JP4790895B2 - 有機el表示装置の駆動方法および駆動装置 - Google Patents

有機el表示装置の駆動方法および駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単純マトリクス方式の有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の駆動方法および駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
単純マトリクス方式の有機EL表示装置は、図9に示すように、有機ELパネル100と、この有機ELパネル100を駆動する駆動装置200とで構成されている。有機ELパネル100は、ガラス基板上に有機薄膜を透明電極からなる陽極線A1 〜Amと金属電極からなる陰極線C1 〜Cnとで挟み、両電極線の交差部を等価回路がダイオードと、これに並列接続された寄生容量とで表わされる有機EL素子E1,1 〜Em,nとして、マトリクス状の画素を形成した構造である。駆動装置200は、陽極線A1 〜Amに電気的接続される陽極ドライバ210と、陰極線C1 〜Cnに電気的接続される陰極ドライバ220とで構成されている。陰極ドライバ220により陰極線C1 〜Cnを一定の時間間隔で線順次に走査するとともに、この走査期間に陽極ドライバ210により陽極線A1 〜Amを駆動することにより、任意の交点位置の有機EL素子Ei,jを発光させるようにしたものである。
【0003】
次に、駆動装置200としての従来の駆動装置300について図10および図11を参照して説明する。図10において、駆動装置300は、陽極ドライバ310と、陰極ドライバ320とで構成され、陽極ドライバ310は、有機ELパネル100の各陽極線A1 〜Amに電気的接続される出力端子OA1〜OAmと、駆動信号D1〜Dmに基づき各出力端子OA1〜OAmに有機EL素子E1,1 〜Em,nを所望の輝度で発光させることができる定電流IF1または発光停止させる接地電位を供給するm個の出力回路330とを有し、陰極ドライバ320は、有機ELパネル100の各陰極線C1 〜Cnに電気的接続される出力端子OC1〜OCnと、走査信号S1〜Snに基づき各出力端子OC1〜OCnに電源電位VDDまたは接地電位を供給するn個の出力回路350とを有している。尚、駆動信号D1〜Dmは、外部から陽極ドライバ310にシリアルに供給され、陽極ドライバ310内の図示しない回路でパラレルに変換されるとともにレベル変換されて出力回路330に供給される。また、走査信号S1〜Snは、外部から陰極ドライバ320にスタート信号STが供給され、陰極ドライバ320内の図示しない回路で順次のパルスに変換されるとともにレベル変換されて出力回路350に供給される。各出力回路330,350は、出力端子OA1に接続された出力回路330、および出力端子OC1に接続された出力回路350のみ回路構成を図示し、他の出力回路330,350は同一回路構成であり図示を省略している。
【0004】
出力端子OA1に接続された出力回路330は、定電流IF1および接地電位を供給するCMOS構成のPチャネル型出力用MOSトランジスタ331およびNチャネル型出力用MOSトランジスタ332と、MOSトランジスタ331をオフ制御するためにMOSトランジスタ331のゲートを電源電位VDDに接続するPチャネル型制御用MOSトランジスタ333と、MOSトランジスタ331を定電流制御するためにMOSトランジスタ331のゲート電位VG1を基準電位Vrefに接続するトランスファゲート334と、駆動信号D1を反転させてMOSトランジスタ332のゲートとトランスファゲート334のPチャネル側のゲートとに供給するインバータ335とを有している。MOSトランジスタ333のゲートとトランスファゲート334のNチャネル側のゲートとには駆動信号D1が直接供給される。
【0005】
出力端子OC1に接続された出力回路350は、電源電位VDDおよび接地電位を供給するCMOSインバータ構成のPチャネル型出力用MOSトランジスタ351およびNチャネル型出力用MOSトランジスタ352を有し、これらのゲートには走査信号S1が直接供給される。
【0006】
駆動装置300による有機ELパネル100の駆動方法を説明する。外部から、陽極ドライバ310に駆動信号D1〜Dmが供給され、陰極ドライバ320にスタート信号STが供給される。外部から陰極ドライバ320にスタート信号STが供給されると、陰極ドライバ320内の図示しない回路から、走査信号S1〜Snが、n個の出力回路350に線順次に供給される。このとき、陽極ドライバ310に駆動信号D1〜Dmが供給されると、各走査信号S1〜Snのパルスの供給ごとに、陽極ドライバ310内の図示しない回路でパラレルに変換された駆動信号D1〜Dmがm個の出力回路330にそれぞれ供給される。
【0007】
以下、出力端子OA1に接続された出力回路330と出力端子OC1に接続された出力回路350の動作について、陰極線C1が走査される前の段階から走査された後の段階までを、前後の段階で陽極線A1が駆動されなかったものと仮定して、図11を併用して説明する。
【0008】
まず、陰極線C1が走査される線順次で1つ前の陰極線Cnによる走査段階で、出力回路350において、走査信号S1が接地電位レベルであり、MOSトランジスタ351はオン制御、およびMOSトランジスタ352はオフ制御されて出力端子OC1は電源電位VDDレベルである。尚、このとき、出力端子OCnは接地レベルであり、出力端子OC1,OCn以外の出力端子OC2〜OCn-1は電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路330において、駆動信号D1が接地電位レベルであり、MOSトランジスタ333がオン制御されるとともにトランスファゲート334がオフ制御されて、MOSトランジスタ331のゲート電位VG1が電源電位VDDレベル、およびMOSトランジスタ332のゲート電位VG2が電源電位VDDレベルで、MOSトランジスタ331がオフ制御、およびMOSトランジスタ332がオン制御されて出力端子OA1は接地レベルである。したがって、このとき陽極線A1に接続されている有機EL素子E1,1〜E1,nのうち、有機EL素子E1,1〜E1,n-1には逆電圧VDDが供給され、有機EL素子E1,1〜E1,n-1の寄生容量は逆方向に充電されている。
【0009】
次に、出力回路350に供給されている走査信号S1が電源電位VDDレベルに切り替わると、MOSトランジスタ351がオフ制御されるとともにMOSトランジスタ352がオン制御されて出力端子OC1は接地電位レベルに切り替わる。尚、このとき、出力端子OC1以外の出力端子OC2〜OCnは電源電位VDDレベルである。この切り替わりに同期して、出力回路330に供給されている駆動信号D1が電源電位VDDレベルに切り替わると、MOSトランジスタ333がオフ制御、およびトランスファゲート334がオン制御されてMOSトランジスタ331のゲート電位VG1が基準電位Vrefレベルに切り替わるとともに、MOSトランジスタ332のゲート電位VG2が接地電位レベルに切り替わり、MOSトランジスタ331が定電流制御、およびMOSトランジスタ332がオフ制御されて出力端子OA1から定電流IF1が供給される。このとき、逆方向に充電されている有機EL素子E1,1〜E1,n-1の寄生容量が放電し、さらに、有機EL素子E1,1の寄生容量が正方向に充電され、有機EL素子E1,1のダイオード特性の順方向電圧VFが所望の輝度で発光することができる順方向電圧VF1となると、この有機EL素子E1,1が所望の輝度で発光する。
【0010】
次に、陰極線C1が走査された線順次で1つ後の陰極線C2による走査段階で、出力回路350に供給されている走査信号S1が接地電位レベルに切り替わると、MOSトランジスタ351がオン制御されるとともにMOSトランジスタ352がオフ制御されて出力端子OC1は電源電位VDDレベルに切り替わる。尚、このとき、出力端子OC2は接地レベルであり、出力端子OC1,OC2以外の出力端子OC3〜OCnは電源電位VDDレベルである。この切り替わりに同期して、出力回路330に供給されている駆動信号D1が接地電位レベルに切り替わると、MOSトランジスタ333がオン制御、およびトランスファゲート334がオフ制御されてMOSトランジスタ331のゲート電位VG1が電源電位VDDレベルに切り替わるとともに、MOSトランジスタ332のゲート電位VG2が電源電位VDDレベルに切り替わり、MOSトランジスタ331がオフ制御、およびMOSトランジスタ332がオン制御されて出力端子OA1に接地電位が供給され、有機EL素子E1,1の発光を停止させる。このとき陽極線A1に接続されている有機EL素子E1,1〜E1,nのうち、有機EL素子E1,2以外は逆電圧VDDが供給され、それらの寄生容量は逆方向に充電される。
