以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の監視システムの構成の説明図である。
監視システムは、自動取引装置300及び監視画像サーバ2601を備える。なお、自動取引装置300と監視画像サーバ2601とは、LAN等のネットワーク2600によって接続されている。
自動取引装置300は、図2及び図3で後述するが、利用者と所定の取引を行う。また、自動取引装置300は、図4で後述する監視装置を備えることによって、当該自動取引装置の周辺を監視する。
具体的には、自動取引装置300は、周辺の画像(監視画像)を撮影する。そして、自動取引装置300は、撮影した監視画像及び当該監視画像の撮影時刻を、監視画像サーバ2601に送信する。
監視画像サーバ2601は、図5で後述するが、表示装置404を備える。監視画像サーバ2601は、自動取引装置300から、監視画像及び当該監視画像の撮影時刻を受信する。次に、監視画像サーバ2601は、受信した監視画像及び当該監視画像の撮影時刻を保存する。
また、監視画像サーバ2601は、受信した監視画像及び当該監視画像の撮影時刻を、リアルタイムで表示装置404に表示する。更に、監視画像サーバ2601は、保存している監視画像の中から、監視係員に指定された時刻に撮影された監視画像を検索し、表示装置404に表示してもよい。
図2は、第1の実施の形態の自動取引装置300の外観の説明図である。
自動取引装置300は、カード入出口311、通帳入出口312、紙幣入出金口314、表示入力装置103、暗証番号入力装置109及びカメラ320〜325を備える。なお、自動取引装置300は、カメラ320〜325を備えずに、外部のカメラ320〜325と接続されていてもよい。
利用者のカードは、カード入出口311から入出される。なお、カードは、磁気カード又はICカード等である。
また、利用者の通帳は、通帳入出口312から入出される。紙幣は、紙幣入出金口314から入出金される。
表示入力装置103は、各種情報を表示する。また、表示入力装置103には、利用者から各種情報が入力される。なお、表示入力装置103は、例えば、タッチパネルLCD等である。
暗証番号入力装置109には、利用者から暗証番号が入力される。なお、利用者が、表示入力装置103に暗証番号を入力してもよい。この場合、自動取引装置300は、暗証番号入力装置109を備えなくてもよい。
カメラ320〜325は、自動取引装置300の周辺を撮影する。本実施の形態では、カメラ320〜325の少なくとも一台は、表示入力装置103を撮影する。また、カメラ320〜325の少なくとも一台は、暗証番号入力装置109を撮影する。
また、自動取引装置300の両脇には、壁301が設置される。
図3は、第1の実施の形態の自動取引装置300のブロック図である。
自動取引装置300は、バス100、紙幣取扱装置101、鑑別装置102、表示入力装置103、カードR/W(Reader/Writer)104、通信装置105、CPU106、主記憶部107、補助記憶部108、暗証番号入力装置109及び監視装置111を備える。
紙幣取扱装置101、鑑別装置102、表示入力装置103、カードR/W104、通信装置105、CPU106、主記憶部107、補助記憶部108、暗証番号入力装置109及び監視装置111は、バス100によって相互に接続されている。また、監視装置111には、カメラ320〜325が接続されている。
紙幣取扱装置101は、紙幣入出金口314から入金された紙幣を取り扱う。具体的には、紙幣取扱装置101は、紙幣を搬送して紙幣格納部(図示省略)に格納する。
鑑別装置102は、紙幣入出金口314から入金された紙幣を鑑別する。具体的には、鑑別装置102は、紙幣の種類、真偽及び正損を鑑別する。なお、紙幣の正損の鑑別とは、紙幣の破損及び汚れの鑑別である。
カードR/W104は、カード入出口311から入れられたカードに対してデータを読み書きする。通信装置105は、ネットワーク2600を介して、監視画像サーバ2601等の外部の装置と通信する。
CPU106は、主記憶部107に記憶されているプログラムを実行することによって各種処理を行う。主記憶部107は、CPU106によって実行されるプログラム及びCPU106によって使用される情報等を記憶する。
補助記憶部108は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等であり、各種情報を記憶する。
カメラ320〜325は、当該自動取引装置300の周辺を撮影する。そして、カメラ320〜325は、撮影した画像を監視装置111に送る。
監視装置111は、カメラ320〜325によって撮影された画像に基づいて、当該自動取引装置300を監視する。
なお、表示入力装置103及び暗証番号入力装置109は、図2で説明したので、説明を省略する。
図4は、第1の実施の形態の自動取引装置300の監視装置111のブロック図である。
監視装置111は、バス200、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、I/O部204及びカメラインタフェース(カメラI/F)205を備える。
CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、I/O部204及びカメラI/F205は、バス200によって相互に接続されている。
CPU201は、主記憶部202に記憶されているプログラムを実行することによって各種処理を行う。主記憶部202は、CPU201によって実行されるプログラム及びCPU201によって使用される情報等を記憶する。
補助記憶部203は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等であり、各種情報を記憶する。
I/O部204は、自動取引装置300のバス100に接続され、監視装置111の外部の装置と通信する。カメラI/F205は、カメラ320〜325に接続されるインタフェースである。
図5は、第1の実施の形態の監視画像サーバ2601のブロック図である。
監視画像サーバ2601は、バス400、CPU401、主記憶部402、補助記憶部403、表示装置404及び通信装置405を備える。
CPU401、主記憶部402、補助記憶部403、表示装置404及び通信装置405は、バス400によって相互に接続されている。
CPU401は、主記憶部402に記憶されているプログラムを実行することによって各種処理を行う。主記憶部402は、CPU401によって実行されるプログラム及びCPU401によって使用される情報等を記憶する。
