JP4790505B2 - 微生物を用いた連続水素生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微生物を用いた水素生成方法に関するものである。
水素は化石燃料と異なり、燃焼しても炭酸ガスや硫黄酸化物など環境問題より懸念される物質を発生しない究極のクリーンエネルギー源として注目され、単位質量当たりの熱量は石油の3倍以上あり、燃料電池に供給すれば電気エネルギーおよび熱エネルギーに高い効率で変換できる。
水素の化学的製法として、従来、天然ガスやナフサの熱分解水蒸気改質法などの技術が提案されている。この方法は、高温高圧の反応条件を必要とすること、そして製造される合成ガスにはCO(一酸化炭素)が含まれるため燃料電池用燃料として使用する場合には燃料電池電極触媒劣化防止のため、技術的課題解決難度の高いCO除去を行うことが必要となる。
一方、微生物による生物的水素製造方法は、常温常圧の反応条件であること、そして生成するガスにはCOが含まれないためその除去も不要である。
このような観点から、微生物による生物的水素製造は、燃料電池用燃料供給方法のより好ましい方法として、注目されている。
生物的水素製造方法は、大別して光合成微生物を使用する方法と非光合成微生物(主に嫌気性微生物)を使用する方法に分けられる。前者の方法は水素生成に光エネルギーを用いるため、その低い光エネルギー利用効率により広大な集光面積を要し、水素生成装置の価格問題や維持管理の難しさ等、解決しなければならない課題が多く、実用的なレベルではない。
後者の嫌気性微生物を使用する従来の水素製造方法は、嫌気性微生物の分裂増殖に依存したものである。嫌気条件下では増殖が極めて遅く(特許文献1)、そのため、大規模な反応容器が必要であるという問題点があった。
上記の問題点に関して、本発明者らを含むグループは、先に、単位体積あたりの水素生成速度が向上する水素製造方法を開発した(特許文献2)。この特許文献2には、水素生成原料を蟻酸とした場合、添加された蟻酸は反応部内に滞留することなく即座に水素と二酸化炭素に分解されることが開示されている。
米国特許第5,834,264号 国際公開2004/074495A1号パンフレット
これまで、本発明者らを含むグループでは、水素生成能力を有する微生物を用いて、微生物の分裂増殖に依存しない水素を製造する方法を提案したが、原料成分として反応液に供給する高濃度の蟻酸が微生物に影響を及ぼすために、連続的に水素生成を行った場合、水素累積生成量が少なくなる問題点があった。
本発明者らは上記の課題を解決することを目的として、鋭意検討を行った結果、低濃度の蟻酸イオンを含む溶液を供給することで、蟻酸が反応液中の微生物に及ぼす影響を低減することができた。この方法で連続的な水素生成を行うに際しては、反応部の反応液量を維持することが必要である。本発明は、長期間に水素を連続的に生成できる水素生成装置における反応基質の供給および排出に関して、新たな循環システムの構築により課題を解決することが可能となった。
すなわち、本発明は、
(1) 蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有する微生物を用いて蟻酸を含む有機性原料から連続的に水素を生成させる方法であって、該方法に用いる反応装置が、原料供給部、反応部、ガス排出部および反応部から反応液を循環させる循環部とからなり、該循環部には、循環反応液中の微生物菌体を分離するためのフィルターが設けられており、該反応部で該有機性原料を水素と二酸化炭素に変換させ、循環反応液は該フィルターにより微生物菌体が分離された後の循環反応液の部分的な排出量の制御により反応部の液面が一定に保たれるように循環させることを特徴とする連続的水素生成方法、
(2) フィルターの孔径が、0.01ミクロン乃至5ミクロンであることを特徴とする前記(1)記載の連続的水素生成方法、
(3) 反応液中の溶質成分濃度が、循環反応液の部分的排出量を制御することにより一定に保たれることを特徴とする前記(1)記載の連続的水素生成方法、
(4) 循環部に、微生物菌体の水素生成能力の維持もしくは再活性の為の培養槽が具備されていることを特徴とする前記(1)記載の連続的水素生成方法、
(5) 反応部に供給される有機性原料が、蟻酸イオンを0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲で含む溶液であることを特徴とする前記(1)記載の水素生成方法、および
(6) 反応部における微生物菌体濃度が10%(w/w)乃至80%(w/w)(重量パーセント)であることを特徴とする前記(1)記載の水素生成方法、
に関する。