【0011】
以上の動作は、有機EL素子E1,1を発光および発光停止させる動作についてのみ説明したが、他の有機EL素子についても同様に動作し、有機ELパネル100としては、陰極線C1〜Cnの走査を線順次に高速で繰り返すとともに、陽極線A1〜Amのうち任意の陽極線を走査ごとに駆動することにより、任意の複数位置の各有機EL素子をあたかも同時に発光しているかのように動作させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記駆動装置300は、上述したように、ある陰極線が走査される線順次で1つ前の別の陰極線による走査段階で、この段階で駆動されない陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されている陰極線以外の陰極線に接続されている有機EL素子の寄生容量は逆方向に充電されている。次の段階で、ある陰極線を走査し、前の段階で駆動されていなかった陽極線とこの陰極線に接続された有機EL素子を発光させるとき、例えば、図11に出力端子OA1からの電流を示すように、定電流IF1で駆動すると、この陽極線に接続された有機EL素子のうち前の段階で走査されていなかった陰極線に接続されている逆方向に充電された有機EL素子の寄生容量がこの定電流IF1で放電し、さらにこれらの有機EL素子のうち走査される有機EL素子の寄生容量が正方向にこの定電流IF1で充電されるため、陽極線に接続される駆動装置300の出力端子の電位が、例えば、図11に出力端子OA1の電位を示すように、走査される有機EL素子のダイオード特性の順方向電圧VF1の電位にまで立ち上がるのに時間がかかり、発光時間が短くなってしまうため、有機ELパネル100本来の輝度が得られないという問題があった。
【0013】
従って、本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、走査と走査の間のブランキング期間に次の走査で駆動される陽極線に大電流を所定時間流してこの陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を急速に放電することにより走査期間での発光までの時間を短くした有機EL表示装置の駆動装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動方法は、陰極ドライバにより有機ELパネルの陰極線を線順次に電源電位から接地電位にして走査し、線順次の各走査期間に陽極ドライバにより有機ELパネルの任意の陽極線を定電流で駆動して、有機ELパネルに含まれる任意の有機EL素子を所望の輝度で発光させる単純マトリックス駆動方式の有機EL表示装置の駆動方法において、前記各走査期間の間にブランキング期間を設け、この各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、前記各ブランキング期間に前記定電流より大きい大電流で駆動するものとし、前記大電流から定電流の駆動への切替え時点が、前記各ブランキング期間の終了時点より前であることを特徴とする。上記手段によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、各ブランキング期間に大電流で駆動することにより、この陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を陰極ドライバの動作を切替えることなく急速に放電させることができ、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、有機EL素子が所望の輝度で発光することができる順方向電圧で駆動されるまでの時間が短くて済む。また、上記手段によれば、万が一、大電流から定電流の駆動への切替えが遅れても、走査される陰極線に接続された有機EL素子の陰極線側が接地電位になるまでに、大電流の駆動は終了し、有機EL素子が大電流で駆動されることはない。
(2)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動方法は、上記(1)項において、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位が、前記各ブランキング期間の終了時点で、前記所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるように前記大電流で駆動することを特徴とする。上記手段によれば、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を、所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるまで放電させるので、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、駆動される陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みはなく、有機EL素子は定電流で駆動され、所望の輝度で発光することができる。
(3)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動方法は、上記(1)または(2)において、前記大電流での駆動の開始時点が、前記各ブランキング期間の開始時点と同一であることを特徴とする。
(4)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動方法は、上記(1)項乃至(3)項のうちの一つにおいて、前記大電流での駆動が、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に対してのみであり、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、前記大電流での駆動期間、前記定電流で駆動することを特徴とする。上記手段によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、大電流で駆動せず定電流で駆動するため、ブランキング期間の終了時点で、この陽極線の電位は定電流で駆動されていたときのままで、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、この陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みはなく、有機EL素子は定電流で駆動され、所望の輝度で発光することができる。
(5)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動方法は、上記(1)項乃至(2)項のうちの一つにおいて、前記大電流での駆動が、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位を前記各ブランキング期間の開始時点で、一旦、接地電位にしてから開始されることを特徴とする。上記手段によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線の電位が、各ブランキング期間の開始時点で、一旦、接地電位になり、この陽極線に接続された有機EL素子の寄生容量が、直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に接続された有機EL素子の寄生容量と同様に、逆充電されるため、その後の大電流での駆動を両陽極線に対して同条件で行うことができる。
(6)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、有機ELパネルの陰極線を線順次に電源電位から接地電位にして走査する陰極ドライバと、前記線順次の各走査期間に有機ELパネルの任意の陽極線を定電流で駆動する陽極ドライバとを具備して有機ELパネルに含まれる任意の有機EL素子を所望の輝度で発光させる単純マトリックス駆動方式の有機EL表示装置の駆動装置において、前記陰極ドライバが、前記各走査期間の間にブランキング期間を設けて走査するとともに、前記陽極ドライバが、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、前記各ブランキング期間に前記定電流より大きい大電流で駆動し、前記陽極ドライバが、前記各ブランキング期間の終了時点より前に前記大電流から定電流の駆動へ切替えることを特徴とする。上記手段によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、各ブランキング期間に大電流で駆動することにより、この陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を陰極ドライバの動作を切替えることなく急速に放電させることができ、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、有機EL素子が所望の輝度で発光することができる順方向電圧で駆動されるまでの時間が短くて済む。また、上記手段によれば、万が一、大電流から定電流の駆動への切替えが遅れても、走査される陰極線に接続された有機EL素子の陰極線側が接地電位になるまでに、大電流の駆動は終了し、有機EL素子が大電流で駆動されることはない。
