JP4789859B2 - リターンガス返還装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンで消費されなかった液化ガスを液化ガス容器内に戻すためのリターンガス返還装置に関する。
例えば、自動車、バス、トラック等の車両にあって、液化石油ガス等の液化ガスを燃料とするものには、該液化ガスを貯留する液化ガス容器が搭載されている。近年、液化ガス容器内にエンジンへ供給するためのポンプを設けた構成が存在する。この構成は、ポンプを用いることにより、所定量の液化ガスを液状に維持してエンジンへ圧送し、エンジンでの使用量を緻密にコントロールすることができる。これにより、燃費の向上と排ガス規制への適合とを達成することが可能である。このように液化ガス容器内に配設するポンプとしては、例えば特許文献1に提案されている。
特開2005−337147号公報
上記した液化ガスを圧送するポンプは、所定量の液化ガスを定常的にエンジンに供給するものであるから、該エンジンへ供給した液化ガスが全て消費されるとは限らないため、車両には、この消費されなかった余剰の液化ガスを液化ガス容器に戻すためのリターンガス流路が設けられている。ここで、例えば自動車にあって、液化ガス容器はトランクなどに横置きにして搭載されることが一般的である。そして、液化ガス容器からエンジンへ液化ガスを供給するための供給管や余剰の液化ガスを液化ガス容器へ戻すためのリターン管(リターンガス流路)が、自動車下部に配管されている。
尚、液化ガス容器内には、エンジンから戻ってきた液化ガスを液化ガス容器内に流入し且つ該液化ガス容器内の液化ガスの逆流を防止するための逆止弁装置が設けられているものもある。この逆止弁装置としては、例えば、エンジンから戻ってきた液化ガスを液化ガス容器内に流入する流入口と、該流入口を開閉する逆止弁部と、該逆止弁部を流入口の閉鎖方向に付勢するバネとを備えてなり、エンジンから戻ってくる液化ガスの圧力によって逆止弁部が開放すると、流入口から液化ガスが流入するようになっている。
ところで、上記した液化ガスを燃料とする自動車にあっては、停車している状態でエンジンを駆動しているときやエンジンを一旦停止した後に再始動したときに、トランクに配設されている液化ガス容器から戻り燃料(エンジンから戻った液化ガス)による音が聞こえてくるという問題点が指摘されている。そして、液化ガスを燃料とする自動車がタクシーに多く用いられていることから、このような液化ガス容器から聞こえてくる音によって、後部座席に座る乗客に不快感を与えることともなるため、この音の低減が希求されている。
本発明は、上述したようにエンジンで消費されなかった液化ガスを液化ガス容器に戻す構成にあって、停車中にエンジンを駆動しているときやエンジンの一旦停止後に再始動したときに、液化ガス容器から発生する戻り燃料による音が車内に響くことを抑制し得るリターンガス返還装置を提案するものである。
本発明は、エンジンで消費されなかった液化ガスを液化ガス容器内に戻すリターンガス流路と、リターンガス流路を通じて戻ってきた液化ガスを液化ガス容器内に流入するための流入口と、該流入口を開閉する逆止弁部と、該逆止弁部を流入口の閉鎖方向に付勢する付勢手段とを具備する逆止弁装置と、リターンガス流路の下流端に配され、先端が逆止弁装置の流入口と連通するものであって、エンジン側から液化ガス容器に到るリターンガス主管の出口端より流路断面積の小さい長尺状のガス細流管と、逆止弁装置を、液化ガス容器内の、液化ガス最大充填時に液面上に形成される残留空域に保持する保持手段とを備えていることを特徴とするリターンガス返還装置である。
上記のリターンガス主管は、エンジン側から液化ガス容器に至るリターンガス流路を構成するものである。また、流路断面積は、液化ガスが通過できる断面積であり、各管の内径によって定まる。そして、リターンガス主管として、一般的に自動車に配管されているものでは、その管内径がほぼ一様な構造となっている。そのため、ガス細流管の流路断面積は、リターンガス主管の、その長手方向のいずれの部位の流路断面積よりも小さい。このような一般的な自動車にあって、本発明の構成を換言すれば、ガス細流管は、その流路断面積を、リターンガス主管の最も小さい流路断面積よりも小さくしたものである。
ここで、発明者らが、停車中にエンジンを駆動しているときやエンジンを一旦停止後に再始動したときに、液化ガス容器から聞こえてくる音の発生原因について探求した結果について説明する。
上記したように、エンジンから液化ガス容器に至るリターンガス主管は、自動車の下部に配管されている。そのため、リターンガス主管内の液化ガスは、同じく自動車下部に配管されている排気管から発する熱により熱せられる。特に、停車中にエンジンを駆動している状態では、リターンガス主管内を液化ガスが比較的ゆっくり流動するため、排気管の熱により加熱され易く、液化ガスが一部気化して比較的大きな気泡を生じ、該気泡を含む気液混合状態の液化ガスが液化ガス容器に戻ることとなる。また、エンジンを一旦停止した直後では、エンジン駆動中に生じた熱が残っているため、リターンガス主管内で停留している液化ガスが加熱されて一部気化して比較的大きな気泡を生ずる。そのため、停止から再始動までの時間が比較的短い場合には、大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスが液化ガス容器に戻ることとなる。このように比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスが、上記した逆止弁装置を通過する際に音が発生しており、この音が液化ガス容器内で共鳴して車内に響いてしまうことを突き止めた。ここで、リターンガス主管から戻ってくる液化ガスが液体のみであると、逆止弁装置を通過する際に音を生じないことも確認している。
そして、上記のようにリターンガス主管内で発生した比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスが、逆止弁装置を通過する際にあって、逆止弁部の上流側では、該逆止弁部が付勢力により流入口を閉鎖していることから、液化ガスの気泡は、順次流れてくる液化ガスによって押圧されて圧縮される。そして、逆止弁部が流入口を開放して、この圧縮された気泡が流入口を通過すると、該気泡周囲の圧力が急激に低くなるために、気泡が膨張して音が発生すると考えられる。これは、逆止弁装置が液化ガス容器の液相中または気相中のいずれに在る場合も、逆止弁装置の流入口と通過した気泡が膨張することによって生ずる。以上のことから、液化ガス容器から響く音は、液化ガスの比較的大きな気泡が逆止弁装置を通過する際に膨張して発生することが原因であると推測するに至った。
本発明は、上記した音の発生原因を探究した結果に基づいて達成したものであり、リターンガス主管で比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスが生じた場合にあっても、逆止弁装置を通過する際に発生する音を抑制できるようにしたものである。かかる構成にあっては、ガス細流管の流路断面積を、リターンガス主管の出口端より小さくしていることから、リターンガス主管から流れてきた液化ガスがガス細流管に流入する際に摩擦抵抗を生じ、該液化ガスの流れが乱れる。さらに、ガス細流管を流れる液化ガスは、その管内周面との間で摩擦抵抗を生じ、同様に、液化ガスの流れが乱れる。このように液化ガスの流れが乱れることによって比較的強い渦が生じ、この渦により、上述した液化ガスの気泡を分裂して細分化することができる。また、ガス細流管では、その流路断面積が小さいことから、リターンガス主管中での流速に比して液化ガスの流速が速くなる。そのため、前記した細分化した気泡を液体内に分散することができる。ここで、ガス細流管が長尺であることから、細分化した気泡を充分に分散する作用を発揮でき得る。
尚、リターンガス主管として、一般的に自動車に配管されているものでは、その管内径がほぼ一様な構造となっている。そのため、ガス細流管の流路断面積は、リターンガス主管の、その長手方向のいずれの部位の流路断面積よりも小さい。換言すれば、ガス細流管の流路断面積は、リターンガス主管の最も小さい流路断面積よりも小さくしている。