補助記憶部403は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等であり、各種情報を記憶する。例えば、補助記憶部403は、カメラ320〜325によって撮影された監視画像を記憶する。
表示装置404は、各種情報を表示する。例えば、表示装置404は、カメラ320〜325によって撮影された監視画像を表示する。
通信装置405は、ネットワーク2600を介して、自動取引装置300等の外部の装置と通信する。
図6は、第1の実施の形態の自動取引装置300の主記憶部107に記憶されている情報の説明図である。
自動取引装置300の主記憶部107には、制限監視フラグA500、制限監視フラグB501、制限監視フラグC502、暗証番号入力処理開始時刻503、暗証番号入力時刻504及び取引装置識別番号505が記憶されている。
制限監視フラグA500は、書換領域Aを制限監視するか否かを示す。具体的には、制限監視フラグA500に「1」が格納されている場合、監視装置111は、カメラ320等から受信した監視画像の書換領域Aの画素値を異なる値に書き換えることによって、制限監視する。例えば、監視装置111は、監視画像の書換領域Aの画素値を、すべて同一の値に書き換えることによって、塗り潰す。また、監視装置111は、監視画像の書換領域Aの画素値をランダムな値に書き換える。これによって、監視装置111は、書換領域Aの元の画像を復元不可能にする。
なお、書換領域Aは、予め設定されている。本実施の形態の書換領域Aは、暗証番号入力装置109が写る領域を含む。例えば、制限監視フラグA500に「1」が格納されている場合、監視装置111は、図7に示す監視画像1200の書換領域Aの画素値を、異なる値に書き換える。これによって、監視装置111は、図7に示す監視画像1200を、図8に示す監視画像1300に変更する。
同様に、制限監視フラグB501は、書換領域Bを制限監視するか否かを示す。また、制限監視フラグC502は、書換領域Cを制限監視するか否かを示す。
なお、書換領域B及び書換領域Cは、予め設定されている。
本実施の形態の書換領域B及び書換領域Cは、表示入力装置103に表示された取引情報が写る領域を含む。取引情報は、利用者の名前、口座番号、口座種別、預金総額又は入金金額等である。つまり、取引情報には、利用者の個人情報に関するものが含まれる。
具体的には、書換領域Bは、表示入力装置103に表示された口座番号、口座種別及び預金総額が写る領域を含む。また、書換領域Cは、表示入力装置103に表示された入金金額が写る領域を含む。
制限監視フラグA501及び制限監視フラグB502に「1」が格納されている場合、監視装置111は、図9に示す監視画像1400の書換領域B及び書換領域Cの画素値を、異なる値に書き換える。これによって監視装置111は、図9に示す監視画像1400を、図10に示す監視画像1500に変更する。
自動取引装置300のCPU106は、暗証番号の入力要求を表示入力装置103に表示させる時に、制限監視フラグA500に「1」を格納する。そして、暗証番号入力装置109に暗証番号のすべてが入力されると、自動取引装置300のCPU106は、制限監視フラグA500に「0」を格納する。これによって、監視装置111は、自動取引装置300が暗証番号入力処理中は、監視画像の書換領域Aの画素値を異なる値に書き換える。
また、自動取引装置300のCPU106は、口座番号、口座種別及び預金総額といった取引情報を表示入力装置103に表示させる時に、制限監視フラグB501に「1」を格納する。そして、自動取引装置300のCPU106は、表示入力装置103に取引情報の表示を終了させるときに、制限監視フラグB501に「0」を格納する。これによって、監視装置111は、自動取引装置300が取引情報の表示中は、監視画像の書換領域Bの画素値を異なる値に書き換える。
また、自動取引装置300のCPU106は、取引情報であるところの入金金額を表示入力装置103に表示させる時に、制限監視フラグC502に「1」を格納する。そして、自動取引装置300のCPU106は、表示入力装置103に取引情報の表示を終了させるときに、制限監視フラグB501に「0」を格納する。これによって、監視装置111は、自動取引装置300が取引情報を表示中は、監視画像の書換領域Cの画素値を異なる値に書き換える。
暗証番号入力処理開始時刻503は、自動取引装置300が暗証番号入力処理を開始した時刻である。例えば、暗証番号入力処理開始時刻503は、自動取引装置300の表示入力装置103が暗証番号の入力要求を表示した時刻である。
暗証番号入力時刻504は、暗証番号入力装置109に暗証番号が入力された時刻である。更に、暗証番号入力時刻504には、暗証番号入力装置109に入力された暗証番号の正誤情報が格納される。
例えば、暗証番号入力装置109に正しい暗証番号が入力されると、自動取引装置300のCPU106は、当該暗証番号の入力時刻に「1」を付加して、暗証番号入力時刻504に格納する。また、暗証番号入力装置109に誤った暗証番号が入力されると、自動取引装置300のCPU106は、当該暗証番号の入力時刻に「0」を付加して、暗証番号入力時刻504に格納する。また、暗証番号入力装置109の訂正キーが操作されると、自動取引装置300のCPU106は、当該訂正キーの操作時刻に「2」を付加して、暗証番号入力時刻504に格納する。
なお、自動取引装置300のCPU106は、暗証番号入力装置109に入力された暗証番号の正否を、一つずつ順番に判定してもよいし、すべてまとめて判定してもよい。CPU106が暗証番号の正否をまとめて判定する場合、暗証番号入力時刻504には、暗証番号のすべてが入力された時刻が格納される。
取引装置識別番号505は、当該主記憶部107を備える自動取引装置300の一意な識別子である。自動取引装置300の補助記憶部108は、当該自動取引装置300の識別番号を予め記憶している。そして、自動取引装置300のCPU106は、起動時に、補助記憶部108に記憶されている識別番号を、主記憶部107の取引装置識別番号505にコピーする。
図11は、第1の実施の形態の監視装置111の主記憶部202に記憶されている情報の説明図である。
監視装置111の主記憶部202には、書換範囲A600、書換範囲B601、書換範囲C602、監視画像603、一次記憶画像604、制限監視前画像A605、制限監視前画像B606、制限監視前画像C607、制限監視後画像A608、制限監視後画像B609及び制限監視後画像C610が記憶されている。
書換範囲A600には、書換領域Aを含む画像を撮影するカメラ320等の一意な識別子が格納される。更に、書換範囲A600には、当該カメラ320等が撮影した画像における書換領域Aの範囲が格納される。ここでは、書換領域Aは、カメラ323が撮影した画像に含まれる。また、書換領域Aは、当該画像中の座標(200、100)、座標(400、100)、座標(200、400)及び座標(400、400)で囲まれた領域である。具体的には、書換領域Aは、監視画像1300(図8)の斜線部となる。
