JP4788110B2 - 被覆成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分割金型を用いて所定形状の樹脂成形品を形成すると共に、この成形された樹脂成形品の片面側に被覆層を形成する被覆成形体の製造方法に関するものである。
熱硬化性樹脂製のバスタブやパネル等の成形品を作製するにあたっては、その片面側、例えばバスタブの場合はその内面側に合成樹脂被覆層を形成することがあり、その具体的な方法としては、例えばインモールドコーティング法と呼ばれる方法が知られている(特許文献1参照)。
このインモールドコーティング法は、例えば次の工程により構成される。
(1)固定型と可動型よりなる一対の分割金型(一般に雄型と雌型により構成される)を用い、両者の間に塊状またはシート状の樹脂成形材料(BMCやSMC等)からなる成形素材を配置した後、型締めを行い、加熱加圧して所定形状の樹脂成形品とする工程。
(2)次いでこの樹脂成形品の一方側表面と金型面との間に流動性被覆材料を注入して成形品表面に被覆を行う工程。
このようなインモールドコーティング法は、成形と被覆とが同一装置を用い且つ一連の工程で行われるという利点の他、表面が美しく被覆塗装され且つ平滑性に優れた樹脂成形品を得ることができるという利点がある。
このようなインモールドコーティング法により被覆成形体を製造するための具体的な方法としては、従来、次のようなものが提案されている。
まず一対の分割金型(固定型である下型と可動型である上型)の間に、BMCやSMC等の樹脂成形材料を配置し、型締めすることにより樹脂成形材料を加熱プレスすることで、樹脂成形材料を所望の形状に成形する。この状態では樹脂成形材料は完全には硬化されていない。次に、上型の型締め圧力を緩めてこれを上昇させ、下型の上面と樹脂成形材料との間に空間を形成すると共に、上型に設けた注入ノズルから流動性の被覆材料を注入する。この被覆材料は前記樹脂成形材料を突き破って貫通することで、下型の上面と樹脂成形材料との間の空間に供給され、これにより樹脂成形材料の一面が被覆材料にて被覆される。次に、分割金型の熱により樹脂成形材料と被覆材料とを加熱硬化し、これにより一面に被覆層が設けられた成形体を得る。
特開平6−63982号公報
しかし、上記のような手法で被覆成形体を製造する場合には、被覆材料を注入する際に流動性の被覆材料の一部が樹脂成形材料と上型との間に浸入してしまうという問題があった。上記特許文献1においては、このような被覆材料の回り込みを防止するために被覆材料を注入するノズルを包囲にするような溝又は突起を分割金型に設けているが、特にFRP成形品等を製造するために繊維状フィラーを含む熱硬化性樹脂成形材料を用いる場合では、この熱硬化性樹脂成形材料内に被覆材料が浸入(透過)しやすく、上型と熱硬化性樹脂成形材料との間に漏出してしまい、前記のように溝又は突起を設けるだけではこのような被覆材料の漏出は防止することができなかった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、繊維状フィラーを含む熱硬化性樹脂成形材料の成形体の一面にのみ被覆層が形成された被覆成形体を製造するにあたり、成形体に形成される被覆層を必要としない側の面に被覆材料が漏出することを防止できて、被覆層を必要とする面だけに被覆材料を注入することができる被覆成形体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る被覆成形体の製造方法は、下記の工程を含むことを特徴とするものである。
(1)一対の分割金型1,1間に形成されるキャビティ4内で繊維状フィラーを含む熱硬化性樹脂成形材料2を所定の形状に賦形する賦形工程。
(2)上記熱硬化性樹脂成形材料2を加熱することによりその少なくとも一部の部分2aを硬化状態とし、前記硬化状態となった部分2aにおいて熱硬化性樹脂成形材料2を被覆材料3でその注入圧力により突き破って貫通させて上記キャビティ4内に被覆材料3を注入する被覆材料注入工程。
(3)上記熱硬化性樹脂成形材料2及び被覆材料3を硬化させた後、分割金型1を型開きして被覆成形体Aを取り出す脱型工程。
このようにして被覆成形体Aを製造すると、被覆材料3を注入する際には樹脂成形材料における注入される部位は硬化状態にあるため、被覆材料3は樹脂成形材料の一面側に供給されると共にこの熱硬化性樹脂成形材料2の他面側への被覆材料3の漏出が防止されるものである。
上記の被覆材料注入工程においては、上記キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2の圧力変化を測定してその結果に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2の少なくとも一部の部分2aが硬化状態であるか否かを判定することができる。このとき、上記熱硬化性樹脂成形材料2を体積一定の条件で加熱し、この熱硬化性樹脂成形材料2を一定体積で加熱成形する際の圧力変化曲線において圧力Pがピーク値に達した後、下記〔1〕に示す範囲にある状態であるか否かによって、熱硬化性樹脂成形材料2の少なくとも一部の部分2aが硬化状態であるか否かを判定する。
0.1×(P −P )+P ≦P≦0.8×(P −P )+P … 〔1〕
