以下、図面を参照して、本発明に係る運転者心理判定装置の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る運転者心理判定装置を、運転者の先急ぎ状態を判定し、運転者が先急ぎ状態と判定したときには運転者に対して運転支援を行う運転者心理判定装置に適用する。本実施の形態に係る運転者心理判定装置は、自車両が車線変更する際の他車両の状況に基づいて先急ぎ状態を判定する。
図1〜図4を参照して、本実施の形態に係る運転者心理判定装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る運転者心理判定装置の構成図である。図2は、直進する交差点において赤信号のときの自車両と先行車両との関係を示す一例である。図3は、片側二車線道路における自車両と自車線及び隣接車線における他車両との関係を示す一例である。図4は、左折する交差点において自車両と先行車両との関係を示す一例である。
運転者心理判定装置1では、運転者の先急ぎ状態を判定するために、自車両が車線変更する場合の車線変更先における他車両に関する走行状態及び自車線における他車両に関する走行状態に基づいて先急ぎ状態を判定する。特に、運転者心理判定装置1では、先急ぎを高精度に判定するために、先急ぎ状態を判定するための判定条件が8つあり、この8つの判定結果を統合して運転者の先急ぎを判定する。そのために、運転者心理判定装置1は、前方画像センサ10、前方ミリ波レーダセンサ11、後方ミリ波レーダセンサ12、車速センサ13、カーナビゲーションシステム14、先急ぎ警告ランプ20、パワーステアリング装置21、エンジン制御装置22、ECU[Electronic Control Unit]30を備えている。
なお、本実施の形態では前方画像センサ10及びECU30における処理が特許請求の範囲に記載する車線変更検出手段に相当し、前方ミリ波レーダセンサ11、後方ミリ波レーダセンサ12、車速センサ13及びECU30における処理が特許請求の範囲に記載する他車線走行状態検出手段及び自車線走行状態検出手段に相当し、ECU30における処理が特許請求の範囲に記載する運転者心理判定手段及び車線変更必要度判定手段に相当する。
前方画像センサ10は、自車両の前方に向けて取り付けられたカメラと画像処理装置を備えている。前方画像センサ10では、カメラによって自車両の前方を撮像する。そして、前方画像センサ10では、前方撮像画像に基づいて自車両が走行中の車線の左右の白線を認識し、自車両と左右の白線との位置関係から自車両が白線を超えた量を検出する。また、前方画像センサ10では、前方撮像画像に基づいて自車両前方の信号機を認識し、信号機が何色の信号(赤信号、黄信号、青信号)かを検出する。そして、前方画像センサ10では、これら検出した情報を前方画像情報信号としてECU30に送信する。
前方ミリ波レーダセンサ11では、ミリ波を水平面内でスキャンしながら自車両から前方に向けて送信し、反射してきたミリ波を受信する。そして、前方ミリ波レーダセンサ11では、そのミリ波の送受信データを前方レーダ信号としてECU30に送信する。後方ミリ波レーダセンサ12では、ミリ波を水平面内でスキャンしながら自車両から後方に向けて送信し、反射してきたミリ波を受信する。そして、後方ミリ波レーダセンサ12では、そのミリ波の送受信データを後方レーダ信号としてECU30に送信する。
車速センサ13では、自車両の車速を検出する。そして、車速センサ13では、その検出した車速を車速信号としてECU30に送信する。
カーナビゲーションシステム14は、自車両の現在位置や走行方向の検出及び目的地までの経路案内などを行うシステムである。特に、カーナビゲーションシステム14では、これらの検出情報や経路案内情報をカーナビ信号としてECU30に送信する。
先急ぎ警告ランプ20は、運転者の先急ぎを警告するためのランプである。先急ぎ警告ランプ20では、ECU30から警告ランプ信号を受信し、警告ランプ信号にONが設定されている場合にはランプを点灯し、警告ランプ信号にOFFが設定されている場合にはランプを消灯する。
パワーステアリング装置21は、運転者によってステアリング入力された操舵トルクや車速などに応じて、ステアリング系に対して操舵アシスト力を付加する装置である。特に、パワーステアリング装置21では、ECU30からステアリング制御信号を受信し、ステアリング制御信号にアシスト抑制が設定されている場合には通常制御時より操舵アシスト力を低減する。操舵アシスト力が低減すると、運転者によるステアリング操作が通常より重くなる。
エンジン制御装置22は、運転者によるアクセル操作量などに応じて、吸入空気量や燃料噴射量などを調整し、エンジン出力を制御する装置である。特に、エンジン制御装置22では、ECU30からエンジン制御信号を受信し、エンジン制御信号にエンジン出力抑制が設定されている場合にはアクセルゲインを低下し、通常制御時よりエンジン出力を低減する。