本発明は、微生物を用いた水素生成法において、原料として加える高濃度の蟻酸を用いる場合の、微生物の水素生成能力に及ぼす影響を低減させ、累積水素生成量が飛躍的に増大する水素生成方法を提供する。
本発明の連続的水素生成方法は、蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有する微生物を用いて蟻酸を含む有機性原料から連続的に水素を生成させる方法であって、該方法に用いる反応装置が、原料供給部、反応部、ガス排出部および反応部から反応液を循環させる循環部とからなり、該循環部には、循環反応液中の微生物菌体を分離するためのフィルターが設けられており、該反応部で該有機性原料を水素と二酸化炭素に変換させ、循環反応液は該フィルターにより微生物菌体が分離された後の循環反応液の部分的な排出量の制御により反応部の液面が一定に保たれるように循環させることを特徴とする。
微生物としては、原核生物(真正細菌、古細菌)と真核生物(藻類、原生生物、菌類、粘菌)に分ける考え方が一般的であり、本発明に用いる微生物は、特に原核生物を用いることが好適である。その中でも、細菌を用いることが好ましい。
嫌気性微生物による水素生成に関する代謝経路は、様々な経路、例えば、グルコースのピルビン酸への分解経路における代謝産物としての水素生成、ピルビン酸がアセチルCoAをへて酢酸が生成する経路での代謝産物としての水素生成、そしてピルビン酸由来の蟻酸より水素が生成する経路等が知られている。
微生物細胞内の蟻酸より水素が生成する代謝経路を有する嫌気性細菌としては、蟻酸脱水素酵素遺伝子(F.Zioni,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1986)Vol.83,pp4650−4654)およびヒドロゲナーゼ遺伝子(R.Boehm,et al.,Molecular Microbiology(1990)Vol.4,231−243)を有する微生物が好ましく用いられる。
上記の水素生成で使用される具体的な嫌気性細菌の例としては、エシェリキア(Escherichia)属微生物−例えばエシェリキア コリ(Escherichia coli ATCC9637、ATCC11775、ATCC4157等)、クレブシェラ(Klebsiella)属微生物−例えばクレブシェラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae ATCC13883、ATCC8044等)、エンテロバクター(Enterobacter)属微生物−例えばエンテロバクター アエロギネス(Enterobacter aerogenes ATCC13048、ATCC29007等)そしてクロストリジウム(Clostridium)属微生物−例えばクロストリジウム ベイエリンキイ(Clostridium beijerinckii ATCC25752、ATCC17795等)等が挙げられる。
さらには、本発明の微生物を用いた水素製造方法において、水素生成能力が向上した組換え微生物を用いることが好ましい。このような水素生成能力を向上させる方法としては、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステム(以下、FHLシステムと略記する。)の生成を強化する遺伝子を高発現させる方法、あるいは、FHLシステムの生成に関する抑制遺伝子を不活性化させる方法などが挙げられる。ここで、高発現とは、目的遺伝子(例えばfhlA遺伝子)の発現量が増加されていることを意味し、目的遺伝子を二つ以上有することや、目的遺伝子が一つであってもプロモーターの改変などにより発現量が増加されていることなども含む。
このような組換え微生物の例としては、FHLシステムの転写アクティベーター遺伝子が高発現された微生物、および、FHLシステムの転写アクティベーター遺伝子が高発現され、かつFHLシステムの生成に関する抑制遺伝子が不活性化されている微生物等が挙げられる。本発明の水素生成方法に好適に使用される微生物の具体例としては、例えば、エシェリキア コリ(ATCC27325)の形質転換体であり、W3110/fhlA−pMW118と命名された、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP−10444として寄託されている微生物、または、W3110 △hycA/fhlA−pMW118と命名された、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP−10443として寄託されている微生物等が挙げられる。なお、本明細書において、△hycAは、
Figure 0004790505
を表す。