上記〔1〕において、P は圧力変化曲線におけるピーク値を示し、P は成形時間を無限大にした場合の圧力の収束値を示す。この収束値は圧力変化曲線の漸近線の値に相当する。前記圧力変化曲線は、熱硬化性樹脂成形材料2を一定体積で加熱成形する際の圧力曲線である。
の場合、熱硬化性樹脂成形材料2が加熱されて軟化することで圧力が上昇し、次いで硬化反応が進行することで圧力が減少する過程を測定することで、この熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態に達したか否かを正確に判定し、前記熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態となった際に被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。
また、上記の被覆材料注入工程においは、上記キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2の体積変化を測定してその結果に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2の少なくとも一部の部分2aが硬化状態であるか否かを判定するようにしても良い。この場合、熱硬化性樹脂成形材料2が加熱されて軟化することで体積が上昇し、次いで硬化反応が進行することで体積が減少する過程を測定することで、この熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態に達したか否かを正確に判定し、前記熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態となった際に被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。
また、上記の被覆材料注入工程においては、上記キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2の硬化度合いが部位によりばらつきを有するように制御し、硬化度合いが高い部分2aにおいて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させて前記キャビティ4内に被覆材料3を注入するようにしても良い。この場合、被覆材料3の注入時に被覆材料3を注入する部分2aにおける熱硬化性樹脂成形材料2を硬化度合いが高い状態として反対面側への被覆材料3の漏出を防止すると共に、他の部分2bにおける熱硬化性樹脂成形材料2の前記部分2aよりも硬化度合いが低い部位では被覆材料3と熱硬化性樹脂成形材料2との間の密着性が向上し、形成される被覆層6の密着強度を高くすることができるものである。
また、被覆成形体製造装置は、相対的に移動することにより型締め及び型開きをする一対の分割金型1,1と、一方の分割金型1に設けられ前記分割金型1,1間に形成されるキャビティ4内に被覆材料3を注入する注入装置7と、前記注入装置7の注入口7aの近傍に設けられ前記キャビティ4内における成形材料の圧力を測定する圧力測定部8とを具備することを特徴とするものである。これにより、一対の分割金型1,1間に形成されるキャビティ4内で熱硬化性樹脂成形材料2を所定の形状に賦形し、この熱硬化性樹脂成形材料2を加熱することによりその少なくとも一部の部分2aを硬化状態とし、前記硬化状態となった部分2aにおいて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させて上記キャビティ4内に注入装置7から被覆材料3を注入し、この熱硬化性樹脂成形材料2及び被覆材料3を硬化させた後、分割金型1を型開きして被覆成形体Aを取り出すことで、一面にのみ被覆層6が形成された被覆成形体Aを得ることができるものであり、このとき上記圧力測定部8により上記キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2の圧力変化を測定して熱硬化性樹脂成形材料2が加熱されて軟化することで圧力が上昇し、次いで硬化反応が進行することで圧力が減少する過程を測定することで、その結果に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2の少なくとも一部の部分2aが硬化状態であるか否か、所望の硬化度合いであるか否か、所望のヤング率であるか否か等を正確に判定することができて、前記熱硬化性樹脂成形材料2が所望の状態となった際に被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。
