JP4790505B2 - 微生物を用いた連続水素生成方法 - Google Patents
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Description
このような観点から、微生物による生物的水素製造は、燃料電池用燃料供給方法のより好ましい方法として、注目されている。
(1) 蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有する微生物を用いて蟻酸を含む有機性原料から連続的に水素を生成させる方法であって、該方法に用いる反応装置が、原料供給部、反応部、ガス排出部および反応部から反応液を循環させる循環部とからなり、該循環部には、循環反応液中の微生物菌体を分離するためのフィルターが設けられており、該反応部で該有機性原料を水素と二酸化炭素に変換させ、循環反応液は該フィルターにより微生物菌体が分離された後の循環反応液の部分的な排出量の制御により反応部の液面が一定に保たれるように循環させることを特徴とする連続的水素生成方法、
(2) フィルターの孔径が、0.01ミクロン乃至5ミクロンであることを特徴とする前記(1)記載の連続的水素生成方法、
(3) 反応液中の溶質成分濃度が、循環反応液の部分的排出量を制御することにより一定に保たれることを特徴とする前記(1)記載の連続的水素生成方法、
(4) 循環部に、微生物菌体の水素生成能力の維持もしくは再活性の為の培養槽が具備されていることを特徴とする前記(1)記載の連続的水素生成方法、
(5) 反応部に供給される有機性原料が、蟻酸イオンを0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲で含む溶液であることを特徴とする前記(1)記載の水素生成方法、および
(6) 反応部における微生物菌体濃度が10%(w/w)乃至80%(w/w)(重量パーセント)であることを特徴とする前記(1)記載の水素生成方法、
に関する。
この装置は、微生物を含む反応部1から反応液を循環させる循環部と、この循環系の一部に、微生物菌体と液体成分とを分離するフィルター部2を配備している。また、この装置には、水素生成の原料を供給する原料供給部3も設置され、供給ポンプ4で反応部1に供給され、反応部に接続されたガス排出部14から水素を含むガスが生成することが可能な水素生成装置である。
[実施例1]
組換え大腸菌(エシェリヒア コリW3110 △hycA/fhlA―PMW118、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号:FERM BP−10443)による水素生成
上記に示した組換え大腸菌を表1で示される組成の培養液500mlに菌体濃度0.05%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)となるように添加し、好気的条件下、37℃で一晩振盪培養(前培養)を行った。
本微生物を遠心分離により分離後、上記表2の組成で示される還元状態下の水素生成用反応液500ml(ミリリットル)に懸濁調製した(微生物菌体濃度約40% 湿潤状態菌体質量基準)。
図1に示す反応部1に前記で調製した反応液を添加した。また、図1の原料供給部2には、24.0mol/l(モル/リットル)濃度の蟻酸水溶液を調製し、準備した。フィルター部2には、ペンシル型モジュールmicroza(旭化成製;フィルターの孔径:0.25ミクロン)を設置した。反応部内の液量を初期設定量に維持できるように、液体成分排出ポンプ6の調整を行なった。また、攪拌装置9のモーター8を回転させ、反応液を攪拌させた。図1に示す装置は嫌気雰囲気制御ボックス15に載置されている。
上記の結果により、本発明の「微生物を用いた水素生成方法」において、低濃度の蟻酸を供給原料に用いることが可能であることが確認できる。
原料供給部2には13.3mol/l(モル/リットル)(実施例2)、0.5mol/l(モル/リットル)(実施例3)、26.0mol/l(モル/リットル)(比較例1)の蟻酸水溶液を用いる以外は、実施例1と同様の評価方法で行なった。
実施例1〜3、比較例1の結果から、反応部に供給する蟻酸の濃度は24mol/l(モル/リットル)以下の濃度で供給することにより、累積水素生成量を増大させることが可能となることを確認できた。
さらに、0.5mol/l(モル/リットル)よりも低い蟻酸濃度の場合には、反応部の溶液量を一定に保つために、供給量の98%程度の溶液を排出する必要が生じ、フィルターの性能および、操作性の面から好適に用いることは困難である。
よって、微生物による水素生成を効率的に行うためには、供給する蟻酸は0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲とするのが好ましい。
