JP2021026840A - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁筒内部に付着した導電性異物を除去できるようにしたパッファ形ガス遮断器を提供する。【解決手段】絶縁ガスを充填する密閉容器1と、密閉容器1内に対向配置された固定側主接触子5及び可動側主接触子4と、固定側主接触子5及び可動側主接触子4の内側にそれぞれ同心円状に設けられた固定側アーク接触子2及び可動側アーク接触子3と、を備え、可動側中心導体18内側の操作ロッド部13外周上に固定したカバー10を設けることを特徴とする、パッファ形ガス遮断器。【選択図】 図1
Description
本発明は、パッファ形ガス遮断器に関する。
電力系統の変電所等においては遮断器が不可欠であるが、特に高電圧の電力系統においては優れた遮断性能が要求されるため、パッファ形ガス遮断器が用いられる。パッファ形ガス遮断器は、SF6ガス等の絶縁性ガスを封入した接地密閉容器内に、固定電極部と可動電極部とを接離自在に対向配置して収納し、遮断動作時に可動電極部と連動してガスを圧縮するパッファ部を備えたものである。かかる構成のパッファ形ガス遮断器は、遮断動作時に、パッファ部によって圧縮された絶縁性ガスを、固定電極部と可動電極部との間に点弧したアーク電流に強制的に吹き付けて消弧するため、高い遮断性能を得ることができる。
パッファ形ガス遮断器は、電流遮断時に遮断接点部の金属がアークによって溶融し金属異物を生じることがある。この導電性異物が接地密閉容器内を移動し、特に絶縁筒内側に付着することで、様々な要因から耐電性能を低下させ地絡に至ることがある。
このようなリスクを低減するために、特許文献1には、アーク発生時に遮断部で生じる導電性異物の絶縁筒への移動を阻止することで、絶縁性能の低下を防止するガス遮断器の発明が開示されている。
この特許文献1には、「可動側中心導体に、前記貫通孔よりも大きい形状を有し、前記操作ロッドを遊挿しつつ遮断動作により生じる前記操作ロッドの上下動に応じて上下動する封止部材を設けることにより、前記操作ロッドの周囲に形成される前記貫通孔の間隙を塞ぐようにした」と記載されている。
前記特許文献1には、アーク発生時に遮断部で生じる導電性異物の絶縁筒への移動を阻止するパッファ形ガス遮断器が記載されている。しかし、特許文献1に記載されたパッファ形ガス遮断器には、一度絶縁筒内側に流入した導電性異物を除去する構造がない。また、導電性異物の操作ロッドへの付着、導電性異物の封止部材の間隙からの流入等の要因により、導電性異物の絶縁筒への移動を完全には防止できない可能性がある。このため、絶縁筒に流入した導電性異物が蓄積し、絶縁性能の低下につながる可能性があった。
本発明の目的は、絶縁筒内部に付着した導電性異物を除去できるようにしたパッファ形ガス遮断器を提供することにある。
上記課題を解決するために、代表的な本発明のパッファ形ガス遮断器の一つは、絶縁ガスを充填する密閉容器と、前記密閉容器内に対向配置された固定側主接触子及び可動側主接触子と、前記固定側主接触子及び前記可動側主接触子の内側にそれぞれ同心円状に設けられた固定側アーク接触子及び可動側アーク接触子と、前記固定側主接触子及び前記固定側アーク接触子が電気的に接続する固定側中心導体と、前記可動側アーク接触子が先端に設けられたパッファシリンダと、前記パッファシリンダの内側に同心円状に設けられたパッファシャフトと、前記パッファシャフトと操作レバーを連結する操作ロッドと、前記パッファシリンダの外側に同心円状に設けられ、前記パッファシリンダと電気的に接続され、前記操作ロッドが貫通する貫通孔を有する可動側中心導体と、前記可動側中心導体を前記密閉容器内に固定し、前記可動側中心導体とほぼ同軸上に設けられた絶縁支持部材と、前記パッファシリンダと前記パッファシャフトで形成される空間の内面を摺動するパッファピストンとで構成され、前記可動側中心導体の内側の前記操作ロッド部外周上に固定したカバーを設けることを特徴とする。
本発明によれば、可動側導体内側の操作ロッド部にカバー構造を設けることで、電流遮断時のカバーの移動により加速された絶縁筒内部のガス流を利用して、絶縁筒内部の導電性異物を除去することができる。すなわち、導電性異物の絶縁筒内への滞留が防止され、絶縁筒内部を常に清浄な状態に維持することができるので、絶縁性能の低下を防止することができる。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