また、他の被覆成形体製造装置は、相対的に移動することにより型締め及び型開きをする一対の分割金型1,1と、一方の分割金型1に設けられ前記分割金型1,1間に形成されるキャビティ4内に被覆材料3を注入する注入装置7と、前記キャビティ4内における前記注入装置7の注入口7aの近傍の加熱温度と、他の部位における加熱温度とを独立して制御する加熱手段とを具備することを特徴とするものである。これにより、一対の分割金型1,1間に形成されるキャビティ4内で熱硬化性樹脂成形材料2を所定の形状に賦形し、この熱硬化性樹脂成形材料2を加熱することによりその少なくとも一部の部分2aを硬化度合いが高い状態とし、この部分2aにおいて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させて上記キャビティ4内に注入装置7から被覆材料3を注入し、この熱硬化性樹脂成形材料2及び被覆材料3を硬化させた後、分割金型1を型開きして被覆成形体Aを取り出すことで、一面にのみ被覆層6が形成された被覆成形体Aを得ることができるものであり、このとき上記加熱手段により上記キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2の注入装置7の注入口7aの近傍の部分2aを他の部分2bよりも高温で加熱することによりこの高温で加熱した部分2aを硬化度合いが高い状態とし、この状態で前記硬化度合いが高い状態となった部分において熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させて前記キャビティ4内に被覆材料3を注入することができ、被覆材料3の注入時に被覆材料3を注入する部分2aにおける熱硬化性樹脂成形材料2を硬化度合いが高い状態として反対面側への被覆材料3の浸入を防止すると共に、他の部分2bにおいては熱硬化性樹脂成形材料2を前記部分aよりも硬化度合いが低くより軟質な状態として被覆材料3と熱硬化性樹脂成形材料2との間の密着性を向上し、形成される被覆層6の密着強度を高くすることができるものである。
本発明によれば、キャビティ内における熱硬化性樹脂成形材料の硬化状態となった部分を貫通させるようにして被覆材料を注入することで、被覆材料が熱硬化性樹脂成形材料の一面側に供給されると共に他面側への漏出が防止され、これにより、一面側にのみ被覆層が形成された被覆成形体を得ることができるものである。
以下、本発明をその実施をするための最良の形態に基づいて説明する。
被覆成形体Aを作製するために用いる繊維状フィラーを含む熱硬化性樹脂成形材料2は、適宜のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、例えばSMC(シートモールディングコンパウンド)、BMC(バルクモールディングコンパウンド)等のFRP(繊維強化プラスチック)成形材料が挙げられる。また被覆材料3としては、所望の被覆層6の性状に応じ、熱硬化性を有し且つ成形時に流動性を有するもの、あるいは熱可塑性のものを、適宜選択して使用することができるが、例えばウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を含むものを挙げることができる。
図1から5は、本発明に係る被覆成形体Aを製造するための製造装置の一例を示す。この製造装置は、一対の分割金型1,1を有するものであり、図示の例では固定型である下型1aと、可動型である上型1bとを備えている。以下、一対の分割金型1,1のうちの一方を上型1b、他方を下型1aという。上型1bと下型1aとの間に形成されるキャビティ4は所望の被覆成形体Aの形状に形成されるものであり、例えば図示のようにバスタブの形状に形成される。また、上型1bには流動性の被覆材料3をキャビティ4内に注入するための注入装置7が設けられており、その注入口7aはキャビティ4内に向けて開口するようになっている。また、下型1aにはエアポンプ13のエア流路14が設けられており、エア流路14は一端がエアポンプ13に接続されていると共に他端がキャビティ4内の下型1a側の面において開口している。
またこの製造装置はキャビティ4内の成形材料を加熱する加熱手段を備えており、例えば上型1bと下型1aの少なくとも一方にスチーム流路10を設けてこのスチーム流路10にスチームを流通させることで上型1bと下型1aの少なくとも一方を加熱し、これにより成形材料を加熱することができるようになっている(図6参照)。
図示の製造装置を用いた被覆成形体Aの製造方法について説明する。
まず図2に示すように、上型1bと下型1aとを型開きした状態で、下型1aの上面に熱硬化性樹脂成形材料2を配置する。
この状態で図3に示すように上型1bを下動させることにより上型1bと下型1aとを相対的に近づくように移動させて型締めし、熱硬化性樹脂成形材料2をキャビティ4内でプレス成形することで、所定の成形体5の形状に賦形する(賦形工程)。
次に、上記のような加熱手段を用いてキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2を加熱して、少なくとも注入装置7の注入口7a近傍の部分2aが硬化状態となるようにする。この注入口7a近傍の部分2aとは、注入口7aの開口を被覆材料3の注入方向に向けて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通するように投影した場合の軌跡の内側の領域(被覆材料3を注入した場合に熱硬化性樹脂成形材料2が貫通される領域)を少なくとも含むものであるが、好ましくは前記部分2aが注入口7を中心とした注入口7の直径よりも20mm大きい直径を有する円形の領域を、被覆材料3の注入方向に向けて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通するように投影した場合の軌跡の内側の領域を含むことが好ましく、またこの部分2aが注入口7を中心とした注入口7の直径よりも150mm大きい直径を有する円形の領域を、被覆材料3の注入方向に向けて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通するように投影した場合の軌跡の内側の領域内に収まることが好ましい。このとき熱硬化性樹脂成形材料2における、注入口7aの近傍の部分2a以外の部分2bはゲル化状態でも良いが、この部分2bも硬化状態とすることが好ましく、この場合、注入口7aの近傍の部分2a以外の部分2bにおいて被覆材料3が熱硬化性樹脂成形材料2に浸透して反対面側に漏れ出すことを防止することができる。