ECU30は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[ReadOnly Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなる。ECU30では、各センサ10〜13からの各情報やカーナビゲーションシステム14からの情報を取得し、各情報に基づいて車線変更する際の車線変更先における他車両の状況及び自車線における他車両の状況から運転者の先急ぎを判定する。この際、ECU30では、第1〜第8の先急ぎ状態判定処理により先急ぎ状態か否かをそれぞれ判定し、第1〜第8の先急ぎ状態判定処理による判定結果から運転者の先急ぎを判定する。そして、ECU30では、運転者が先急ぎと判定した場合には先急ぎ警告ランプ20、パワーステアリング装置21、エンジン制御装置22を用いて運転者に対する運転支援を行う。第1〜第8の先急ぎ状態判定処理において、車線変更先における他車両の状況によって先急ぎ状態を判定するのは第2、第3、第4の先急ぎ状態判定処理であり、車線変更先における他車両の状況及び自車線における他車両の状況によって先急ぎ状態を判定するのは第1、第5、第6、第7の先急ぎ状態判定処理であり、車線変更の必要度によって先急ぎ状態を判定するのは第8先急ぎ状態判定処理である。
ECU30では、前方ミリ波レーダセンサ11による送受信データに基づいて、前方に車両(先行車両)が存在するか否かを判定し、先行車両が存在すると判定した場合にはミリ波の送信から受信までの時間に基づいて先行車両までの車間距離を演算する。また、ECU30では、先行車両と自車両との車間距離の時間変化(つまり、先行車両と自車両との相対速度)及び車速センサ13による自車両の車速に基づいて先行車両の車速を演算し、その車速の時間変化から先行車両の加速度を演算する。また、ECU30では、反射してきたミリ波の中で最も強く反射してきたミリ波の方向を検出し、その方向から自車両の進行方向と先行車両の方向とのなす角度を求め、その角度から先行車両の自車両に対する横位置を演算する。そして、ECU30では、この先行車両の横位置から先行車両が自車線における先行車両かあるいは隣接車線における先行車両か否かを判定する。
同様に、ECU30では、後方ミリ波レーダセンサ12による送受信データに基づいて、後方に車両(後続車両)が存在するか否かを判定し、後続車両が存在すると判定した場合には後続車両までの車間距離を演算する。また、ECU30では、後続車両の車速及び加速度を演算する。また、ECU30では、後続車両の自車両に対する横位置を演算し、この後続車両が自車線における後続車両かあるいは隣接車線における後続車両か否かを判定する。
さらに、ECU30では、隣接車線における先行車両と自車両との車間距離、隣接車線における後続車両と自車両との車間距離及び自車両の全長に基づいて、隣接車線における先行車両と後続車両との車間距離を演算する。また、ECU30では、自車線における先行車両と自車両との車間距離、隣接車線における後続車両と自車両との車間距離及び自車両の全長に基づいて、自車線における先行車両と隣接車線における後続車両との車間距離を演算する。
また、ECU30では、カーナビゲーションシステム14からの現在位置情報や経路案内情報に基づいて、自車両から前方の経路案内を行う交差点までの距離を演算する。この交差点までの距離については、カーナビゲーションシステム14から情報を取得してもよい。また、ECU30では、車速センサ13による自車両の車速の時間変化から自車両の加速度を演算する。また、ECU30では、前方画像センサ10からの自車両が白線を超えた量に基づいて、自車両が車線変更を行ったか否かを判定する。例えば、自車両の車幅の半分以上白線を超えた場合には車線変更と判定する。
次に、ECU30では、カーナビゲーションシステム14からの情報に経路案内情報が含まれているか否かを判定する。経路案内情報が含まれていると判定した場合、ECU30では、カーナビゲーションシステム14からの経路案内情報及び保持している走行経路データに基づいて、過去に設定されたことのある目的地か否かを判定する。過去に設定された目的地と判定した場合、ECU30では、第1先急ぎ状態判定処理及び第8先急ぎ状態判定処理を行う。初めて設定された目的地と判定した場合、ECU30では、第1先急ぎ状態判定処理及び第8先急ぎ状態判定処理を行わず、その経路案内情報をRAMの所定領域に走行経路データとして記憶する。また、ECU30では、経路案内情報の有無に関係なく、常時、第2〜第7の先急ぎ状態判定処理を行う。
図2を参照して、第1先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、カーナビゲーションシステム14からの経路案内情報及び前方画像センサ10による信号機に関する情報に基づいて、前方の交差点は自車両が直進する交差点で、信号機が赤信号か否かを判定する。直進する前方交差点で赤信号の場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線(車線変更先の車線)における先行車両C2との車間距離L2が自車両C0と自車線における先行車両C3との車間距離L1より長い状況において自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。この先行車両C2,C3は赤信号で停止あるいは減速している車列の最後尾の車両であり、車列長が短いほど車間距離は長くなる。先行車両C2,C3が存在しない場合、車間距離を無限大として判定処理を行う。そして、ECU30では、車間距離L2が車間距離L1より長い状況において自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、走行経路に基づいて自車両が直進する交差点において隣接車線における先行車両C2の状況と自車線における先行車両C3の状況を考慮し、自車両C0が短い車列のほうにわざわざ車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図3を参照して、第2先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、自車両C0の車速V0及び隣接車線における後続車両C1の車速V1が車速Vaより高いか否かを判定する。