(7)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)項において、前記陽極ドライバが、前記各直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位が、前記各ブランキング期間の終了時点で、前記所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるように前記大電流で駆動することを特徴とする。上記手段によれば、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を、所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるまで放電させるので、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、駆動される陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みはなく、有機EL素子は定電流で駆動され、所望の輝度で発光することができる。
)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)又は(7)項において、前記陽極ドライバが、前記各ブランキング期間の開始と同時に前記大電流での駆動を開始することを特徴とする。
)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)項乃至()項のうちの一つにおいて、前記陽極ドライバが、前記各直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に対してのみ前記大電流で駆動し、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、前記大電流での駆動期間、前記定電流で駆動することを特徴とする。上記手段によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、大電流で駆動せず定電流で駆動するため、ブランキング期間の終了時点で、この陽極線の電位は定電流で駆動されていたときのままで、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、この陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みはなく、有機EL素子は定電流で駆動され、所望の輝度で発光することができる。
10)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)又は(7)項のうちの一つにおいて、前記陽極ドライバが、前記各直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位を前記各ブランキング期間の開始時点で一旦接地電位にしてから前記大電流での駆動を開始することを特徴とする。上記手段によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線の電位が、各ブランキング期間の開始時点で、一旦、接地電位になり、この陽極線に接続された有機EL素子の寄生容量が、直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に接続された有機EL素子の寄生容量と同様に、逆充電されるため、その後の大電流での駆動を両陽極線に対して同条件で行うことができる。
(11)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)〜(10)項の何れかにおいて、前記陽極ドライバが、前記大電流および定電流を供給する出力用トランジスタと、この出力トランジスタを大電流制御および定電流制御するプリドライバ部とを有することを特徴とする。上記手段によれば、出力用トランジスタの制御端子の電位を切替えるだけで大電流および定電流の両駆動を行うことができる。
(12)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)項乃至(10)項のうちの一つにおいて、前記陽極ドライバが、外部から供給され内部で前記各陽極線に対応するためシリアル/パラレル変換された駆動信号と、外部から供給され前記ブランキング期間以内のパルス幅を有する大電流制御信号とに基づき前記各駆動を行う出力回路を各陽極線ごとに有し、前記各出力回路が、接地電位を供給するNチャネル型出力用MOSトランジスタと、このNチャネル型出力用MOSトランジスタとでCMOS構成され前記大電流および定電流を供給するPチャネル型出力用MOSトランジスタと、前記Pチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートを制御するプリドライバ部と、前記駆動信号および大電流制御信号に基づき前記Nチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートおよび前記プリドライバ部を制御する制御部とを有することを特徴とする。
(13)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(12)項において、前記プリドライバ部が、接地電位を供給するNチャネル型制御用MOSトランジスタと、電源電位を供給するPチャネル型制御用MOSトランジスタと、定電流制御電位を供給するトランスファゲートとを有することを特徴とする。
(14)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(6)項乃至(10)項のうちの一つにおいて、前記陽極ドライバが、前記有機ELパネルを2のk乗階調表示するために2のk乗階調表示に対応する定電流で駆動することを特徴とする。
(15)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(14)項において、前記陽極ドライバが、外部から供給され内部で前記各陽極線に対応するためシリアル/パラレル変換されたkビットの駆動信号と、外部から供給され前記ブランキング期間以内のパルス幅を有する大電流制御信号とに基づき前記各駆動を行う出力回路を各陽極線ごとに有し、前記各出力回路が、CMOS構成で接地電位を供給するNチャネル型出力用MOSトランジスタ、および前記大電流と定電流とを供給するk個並列のPチャネル型出力用MOSトランジスタと、前記各Pチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートを制御するk個のプリドライバ部と、前記駆動信号および大電流制御信号に基づき前記Nチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートおよび前記各プリドライバ部を制御する制御部とを有することを特徴とする。
(16)本発明に係わる有機EL表示装置の駆動装置は、上記(15)項において、前記各プリドライバ部が、接地電位を供給するNチャネル型制御用MOSトランジスタと、電源電位を供給するPチャネル型制御用MOSトランジスタと、定電流制御電位を供給するトランスファゲートとを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に基づき、駆動装置200としての第1実施例の駆動装置400および駆動装置400による有機EL表示装置の駆動方法を図1乃至図3を参照して説明する。図1において、駆動装置400は、陽極ドライバ410と、陰極ドライバ420とで構成され、陽極ドライバ410は、有機ELパネル100の各陽極線A1 〜Amに電気的接続される出力端子OA1〜OAmと、各出力端子OA1〜OAmに、走査間のブランキング期間中に大電流制御信号PCおよび駆動信号D1〜Dmに基づき大電流または接地電位を供給し、走査期間中に駆動信号D1〜Dmに基づき定電流または接地電位を供給するm個の出力回路430とを有し、陰極ドライバ420は、有機ELパネル100の各陰極線C1 〜Cnに電気的接続される出力端子OC1〜OCnと、走査信号S1〜Snに基づき各出力端子OC1〜OCnに電源電位VDDまたは接地電位を供給するn個の出力回路450とを有している。尚、駆動信号D1〜Dmは、外部から陽極ドライバ410にシリアルに供給され、陽極ドライバ410内の図示しない回路でパラレルに変換されて出力回路430に供給される。また、走査信号S1〜Snは、外部から陰極ドライバ420にスタート信号STおよびブランキング信号BLが供給され、陰極ドライバ420内の図示しない回路で波形の立ち下がりと立ち上がりがブランキング信号BLの立ち下がりと立ち上がりにそれぞれ同期した順次のパルスに変換されるとともにレベル変換されて出力回路450に供給される。各出力回路430,450は、出力端子OA1に接続された出力回路430、および出力端子OC1に接続された出力回路450のみ回路構成を図示し、他の出力回路430,450は同一回路構成であり図示を省略している。