次に、上型1bを所定長さだけ上動させる(下型1aから離間する方向に移動させる)ことにより、キャビティ4内において熱硬化性樹脂成形材料2と下型1aとの間に所定厚みの空間を形成する。このとき熱硬化性樹脂成形材料2が上型1bに確実に残るようにするためには、熱硬化性樹脂と上型1bとの間にリブ等により離型抵抗を有する構造を形成しておくことが好ましい。この状態で熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させてキャビティ4内に被覆材料3を注入する。すなわち図4に示すように注入装置7から流動性の被覆材料3をキャビティ4内に注入する(被覆材料注入工程)。このとき被覆材料3は図1に示すように熱硬化性樹脂成形材料2における硬化状態にある部分2aを注入装置7からの注入圧力により突き破って貫通し、キャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2の下型1a側の面に供給される。このときの被覆材料3の注入圧力は適宜調整されるが、硬化状態の熱硬化性樹脂成形材料2を突き破るためには、注入圧力を10〜35MPaの範囲とすることが望ましい。またこのときの硬化状態の熱硬化性樹脂成形材料2における、被覆材料3に突き破られる部分2aの厚みは2mm以下であることが望ましい。また、熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させてキャビティ4内に被覆材料3を注入するためには、注入装置7のノズルをキャビティ4内に向けて突出させることでこのノズルにて硬化状態の熱硬化性樹脂成形材料2を突き破るようにし、この状態で被覆材料3を注入装置7から注入することにより、被覆材料3が硬化状態の熱硬化性樹脂成形材料2を貫通してキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2の下型1a側の面に供給されるようにしても良い。このようにして供給された被覆材料3は、更にこの熱硬化性樹脂成形材料2の下型1a側の面に沿って流動してこの熱硬化性樹脂成形材料2の下型1a側に沿った面を被覆する。
次に、上記加熱手段によりキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2を更に加熱すると共に被覆材料3も同時に加熱して熱硬化させてこれらを最終段階まで硬化させ、熱硬化性樹脂成形材料2にて成形体5を形成すると共に被覆材料3にて被覆層6を形成して、被覆成形体Aを形成する。
次に、分割金型1を冷却した後に、図5に示すようにエアポンプ13にてキャビティ4内にエアを供給しながら上型1bを上動させて型開きし、被覆成形体Aを脱型するものである(脱型工程)。
上記のようにして被覆成形体Aを形成すると、被覆材料3の注入時には、熱硬化性樹脂成形材料2の注入口7aの近傍の部分2aは硬化状態であって変形が生じにくく、上型1bと密着してこの間に隙間が生じにくくなり、また上記のように被覆材料3の注入時にノズルを突出させる場合にはノズルと熱硬化性樹脂成形材料2との間にも隙間が生じにくくなるものであるから、熱硬化性樹脂成形材料2の下型1a側に供給された被覆材料3は上型1b側に回り込みにくくなり、被覆材料3の回り込みを防止することができる。更に、この硬化状態にある熱硬化性樹脂成形材料2には被覆材料3が浸透しにくくなり、キャビティ4内における被覆材料3の注入時に圧力が高くなりやすい注入口7aの近傍の部分2aにおける、この被覆材料3の熱硬化性樹脂成形材料2への透過による上型1b側への漏出を防止することができるものである。これにより、被覆層6を成形体5の一面側にのみ形成することができるようになるものである。
ここで、上記の硬化状態とは、必ずしも完全に硬化している状態のみを意味するものではなく、熱硬化性樹脂成形材料2の硬化反応が進行している状態をも含むものである。この点について詳しく説明すると、熱硬化性樹脂成形材料2の加熱硬化成形過程においては、体積を一定とした場合には、図8に示すようにまず熱硬化性樹脂成形材料2が軟化すると共に圧力が増大し、次いで硬化反応が進行することにより圧力が減少するものである。また、同様に熱硬化性樹脂成形材料2の加熱硬化成形過程においては、圧力を一定とした場合には、図9に示すようにまず熱硬化性樹脂成形材料2が軟化すると共に体積が膨張し、次いで硬化反応が進行することにより体積が収縮するものである。そして、熱硬化性樹脂成形材料2の硬化状態とは、前記の体積又は圧力がピークに達した後から、減少していく過程の状態を意味するものである。また、このとき体積又は圧力がピークに達する前の状態をゲル化状態という。