車速Vaは、車両が走行している状態か否かを判断するための車速が設定される。車速V0,V1が車速Vaより高い場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線における後続車両C1との車間距離L3が距離Laより短いか否かを判定する。距離Laは、走行中に、車線変更先における後続車両C1と自車両C0との車間距離において自車両C0がスムーズに車線変更を行うために必要な距離が設定される。車間距離L3が距離Laより短い場合、ECU30では、自車両C0の加速度A0が後続車両C1の加速度A1より高い状況において自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、加速度A0が加速度A1より高い状況において自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、車線変更先における後続車両C1の状況を考慮し、後続車両C1を上回る加速を行うことによってわざわざ車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図3を参照して、第3先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、自車両C0の車速V0及び隣接車線における後続車両C1の車速V1と先行車両C2の車速V2が車速Vaより高いか否かを判定する。車速V0,V1,V2が車速Vaより高い場合、ECU30では、隣接車線における先行車両C2と後続車両C1との車間距離L4が距離Lbより短いか否かを判定する。距離Lbは、走行中に、車線変更先における先行車両C2と後続車両C1との車間距離において自車両C0がスムーズに車線変更を行うために必要な距離が設定される。車間距離L4が距離Lbより短い場合、ECU30では、後続車両C1の車速V1が先行車両C2の車速V2より高い状況で自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、車速V1が車速V2より高い状況において自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、車線変更先における後続車両C1及び先行車両C2の状況を考慮し、先行車両C2と後続車両C1との車間距離L4が短く、さらに、後続車両C1が先行車両C2に接近しているときに、わざわざ車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図3を参照して、第4先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、自車両C0の車速V0及び隣接車線における先行車両C2の車速V2が車速Vaより高いか否かを判定する。車速V0,V2が車速Vaより高い場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線における先行車両C2との車間距離L2が距離Lcより短いか否かを判定する。距離Lcは、走行中に、車線変更先における先行車両C2と自車両C0との車間距離において自車両C0がスムーズに車線変更を行うために必要な距離が設定される。車間距離L2が距離Lcより短い場合、ECU30では、自車両C0の加速度A0が先行車両C2の加速度A2より低い状況において自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、加速度A0が加速度A2より低い状況において自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、車線変更先における先行車両C2の状況を考慮し、先行車両C2を下回る減速を行うことによってわざわざ車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図3を参照して、第5先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、自車両C0の車速V0、隣接車線における後続車両C1の車速V1及び自車線における先行車両C3の車速V3が車速Vaより高いか否かを判定する。車速V0,V1,V3が車速Vaより高い場合、ECU30では、自車線における先行車両C3と隣接車線における後続車両C1との車間距離L5が距離Ldより短いか否かを判定する。距離Ldは、走行中に、自車線における先行車両C3と車線変更先における後続車両C1との車間距離において自車両C0がスムーズに車線変更を行うために必要な距離が設定される。車間距離L5が距離Ldより短い場合、ECU30では、自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、自車線における先行車両C3と車線変更先における後続車両C1の状況を考慮し、先行車両C3と後続車両C1の車間距離L5が短いにもかかわらず車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図3を参照して、第6先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、隣接車線における先行車両C2の車速V2及び先行車両C3の車速V3が車速Vb〜車速Vcの範囲内か否かを判定する。車速Vb、車速Vcは、赤信号などで停止中の車両が動き出したことを判別するための低い車速であり、車速Vb>車速Vcである。