本構成にあっては、上述したように、停車中にエンジンを駆動しているときやエンジンの一旦停止後に再始動したときに、リターンガス主管内で生じた比較的大きな気泡を含む液化ガスが戻ってきた場合にあっても、この比較的大きな気泡を、ガス細流管に流入して流れる際に細分化して分散することができる。これにより、逆止弁装置に到達するときには、液体中に小さな気泡が分散している気液混合状態の液化ガスとなる。この液化ガスが逆止弁装置を通過する際にあっても、上述したように小さな気泡が逆止弁部により開放された流入口を通過して膨張するが、当該気泡自体が小さいためにその膨張量も小さく、該膨張に伴って生ずる音も小さくなる。そして、多数の比較的小さな気泡が膨張しても、個々の発生する音が小さいために、全体としての音も小さくなる。これにより、気液混合状態の液化ガスが逆止弁装置を通過する際に発生する音を抑制でき得る
また、本構成にあっては、ガス細流管の流路断面積が小さいことから、該ガス細流管に液化ガスが流入し難い。そのため、自動車を停止してからのエンジン駆動時間や再始動後のエンジン駆動時間が長くなるに従って、リターンガス主管の内圧が向上していく。この内圧が高くなることによって、リターンガス主管内で気化した液化ガスも再び液化する。そのため、リターンガス主管内の液化ガスが一部気化した場合にあっても、その後、液化されることとなり、気泡による音の発生を生じなくなる。
また、本発明にあっては、逆止弁装置を、液化ガス容器の残留空域に配設していることから、該逆止弁装置の逆止弁部を通過した液化ガスの気泡が急激に膨張して破裂する。しかし、上述したように気泡が比較的小さいことから、その破裂音も小さくなる。これに対して、逆止弁装置を液化ガス容器の液相内に配設した場合には、比較的小さな気泡が液化ガス容器の液層内を上昇するため、この上昇中に複数の気泡が合体して気泡が成長することもあり、この成長した気泡が液面で破裂した際の音が大きくなってしまうこともある。このことからも、逆止弁装置を液化ガス容器の残留空域に配設することで、液化ガスがエンジンから戻ってくることによって生じる音の発生を総合的に抑制することが可能である。
以上のように、本発明の構成によれば、リターンガス主管から戻ってきた液化ガスが比較的大きな気泡を含んでいる場合にあっても、この大きな気泡を細分化して分散することができるため、当該液化ガスが逆止弁装置の逆止弁部を通過する際に発生する音を抑制することができ得る。これにより、当該音が液化ガス容器内で共鳴して、車内に響くことを低減することができる。したがって、自動車が停車中にエンジンを駆動しているときや、エンジンを一旦停止して再始動したときに、液化ガス容器から車内に響く音を低減することができ、当該音によって搭乗者に不快感を与えてしまうことを防ぐことが可能である。そして、例えば、タクシーにあって、後部座席に乗車した乗客が、前記音に気づき難くなるため、乗客が不快感を生ずることを防ぎ得る。
一方、逆止弁装置にあって、比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスによって逆止弁部を開放する場合には、主に気泡が逆止弁部を押し開ける状態と、主に液体が逆止弁部を押し開ける状態とで、逆止弁部の開放量が異なる。そのため、比較的大きな気泡が順次流れてくると、逆止弁部が振動し易く、該振動が液化ガス容器内で共振して車内に響き易くなるという懸念もある。これに対して、本発明の構成では、上述したように気泡が細分化されて均一に分散されている気液混合状態の液化ガスが、逆止弁部を押し開けることとなるため、該逆止弁部の開閉作動が安定し、その振動を抑制することができ得る。これにより、逆止弁部の振動から生ずる共振を抑制でき、当該振動が車内に響くことを抑制できるという利点も有する。さらに、逆止弁部の振動を抑制できることによって、該逆止弁部の摩耗発生を抑制できるため、弁自体の寿命を向上できるという効果も奏する。
上述したリターンガス返還装置にあって、下端が液化ガス容器内の下部に接合されてリターンガス主管と接続され、且つ上端が液化ガス最大充填時の残留空域に配されて、該上端で逆止弁装置を支持する杆状のリターンガス継流管を備えてなり、該リターンガス継流管により、液化ガス容器内でリターンガス流路を構成し、且つ逆止弁装置を残留空域に保持する保持手段を構成しているものが提案される。
かかる構成にあっては、エンジンからリターンガス主管を通じて戻ってきた液化ガスが、リターンガス継流管内をその下端から上端へ向かって流動して、該上端に支持する逆止弁装置を介して液化ガス容器内に流入するようになっている。すなわち、このリターンガス継流管の内部領域により、リターンガス流路の下流端を構成しており、ここにガス細流管を配設した構成とすることができる。そして、ガス細流管が長尺なものであるため、その入口端(下端)をリターンガス継流管の上端より下方に位置させることができる。この構成では、リターンガス継流管に、気液混合状態の液化ガスがリターンガス主管から流入すると、当該液化ガスの気体がリターンガス継流管の上端部に溜まり易く、気体と液体とが分離し易い。これにより、リターンガス継流管に気液混合状態の液化ガスが流入した場合に、該液化ガスの液体をガス細流管に流入し易くなるから、上述した比較的大きな気泡のガス細流管への流入量を低減できるため、該ガス細流管へ流入する比較的大きな気泡を細分化して分散化するという作用の効率が向上する。さらに、上述したように、ガス細流管の流路断面積が小さいことから、自動車の停止や再始動時からのエンジン駆動時間が長くなるに従って、リターンガス主管から順次流入する液化ガスによりリターンガス継流管の内圧が向上していくことから、該リターンガス継流管の上端内に滞留する気体も液化するため、総じてガス細流管に流入する気体を低減する効果に優れる。
また、液化ガス容器は、上述したように、自動車のトランクに横向きに搭載されることが一般的である。そして、液化ガス容器とエンジンとを接続して、液化ガス容器からエンジンへ液化ガスを供給するガス供給管や上記したリターンガス主管が、自動車の下部に配設されている。本構成では、ガス継流管の下端を液化ガス容器内の下部に接合していることから、自動車の下部に配管されるリターンガス主管を、液化ガス容器の下部に接続することができる。そのため、リターンガス主管の配管構成を簡素化することができる。仮に、リターンガス主管を液化ガス容器の上部に接続する構成とした場合、該リターンガス主管を容器近傍で上方へ立ち上げて設けることとなる。この場合、例えば、自動車にその後方から衝突する事故を想定すると、リターンガス主管の立ち上がる部分が破損し易くなってしまう。これに対して、本構成では、リターンガス主管を立ち上げる部分がないため、このような後方からの衝突事故に対する安全性に優れる。
尚、リターンガス継流管としては、直線状のものや湾曲した形状のものなど、いずれの形状のものも用いることができる。また、リターンガス継流管としては、その横断面積が、リターンガス流路の流路断面積以上である構成が好適に用い得る。ガス継流管の横断面積が、リターンガス主管の流路断面積より大きい場合には、リターンガス継流管の上端部に液化ガスを溜め易く、該液化ガスの気体と液体とを分離し易くなる。そして、ガス継流管の横断面積とガス細流管の流路断面積との差が大きくなることから、該ガス細流管に液化ガスが流入する際に、該液化ガスの流れを乱す作用が一層強まり、液化ガスに生じている比較的大きな気泡を細分化する効果がさらに向上する。
また、上記したガス細流管が、リターンガス継流管内で、その長手方向に沿って配設されている構成が提案される。
