つに応じて設定された重みを前記駆動信号の振幅に付加または乗算して解を導出することを特徴とする位置検出システム。
  3. 前記信号調整部は、前記駆動信号の振幅または位相と前記センスコイルで検出された磁界の強度との少なくとも一方に基づいて前記重みを変更することを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
  4. 前記外部装置は、
    前記センスコイルの少なくとも1つに入力する駆動磁界を打ち消す補助磁界を発生する補助コイルと、
    前記補助コイルに前記補助磁界を発生させる補助信号を入力する補助信号入力部と、
    を有し、
    前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界に基づいて、前記駆動信号入力部が前記駆動コイルの少なくとも1つに入力する前記駆動信号の位相または振幅、ならびに/もしくは、前記補助信号入力部が前記補助コイルに入力する補助信号の位相および振幅を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
  5. 前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、
    前記評価関数は、各駆動コイルおよび前記補助コイルと各センスコイルとの位置関係に応じて設定された重みを前記センスコイルで検出された磁界の強度に付加または乗算して解を導出することを特徴とする請求項4に記載の位置検出システム。
  6. 前記信号調整部は、前記センスコイルで検出された磁界の強度から前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を評価する評価関数を用いて前記駆動信号および/または前記補助信号の位相および振幅の少なくとも一方を調整し、
    前記評価関数は、各駆動コイルおよび前記補助コイルと各センスコイルとの位置関係および各駆動コイルの形状のうち少なくとも1つに応じて設定された重みを前記駆動信号の振幅に付加または乗算して解を導出することを特徴とする請求項4に記載の位置検出システム。
  7. 前記信号調整部は、前記駆動信号の振幅または位相と前記センスコイルで検出された磁界の強度との少なくとも一方に基づいて前記重みを変更することを特徴とする請求項5に記載の位置検出システム。
  8. 駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルが配置された検出空間内に導入されて前記駆動磁界に応じて当該検出体の位置を検出させるための共振磁界を発生する検出体の位置を検出する位置検出方法であって、
    前記検出空間内に前記検出体が導入されていない状態で前記駆動コイルに駆動信号を入力することで前記検出空間内に形成された磁界を前記検出空間の外部に設けた少なくとも1つのセンスコイルで検出する第1検出ステップと、
    前記第1検出ステップで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相または振幅を評価する評価関数を用いて前記駆動信号の位相または振幅を調整する調整ステップと、
    前記検出空間内に前記検出体が導入された状態で前記調整ステップで位相または振幅が調整された駆動信号を前記駆動コイルに入力することで前記検出空間内に駆動磁界を形成する駆動ステップと、
    前記駆動ステップで前記検出空間内に前記駆動磁界を形成した際の前記検出空間内の磁界を少なくとも1つの前記センスコイルで検出する第2検出ステップと、
    前記第2検出ステップで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出ステップと、
    を含み、
    前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係に応じて設定された重みを前記センスコイルで検出された磁界の強度に付加または乗算して解を導出することを特徴とする位置検出方法。
  9. 駆動磁界を形成する少なくとも2つの駆動コイルが配置された検出空間内に導入されて前記駆動磁界に応じて当該検出体の位置を検出させるための共振磁界を発生する検出体の位置を検出する位置検出方法であって、
    前記検出空間内に前記検出体が導入されていない状態で前記駆動コイルに駆動信号を入力することで前記検出空間内に形成された磁界を前記検出空間の外部に設けた少なくとも1つのセンスコイルで検出する第1検出ステップと、
    前記第1検出ステップで検出された磁界の強度から前記駆動信号の位相または振幅を評価する評価関数を用いて前記駆動信号の位相または振幅を調整する調整ステップと、
    前記検出空間内に前記検出体が導入された状態で前記調整ステップで位相または振幅が調整された駆動信号を前記駆動コイルに入力することで前記検出空間内に駆動磁界を形成する駆動ステップと、
    前記駆動ステップで前記検出空間内に前記駆動磁界を形成した際の前記検出空間内の磁界を少なくとも1つの前記センスコイルで検出する第2検出ステップと、
    前記第2検出ステップで検出された磁界に基づいて前記検出体の位置を導出する位置導出ステップと、
    を含み、
    前記評価関数は、各駆動コイルと各センスコイルとの位置関係および各駆動コイルの形状のうち少なくとも1つに応じて設定された重みを前記駆動信号の振幅に付加または乗算して解を導出することを特徴とする位置検出方法。
  10. 前記調整ステップは、前記少なくとも2つの駆動コイルそれぞれに入力する前記駆動信号のうち少なくとも1つの駆動信号の位相または振幅を固定し、該位相または振幅を固定した駆動信号に対して他の駆動信号の位相または振幅の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項8または9に記載の位置検出方法。