車速V2,V3が車速Vb〜車速Vcの範囲内の場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線における先行車両C2との車間距離L2及び自車線における先行車両C3との車間距離L1が距離Leより短いか否かを判定する。距離Leは、停止からの動き出しにおいて、自車両C0と先行車両C2,C3との各車間距離において自車両C0がスムーズに車線変更を行うために必要な距離が設定される。車間距離L2,L1が距離Leより短い場合、ECU30では、隣接車線における先行車両C2の加速度A2が自車線における先行車両C3の加速度A3より高い状況において自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、加速度A2が加速度A3より高い状況において自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、自車線における先行車両C3及び車線変更先における先行車両C2の状況を考慮し、停止状態から動き出したとき自車線の先行車両C3より車線変更先の先行車両C2のほうが加速しているので、車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図3を参照して、第7先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、自車両C0と隣接車線における先行車両C2との車間距離L2及び自車両C0と自車線における先行車両C3との車間距離L1が距離Lfより短いか否かを判定する。距離Lfは、走行中に、自車両C0と先行車両C2,C3との各車間距離において自車両C0がスムーズに車線変更を行うために必要な距離が設定される。車間距離L2,L1が距離Lfより短い場合、ECU30では、先行車両C2,C3の車速V2,V3が車速Vaより高く、先行車両C2の車速V2が先行車両C3の車速V3より高いか否かを判定する。車速V2,V3が車速Vaより高く、車速V2が車速V3より高い場合、ECU30では、自車両C0が車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、自車両C0が車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、自車線における先行車両C3と車線変更先における先行車両C2の状況を考慮し、走行中に自車線の先行車両C3より車線変更先の先行車両C2のほうが速いので、車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。
図4を参照して、第8先急ぎ状態判定処理について説明する。ECU30では、自車両C0の車速V0が車速Vaより高いか否かを判定する。車速V0が車速Vaより高い場合、ECU30では、カーナビゲーションシステム14からの経路案内情報に基づいて、左折する前方の交差点において自車両C0とその交差点までの距離L6が距離Lgより短いか否かを判定する。距離Lgは、自車両C0が先行車両を追い越すために必要な距離が設定される。左折する交差点に自車両が距離Lgより接近している場合、ECU30では、自車両C0が右側の車線に車線変更を行ったか否かを判定する。そして、ECU30では、自車両C0が右側の車線に車線変更を行った場合には運転者は先急ぎ状態と判定し、それ以外の場合には運転者は平常状態と判定する。ここでの判定は、自車両の走行経路を考慮し、前方の交差点に接近しており、その交差点で左折するにもかかわらず、先行車両を追い越すために車線変更した場合、運転者が先を急いでいると判断する。つまり、左折する交差点の手前における右側の車線への車線変更を車線変更の必要度の低い車線変更と判定し、この状況で車線変更を行った運転者は先を急いでいると判断する。
8つ又は6つの先急ぎ状態判定処理が終了すると、ECU30では、先急ぎ状態判定処理毎に先急ぎ状態と判定したか否かを判別し、先急ぎ状態と判定した処理がある場合には先急ぎ状態判定カウンタを先急ぎ状態と判定した回数分カウントアップする。そして、ECU30では、先急ぎ状態判定カウンタの値が閾値Nより大きいか否かを判定する。閾値Nは、8つの先急ぎ状態判定処理によって先急ぎ状態とそれぞれ判定した場合に運転者が先を急いでいると確実に判断できる回数が設定される。ここでは、8つの先急ぎ状態判定処理の判定結果を統合して運転者の心理状態を判定し、車線変更の際の様々の状況において運転者が先急ぎ状態と所定回数判定された場合にのみ運転者が先急ぎと最終判断する。
先急ぎ状態判定カウンタの値が閾値Nより大きいと判定した場合、ECU30では、運転者は先を急いでいると判断する。運転者は先急ぎと判定した場合、ECU30では、先急ぎを抑制するために、警告ランプ信号にONを設定して先急ぎ警告ランプ20に送信し、ステアリング制御信号にアシスト抑制を設定してパワーステアリング装置21に送信し、エンジン制御信号にエンジン出力抑制を設定してエンジン制御装置22に送信する。