書換範囲B601には、書換領域Bを含む画像を撮影するカメラ320等の一意な識別子が格納される。更に、書換範囲B601には、当該カメラ320等が撮影した画像における書換領域Bの範囲が格納される。ここでは、書換領域Bは、カメラ320が撮影した画像に含まれる。また、書換領域Bは、当該画像中の座標(290、180)、座標(460、160)、座標(310、290)及び座標(470、270)で囲まれた領域である。
書換範囲C602には、書換領域Cを含む画像を撮影するカメラ320等の一意な識別子が格納される。更に、書換範囲C602には、当該カメラ320等が撮影した画像における書換領域Cの範囲が格納される。ここでは、書換領域Cは、カメラ320が撮影した画像に含まれる。また、書換領域Cは、当該画像中の座標(340、320)、座標(485、300)、座標(350、380)及び座標(495、360)で囲まれた領域である。
なお、書換範囲A600、書換範囲B601及び書換範囲C602は、取引情報が写る領域を含むように予め設定されている。
監視画像603には、カメラ320等によって撮影された最新の画像が、カメラ320等ごとに格納される。また、監視画像603には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
一時記憶画像604には、監視画像603の直前に同一のカメラ320等によって撮影された画像が、カメラ320等ごとに格納される。また、一時記憶画像604には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
制限監視前画像A605には、書換領域Aが制限監視される直前に撮影された画像が格納される。また、制限監視前画像A605には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
同様に、制限監視前画像B606には、書換領域Bが制限監視される直前に撮影された画像が格納される。また、制限監視前画像B606には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
同様に、制限監視前画像C607には、書換領域Cが制限監視される直前に撮影された画像が格納される。また、制限監視前画像C607には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
制限監視後画像A608には、書換領域Aの制限監視終了の直後に撮影された画像が格納される。また、制限監視後画像A608には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
同様に、制限監視後画像B609には、書換領域Bの制限監視終了の直後に撮影された画像が格納される。また、制限監視後画像B609には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
同様に、制限監視後画像C610には、書換領域Cの制限監視終了の直後に撮影された画像が格納される。また、制限監視後画像C610には、格納されている画像の撮影時刻も併せて格納される。
図12は、第1の実施の形態の監視装置111の監視処理のフローチャートである。
監視装置111は、フラグLo[A]、フラグLo[B]、フラグLo[C]、フラグLp[A]、フラグLp[B]及びフラグLp[C]を主記憶部202に記憶する。
なお、フラグLo[A]には、書換領域Aを含む一時記憶画像604が撮影された時の制限監視フラグA500が格納される。また、フラグLo[B]には、書換領域Bを含む一時記憶画像604が撮影された時の制限監視フラグB501が格納される。また、フラグLo[C]には、書換領域Cを含む一時記憶画像604が撮影された時の制限監視フラグC502が格納される。
一方、フラグLp[A]には、書換領域Aを含む監視画像603が撮影された時の制限監視フラグA500が格納される。また、フラグLp[B]には、書換領域Bを含む監視画像603が撮影された時の制限監視フラグB501が格納される。また、フラグLp[C]には、書換領域Cを含む監視画像603が撮影された時の制限監視フラグC502が格納される。
まず、監視装置111は、フラグLo[A]、フラグLo[B]及びフラグLo[C]に「0」を格納する(700)。
次に、監視装置111は、自動取引装置300のCPU106から監視処理の終了の指示を受けるまで、ループAを実行する(701)。例えば、自動取引装置300のCPU106は、ユーザによる自動取引装置300の電源遮断操作を受け付けると、監視処理の終了を監視装置111に指示する。なお、ループAは、ステップ702からステップ709までを含む。
具体的には、監視装置111は、カメラ320等によって撮影された監視画像を取得する(702)。例えば、監視装置111は、暗証番号入力装置109の監視画像1200(図7)又は表示入力装置103の監視画像1400(図9)を、カメラ320等から取得する。
次に、監視装置111は、取得した監視画像を、主記憶部202の監視画像603に格納する。
次に、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107(図6)から、制限監視フラグA500、制限監視フラグB501及び制限監視フラグC502を取得する。
そして、監視装置111は、取得した制限監視フラグA500の値を、主記憶部202に記憶されているフラグLp[A]に格納する。同様に、監視装置111は、取得した制限監視フラグB501の値を、主記憶部202に記憶されているフラグLp[B]に格納する。また、監視装置111は、取得した制限監視フラグC502の値を、主記憶部202に記憶されているフラグLp[C]に格納する(703)。
次に、監視装置111は、監視画像書換処理を行う(704)。なお、監視画像書換処理の詳細については、図13で説明する。
次に、監視装置111は、制限開始前画像保存処理を行う(705)。なお、制限監視前画像保存処理の詳細については、図14で説明する。
次に、監視装置111は、制限監視前画像及び制限監視後画像の出力処理を行う(706)。なお、制限監視前画像及び制限監視後画像の出力処理については、図15で説明する。
次に、監視装置111は、主記憶部202の監視画像603を、主記憶部202の一時記憶画像604に格納する(707)。これによって、監視装置111は、次回のループで、主記憶部202の監視画像603に新たな監視画像を格納できる。