上記のように被覆材料3は硬化状態の熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させて供給するものであるが、このとき特に硬化状態の熱硬化性樹脂成形材料2のヤング率が1.5×10-4〜5.0×10-4Paの範囲にあることが好ましい。この状態にある熱硬化性樹脂成形材料2は適度の弾性を有しており、ヤング率が1.5×10-4Pa以上であることから被覆材料3の注入時には被覆材料3が供給される部位において被覆材料3の浸入圧力に対して十分対抗することができて被覆材料3の漏出が確実に防止されるものであり、且つヤング率が5.0×10-4Pa以下であることから、熱硬化性樹脂成形材料2と下型1aとの間に供給された被覆材料3が流動する際には被覆材料3からの圧力により熱硬化性樹脂成形材料2に若干の弾性変形が生じて被覆層6の膜厚を大きくすることができるものである。
また、被覆材料3を注入する際には、キャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2のうち、注入口7aの近傍の部分2aを硬化度合いの高い状態として、この状態で被覆材料3を前記の部分2aにおいて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させて供給するようにしても良く、またこのとき他の部分2bについては、前記部分2aよりも硬化度合いが低い状態とすることが好ましい。この場合、被覆材料3が供給される部分2aは硬化度合いの高い状態であるから被覆材料3の浸入圧力に対して十分対抗することができて、被覆材料3の漏出が確実に防止されるものである。また、このとき他の部分2bが、前記部分2aよりも硬化度合いが低い状態であると、熱硬化性樹脂成形材料2と下型1aとの間に供給された被覆材料3が流動する際には、前記他の部分2bにおける熱硬化性樹脂成形材料2がより軟質な状態であるから、被覆材料3からの圧力により熱硬化性樹脂成形材料2に若干の弾性変形が生じて被覆層6の膜厚を大きくすることができると共に被覆層6と成形体5との間には非常に高い密着性が得られるようになるものである。
ここで、上記の硬化度合いの高い状態とは、熱硬化性樹脂成形材料2を体積一定の条件で加熱成形する場合には、図8に示す熱硬化性樹脂成形材料2を一定体積で加熱成形する際の圧力変化曲線において、圧力Pがピーク値に達した後、下記〔1〕に示す範囲にある状態であることが好ましい。
0.1×(P−P)+P≦P≦0.8×(P−P)+P … 〔1〕
上記〔1〕において、Pは圧力変化曲線におけるピーク値を示し、Pは成形時間を無限大にした場合の圧力の収束値を示す。この収束値は圧力変化曲線の漸近線の値に相当する。
また、熱硬化性樹脂成形材料2を圧力一定の条件で加熱成形する場合には、硬化度合いの高い状態とは、図9に示す熱硬化性樹脂成形材料2を一定圧力で加熱成形する際の体積変化曲線において、体積Vがピーク値に達した後、下記〔2〕に示す範囲にある状態であることが好ましい。
0.1×(V−V)+V≦V≦0.8×(V−V)+V … 〔2〕
上記〔2〕において、Vは体積変化曲線におけるピーク値を示し、Pは成形時間を無限大にした場合の体積の収束値を示す。この収束値は体積変化曲線の漸近線の値に相当する。
このとき、上記キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2をその硬化度合いが部位によりばらつきを有するように制御すると共に、硬化度合いが高い部分2aにおいて被覆材料3を熱硬化性樹脂成形材料2を貫通させてキャビティ4内に注入することができ、特に上記他の部分2bのうちの一部又は全部、好ましくは全部の領域が、上記部分2aよりも硬化度合いが低い状態であるときに被覆材料3の注入を行うようにすると、被覆層6の密着性が特に高いものとなる。この場合、硬化状態となる部分2aが、注入口7を中心とした注入口7の直径よりも20mm大きい直径を有する円形の領域を、被覆材料3の注入方向に向けて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通するように投影した場合の軌跡の内側の領域を含むことが好ましく、またこの部分2aが注入口7を中心とした注入口7の直径よりも150mm大きい直径を有する円形の領域を、被覆材料3の注入方向に向けて熱硬化性樹脂成形材料2を貫通するように投影した場合の軌跡の内側の領域内に収まるようにすることが好ましく、またこれ以外の部分2bが前記部分2aよりも硬化度合いが低い状態となっていることが好ましい。
また、このとき特に、上記の硬化度合いが低い他の部分2bは、熱硬化性樹脂成形材料2を体積一定の条件で加熱成形する場合には、図8に示す熱硬化性樹脂成形材料2を一定体積で加熱成形する際の圧力変化曲線において、圧力Pがピーク値に達した後、下記〔3〕に示す範囲にある状態であることが好ましい。
0.8×(P−P)+P≦P≦1.0×(P−P)+P … 〔3〕
また、熱硬化性樹脂成形材料2を圧力一定の条件で加熱成形する場合には、他の部分2bは、図9に示す熱硬化性樹脂成形材料2を一定圧力で加熱成形する際の体積変化曲線において、体積Vがピーク値に達した後、下記〔4〕に示す範囲にある状態であることが好ましい。
0.8×(V−V)+V≦V≦1.0×(V−V)+V … 〔4〕