図1〜図4を参照して、運転者心理判定装置1における動作を説明する。特に、ECU30におけるメイン処理については図5のフローチャートに沿って説明し、第1先急ぎ状態判定処理については図6のフローチャートに沿って説明し、第2先急ぎ状態判定処理については図7のフローチャートに沿って説明し、第3先急ぎ状態判定処理については図8のフローチャートに沿って説明し、第4先急ぎ状態判定処理については図9のフローチャートに沿って説明し、第5先急ぎ状態判定処理については図10のフローチャートに沿って説明し、第6先急ぎ状態判定処理については図11のフローチャートに沿って説明し、第7先急ぎ状態判定処理については図12のフローチャートに沿って説明し、第8先急ぎ状態判定処理については図13のフローチャートに沿って説明する。図5は、図1のECUにおけるメイン処理の流れを示すフローチャートである。図6は、図1のECUにおける第1先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図1のECUにおける第2先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図8は、図1のECUにおける第3先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図9は、図1のECUにおける第4先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図10は、図1のECUにおける第5先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図11は、図1のECUにおける第6先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図12は、図1のECUにおける第7先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。図13は、図1のECUにおける第8先急ぎ状態判定処理の流れを示すフローチャートである。
前方画像センサ10では、自車両C0の前方を撮像する。そして、前方画像センサ10では、その撮像画像から信号機や白線などを認識し、自車両C0が白線を超える量などを求め、それらの情報を前方画像情報信号としてECU30に送信している。前方ミリ波レーダセンサ11では、自車両C0の前方にミリ波を送信するとともに反射してきたミリ波を受信し、その送受信データを前方レーダ信号としてECU30に送信している。後方ミリ波レーダセンサ12では、自車両C0の後方にミリ波を送信するとともに反射してきたミリ波を受信し、その送受信データを後方レーダ信号としてECU30に送信している。車速センサ13では、自車両C0の車速を検出し、その車速を車速信号としてECU30に送信している。また、カーナビゲーションシステム14では、現在位置や進行方向及び目的地が設定されている場合には経路案内情報などをカーナビ信号としてECU30に送信している。
ECU30では、前方へのミリ波の送受信データ及び後方へのミリ波の送受信データに基づいて、隣接車線における後続車両C1の有無及び先行車両C2の有無、自車線における先行車両C3の有無を判定し、車両が存在する場合には自車両C0と自車線の先行車両C3との車間距離L1、隣接車線の先行車両C2との車間距離L2、隣接車線の後続車両C1との車間距離L3、隣接車線の先行車両C2と後続車両C1との車間距離L4,自車線の先行車両C3と隣接車線の後続車両C1との車間距離L5を演算する。さらに、ECU30では、車間距離L1,L2,L3の各時間変化及び自車両C0の車速V0に基づいて、自車両C0の加速度A0、隣接車線の後続車両C1の車速V1と加速度A1及び先行車両C2の車速V2と加速度A2、自車線の先行車両C3の車速V3と加速度A3を演算する。また、カーナビゲーションシステム14から経路案内情報を取得している場合、ECU30では、現在位置情報や経路案内情報に基づいて、自車両から前方の経路案内を行う交差点までの距離L6を演算する。
ECU30では、カーナビゲーションシステム14から経路案内情報を取得しているか否かを判定する(図5のS1)。S1にて経路案内情報を取得していると判定した場合、ECU30では、その経路案内情報における目的地が以前設定されたことがあるか否かを判定する(図5のS2)。S2にて目的地が以前設定されたことがあると判定した場合、過去に走行した経路なので、ECU30では、走行経路に基づく第1、第8の先急ぎ状態判定処理を実行する(図5のS3)。一方、S2にて目的地が以前設定されたことがないと判定した場合、ECU30では、第1、第8の先急ぎ状態判定処理を実行しない。そして、ECU30では、自車両C0が目的地に到着したか否かを判定し(図5のS4)、目的地に到着したときにその新たな経路案内情報を走行経路データとして保持する(図5のS5)。
第1先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、信号機情報に基づいて前方の交差点で赤信号かつ走行経路データに基づいて前方の交差点で直進か否かを判定する(図6のS20)。S20にて赤信号かつ直進と判定した場合、ECU30では、自車線の先行車両C3との車間距離L1が隣接車線の先行車両C2との車間距離L2より短いかつ自車両C0が白線を超えた量に基づいてその隣接車線へ車線変更したか否かを判定する(図6のS21)。S21にて車間距離L1が車間距離L2より短いかつ車線変更したと判定した場合、直進する交差点において赤信号で停止するときに車列の短い隣接車線のほうに車線変更を行うので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図6のS22)。一方、S20にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS21にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図6のS23)。