本実施例のパッファ式ガス遮断器を図面に基づいて説明する。図1に、本実施例のパッファ形ガス遮断器の投入状態を示す側面断面図を示す。
SF6ガス等の絶縁ガスを充填した密閉容器1内にそれぞれ環状の固定側主接触子5及び可動側主接触子4が対向して同一軸上に設けられる。固定側主接触子5の内側には同心円状に固定側アーク接触子2が設けられる。可動側主接触子4の内側には同心円状に可動側アーク接触子3が設けられる。
固定側主接触子5及び固定側アーク接触子2は、固定側中心導体17と電気的に接続される。可動側主接触子4及び可動側アーク接触子3は、パッファシリンダ7を介して可動側中心導体18と電気的に接続される。可動側中心導体18は絶縁筒11により密閉容器1内に保持される。可動側中心導体18と絶縁筒11は同心円状に構成するのが好ましい。
可動側アーク接触子3はパッファシリンダ7の先端に設けられる。パッファシリンダ7の内側にはパッファシャフト8が同心円状に設けられ、その間をパッファピストン9が摺動するように構成する。パッファシャフト8の一端はパッファシリンダ7に固定され、パッファシャフト8の他端は絶縁性の操作ロッド13に連結される。操作ロッド13と操作レバー12の接続点13aにおいて、操作ロッド13は操作レバー12を介して操作器(不図示)に連結される。これにより操作器(不図示)の駆動力が可動側に伝えられる。
絶縁ノズル6は、可動側主接触子4と可動側アーク接触子3の間にこれらと同心円状に設けられ、パッファ室19内で圧縮された絶縁ガスを固定側アーク接触子2及び可動側アーク接触子3間に生じたアークに吹き付けるように構成される。パッファ室19は、パッファシャフト8、パッファシリンダ7及びパッファピストン9により囲まれた空間として構成される。
カバー10は可動側中心導体18内側において、操作ロッド13の外周上に固定される。
絶縁筒11内側のガス流を加速する効果を大きくするため、カバー10は、凹状の構造とし、凹の面を可動側中心導体18の貫通孔18aに向ける。また、カバー10は貫通孔18aを塞ぐ大きさとし、貫通孔18aと遮断終了状態のカバー10の間の水平方向の間隙は極力小さくすることが好ましい。カバー10の材質は、高い耐熱性、電気絶縁性及び高い機械的強度を有するフッ素樹脂製とすることが好ましく、特に4フッ化エチレン樹脂製が好ましい。
絶縁筒11内側のガス流を加速する効果を大きくするため、カバー10は、凹状の構造とし、凹の面を可動側中心導体18の貫通孔18aに向ける。また、カバー10は貫通孔18aを塞ぐ大きさとし、貫通孔18aと遮断終了状態のカバー10の間の水平方向の間隙は極力小さくすることが好ましい。カバー10の材質は、高い耐熱性、電気絶縁性及び高い機械的強度を有するフッ素樹脂製とすることが好ましく、特に4フッ化エチレン樹脂製が好ましい。
次に、図1〜図3を参照して、本実施例に係るパッファ形ガス遮断器の遮断動作との関係でカバー10の効果を説明する。図1はパッファ形ガス遮断器の投入状態を示す側面断面図である。図2はパッファ形ガス遮断器の遮断途中状態(アーク発生時)を示す側面断面図である。図3はパッファ形ガス遮断器の遮断終了状態を示す側面断面図である。
図1のパッファ形ガス遮断器の投入状態から操作器(不図示)の駆動力により操作レバー12が紙面上の時計回りに回転し、操作ロッド13及び、操作ロッドに固定されているカバー10が右方向に移動する。遮断動作が進むと図2に示すアーク発生時に至る。
更に動作が進むと、操作ロッド13及び、操作ロッドに固定されているカバー10は更に右方向に移動し、図3の遮断完了状態に至る。
とりわけ、パッファ形ガス遮断器の遮断時にアークにより生じた導電性異物が、ガス流によりパッファシャフト8の排気孔8aを通り、操作ロッド13沿いに絶縁筒11内側に移動すると、導電性異物が絶縁筒11内側に付着して短絡事故につながるおそれがある。
そのため、本実施例では、可動側中心導体18内側において操作ロッド13外周上にカバー10を設けた構造とすることで、遮断動作時のカバー10の移動を利用して絶縁筒11内側のガス流を加速し、絶縁筒11内側に付着した導電性異物を絶縁筒11の外部に移動できるようにする。この時、カバー10を凹状の構造とし、凹の面を可動側中心導体18の貫通孔18aに向けることでガス流を加速する効果が大きくなり、絶縁筒11内側に付着した導電性異物を絶縁筒11の外部に効果的に移動できる。