次に、監視装置111は、主記憶部202から監視画像603を抽出する。次に、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107(図6)から、取引装置識別番号505を抽出する。
次に、監視装置111は、抽出した監視画像603及び取引装置識別番号505を暗号化して、監視画像サーバ2601に送信する(708)。
すると、監視画像サーバ2601は、監視画像603及び取引装置識別番号505を監視装置111から受信する。次に、監視画像サーバ2601は、受信した監視画像603及び取引装置識別番号505を補助記憶部403に格納する。更に、監視画像サーバ2601は、受信した監視画像603及び取引装置識別番号505を復号化して、表示装置404に表示する。このとき、監視画像サーバ2601は、当該監視画像603を受信した時刻を併せて表示してもよい。
一方、監視装置111は、Lp[A]の値をLo[A]に格納する。次に、監視装置111は、Lp[B]の値をLo[B]に格納する。次に、監視装置111は、Lp[C]の値をLo[C]に格納する(709)。
そして、監視装置111は、ループAの一回のループを終了する(710)。
図13は、第1の実施の形態の監視装置111の監視画像書換処理のフローチャートである。
監視画像書換処理は、監視装置111の監視処理(図12)のステップ704において実行される。
ここでは、監視装置111は、ループBを実行する(800)。なお、監視装置111は、「i」に「A」、「B」、「C」を順番に格納して、ループBを実行する。そして、監視装置111は、「i」に「A」、「B」及び「C」のすべてを格納すると、ループBを終了する。つまり、監視装置111は、書換領域A、B及びCのすべてに対して、ループBを実行する。
まず、監視装置111は、Lp[i]が「1」であるかどうかを判定する(801)。Lp[i]が「0」であると、監視装置111は、当該書換領域iの画素値を書き換える必要がない。よって、監視装置111は、そのままループBの一回のループを終了する(803)。
一方、Lp[i]が「1」であると、監視装置111は、書換範囲i600〜602を主記憶部202(図11)から抽出する。例えば、「i」に「A」が格納されている場合、監視装置111は、監視装置111は、書換範囲A600を主記憶部202から抽出する。
次に、監視装置111は、抽出した書換範囲600〜602の画素値を、異なる値に書き換える(802)。そして、監視装置111は、ループBの一回のループを終了する(803)。
以上のように、監視装置111は、監視画像中の一部の領域の画素値だけを書き換える。例えば、監視装置111は、取引情報の漏洩の可能性がある領域の画素値だけを書き換える。これによって、監視装置111は、監視画像中のそれ以外の領域については継続して監視できる。
また、監視装置111は、特定の時間だけ画像の画素値を書き換える。例えば、監視装置111は、取引情報の漏洩の可能性がある時間だけ画像の画素値を書き換える。これによって、監視装置111は、それ以外の時間については継続して監視できる。
図14は、第1の実施の形態の監視装置111の制限開始前画像保存処理のフローチャートである。
制限開始前画像保存処理は、監視装置111の監視処理(図12)のステップ705において実行される。
ここでは、監視装置111は、ループCを実行する。なお、監視装置111は、「i」に「A」、「B」、「C」を順番に格納して、ループCを実行する。そして、監視装置111は、「i」に「A」、「B」及び「C」のすべてを格納すると、ループCを終了する。つまり、監視装置111は、書換領域A、B及びCのすべてに対して、ループCを実行する。
まず、監視装置111は、Lo[i]が「0」且つLp[i]が「1」であるかどうかを判定する(901)。Lo[i]が「0」且つLp[i]が「1」でない場合、監視装置111は、主記憶部202の監視画像603が、書換領域iの制限監視の開始時の画像でないと判定する。よって、監視装置111は、そのままループCの一回のループを終了する(903)。
一方、Lo[i]が「0」且つLp[i]が「1」であると、監視装置111は、主記憶部202の監視画像603が、書換領域iの制限監視の開始時の画像であると判定する。そこで、監視装置111は、当該書換領域iに対応する一時記憶画像を、主記憶部202(図11)の一時記憶画像604から抽出する。なお、一時記憶画像604は、監視画像603の直前の画像であるので、制限監視の開始の直前の画像となる。
そして、監視装置111は、抽出した一時記憶画像を、主記憶部202の制限監視前画像i605〜607に格納する(902)。例えば、「i」に「A」が格納されている場合、監視装置111は、抽出した一時記憶画像を、主記憶部202の制限監視前画像A605に格納する。
そして、監視装置111は、ループCの一回のループを終了する(903)。
以上のように、監視装置111は、制限監視を開始する時に、制限監視をする直前の画像を主記憶部202に記憶する。
図15は、第1の実施の形態の監視装置111の制限監視前画像及び制限監視後画像の出力処理のフローチャートである。
制限監視前画像及び制限監視後画像の出力処理は、監視装置111の監視処理(図12)のステップ706において実行される。
ここでは、監視装置111は、ループDを実行する。なお、監視装置111は、「i」に「A」、「B」、「C」を順番に格納して、ループDを実行する。そして、監視装置111は、「i」に「A」、「B」及び「C」のすべてを格納すると、ループDを終了する。つまり、監視装置111は、書換領域A、B及びCのすべてに対して、ループDを実行する。
まず、監視装置111は、Lo[i]が「1」且つLp[i]が「0」であるかどうかを判定する。Lo[i]が「1」且つLp[i]が「0」でない場合、監視装置111は、主記憶部202の監視画像603が、書換領域iの制限監視の終了時の画像でないと判定する。よって、監視装置111は、そのままループDの一回のループを終了する(1004)。
一方、Lo[i]が「1」且つLp[i]が「0」であると、監視装置111は、主記憶部202の監視画像603が、書換領域iの制限監視の終了時の監視画像であると判定する。そこで、監視装置111は、当該書換領域iに対応する監視画像603を、主記憶部202(図11)から抽出する。
そして、監視装置111は、取得した監視画像603を、主記憶部202の制限監視後画像i608〜610に格納する(1002)。例えば、「i」に「A」が格納されている場合、監視装置111は、抽出した監視画像603を、主記憶部202の制限監視後画像A608に格納する。
