JP4788393B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像データの色バランスを調整する画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
デジタルスチルカメラ(digital still camera)等の画像入力装置で作成される画像データは、撮像画像に基づいて作成され、カラー画像を画素毎に複数の要素色、例えばRGB(レッド、グリーン、ブルー)で階調表現したデータとされる。画像入力装置では、撮像画像に基づいて光源を推定する等の推定処理が行われ、適宜、ホワイトバランス調整などの画質調整が自動的に行われている。このホワイトバランス調整は、カラー画像の各画素の要素色毎の画素値を要素色毎に相加平均して得られる要素色毎の平均画素値を無彩色を表す画素値に近づけるように行われている。
また、特許文献1の段落0087には、算出された特定色に対する「好ましい色の目標値」と元画像データの特性値テーブルから得られる特性値に応じて補正する補正量Thを算出し、元画像データに対して補正量だけ色補正を施した補正後画像データを得ることが記載されている。同文献の段落0088−0089に記載されるように、補正量Thは、ΔSSを特定色(肌色)の面積占有率、a,rを0〜1の定数として、0≦ΔSS≦aの場合にa(1−r)×(ΔSSr、a≦ΔSS≦1の場合に1−(1−a)1-r×(1−ΔSSrと、画像データに占める特定色領域(肌色領域)の面積占有率ΔSに応じた補正量とされている。
従って、元画像データの特定色領域(肌色領域)については、背景領域の色に関係なく一律に補正量Thだけ「好ましい色の目標値」へ色補正が施される。
特開2004−192614号公報
画像入力装置で作成される種々の画像データを調べたところ、画像入力装置で適切なホワイトバランス調整が行われていない場合があることが判った。このような場合の画像データから顔領域を抽出し、抽出した顔領域から当該顔領域の代表色を抽出し、当該顔領域を肌色の目標色へ近づけるように画像データの色バランス(color balance)を調整する処理を行ったとき、画像データの色バランスが適切に調整されないことがあった。そこで、画像入力装置で適切なホワイトバランス調整が行われなかった場合など、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった場合でも、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することが望まれていた。
本発明は、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するため、本発明は、画像入力装置により作成された画像データから所定の色領域を抽出する領域抽出手段と、抽出した色領域から当該色領域の代表色を抽出する領域色抽出手段と、前記色領域について予め設定された目標色へ前記色領域の色を近づける色バランス調整を前記画像データに対して行う調整手段とを備える画像処理装置であって、背景色抽出手段を備え、前記調整手段は、所定の色空間における位置関係であって前記目標色の位置を基準とした前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする。
上記背景色抽出手段では、前記画像データから前記色領域の背景の代表色が抽出される。そして、上記調整手段により、所定の色空間における位置関係であって前記目標色の位置を基準とした前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整が前記画像データに対して行われる。
画像入力装置で作成される種々の画像データを調べたところ、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われない場合として、以下のような場合が見られた。
ケース1.曇天光の条件で撮像されたカラー画像についてホワイトバランス調整が全く、あるいは、ほとんど行われない場合。この場合は、光源を標準的な太陽光と推定した場合と推察される。
ケース2.太陽光の条件で撮像されたカラー画像について、ホワイトバランスが過補正された場合。この場合は、背景の色に引きずられて光源を誤って推定した場合と推察される。
画像入力装置で作成される画像の不自然さの程度は、上記ケース2の場合よりも上記ケース1の場合の方が小さい。従って、所定の色領域の色を当該色領域の目標色に近づける色バランス調整について、上記ケース2の場合と同じ度合の色バランス調整を上記ケース1の場合に適用すると、画像の色バランスが過補正されてしまい、違和感のある画像が得られてしまう。
以上に例示したように、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像データに対して背景の色に関係なく一律に同じ度合で色バランスを調整すると、色バランスが適切に調整されないことがある。また、特許文献1に記載の技術のように、特定色領域(肌色領域)を背景領域の色に関係なく一律に補正量Thだけ「好ましい色の目標値」へ色補正することでも、色バランスが適切に調整されないことがある。本発明では、所定の色空間において目標色の位置を基準とした色領域の代表色の位置と背景の代表色の位置との位置関係に応じた度合で色領域の色が目標色へ近づけられるので、このような不具合を解消することができる。従って、本発明によれば、光源推定が適切でなかった等、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった場合でも、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することが可能になる。
上記画像データは、例えば、カラー画像を画素毎の色成分量で表現した画像データとすることができる。同画素は、画像を表現できる数であればよく、複数画素の構成とすることができ、例えば8×8画素のような小画像を表現するものでもよい。前記色成分量は、例えば、複数の色成分を有する色空間における各色成分の多さを表す値とすることができる。
上記所定の色領域は、顔領域、肌色領域、空色領域、等が考えられ、多くの人に印象付けられる領域、人間が好ましいと感じる色再現に関係する領域、等とすることができる。上記目標色は、人間が好ましいと感じる色、記憶色、等とすることができる。上記色領域の背景は、画像全体から前記色領域を除く全ての領域でもよいし、当該領域の一部の領域でもよい。上記代表色は、色領域や背景の画素値の単純平均や重み付け平均等で表される色とすることができる。上記色空間は、デバイスに依存する機器従属色空間でもよいが、デバイスに依存しない機器独立色空間が好ましく、均等色空間(均等知覚色空間ともいう)がさらに好ましい。上記色バランス調整は、画像データ全体へ一律に行ってもよいし、抽出した色領域のみ行ってもよい。
前記所定の色空間が色相および彩度を表す色座標平面並びに明るさ軸からなる色空間である場合、前記目標色の前記色座標平面上の位置を基準とした前記色領域の代表色の前記色座標平面上における位置と前記背景の代表色の前記色座標平面上における位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の代表色の色座標を前記目標色の色座標へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行ってもよい。色相および彩度のバランスが調整されるので、より適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。
ここで、色座標平面並びに明るさ軸からなる色空間には、国際照明委員会(CIE)で規定されたCIE L***色空間、CIE L***色空間、等がある。ここで、L*は明度(明るさ)を表す色成分であり、a*,b*,u*,v*は色相および彩度を表す色成分である。以下、「*」を省略して記載する。
また、前記色座標平面において前記目標色の位置から前記色領域の代表色の位置へ向かうベクトルと前記目標色の位置から前記背景の代表色の位置へ向かうベクトルとで挟まれる角度θが所定の角度θt(0°<θt<180°)よりも小さい場合の色バランス調整の度合を、θ>θtの場合の色バランス調整の度合よりも小さくしてもよい。画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像の不自然さの程度は、θ>θtの場合よりもθ<θtの場合の方が小さい。従って、さらに適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。
さらに、前記色座標平面において前記目標色の位置と前記色領域の代表色の位置とを通る直線に対して垂直となるように前記目標色の位置を通る直線を引いたとき、この直線からみて前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置とが同じ側にある場合の色バランス調整の度合を、該直線からみて前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置とが異なる側にある場合の色バランス調整の度合よりも小さくしてもよい。画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像の不自然さの程度は、前記直線からみて色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置とが違う側にある場合よりも同じ側にある場合の方が小さい。従って、さらに適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。
さらに、前記色座標平面において前記背景の代表色の位置から前記直線へ垂線を引いたときの交点と前記背景の代表色の位置との距離に応じた度合で色バランスを調整してもよい。色領域の代表色の位置と目標色の位置とを結ぶ方向の垂線の長さに応じて色バランスが調整されるので、さらに適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。