図1に本発明で使用する装置(すなわち、微生物により蟻酸から水素を生成させる装置)の構成図の一例を示す。
この装置は、微生物を含む反応部1から反応液を循環させる循環部と、この循環系の一部に、微生物菌体と液体成分とを分離するフィルター部2を配備している。また、この装置には、水素生成の原料を供給する原料供給部3も設置され、供給ポンプ4で反応部1に供給され、反応部に接続されたガス排出部14から水素を含むガスが生成することが可能な水素生成装置である。
反応部1から、反応液を反応液循環ポンプ5で速度を制御しながら、フィルター部2を通して反応部1へ反応液を循環させる。このときに、フィルター部2の前後では、液体成分が分離される。液体成分とは、反応液中の炭素源・窒素源や無機塩類などの栄養分や微生物の代謝産物などの溶質を含む液体であり、反応液中に含まれている微生物菌体以外の成分のことである。液体成分排出ポンプ6から排出液タンク7へ排出される。反応部に供給された蟻酸は反応部において即座に水素および二酸化炭素に分解されるため、排出液内の蟻酸濃度は薄くなっているため、供給ポンプ4による原料の供給速度に対して液体成分排出ポンプ6による液体成分排出速度は反応部内で分解された蟻酸分だけ遅く設定することが可能である。反応液はフィルター部2を通過することにより微生物が濃縮され、反応部1へ戻る。循環している反応液を部分的に排出することにより、反応部の液面が一定に保たれる。
フィルター部2においては、図1では反応部外にフィルター部2を載置している構成図を示しているものの、反応部内にフィルター部2を載置しても構わない。その場合、反応部から反応液の液体成分が排出されることが可能であればよい。また、排出された液体成分は、水素原料である高濃度蟻酸の希釈に用い、再利用することも可能である。
反応液中には炭素源・窒素源や無機塩類などの栄養分や代謝産物などの溶質を含んでいる場合があり、この時フィルター部2を通じて排出される排出液中にも栄養分や代謝産物が含まれる。特に栄養分に関しては、排出される分を補充することにより濃度を一定に保つ必要がある。原料供給部3から必要な溶質を補充するもしくは別の供給口を設置し補充することによっても反応部1の液面制御が可能となる。ここで、「濃度の一定」とは、その濃度の変動が+(プラス)、−(マイナス)20%の範囲にあることを意味する。
反応部において、蟻酸により微生物はストレスを受け、反応寿命が制限される場合がある。そのような場合、反応部から反応液を別の槽(培養槽)に移し、そこで水素生成能力の維持もしくは再活性を行うことが可能である。かかる培養槽を備えた水素発生装置の構成図の一例を図2に示す。
微生物により水素を生成させる装置において、外部から蟻酸を含む液が供給され水素生成反応が起こる反応部21と、反応部の反応液が循環される培養槽22とが連結し、反応部21と培養槽22の反応液が反応液排出ポンプ25により、反応部21から培養槽22へ排出され、さらに反応液循環ポンプ26により培養槽22から反応部21へ反応液が循環している。この反応液排出ポンプ25、反応液循環ポンプ26の流速は、各槽内の液量を維持するために調整することが好ましい。さらには、反応部21での微生物の滞留時間が制御できることが好ましい。その反応部21の水理学的滞留時間(HRT)は、0.5乃至24時間であることが好ましい。培養槽22には、反応液成分を除去可能であるフィルター部33、液体成分排出部(反応液の排出口)35が載置している装置が好ましく用いることができる。フィルター部33には、微生物菌体を分離するためのフィルターを備えられている。なお、本発明においては、培養槽22、フィルター部33等を含めて循環部といい、この培養層22とフィルター部33の間には循環ポンプ(図示されていない)を設置することが推奨される。
培養槽22は、直接外部から蟻酸を含む原料を供給できない構造になっている。従って、反応部21では添加される蟻酸の影響を受けることにより、連続水素生成反応において経時的に水素生成能力が低下するが、反応液を培養槽22に移すことにより、局所的な蟻酸の悪影響を回避することができ、水素生成能力の維持が可能となる。さらに反応液内に栄養分が含まれる場合においては、培養槽22に移された微生物菌体は局所的な蟻酸の影響を受けることなく栄養源を利用することにより水素生成能力の再活性化を行うことが可能となる。この再活性化とは、連続水素生成反応において低下した微生物菌体の水素生成能力を向上させることであり、水素生成に関与する酵素、たとえば蟻酸デヒドロゲナーゼやヒドロゲナーゼを再合成することである。微生物菌体は栄養源を用いることによって増殖する場合があるが、酵素の合成が起こることにより再活性化されるため、必ずしも微生物菌体の増殖が起こる必要はない。