【0016】
出力端子OA1に接続された出力回路430は、大電流または定電流および接地電位を供給するCMOS構成のPチャネル型出力用MOSトランジスタ431およびNチャネル型出力用MOSトランジスタ432と、MOSトランジスタ431をオフ制御、大電流制御または定電流制御するためのプリドライバ部433と、駆動信号D1および大電流制御信号PCを論理処理し、その論理信号をレベル変換してMOSトランジスタ432のゲートおよびプリドライバ部433に供給する制御部434とを有している。プリドライバ部433は、MOSトランジスタ431をオフ制御または大電流制御するためにMOSトランジスタ431のゲートを電源電位VDDまたは接地電位に接続するCMOS構成のPチャネル型制御用MOSトランジスタ435およびNチャネル型制御用MOSトランジスタ436と、MOSトランジスタ431を定電流制御するためにMOSトランジスタ431のゲート電位VG1を基準電位Vrefに接続するトランスファゲート437とを有し、MOSトランジスタ435,436およびトランスファゲート437の各ゲートに制御部434からの信号が供給される。
【0017】
出力端子OC1に接続された出力回路450は、走査信号S1に基づき電源電位VDDおよび接地電位を供給するCMOSインバータ構成のPチャネル型MOSトランジスタ451およびNチャネル型MOSトランジスタ452を有している。
【0018】
駆動装置400による有機ELパネル100の駆動方法を説明する。外部から、陰極ドライバ420にスタート信号STおよびブランキング信号BLが供給され、陽極ドライバ410に駆動信号D1〜Dmおよびブランキング信号BLのパルス幅より狭い所定のパルス幅を有する大電流制御信号PCが供給される。外部から陰極ドライバ420にスタート信号STおよびブランキング信号BLが供給されると、陰極ドライバ420内の図示しない回路から、パルス波形の立ち上がりと立ち下がりがブランキング信号BLの立ち下がりと立ち上がりにそれぞれ同期した走査信号S1〜Snが、n個の出力回路450にブランキング信号BLのパルス幅と同じブランキング期間を置いて線順次に供給される。このとき、陽極ドライバ410に駆動信号D1〜Dmおよび大電流制御信号PCが供給されると、ブランキング期間を含む各走査信号S1〜Snのパルスの供給ごとに、大電流制御信号PCと、陽極ドライバ410内の図示しない回路でパラレルに変換された駆動信号D1〜Dmがm個の出力回路430にそれぞれ供給される。
【0019】
以下、出力端子OA1に接続された出力回路430と出力端子OC1に接続された出力回路450の動作について、陰極線C1が走査される前の段階から走査された後の段階までを、前後の段階で陽極線A1が駆動されなかったものと仮定して、図2のタイムチャートおよび図3の各素子の制御状態を説明する図を併用して説明する。
【0020】
まず、陰極線C1が走査される線順次で1つ前の陰極線Cnによる走査段階(時刻t1の手前)で、出力回路450において、ブランキング信号BLが“L(ロウ)レベル、および走査信号S1が接地電位レベルであり、MOSトランジスタ451はオン制御、およびMOSトランジスタ452はオフ制御されて出力端子OC1は電源電位VDDレベルである。尚、このとき、出力端子OCnは接地レベルであり、出力端子OC1,OCn以外の出力端子OC2〜OCn-1は電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路430において、駆動信号D1が“L”レベル、および大電流制御信号PCが“L”レベルであり、制御部434からの信号により、プリドライバ部433のMOSトランジスタ435がオン制御、およびMOSトランジスタ436とトランスファゲート437とがオフ制御されてMOSトランジスタ431のゲート電位VG1が電源電位VDDレベルで、同じく制御部434からの信号により、MOSトランジスタ432のゲート電位VG2が電源電位VDDレベルで、MOSトランジスタ431がオフ制御、およびMOSトランジスタ432がオン制御されて出力端子OA1は接地レベルである。したがって、このとき陽極線A1に接続されている有機EL素子E1,1〜E1,nのうち、有機EL素子E1,1〜E1,n-1には逆電圧VDDが供給され、有機EL素子E1,1〜E1,n-1の寄生容量は逆方向に充電されている。
【0021】
次に、時刻t1になると、出力回路450において、ブランキング信号BLが“H(ハイ)”レベルに切り替わり、走査信号S1は接地電位レベルのままで、MOSトランジスタ451はオン制御、およびMOSトランジスタ452はオフ制御されたままで出力端子OC1は電源電位VDDレベルのままである。尚、このとき、出力端子OC1以外の出力端子OC2〜OCnも電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路430において、駆動信号D1が“H”レベル、および大電流制御信号PCが“H”レベルに切り替わり、制御部434からの信号により、プリドライバ部433のMOSトランジスタ435とトランスファゲート437とがオフ制御、およびMOSトランジスタ436がオン制御されてMOSトランジスタ431のゲート電位VG1が接地電位レベルに切り替わり、同じく制御部434からの信号により、MOSトランジスタ432のゲート電位VG2が接地電位レベルに切り替わり、MOSトランジスタ431が大電流制御、およびMOSトランジスタ432がオフ制御されて出力端子OA1から大電流IL1が供給される。このとき、逆方向に充電されている有機EL素子E1,1〜E1,n-1の寄生容量が大電流制御信号PCのパルス幅の期間放電する。このパルス幅は、パルスの立ち下がり時点で、出力端子OA1の電位が有機EL素子を所望の輝度で発光することができる有機EL素子の順方向電圧VF1の電位より若干低くなるように設定する。したがって、このパルスの立ち下がり時点で、有機EL素子E1,1〜E1,nの寄生容量は、電源電位VDDと順方向電圧VF1の電位との差分より若干高い電圧で逆充電されている。
【0022】
次に、時刻t2になると、ブランキング信号BLが“H”レベルの状態で、出力回路430において、大電流制御信号PCが“L”レベルに切り替わり、制御部434からの信号により、プリドライバ部433のMOSトランジスタ435,436がオフ制御、およびトランスファゲート437がオン制御されてMOSトランジスタ431のゲート電位VG1が基準電位Vrefレベルに切り替わり、同じく制御部434からの信号により、MOSトランジスタ432のゲート電位VG2が接地電位レベルのままで、MOSトランジスタ431が定電流制御、およびMOSトランジスタ432がオフ制御されて出力端子OA1から定電流IF1が供給される。このとき、有機EL素子E1,1〜E1,nの逆充電されていた寄生容量は、大電流制御信号PCが“L”レベルに切り替わった時点からブランキング期間終了まで、僅かに放電され、ブランキング期間終了時点で、出力端子OA1の電位が有機EL素子の順方向電圧VF1の電位と略等しくなる。ブランキング期間は、大電流制御信号PCのパルス幅と等しく設定してもよいが、このパルス幅より少し長めに設定することによって、大電流制御信号PCの“L”レベルへの切り替えの遅れにより、万が一、MOSトランジスタ431が大電流制御されても、有機EL素子E1,1の等価回路を構成するダイオードの順方向には大電流が流れることはない。
【0023】
次に、時刻t3になると、出力回路430において、MOSトランジスタ431が定電流制御、およびMOSトランジスタ432がオフ制御されている状態で、出力回路450において、ブランキング信号BLが“L”レベルに切り替わり、走査信号S1は電源電位VDDレベルに切り替わり、MOSトランジスタ451はオフ制御、およびMOSトランジスタ452はオン制御され、出力端子OC1は接地電位レベルに切り替わり、出力端子OA1から有機EL素子E1,1に定電流IF1が供給され、有機EL素子E1,1の寄生容量が電源電位VDDと順方向電圧VF1の電位との差分で逆充電されている逆充電状態から放電し、さらに、正方向に充電され、有機EL素子E1,1のダイオード特性の順方向電圧VFが所望の輝度で発光することができる順方向電圧VF1となると、この有機EL素子E1,1が所望の輝度で発光する。有機EL素子E1,1の寄生容量が電源電位VDDで逆充電されている状態から定電流を供給する場合より発光までの立ち上げ時間が短くて済む。