上記のようにキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2の硬化度合いを部分的に異ならせて部位によりばらつきを有するように制御するためには、被覆成形体Aの製造装置に、加熱手段としてキャビティ4内における注入装置7の注入口7aの近傍の加熱温度と、他の部位における加熱温度とを独立して制御するものを設けるようにすることが好ましい。図6はこのような加熱手段の構成の一例を示すものであり、下型1aの内部にはスチーム流路10を設けてこのスチーム流路10に高温のスチームを流通させて下型1aを加熱することでキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2を加熱するようになっているが、このスチーム流路10が複数系統(図示では二系統)設けられている。図示のものでは、下型1aは、上型1bにおける注入装置7の注入口7aの開口位置と対向する位置を含む高温加熱ブロック12と、この高温加熱ブロック12以外の部分である低温加熱ブロック11とから構成されており、この高温加熱ブロック12と低温加熱ブロック11とにそれぞれ独立したスチーム流路10a,10bを設けるようにしている。そして、被覆材料3の注入前における熱硬化性樹脂成形材料2の加熱時には、各スチーム流路10a,10bにスチームを流通させると共に、高温加熱ブロック12におけるスチーム流路10aを流通するスチームを、低温加熱ブロック11におけるスチーム流路10bを流通するスチームよりも高温となるようにすることで、キャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2のうち、被覆材料3の貫通位置を含む一部の部分2aを硬化度合いが高い状態とすると共に、他の部分2bを前記硬化状態の部分2aよりも硬化度合いが低い状態とすることができるものである。尚、下型1aの代わりに上型1bを高温加熱ブロック12と低温加熱ブロック11にて構成するようにして各加熱ブロックにスチーム流路10を設けても良く、また上型1bと下型1aを共に高温加熱ブロック12と低温加熱ブロック11にて構成するようにして各加熱ブロックにスチーム流路10を設けても良い。
また、このように加熱温度を制御する場合には、分割金型1における加熱温度の異なる位置にそれぞれ温度センサ9を設けて、その温度検知結果に基づいて加熱温度を制御することが好ましく、例えば高温加熱ブロック12と低温加熱ブロック11のそれぞれにおいて、熱電対等で構成される温度センサ9をキャビティ4付近あるいはキャビティ4に露出するように設け、各温度センサ9による検知結果に基づいてスチーム流路10におけるスチーム流通を制御するなどして、各部位におけるキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2の加熱温度を所望の温度条件となるように制御することができるものである。
キャビティ4内における熱硬化性樹脂成形材料2をその硬化度合いが部位によりばらつきを有するように制御する手法としては、上記のもののほかに適宜の手法を採用することができる。
例えば熱硬化性樹脂成形材料2としてSMC等のようなシート状の樹脂成形材料を用いる場合、図2に示すように上型1bと下型1aとを型開きした状態で、下型1aの上面に熱硬化性樹脂成形材料2を配置する際に、複数枚のシート状の樹脂成形材料を積層した熱硬化性樹脂成形材料2を、注入装置7の注入口7aの直下に配置する。これにより型締め時に分割金型1にて熱硬化性樹脂成形材料2をプレスする際に、上型1bにおける注入口7aが形成されている部位が最初に熱硬化性樹脂成形材料2と接するようにする。また、このとき複数枚のシート状の樹脂成形材料のうち最上層に配置されているもの、すなわち型締め時に上型1bにおける注入口7aが形成されている部位と最初に接触するシート状の樹脂成形材料については、他のものよりも硬化抑制剤の含有量を少なくするなどして、その熱硬化性が他のものよりも高くなるようにしておく。
この状態で型締めを行うと、熱硬化性樹脂成形材料2が流動して所定の成形体5の形状に賦形される際には、積層されたシート状の樹脂成形材料は、内層のものの方が外層のものよりも流動しやすくなり、このため上記最上層のシート状の樹脂成形材料は注入口7aの近傍に留まりやすくなる。このため、熱硬化性樹脂成形材料2を賦形した状態で加熱すると、キャビティ4内における注入口7aの近傍の部分2aは、他の部分2bよりも硬化度合いが高くなるようにすることができるものである。
また、上記のようにして被覆成形体Aを製造するにあたっては、被覆材料3の注入前におけるキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時において、この熱硬化性樹脂成形材料2の少なくとも一部の部分2a、すなわち被覆材料3が貫通して注入される部位を含む領域である注入口7aの近傍の部分2aが、硬化状態であるか否か、あるいは硬化度合いが高い状態であるか否かを検知し、この部分2aが硬化状態となっていることあるいは硬化度合いが高い状態となっていることが判定されてから被覆材料3の注入を行うようにすることが好ましい。このような硬化状態や硬化度合いの判定は、例えばキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2における前記部分2aの圧力を測定したり、キャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2の体積を測定したりして、その測定結果に基づいて行うことができる。