第8先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、自車両C0の車速V0が車速Vaより高いか否かを判定する(図13のS90)。S90にて車速V0が車速Vaより高いと判定した場合、ECU30では、走行経路データに基づいて前方の交差点で左折かつ自車両C0と前方交差点との距離L6が距離Lgより短いか否かを判定する(図13のS91)。S91にて前方交差点で左折かつ前方交差点までの距離L6が距離Lgより短いと判定した場合、ECU30では、自車両C0が白線を超えた量に基づいて右車線に車線変更したか否かを判定する(図13のS92)。S92にて車線変更したと判定した場合、左折する交差点の手前において自車両C0が先行車両を追い越すために右車線に車線変更したので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図13のS93)。一方、S90にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS91にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS92にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図13のS94)。
次に、ECU30では、第2〜第7の先急ぎ状態判定処理を順次行う(図5のS6)。第2先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、自車両C0の車速V0が車速Vaより高いかつ隣接車線の後続車両C1の車速V1が車速Vaより高いか否かを判定する(図7のS30)。S30にて車速V0が車速Vaより高いかつ車速V1が車速Vaより高いと判定した場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線の後続車両C1との車間距離L3が距離Laより短いか否かを判定する(図7のS31)。S31にて車間距離L3が距離Laより短いと判定した場合、ECU30では、自車両C0の加速度A0が隣接車線の後続車両C1の加速度A1より高くかつ自車両C0がその隣接車線へ車線変更をしたか否かを判定する(図7のS32)。S32にて加速度A0が加速度A1より高くかつ車線変更をしたと判定した場合、車線変更先の後続車両C1との車間距離L3が短い状況で後続車両C1が加速しているにもかかわらず自車両C0がそれを上回る加速で車線変更をしたので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図7のS33)。一方、S30にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS31にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS32にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図7のS34)。
第3先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、自車両C0の車速V0が車速Vaより高いかつ隣接車線の後続車両C1の車速V1が車速Vaより高いかつ隣接車線の先行車両C2の車速V2が車速Vaより高いか否かを判定する(図8のS40)。S40にて車速V0が車速Vaより高いかつ車速V1が車速Vaより高いかつ車速V2が車速V0より高いと判定した場合、ECU30では、隣接車線の先行車両C2と後続車両C1との車間距離L4が距離Lbより短いか否かを判定する(図8のS41)。S41にて車間距離L4が距離Lbより短いと判定した場合、ECU30では、隣接車線の後続車両C1の車速V1が隣接車線の先行車両C2の車速V2より高くかつ自車両C0がその隣接車線へ車線変更をしたか否かを判定する(図8のS42)。S42にて車速V1が車速V2より高くかつ車線変更をしたと判定した場合、車線変更先の車間距離L4が短い状況で後続車両C1が先行車両C2に接近しているにもかかわらず自車両C0が車線変更をしたので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図8のS43)。一方、S40にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS41にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS42にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図8のS44)。
第4先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、自車両C0の車速V0が車速Vaより高いかつ隣接車線の先行車両C2の車速V2が車速Vaより高いか否かを判定する(図9のS50)。S50にて車速V0が車速Vaより高いかつ車速V2が車速Vaより高いと判定した場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線の先行車両C2との車間距離L2が距離Lcより短いか否かを判定する(図9のS51)。S51にて車間距離L2が距離Lcより短いと判定した場合、ECU30では、自車両C0の加速度A0が隣接車線の先行車両C2の加速度A2より低くかつ自車両C0がその隣接車線へ車線変更をしたか否かを判定する(図9のS52)。S52にて加速度A0が加速度A2より低くかつ車線変更をしたと判定した場合、車線変更先の先行車両C2との車間距離L2が短い状況で先行車両C2が減速しているにもかかわらず自車両C0がそれを下回る減速で車線変更をしたので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図9のS53)。一方、S50にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS51にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS52にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図9のS54)。