次に、監視装置111は、制限監視前画像i605〜607及び制限監視後画像i608〜610を主記憶部202から抽出する。例えば、例えば、「i」に「A」が格納されている場合、監視装置111は、制限監視前画像A605及び制限監視後画像A608を抽出する。次に、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107(図6)から取引装置識別番号505を抽出する。
次に、監視装置111は、抽出した制限監視前画像i605〜607、制限監視後画像i608〜610及び取引装置識別番号505を暗号化して、監視画像サーバ2601に送信する(1003)。
そして、監視装置111は、ループDの一回のループを終了する(1004)。
以上のように、監視装置111は、制限監視の直前及び直後の画像を監視画像サーバ2601に送信する。
一方、監視画像サーバ2601は、暗号化された制限監視前画像i605〜607、制限監視後画像i608〜610及び取引装置識別番号505を、監視装置111から受信する。次に、監視画像サーバ2601は、受信した制限監視前画像i605〜607、制限監視後画像i608〜610及び取引装置識別番号505を補助記憶部403に格納する。
次に、監視画像サーバ2601は、受信した制限監視前画像i605〜607、制限監視後画像i608〜610及び取引装置識別番号505を復号化する。そして、監視画像サーバ2601は、復号化した制限監視前画像i605〜607、制限監視後画像i608〜610及び取引装置識別番号505を表示装置404に表示する。
このとき、監視画像サーバ2601は、復号化した制限監視前画像i605〜607と復号化した制限監視後画像i608〜610との差分画像を作成し、表示装置404に表示してもよい。
例えば、制限監視前画像i605〜607及び制限監視後画像i608〜610がグレースケールの場合、監視画像サーバ2601は、数式1を用いて、差分画像を作成する。
なお、Isub(x,y)は、差分画像の画素値である。また、Ipr(x,y)は、制限監視前画像の画素値である。また、Ips(x,y)は、制限監視後画像の画素値である。
また、制限監視前画像i605〜607及び制限監視後画像i608〜610がカラーの場合、監視画像サーバ2601は、数式2を用いて、差分画像を作成する。
なお、Isub(x,y)は、差分画像の画素値である。また、Ipr(x,y,0)は、制限監視前画像のr成分(赤成分)の画素値である。また、Ipr(x,y,1)は、制限監視前画像のg成分(緑成分)の画素値である。また、Ipr(x,y,2)は、制限監視前画像のb成分(青成分)の画素値である。また、Ips(x,y,0)は、制限監視後画像のr成分(赤成分)の画素値である。また、Ips(x,y,1)は、制限監視後画像のg成分(緑成分)の画素値である。また、Ips(x,y,2)は、制限監視後画像のb成分(青成分)の画素値である。
そして、監視画像サーバ2601は、復号化した制限監視前画像i605〜607、復号化した制限監視後画像i608〜610及び作成した差分画像を、表示装置404に併せて表示する。
図16は、第1の実施の形態の監視画像サーバ2601の表示装置404に表示される画像1100の説明図である。
監視画像サーバ2601の表示装置404に表示される画像1100には、制限監視前画像、制限監視後画像及び差分画像が含まれる。なお、差分画像には、制限監視前画像と制限監視後画像との差分だけが表示される。本説明図の差分画像は、「4」という数字が移動したことを示す。
以上のように、監視画像サーバ2601は、受信した制限監視前画像及び制限監視後画像を、表示装置404に表示する。監視係員は、表示された制限監視前画像と表示された制限監視後画像とを比較することによって、制限監視中に監視できなかった書換領域の変化を検出できる。例えば、監視係員は、制限監視前画像と制限監視後画像とを比較することによって、制限監視中に監視できなかった書換領域への不審物の設置を検出できる。
また、監視画像サーバ2601は、制限監視前画像と制限監視後画像との差分画像を、表示装置404に併せて表示してもよい。これによって、監視係員は、制限監視中に監視できなかった書換領域の変化を容易且つ確実に検出できる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の監視装置111は、制限監視中における不審行為を検出する。
第2の実施の形態の監視システムの構成は、第1の実施の形態の監視システム(図1)と同一であるので、説明を省略する。
図17は、第2の実施の形態の監視装置111の監視処理のフローチャートである。
まず、監視装置111は、フラグLo[A]、フラグLo[B]及びフラグLo[C]に「0」を格納する(700)。
次に、監視装置111は、自動取引装置300のCPU106から監視処理の終了の指示を受けるまで、ループEを実行する(1600)。
具体的には、監視装置111は、ステップ702及びステップ703を実行する。なお、ステップ702及びステップ703は、第1の実施の形態の監視装置111の監視処理(図12)に含まれるステップと同一である。同一のステップには同一の番号を付すことによって、説明を省略する。
次に、監視装置111は、不審行為検出処理Aを行う(1601)。なお、不審行為検出処理Aの詳細については、図18で説明する。
次に、監視装置111は、ステップ704からステップ706までを実行する。なお、ステップ704からステップ706は、第1の実施の形態の監視装置111の監視処理(図12)に含まれるステップと同一である。同一のステップには同一の番号を付すことによって、説明を省略する。
次に、監視装置111は、不審物検出処理を行う(1602)。なお、不審物検出処理の詳細については、図23で説明する。
次に、監視装置111は、ステップ707からステップ710までを実行する。なお、ステップ707からステップ710は、第1の実施の形態の監視装置111の監視処理(図12)に含まれるステップと同一である。同一のステップには同一の番号を付すことによって、説明を省略する。
そして、監視装置111は、ループBの一回のループを終了する(1603)。
図18は、第2の実施の形態の監視装置111の不審行為検出処理Aのフローチャートである。
不審行為検出処理Aは、監視装置111の監視処理(図17)のステップ1601において実行される。
ここでは、監視装置111は、ループFを実行する。なお、監視装置111は、「i」に「A」、「B」、「C」を順番に格納して、ループFを実行する。そして、監視装置111は、「i」に「A」、「B」及び「C」のすべてを格納すると、ループFを終了する。つまり、監視装置111は、書換領域A、B及びCのすべてに対して、ループFを実行する。
まず、監視装置111は、Lp[i]が「1」であるか否かを判定する(1701)。