図7は、圧力の検知結果に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2の硬化状態あるいは硬化度合いを判定する場合の製造装置の構成の一例を示す。図示の例では、分割金型1における注入装置7の注入口7aの近傍に、キャビティ4内における成形材料の圧力を測定する圧力測定部8を設け、この圧力測定部8にて検知される圧力に基づいて、熱硬化性樹脂成形材料2における被覆材料3が貫通して注入される部位を含む部分2aが、硬化状態あるいは硬化度合いが高い状態となっているか否かを判定するようにしたものである。
上記の圧力測定部8としては、直接圧力検知式の圧力センサ等のような適宜の圧力センサを設けることができる。この圧力測定部8の設置位置は、上記のように注入装置7の注入口7aの近傍であれば良いが、熱硬化性樹脂成形材料2における上記の硬化状態となるべき部分2aと接触する位置に設けることが好ましい。また、圧力測定部8は図7(a)のように上型1bに設けても良く、図7(b)のように下型1aに設けても良いが、被覆成形体Aに圧力測定部8による圧痕が発生する場合があるため、被覆成形体Aにおける外部に露出する面や意匠性が重要となる面が形成される側の分割金型1には形成しないようにすることが好ましい。例えば図示の例では被覆成形体Aとしてバスタブを形成するものであり、且つ下型1a側にバスタブの内面が形成されると共にこの面に被覆層6が形成されるようにしたものであるが、このバスタブの内面は使用時に外部に露出すると共に意匠性が重要となるため、圧力測定部8は図7(a)のように上型1bに設けるようにすることが好ましい。
本実施形態において被覆成形体Aを製造する場合には、被覆材料3の注入前における熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時において、上型1bと下型1aとが相対的に移動しないようにしてキャビティ4内の体積を一定に保っておく。このときキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2は、加熱されることにより既述のように図8に示す如くまず軟化すると共に圧力が上昇し、次いで硬化反応が進行することにより圧力が減少する。そして本実施形態において熱硬化性樹脂成形材料2の少なくとも注入口7aの近傍の部分2aが硬化状態となっているか否かを判定するにあたっては、熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時に前記圧力測定部8にて熱硬化性樹脂成形材料2の圧力変化を測定し、この圧力が一旦ピーク値に達した後に低減するようになった場合に熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態となったと判定するものであり、そしてこの硬化状態が判定された場合に被覆材料3の注入を行うようにするものである。
このように圧力変化に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態か否かを判定する場合には、圧力測定部8にて検知される圧力がピーク値に達した後、所定の圧力となった時点で被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。このとき、特に少なくとも注入口7aの近傍の部分2aが硬化度合いが高い状態か否かを判定する場合には、好ましくは圧力測定部8にて検知される圧力がピーク値に達した後、既述のような上記〔1〕に示す所定範囲の圧力Pとなった時点で被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。
また、上記のような熱硬化性樹脂成形材料2の圧力変化の検知結果に基づいて、この熱硬化性樹脂成形材料2が所定のヤング率の範囲に達したか否かを判定し、このヤング率が所定の範囲に達した時点で被覆材料3の注入を行うようにすることもできる。この場合、例えばまず予備的な実験により熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時の圧力変化とそのヤング率の変化との間の相関関係を調査しておくと共に、被覆材料3注入時の所望のヤング率の値(例えば上記のような1.5×10-4〜5.0×10-4Paの範囲の値)となる場合の熱硬化性樹脂成形材料2の圧力値を導出しておく。そして、熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時において、圧力測定部8にて測定される圧力が、ピーク値に達した後に前記所望のヤング率に対応する値となった時点で、被覆材料3の注入を行うようにするものである。
また、体積の検知結果に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2の硬化状態あるいは硬化度合いを判定する場合には、例えば可動型である上型1bに、その上下移動量を測定するリニアゲージ等のような移動量測定手段を設けて、熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時においてこの移動量測定手段にて検知される上型1bの下型1aに対する移動量に基づいて、熱硬化性樹脂成形材料2の体積変化を測定することができる。