ガス継流管内では、リターンガス主管から流入した液化ガスが、該ガス継流管の下端から上端に向かって流動し、該下端から上端に向かって圧力がかかる。本構成では、ガス細流管が、リターンガス継流管の長手方向に沿って配設されているため、リターンガス主管から流入した液化ガスの圧力が、ガス細流管の入口端に直接的に作用する。そのため、ガス細流管に液化ガスが流入する際に、該液化ガスの流れが一層乱れ易く、液化ガスに生じている比較的大きな気泡を細分化する効果がさらに向上する。また、リターンガス継流管内の液化ガスの圧力方向と、該リターンガス継流管内でガス細流管を流れる液化ガスの流動方向とが同じであるから、該ガス細流管を流れる液化ガスの流速を高めることができる。そのため、ガス細流管を流れる際に該管内周面から作用する摩擦抵抗が高くなり、気泡を細分化する効果に優れると共に、細分化した気泡を分散する効果が一層向上する。
尚、本構成にあっては、リターンガス継流管が直線状のものが好適に用い得る。これにより、リターンガス継流管内での液化ガスにかかる圧力も直線状に作用するため、該圧力がガス細流管の入口端に作用する効果を充分に高めることができ、気泡を分散化する効果がさらに向上する。また、ガス細流管も直線状となるため、該ガス細流管内での流速もさらに高まる。
一方、上述したリターンガス返還装置にあって、液化ガス容器内に配設され、内部にリターンガス主管の出口端が配されて該リターンガス主管から流入した液化ガスを滞留する、液化ガス容器内でリターンガス流路を構成するガス滞留タンクを備えてなり、ガス細流管が、その入口端を、ガス滞留タンク内でリターンガス主管の出口端よりも下方に位置するように設けられている構成が提案される。
かかる構成にあっては、ガス滞留タンク内で、リターンガス主管の出口端よりガス細流管の入口端を下方に位置するようにしていることから、リターンガス主管から流入した液化ガスが気泡を含んでいる場合に、該気泡がガス滞留タンクの上部に溜まる。このように、気液混合状態の液化ガスがガス滞留タンク内に流入すると、該ガス滞留タンク内で気体と液体とに分離する。これにより、ガス細流管に液体が優先的に流入し、例えリターンガス主管内で比較的大きな気泡を生じた場合にあっても、当該気泡がガス細流管に流入し難くなっている。そのため、比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスがリターンガス主管からガス滞留タンク内に流入しても、この液化ガスの液体が優先的にガス細流管に流入するため、逆止弁装置の流入口から液化ガスが流入する際に音が発生することを防止し得る。また、このガス細流管は、その流路断面積が小さいことから、上述したように液化ガスが流入する際の摩擦抵抗によって流れが乱れる。そのため、液化ガス容器が自動車の振動などによって揺れた場合等で、このガス細流管に比較的大きな気泡が流入しても、当該気泡を細分化できる。そして、ガス細流管内での流速が高いことから、細分化と分散化とが生じる。これにより、細分化された気泡が逆止弁装置の流入口を通過するため、該通過の際に発生する音を抑制できるという本発明の作用効果を適正に発揮し得る。
また、上述したように、ガス細流管の流路断面積が小さいことから、自動車の停止や再始動時からのエンジン駆動時間が長くなるに従って、リターンガス主管から順次流入する液化ガスによりガス滞留タンクの内圧が向上していき、該ガス滞留タンク内の上部に滞留する気体も液化し、ガス細流管に気体が流入することを防ぐ効果がさらに向上する。
尚、ガス滞留タンクとしては、管形や缶形のものなど様々な形状のものを用いることができる。そして、その内部が、リターンガス主管とガス細流管とが列ぶように配設することができるだけの横断面積を有していれば良い。
上述したリターンガス返還装置にあって、ガス細流管が、その管長を80mm以上且つ200mm以下としてなるものである構成が提案される。
ここで、ガス細流管は、上述したように長尺とすることにより、細分化した気泡を液化ガスに分散する作用を充分に発揮することができる。さらに、ガス細流管を流れる液化ガスは、その管内周面との間で生ずる摩擦抵抗によって、該液化ガスの流れが乱れ、気泡を細分化することができるのであるから、ガス細流管は長尺であるものが良い。そして、ガス細流管の管長を80mm以上とすることにより、比較的大きな気泡がガス細流管に流入した際に、気泡を細分化する作用と分散化する作用とを充分に生じさせることができる。そのため、逆止弁装置の流入口を通過する際に発生する音を抑制するという、本発明の作用効果を一層適正に生じ得る。
ここで、管長が80mmより短い場合には、高い流速で液化ガスが流れる距離が短いために、気泡を分散化する効果が低減してしまう。また、液化ガスと管内周面との間で生ずる摩擦抵抗を受ける距離が短いために、この摩擦抵抗により気泡を細分化する効果も低減してしまう。そのため、逆止弁装置の流入口を通過する際に発生する音の大きさを抑制する効果が低減する。一方、管内周面との間で生ずる摩擦抵抗は、管長方向に沿って徐々に低下することから、当該摩擦抵抗による作用効果は、ガス細流管をある程度以上に長くしても変わらない。また、車両用に用いられる液化ガス容器のサイズを考慮すれば、ガス細流管が比較的大きく湾曲しない構成とするためには、200mm以下とすることが良い。ここで、ガス細流管を湾曲する形状とすれば、この湾曲する部位を通過する際に液化ガスの流速が低下するため、気泡を分散化する効果が低減することとなってしまう。以上のことから、ガス細流管の管長は、本構成の範囲として設定している。尚、このような理由をさらに突き詰めれば、管長を、80mm以上且つ120mm以下とすることが好適である。
本発明は、上述したように、エンジンで消費されなかった液化ガスを戻すリターンガス流路の下流端に、リターンガス主管より流動断面積の小さい長尺状のガス細流管を設け、リターンガス主管を通じて戻ってきた液化ガスを、ガス細流管を介して、液化ガス容器内の残留空域に保持された逆止弁装置の流入口から該液化ガス容器内に流入するようにした構成である。この構成により、リターンガス主管で熱せられた液化ガスが比較的大きな気泡を含んでいる場合にあっても、当該液化ガスがガス細流管に流入する際に生ずる摩擦抵抗と、ガス細流管内を液化ガスが通過する際に生ずる管内周面との摩擦抵抗とにより、液化ガスの流れが乱れることから、比較的大きな気泡を細分化することができる。そして、ガス細流管内では液化ガスの流速が高くなるため、前記した細分化した気泡が分散化する。このように比較的小さな気泡を含む液化ガスが逆止弁装置の流入口を通過する際には、該気泡が膨張することによって音を生ずるが、この音が微弱であるために、液化ガス容器内で共鳴して車内に響く音を抑制でき得る。したがって、自動車の停車中にエンジン駆動しているときやエンジンを一旦停止後に再始動したときに、液化ガス容器から車内に響く音を著しく低減できるため、例えばタクシーの乗客が液化ガス容器から響く音を聞いて不快感を生ずることを防止でき得る。
上述したリターンガス返還装置にあって、液化ガス容器内に配設したリターンガス継流管により、液化ガス容器内でリターンガス流路を構成し、且つ逆止弁装置を残留空域に保持する保持手段を構成しているものにあっては、リターンガス継流管内の上端部に気液混合状態で流入した液化ガスの気体が溜まり易く、気体と液体とを分離することができる。そのため、リターンガス継流管の上端部より下方に、ガス細流管の入口端を配することによって、上述した比較的大きな気泡のガス細流管への流入量を低減でき、該ガス細流管に流入する比較的大きな気泡を細分化して分散する作用の効率が向上するため、逆止弁装置から発する音を低減するという本発明の作用効果に優れる。
ここで、上記したガス細流管が、リターンガス継流管内で、その長手方向に沿って配設されている構成にあっては、ガス細流管の入口端から液化ガスが流入する際の摩擦抵抗が一層高くなるため、該液化ガスの流れが一層乱れ易く、液化ガスに生じている比較的大きな気泡を細分化する効果がさらに向上する。また、リターンガス継流管内での液化ガスの流動方向とガス細流管内での流動方向とが同じとなるため、ガス細流管内の流速を高めることができ、気泡を細分化して分散するという作用が一層向上する。