Lp[i]が「0」であると、監視装置111は、制限監視を実行していないので、そのままステップ1705に進む。
一方、Lp[i]が「1」であると、監視装置111は、制限監視を実行していると判定する。そして、監視装置111は、「i」が「A」であるか否かを判定する(1702)。
「i」が「A」であると、監視装置111は、書換領域Aを制限監視していると判定する。そこで、監視装置111は、不審行為検出処理Bを実行する(1703)。なお、不審行為検出処理Bは、書換領域Aにおける不審行為を検出する処理であり、図19で詳細を説明する。
「i」が「A」でないと、監視装置111は、書換領域B又は書換領域Cを制限監視していると判定する。そこで、監視装置111は、不審行為検出処理Cを実行する(1704)。なお、不審行為検出処理Cは、書換領域B又は書換領域Cにおける不審行為を検出する処理であり、図22で詳細を説明する。
次に、監視装置111は、不審行為検出処理B又は不審行為検出処理Cにおいて不審行為を検出したか否かを判定する(1705)。具体的には、監視装置111は、不審行為に関する情報が主記憶部202に格納されているか否かを判定することによって、不審行為を検出したか否か判定する。
監視装置111は、不審行為を検出していない場合、ループFの一回のループを終了する(1707)。
一方、監視装置111は、不審行為を検出した場合、当該不審行為に関する情報を監視画像サーバ2601に送信する(1706)。具体的には、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107(図6)から、取引装置識別番号505を抽出する。そして、監視装置111は、抽出した取引装置識別番号505を、主記憶部202に格納されている不審行為に関する情報と共に監視画像サーバ2601に送信する。
そして、監視装置111は、ループFの一回のループを終了する(1707)。
一方、監視画像サーバ2601は、不審行為に関する情報を受信すると、当該受信した不審行為に関する情報を補助記憶装置403に格納する。更に、監視画像サーバ2601は、受信した不審行為に関する情報を表示装置404に表示する。よって、監視係員は、監視画像サーバ2601の表示装置404に表示される情報に基づいて、不審行為を容易に把握できる。
図19は、第2の実施の形態の監視装置111の不審行為検出処理Bのフローチャートである。
不審行為検出処理Bは、監視装置111の不審行為検出処理A(図18)のステップ1703において実行される処理であり、書換領域Aにおける不審行為を検出する。
ここでは、監視装置111は、変数Xを主記憶部202で管理している。まず、監視装置111は、変数Xに「0」を格納する(1800)。次に、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107(図6)から、暗証番号入力処理開始時刻503を抽出する。次に、監視装置111は、抽出した暗証番号入力処理開始時刻503と現在の時刻との差を算出する。次に、監視装置111は、算出した差が入力時間に関する閾値以上であるか否かを判定する(1801)。
暗証番号入力処理開始時刻503と現在の時刻との差が入力時間に関する閾値以上であると、監視装置111は、書換領域Aにおいて第一の不審行為が発生したと判定する。ここでは、監視装置111は、暗証番号の入力に時間がかかりすぎていることを、第一の不審行為として検出する(1802)。そして、監視装置111は、書換領域Aにおいて第一の不審行為を検出した旨を、主記憶部202に格納する。
一方、暗証番号入力処理開始時刻503と現在の時刻との差が入力時間に関する閾値より小さいと、監視装置111は、書換領域Aにおいて第一の不審行為が発生していないと判定する。そこで、監視装置111は、変数Xをインクリメントする(1813)。
次に、監視装置111は、正しい暗証番号が入力された最新の時刻を、自動取引装置300の主記憶部107の暗証番号入力時刻504から抽出する。具体的には、監視装置111は、正しい暗証番号の入力を示す「1」が付加されている入力時刻を、自動取引装置300の主記憶部107の暗証番号入力時刻504から抽出する。次に、抽出した入力時刻の中から、最新の入力時刻を抽出する。
次に、監視装置111は、最新の入力時刻と処理対象画像の撮影時刻との差の絶対値を算出する。ここで、処理対象画像とは、ステップ1804の動作検出処理で処理する対象の画像である。ステップ1804の動作検出処理では、画像が撮影されてから、入力動作時間に関する閾値だけ時間が経過した後の画像を処理対象画像とする。つまり、処理対象画像の撮影時刻は、現在時刻と比較して、入力動作時間に関する閾値の時間だけ遅れている。この遅れは、後述するリングバッファを用いることで実現できる。
このように時間を遅らせることによって、監視装置111は、暗証番号の最新の入力時刻から過去の一定時間に撮影された画像から、不審行為を検知しない。これによって、監視装置111は、暗証番号の入力動作を、不審行為として検出しない。
ところが、監視装置111は、画像を遅れて処理するので、警告を発する時間が遅れてしまう。しかし、入力動作に関する閾値が、10秒以内等の適当な値に設定されていれば、警告の遅れは問題にならない。
次に、監視装置111は、最新の入力時刻と処理対象画像の撮影時刻との差の絶対値が入力動作時間に関する閾値以上であるか否かを判定する(1803)。
最新の入力時刻と処理対象画像の撮影時刻の差の絶対値が入力動作時間に関する閾値より小さいと、監視装置111は、書換領域Aにおいて第二の不審行為が発生していないと判定する。そこで、監視装置111は、変数Xをインクリメントする(1814)。
一方、最新の入力時刻と処理対象画像の撮影時刻の差の絶対値が入力動作時間に関する閾値以上であると、監視装置111は、動作検出処理を行う(1804)。なお、動作検出処理は、図20又は図21で後述する処理のいずれであってもよい。また、動作検出処理は、利用者の動作を検出できればどのような処理であってもよい。
次に、監視装置111は、動作検出処理において動作を検出したか否かを判定する(1805)。
監視装置111は、動作検出処理において動作を検出すると、書換領域Aにおいて第二の不審行為が発生したと判定する。ここでは、監視装置111は、利用者が暗証番号を入力していないにもかかわらず動作していることを、第二の不審行為として検出する(1806)。そして、監視装置111は、第二の不審行為を検出した旨を、主記憶部202に格納する。
一方、監視装置111は、動作検出処理において動作を検出しなかった場合、書換領域Aにおいて第二の不審行為が発生していないと判定する。そこで、監視装置111は、変数Xをインクリメントする(1814)。これによって、監視装置111は、暗証番号の入力等を行っていないのに、手元における不審な動作を検知できる。