本実施形態において被覆成形体Aを製造する場合には、被覆材料3の注入前における熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時において、上型1bにかけられる下型1aに向かう圧力が一定になるようにして成形圧力を一定に保つと共に上型1bの下型1aに対する相対的移動を許容するようにして、キャビティ4内の圧力を一定に保っておく。このときキャビティ4内の熱硬化性樹脂成形材料2は、加熱されると既述のように図9に示す如くまず軟化すると共に体積が増大し、次いで硬化反応が進行することにより体積が減少する。
本実施形態において熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態となっているか否かを判定するにあたっては、熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時に熱硬化性樹脂成形材料2の体積変化を上型1bの下型1aに対する移動量に基づいて測定し、この体積が一旦ピーク値に達した後に低減するようになった場合に熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態となったと判定するものであり、そしてこの硬化状態が判定された場合に被覆材料3の注入を行うようにするものである。
このように体積変化に基づいて熱硬化性樹脂成形材料2が硬化状態か否かを判定する場合には、前記体積がピーク値に達した後、所定の体積となった時点で被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。このとき、特に少なくとも注入口7aの近傍の部分2aの硬化度合いが高い状態か否かを判定する場合には、好ましくは検知される体積がピーク値に達した後、既述のような上記〔2〕に示す所定範囲の体積Vとなった時点で被覆材料3の注入を行うようにすることができるものである。
また、上記のような熱硬化性樹脂成形材料2の体積変化の検知結果に基づいて、この熱硬化性樹脂成形材料2が所定のヤング率の範囲に達したか否かを判定し、このヤング率が所定の範囲に達した時点で被覆材料3の注入を行うようにすることもできる。この場合、例えばまず予備的な実験により熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時の体積変化とそのヤング率の変化との間の相関関係を明らかにしておくと共に、被覆材料3注入時の所望のヤング率の値(例えば上記のような1.5×10-4〜5.0×10-4Paの範囲の値)となる場合の熱硬化性樹脂成形材料2の体積値を導出しておく。そして、熱硬化性樹脂成形材料2の加熱成形時において、体積が前記所望のヤング率に対応する値となった時点で、被覆材料3の注入を行うようにするものである。
本発明の実施の形態の一例を示す要部の断面図である。 同上の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の加熱手段の構成の一例を示す断面図である。 (a)(b)は同上の圧力測定部を設けた場合の例を示す断面図である。 熱硬化性樹脂成形材料を加熱成形する場合の体積一定時の圧力変化を示すグラフであ。 熱硬化性樹脂成形材料を加熱成形する場合の圧力一定時の体積変化を示すグラフである。
符号の説明
A 被覆成形体
1 分割金型
2 熱硬化性樹脂成形材料
2a 部分
2b 部分
3 被覆材料
4 キャビティ
7 注入装置
7a 注入口
8 圧力測定部

Claims (2)

  1. 下記の工程を含むことを特徴とする被覆成形体の製造方法。
    (1)一対の分割金型間に形成されるキャビティ内で繊維状フィラーを含有した熱硬化性樹脂成形材料を所定の形状に賦形する賦形工程。
    (2)上記熱硬化性樹脂成形材料を体積一定の条件で加熱することによりその少なくとも一部の部分を硬化状態とし、前記キャビティ内における熱硬化性樹脂成形材料の圧力変化を測定してその結果に基づいて、この熱硬化性樹脂成形材料を一定体積で加熱成形する際の圧力変化曲線において圧力Pがピーク値に達した後、下記〔1〕に示す範囲にある状態であるか否かによって、熱硬化性樹脂成形材料の少なくとも一部の部分が硬化状態であるか否かを判定し、前記硬化状態となった部分において熱硬化性樹脂成形材料を被覆材料でその注入圧力により突き破って貫通させて上記キャビティ内に被覆材料を注入する被覆材料注入工程。
    0.1×(P −P )+P ≦P≦0.8×(P −P )+P … 〔1〕
    上記〔1〕において、P は圧力変化曲線におけるピーク値を示し、P は成形時間を無限大にした場合の圧力の収束値を示す。
    (3)上記熱硬化性樹脂成形材料及び被覆材料を硬化させた後、分割金型を型開きして被覆成形体を取り出す脱型工程。
  2. 上記被覆材料注入工程において、上記キャビティ内における熱硬化性樹脂成形材料をその硬化度合いが部位によりばらつきを有するように制御し、硬化度合いが高い部分において熱硬化性樹脂成形材料を貫通させて前記キャビティ内に被覆材料を注入することを特徴とする請求項1に記載の被覆成形体の製造方法。
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