さらに、請求項6、請求項7に係る発明によれば、さらに適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。
また、本発明は、上記領域抽出手段と上記領域色抽出手段と調整手段とを備える画像処理装置であって、上記背景色抽出手段を備え、前記調整手段は、所定の色空間において前記目標色の位置から前記色領域の代表色の位置へ向かうベクトルと前記目標色の位置から前記背景の代表色の位置へ向かうベクトルとで挟まれる角度に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする。
すなわち、上記調整手段により、所定の色空間において前記目標色の位置から前記色領域の代表色の位置へ向かうベクトルと前記目標色の位置から前記背景の代表色の位置へ向かうベクトルとで挟まれる角度に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整が前記画像データに対して行われる。本発明では、所定の色空間において目標色の位置から色領域の代表色の位置へ向かうベクトルと目標色の位置から背景の代表色の位置へ向かうベクトルとで挟まれる角度に応じた度合で色領域の色が目標色へ近づけられるので、光源推定が適切でなかった等、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった場合でも、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することが可能になる。
上述した画像処理装置は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、各種の態様を含む。例えば、画像処理後の画像データを印刷させる制御を行う印刷制御装置や、さらに印刷装置を備える印刷システム、等としても適用可能である。
また、上述した装置の構成に対応した工程を有する制御方法や、上述した装置の構成に対応した機能をコンピュータに実現させるプログラムとしても適用可能であり、画像処理方法や画像処理プログラム等の発明も、同様の作用、効果を奏する。さらに、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能である。むろん、請求項2〜8に記載した構成も、前記方法や前記システムや前記プログラムや前記記録媒体に適用可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)画像処理装置を含む印刷システムの構成:
(2)画像処理の動作および作用:
(3)変形例:
(1)画像処理装置を含む印刷システムの構成:
図1は本発明の一実施形態である画像処理を模式的に示す図、図2は本発明の一実施形態に係る画像処理装置を含む印刷制御装置U0の構成を模式的に示すブロック図、図3は本印刷制御装置U0を含む印刷システムの構成の概略を示すブロック図、図4は色領域とする色範囲R11をab平面にて模式的に示す図、図5は画像データDA2から色領域R1を抽出する様子を模式的に示す図、図6は背景の座標値Dbに対する補正係数αを模式的に示す図、図7と図8は本印刷制御装置U0が行う印刷制御処理を示すフローチャート、図9は画像データの色バランスを補正する様子を模式的に示す図、図10は本発明の一実施形態である画像処理を模式的に示す図、図11はデジタルスチルカメラが行う色調整処理とその変換特性とを模式的に示す図、図12はデジタルスチルカメラの構成を模式的に示すブロック図である。本印刷システムは、本発明の画像処理装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10、カラー印刷可能なインクジェットプリンタ(印刷装置)20等から構成されている。むろん、本発明に用いられるコンピュータは、PCに限定されない。
PC10では、CPU11がシステムバス10aを介してPC全体を制御する。同バス10aには、半導体メモリ12,13、各種ドライブ15,16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e、等が接続され、ハードディスクドライブを介してハードディスク(磁気ディスク)14も接続されている。本発明の画像処理プログラム14aは、ハードディスク(HD)14に記憶され、CPU11によってRAM13に転送され、実行される。また、HD14は、Lab色空間のような所定の色空間を定義するための情報(色空間情報14b)、顔領域のような色領域を抽出するための情報(色抽出情報14c)、色領域の色の目標を表す目標色情報14d、色バランスの調整量を表す補正係数αの情報テーブル14e、補正係数αに応じて画像データ13aの補正前後の画素値の対応関係を規定した情報を格納した一次元ルックアップテーブル(LUT)形式の補正対応情報14f、色変換LUT(色変換テーブル)、各種閾値、等を記憶(記録)した所定の情報記憶領域(情報記録領域)とされている。RAM13には、一時的に、画像データ13a、当該画像データ上の色領域の範囲を表す色領域情報DA3、当該色領域の代表色を表す領域色情報DA4、当該色領域の背景の代表色を表す背景色情報DA5、等が格納される。
本画像処理プログラムは、プリンタドライバ等のオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム(APL)、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。本プログラムを記録した媒体は、HD以外にも、CD−ROM15a、フレキシブルディスク、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
周辺機器I/F17a(例えばUSB I/F)には、デジタルスチルカメラ(DSC)50、デジタルビデオカメラ、等の画像入力装置が接続可能である。CRT I/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやポインティングデバイス(マウス18c)が操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続される。
DSC50は、例えば図12に示すように、光学部52と制御部54から構成される。図示の光学部52では、CPU54cにコントローラ52eが接続され、該コントローラにオートフォーカスコントローラ52dとCCDユニット52fとオートゲインコントローラ(AGC)52hとストロボ52gとが接続され、オートフォーカスコントローラ52dにオートフォーカス機構52bと測距部52cとが接続され、オートフォーカス機構52bにレンズ52aが接続され、バス54aにA/D変換回路52iが接続され、該A/D変換回路にAGC52hが接続され、該AGCにCCDユニット52fが接続されている。制御部54では、バス54aに、CPU54b、ROM54c、RAM54d、LCDパネル54f、操作パネル54e、I/O回路54g,hが接続され、前記I/O回路54gにメモリカード54iが接続され、I/O回路54hにPCのI/F17aが接続される。
被写体を撮像すると、該被写体からの光がレンズ52aを介してCCDユニット52fに入射し、該CCDユニットの各撮像素子にて生成されるアナログ電気信号がAGC52hを介してA/D変換回路52hに入力される。すると、CPU54bの処理により、撮像素子毎のデジタル値がA/D変換回路52hから読み出されて撮像画像を画素毎に複数の要素色(例えばRGB)で階調表現した画像データが生成され、RAM54dのワークエリアに格納される。生成される画像データの各要素色の階調値は、CCDユニットの各撮像素子に入射した光の量に略比例する値とされている。なお、光の量は、各撮像素子の受光面の単位面積当たりに入射する光の輝度と露光時間の積で定義され、Rの階調値であれば光のR成分の輝度と露光時間の積とされる。従って、各要素色の階調値は、光の各要素色の成分についての輝度と露光時間の積に略比例する値とされる。
ここで、人間の目に感じられる光の強さは光の量に比例しないため、DSC50は、人間の目に感じられる光の強さに比例するように各要素色の階調値を変換する。また、DSCは、撮像画像の画像データに基づいて光源を推定する等の推定処理を行い、ホワイトバランスがずれていると判断した場合には、ホワイトバランスを調整する処理を行う。この処理は、各画素の要素色毎の階調値を要素色毎に相加平均して得られる要素色毎の平均階調値を無彩色を表す画素値に近づけるように行われる。
上述した画質調整の処理が行われた画像データは、RAM54dの画像エリアに格納され、適宜、I/O回路54hからPC10へ出力されたり、メモリカード54iに記憶されたりする。
図11の下段のグラフはDSCの色調整処理の特性、すなわち、DSCの変換特性に相当する入出力特性を示している。同図の上段のグラフは、当該色調整処理の特性を4つに分割した入出力特性を示している。各グラフにおいて、横軸は入力値、縦軸は出力値であり、各入力値が実線で示す特性に従ってグラフ上で対応する出力値に変換されることを示している。なお、破線で示す直線は入力値と出力値が等しい場合の特性を示している。グラフ5では、横軸が光の量、縦軸が画像データ15aであり、本実施形態ではRGBの各色成分について同様の入出力特性である。従って、DSCでは、各CCD撮像素子で取得するRGB毎の光の量をグラフ5に示す入出力特性で変換し、画像データにおけるRGB毎の階調値を取得していると考えることができる。ここで、RGB毎の光の量をYと表記し、DSCの変換特性に基づく出力値をF-1(Y)と表記する。このYは、露出時間が一定であれば輝度に相当する。