【0024】
次に、時刻t4になると、陰極線C1が走査された線順次で1つ後の陰極線C2による走査段階で、出力回路450において、ブランキング信号BLが“H”レベル、および走査信号S1が接地電位レベルに切り替わり、MOSトランジスタ451はオン制御、およびMOSトランジスタ452はオフ制御されて出力端子OC1は電源電位VDDレベルに切り替わる。尚、このとき、出力端子OC2は接地レベルであり、出力端子OC1,OC2以外の出力端子OC3〜OCnは電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路430において、駆動信号D1が“L”レベル、および大電流制御信号PCが“H”レベルに切り替わり、制御部434からの信号により、プリドライバ部433のMOSトランジスタ435がオン制御、およびMOSトランジスタ436とトランスファゲート437とがオフ制御されてMOSトランジスタ431のゲート電位VG1が電源電位VDDレベルになり、同じく制御部434からの信号により、MOSトランジスタ432のゲート電位VG2が電源電位VDDレベルとなり、MOSトランジスタ431がオフ制御、およびMOSトランジスタ432がオン制御されて出力端子OA1に接地電位が供給され、有機EL素子E1,1には逆電圧VDDが供給され、有機EL素子E1,1が発光を停止する。このとき陽極線A1に接続されている有機EL素子E1,1〜E1,nのうち、有機EL素子E1,2以外は逆電圧VDDが供給され、それらの寄生容量は逆方向に充電される。
【0025】
尚、上述の大電流制御信号PCのパルス幅を、パルスの立ち下がり時点で、逆方向に充電されている有機EL素子E1,1〜E1,nの寄生容量が完全に放電し、出力端子OA1の電位が電源電位VDDレベルになるように設定した場合、陰極線C1による走査段階で、出力端子OC1が接地電位レベルに切り替わった時点で、有機EL素子E1,2〜E1,nの両端の電位は電源電位VDDレベルである。このとき、有機EL素子E1,1に定電流IF1が供給され、この定電流IF1で有機EL素子E1,1の寄生容量が正方向に充電され、有機EL素子E1,1のダイオード特性の順方向電圧VFが所望の輝度で発光することができる順方向電圧VF1となろうとするが、出力端子OA1の電位が順方向電圧VF1の電位になるまで電源電位VDDレベルと順方向電圧VF1との差分の電圧で有機EL素子E1,2〜E1,nの寄生容量が逆充電され、このとき、有機EL素子E1,1にもこの電流が流れ、有機EL素子E1,1は定電流IF1以上の電流が流れ、定電流IF1で駆動することができない。したがって、上述のように、ブランキング期間終了時点で、出力端子OA1の電位が有機EL素子の順方向電圧VF1の電位と略等しくなるように、大電流制御信号PCのパルス幅を設定すると、有機EL素子E1,1は定電流IF1で駆動することができ、所望の輝度で発光することができる。
【0026】
以上の動作は、有機EL素子E1,1を発光および発光停止させる動作についてのみ説明したが、他の有機EL素子についても同様に動作し、有機ELパネル100としては、陰極線C1〜Cnの走査を線順次に高速で繰り返すとともに、陽極線A1〜Amのうち任意の陽極線を走査ごとに駆動することにより、任意の複数位置の各有機EL素子をあたかも同時に発光しているかのように動作させる。
【0027】
次に、本発明に基づき、駆動装置200としての第2実施例の駆動装置500および駆動装置500による有機EL表示装置の駆動方法を図4乃至図8を参照して説明する。駆動装置500は、有機ELパネル100を多階調表示する能力を有し、説明を簡明にするため2のk(k=2)乗階調=4階調で表示するものとして説明する。図4において、駆動装置500は、陽極ドライバ510と、陰極ドライバ520とで構成され、陽極ドライバ510は、有機ELパネル100の各陽極線A1 〜Amに電気的接続される出力端子OA1〜OAmと、各出力端子OA1〜OAmに、走査間のブランキング期間中に大電流制御信号PCおよびk=2ビットの駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]に基づき大電流または接地電位を供給し、走査期間中に駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]に基づき階調に対応する定電流または接地電位を供給するm個の出力回路530とを有し、陰極ドライバ520は、有機ELパネル100の各陰極線C1 〜Cnに電気的接続される出力端子OC1〜OCnと、走査信号S1〜Snに基づき各出力端子OC1〜OCnに電源電位VDDまたは接地電位を供給するn個の出力回路550とを有している。尚、駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]は、外部から陽極ドライバ510にシリアルに供給され、陽極ドライバ510内の図示しない回路でパラレルに変換されて出力回路530に供給される。また、走査信号S1〜Snは、外部から陰極ドライバ520にスタート信号STおよびブランキング信号BLが供給され、陰極ドライバ520内の図示しない回路で波形の立ち下がりと立ち上がりがブランキング信号BLの立ち下がりと立ち上がりにそれぞれ同期した順次のパルスに変換されるとともにレベル変換されて出力回路550に供給される。各出力回路530の回路構成は、出力端子OA1に接続された出力回路530のみ図5に示し、各出力回路550の回路構成は、出力端子OC1に接続された出力回路550のみ図4に示し、他の出力回路530,550は同一回路構成であり図示を省略している。
【0028】
出力端子OA1に接続された出力回路530は、図5に示すように、大電流、定電流または接地電位を供給するCMOS構成のk=2個並列接続されたPチャネル型出力用MOSトランジスタ531(0),531(1)およびNチャネル型出力用MOSトランジスタ532と、MOSトランジスタ531(0),531(1)をそれぞれオフ制御、大電流制御または定電流制御するための2個のプリドライバ部533と、駆動信号D1[1:0]および大電流制御信号PCを論理処理し、その論理信号をレベル変換してMOSトランジスタ532のゲートおよびプリドライバ部533に供給する制御部534とを有している。MOSトランジスタ531(0),531(1)は、出力端子OA1から4階調に対応する定電流IF0(=0),IF1,IF2,IF3および大電流IL0(=0),IL1,IL2,IL3を供給するために、駆動信号D1[1:0]に基づき、図6に示すように制御される。すなわち、定電流IF0および大電流IL0のときは、駆動信号D1[1:0]=“00”によりMOSトランジスタ531(0),531(1)が共にオフ制御される。定電流IF1および大電流IL1のときは、駆動信号D1[1:0]=“01”によりMOSトランジスタ531(0)が定電流および大電流制御され、531(1)がオフ制御される。定電流IF2および大電流IL2のときは、駆動信号D1[1:0]=“10”によりMOSトランジスタ531(0)がオフ制御され、531(1)が定電流および大電流制御される。定電流IF3および大電流IL3のときは、駆動信号D1[1:0]=“11”によりMOSトランジスタ531(0),531(1)が共に定電流および大電流制御される。MOSトランジスタ531(0),531(1)の電流駆動能力は、例えば、IF2=2IF1、IF3=3IF1とする場合、1:2の大きさに設計される。MOSトランジスタ531(0),531(1)を上記の制御するために、MOSトランジスタ531(0)に接続されるプリドライバ部533は、駆動信号D1[1:0]のうち下位ビットの駆動信号D1(0)に基づき駆動され、MOSトランジスタ531(1)に接続されるプリドライバ部533は、駆動信号D1[1:0]のうち上位ビットの駆動信号D1(1)に基づき駆動される。各プリドライバ部533は、MOSトランジスタ531(0),531(1)をオフ制御および大電流制御するためにMOSトランジスタ531(0),531(1)のゲートを電源電位VDDおよび接地電位に接続するCMOS構成のPチャネル型制御用MOSトランジスタ535およびNチャネル型制御用MOSトランジスタ536と、MOSトランジスタ531(0),531(1)を定電流制御するためにMOSトランジスタ531(0),531(1)のゲート電位VG1を基準電位Vrefに接続するトランスファゲート537とを有し、MOSトランジスタ535,536およびトランスファゲート537の各ゲートに制御部434からの信号が供給される。