上述したリターンガス返還装置にあって、リターンガス主管から流入した液化ガスを滞留するガス滞留タンクが液化ガス容器内に配設され、該ガス滞留タンク内で、ガス細流管の入口端をリターンガス主管の出口端より下方に位置するようにした構成にあっては、このガス滞留タンクに気液混合状態の液化ガスが流入すると、気泡がガス滞留タンク内の上部に溜まり、気体と液体とに分離する。そのため、ガス細流管には液体が優先的に流入し、気泡がガス細流管に流入し難くなっている。また、例え、比較的大きな気泡がガス細流管に流入したとしても、その流入の際の摩擦抵抗によって流れが乱れ、当該気泡を細分化することができ、分散することができ得る。したがって、リターンガス主管内で比較的大きな気泡が発生した場合にも、液化ガスが逆止弁装置を介して液化ガス容器内に流入する際に発生する音を抑制するという本発明の作用効果に一層優れる。
上述したリターンガス返還装置にあって、ガス細流管が、その管長を80mm以上且つ200mm以下としてなるものである構成にあっては、ガス細流管を流動する液化ガスと該ガス細流管の管内周面との摩擦抵抗によって、気泡を細分化する作用と分散化する作用とが充分に生じ、逆止弁装置の流入口を通過する際に発生する音を抑制するという、本発明の作用効果を一層適正に生じ得る。
本発明の実施形態の一例を添付図面を用いて詳述する。
図1,2は、自動車のトランクに横置きに搭載される液化ガス容器1である。この液化ガス容器1は、円筒状胴部2と、該胴部2の両側開口を塞ぐように溶接された鏡部3,3とから構成されている。ここで、図1は、液化ガス容器1を、搭載状態で自動車後方から視た正面図である。尚、本実施例にあっては、液化ガス容器1が、液化石油ガス(LPG)を充填貯留するものであり、該液化石油ガスを燃料とする自動車に搭載されるものである。すなわち、液化石油ガスが、本発明にかかる液化ガスXである。
この液化ガス容器1の円筒状胴部2には、その外側下部に、図示しない燃料充填弁から液化ガスXを充填する場合に開放する充填バルブ(図示省略)と該充填バルブを手動操作するための充填操作ハンドル8が配設されている。この充填バルブは、液化ガスXの充填時を除き、閉鎖状態に保持されている。また、同様に円筒状胴部2の外側下部に、液化ガス容器1内に貯留された液化ガスXをエンジン(図示省略)に供給するガス供給管(図示省略)が接続された取出バルブ(図示省略)と、該取出バルブを手動操作するための取出操作ハンドル10が配設されている。この取出バルブは、液化ガスXを充填する場合や当該液化ガス容器1を自動車から取り外す場合等で閉鎖され、これ以外では開放されている。そして、この取出バルブを介してガス供給管(図示省略)を接続する燃料供給ポンプ12が、液化ガス容器1の内側下部に配設されている。この燃料供給ポンプ12は、液化ガス容器1内に貯留する液化ガスXを所定圧力で圧送するものであり、液化ガスXを液状に維持したままガス供給管に流入してエンジンへ供給するようしている。
さらに、液化ガス容器1の円筒状胴部2の外側下部には、図2のように、リターンバルブ13が上記した取出バルブ(図示省略)と並設されており、また、該リターンバルブ13を手動操作する返還操作ハンドル15が上記した取出操作ハンドル10と並設されている。このリターンバルブ13には、エンジンで消費されなかった液化ガスXを液化ガス容器1に戻すためのリターンガス主管14が接続されている。このリターンバルブ13は、液化ガスXを充填する場合や当該液化ガス容器1を自動車から取り外す場合等で閉鎖され、これ以外では開放されている。このリターンガス主管14により、本発明にかかる、エンジン側から液化ガス容器1に至るリターンガス流路20を構成している。尚、本実施例にあって、リターンガス主管14の出口端は、リターンバルブ13との接続部位となっている(図示省略)。
上記したガス供給管(図示省略)とリターンガス主管14とは、自動車前部に配設されたエンジンとトランクに配設された液化ガス容器1とを連通するものであり、自動車下部を通して配管されている。このように、車両下部に配設されたガス供給管(図示省略)とリターンガス主管14とを、液化ガス容器1の下部に設けられた取出バルブ(図示省略)やリターンバルブ13に接続する構成としていることから、その配管構成を取り回し易く、簡素化している。尚、仮に容器上部に取出バルブやリターンバルブを設けると、ガス供給管やリターンガス主管を容器近傍で上方へ立ち上げる構成としなければならず、管路自体も長くなる。このような構成では、例えば、車両後方を衝突する等の事故が発生した場合に、各管の立ち上げた部分を破損する可能性が高くなる。そのため、安全上から視て、容器下部に接続する本構成が好適と言える。
また、液化ガス容器1の円筒状胴部2の上部には、液化ガス容器1内に貯留する液化ガスXの貯留量を表示する液面計7も配設されている。さらに、この液化ガス容器1には、自動車のトランクに固定するための固定脚5も配設されている。
液化ガス容器1の円筒状胴部2の下部には、図2のように、設置台19が固結されている。この設置台19は、容器1の鉛直方向から後方へ傾斜する設置線Lに直交するように設けられている。この設置台19には、その容器外側にリターンバルブ13と取出バルブ(図示省略)とが、容器長手方向に沿って並設されている。そして、設置台19の容器内側には、杆状のリターンガス継流管21が固着されており、該リターンガス継流管21の下端に、リターンバルブ13を介してリターンガス主管14が接続されている。このリターンガス継流管21は、液化ガス容器1内で、前記設置線Lに沿って設けられており、その上端が、液化ガス容器1に液化ガスXを最大充填した際にその液化ガス液面上に形成される該容器内上部の残留空域6に位置するようにしている。尚、残留空域6とは、液化ガス容器1の最大充填時に液化ガス液面上に存在する気相領域である。
ここで、リターンガス継流管21は、その内径を、エンジンから戻ってくる液化ガスが通過する際に、その流動によって圧力損失をほとんど生じないように、比較的大きく設定している。また、リターンガス継流管21は、その内径が、リターンガス主管14の出口端内径に比して大径となっている。このリターンガス主管14の出口端は、本実施例1にあって、上述したように、リターンバルブ13との接合する部位であり、図示省略している。
リターンガス継流管21の上端には、図3のように、L字形の継ぎ手部材22が接合されている。この継ぎ手部材22は、その両端部を雄ネジ部23a,23bとしており、一端の雄ネジ部23aがリターンガス継流管21の上端に螺合されて固定されている。また、継ぎ手部材22の他端の雄ネジ部23bには、後述する逆止弁装置30が螺合されている。この継ぎ手部材22には、その両端部に開口する連絡路24が形成されており、該連絡路24を介してリターンガス継流管21と逆止弁装置30とが連通している。ここで、継ぎ手部材22の、リターンガス継流管21に螺合する一端には、連絡路24に内嵌するガス細流管25が接合されている。すなわち、ガス細流管25の先端が逆止弁装置30と連通している。ガス細流管25は、その外径が、リターンガス継流管21の内径に比して小径となっており、継ぎ手部材22と内嵌した上部を除き、リターンガス継流管21内に配されて、該リターンガス継流管21内でその長手方向に沿うように配設されている。尚、本実施例1にあって、リターンガス継流管21は、直管であり、同様にガス細流管25も直管である。そして、ガス細流管25が、リターンガス継流管21内の上部領域に配設された比較的長尺なものとしており、具体的には、管長が80mm以上且つ200mm以下とするように設定されている。
リターンガス継流管21は、上述のように、その上端に継ぎ手部材22が接合されており、該リターンガス継流管21の上端が閉鎖されている。そして、リターンガス継流管21の上部には、継ぎ手部材22に接合したガス細流管25が挿入された状態で保持されており、該ガス細流管25の入口端(下端)25aが配されている。このようにリターンガス継流管21の上部では、該リターンガス継流管21とその内部のガス細流管25とにより、二重管構造を成している。