グラフ1〜4は、DSC独自の色調整処理を抽出するために上記変換特性を分割して得られる入出力特性であり、グラフ1,グラフ3,グラフ4は階調値の表色系を変換する意味合いの調整処理、グラフ2は画像の見栄えを良くするための調整処理である。DSCのメーカーは画像の見栄えを良くするために独自の色調整処理を実施しているが、当該画像の見栄えは、人間の目にとってRGB各色が人間の目にどのように知覚されるのかを考慮しながら決定される。そこで、光の量に応じた信号をsRGB規格の信号に変換する処理の中に人間の目による知覚を評価し易い状態の信号で見栄えを向上させる処理が含まれていると想定し、上記グラフ1〜4のように色調整処理を分解した。すなわち、グラフ1は、光の量に比例した値を人間の目に知覚される明るさに比例した値に変換するための特性である。グラフ2は、人間の目に知覚される明るさに比例した値を画像の見栄えを向上させる値に変換するための特性である。グラフ3とグラフ4は、画像の見栄えを向上させる値をsRGB規格の信号に変換するための特性である。
具体的には、グラフ1の横軸は光の量Yであり、縦軸は明度L*に相当する値(後述のsL*)である。すなわち、明度L*の値が増加するとその値の変化に比例して人間に知覚される明るさが変化するので、3刺激値の輝度を明度L*に変換するCIE Labの式
*=116Y-1/3−16 …(1)
を利用すれば、光の量Yを明度L*に相当する値へ変換する特性を記述することができる。DSCはRGBの色毎に光の量Yを示す信号を取得するが、RGB各色の光量Yを式(1)に代入すると、人間に知覚される明るさと比例関係にある階調値をRGBの色毎に取得することができる。本実施形態では、この値をsL*と呼ぶ。
グラフ2の横軸は上記sL*であり、縦軸は画像の見栄えを向上するための変換がなされた値であって、本実施形態ではこの値をpL*と呼ぶ。この入出力特性は、DSCのメーカーが独自に決定するものであるが、本願出願人の解析によれば、メーカー毎にわずかな相違があるものの、各メーカーの入出力特性は略同じ特性で記述できることが判明している。すなわち、グラフ2に示すように、中間調以下では入力値をより小さな出力値に変換し、中間調以上では入力値をより大きな出力値に変換するS字カーブ(pL*=G(sL*))によって入出力特性を記述できる。この入出力特性G(sL*)により、多数のメーカーが独自に決定したはずの色調整処理を記述することができた。すなわち、多数のメーカーの色調整処理をグラフ1〜4のように解析し、グラフ2に相当する入出力特性を抽出すると、概ね、グラフ2に示すような略S字のカーブとなり、階調が50%程度で変化率が概ね1.1〜1.4であった。また、肌色の輝度に相当する階調70%の近辺で変化率が1であった。そこで、グラフ2に示すように入出力特性G(sL*)を決定すれば、多数のメーカーが独自に決定した色調整処理とほぼ同様の特性を記述することができる。
グラフ3では横軸が上述のpL*、縦軸が光の量に相当する値pYである。グラフ4では、横軸が当該光の量に相当する値pY、縦軸が画像データDA1における階調値である。図11に示す各入出力特性はRGB毎に適用されるため、グラフ4においてもRGB毎に値を取得することができる。ここで、グラフ3とグラフ4は、上記pL*からsRGB規格に従った画像データを取得するための入出力変換である。sRGB規格では、RGBの各データを各色の光の量Yの(1/2.2)乗に比例するデータとして取得する。そこで、グラフ3では、明度に相当する上記pL*から光の量に相当する値をCIE Labの式によって取得する。
pY=((pL*+16)/116)3 …(2)
以上の変換により画像の見栄えを向上するための変換がなされた後の光の量pYを取得することができるので、グラフ4では、この光量pYに対して以下の式に基づいてγ変換を適用する。
RGB=pY1/2.2 …(3)
ここで、RGBはRGB各色のデータである。なお、式(3)においては、光の量Yの(1/2.2)乗に比例するデータを算出できればよく、右辺に係数を乗じるなどしてもよい。
以上の解析により、グラフ1〜グラフ4の入出力特性を重畳した入出力特性のグラフ5を作成することにより、DSCの各メーカーにおける色調整処理とほぼ同様の特性を記述することができる。そこで、グラフ5に示す変換特性F-1(Y)とその逆の正変換特性Y=F(RGB)を示す情報テーブルを変換特性データとしてHD14等に記憶しておく。この結果、正変換特性F(RGB)によって画像データDA1を光の量に比例する値に変換することができるし、変換特性F-1(Y)によって光の量に比例する値を画像データDA1に変換することができる。
本実施形態のプリンタ20は、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の各色に対応して設けられた各インクカートリッジ28に充填された各インクを印刷ヘッド29a〜dから吐出して印刷媒体にインクのドットを形成して印刷する装置であるものとする。むろん、プリンタ20には、ライトシアン(前記シアンの淡色)、ライトマゼンタ(前記マゼンタの淡色)、ダークイエロー(前記イエローの濃色)、レッド、バイオレット、灰色(前記ブラックの淡色)、淡灰色(前記灰色の淡色)、無着色インク(光沢感改善インク)、等も使用するプリンタ、CMYKのいずれかのインクを使用しないプリンタ、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタのような各種インク噴射式プリンタ、トナーインクを使用するレーザープリンタ、等も採用可能である。印刷媒体には、光沢紙(例えば写真用紙)等が含まれる塗被紙の印刷媒体、普通紙や再生紙等が含まれる非塗被紙の印刷媒体がある。
本プリンタ20では、図示の各部21〜27等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。キャリッジ機構27aにて主走査方向に往復動するキャリッジには、各インクカートリッジ28を装着したカートリッジホルダ32が設けられているとともに、印刷ヘッド29a〜dを備える印刷ヘッドユニット29が搭載されている。ヘッド駆動部26aは、ASIC26からラスタデータ(印刷データ)に対応する印加電圧データを入力してピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、該素子を内蔵する印刷ヘッド29a〜dに4色のインク滴をドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドユニット29を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながらシート状の印刷媒体を順次送り出して副走査を行ったりする。本プリンタ20は、PCのプリンタI/F17eと接続された通信I/O24を介してPC10から色別の印刷データ(ラスタデータ)を受信し、該印刷データに基づいて、該印刷データに対応する画像を印刷媒体上に形成する。
図2に示す印刷制御装置U0は、画像処理装置U1〜U5と印刷制御部U6とを備え、画像処理プログラムを含む印刷制御プログラムとPC10のハードウェアとが協働することにより構築される。情報記憶領域(情報記録領域)U5は、HD14に設けられ、上述した各種情報14b〜f等が記憶されている。
領域抽出部(領域抽出手段)U1は、各部U11,U12を備え、画像入力装置50により作成された多階調(例えば256階調)の画像データDA1から所定の色領域を抽出する。画像入力部U11は、画像入力装置で作成された画像データDA1を入力し、カラー画像を画素毎に複数の要素色RGBで階調表現(例えば256階調で表現)したRGBデータDA2(画像データの一種)に変換する。領域取得部U12は、画像データDA1から所定の色領域を抽出し、当該色領域の範囲を表す色領域情報DA3を生成する。
上記色領域としては、人物の顔の領域を表す顔領域、人物の肌の領域を表す肌色領域、空の領域を表す空色領域、夕焼けの領域を表す夕焼け色領域、植物の領域を表す緑色領域、雪の領域を表す雪色領域、海や湖や河川の領域を表す色領域、等がある。画像データDA1が人物画像を含むカラー画像を画素毎に複数の要素色で階調表現したデータである場合、図5に示すように、RGBデータDA2は人物画像を含むカラー画像を画素毎に要素色RGBで階調表現した画像データとされる。このRGBデータDA2は、前記人物画像の顔領域が含まれると想定される。
図5に示す画像データDA2から顔領域R1を抽出する場合、例えば、画像データDA2を構成する各画素P1について顔色として想定される色の範囲内であるか否かを判別し、当該範囲内と判別した画素を顔領域として抽出する。顔色として想定される色の範囲は、例えば、図4に示すように、顔領域の色の目標(Lab色空間の目標点T)を含むLab色空間の色範囲R11で定義することができる。むろん、顔色として想定される色の範囲は、「人物の肌の色」として一般的に多くの人がイメージとして記憶している色の範囲を彩度Sと色相Hと明度Bとで定義した範囲、特開2004-192614号公報に記載されるように(財)日本色彩研究所が出版している「スキントーンカラー」の範囲である色相(H)1YR〜9YR;彩度(C)3,4および5;明度(V)4.0〜8.5、「好ましい肌色」(目標点T)のLab色空間の座標を(Lt,at,bt)とし所定の色差をEt(0<Et<100)として{(L−Lt)2+(a−at)2+(b−bt)21/2≦Etを満たすLab色空間での範囲(L,a,b)、等と定義してもよい。
顔領域以外の色領域を抽出するための色範囲も、図4に示すように、色領域R1の目標点Tを含む所定の色空間の色範囲R11で色領域R1として想定される色の範囲を定義することができる。色範囲R11を表す情報は、色抽出情報14cとして情報記憶領域U5に記憶されている。そして、色抽出情報14cを参照して、図5に示すように画像データDA2を構成する各画素P1について色範囲R11内であるか否かを判別し、当該色範囲内と判別した画素を色領域R1として抽出すればよい。
領域抽出部を上記構成にすると自動的に色領域が抽出されるので好適であるものの、領域抽出部の構成には、色相や彩度など色範囲を指定する入力をユーザから受け付けて指定された色範囲に含まれる画素を色領域として抽出する構成、画像データに対応する画像を表示して該画像の中から色領域を指定する入力をユーザから受け付けて指定された部分の画素を色領域として抽出する構成、画像データに対応する画像を表示して該画像の中からおおよその画像領域を指定する入力をユーザから受け付けて指定された画像領域を構成する各画素について色範囲R11内であるか否かを判別して当該色範囲内と判別した画素を色領域として抽出する構成、等も考えられる。