【0029】
出力端子OC1に接続された出力回路550は、図4に示すように、走査信号S1に基づき電源電位VDDおよび接地電位を供給するCMOSインバータ構成のPチャネル型MOSトランジスタ551およびNチャネル型MOSトランジスタ552を有している。
【0030】
駆動装置500による有機ELパネル100の駆動方法を説明する。外部から、陰極ドライバ520にスタート信号STおよびブランキング信号BLが供給され、陽極ドライバ510に2ビットの駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]およびブランキング信号BLのパルス幅より狭い所定の反転パルス幅を有する大電流制御信号PCが供給される。外部から陰極ドライバ520にスタート信号STおよびブランキング信号BLが供給されると、陰極ドライバ520内の図示しない回路から、パルス波形の立ち上がりと立ち下がりがブランキング信号BLの立ち下がりと立ち上がりにそれぞれ同期した走査信号S1〜Snが、n個の出力回路550にブランキング信号BLのパルス幅と同じブランキング期間を置いて線順次に供給される。このとき、陽極ドライバ510に駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]および大電流制御信号PCが供給されると、ブランキング期間を含む各走査信号S1〜Snのパルスの供給ごとに、大電流制御信号PCと、陽極ドライバ510内の図示しない回路でパラレルに変換された駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]がm個の出力回路530にそれぞれ供給される。
【0031】
以下、出力端子OA1に接続された出力回路530と出力端子OC1に接続された出力回路550の動作について、陰極線C1が走査される前の段階から走査された後の段階までを、陰極線C1が走査される段階で、陽極線A1が定電流IF2で駆動され、前後の段階で陽極線A1が駆動されなかったものと仮定して、図7のタイムチャートおよび図8の各素子の制御状態を説明する図を併用して説明する。
【0032】
まず、陰極線C1が走査される線順次で1つ前の陰極線Cnによる走査段階(時刻t1の手前)で、出力回路550において、ブランキング信号BLが“L”レベル、および走査信号S1が接地電位レベルであり、MOSトランジスタ551はオン制御、およびMOSトランジスタ552はオフ制御されて出力端子OC1は電源電位VDDレベルである。尚、このとき、出力端子OCnは接地レベルであり、出力端子OC1,OCn以外の出力端子OC2〜OCn-1は電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路530において、駆動信号D1[1:0]=“00”、すなわち、駆動信号D1(0)およびD1(1)が“L”レベル、および大電流制御信号PCが“L”レベルであり、制御部534からの信号により、各プリドライバ部533のMOSトランジスタ535がオン制御、およびMOSトランジスタ536とトランスファゲート537とがオフ制御されてMOSトランジスタ531(0),531(1)のゲート電位VG1(0),VG1(1)が電源電位VDDレベルで、同じく制御部534からの信号により、MOSトランジスタ532のゲート電位VG2が電源電位VDDレベルで、MOSトランジスタ531(0),531(1)がオフ制御、およびMOSトランジスタ532がオン制御されて出力端子OA1は接地レベルである。したがって、このとき陽極線A1に接続されている有機EL素子E1,1〜E1,nのうち、有機EL素子E1,1〜E1,n-1には逆電圧VDDが供給され、有機EL素子E1,1〜E1,n-1の寄生容量は逆方向に充電されている。
【0033】
次に、時刻t1になると、出力回路550において、ブランキング信号BLが“H(ハイ)”レベルに切り替わり、走査信号S1は接地電位レベルのままで、MOSトランジスタ551はオン制御およびMOSトランジスタ552はオフ制御されたままで出力端子OC1は電源電位VDDレベルのままである。尚、このとき、出力端子OC1以外の出力端子OC2〜OCnも電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路530において、駆動信号D1[1:0]=“10”、すなわち、駆動信号D1(0)が“L”レベルのままで、駆動信号D1(1) が“H”レベルおよび大電流制御信号PCが“H”レベルに切り替わり、制御部534からの信号により、MOSトランジスタ531(1) 側のプリドライバ部533のMOSトランジスタ535およびトランスファゲート537がオフ制御、およびMOSトランジスタ536がオン制御されてMOSトランジスタ531(1)のゲート電位VG1(1)が接地電位レベルに切り替わり、同じく制御部534からの信号により、MOSトランジスタ532のゲート電位VG2が接地電位レベルに切り替わり、MOSトランジスタ531(0)のゲート電位VG1(0)が電源電位VDDレベルのままで、MOSトランジスタ531(1)が大電流制御、およびMOSトランジスタ532がオフ制御され、MOSトランジスタ531(0) がオフ制御のままで,MOSトランジスタ531(0),531(1)のうちMOSトランジスタ531(1)のみを介して出力端子OA1から大電流IL2が供給される。このとき、逆方向に充電されている有機EL素子E1,1〜E1,n-1の寄生容量が大電流制御信号PCが“H”レベルの期間、すなわち大電流制御信号PCのパルス幅の期間放電する。このパルス幅は、パルスの立ち下がり時点で、出力端子OA1の電位が有機EL素子を所望の輝度で発光することができる定電流IF2で駆動したときの有機EL素子の順方向電圧VF2の電位より若干低くなるように設定する。したがって、このパルスの立ち下がり時点で、有機EL素子E1,1〜E1,nの寄生容量は、電源電位VDDと順方向電圧VF2の電位との差分より若干高い電圧で逆充電されている。
【0034】
次に、時刻t2になると、ブランキング信号BLが“H”レベルの状態で、出力回路530において、大電流制御信号PCが“L”レベルに切り替わり、制御部534からの信号により、MOSトランジスタ531(1) 側のプリドライバ部533のMOSトランジスタ535,536がオフ制御されるとともにトランスファゲート537がオン制御されて、MOSトランジスタ531(1)のゲート電位VG1(1)が基準電位Vrefレベルに切り替わり、MOSトランジスタ531(0)のゲート電位VG1(0)が電源電位VDDレベル、およびMOSトランジスタ532のゲート電位VG2が接地電位レベルのままで、MOSトランジスタ531(1)が定電流制御され、MOSトランジスタ531(0),532がオフ制御のままで、出力端子OA1から定電流IF2が供給される。このとき、有機EL素子E1,1〜E1,nの逆充電されていた寄生容量は、大電流制御信号PCが“H”レベルに切り替わった時点からブランキング期間終了まで、僅かに放電され、ブランキング期間終了時点で、出力端子OA1の電位が有機EL素子の順方向電圧VF2の電位と略等しくなる。ブランキング期間は、大電流制御信号PCのパルス幅と等しく設定してもよいが、このパルス幅より少し長めに設定することによって、大電流制御信号PCの“L”レベルへの切り替えの遅れにより、万が一、MOSトランジスタ531(0),531(1)が大電流制御されても、有機EL素子E1,1の等価回路を構成するダイオードの順方向には大電流が流れることはない。
【0035】
次に、時刻t3になると、出力回路530において、MOSトランジスタ531(1)が定電流制御、およびMOSトランジスタ531(0),532がオフ制御されている状態で、出力回路550において、ブランキング信号BLが“L”レベルに切り替わり、走査信号S1は電源電位VDDレベルに切り替わり、MOSトランジスタ551はオフ制御、およびMOSトランジスタ552はオン制御され、出力端子OC1は接地電位レベルに切り替わり、出力端子OA1から有機EL素子E1,1に定電流IF2が供給され、有機EL素子E1,1の寄生容量が電源電位VDDと順方向電圧VF2の電位との差分で逆充電されている逆充電状態から放電し、さらに、正方向に充電され、有機EL素子E1,1のダイオード特性の順方向電圧VFが所望の輝度で発光することができる順方向電圧VF2となると、この有機EL素子E1,1が所望の輝度で発光する。有機EL素子E1,1の寄生容量が電源電位VDDで逆充電されている状態から定電流を供給する場合より発光までの立ち上げ時間が短くて済む。
【0036】