次に、監視装置111は、暗証番号入力装置109の訂正キーの入力回数を数える。具体的には、監視装置111は、訂正キーの操作を示す「2」が付加されている入力時刻504を、自動取引装置300の主記憶部107から抽出する。次に、監視装置111は、抽出した暗証番号入力時刻504の個数を数え、訂正キーの入力回数とする。
次に、監視装置111は、数えた訂正キーの入力回数が訂正キー入力回数に関する閾値以上であるか否かを判定する(1807)。
訂正キーの入力回数が訂正キー入力回数に関する閾値以上であると、監視装置111は、書換領域Aにおいて第三の不審行為が発生したと判定する。ここでは、監視装置111は、訂正キーの入力回数が多すぎることを、第三の不審行為として検出する(1808)。そして、監視装置111は、第三の不審行為を検出した旨を、主記憶部202に格納する。
一方、訂正キーの入力回数が訂正キー入力回数に関する閾値より小さいと、監視装置111は、書換領域Aにおいて第三の不審行為が発生していないと判定する。そこで、監視装置111は、変数Xをインクリメントする(1815)。
次に、監視装置111は、暗証番号入力装置109から入力された暗証番号の正誤を判定する(1809)。具体的には、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107の暗証番号入力時刻504に基づいて、暗証番号入力装置109から入力された暗証番号の正誤を判定する。
入力された暗証番号が誤っている場合、監視装置111は、書換領域Aにおいて第四の不審行為が発生したと判定する。ここでは、監視装置111は、入力された暗証番号が間違っていることを、第四の不審行為として検出する(1810)。そして、監視装置111は、第四の不審行為を検出した旨を、主記憶部202に格納する。
一方、入力された暗証番号が正しい場合、監視装置111は、書換領域Aにおいて第四の不審行為が発生していないと判定する。そこで、監視装置111は、変数Xをインクリメントする(1816)。
次に、監視装置111は、変数Xが「4」であるか否かを判定する(1811)。
変数Xが「4」でないと、監視装置111は、書換領域Aにおいて不審行為のいずれかが発生したと判定するので、そのまま本処理を終了する。
一方、変数Xが「4」であると、監視装置111は、書換領域Aにおいてすべての不審行為が発生していないと判定する。よって、監視装置111は、不審行為の未発生を監視画像サーバ2601に通知する(1812)。そして、監視装置111は、本処理を終了する。
監視画像サーバ2601は、不審行為の未発生の通知を受けると、不審行為が発生しなかった旨を表示装置404に表示する。
以上のように、監視装置111は、書換領域Aにおける不審行為を検出する。なお、当該不審行為検出処理Bで用いられる閾値は、予め設定されている。
また、監視装置111は、第一〜第四の不審行為のすべてを検出しなくてもよい。また、監視装置111は、第一〜第四の不審行為を、いかなる順番で検出してもよい。
図20は、第2の実施の形態の監視装置111の動作検出処理のフローチャートである。
動作検出処理は、監視装置111の不審行為検出処理B(図19)のステップ1804で実行される。
まず、監視装置111は、主記憶部202に記憶されている監視画像603を、リングバッファに格納する(1900)。なお、リングバッファは、監視装置111の主記憶部202の一部である。監視装置111は、監視画像603をリングバッファに格納することによって、同一のカメラ320等が撮影した画像を三フレーム以上記憶できる。
次に、監視装置111は、リングバッファに格納されている監視画像を用いることによって、現在の監視画像と過去の監視画像との差分画像を作成する。具体的には、監視画像がグレースケールの場合、監視装置111は、前述した数式1を用いて、差分画像を作成する。また、監視画像がカラーの場合、監視装置111は、前述した数式2を用いて、差分画像を作成する。
そして、監視装置111は、作成した差分画像を用いて、利用者の動作を検出する(1902)。
例えば、監視装置111は、差分画像の画素値が濃淡変化の判定用閾値以上である画素の数を数える。次に、監視装置111は、数えた画素数が変化部分の画素数に関する閾値以上であるか否かを判定する。監視装置111は、数えた画素数が変化部分の画素数に関する閾値以上であると、利用者の動作を検出したと判定する。一方、監視装置111は数えた画素数が変化部分の画素数に関する閾値より小さいと、利用者の動作を未検出と判定する。
以上のように、監視装置111は、差分画像を用いて、利用者の動作を検出する。
なお、監視装置111は、図20で説明した動作検出処理の代わりに、図21で説明する動作検出処理を用いてもよい。
図21は、第2の実施の形態の監視装置111の動作検出処理のフローチャートである。
まず、監視装置111は、主記憶部202に記憶されている監視画像603を、リングバッファに格納する(2000)。
次に、監視装置111は、リングバッファに格納されている現在の監視画像及び過去の監視画像を用いて、オプティカルフローを算出する(2001)。なお、オプティカルフローは、動きベクトルであって、画素の移動方向及び移動量を表す。また、オプティカルフローの詳細は、非特許文献1に記載されている。
そして、監視装置111は、算出したオプティカルフローに基づいて、利用者の動作を検出する(2002)。
例えば、監視装置111は、オプティカルフローが動き画素の判定用閾値以上である画素の数を数える。次に、監視装置111は、数えた画素数が動き部分の画素数に関する閾値以上であるか否かを判定する。監視装置111は、数えた画素数が動き部分の画素数に関する閾値以上であると、利用者の動作を検出したと判定する。一方、監視装置111は、数えた画素数が動き部分の画素数に関する閾値より小さいと、利用者の動作を未検出と判定する。
以上のように、監視装置111は、オプティカルフローを用いて、利用者の動作を検出する。
図22は、第2の実施の形態の監視装置111の不審行為検出処理Cのフローチャートである。
不審行為検出処理Bは、監視装置111の不審行為検出処理A(図18)のステップ1704において実行される処理であり、書換領域B又は書換領域Cにおける不審行為を検出する。
まず、監視装置111は、動作検出処理を行う(1804)。なお、動作検出処理は、図20又は図21で説明した処理のいずれであってもよい。また、動作検出処理は、利用者の動作を検出できればどのような処理であってもよい。
次に、監視装置111は、動作検出処理において動作を検出したか否かを判定する(1805)。