上記色領域情報DA3は、例えば、図5の下段に示すように、色範囲R11内と判別された画素P2に1以上の整数を格納し、色範囲R11外と判別された画素P2に0を格納したデータとすることができる。この場合、0を格納した画素が色領域の背景領域R2として抽出されていることになる。なお、色領域情報は、色範囲R11内と判別された画素の画像データDA2上の位置を表す情報、等としてもよい。
領域色抽出部(領域色抽出手段)U2は、領域抽出部にて抽出された色領域R1から当該色領域の代表色を抽出し、領域色情報DA4を生成する。色領域の代表色は、色領域内の画素の画素値の平均値や中央値や最頻値などで表される色とすることができる。そこで、色領域内の画素の画素値の平均値や中央値や最頻値などを算出して領域色情報DA4とすることにより、色領域の代表色を抽出することができる。なお、画素値の平均値としては、各画素値の相加平均(算術平均)の値、各画素値の相乗平均(幾何平均)の値、各画素値の調和平均の値、等が考えられ、各画素値の重み付けをしない平均値でもよいし、各画素値に重み付けをした平均値でもよい。
画素値の重み付け平均値を用いる場合、例えば、図5の下段に示すように、色領域R1の中で横方向または縦方向で背景領域R2に接する画素に最も小さい重み付け「1」を付与し、当該画素に横方向または縦方向で接する画素へ次に小さい重み付け「2」を付与し、以下、当該画素に横方向または縦方向で接する画素へ一つずつ大きい重み付けを付与して、色領域R1の内側ほど重み付けが大きくなるようにする。なお、各画素の重み付けの値Ki(iは1〜nの整数、nは色領域の画素数)は、色領域情報DA3としてRAMに記憶しておく。ここで、色領域内の各画素の画素値を(Ri,Gi,Bi)とすると、色領域の画素値の重み付け平均値(AR,AG,AB)は、
Figure 0004788393
となる。そして、平均値(AR,AG,AB)を求めると、RGB色空間にて(AR,AG,AB)で表される色が代表色となり、色領域の代表色を抽出したことになる。
むろん、RGB色空間以外の色空間で定義される色成分値を用いて代表色を抽出することも可能である。例えば、Lab色空間の色成分値L,a,bを用いる場合、色領域の各画素の画素値をLab色空間のLab値に変換し、色領域内の各画素のLab値を(Li,ai,bi)として重み付け平均値(AL,Aa,Ab)を求め、RGB色空間の画素値に変換すればよい。
背景色抽出部(背景色抽出手段)U3は、画像データDA2から色領域R1の背景(背景領域R2)の代表色を抽出し、背景色情報DA5を生成する。背景の代表色は、背景内の画素の画素値の平均値や中央値や最頻値などで表される色とすることができる。そこで、背景領域内の画素の画素値の平均値や中央値や最頻値などを算出して背景色情報DA5とすることにより、背景の代表色を抽出することができる。なお、画素値の平均値としては、各画素値の相加平均(算術平均)の値、各画素値の相乗平均(幾何平均)の値、各画素値の調和平均の値、等が考えられ、各画素値の重み付けをしない平均値でもよいし、各画素値に重み付けをした平均値でもよい。本実施形態では、各画素値の重み付けをしない相加平均値を用いるものとする。すなわち、背景領域内の各画素の画素値を(Ri,Gi,Bi)とすると、背景領域の画素値の相加平均値(AR,AG,AB)は、
Figure 0004788393
となる。そして、平均値(AR,AG,AB)を求めると、RGB色空間にて(AR,AG,AB)で表される色が代表色となり、背景の代表色を抽出したことになる。むろん、色領域の代表色を抽出する場合のように、RGB色空間以外の色空間で定義される色成分値を用いて代表色を抽出することも可能である。
本実施形態では、画像データDA2のうち色領域R1を除く全ての領域を背景領域R2とし、具体的には、RGBデータDA2のうち顔領域R1を除く領域の全体から顔領域の背景の代表色を抽出している。むろん、画像データDA2のうち色領域R1を除く領域の一部のみを背景領域としてもよい。例えば、色領域の周辺のみ(色領域との境界から所定の距離内)を背景領域としたり、色領域との境界から所定の距離を超える領域を背景領域としたり、色領域以外の領域から上記色範囲R11内の画素を除いた部分を背景領域としたりすることができる。
なお、領域色情報DA4を生成するための領域色情報用変数と背景色情報DA5を生成するための背景色情報用変数とを用意して0にリセットしておき、画像データDA2を構成する各画素の中から順次着目画素を設定し、当該着目画素について、領域取得部にて色範囲R11内であるか否かを判別することにより色領域R1であるか否かを判別し、色領域であると判別した場合には領域色抽出部にて着目画素の画素値を領域色情報用変数に加算し、色領域でないと判別した場合には背景色抽出部にて着目画素の画素値を背景色領域用変数に加算してもよい。そして、画像データDA2の全画素を設定したとき、領域色抽出部にて領域色情報用変数の値を色領域の画素数で除して領域色情報DA4とし、背景色抽出部にて背景色領域用変数の値を背景領域の画素数で除して背景色情報DA5としてもよい。
調整部(調整手段)U4は、図1に示すように、色領域R1について予め設定された目標色(位置T)へ色領域R1の色を近づける色バランス調整を画像データDA2に対して行う。その際、調整部U4は、所定の色空間における位置関係であって前記目標色の位置Tを基準とした色領域R1の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとの位置関係に応じた度合(補正係数α)で色領域R1の色を目標色(位置T)へ近づける色バランス調整を画像データDA2に対して行う。
色バランスを調整するための色空間は、機器従属色空間でもよいが、機器独立色空間が好ましく、均等色空間がさらに好ましい。均等色空間には、CIE Lab色空間、CIE Luv色空間、等がある。機器独立色空間には、均等色空間の他、CIE XYZ色空間、NTS CRGB色空間、等がある。色バランスを調整するための色空間を表す情報は、色空間情報14cとして情報記憶領域U5に記憶されている。本実施形態では、色相および彩度を表すab平面(色座標平面)並びに明度軸(明るさ軸)からなるLab色空間で色バランスを調整するものとする。なお、Luv色空間ではuv平面が色相および彩度を表す色座標平面となり、また、明るさ軸には輝度軸等も考えられる。
色領域の色の目標を表す目標色は、色領域について人間が好ましいと感じる色、色領域について人間が記憶している記憶色、ユーザが指定した色、等とすることができ、例えば複数の人に色を見せたときの好みの色の中心(好みの色の座標値を平均した座標値で表される色)とすることができる。顔領域の目標色については、例えば、肌色の目標色とすることができ、肌色の嗜好中心(好みの肌色の座標値を平均した座標値で表される「好ましい肌色」)とすることができる。目標色を表す情報は、目標色情報14dとして情報記憶領域U5に記憶されている。
本実施形態の調整部は、画像データ全体へ一律に色バランス調整を行うが、抽出した色領域のみ色バランス調整を行うものでもよい。後者の場合、RGBデータDA2の画素値の補正特性(後述するγ,δ,β等)を決定したとき、前記色領域を構成する各画素の中から順次着目画素を設定し、前記補正特性を参照して、当該着目画素の画素値を当該補正特性の情報に従って変換することにより、調整後のRGBデータDA6を生成することができる。
なお、色バランス調整は、ホワイトバランス調整を含む概念である。
上記領域色抽出部や上記背景色抽出部では色領域や背景領域の代表色をRGB色空間の色成分値R,G,Bで求めているので、Lab色空間で色バランスを調整する際には、RGB色空間の色成分値R,G,BをLab色空間の色成分値L,a,bに変換する公知の式(6)を用いて、これらの代表色の色成分値R,G,Bを色成分値L,a,bに変換する。
Figure 0004788393
ただし、p11〜p33は、変換係数である。
また、Lab色空間での補正後の色成分値(L,a,bとする)が決定したら、Lab色空間の色成分値L,a,bをRGB色空間の色成分値R,G,Bに変換する公知の式(7)を用いて、補正後の色成分値L,a,bを色成分値R,G,Bに変換する。
Figure 0004788393
ただし、q11〜q33は、変換係数である。
なお、ab平面上で色バランスを調整した場合、Lは変化しない。
そして、調整前のRGBデータDA2の全画素の画素値に対して補正前後の色成分値R,G,Bの差異(比)に応じた補正を行うことにより、調整後のRGBデータDA6(画像データの一種)を生成する。
画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像データに対して背景の色に関係なく一律に同じ度合で色バランスを調整すると、色バランスが適切に調整されないことがある。本調整部により、所定の色空間において目標色の位置Tを基準とした色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとの位置関係に応じた度合で色領域R1の色が目標色へ近づけられるので、このような不具合を解消することができる。従って、画像入力装置の光源推定が適切でなかった等、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった場合でも、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することが可能になる。
本調整部U4は、2次元のab平面上における目標色の位置Tを基準とした色領域R1の代表色のab平面上における位置Pと背景の代表色のab平面上における位置Qとの位置関係に応じた割合(補正係数α)で色領域R1の代表色の色座標を目標色の色座標へ近づける色バランス調整をRGBデータDA2に対して行う。これにより、色相および彩度のバランスが調整されるので、色バランスがより適切に調整される。