水素生成装置には、水素生成の原料となる原料供給部23が設置され、原料供給ポンプ24で反応部21に供給され、反応部のガス排気弁27を通して、ガス排出部30から水素を含むガスが排出される。なお、この装置は全て嫌気雰囲気および温度制御が可能な雰囲気(嫌気雰囲気および温度制御ボックス32)で用いることが可能である。
原料供給部に含まれる有機性原料は、蟻酸脱水素酵素およびヒドロゲナーゼの作用により水素を含むガスを生成するために、蟻酸イオンを含む溶液であることが必須である。原料供給部内の蟻酸イオン濃度は、高濃度蟻酸を用いた場合には、直接的な添加により、反応液内の微生物に直接的に与えるダメージが大きく、連続的な水素の生成に影響を及ぼすために好ましくない。そのため、蟻酸イオン濃度としては、24.0mol/l(モル/リットル)以下であることが好ましく、また、反応液内の微生物菌体濃度を維持することの操作の容易性から、0.5mol/l(モル/リットル)以上であることが好ましい。したがって、蟻酸イオン濃度は、0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)であることがより好ましい。蟻酸イオン濃度の調整は、供給直前に0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲に希釈することも可能である。なお、排出液の排出速度の制御が可能であれば、供給液の蟻酸イオン濃度は0.5mol/l(モル/リットル)以下でも構わない。
蟻酸イオンを含む溶液の調製に用いる原料としては蟻酸および蟻酸塩が挙げられる。蟻酸塩としては、例えば、蟻酸亜鉛、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、蟻酸セシウム、蟻酸ニッケル、蟻酸バリウム、蟻酸カルシウム、蟻酸マンガン、蟻酸アンモニウムなどを用いることが可能である。以上の原料の中でも、水に対する溶解度の面から、蟻酸、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、蟻酸カルシウム、および蟻酸アンモニウムが好ましく、コストの面から蟻酸、蟻酸ナトリウムおよび蟻酸アンモニウムがより好ましい。さらに、蟻酸からの生成物は水素および二酸化炭素の気体のみとなるので、扱い易さの面からは、蟻酸が好ましい。
反応液中の微生物菌体濃度は、高濃度の状態で水素を生成するプロセスとし、かつ分裂増殖に用いられるエネルギー源を低減させるという観点から、10%(w/w)乃至80%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)とするのが好ましい。また、微生物菌体を含む反応液の粘性が高くなるという観点から、微生物菌体濃度は10%(w/w)乃至70%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)が好ましい。さらに好ましくは、単位体積あたりの水素生成量という観点からは、微生物菌体濃度は30%(w/w)乃至70%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)が好ましい。
微生物菌体と反応液の液体成分とを分離する方法としては、沈降分離、遠心分離、ろ過分離による方法等が挙げられる。中でも、ろ過分離による方法が、連続的に分離を行う手段として好ましい。
ろ過分離による方法は、多孔性膜を用いて、圧力差を利用して分離する方法であり、かかる方法としては、デッドエンド型ろ過方法とクロスフローろ過方法の2種類が挙げられる。本発明では、特に後者の方法、すなわちクロスフローろ過方法が好ましく、この方法によれば、膜の接線方向に反応液内上清成分の液の流れによって、膜の表面が絶えず洗い流されるためにろ過が進行しても、安定したろ過速度を保つことが可能である。また、膜の表面上に微生物菌体などが蓄積することによりろ過能力が低減した場合には、別途逆洗浄などの機能を付加することによりろ過能力を回復することが可能である。
クロスフローろ過方法の膜の構造としては、平膜カセット、中空糸、管状膜などを用いることが可能であり、特に容積あたりの膜面積の比から、平膜カセット、中空糸が好ましく用いることが出来る。
クロスフローろ過方法の膜の材質としては、再生セルロース、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルフォンなどの高分子系の膜、アルミナなどのセラミック系の膜を用いることが可能である。膜の孔径は、微生物と反応液の液体成分を分離できる孔径であり、かかる孔径としては、0.01乃至5ミクロンが好ましい。さらには、孔径0.01乃至2ミクロンがより好ましく用いることが出来る。