  11. 被検体内に導入された状態で検出空間内に配置される被検体内導入装置と、前記被検体外に配置される外部装置と、を備えた位置検出システムであって、
    前記被検体内導入装置は、
    前記検出空間内に形成された駆動磁界に応じて共振磁界を発生する共振回路を有し、
    前記外部装置は、
    前記検出空間内に形成された磁界に応じて検出信号を生成するセンスコイルと、
    前記駆動磁界を発生する駆動コイルと、
    前記駆動コイルに前記駆動磁界を発生させる駆動信号を入力する駆動磁界発生部と、
    前記センスコイルに入力される前記駆動磁界を低減する補助磁界を発生する補助コイルと、
    前記補助コイルに前記補助磁界を発生させる補助信号を入力する補助磁界発生部と、
    前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記検出空間内に形成した前記駆動磁界の位相を記憶する位相記憶部と、
    前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界と前記補助磁界とを発生させた際に前記検出空間内に形成された合成磁界の情報を記憶する合成磁界情報記憶部と、
    前記検出信号から前記磁界の情報を導出する信号処理部と、
    前記信号処理部で導出された前記磁界の情報と前記位相記憶部に記憶された前記位相と前記合成磁界情報記憶部に記憶された前記合成磁界の情報とを用いて前記被検体内導入装置の位置を導出する位置導出部と、
    前記駆動磁界発生部に前記駆動信号を前記駆動コイルへ入力させつつ前記補助磁界発生部に前記補助信号を前記補助コイルに入力させた状態で前記センスコイルより読み出された前記検出信号に基づいて前記信号処理部に前記磁界の情報を導出させ、該得られた磁界の情報と前記位相記憶部に記憶された前記位相と前記合成磁界情報記憶部に記憶された前記合成磁界の情報とを用いて前記位置導出部に前記被検体内導入装置の位置を導出させる制御部と、
    を有することを特徴とする位置検出システム。
  12. 前記合成磁界の情報は、前記合成磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、
    前記磁界の情報は、前記磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、
    前記位置導出部は、前記磁界の情報から前記合成磁界の情報をベクトル演算により引算し、該引算により算出した複素ベクトルの前記位相記憶部に記憶された前記位相に対する余弦成分を算出し、該算出した余弦成分を用いて前記被検体内導入装置の位置を導出することを特徴とする請求項11に記載の位置検出システム。
  13. 前記位相記憶部に記憶された前記位相は、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記センスコイルで検出された前記駆動磁界の位相であることを特徴とする請求項11に記載の位置検出システム。
  14. 前記位相記憶部に記憶された前記位相は、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記検出空間内に配置した磁界センサによって検出された前記駆動磁界の位相であることを特徴とする請求項12に記載の位置検出システム。
  15. 磁界を検出するセンスコイルと駆動磁界を発生する駆動コイルと前記センスコイルに入力される前記駆動磁界を低減する補助磁界を発生する補助コイルとが配置された検出空間内に配置されて前記駆動磁界に応じて当該被検体内導入装置の位置を検出させるための共振磁界を発生する被検体内導入装置の位置を検出する位置検出方法であって、
    前記被検体内導入装置が前記検出空間内に配置されていない状態で前記検出空間内に形成した前記駆動磁界の位相を検出する位相検出ステップと、
    前記被検体内導入装置が前記検出空間内に配置されていない状態で前記駆動磁界と前記補助磁界とを発生させた際に前記検出空間内に形成された合成磁界の情報を取得する合成磁界情報取得ステップと、
    前記被検体内導入装置が前記検出空間内に配置された状態で前記駆動磁界と前記補助磁界とを発生させた際に前記センスコイルで検出された磁界の情報を取得する磁界情報取得ステップと、
    前記磁界情報取得ステップで取得された前記磁界の情報と前記位相検出ステップで検出された前記位相と前記合成磁界情報取得ステップで取得された前記合成磁界の情報とを用いて前記被検体内導入装置の位置を導出する位置導出ステップと、
    を含むことを特徴とする位置検出方法。
  16. 前記合成磁界の情報は、前記合成磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、
    前記磁界の情報は、前記磁界についての強度と位相とを含む複素ベクトルであり、
    前記位置導出ステップは、前記磁界の情報から前記合成磁界の情報をベクトル演算により引算し、該引算により算出した複素ベクトルの前記位相記憶部に記憶された前記位相に対する余弦成分を算出し、該算出した余弦成分を用いて前記被検体内導入装置の位置を導出することを特徴とする請求項15に記載の位置検出方法。
  17. 前記位相検出ステップは、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記センスコイルで検出された前記駆動磁界の位相を検出することを特徴とする請求項15に記載の位置検出方法。
  18. 前記位相検出ステップは、前記被検体内導入装置が前記検出空間内に導入されていない状態で前記駆動磁界を発生させた際に前記検出空間内に配置した磁界センサによって検出された前記駆動磁界の位相を検出することを特徴とする請求項15に記載の位置検出方法。
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