また、本調整部U4は、ab平面において目標色の位置Tから色領域の代表色の位置Pへ向かうベクトルV1と目標色の位置Tから背景の代表色の位置Qへ向かうベクトルV2とで挟まれる角度をθ、当該θに対する閾値となる所定の角度をθt(0°<θt<180°)として、θ<θtの場合の色バランス調整の割合を、θ>θtの場合の色バランス調整の割合よりも小さくして、色領域の代表色の色座標を目標色の色座標へ近づける色バランス調整をRGBデータDA2に対して行う。逆にいうと、θ>θtの場合の色バランス調整の割合をθ<θtの場合の色バランス調整の割合よりも大きくして、色バランスを調整する。画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像の不自然さの程度はθ>θtの場合よりもθ<θtの場合の方が小さいので、色バランスがさらに適切に調整される。
さらに、本調整部U4は、ab平面において目標色の位置Tと色領域の代表色の位置Pとを通る直線L1を引き、この直線L1に対して垂直となるように目標色の位置Tを通る直線L2を引いたとき、この直線L2からみて色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとが同じ側にある場合の色バランス調整の割合を、該直線L2からみて色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとが異なる側にある場合の色バランス調整の割合よりも小さくして、色領域の代表色の色座標を目標色の色座標へ近づける色バランス調整をRGBデータDA2に対して行う。逆にいうと、点Pと点Qとが異なる側にある場合の色バランス調整の割合を点Pと点Qとが同じ側にある場合の色バランス調整の割合よりも大きくして、色バランスを調整する。この色バランス調整は、上記閾値θtを90°とした色バランス調整に相当する。ここで、図1の下段に示すように、目標点Tと色領域代表点Pとの距離をDc、背景代表点Qから直線L2へ垂線L3を引いたときの交点Rを原点とし点Pへ向かう方向を正として垂線L3を軸とした点Qの座標値をDbとして、Dcに乗じる補正係数α(Db)を用いて点Pを点Tに近づける補正を行うことにより、色バランス調整が行われる。この補正係数α(Db)は、図6に示すように定義され、座標値Dbと補正係数α(Db)とを対応付けた情報テーブルとして情報記憶領域U5に記憶されている。むろん、補正係数を表す情報は、演算式の係数等の情報でもよい。本実施形態の調整部U4は、顔領域の代表色の色座標を肌色の目標色の色座標へ距離α(Db)×Dcだけ近づける色バランス調整をRGBデータDA2の全体に対して行う。
すなわち、調整部U4の処理は、実質的に、座標値Dbに基づいて画像入力装置の色バランス調整失敗の種類を判別し、判別結果に応じた色バランス調整を画像データに対して行う処理とされている。より具体的には、調整部U4の処理は、実質的に、座標値Dbの符号に基づいて色バランス調整失敗の種類を判別して色バランスを調整する処理であり、座標値Dbの大きさに応じて色バランス調整失敗の種類を判別して色バランスを調整する処理である。例えば、座標値Dbが負(点Pと点Qとが直線L1からみて異なる側)でDbの絶対値が大きい(例えば図6においてDb≦D1)場合に過補正されたと判別され、座標値Dbが正(点Pと点Qとが直線L1からみて同じ側)なら色バランス調整が行われていないと判別される。
画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像の不自然さの程度は直線L2からみて色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとが違う側にある場合よりも同じ側にある場合の方が小さいので、さらに適切に色バランスが調整される。
印刷制御部U6は、画素毎に要素色RGBで階調表現したRGBデータDA6を、画素毎に要素色CMYKで階調表現(例えば256階調で表現)したCMYKデータに色変換し、色変換後のCMYKデータに対して所定のハーフトーン処理を行って階調数をm階調(mは2以上256未満の整数)に減らし、ハーフトーン処理後のCMYKデータに対して所定のラスタライズ処理を行ってラスタデータ(印刷データ)DA7を生成し、当該ラスタデータDA7をプリンタ20に対して出力する処理を行う。この処理は、CMYKデータに基づいて当該CMYKデータに対応するインクのドットをプリンタに対して印刷媒体上に形成させる制御を行う処理である。この処理により、RGBデータDA6に基づき当該RGBデータに対応する画像をプリンタに印刷させる制御が行われる。
すると、プリンタ20は、CMYKデータに対応するインクのドットを印刷媒体M1上に付着させることにより、RGBデータDA6に対応する画像を印刷媒体M1に形成する。これにより、色バランスの良好な画像IM1が印刷媒体上に印刷される。
(2)画像処理の動作および作用:
図7に示す印刷制御処理を開始すると、画像入力部により、画像入力装置で作成された画像データDA1を入力し、例えば広域RGB色空間で表現されたRGBデータDA2に変換する(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。画像データDA1は、画像入力装置50から直接入力することもできるし、メモリカード用のI/Fを介してDSCのメモリカード54iに記憶された画像データを入力することもできるし、画像入力装置で作成された画像データを記録したCD−ROM15a等から画像データを入力することもできる。画像データを入力する際には、画像データ全てをRAMに格納するのみならず、画像データを分割して分割されたデータを順次RAMに上書きしてもよいし、画像データを格納したバッファ領域を表すデータのみをRAMに格納してもよい。画像データDA1は、画像をドットマトリクス状の多数の画素で階調表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ、等がある。画像データDA1の各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データDA1を例えばR,G,B各256階調(0〜255の整数値)のRGBデータDA2に変換する。
次に、領域取得部により、RGBデータDA2から所定の顔領域のような色領域R1を抽出する処理を行う(S104)。例えば、色領域情報DA3を作成するための領域をRAM内に確保し、色空間情報14bと色抽出情報14cをHDからRAMへ読み出し、画像データDA2の各画素の中から順次着目画素を設定し、当該着目画素について、色抽出情報14cを参照して色範囲R11内であるか否かを判別し、色領域情報DA3とする領域のうち着目画素に対応する場所に、着目画素が色範囲内と判別した場合には1を格納し、着目画素が色範囲内でないと判別した場合には0を格納する。これにより、色領域の範囲を表す色領域情報DA3が生成される。
さらに、領域色抽出部により、色領域R1から当該色領域の代表色Cpを抽出する(S106)。例えば、RGBデータDA2の各画素のうち色領域情報DA3で1以上が格納された場所に対応する画素の画素値(Ri,Gi,Bi)を重み付け無しで相加平均して平均値(AR,AG,AB)を算出し、上記式(6)を用いて代表色Cpを表す色成分値Lp,ap,bpに変換し、この色成分値を領域色情報DA4とする。あるいは、図5の下段に示したように、色領域R1の内側ほど重み付けKiを大きくした色領域情報DA3を生成する処理を行い、RGBデータDA2の各画素のうち色領域情報DA3で1以上が格納された場所に対応する画素の画素値(Ri,Gi,Bi)に重み付けKiを与えて上記式(4)により相加平均して重み付け平均値(AR,AG,AB)を算出し、色成分値Lp,ap,bpに変換し、この色成分値を領域色情報DA4とする。
その後、背景色抽出部により、RGBデータDA2から色領域R1の背景の代表色Cqを抽出する(S108)。例えば、RGBデータDA2の各画素のうち色領域情報DA3で0が格納された場所に対応する画素の画素値(Ri,Gi,Bi)を重み付け無しで上記式(5)により相加平均して平均値(AR,AG,AB)を算出し、上記式(6)を用いて代表色Cqを表す色成分値Lq,aq,bqに変換し、この色成分値を背景色情報DA5とする。
そして、詳しくは後述するが、調整部により、目標色情報14dと領域色情報DA4と背景色情報DA5と補正係数の情報テーブル14eとを参照して、色領域R1の色を目標色へ近づける色バランス調整をRGBデータDA2に対して行い、調整後のRGBデータDA6を生成する(S110)。
以上のS102〜S110の処理を行うPC10が画像処理装置を構成する。
その後、印刷制御部により、RGBデータDA6の各画素の中で色変換対象の対象画素を順次移動させながら、色変換LUTを参照することにより、対象画素のR,G,Bの階調値をC,M,Y,Kの階調値に変換し、CMYKデータを生成する(S112)。色変換LUTは、色変換前の色を要素色RGB毎の階調値で表現する入力データと、印刷媒体上でCMYKのインクにより色再現される色をCMYK毎の階調値で表現する出力データと、の対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルとされている。CMYKデータは、RGBデータDA6と同じくドットマトリクス状に配置された多数の画素で画像を階調表現した画像データであり、画素毎の階調データはプリンタが印刷ヘッドから吐出する各インクの使用量を表すC,M,Y,K各256階調のデータであるとする。
次に、CMYKデータに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行って階調数を減らし、CMYK毎の多値データを生成する(S114)。多値データは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。さらに、多値データに対して所定のラスタライズ処理(インターレース処理)を行って画素をプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYK毎のラスタデータ(印刷データ)DA7を生成する(S116)。そして、ラスタデータDA7をプリンタ20に対して出力して(S118)、印刷制御処理を終了する。これにより、PCは、多値データに対応するドットをプリンタに形成させて画像を印刷させる制御を行う。