クロスフローろ過方式のフィルター部を用いた装置では、上記のサイクルを繰り返すことにより、栄養分や代謝産物などを含む液体成分を反応部から除去することが可能となる。反応部中の液量は、最初に設定した液量から一定の範囲内に維持することが好ましい。一定の範囲としては、反応液の±20%以内に設定できるように調整することが好ましい。−20%未満の場合には、反応液中の微生物菌体濃度が高くなり、反応液の粘性が高くなるために好ましくない。また+20%より大きい場合には、反応部中のデッドスペースが低下するため、生成ガスの反応液中からの排出の面で好ましくない。
反応液では、気体の生成が激しいため、消泡剤を加えることが好ましい。消泡剤については、公知なものが用いられる。具体的にはシリコーン系、ポリエーテル系の消泡剤が用いられる。消泡剤の添加方法は、あらかじめ反応液内に添加しておく方法、断続的もしくは連続的に供給する方法などいずれの方法を用いることも可能である。
水素生成する系において、本発明で使用する装置内は、嫌気条件下にされる。具体的には、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気で用いることが可能であるものの、嫌気条件下での攪拌培養時にはガス生成を伴うために、かかる不活性ガスの使用は必ずしも必要としない。反応液は、還元状態下で用いる必要がある。この反応液の嫌気的条件として、酸化還元電位が−100mV乃至−500mVであることが好ましく、−200mV乃至−500mVであることがさらに好ましい。一時的に酸素が混入した場合においても、菌体密度が高い場合、混入した酸素は直ちに消費され、再び嫌気状態が保たれるため、ヒドロゲナーゼの活性が低下しない範囲であれば酸素の混入も許容される。
水素生成反応の反応温度は、用いる微生物種にもよるが、一般的に常温微生物を用いた場合、20℃乃至45℃の条件が好ましく、さらに好ましくは30℃乃至40℃の範囲が微生物の反応寿命の面からも好ましい。
栄養源として、炭素源、窒素源、ミネラル源等が挙げられる。炭素源としては、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラクトース、スクロース、セルロース、廃糖蜜、グリセロール等が挙げられる。また、窒素源としては、例えばアンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩等の無機態窒素源や、例えば尿素、アミノ酸類、タンパク質等の有機態窒素源が挙げられる。またミネラル源としては、おもにK、P、Mg、Sなどを含む、例えばリン酸一水素カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。これらの栄養源は、原料液に添加して用いることができる。これら以外にも必要に応じて、水素生成酵素群に含まれるMo、Fe、Se、Niなどの微量金属や、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸、ビオチン、チアミン等各種ビタミン等の栄養素を原料液中に添加することもできる。
本発明方法では、微生物を用いた水素生成装置が使用され、主に水素と二酸化炭素からなるガスが生成し、基本的には一酸化炭素は生成しない。一般的に、水素を含むガスを現在の固体高分子型燃料電池の燃料として用いる場合には、一酸化炭素を除去するシステム(CO変成器、CO除去器等)を用いて、COの濃度を10ppm以下に維持する必要があるものの、本発明の水素製造方法で生成したガスを燃料電池の燃料として用いたシステムでは、COを除去するシステムが不要であり、装置を簡易化することができるという利点がある。また、水素製造時の反応容器の温度制御に関しても、一般的に従来の天然ガスを用いた改質方法では600℃以上の改質温度が必要となるが、本発明方法で使用する反応容器はほぼ常温で用いることが可能である。
以下実施例により具体的に本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
[実施例1]
組換え大腸菌(エシェリヒア コリW3110 △hycA/fhlA―PMW118、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号:FERM BP−10443)による水素生成
上記に示した組換え大腸菌を表1で示される組成の培養液500mlに菌体濃度0.05%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)となるように添加し、好気的条件下、37℃で一晩振盪培養(前培養)を行った。
Figure 0004790505