監視装置111は、動作検出処理において動作を検出すると、書換領域B又は書換領域Cにおいて第二の不審行為が発生したと判定する。ここでは、監視装置111は、利用者が表示入力装置103上で動作していることを、第二の不審行為として検出する(1806)。そして、監視装置111は、第二の不審行為を検出した旨を、主記憶部202に格納する。そして、監視装置111は、本処理を終了する。
一方、監視装置111は、動作検出処理において動作を検出していない場合、書換領域B又は書換領域Cにおいて第二の不審行為が発生していないと判定する。そのため、監視装置111は、そのまま本処理を終了する。
以上のように、監視装置111は、書換領域B又は書換領域Cにおける不審行為を検出する。
図23は、第2の実施の形態の監視装置111の不審物検出処理のフローチャートである。
不審物検出処理は、監視装置111の監視処理(図17)のステップ1602で実行される。
ここでは、監視装置111は、ループGを実行する。なお、監視装置111は、「i」に「A」、「B」、「C」を順番に格納して、ループGを実行する。そして、監視装置111は、「i」に「A」、「B」及び「C」のすべてを格納すると、ループGを終了する。つまり、監視装置111は、書換領域A、B及びCのすべてに対して、ループGを実行する。
まず、監視装置111は、制限監視前画像i605〜607及び制限監視後画像i608〜610を、主記憶部202から抽出する。例えば、「i」に「A」が格納されている場合、監視装置111は、制限監視前画像A605及び制限監視後画像A608を抽出する。
次に、監視装置111は、抽出した制限監視前画像i605〜607と抽出した制限監視後画像i608〜610との差分画像を作成する(2201)。具体的には、監視画像がグレースケールの場合、監視装置111は、前述した数式1を用いて、差分画像を作成する。また、監視画像がカラーの場合、監視装置111は、前述した数式2を用いて、差分画像を作成する。
次に、監視装置111は、差分画像の画素値が不審画素の判定用閾値以上である画素の数を数える。次に、監視装置111は、数えた画素数が不審物の画素数に関する閾値以上であるか否かを判定する。監視装置111は、数えた画素数が不審物の画素数に関する閾値以上であると、不審物を検出したと判定する。一方、監視装置111は、数えた画素数が不審物の画素数に関する閾値より小さいと、不審物を未検出と判定する。
次に、監視装置111は、不審物を検出すると、当該不審物に関する情報を監視画像サーバ2601に送信する(2203)。具体的には、監視装置111は、自動取引装置300の主記憶部107(図6)から、取引装置識別番号505を抽出する。そして、監視装置111は、抽出した取引装置識別番号505、ステップ2201で抽出した制限監視前画像i605〜607、ステップ2201で抽出した制限監視後画像i608〜610及び不審物の検出結果を暗号化して、監視画像サーバ2601に送信する。
そして、監視装置111は、ループGの一回のループを終了する(2204)。
一方、監視画像サーバ2601は、不審行為に関する情報を受信すると、当該受信した不審行為に関する情報を補助記憶装置403に格納する。更に、監視画像サーバ2601は、受信した不審行為に関する情報を復号化して、表示装置404に表示する。例えば、監視画像サーバ2601は、図24で後述するような不審物検出画面を表示装置404に表示する。
図24は、第2の実施の形態の監視画像サーバ2601の表示装置404に表示された不審物検出画面2300の説明図である。
不審物検出画面2300は、制限監視前画像及び制限監視後画像を含む。監視係員は、制限監視前画像と制限監視後画像とを比較することによって、不審物を容易に把握できる。例えば、監視係員は、丸囲みした部分の不審物を発見する。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の監視装置111は、距離画像を用いて、不審行為及び不審物を検出する。
第3の実施の形態の監視システムの構成は、第2の実施の形態の監視システム(図1)と同一であるので、説明を省略する。
監視装置111は、複数のカメラ320〜325を用いて距離画像を作成する。具体的には、監視装置111は、公知のステレオ視技術を用いることによって、距離画像を作成する。なお、距離画像の画素値は、物体までの距離に対応する。よって、監視係員は、距離画像に基づいて、物体の三次元構造を把握できる。このため、本実施の形態の監視システムは、二次元の監視画像だけを用いるよりも監視効果が向上する。
第3の実施の形態の監視装置111は、距離画像を主記憶部202に格納する。そして、監視装置111は、不審行為検出処理A1601(図18)及び不審物検出処理1602(図23)において、二次元の監視画像に加えて、距離画像も用いる。
これによって、監視装置111は、不審行為及び不審物の検出の精度を高めることができる。
第3の実施の形態の監視装置111のそれ以外の処理は、第2の実施の形態の監視装置111の処理(図17)と同一であるので、説明を省略する。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態の自動取引装置300は、照明を備えることによって、不審物を検出する。
第4の実施の形態の監視システムの構成は、自動取引装置300の構成を除き、第2の実施の形態の監視システム(図1)と同一であるので、説明を省略する。
図25は、第4の実施の形態の自動取引装置300の説明図である。
自動取引装置300は、暗証番号入力装置109の近傍に照明2400を備える。なお、自動取引装置300は、複数の照明2400を備えていてもよい。自動取引装置300のそれ以外の構成は、第2の実施の形態の自動取引装置(図3)と同一であるので、説明を省略する。
また、第4の実施の形態の監視装置111の処理は、第2の実施の形態の監視装置111の処理(図17)と同一であるので、説明を省略する。
図26は、第4の実施の形態の監視画像サーバ2601の表示装置404に表示された不審物検出画面2500の説明図である。
本説明図は、暗証番号入力処理中にダミーの入力装置が不正に設置された場合の不審物検出画面2500である。不審物検出画面2500は、制限監視前画像及び制限監視後画像を含む。また、不審物検出画面2500では、照明2400によって生じる影が斜線部分で表されている。
ダミーの入力装置が不正に設置されると、暗証番号入力装置109は、ダミーの入力装置の分だけ厚みが増す。そのため、制限監視後画像の影は、制限監視前画像の影よりも長くなる。そのため、監視装置111は、不審物検出処理1602において、不審物であるダミーの入力装置を検出できる。