次に、時刻t4になると、陰極線C1が走査された線順次で1つ後の陰極線C2による走査段階で、出力回路550において、ブランキング信号BLが“H”レベル、および走査信号S1が接地電位レベルに切り替わり、MOSトランジスタ551はオン制御、およびMOSトランジスタ552はオフ制御されて出力端子OC1は電源電位VDDレベルに切り替わる。尚、このとき、出力端子OC2は接地レベルであり、出力端子OC1,OC2以外の出力端子OC3〜OCnは電源電位VDDレベルである。この段階で、出力回路530において、駆動信号D1[1:0]=“00”、すなわち、駆動信号D1(0)およびD1(1)が“L”レベル、および大電流制御信号PCが“H”レベルに切り替わり、制御部534からの信号により、各プリドライバ部533のMOSトランジスタ535がオン制御、およびMOSトランジスタ536とトランスファゲート537とがオフ制御されてMOSトランジスタ531(0),531(1)のゲート電位VG1(0),VG1(1)が電源電位VDDレベルになり、同じく制御部534からの信号により、MOSトランジスタ532のゲート電位VG2が電源電位VDDレベルになり、MOSトランジスタ531(0),531(1)がオフ制御、およびMOSトランジスタ532がオン制御されて出力端子OA1に接地電位が供給され、有機EL素子E1,1には逆電圧VDDが供給され、有機EL素子E1,1が発光を停止する。このとき陽極線A1に接続されている有機EL素子E1,1〜E1,nのうち、有機EL素子E1,2以外は逆電圧VDDが供給され、それらの寄生容量は逆方向に充電される。
【0037】
尚、上述の大電流制御信号PCのパルス幅を、パルスの立ち下がり時点で、逆方向に充電されている有機EL素子E1,1〜E1,nの寄生容量が完全に放電し、出力端子OA1の電位が電源電位VDDレベルになるように設定した場合、陰極線C1による走査段階で、出力端子OC1が接地電位レベルに切り替わった時点で、有機EL素子E1,2〜E1,nの両端の電位は電源電位VDDレベルである。このとき、有機EL素子E1,1に定電流IF2が供給され、この定電流IF2で有機EL素子E1,1の寄生容量が正方向に充電され、有機EL素子E1,1のダイオード特性の順方向電圧VFが所望の輝度で発光することができる順方向電圧VF2となろうとするが、出力端子OA1の電位が順方向電圧VF2の電位になるまで電源電位VDDレベルと順方向電圧VF2との差分の電圧で有機EL素子E1,2〜E1,nの寄生容量が逆充電され、このとき、有機EL素子E1,1にもこの電流が流れ、有機EL素子E1,1は定電流IF2以上の電流が流れ、定電流IF2で駆動することができない。したがって、上述のように、ブランキング期間終了時点で、出力端子OA1の電位が有機EL素子の順方向電圧VF2の電位と略等しくなるように、大電流制御信号PCのパルス幅を設定すると、有機EL素子E1,1は定電流IF2で駆動することができ、所望の輝度で発光することができる。
【0038】
以上の動作は、有機EL素子E1,1を発光および発光停止させる動作についてのみ説明したが、他の有機EL素子についても同様に動作し、有機ELパネル100としては、陰極線C1〜Cnの走査を線順次に高速で繰り返すとともに、陽極線A1〜Amのうち任意の陽極線を走査ごとに2ビットの駆動信号D1[1:0]〜Dm[1:0]に基づき駆動することにより、任意の複数位置の各有機EL素子をあたかも同時に発光しているかのように動作させる。
【0039】
尚、上記第1および第2実施例では、大電流での駆動の開始時点が、各ブランキング期間の開始時点と同一である場合について、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に対して説明したが、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しても、同様に大電流駆動した場合、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線の電位は、ブランキング期間の開始時点で、直前の走査期間に定電流で駆動されていたときの電位であり、さらに大電流駆動することにより、電源電位となり、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、この陽極線の電位が電源電位から定電流で駆動されるときの電位になるまで、この陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みが生じ、有機EL素子に定電流以上の電流が流れ、有機EL素子を所望の輝度で発光させることができない。この欠点を解決するために、大電流での駆動を、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に対してのみ行い、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、この大電流での駆動期間、定電流で駆動するようにしてもよい。このようにすれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、大電流で駆動せず定電流で駆動するため、ブランキング期間の終了時点で、この陽極線の電位はわずかに上昇するのみで、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、この陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みはなく、有機EL素子は定電流で駆動され、所望の輝度で発光することができる。
【0040】
また、大電流での駆動の開始時点を、各ブランキング期間の開始時点と同一にするのではなく、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位を各ブランキング期間の開始時点で、一旦、接地電位にしてから大電流での駆動を開始してもよい。このようにすれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線の電位が、各ブランキング期間の開始時点で、一旦、接地電位になり、この陽極線に接続された有機EL素子の寄生容量が、直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に接続された有機EL素子の寄生容量と同様に、逆充電されるため、その後の大電流での駆動を両陽極線に対して同条件で行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係わる有機EL表示装置の駆動方法および駆動装置によれば、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、各ブランキング期間に大電流で駆動することにより、この陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を陰極ドライバの動作を切替えることなく急速に放電させることができ、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、有機EL素子が所望の輝度で発光することができる順方向電圧で駆動されるまでの時間が短くて済む。また、ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線に接続された有機EL素子の逆充電された寄生容量を、所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるまで放電させるので、各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動したとき、駆動される陽極線に接続された有機EL素子のうち走査されない陰極線に接続された有機EL素子の寄生容量から、走査される陰極線に接続された有機EL素子への電流の流れ込みはなく、有機EL素子は定電流で駆動され、所望の輝度で発光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である有機EL表示装置の駆動装置の回路図。
【図2】図1の駆動装置の動作を説明するタイミングチャート。
【図3】図1の駆動装置に含まれるトランジスタおよびトランスファゲートの制御状態を説明する図。
【図4】本発明の第2実施例である有機EL表示装置の駆動装置の回路図。
【図5】図4の駆動装置の陽極ドライバの出力回路の回路図。
【図6】図5の出力回路に含まれるトランジスタ531(0)、531(1)の駆動信号による制御状態を説明する図。
【図7】図4の駆動装置の動作を説明するタイミングチャート。
【図8】図4の駆動装置に含まれるトランジスタおよびトランスファゲートの制御状態を説明する図。
【図9】有機EL表示装置の概略構成図
【図10】従来の有機EL表示装置の駆動装置の回路図。