上記したガス細流管25は、その内径がリターンガス継流管21の内径に比して小径であるから、該ガス細流管25内の液化ガスが通過する流路断面積(内部横断面積)が、リターンガス継流管21の内部横断面積に比して小さくなっている。さらに、ガス細流管25の内径は、上記したリターンガス主管14の出口端(図示省略)の内径に比して小径となっており、ガス細流管25の流路断面積は、リターンガス主管14の出口端の流路断面積に比して小さい。ここで、リターンガス主管14は、上述したように、その全長に亘ってほぼ同一内径であるため、ガス細流管25の流路断面積は、リターンガス主管14の出口端だけでなく自動車下部に配設された中央部分の流路断面積に比しても小さくなっている。
尚、リターンガス主管14は、上述したように、液化ガスXの流動によってほとんど圧力損失を生じない内径に設定されていることから、これにより小径のガス細流管25では、液化ガスXの流動によって摩擦抵抗(圧力損失)を生じることとなり得る。
上記したリターンガス継流管21と継ぎ手部材22の連絡路24により、液化ガス容器1内でリターンガス流路20を構成している。そして、後述する逆止弁装置30が継ぎ手部材22に接続されることから、リターンガス継流管21と継ぎ手部材22の連絡路24とは、リターンガス流路20の下流端であり、ここに上記したガス細流管25が配設されている。
一方、上記した継ぎ手部材22の他端に接合される逆止弁装置30は、図4のように、下方開口する接合管部32と、該接合管部32の下方開口に嵌合する嵌合底部33とから構成する管状筐体31を備えている。ここで、接合管部32の上部には、上下方向の連通路35が設けられており、該連通路35の上端から側方に連通して該接合管部32の上部側面に開口し、上記した継ぎ手部材22の他端の雄ネジ部23bが螺合する雌ネジ部34が設けられている。さらに、接合管部32には、上記した連通路35の下端と連通して下方開口する流出管路36を備えており、該流出管路36が連通路35に比して大径となっている。この連通路35の下端が流出管路36の上端に開口するところが、本発明にかかる流入口41である。
接合管部32の流出管路36には、その下部に上記した嵌合底部33を螺合する螺合雌部37が形成されており、該螺合雌部37に螺合する螺合雄部38が嵌合底部33の上部に形成されている。そして、嵌合底部33には、上下方向に貫通する貫通孔39が設けられており、該嵌合底部33を接合管部32に接合した状態で、貫通孔39が、上記した連通路35、流出管路36と一直線状に列ぶようになっている。尚、この貫通孔39は、その下部を小径とする二段階形状となっている。
接合管部32と嵌合底部33とを接合した状態で、該接合管部32の流出管路36内の、嵌合底部33上の上部領域には、逆止弁部42が流出管路36に沿って上下方向に摺動可能とするように配設されており、該逆止弁部42により、連通路35の流入口41を開閉する。この逆止弁部42は、嵌合底部33の貫通孔39の中央部分に設けられた段部39aに支持された開閉バネ43によって、流入口41を閉鎖する方向に付勢されている。そして、連通路35から逆止弁部42を下方へ押す力が作用し、該力が開閉バネ43の弾性力以上となると該開閉バネ43が収縮して、流入口41が開放する。尚、この逆止弁部42の周縁には、流出管路36の長手方向に沿って流下溝42aが複数形成されており、逆止弁部42が流入口41を開放した際に、該流入口41から流入した液化ガスXの液体が、流下溝42aを通って逆止弁部42の下方に流下できるようになっている。すなわち、逆止弁部42が摺動する流出管路36の上部領域は、嵌合底部33の貫通孔39を介して、液化ガス容器1内と常時通じており、同じ圧力状態となっている。
尚、上記した逆止弁部42を付勢する開閉バネ43によって、本発明にかかる付勢手段を構成している。
この逆止弁装置30は、リターンガス継流管21に接合した継ぎ手部材22に接合された状態で、液化ガス容器1の最大充填時に液化ガスX液面上に形成される残留空域6に保持される(図2参照)。そして、この接合状態で、逆止弁装置30の連通路35が、継ぎ手部材22の連絡路24を介してガス細流管25と連通している。すなわち、リターンガス主管14を通じてエンジンから戻ってきた液化ガスXが、リターンガス継流管21内に流入し、さらにガス細流管25内に入って逆止弁装置30の流入口41から液化ガス容器1内に流入する。
上記したリターンガス継流管21および継ぎ手部材22により、本発明の保持手段が構成されている。そして、リターンガス主管14、リターンガス継流管21、継ぎ手部材22、ガス細流管25、逆止弁装置30により、本発明にかかるリターンガス返還装置17が構成されている。また、リターンガス主管14、リターンガス継流管21、ガス細流管25、継ぎ手部材22の連絡路24により、本発明にかかるリターンガス流路20が構成されている。
次に、リターンガス返還装置17の作動について説明する。
自動車のエンジンを駆動開始すると、液化ガス容器1内の液化ガスXが燃料供給ポンプ12により、液状を維持して、ガス供給管(図示省略)を経てエンジンへ圧送される。エンジンでは液化ガスXの吐出量が精密に制御され、該エンジンで使用されなかった余剰の液化ガスXは、リターンガス主管14を経てエンジンから液化ガス容器1へ送り返される(図1,2参照)。
自動車の停車中にエンジンを駆動しているときには、自動車下部に配管されている排気管から発する熱が自動車下に溜まるため、自動車下部に配管されているリターンガス主管14が加熱される。これにより、リターンガス主管14内をゆっくり流れる液化ガスXが加熱され、一部気化して比較的大きな気泡を生ずる。そして、この比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスXが、リターンガス主管14からリターンガス継流管21に流入する。一方、エンジン停止した直後にあっても、エンジン駆動中に加熱した排気管の熱が自動車下に溜まるため、リターンガス主管14で留まっている液化ガスXを加熱して、比較的大きな気泡を生ずる。そのため、エンジン停止後、比較的短時間で再始動すると、比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスXが、リターンガス主管14からリターンガス継流管21に流入する。
このような大きな気泡と液体とが混在した気液混合状態の液化ガスXは、上記した燃料供給ポンプ12の圧力によってリターンガス主管14からリターンガス継流管21内へ流入し、該リターンガス継流管21内に配設されているガス細流管25に流入する。ここで、ガス細流管25は、上記したようにリターンガス継流管21に沿って配設されていることから、該リターンガス継流管21内を上昇する液化ガスXがガス細流管25の入口端25aから押し込まれる。この液化ガスXがガス細流管25の入口端25aから流入する際に、摩擦抵抗を生じ、この摩擦抵抗によって液化ガスXの流れが乱れる。そして、液化ガスXの流れが乱れることによって強い渦が生じるため、この渦により、液化ガスXの比較的大きな気泡が分裂される。このようにして、比較的大きな気泡を含む液化ガスXがガス細流管25内に流入する際に、当該気泡が細分化される。
さらに、ガス細流管25はその流路断面積が小さいことから、ガス細流管25を流れる液化ガスXは、該ガス細流管25の内側周面との間で摩擦抵抗を生じて、流れが乱れる。これによっても強い渦が生じ、液化ガスXの気泡を細分化することができる。そして、液化ガスXの流れが乱れることによって、細分化した気泡を液体中に分散することもでき得る。また、ガス細流管25に流入した液化ガスXは、該ガス細流管25の流路断面積がリターンガス主管14に比して小さいことから、流動速度が向上する。この高い流速によって、細分化した気泡を液体中に分散することができる。
このように、リターンガス主管14内で生じた比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスXが、リターンガス継流管21内でガス細流管25へ流入すると、流入時と流動中の摩擦抵抗によって、比較的大きな気泡を細分化して分散化することができる。そのため、ガス細流管25を通じて逆止弁装置30に到達するときには、液化ガスXは微細な気泡が多数分散している気液混合状態となる。