本実施例のカバー10を、可動側中心導体18内側において操作ロッド13外周上に設けた構造とすることで、絶縁筒内部に付着した導電性異物を効果的に除去することができる。すなわち、導電性異物の絶縁筒内への滞留が防止され、絶縁筒内部を常に清浄な状態に維持することができるので、絶縁性能の低下を防止することができる。
これにより、簡易な構成を用いて耐電圧性能の低下による地絡等を防止し、信頼性の高いパッファ形ガス遮断器を提供することができる。
また遮断完了状態においてはカバー10は貫通孔18aを塞ぐ大きさとしているため導電性異物の絶縁筒内への侵入を効果的に防ぐことができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1:密閉容器
2:固定側アーク接触子
3:可動側アーク接触子
4:可動側主接触子
5:固定側主接触子
6:絶縁ノズル
7:パッファシリンダ
8:パッファシャフト
8a:排気孔
9:パッファピストン
10:カバー
11:絶縁筒
12:操作レバー
13:操作ロッド
13a:接続点
17:固定側中心導体
18:可動側中心導体
18a:貫通孔
19:パッファ室
2:固定側アーク接触子
3:可動側アーク接触子
4:可動側主接触子
5:固定側主接触子
6:絶縁ノズル
7:パッファシリンダ
8:パッファシャフト
8a:排気孔
9:パッファピストン
10:カバー
11:絶縁筒
12:操作レバー
13:操作ロッド
13a:接続点
17:固定側中心導体
18:可動側中心導体
18a:貫通孔
19:パッファ室
Claims (3)
- 絶縁ガスを充填する密閉容器と、前記密閉容器内に対向配置された固定側主接触子及び可動側主接触子と、前記固定側主接触子及び前記可動側主接触子の内側にそれぞれ同心円状に設けられた固定側アーク接触子及び可動側アーク接触子と、前記固定側主接触子及び前記固定側アーク接触子が電気的に接続する固定側中心導体と、前記可動側アーク接触子が先端に設けられたパッファシリンダと、前記パッファシリンダの内側に同心円状に設けられたパッファシャフトと、前記パッファシャフトと操作レバーを連結する操作ロッドと、前記パッファシリンダの外側に同心円状に設けられ、前記パッファシリンダと電気的に接続され、前記操作ロッドが貫通する貫通孔を有する可動側中心導体と、前記可動側中心導体を前記密閉容器内に固定し、前記可動側中心導体とほぼ同軸上に設けられた絶縁支持部材と、前記パッファシリンダと前記パッファシャフトで形成される空間の内面を摺動するパッファピストンとで構成され、
前記可動側中心導体の内側の前記操作ロッド部外周上に固定したカバーを設けることを特徴とする、パッファ形ガス遮断器。 - 請求項1に記載のパッファ形ガス遮断器において、
前記カバーの材質はフッ素樹脂製であることを特徴とする、パッファ形ガス遮断器。 - 請求項1又は2に記載のパッファ形ガス遮断器において、
前記カバーの形状は凹状とし、凹の面を前記可動側中心導体の貫通孔に向けることを特徴とする、パッファ形ガス遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019141949A JP2021026840A (ja) | 2019-08-01 | 2019-08-01 | パッファ形ガス遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019141949A JP2021026840A (ja) | 2019-08-01 | 2019-08-01 | パッファ形ガス遮断器 |
Publications (1)
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JP2021026840A true JP2021026840A (ja) | 2021-02-22 |
Family
ID=74663971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019141949A Pending JP2021026840A (ja) | 2019-08-01 | 2019-08-01 | パッファ形ガス遮断器 |
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Country | Link |
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2019
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