次に好気的条件下、一晩振盪培養(前培養)を行った培養液よりその一部を採取し、下表2で示される組成の培養液20l(リットル)に加え、37℃で24時間の嫌気培養(本培養)を行った。なお、培養時に培養液のpHは6.0を保つように、適時5mol/l(モル/リットル)水酸化ナトリウム溶液の添加を行った。
Figure 0004790505
ついで、本培養液を遠心分離機にかけ(5000回転、15分)、上澄み液を除去し、水素生成能力を有する微生物を得ることができた。
本微生物を遠心分離により分離後、上記表2の組成で示される還元状態下の水素生成用反応液500ml(ミリリットル)に懸濁調製した(微生物菌体濃度約40% 湿潤状態菌体質量基準)。
本実施例は、図1に示す装置を用いて行った。
図1に示す反応部1に前記で調製した反応液を添加した。また、図1の原料供給部2には、24.0mol/l(モル/リットル)濃度の蟻酸水溶液を調製し、準備した。フィルター部2には、ペンシル型モジュールmicroza(旭化成製;フィルターの孔径:0.25ミクロン)を設置した。反応部内の液量を初期設定量に維持できるように、液体成分排出ポンプ6の調整を行なった。また、攪拌装置9のモーター8を回転させ、反応液を攪拌させた。図1に示す装置は嫌気雰囲気制御ボックス15に載置されている。
供給ポンプ4を用いて、蟻酸水溶液を30ml/hr(ミリリットル/時)のフィード速度で連続的に反応部に供給して生成するガス量を測定した。ガス生成速度の測定はマスフローメータ(MODEL3810 コフロック製)を用いて行った。蟻酸の供給と同時に反応液循環ポンプ5、液体成分排出ポンプ6を回転させ、反応液の循環およびろ過を開始した。また、蟻酸の供給と同時にガス生成が起こり、その捕集したガスをガスクロマトグラフィー(GC14B 島津製作所製)により分析したところ、生成ガス中には50%の水素と残余の炭酸ガス等を含んでいた。
なお、蟻酸の供給速度を一定のままに保持した状態で、蟻酸の供給量に対して、生成ガス量が低下し始めるまで、蟻酸の供給を連続的に行い、累積の水素生成量とした。なお、連続的に水素生成が起こっている間、排出液内の蟻酸イオンの濃度は0.025mol/l(モル/リットル)以下を保っていた。生成ガスが低下し始めた際には、排出液内の蟻酸イオンの濃度は0.025mol/l(モル/リットル)を上回っていた。
上記の結果により、本発明の「微生物を用いた水素生成方法」において、低濃度の蟻酸を供給原料に用いることが可能であることが確認できる。
[実施例2、3、比較例1]
原料供給部2には13.3mol/l(モル/リットル)(実施例2)、0.5mol/l(モル/リットル)(実施例3)、26.0mol/l(モル/リットル)(比較例1)の蟻酸水溶液を用いる以外は、実施例1と同様の評価方法で行なった。
図3に、蟻酸の濃度と累積の水素生成量の関係を示す。
実施例1〜3、比較例1の結果から、反応部に供給する蟻酸の濃度は24mol/l(モル/リットル)以下の濃度で供給することにより、累積水素生成量を増大させることが可能となることを確認できた。
さらに、0.5mol/l(モル/リットル)よりも低い蟻酸濃度の場合には、反応部の溶液量を一定に保つために、供給量の98%程度の溶液を排出する必要が生じ、フィルターの性能および、操作性の面から好適に用いることは困難である。
よって、微生物による水素生成を効率的に行うためには、供給する蟻酸は0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲とするのが好ましい。
〔実施例4〕
組換え大腸菌(エシェリヒア コリ W3110 △hycA/fhlA−PMW118、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号:FERM BP−10443)による水素生成
上記に示した組換え大腸菌を前記表1で示される組成の培養液500mlに菌体濃度0.05%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)となるように添加し、好気的条件下、37℃で一晩振盪培養(前培養)を行った。
次に好気的条件下、一晩振盪培養(前培養)を行った培養液よりその一部を採取し、前記表2で示される組成の培養液20l(リットル)に加え、37℃で24時間の嫌気培養(本培養)を行った。なお、培養時に培養液のpHは6.0を保つように、適時5mol/l(モル/リットル)水酸化ナトリウム溶液の添加を行った。
ついで、本培養液を遠心分離機にかけ(5000回転、15分)、上澄み液を除去し、水素生成能力を有する微生物を得ることができた。本微生物を遠心分離により分離後、前記表2の組成で示される還元状態下の水素生成用反応液に懸濁調製した(微生物菌体濃度約40% 湿潤状態菌体質量基準)。