すると、プリンタ20は、ラスタデータDA7を入手し、当該ラスタデータに基づいてCMYKデータに対応するCMYKのインクの各ドットを形成し、色調整後のRGBデータDA6に対応する画像IM1を印刷媒体M1上へ印刷する。
図8は、S110で行われる調整処理をフローチャートにより示している。処理を開始すると、まず、色領域R1の目標色Ctを取得する(S202)。例えば、目標色情報14dをHDからRAMに読み出す。むろん、目標色を指定する入力をユーザから受け付け、指定された色を表す情報を目標色情報として取得することにより、目標色を取得してもよい。
次に、図1に示すように、ab平面において目標色Ctの位置T(at,bt)と色領域R1の代表色Cpの位置P(ap,bp)とを通る直線L1を引き、この直線L1に対して垂直となるように目標色の位置Tを通る直線L2を引くとして、ab平面上で直線L2を表す式
(bp−bt)(b−bt)=(ap−at)(a−at) …(8)
の係数と定数とを求める(S204)。
さらに、上記直線L2に対して垂直となるように背景の代表色Cqの位置Q(aq,bq)を通る直線L3を引くとして、ab平面上で直線L3を表す式
(ap−at)(b−bq)=(bp−bt)(a−aq) …(9)
の係数と定数とを求める(S206)。
その後、ab平面上で直線L2と直線3との交点Rの座標(ar,br)を求める処理を行う(S208)。この処理は、a,bを変数として上記式(8)と上記式(9)の連立方程式を解く処理でもよいし、式(8)を満たすa,bを所定の微少量ずつ変えながら式(9)を満たすか否かを判別して式(9)を満たすa,bを求める処理でもよいし、式(9)を満たすa,bを所定の微少量ずつ変えながら式(8)を満たすか否かを判別して式(8)を満たすa,bを求める処理でもよい。
次に、ab平面における目標色の位置Tと色領域の代表色の位置Pとの距離Dcを求める(S210)。
Dc={(ap−at2+(bp−bt21/2 …(10)
さらに、ab平面において背景の代表色の位置Qから直線L2へ垂線L3を引いたときの交点Rを原点とし色領域の代表色の位置Pへ向かう方向を正として垂線L3を軸とした背景の代表色の座標値Dbを求める(S212)。
直線L2からみて点Qが点Pと同じ側にあるとき、
Db={(aq−ar2+(bq−br21/2
点Qが直線L2上にあるとき、
Db=0
直線L2からみて点Qが点Pとは異なる側にあるとき、
Db=−{(aq−ar2+(bq−br21/2 …(11)
その後、座標値Dbに応じた補正係数α(Db)を求める(S214)。ただし、0≦α(Db)≦1である。例えば、図6に示す情報を格納した補正係数α(Db)の情報テーブル14eをHDからRAMへ読み出し、当該テーブルを参照してDbに対応する補正係数α(Db)を取得する。
ここで、座標値Dbに対する補正係数α(Db)は、軸とされた垂線L3上の任意の座標値Dp、Dq(Dp<Dq)についてα(Dp)≧α(Dq)(ただしα(Dp)>α(Dq)の場合が少なくとも存在)が成立する補正係数とされている。Db−α平面上でα=α(Db)が折れ曲がりの無い曲線ないし直線であるとすると、α(Db)をDbで微分した関数α’(Dp)は0以下になる。より具体的には、座標値Dbに対する所定の閾値をD1,D2(ただしD1<0<D2)として、
Db≦D1のとき、 α(Db)=α1 (ただし0<α1≦1)
D1<Db<D2のとき、α(Dp)>α(Dq)
D2≦Dbのとき、 α(Db)=α2 (ただし0<α2<α1)
としてある。図の例では、α1=1とし、|D1|>D2としている。
なお、Dbの下限Dlow(Dlow<D1)と上限Dup(Dup>D2)とを設け、情報テーブル14eをDlow〜Dupの範囲内でDbとα(Db)とを対応付けた情報群としてもよい。
次に、ab平面上で色領域の代表色についての調整後における位置P’の座標(ap’,bp’)を求める(S216)。ここで、Lab色空間における色バランスの補正量ap’−ap,bp’−bpは、色領域の代表色の色座標(位置P)を目標色の色座標(位置T)へ距離α(Db)×Dcだけ近づける値とする。
ap’=ap+α(Db)×(at−ap
bp’=bp+α(Db)×(bt−bp) …(12)
さらに、上記式(7)を用いて、Lab色空間における点P’の色成分値L,ap’,bp’をRGB色空間における色成分値AR’,AG’,AB’に変換し、要素色RGB毎の補正倍率γ,δ,βを決定する(S218)。ここで、点P’の明度Lは、点Pの明度Lとする。そして、補正倍率γ,δ,βに基づいてRGBデータDA2の画素値を画素毎に補正し、調整後のRGBデータDA6を生成して(S220)、調整処理を終了する。
以上の処理により、色領域の代表色の色座標を目標色の色座標へ距離α(Db)×Dcだけ近づける色バランス調整が画像データDA2に対して行われる。
なお、補正係数αを直線L3を軸とする座標値Dbに応じた値にするのは、ab平面において画像に対する色バランス調整の方向が直線L3の方向であり、色領域の色の感じられ方が背景の色との違いに応じて変わることを考慮すれば、直線L3の方向におけるQRの距離に応じて画像の色を補正するのが最も好ましいからである。実際に、画像入力装置で作成された種々の画像データを用いて目標点Tを通る直線の傾きを段階的に変えながら当該直線の垂線を軸とした点Qの座標値に応じて点Pを目標点Tへ近づける色バランス調整を画像データに対して行ったところ、TPと垂直な直線L2の垂線を軸とした点Qの座標値Dbに応じて点Pを目標点Tへ近づける色バランス調整を行った場合に非常に良好な色バランスの画像が得られた。
一方で、本発明は、補正の度合を座標値Dbに応じた度合にする場合に限られるものではなく、点Tと点Qとの間の距離に応じた度合で補正する等の場合も含まれる。
図9では、下段のグラフが色バランス補正を行った場合の画質調整特性を示しており、上段のグラフが当該画質調整特性を得るために実施されるべき変換処理の特性を示している。これらのグラフでは、横軸が入力値、縦軸が出力値であり、各入力値が実線で示す特性に従ってグラフ上で対応する出力値に変換されることを示している。破線で示す直線は、入力値と出力値が等しい場合の特性を示している。グラフ10は正変換特性Y=F(RGB)、グラフ12は変換特性F-1(Y)、グラフ11は色バランス補正の入出力特性である。グラフ10に示す正変換特性によれば、RGBデータDA2の画素値をRGBの色成分毎に光の量Yに変換することができる。色バランス補正は、光の量をRGBの色成分毎に異なる定数で定数倍することによって実施できる。本実施形態では、R成分をγ倍、G成分をδ倍、B成分をβ倍する色バランス補正特性を規定する。ここで、RGB色空間で調整前における色領域の代表色の色成分値をAR,AG,ABとすると、
γ=AR’/AR、δ=AG’/AG、β=AB’/AB …(13)
としている。
図9では、色バランス補正後の光の量をeYとし、横軸を光の量Y、縦軸を色バランス補正後の光の量eYとして示している。むろん、色成分毎に乗じられる定数が異なるため、実際には、RGB毎の光の量Yr,Yg,Ybに対して補正後の光の量eYr,eYg,eYbが得られ、eYr=γ×Yr,eYg=δ×Yg,eYb=β×Ybとなる。
上記色バランス補正を行った後の光の量eYをグラフ12のように変換特性F-1で変換すると、色バランス調整後の画像データDA6をRGBの色成分毎に取得することができる。グラフ13は、グラフ10〜グラフ12の変換特性を重畳した結果であり、上記画質調整特性である。すなわち、横軸は画像データDA2におけるRGBの各色成分値であり、縦軸はRGBの各色成分について色バランス調整を行った後の画像データDA6である。
そこで、補正倍率γ,δ,βの値に応じて調整前のRGBデータDA2におけるR,G,Bの画素値と調整後のRGBデータDA6におけるR,G,Bの画素値との対応関係を階調毎に規定したLUT(情報テーブル)を補正対応情報14fとしてHD14等に記憶させておき、このLUTを参照して調整前のRGBデータDA2の画素値を要素色RGB毎に変換することにより、調整後のRGBデータDA6を生成することができる。
正変換特性Y=F(RGB)に従った変換と変換特性F-1(Y)に従った変換とを行うと調整後の画像を非常に高画質にすることができる点で好適であるものの、処理を簡素化させるために、Y=F(RGB)とF-1(Y)とに従った変換を行わずにRGBデータDA2のR,G,Bの画素値に補正倍率γ,δ,βを乗じてRGBデータDA6を生成してもよい。また、補正倍率γ,δ,βの値に応じて調整前の画素値と調整後の画素値との対応関係を画素毎に規定したLUTを用意してHD14等に記憶させておき、補正倍率γ,δ,βの値に応じたLUTを参照してRGBデータDA2のR,G,Bの画素値を当該LUTの情報に従って変換してRGBデータDA6を生成してもよい。
以上説明したように、調整部は、ab平面において目標色の位置Tと色領域の代表色の位置Pとを通る直線L1に対して垂直となるように目標色の位置Tを通る直線L2を引いたとき、ab平面において背景の代表色の位置Qから直線L2へ垂線L3を引いたときの交点と背景の代表色の位置Qとの距離Dbに応じた割合で色領域の代表色の色座標を目標色の色座標へ近づける色バランス調整を画像データDA2に対して行う。
調整処理が終了すると、図7のS112〜S118で色調整後のRGBデータDA6に対応する画像をプリンタ20に印刷させる制御が行われる。すると、プリンタは、RGBデータDA6に対応して調整された画像IM1を印刷媒体M1上へ印刷する。
画像入力装置で色バランスが適切に調整されなかった画像データに対して背景の色に関係なく一律に同じ度合で色バランスを調整すると、色バランスが適切に調整されないことがある。