組換え大腸菌(エシェリヒア コリ W3110 △hycA/fhlA−PMW118、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号:FERM BP−10443)による水素生成
上記に示した組換え大腸菌を前記表1で示される組成の培養液500mlに菌体濃度0.05%(w/w)(湿潤状態菌体質量基準)となるように添加し、好気的条件下、37℃で一晩振盪培養(前培養)を行った。
次に好気的条件下、一晩振盪培養(前培養)を行った培養液よりその一部を採取し、前記表2で示される組成の培養液20l(リットル)に加え、37℃で24時間の嫌気培養(本培養)を行った。なお、培養時に培養液のpHは6.0を保つように、適時5mol/l(モル/リットル)水酸化ナトリウム溶液の添加を行った。
ついで、本培養液を遠心分離機にかけ(5000回転、15分)、上澄み液を除去し、水素生成能力を有する微生物を得ることができた。本微生物を遠心分離により分離後、前記表2の組成で示される還元状態下の水素生成用反応液に懸濁調製した(微生物菌体濃度約40% 湿潤状態菌体質量基準)。
反応部21に調製した反応液を添加した。また、原料供給部23には26.6mol/l(モル/リットル)濃度の蟻酸水溶液を準備した。反応部内の液量は初期設定量に維持できるように、反応液排出ポンプ25と、反応液循環ポンプ26の調整を行った。水理学的滞留時間(HRT)が、1時間となるように設定した。攪拌装置29のモーター28を回転させ、反応液を攪拌させた。なお、図2に示す装置は嫌気雰囲気制御ボックス32に載置されている。
原料供給ポンプ24を用いて、蟻酸水溶液を30ml/hr(ミリリットル/時)のフィード速度で連続的に反応部21に供給して、生成するガス量を測定した。ガス生成速度の測定はマスフローメータ(MODEL3810 コフロック製)を用いて行った。蟻酸の供給と同時に反応液排出ポンプ25と、反応液循環ポンプ26を回転させ、反応液の循環を開始した。また、蟻酸の供給と同時にガス生成が起こり、その捕集したガスをガスクロマトグラフィー(GC14B 島津製作所製)により分析した。その結果、生成ガス中には50%の水素と残余の炭酸ガス等を含んでいた。
なお、蟻酸の供給速度を一定のままに保持した状態で、蟻酸の供給量に対して、生成ガス量が低下し始めるまで、蟻酸の供給を連続的に行い、累積水素生成量とした。
反応液排出ポンプ25と、反応液循環ポンプ26を用いることなく、培養槽を使用せずに水素の生成を行うこと以外は、実施例4と同様の条件で評価を行った。
実施例4、比較例2の結果から、反応液排出ポンプ25と反応液循環ポンプ26を用いて、反応部21と培養槽22との反応液を循環させることにより、水素生成能力が維持され、累積水素生成量が増大することが分かる。
2:フィルター部
3:原料供給部
4:供給ポンプ
5:反応液循環ポンプ
6:液体成分排出ポンプ
7:排出液タンク
8:モーター
9:攪拌装置
10:温度制御装置
11:原料供給口
12:液体成分排出部
13:水位センサー
14:ガス排出部
15:嫌気雰囲気制御ボックス
21:反応部
22:培養槽
23:原料供給部
24:原料供給ポンプ
25:反応液排出ポンプ
26:反応液循環ポンプ
27:生成ガス排気弁
28:モーター
29:攪拌装置
30:ガス排出部
31:原料供給口
32:嫌気雰囲気及び温度制御ボックス
33:フィルター部
34:排出液タンク
35:液体成分排出部
Claims (5)
- 蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有する微生物を用いて蟻酸を含む有機性原料から連続的に水素を生成させる方法であって、該方法に用いる反応装置が、原料供給部、反応部、ガス排出部および反応部から反応液を循環させる循環部とからなり、該循環部には、循環反応液中の微生物菌体を分離するためのフィルターが設けられており、該反応部で該有機性原料を水素と二酸化炭素に変換させ、循環反応液は該フィルターにより微生物菌体が分離された後の循環反応液の部分的な排出量の制御により反応部の液面が一定に保たれるように循環させ、反応部に供給される有機性原料が蟻酸イオンを0.5乃至24.0mol/l(モル/リットル)の濃度範囲で含む溶液であることを特徴とする連続的水素生成方法。
- フィルターの孔径が、0.01ミクロン乃至5ミクロンであることを特徴とする請求項1記載の連続的水素生成方法。
- 反応液中の溶質成分濃度が、循環反応液の部分的排出量を制御することにより一定に保たれることを特徴とする請求項1記載の連続的水素生成方法。
- 循環部に、微生物菌体の水素生成能力の維持もしくは再活性の為の培養槽が具備されていることを特徴とする請求項1記載の連続的水素生成方法。
- 反応部における微生物菌体濃度が10%(w/w)乃至80%(w/w)であることを特徴とする請求項1記載の水素生成方法。
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