本実施例は、図2に示した装置を用いて行った。同装置には、循環部にフィルター部33と培養層22が具備されている。
反応部21に調製した反応液を添加した。また、原料供給部23には26.6mol/l(モル/リットル)濃度の蟻酸水溶液を準備した。反応部内の液量は初期設定量に維持できるように、反応液排出ポンプ25と、反応液循環ポンプ26の調整を行った。水理学的滞留時間(HRT)が、1時間となるように設定した。攪拌装置29のモーター28を回転させ、反応液を攪拌させた。なお、図2に示す装置は嫌気雰囲気制御ボックス32に載置されている。
原料供給ポンプ24を用いて、蟻酸水溶液を30ml/hr(ミリリットル/時)のフィード速度で連続的に反応部21に供給して、生成するガス量を測定した。ガス生成速度の測定はマスフローメータ(MODEL3810 コフロック製)を用いて行った。蟻酸の供給と同時に反応液排出ポンプ25と、反応液循環ポンプ26を回転させ、反応液の循環を開始した。また、蟻酸の供給と同時にガス生成が起こり、その捕集したガスをガスクロマトグラフィー(GC14B 島津製作所製)により分析した。その結果、生成ガス中には50%の水素と残余の炭酸ガス等を含んでいた。
なお、蟻酸の供給速度を一定のままに保持した状態で、蟻酸の供給量に対して、生成ガス量が低下し始めるまで、蟻酸の供給を連続的に行い、累積水素生成量とした。
〔比較例2〕
反応液排出ポンプ25と、反応液循環ポンプ26を用いることなく、培養槽を使用せずに水素の生成を行うこと以外は、実施例4と同様の条件で評価を行った。
実施例4、比較例2の結果を図4に示す。
実施例4、比較例2の結果から、反応液排出ポンプ25と反応液循環ポンプ26を用いて、反応部21と培養槽22との反応液を循環させることにより、水素生成能力が維持され、累積水素生成量が増大することが分かる。
本発明方法によれば、微生物を用いて水素を効率的に生成させることができるため、本発明方法は工業的に非常に有利な方法である。
本発明の微生物を用いた水素生成装置の模式図である。 本発明の微生物を用いた水素生成装置の模式図である。 本発明の水素生成装置を用いた原料供給部の蟻酸濃度と累積水素生成量の関係を示した図である。 本発明の水素生成装置を用いて、反応部21と培養槽22との反応液の循環の有無と累積水素生成量の関係を示した図である。
符号の説明
1:反応部
2:フィルター部
3:原料供給部
4:供給ポンプ
5:反応液循環ポンプ
6:液体成分排出ポンプ
7:排出液タンク
8:モーター
9:攪拌装置
10:温度制御装置
11:原料供給口
12:液体成分排出部
13:水位センサー
14:ガス排出部
15:嫌気雰囲気制御ボックス
21:反応部
22:培養槽
23:原料供給部
24:原料供給ポンプ
25:反応液排出ポンプ
26:反応液循環ポンプ
27:生成ガス排気弁
28:モーター
29:攪拌装置
30:ガス排出部
31:原料供給口
32:嫌気雰囲気及び温度制御ボックス
33:フィルター部
34:排出液タンク
35:液体成分排出部

Claims (5)

  1. 蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有する微生物を用いて蟻酸を含む有機性原料から連続的に水素を生成させる方法であって、該方法に用いる反応装置が、原料供給部、反応部、ガス排出部および反応部から反応液を循環させる循環部とからなり、該循環部には、循環反応液中の微生物菌体を分離するためのフィルターが設けられており、該反応部で該有機性原料を水素と二酸化炭素に変換させ、循環反応液は該フィルターにより微生物菌体が分離された後の循環反応液の部分的な排出量の制御により反応部の液面が一定に保たれるように循環させ、反応部に供給される有機性原料が蟻酸イオンを0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲で含む溶液であることを特徴とする連続的水素生成方法。
  2. フィルターの孔径が、0.01ミクロン乃至5ミクロンであることを特徴とする請求項1記載の連続的水素生成方法。
  3. 反応液中の溶質成分濃度が、循環反応液の部分的排出量を制御することにより一定に保たれることを特徴とする請求項1記載の連続的水素生成方法。
  4. 循環部に、微生物菌体の水素生成能力の維持もしくは再活性の為の培養槽が具備されていることを特徴とする請求項1記載の連続的水素生成方法。
  5. 反応部における微生物菌体濃度が10%(w/w)乃至80%(w/w)であることを特徴とする請求項1記載の水素生成方法。
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