画像入力装置にて曇天光の条件で撮像されたカラー画像についてホワイトバランス調整が全く、あるいは、ほとんど行われなかった場合、光源を標準的な太陽光と推定した場合と推察され、図10の右側に示すように、ab平面上で顔領域R1の代表色が目標色の位置Tから左斜め下の位置Pになるとともに背景の代表色の位置Qが直線L2から見て顔領域の代表色の位置Pと同じ側となる。この場合、画像全体に青みがかかるものの、人は曇天だと画像に青みがかかると思う傾向があるので、画像入力装置で作成された画像の不自然さの程度は小さい。そこで、図6で示したように、Qの座標値Dbが正である場合には、補正係数α(Db)を小さくしている。
画像入力装置で太陽光の条件で撮像されたカラー画像についてホワイトバランスが過補正された場合、背景の色(黄色)に引きずられて光源を誤って推定した場合と推察され、図1の左側に示すように、ab平面上で顔領域R1の代表色が目標色の位置Tから右斜め下の位置Pになるとともに背景の代表色の位置Qが直線L2から見て顔領域の代表色の位置Pとは異なる側となる。この場合、画像全体に青みがかかり、人は晴天だと青みのかかった顔は不自然だと思う傾向があるので、画像入力装置で作成された画像の不自然さの程度が大きい。そこで、図6で示したように、Qの座標値Dbが負である場合には、補正係数α(Db)を小さくしている。
なお、上述した条件以外でも同様のことがいえ、図1の右側に示すように顔領域の代表色の位置Pが点Tから右斜め下であって背景の代表色の位置Qが直線L2から見て点Pと同じ側にある場合、顔領域の色が背景の色の方へずれた色となるので、画像入力装置で作成された画像の不自然さの程度は小さい。ここで、Db<0の場合に補正係数αが小さくされているので、画像データに対して適切な色バランス調整が行われる。一方、図10の左側に示すように顔領域の代表色の位置Pが点Tから左斜め下であって背景の代表色の位置Qが直線L2から見て点Pと違う側にある場合、顔領域の色が背景の色とは反対方向へずれた色となるので、画像入力装置で作成された画像の不自然さの程度が大きい。ここで、Db>0の場合に補正係数αが大きくされているので、画像データに対して適切な色バランス調整が行われる。
むろん、顔領域の代表色の位置Pが点Tからずれる方向が上述した場合とは異なっていても同様のことがいえるし、顔領域以外の色領域を有する画像の色バランスを調整する場合にも同様のことがいえる。
以上説明したように、本発明によると、所定の色空間において目標色の位置Tを基準とした色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとの位置関係に応じた度合で色領域R1の色が目標色へ近づけられるので、画像入力装置の光源推定が適切でなかった等、画像入力装置の色バランス調整に応じて適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。また、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった画像の不自然さの程度は上記直線L2からみて色領域代表点Pと背景代表点Qとが異なる側にある場合よりも同じ側にある場合の方が小さいが、点Pと点Qとが異なる側にある場合よりも同じ側にある場合の色バランス調整の割合が小さくされるので、非常に適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。さらに、図6で示したように、点Qと交点Rとの距離に応じた割合で色バランスが調整されるので、この点でも非常に適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。
特に、Db≦D1でα(Db)=α1となる所定の座標値D1(D1<0)とD2≦Dbでα(Db)=α2となる所定の座標値D2(D2>0)とを設けるとともに、|D1|>|D2|とすることにより、より適切に画像データの色バランスを調整することが可能になる。すなわち、直線L2から見て点Pと点Qとが同じ側にある場合には、撮像時の条件によって色領域の色が目標色からずれていることが多く、色バランスの補正量を少なくする方が良好な画質の画像が得られるため、閾値D2を比較的0に近い位置にするのが好ましい。一方、直線L2から見て点Pと点Qとが異なる側にある場合では、点Qが直線L2から遠いときに色バランスが過補正されていることが多く、直線L2から背景の代表色の位置Qまでの距離がある距離以下では短くなるほど色バランスの補正量を少なくする方が良好な画質の画像が得られるため、閾値D1を比較的0から遠い位置にするのが好ましいからである。また、Db≦D1と背景の代表色の位置Qが直線L2から遠い場合には顔領域のような色領域の色を目標色そのものにした方が良好な画質の画像が得られるため、α1=1とするのが好ましい。
以上より、画像入力装置で曇天時に撮影された場合には人の顔を多少の青みを残した肌色にしたり、色温度の低い条件で撮影された場合には人の顔を黄味を残した肌色にしたりと、人の顔色の補正を撮影時の雰囲気を損なわない肌色の補正とすることができる。また、背景色に引きずられて人の顔の肌色が崩れた場合には、晴天下で撮影されたように補正がなされる。むろん、顔以外の肌色領域、空色領域、夕焼け色領域、緑色領域、雪色領域、海や湖や河川の領域を表す色領域、等に対しても、画像入力装置で曇天時や色温度の低い条件等で撮像された場合には撮像時の雰囲気が損なわれず、背景色に引きずられて色領域の色が崩れた場合には晴天下で撮影されたように補正がなされる。
なお、本発明は、所定の色空間において目標色の位置Tから色領域R1の代表色の位置Pへ向かうベクトルV1と目標色の位置Tから背景の代表色の位置Qへ向かうベクトルV2とで挟まれる角度θに応じた度合で色領域R1の色を目標色へ近づける色バランス調整を画像データに対して行うことを特徴にしているともいえる。本実施形態では、色座標平面において角度θが所定の角度θt(0°<θt<180°)よりも小さい場合の色バランス調整の度合を、θ>θtの場合の色バランス調整の度合よりも小さくして、色領域R1の代表色の色座標を目標色の色座標へ近づける色バランス調整を画像データに対して行っていると言える。
すなわち、角度θに応じた度合で色領域R1の色が目標色へ近づけられるので、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった場合でも、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することが可能になる。
また、上記直線L2からみて点Pと点Qとが同じ側にある場合はθt=90°として0≦θ<90°であることを意味し、上記直線L2からみて点Pと点Qとが異なる側にある場合は90°<θ≦180°であることを意味している。そして、θ<90°の場合の色バランス調整の補正割合を、θ>90°の場合の色バランス調整の補正割合よりも小さくして、色バランスを調整しているといえる。なお、点Pを点Tに近づけるときのTPの距離Dcに乗じる補正係数αを角度θの関数α(θ)とし、θに対応する補正係数α(θ)をDcに乗じて所定の色空間における色の補正量としてもよい。この場合、補正係数α(θ)の情報テーブルとして、θと補正係数αとの対応関係を階調毎に規定した情報テーブルを用意してHD14等に記憶させておき、この情報テーブルを参照してθに対応する補正係数α(θ)を決定するようにすれば、画像データの色バランスを調整する処理を行うことができる。
(3)変形例:
本発明の画像処理装置を含む印刷システムは、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピュータと一体化されたもの、単色画像のみ印刷する印刷装置、でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置、専用の画像処理装置、外部のサーバ、等で実行してもよい。印刷装置がハーフトーン処理とラスタライズ処理を実行可能な装置であれば、色変換後の画像データをそのまま同印刷装置に出力すればよい。
色バランス調整対象の画像データは、RGBデータ以外にも、YUV表色系で定義される色成分YUV毎の画素値からなるYUVデータ、色成分Lab毎の画素値からなるLabデータ、要素色CMY毎の画素値からなるCMYデータ、要素色CMYK毎の画素値からなるCMYKデータ、等でもよい。
上述した色バランス調整は、2次元の色座標平面上で行われるが、3次元以上の色空間で行われてもよい。例えば、Lab色空間で色バランスを調整する場合、Lab色空間において、色領域の目標色の位置T(Lt,at,bt)を基準とした色領域の代表色の位置P(Lp,ap,bp)と背景の代表色の位置Q(Lq,aq,bq)との位置関係に応じた割合で色領域の色を目標色へ近づける色バランス調整を画像データに対して行ってもよい。一例を挙げると、Lab色空間において目標色の位置Tと色領域の代表色の位置Pとを通る直線に対して垂直となるように目標色の位置Tを通る平面を規定したとき、この平面からみて色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとが同じ側にある場合の色バランス調整の補正係数αを、該平面からみて色領域の代表色の位置Pと背景の代表色の位置Qとが異なる側にある場合の色バランス調整の補正係数αよりも小さくして、Lab色空間において色領域の代表色の座標を目標色の座標へ近づける色バランス調整を行えばよい。
また、図4に示すように、色範囲R11内に目標点Tを含む所定範囲R12を設け、所定の色空間における色領域の代表色Cpの位置Pが前記所定範囲R12内となった場合には「好ましい色」の範囲内であるとして色バランス調整を行わず、代表色Cpの位置Pが前記所定範囲R12外となった場合にのみ色バランス調整を行うように調整部を構成してもよい。