第5先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、自車両C0の車速V0が車速Vaより高いかつ隣接車線の後続車両C1の車速V1が車速Vaより高いかつ自車線の先行車両C3の車速V3が車速Vaより高いか否かを判定する(図10のS60)。S60にて車速V0が車速Vaより高いかつ車速V1が車速Vaより高いかつ車速V3が車速Vaより高いと判定した場合、ECU30では、自車線の先行車両C3と隣接車線の後続車両C1との車間距離L5が距離Ldより短いか否かを判定する(図10のS61)。S61にて車間距離L5が距離Ldより短いと判定した場合、ECU30では、自車両C0がその隣接車線へ車線変更をしたか否かを判定する(図10のS62)。S62にて車線変更をしたと判定した場合、自車線の先行車両C3と車線変更先の後続車両C1との車間距離L5が短いにもかかわらず自車両C0が車線変更をしたので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図10のS63)。一方、S60にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS61にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS62にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図10のS64)。
第6先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、隣接車線の先行車両C2の車速V2が車速Vcから車速Vbまでの範囲内かつ自車線の先行車両C3の車速V3が車速Vcから車速Vbの範囲内か否かを判定する(図11のS70)。S70にて車速V0が車速Vcから車速Vbまでの範囲内かつ車速V3が車速Vcから車速Vbの範囲内と判定した場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線の先行車両C2との車間距離L2が距離Leより短いかつ自車両C0と自車線の先行車両C3との車間距離L1が距離Leより短いか否かを判定する(図11のS71)。S71にて車間距離L2が距離Leより短いかつ車間距離L1が距離Leより短いと判定した場合、ECU30では、隣接車線の先行車両C2の加速度A2が自車線の先行車両C3の加速度A3より高くかつ自車両C0がその隣接車線へ車線変更をしたか否かを判定する(図11のS72)。S72にて加速度A2が加速度A3より高くかつ車線変更をしたと判定した場合、停止状態から動き出したときに先行車両C2,C3との車間距離L2,L1が短い状況で自車線より隣接車線のほうが加速しているときに自車両C0が車線変更をしたので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図11のS73)。一方、S70にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS71にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS72にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図11のS74)。
第7先急ぎ状態判定処理を実行する場合、ECU30では、自車両C0と隣接車線の先行車両C2との車間距離L2が距離Lfより短いかつ自車両C0と自車線の先行車両C3との車間距離L1が距離Lfより短いか否かを判定する(図12のS80)。S80にて車間距離L2が距離Lfより短いかつ車間距離L1が距離Lfより短いと判定した場合、ECU30では、隣接車線の先行車両C2の車速V2が自車両の先行車両C3の車速V3より高いかつ車速V3が車速Vaより高いか否かを判定する(図12のS81)。S81にて車速V2が車速V3より高いかつ車速V3が車速Vaより高いと判定した場合、ECU30では、自車両C0がその隣接車線へ車線変更をしたか否かを判定する(図12のS82)。S82にて車線変更をしたと判定した場合、先行車両C2,C3との車間距離L2,L1が短い状況で自車線より隣接車線のほうが走行速度が速いときに自車両C0が車線変更をしたので、ECU30では、先急ぎ状態と判定する(図12のS83)。一方、S80にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS81にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS82にて判定条件を満たさないと判定した場合、ECU30では、平常状態と判定する(図12のS84)。
