JP4786825B2 - 高電圧遮断器用の駆動ロッド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧遮断器、あるいは誘電性（電気絶縁）ガスで絶縁される他の開閉装置に関し、より詳細には、発電所における遮断器の可動接触子を駆動するための駆動ロッドに関し、その駆動ロッドは、遮断器の可動接触子と制御機構との間に配置されている。
【０００２】
【従来の技術】
発電所における高電圧遮断器の可動接触子を駆動する駆動ロッドは、一般に、中実か、あるいは中空かのいずれかであり、そして、電気絶縁材料、たとえば、ガラス繊維強化樹脂で作られた円柱形のセグメントと、その絶縁セグメントのそれぞれの端部に固定された２つの金属製エンドピースとを備え、金属製エンドピースの１つは、遮断器の可動接触子に連結するのに使用され、もう１つの金属製エンドピースが、制御機構に連結するのに使用される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
周知の方法によれば、遮断器の可動接触子に連結するのに使用されるロッドの金属製エンドピースは、一般に、開放操作の間に遮断器の接触子間に生じる電弧からロッドの絶縁セグメントを保護するように、デフレクタ（そらせ板）の形状に構成されている。デフレクタは、さらに、可動接触子の背後から除去される高温のガスから絶縁セグメントを保護するのにも使用する。このデフレクタにもかかわらず、ロッドの絶縁セグメントは、容認できない絶縁強度の減少を生じるかなりの熱攻撃（焼け焦げ）にさらされる。このような熱攻撃から絶縁セグメントを保護するために、熱収縮可能なエラストマシース、あるいはＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエチレン）の固着（スタックオン）ストリップで、それを取り囲む配慮がなされていた。残念ながら、これらの保護技術では、絶縁セグメントと保護物との間の境界面に含まれる空気の問題を回避することは困難である。
【０００４】
本発明の目的は、実施が容易であり、かつ上述の欠点を被らないような、絶縁ロッドの他の保護形態を提供することである。
【０００５】
【課題が解決するための手段】
このために、本発明は、誘電性ガスで絶縁される高電圧開閉装置用の駆動ロッドであって、前記駆動ロッドが、電気絶縁材料で作られたセグメントと、セグメントの端部にそれぞれ固定される２つの金属製エンドピースとを備えており、電気絶縁材料で作られた熱シールドが、該エンドピース間に配置されると共に、環状のギャップを画定するように絶縁セグメントから離間して該絶縁セグメントを取り囲んでいることを特徴とする駆動ロッドを提供する。この形状構成によって、微小穿孔がシールドに存在しても、ガスによって、あるいは電弧によって、直接加熱されることがなく、そして、駆動ロッドの絶縁セグメントを熱的に保護する誘電性ガスの厚さが残存している。
【０００６】
シールドは、ＰＴＦＥ、セラミック、電弧からの攻撃に耐性のある何か他の絶縁材料などで作られてよい。
【０００７】
本発明は、さらに、ＳＦ_６で絶縁され、そして、本発明の駆動ロッドを備える遮断器を提供する。シールドによって画定される環状のギャップは、遮断器を絶縁するのに使用される誘電性ガスで満たされ、あるいは環状のギャップが完全に閉鎖される場合、何らかの他の誘電性ガスで満たされてもよい。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図１に示されるように、発電所の遮断器は、従来、電気絶縁材料で作られ、そして、数バールの圧力下のＳＦ_６などの絶縁誘電性ガスで満たされるケーシング１内に次のもの、すなわち、固定接触子２と、電弧を消去するガス吹付けノズル４を有する可動接触子３とを備えている。可動接触子３は、可動接触子３の後ろに連結される一端Ａと制御機構５に連結される他端Ｂとを有する駆動ロッド６を介して、制御機構５によって軸方向Ａ’に移動される。
【０００９】
図２に示されるように、駆動ロッド６は、電気絶縁材料で作られ、中実か、あるいは中空かのいずれかであり、そしてほぼ円柱形であるセグメント７を備えている。セグメントの一端は、デフレクタを形成し、そしてロッドの端部Ａを構成する第１の金属製エンドピース８に固定され、そして、セグメントの他端は、ロッドの端部Ｂを構成する第２の金属製エンドピース９に固定されている。この例では筒状形状である熱シールド１０が、エンドピース８、９間に配置され、そして、絶縁セグメント７を取り囲みながら、環状のギャップ１１を画定するためにそこから離間して一定の間隔が置かれている。シールド１０は、ＰＴＦＥ、セラミック、電弧に耐性のある何か他の電気絶縁材料などで作られてよい。シールド１０は、金属製エンドピース８と互いに嵌め込むことによって、あるいは、その他の固定手段によって、そして、たとえば、ロッドの端部Ｂに取り付けられた分離フランジプレート１２によって、絶縁セグメント７の周りの正しい位置に保持される。図２に示される形状構成において、シールド１０は、シールドとセグメントとの間のギャップ１１を満たす加熱されないＳＦ_６の厚さによって、セグメント７を熱的に保護する。
【００１０】
シールド１０とセグメント７との間に画定される環状のギャップは、開口して、遮断器を絶縁するのに使用される誘電性ガスで満たされ得る。１つの変形形態において、前記環状のギャップは、完全に気密に閉鎖されて、遮断器を絶縁するのに使用される誘電性ガスの圧力と同一か、あるいは異なる圧力において、遮断器の誘電性ガスで、あるいは窒素などの何らかの他の誘電性ガスで満たされる。
遮断器を絶縁するのに使用される誘電性ガスの圧力よりも低い環状のギャップの誘電性ガスの圧力は、駆動ロッドのセグメント７の熱的保護を増大させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の駆動ロッドを有する遮断器を概略的に示す図である。
【図２】本発明の駆動ロッドの実施形態を極めて概略的に示す軸方向の半断面図である。
【符号の説明】
Ａ 制御機構に連結されたロッドの端部
Ｂ 可動接触子の背後に連結されたロッドの端部
１ ケーシング
２ 固定接触子
３ 可動接触子
４ ガス吹付けノズル
５ 制御機構
６ 駆動ロッド
７ セグメント
８ 第１の金属製エンドピース
９ 第２の金属製エンドピース
１０ 熱シールド
１１ 環状のギャップ
１２ 分離フランジプレート

Claims (3)

1. 誘電性ガスで絶縁される高電圧開閉装置用の駆動ロッドであって、前記駆動ロッドが、電気絶縁材料で作られたセグメント（７）と、前記セグメントの端部にそれぞれ固定される２つの金属製エンドピース（８、９）とを備えており、電気絶縁材料で作られた熱シールド（１０）が、該エンドピース（８、９）間に配置されると共に、環状のギャップ（１１）を画定するように絶縁セグメントから離間して該絶縁セグメントを取り囲んでおり、前記環状のギャップ（１１）が、完全に閉鎖されたギャップであることを特徴とする駆動ロッド。
2. 前記熱シールドが、ＰＴＦＥあるいはセラミックで作られる請求項１に記載の駆動ロッド。
3. 数バールの圧力下の誘電性ガスで絶縁される高電圧開閉装置であって、該開閉装置が、請求項１に記載の駆動ロッド（６）に連結された可動接触子（３）を含んでおり、環状のギャップ（１１）が、完全に閉鎖されて、前記開閉装置を絶縁するのに使用される前記誘電性ガスの圧力とは異なる圧力下の誘電性ガスで満たされている高電圧開閉装置。

Images