ここで、リターンガス継流管21は、上述したように、その上端が閉鎖されており、その上部でガス細流管25と二重管構造となっている。この構造では、リターンガス主管14から流入した気液混合状態の液化ガスXは、その気泡がリターンガス継流管21を上昇してガス細流管25に流入せずにその入口端25aより通り過ぎると、リターンガス継流管21の上端部に溜まる。このように、リターンガス継流管21の上端部に液化ガスXの気体が溜まり易く、気体と液体とが分離し易くなっている。そのため、ガス細流管25の入口端25aがリターンガス継流管21内の液層内に在る場合には、ガス細流管25には液化ガスXの液体が流入し易い。そして、このように液化ガスXの液体が流入し易ければ、比較的大きな気泡の流入量も減少するため、この大きな気泡が流入しても、当該気泡を細分化して分散化するという作用の効率が向上する。
上述したように、リターンガス継流管21からガス細流管25を流れた液化ガスXは、逆止弁装置30で、連通路35を通じて流入口41を閉鎖している逆止弁部42にぶつかる(図4(A)参照)。液化ガスXによる逆止弁部42を押し付ける圧力が、開閉バネ43の弾性力を上回ると、該開閉バネ43が収縮して流入口41を開放し(図4(B)参照)、液化ガスXが流出管路36に流入する。そして、貫通孔39を介して液化ガス容器1内に流出する。このようにして、エンジンで消費されなかった液化ガスXが液化ガス容器1内に戻る。尚、逆止弁部42の開放により押し付ける圧力が弱まると、開閉バネ43の弾性力により逆止弁部42が流入口41を閉鎖する。このように逆止弁部42は、エンジンの駆動中、流入口41を開閉する作動を繰り返す。
ここで、上述した多数の微細な気泡を分散している気液混合状態の液化ガスXが、逆止弁装置30の流入口41を通過する際に、音をほとんど発生しない。これは、微細な気泡が流入口41から流出して、気相中に入って破裂しても、その破裂音が極めて小さいことから、多数の微細な気泡が破裂しても全体として音も小さくなるためである。詳細には、逆止弁部42が流入口41を閉鎖している状態では、順次流れている液化ガスXにより圧力が上昇し、微細な気泡に作用する圧力が向上して収縮する。その後、逆止弁部42が流入口41を開放することにより、液化ガスXが流入口41から流出すると、気泡の周囲の圧力が急激に減少するため、該気泡が膨張して破裂する。この気泡が微細であるために、流入口41を通過する前後にあって、気泡の収縮量も小さく、膨張や破裂によって生ずる音も小さくなる。そして、微細な気泡が順次流入口41から流出しても、夫々の音が小さいために、全体としても音が大きくならなず、音の発生を抑制できると考えられる。
さらに、ガス細流管25を流れてきた液化ガスXは、上述したように微細な気泡が分散している気液混合状態であるから、該気泡が流入口41を通過することで生ずる膨張および破裂による体積変化も比較的小さい。これにより、この気泡の膨張や破裂によって、逆止弁部42が振動することも抑制される。そのため、上述したように逆止弁部42が流入口41を開閉する作動を安定して実施できることから、該作動の振動が容器内で共振することも抑制でき得る。
一方、上述したように、ガス細流管25の流路断面積はリターンガス主管14に比して小さく、また、リターンガス継流管21はその内容積が定まっていることから、リターンガス主管14からリターンガス継流管21に順次流入する液化ガスXによって、該リターンガス継流管21の内圧が徐々に高くなっていく。このように内圧が高くなることによって、リターンガス継流管21内に滞留する液化ガスXの気体が液化する。さらには、リターンガス継流管21の内圧が高くなるに従って、リターンガス主管14内の圧力も高くなっていくことから、該リターンガス主管14内で熱せれらた液化ガスXが気化し難くなる。そのため、自動車停止からのエンジン駆動時間が長くなるに従って、又は、エンジン再始動時からの駆動時間が長くなるに従って、リターンガス主管14内で比較的大きな気泡を発生しなくなり、液体状態の液化ガスXがリターンガス継流管21に流入してくるから、逆止弁装置30を液化ガスXが通過する際に音がほとんど発生しなくなる。
本実施例1にあっては、リターンガス主管14内で熱せられて比較的大きな気泡を生じた場合にあっても、この大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスXを、リターンガス継流管21内でガス細流管25に流入することによって、該大きな気泡を細分化し且つ分散化することができる。この多数の微細な気泡が分散した液化ガスXが、逆止弁装置30の流入口41から液化ガス容器1内へ流入する際に、当該気泡が膨張し破裂しても、その音が極めて小さく、総じて液化ガスXが逆止弁装置30を通過する際に生ずる音を抑制できる。これにより、この音が液化ガス容器1内で共鳴し、車内に響くことを抑制でき得る。さらに、ガス細流管25から流れてくる液化ガスXの気泡が微細であることから、逆止弁装置30の逆止弁部42の開閉作動が安定する。そのため、逆止弁部42の振動を抑制でき、該振動が液化ガス容器1内で共振して車内に響くことも抑制でき得る。したがって、本実施例1の液化ガス容器1用のリターンガス返還装置17を用いることによって、例えば、タクシーなどで、停車中にエンジンを駆動しているとき(アイドリングしているとき)や、エンジンを一旦停止した後に再始動したときに、液化ガス容器1から響く音や振動を抑制でき、該タクシーの乗客がトランクの液化ガス容器1から生ずる音や振動によって不快感が生ずることを防ぎ得る。
実施例2のリターンガス返還装置57にあっては、図5のように、液化ガス容器1の下部に設けられている設置台19の容器内側に、液化ガスXを滞留するガス滞留タンク52が固定されている。このガス滞留タンク52には、その下面部を貫通するようにリターンガス主管54が接続されており、該リターンガス主管54の出口端54aがガス滞留タンク52内に配されている。さらに、ガス滞留タンク52には、その上面部に杆状の逆止弁保持管61が接合されており、該逆止弁保持管61の上端に、上述した実施例1と同様に継ぎ手部材22を介して逆止弁装置30を接合している。この逆止弁保持管61は、その上端部が、液化ガス容器1に液化ガスXを最大充填した際にその液化ガスXの液面上に形成される該容器内上部の残留空域6に位置するように設けられており、逆止弁装置30を残留空域6に保持している。すなわち、逆止弁保持管61とガス滞留タンク52とにより、逆止弁装置30を液化ガス容器1の残留空域6に保持する保持手段が構成されている。
また、上述した実施例1と同様に、継ぎ手部材22にはガス細流管65が接合されており、このガス細流管65は、上記した逆止弁保持管61内で、該逆止弁保持管61に沿って設けられている。そして、ガス細流管65の下部が、ガス滞留タンク52の上面部を貫通して、該ガス滞留タンク52内に突出している。このガス細流管65の入口端(下端)65aが、ガス滞留タンク52内で、リターンガス主管54の出口端54aより下方となるように設けられている。
このようなリターンガス返還装置57では、リターンガス主管54がガス滞留タンク52とガス細流管65とを介して逆止弁装置30と連通しており、リターンガス主管54を通じてエンジンから戻ってきた液化ガスXが、ガス滞留タンク52からガス細流管65を流動して、逆止弁装置30の流入口41から液化ガス容器1内に流入するようになっている。
ガス細流管65は、その内径をリターンガス主管54に比して小径としており、流路断面積もリターンガス主管54に比して小さい。そして、リターンガス主管54は、上述した実施例1と同様に、液化ガスXが流れる際にほとんど圧力損失を生じない流路断面積とするように設定されている。
また、逆止弁保持管61は、上記のように、その上端部を液化ガス容器1の残留空域6に配するように、長尺状に形成されている。そして、ガス細流管65は、逆止弁保持管61よりも長尺なものである。このガス細流管65は、上述したように、その入口端65aを、上記したリターンガス主管54の出口端54aよりも下方に位置していることから、リターンガス主管54からガス滞留タンク52内に流入した液化ガスXは、ガス滞留タンク52内に滞留し、該ガス滞留タンク52の内圧が高まることによって、ガス細流管65に流入する。また、リターンガス主管54から流入した液化ガスXが気液混合状態であった場合には、その気体がガス滞留タンク52の上部に溜まるため、ガス細流管65には主に液化ガスXの液体が優先して流入するようになっている。