全ての先急ぎ状態判定処理が終了すると、ECU30では、先急ぎ状態判定処理毎に、先急ぎ状態と判定したか否かを判定する(図5のS7)。S7にて先急ぎ状態判定処理のうち先急ぎ状態と判定したものがあると判定した場合、ECU30では、先急ぎ状態と判定した回数をカウントし、先急ぎ状態判定カウンタを先急ぎ状態と判定した回数分カウントアップする(図5のS8)。そして、ECU30では、先急ぎ状態判定カウンタの値が閾値Nより大きいか否かを判定する(図5のS9)。S9にて先急ぎ状態判定カウンタの値が閾値Nより大きいと判定した場合、運転者の心理状態は先急ぎと判断し、ECU30では、ONを設定した警告ランプ信号を先急ぎ警告ランプ20に送信し、アシスト抑制を設定したステアリング制御信号をパワーステアリング装置21に送信し、エンジン出力制御を設定したエンジン制御信号をエンジン制御装置22に送信する(図5のS10)。そして、ECU30では、先急ぎ状態判定カウンタをリセットする(図5のS11)。一方、S7にて判定条件を満たさないと判定した場合又はS9にて判定条件を満たさないと判定した場合、運転者の心理状態は平常と判断し、ECU30では、先急ぎ抑制処理を行いない。ECU30では、一定時間毎に、以上の処理を繰り返し実行する。
先急ぎ警告ランプ20は、ECU30からONが設定された警告ランプ信号を受信した場合、ランプを点灯する。これによって、運転者は、自身が先を急いでいる状態であることを認識する。また、パワーステアリング装置21では、ECU30からアシスト抑制が設定されたステアリング制御信号を受信した場合、通常制御時より操舵アシスト力を低減する。これによって、ステアリング反力が大きくなり、通常よりステアリング操作が重くなる。また、エンジン制御装置22では、ECU30からエンジン出力抑制が設定されたエンジン制御信号を受信した場合、アクセルゲインを低下し、通常制御時よりエンジン出力を低減する。これによって、運転者によるアクセル操作に対して通常より加速が鈍くなる。
この運転者心理判定装置1によれば、自車両が車線変更を行うときの車線変更先の先行車両と後続車両の状況及び自車線の先行車両の状況を考慮して運転者の先急ぎ状態を判定することにより、運転者の先急ぎを高精度に判定することができる。特に、運転者心理判定装置1では、8つの先急ぎ状態の判定条件を設け、8つの判定結果を統合して運転者の先急ぎを判定するので、判定精度が非常に高い。また、運転者心理判定装置1では、走行経路に基づく車線変更必要度も加味しているので、判定精度が非常に高い。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では運転者の心理状態(先急ぎ)を判定した場合には運転者に対して判定結果に基づく報知やステアリング制御及びエンジン制御を行う構成としたが、報知や各制御を行うことなく、心理状態のみを判定する構成としてもよいし、あるいは、様々な運転支援システム(例えば、プリクラッシュセーフティシステム、アダプティブクルーズコントロールシステム、レーンキープシステム)に運転者の心理状態を提供し、心理状態に応じて運転支援を行う構成としてもよい。また、報知手段として警告ランプを用いたが、ディスプレイやスピーカなどその他の手段でもよい。
また、本実施の形態では車線変更検出手段として前方の撮像画像に基づいて検出する構成としたが、ウィンカスイッチによる方向指示に基づく検出など他の検出方法でもよい。また、本実施の形態では他車線走行状態検出手段、自車線走行状態検出手段としてミリ波レーダの送受信データに基づいて検出する構成としたが、レーザレーダなどの他のレーダの送受信データに基づく検出あるいは前方や後方の撮像画像に基づく検出など他の検出方法でもよい。
また、本実施の形態では運転者の心理状態として先急ぎを判定する構成としたが、他の心理状態を判定する構成としてもよい。
また、本実施の形態では8つの判定条件により先急ぎ状態をそれぞれ判定し、この各判定結果を統合して先急ぎか否かを判定する構成としたが、これらの8つの判定条件のうちの1つだけで先急ぎを判定する構成としてもよいし、あるいは、8つの判定条件のうちの幾つかの判定条件の判定結果を統合して先急ぎか否かを判定する構成としてもよい。また、この8つの判定条件以外の判定条件により先急ぎ状態を判定する構成としてもよい。例えば、第3先急ぎ状態判定処理では車線変更先の先行車両と後続車両との車間距離が所定距離以下で後続車両が先行車両より車速が高い状況で車線変更をしたか否かによって先急ぎ状態を判定したが、車速を判定条件に含めずに、車線変更先の先行車両と後続車両との車間距離が所定距離以下で車線変更をしたか否かによって先急ぎ状態を判定する。
また、本実施の形態では左折する交差点の手前で右車線に車線変更するという車線変更の必要度が低い場合を先急ぎ状態の判定条件としたが、走行経路に基づく車線変更の必要度としては他にも様々なものがあり、例えば、車線変更の必要度が低いものとしては右折する交差点の手前で左車線に車線変更する場合があり、車線変更の必要度が高いものとしては右折する交差点の手前で右車線に車線変更する場合がある。
また、本実施の形態では運転者が先急ぎか否かを判定する構成としたが、先急ぎ状態判定回数などに基づいて先急ぎ状態の度合いを段階的に判別し、複数段階の先急ぎ度を求めるようにしてもよい。この場合、先急ぎ度の段階に応じて、先急ぎ警告ランプの点灯条件、パワーステアリング装置による操舵アシスト力の低減度合い、エンジン制御装置によるエンジン出力の低減度合いを変えるとよい。
1…運転者心理判定装置、10…前方画像センサ、11…前方ミリ波レーダセンサ、12…後方ミリ波レーダセンサ、13…車速センサ、14…カーナビゲーションシステム、20…先急ぎ警告ランプ、21…パワーステアリング装置、22…エンジン制御装置、30…ECU