【図11】図10の駆動装置の動作を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
400、500 駆動装置
410、510 陽極ドライバ
420、520 陰極ドライバ
430、530 陽極ドライバの出力回路
431、531(0)、531(1) Pチャネル型出力用MOSトランジスタ
432、532 Nチャネル型出力用MOSトランジスタ
433、533 プリドライバ部
434、534 制御部
435、535 Pチャネル型制御用MOSトランジスタ
436、536 Nチャネル型制御用MOSトランジスタ
437、537 トランスファゲート

Claims (16)

  1. 陰極ドライバにより有機ELパネルの陰極線を線順次に電源電位から接地電位にして走査し、線順次の各走査期間に陽極ドライバにより有機ELパネルの任意の陽極線を定電流で駆動して、有機ELパネルに含まれる任意の有機EL素子を所望の輝度で発光させる単純マトリックス駆動方式の有機EL表示装置の駆動方法において、
    前記各走査期間の間にブランキング期間を設け、この各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、前記各ブランキング期間に前記定電流より大きい大電流で駆動するものとし、
    前記大電流から定電流の駆動への切替え時点が、前記各ブランキング期間の終了時点より前である
    ことを特徴とした有機EL表示装置の駆動方法。
  2. 前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位が、前記各ブランキング期間の終了時点で、前記所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるように前記大電流で駆動することを特徴とした請求項1記載の有機EL表示装置の駆動方法。
  3. 前記大電流での駆動の開始時点が、前記各ブランキング期間の開始時点と同一であることを特徴とした請求項1又は2に記載の有機EL表示装置の駆動方法。
  4. 前記大電流での駆動が、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に対してのみであり、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、前記大電流での駆動期間、前記定電流で駆動することを特徴とした請求項1〜3のうちの一つに記載の有機EL表示装置の駆動方法。
  5. 前記大電流での駆動が、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位を前記各ブランキング期間の開始時点で一旦接地電位にしてから開始されることを特徴とした請求項1又は2に記載の有機EL表示装置の駆動方法。
  6. 有機ELパネルの陰極線を線順次に電源電位から接地電位にして走査する陰極ドライバと、前記線順次の各走査期間に有機ELパネルの任意の陽極線を定電流で駆動する陽極ドライバとを具備して有機ELパネルに含まれる任意の有機EL素子を所望の輝度で発光させる単純マトリックス駆動方式の有機EL表示装置の駆動装置において、
    前記陰極ドライバが、前記各走査期間の間にブランキング期間を設けて走査するとともに、前記陽極ドライバが、前記各ブランキング期間の直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線を、前記各ブランキング期間に前記定電流より大きい大電流で駆動し、
    前記陽極ドライバが、前記各ブランキング期間の終了時点より前に前記大電流から定電流の駆動へ切替える
    ことを特徴とした有機EL表示装置の駆動装置。
  7. 前記陽極ドライバが、前記各直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位が、前記各ブランキング期間の終了時点で、前記所望の輝度で発光するときの有機EL素子の順方向電圧の電位に略等しくなるように前記大電流で駆動することを特徴とした請求項6に記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  8. 前記陽極ドライバが、前記各ブランキング期間の開始と同時に前記大電流での駆動を開始することを特徴とした請求項6又は7に記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  9. 前記陽極ドライバが、前記各直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線のうち直前の走査期間に定電流で駆動されなかった陽極線に対してのみ前記大電流で駆動し、直前の走査期間に定電流で駆動された陽極線に対しては、前記大電流での駆動期間、前記定電流で駆動することを特徴とした請求項6〜8の何れかに記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  10. 前記陽極ドライバが、前記各直後の走査期間に定電流で駆動される陽極線の電位を前記各ブランキング期間の開始時点で一旦接地電位にしてから前記大電流での駆動を開始することを特徴とした請求項6又は7に記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  11. 前記陽極ドライバが、前記大電流および定電流を供給する出力用トランジスタと、この出力用トランジスタを大電流制御および定電流制御するプリドライバ部とを有することを特徴とした請求項6〜10の何れかに記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  12. 前記陽極ドライバが、外部から供給され内部で前記各陽極線に対応するためシリアル/パラレル変換された駆動信号と、外部から供給され前記ブランキング期間以内のパルス幅を有する大電流制御信号とに基づき前記各駆動を行う出力回路を各陽極線ごとに有し、前記各出力回路が、接地電位を供給するNチャネル型出力用MOSトランジスタと、このNチャネル型出力用MOSトランジスタとでCMOS構成され前記大電流および定電流を供給するPチャネル型出力用MOSトランジスタと、前記Pチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートを制御するプリドライバ部と、前記駆動信号および大電流制御信号に基づき前記Nチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートおよび前記プリドライバ部を制御する制御部とを有することを特徴とした請求項6〜10の何れかに記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  13. 前記プリドライバ部が、接地電位を供給するNチャネル型制御用MOSトランジスタと、電源電位を供給するPチャネル型制御用MOSトランジスタと、定電流制御電位を供給するトランスファゲートとを有することを特徴とした請求項12記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  14. 前記陽極ドライバが、前記有機ELパネルを2のk乗階調表示するために2のk乗階調表示に対応する定電流で駆動することを特徴とした請求項6〜10の何れかに記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  15. 前記陽極ドライバが、外部から供給され内部で前記各陽極線に対応するためシリアル/パラレル変換されたkビットの駆動信号と、外部から供給され前記ブランキング期間以内のパルス幅を有する大電流制御信号とに基づき前記各駆動を行う出力回路を各陽極線ごとに有し、前記各出力回路が、CMOS構成で接地電位を供給するNチャネル型出力用MOSトランジスタ、および前記大電流と定電流とを供給するk個並列のPチャネル型出力用MOSトランジスタと、前記各Pチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートを制御するk個のプリドライバ部と、前記駆動信号および大電流制御信号に基づき前記Nチャネル型出力用MOSトランジスタのゲートおよび前記各プリドライバ部を制御する制御部とを有することを特徴とした請求項14記載の有機EL表示装置の駆動装置。
  16. 前記各プリドライバ部が、接地電位を供給するNチャネル型制御用MOSトランジスタと、電源電位を供給するPチャネル型制御用MOSトランジスタと、定電流制御電位を供給するトランスファゲートとを有することを特徴とした請求項15記載の有機EL表示装置の駆動装置。
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