図13は、変形例に係る印刷制御装置が行う印刷制御処理を示すフローチャートである。本処理では、S106とS108の間にS130が挿入されている。すなわち、S106で色領域の代表色Cpを抽出すると、S130で代表色Cpの位置Pが「好ましい色」の範囲R12内であるか否かを判断する。色領域代表点Pが範囲R12の境界線上の場合には、該範囲R12内と判断してもよいし、該範囲R12外と判断してもよい。色領域代表点Pが前記範囲R12外と判断したときにはS108〜S118の処理を行う一方、色領域代表点Pが前記範囲R12内と判断したときにはS112に進んで調整処理を省略する。これにより、色領域の色が「好ましい色」の範囲内であれば画像データの色バランスを調整する処理が省略されるので、画像処理を高速化させることが可能になる。
ところで、図2で示した印刷制御部U6を備えていない画像処理装置でも、本発明の基本的な作用、効果が得られる。また、領域抽出部U1のうち画像入力部U11を備えていない画像処理装置でも、本発明の基本的な作用、効果が得られる。
なお、本発明は、上述した実施例や変形例に限られず、上述した実施例および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施例および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、画像入力装置で適切な色バランス調整が行われなかった場合でも、画像入力装置により作成された画像データの色バランスを適切に調整することが可能になる。
本発明の一実施形態である画像処理を模式的に示す図。 画像処理装置を含む印刷制御装置の構成を模式的に示すブロック図。 印刷制御装置を含む印刷システムの構成の概略を示すブロック図。 色領域とする色範囲をab平面にて模式的に示す図。 画像データから色領域を抽出する様子を模式的に示す図。 背景の座標値Dbに対する補正係数αを模式的に示す図。 印刷制御装置が行う印刷制御処理を示すフローチャート。 画像処理装置が行う調整処理を示すフローチャート。 画像データの色バランスを補正する様子を模式的に示す図。 本発明の一実施形態である画像処理を模式的に示す図。 デジタルスチルカメラが行う色調整処理とその変換特性とを模式的に示す図。 デジタルスチルカメラの構成を模式的に示すブロック図。 変形例に係る印刷制御装置が行う印刷制御処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…パーソナルコンピュータ(PC)、14…ハードディスク(HD)、14b…色空間情報、14c…色抽出情報、14d…目標色情報、14e…補正係数の情報テーブル、14f…補正対応情報、20…インクジェットプリンタ(印刷装置)、50…デジタルスチルカメラ(画像入力装置)、DA1,DA2…画像データ、DA3…色領域情報、DA4…領域色情報、DA5…背景色情報、DA6…調整後の画像データ、L1…色領域の代表点と目標点とを通る直線、L2…目標点を通り直線L1と垂直な直線、L3…背景の代表点を通り直線L2と垂直な直線、R1…色領域、R2…背景領域、R11…色範囲、U0…印刷制御装置、U1…領域抽出部(領域抽出手段)、U2…領域色抽出部(領域色抽出手段)、U3…背景色抽出部(背景色抽出手段)、U4…調整部(調整手段)、U5…情報記憶領域(情報記録領域)、U6…印刷制御部、U11…画像入力部、U12…領域取得部、

Claims (10)

  1. 画像入力装置により作成された画像データから所定の色領域を抽出する領域抽出手段と、抽出した色領域から当該色領域の代表色を抽出する領域色抽出手段と、前記色領域について予め設定された目標色へ前記色領域の色を近づける色バランス調整を前記画像データに対して行う調整手段とを備える画像処理装置であって、
    前記画像データから前記色領域の背景の代表色を抽出する背景色抽出手段を備え、
    前記調整手段は、所定の色空間における位置関係であって前記目標色の位置を基準とした前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記所定の色空間は、色相および彩度を表す色座標平面並びに明るさ軸からなる色空間とされ、
    前記調整手段は、前記目標色の前記色座標平面上の位置を基準とした前記色領域の代表色の前記色座標平面上における位置と前記背景の代表色の前記色座標平面上における位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の代表色の色座標を前記目標色の色座標へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記調整手段は、前記色座標平面において前記目標色の位置から前記色領域の代表色の位置へ向かうベクトルと前記目標色の位置から前記背景の代表色の位置へ向かうベクトルとで挟まれる角度θが所定の角度θt(0°<θt<180°)よりも小さい場合の色バランス調整の度合を、前記角度θが前記角度θtよりも大きい場合の色バランス調整の度合よりも小さくして、前記色領域の代表色の色座標を前記目標色の色座標へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記調整手段は、前記色座標平面において前記目標色の位置と前記色領域の代表色の位置とを通る直線に対して垂直となるように前記目標色の位置を通る直線を引いたとき、この直線からみて前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置とが同じ側にある場合の色バランス調整の度合を、該直線からみて前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置とが異なる側にある場合の色バランス調整の度合よりも小さくして、前記色領域の代表色の色座標を前記目標色の色座標へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記調整手段は、前記色座標平面において前記目標色の位置と前記色領域の代表色の位置とを通る直線に対して垂直となるように前記目標色の位置を通る直線を引いたとき、前記色座標平面において前記背景の代表色の位置から前記直線へ垂線を引いたときの交点と前記背景の代表色の位置との距離に応じた度合で前記色領域の代表色の色座標を前記目標色の色座標へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記所定の色空間は、均等色空間とされ、
    前記調整手段は、前記色座標平面において前記目標色の位置と前記色領域の代表色の位置とを通る直線に対して垂直となるように前記目標色の位置を通る直線を引いたとき、前記色座標平面における前記目標色の位置と前記色領域の代表色の位置との距離をDc、前記色座標平面において前記背景の代表色の位置から前記直線へ垂線を引いたときの交点を原点とし前記色領域の代表色の位置へ向かう方向を正として前記垂線を軸とした前記背景の代表色の座標値をDb、該座標値Dbに応じた補正係数をα(Db)(ただし0≦α(Db)≦1)とし、該補正係数α(Db)を、前記軸とされた垂線上の任意の座標値Dp、Dq(Dp<Dq)についてα(Dp)≧α(Dq)(ただしα(Dp)>α(Dq)の場合が少なくとも存在)が成立する補正係数として、前記色領域の代表色の色座標を前記目標色の色座標へ距離α(Db)×Dcだけ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記画像データは、人物画像を含むカラー画像を画素毎に複数の要素色で階調表現したデータとされ、
    前記所定の色領域は、前記人物画像の顔領域とされ、
    前記顔領域について予め設定された目標色は、肌色の目標色とされ、
    前記背景色抽出手段は、前記画像データのうち前記顔領域を除く領域の全体から前記顔領域の背景の代表色を抽出し、
    前記調整手段は、前記顔領域の代表色の色座標を前記肌色の目標色の色座標へ距離α(Db)×Dcだけ近づける色バランス調整を前記画像データの全体に対して行うことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 画像入力装置により作成された画像データから所定の色領域を抽出する領域抽出手段と、抽出した色領域から当該色領域の代表色を抽出する領域色抽出手段と、前記色領域について予め設定された目標色へ前記色領域の色を近づける色バランス調整を前記画像データに対して行う調整手段とを備える画像処理装置であって、
    前記画像データから前記色領域の背景の代表色を抽出する背景色抽出手段を備え、
    前記調整手段は、所定の色空間において前記目標色の位置から前記色領域の代表色の位置へ向かうベクトルと前記目標色の位置から前記背景の代表色の位置へ向かうベクトルとで挟まれる角度に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする画像処理装置。
  9. 画像入力装置により作成された画像データから所定の色領域を抽出し、抽出した色領域から当該色領域の代表色を抽出し、前記色領域について予め設定された目標色へ前記色領域の色を近づける色バランス調整を前記画像データに対して行う画像処理方法であって、
    前記画像データから前記色領域の背景の代表色を抽出し、所定の色空間における位置関係であって前記目標色の位置を基準とした前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行うことを特徴とする画像処理方法。
  10. 画像入力装置により作成された画像データから所定の色領域を抽出し、抽出した色領域から当該色領域の代表色を抽出し、前記色領域について予め設定された目標色へ前記色領域の色を近づける色バランス調整を前記画像データに対して行う機能をコンピュータに実現させる画像処理プログラムであって、
    前記画像データから前記色領域の背景の代表色を抽出し、所定の色空間における位置関係であって前記目標色の位置を基準とした前記色領域の代表色の位置と前記背景の代表色の位置との位置関係に応じた度合で前記色領域の色を前記目標色へ近づける色バランス調整を前記画像データに対して行う機能を実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
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