実施例2の構成にあっては、上述したようにガス滞留タンク52、逆止弁保持管61、ガス細流管65を設け、該ガス滞留タンク52内で、ガス細流管65の入口端65aをリターンガス主管54の出口端54aより下方に位置するようにした以外は、上述した実施例1と同じ構成である。そのため、実施例1と同じ構成要素には、同じ符号を記し、その説明を省略している。
尚、実施例2にあっては、ガス滞留タンク52、ガス細流管65、継ぎ手部材22の連絡路24により、リターンガス主管54から連続して、液化ガス容器1内でリターンガス流路60を構成している。
本実施例2のリターンガス返還装置57の作動について説明する。
上述したように、自動車の停車中にエンジンを駆動しているときや、エンジンを一旦停止した後に再駆動したときには、排気管の熱によりリターンガス主管14内で生じた比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスXが、液化ガス容器1へ戻っていく。
このような気液混合状態の液化ガスXが、リターンガス主管54からガス滞留タンク52内に流入すると、液化ガスXの気泡がガス滞留タンク52の上部に溜まり、該ガス滞留タンク52内で液化ガスXの気体と液体とが分離する。そして、リターンガス主管54から順次流入してくる液化ガスXによりガス滞留タンク52の内圧が上昇し、該ガス滞留タンク52内の液化ガスXがガス細流管65に流入する。この際に、ガス細流管65の入口端65aが、ガス滞留タンク52内に滞留している液化ガスXの液面より低い場合には、液化ガスXの液体がガス細流管65に流入する。この場合には、液化ガスXの液体が逆止弁装置30の流入口41から液化ガス容器1内へ流入する。そのため、逆止弁部42の開閉作動によって流入口41から液化ガスXの液体が流入しても、その際に音をほとんど生じない。さらに、逆止弁部42の振動も安定する。以上のことから、液化ガスXの液体が逆止弁装置30から流入する際に音や振動をほとんど発生せず、これらが車内に響くことがない。
一方、ガス細流管65の入口端65aが液化ガスXの液面より高い場合や、ガス滞留タンク52内の液体中に気泡が混ざったまま滞留している場合には、ガス細流管65に液化ガスXの液体と気泡とが流入する。この気泡は、上述したようにリターンガス主管54で生成された比較的大きな気泡であるが、ガス細流管65の入口端65aに流入する際に摩擦抵抗を生じ、液化ガスXの流れが乱れて強い渦を生じる。この渦により、比較的大きな気泡が分裂されて細分化される。さらに、ガス細流管65は、その流路断面積が小さいことから、該ガス細流管65の内側内周面との間で摩擦抵抗を生じ、流れが乱れて強い渦を生じるため、これによっても気泡が細分化されると共に、気泡を液体中に分散化することができる。さらに、ガス細流管65を流動する液化ガスXの流速は、該ガス細流管65の流路断面積がリターンガス主管54の出口端54aより小さいことから、液化ガスXの流速が速いため、該液化ガスXの液体中の気泡を分散化することができ得る。そして、ガス細流管65が長尺であることから、微細な気泡を充分に分散化することができる。このように比較的大きな気泡がリターンガス主管54内で生じた場合にあって、該気泡がガス細流管65内に流入しても、該ガス細流管65を通過した液化ガスXは、微細な気泡が分散している気液混合状態となる。
このような液化ガスXが逆止弁装置30を通過する際には、該液化ガスXの液体中に微細な気泡が分散していることから、上述した実施例1と同様に、当該気泡が流入口41を通過して膨張又は破裂することによって生ずる音は微弱である。そのため、逆止弁装置30から液化ガスXが液化ガス容器1内に流入する際に発生する音を抑制することができ、該音が液化ガス容器1内で共鳴して車内響くことを抑制することができる。また、流入口41を開閉作動する逆止弁部42の作動も安定するため、その振動も抑制でき、該振動が車内に響くことも抑制でき得る。
本実施例2の構成では、上述したように、ガス滞留タンク52の液化ガスXの液体が優先的にガス細流管65に流入するため、リターンガス主管54内で生じた比較的大きな気泡がガス細流管65に流入し難い。そのため、比較的大きな気泡がガス細流管65に流入した場合には、上述したように、大きな気泡を細分化して分散する作用効果が一層効率的に生じ得る。また、ガス滞留タンク52の内圧が向上することにより、該ガス滞留タンク52内に溜まっている気体が液化すると共に、リターンガス主管54内の液化ガスXに作用する圧力が向上するため、該リターンガス主管54内で比較的大きな気泡が生じ難くなる。そのため、停車中のエンジン駆動時間やエンジン再始動後の駆動時間が長くなるに従って、比較的大きな気泡が生じなくなり、逆止弁装置30から液化ガス容器1内に流入する際に音が発生しなくなる。
このように、本実施例2のリターンガス返還装置57によれば、リターンガス主管54で比較的大きな気泡を生じた場合にあっても、該液化ガスXが流入口41を通過する際にほとんど音を生じないため、上述した実施例1と同様の作用効果を発揮する。
上述した実施例1,2の各リターンガス返還装置17,57を夫々設けた各液化ガス容器1を自動車に適用し、音評価試験を実施した結果を説明する。
音評価試験は、自動車を停車した状態で、エンジン駆動してアイドリングしたまま60分保持する状態を、10分間のエンジン停止をはさんで繰り返し実施し、自動車の後部座席に乗車した試験官が各液化ガス容器1から響く音を聞いて評価する。ここで、アイドリングしたまま保持することにより、エンジン熱を高めて、排気管から発する熱によりリターンガス主管14内の液化ガスXを加熱し、当該液化ガスXが気化しやすい状況を作り出している。これにより、一旦エンジンを停止すると、排気管の熱が自動車下に溜まり、リターンガス主管14内に滞留している液化ガスXが加熱され、比較的大きな気泡が発生する。その後、エンジンを再始動すると、比較的大きな気泡を含む気液混合状態の液化ガスがリターンガス主管14を流動して各液化ガス容器1へ戻っていく。このように、リターンガス主管14内の液化ガスXを加熱して、強制的に比較的大きな気泡が発生する状態とし、当該気泡が各液化ガス容器1へ戻る状況を再現している。そして、このような状況で、自動車に搭乗した試験官が、液化ガス容器1から発生する音を聞くことで評価する。
尚、この音評価試験は、試験官による感応評価である。感応評価を行う理由としては、例えば、自動車にマイクを設置して音の大きさを測定しようとした場合、マイクの設置位置や設置角が僅かにずれても測定値が変化してしまうこと、エンジン音等の他音との区別化ができないこと等の理由から、定量的な測定をすることが難しいためである。
この音評価試験に用いた実施例1のリターンガス返還装置17にあって、リターンガス主管14の出口端内径が5.4mm、リターンガス継流管21の内径が10mmとし、ガス細流管25は内径を3.3mm、長さを80mmとしたものを用いている。一方、実施例2のリターンガス返還装置57にあって、リターンガス主管54の出口端内径が5.4mmとし、ガス細流管65は内径を3.3mm、長さを200mmとしたものを用いている。さらに、ガス滞留タンク52は、上下を閉鎖した円筒状のものであり、その内径を50mmとしている。尚、リターンガス主管14,54にあっては、自動車下部に配管されている部分にあっても、その内径が5.4mmであり、全体に亘って同じ内径寸法となっている。
さらに、このような実施例1,2のリターンガス返還装置17,57と比較するための比較例1として、図8(A)のように、実施例1の構成からガス細流管25を取り外した構成のものを準備した。すなわち、この比較例1の装置にあっては、リターンガス主管14から戻ってきた液化ガスXは、リターンガス継流管21から継ぎ手部材22の連絡路24を介して、逆止弁装置30を通じて液化ガス容器1内に流出するようになっている。また、比較例2として、図8(B)のように、逆止弁装置30を接続するL字形の継ぎ手部材22を、連結部材81を介して設置台19に接合して、液化ガスXがリターンガス主管14から連結部材81および継ぎ手部材22を介して逆止弁装置30に流れるようにした構成のものを準備した。この比較例2の装置にあっては、逆止弁装置30が上述した実施例1,2と上下逆向きに配設され、流入口41が上方開口していることとなる。この構成では、逆止弁装置30は、ほとんどの状況で、液化ガス容器1に貯留する液化ガスXの液相中に配されることとなる。
音評価試験を実施した結果を図6に示す。比較例1,2の装置を夫々取り付けた各自動車では、2回目にエンジン始動した直後から2〜3分間、後部座席に搭乗した試験官が「ボコボコ」という液化ガス容器から発する音を聞いた。一方、実施例1,2のリターンガス返還装置17,57を夫々取り付けた各自動車では、エンジン始動を5回行っても、試験官は各液化ガス容器1から音を聞き取ることができなかった。この結果から、本実施例1,2のリターンガス返還装置17,57を用いることによって、エンジン停止後に再始動した状態で液化ガスが液化ガス容器1内に戻ることで発生する音が車内に響くことを防止できることが確認できた。すなわち、本発明にかかるリターンガス返還装置17,57は、上述したように、リターンガス主管14(リターンガス流路)内で液化ガスXに比較的大きな気泡を生じても、逆止弁装置30に到達するまでに大きな気泡を細分化して液体中に分散できるために、該逆止弁装置30を通過する際に発生する音を著しく低減できる。この作用効果が、音評価試験の結果によって確認できた。
尚、音評価試験に供した実施例1の各リターンガス返還装置17では、ガス細流管25の管長を80mmに設定しているが、80mm〜200mmとしても同様の結果を生じた。この管長を80mmより短くした場合には、試験官がはっきりとした音が聞こえないものの、ぼんやりとした音が聞き取れる場合があった。また、ガス細流管の管長を200mm以上とすると、その下端がガス封止管の下端直上に位置するため、リターンガス主管14から流動する液化ガスXの圧力を直接受け易く、該圧力によって生じた振動が共振して車内に響くことが懸念される。そして、ガス細流管の下端がガス封止管の下端に接触しないようにするために、管長を200mm以下としている。このようなガス細流管の管長は、実施例2の場合にあっても、同様の結果を生じる。
また、音評価試験では、ガス細流管25,65の各内径を3.3mmとし、リターンガス主管14,54の出口端内径を5.5mmとして設定しているが、これらも適宜変えることが可能である。ガス細流管の内径を一層小径とすれば、液化ガスの流速をさらに向上でき、気泡を細分化して分散化する効果が向上する。一方、ガス細流管の内径を大径としたり、リターンガス主管の出口端内径(全体の内径)を小径とすると、液化ガスの気泡を細分化したり分散化する効果が低くなる傾向を示す。このようなことから、ガス細流管の内径としては、リターンガス主管の出口端内径に比して0.3〜0.8倍とすることが好適である。尚、リターンガス主管の内径を小さくする流動中の圧力損失が大きくなるため、上記した燃料供給ポンプ12の圧力を上げねばならず、好ましくない。また、リターンガス主管の内径を大きくすると、液化ガスX中に発生する気泡が大きくなる傾向にあるため、これも好ましくない。そのため、リターンガス主管としては、上記した音評価試験に用いたものとほぼ同じ形状のものが好適に用いられている。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜用いることができる。例えば、図7のように、実施例1と同様のリターンガス継流管77内に、リターンガス主管74の出口端74aを配し、該リターンガス主管74の上端とガス細流管75の下端とをクランク形に折曲して、該ガス細流管75の入口端75aをリターンガス主管74の出口端74aより下方位置に配するようにした構成のリターンガス返還装置71としても良い。この構成にあっても、リターンガス主管74の出口端部、リターンガス継流管77、ガス細流管75、継ぎ手部材22の連絡路24により、液化ガス容器1内でリターンガス流路70を構成している。また、このリターンガス返還装置71では、ガス細流管75の下端とリターンガス主管74の下端とが並設するため、両者の外径の和に比してリターンガス継流管77の内径が大径である必要がある。ここでは、上述した実施例1に比して、リターンガス継流管77を大径のものとしている。かかる構成にあっては、リターンガス主管74から流入した液化ガスXをリターンガス継流管21内に滞留する作用を発揮し、上述した実施例2と同様の作用効果を奏する。
本実施例の液化ガス容器1の正面図である。 本実施例1のリターンガス返還装置17を備えた液化ガス容器1の、図1のF−F縦断面図である。 リターンガス返還装置17の、リターンガス継流管21と逆止弁装置30との接続部位を示す拡大断面図である。 逆止弁装置30の流入口41を、(A)逆止弁部42が閉鎖している状態と、(B)逆止弁部42が開放している状態とを示す説明図である。 本実施例2のリターンガス返還装置57を備えた液化ガス容器1の縦断面図である。 音評価試験の試験結果を示す図表である。 別例のリターンガス返還装置71の部分断面図である。 (A)比較例1のリターンガス返還装置と、(B)比較例2のリターンガス返還装置とを示す説明図である。
符号の説明
1 液化ガス容器
6 残留空域
14,54 リターンガス主管
17,57 リターンガス返還装置
20,60 リターンガス流路
21 リターンガス継流管
25,65 ガス細流管
30 逆止弁装置
41 流入口
42 逆止弁部
43 開閉バネ(付勢手段)
52 ガス滞留タンク
X 液化ガス

Claims (5)

  1. エンジンで消費されなかった液化ガスを液化ガス容器内に戻すリターンガス流路と、
    リターンガス流路を通じて戻ってきた液化ガスを液化ガス容器内に流入するための流入口と、該流入口を開閉する逆止弁部と、該逆止弁部を流入口の閉鎖方向に付勢する付勢手段とを具備する逆止弁装置と、
    リターンガス流路の下流端に配され、先端が逆止弁装置の流入口と連通するものであって、エンジン側から液化ガス容器に到るリターンガス主管の出口端より流路断面積の小さい長尺状のガス細流管と、
    逆止弁装置を、液化ガス容器内の、液化ガス最大充填時に液面上に形成される残留空域に保持する保持手段と
    を備えていることを特徴とするリターンガス返還装置。
  2. 下端が液化ガス容器内の下部に接合されてリターンガス主管と接続され、且つ上端が液化ガス最大充填時の残留空域に配されて、該上端で逆止弁装置を支持する杆状のリターンガス継流管を備えてなり、
    該リターンガス継流管により、液化ガス容器内でリターンガス流路を構成し、且つ逆止弁装置を残留空域に保持する保持手段を構成していることを特徴とする請求項1に記載のリターンガス返還装置。
  3. ガス細流管が、リターンガス継流管内で、その長手方向に沿って配設されていることを特徴とする請求項2に記載のリターンガス返還装置。
  4. 液化ガス容器内に配設され、内部にリターンガス主管の出口端が配されて該リターンガス主管から流入した液化ガスを滞留する、液化ガス容器内でリターンガス流路を構成するガス滞留タンクを備えてなり、
    ガス細流管が、その入口端を、ガス滞留タンク内でリターンガス主管の出口端よりも下方に位置するように設けられていることを特徴する請求項1に記載のリターンガス返還装置。
  5. ガス細流管が、その管長を80mm以上且つ200mm以下としてなるものである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリターンガス返還装置。
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