JP4786804B2 - 炭化水素類の酸化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素類の酸化方法に関し、より詳しくは、特定の触媒の存在下、分子状酸素を用いて炭化水素類を酸化する酸化方法および当該酸化方法により炭化水素類を酸化し、アルコール、ケトン、アルデヒド、エポキサイドなどの含酸素化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭化水素類、例えば飽和炭化水素を分子状酸素により酸化してアルコール、ケトンなどの含酸素化合物を製造する場合、ナフテン酸コバルトのような可溶性のコバルト化合物やメタホウ酸などのホウ素系化合物が触媒として用いられている。
【0003】
しかし、例えばナフテン酸コバルトのような可溶性のコバルト化合物は、反応過程で沈澱が生成し、触媒が失活するという欠点があった。また、ホウ素系化合物を触媒とする場合は、エステル型中間体を経由するためホウ素系化合物の使用量が多いのみならず、触媒の循環再利用をする場合は工程数が増えるという欠点があった。更に、可溶性の触媒の例としては、N−ヒドロキシフタルイミドを触媒とする酸化法もあるが(有機合成化学協会誌、第57巻第1号、第24頁、1999)、この化合物は高価であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、比較的安価な触媒を用いながら、効率よく分子状酸素により各種の炭化水素類を酸化する方法の提供を課題とするものであり、更には、当該酸化反応により、アルコール、ケトン、アルデヒド、エポキサイドなどの含酸素化合物を効率よく製造する方法の提供をその課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、炭化水素類の分子状酸素による酸化方法において、触媒として固体のバナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩を用いることによって、広範な炭化水素類が酸化でき、その結果各種の含酸素化合物を効率的に製造することができ、しかも触媒の分離、再使用も容易であることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は、炭化水素類を、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化することを特徴とする炭化水素類の酸化方法を提供するものである。
【0007】
また本発明は、炭化水素類を、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化することを特徴とする含酸素化合物の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
本発明において、原料として用いられる炭化水素類の例としては、飽和及び不飽和の鎖状炭化水素類(但し、ブタンを除く)、飽和及び不飽和の環式炭化水素類、アルキル置換芳香族炭化水素類、又はアルキルフェノール類が挙げられる。
【0009】
これらの炭化水素類のうち、鎖状炭化水素類としては、直鎖状のものであっても、また、分岐鎖状のものであってもよい。飽和の鎖状炭化水素類の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカンなどが挙げられ、不飽和の鎖状炭化水素類の具体例としては、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなどが挙げられる。
【0010】
また、飽和の環式炭化水素類の具体例としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン、インダン、ビシクロオクタン、トリシクロデカン、アダマンタンなどが挙げられ、不飽和の環式炭化水素類の具体例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、インデン、フルオレン、ピネン、ビニルシクロヘキセン、ノルボルネンなどが挙げられる。
【0011】
更に、アルキル置換芳香族炭化水素類の具体例としては、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、p−キシレン、ジエチルベンゼンなどが挙げられ、アルキルフェノール類の具体例としては、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAなどが挙げられる。
【0012】
一方、本発明の反応に用いられる分子状酸素としては、高純度の酸素ガスや空気はもちろん、高純度の酸素ガスや空気を窒素、ヘリウム、アルゴン、メタンなどで希釈した混合ガス等を例示することができる。
【0013】
更に、本発明の反応において触媒成分として用いられるバナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩は、アルミニウムリン酸塩のアルミニウム原子の一部がバナジウム原子で置換されたものである。
【0014】
この触媒成分の元となるアルミニウムリン酸塩(基本形)は、アルミニウム原子、リン原子及び酸素原子を主成分とするアルミニウムリン酸塩、もしくはアルミニウム原子、リン原子及び酸素原子に加えて、ケイ素原子又はマグネシウム原子を含むアルミニウムリン酸塩である。そして、アルミニウム原子、リン原子及び酸素原子を主成分とするアルミニウムリン酸塩は、一般にAlPO−m(mは整数で化合物の結晶タイプを表す)で表示され、アルミニウム原子、リン原子及び酸素原子の比率は、ほぼ1:1:4である。また、アルミニウム原子、リン原子又は酸素原子に加えて、ケイ素原子又はマグネシウム原子を含むアルミニウムリン酸塩は、一般にSAlPO−n又はMAlPO−n(nは整数で化合物の結晶タイプを表す)で表示され、アルミニウム原子の一部がケイ素原子又はマグネシウム原子によって置換された化合物である。そして、アルミニウム原子とケイ素原子又はマグネシウム原子の和、リン原子及び酸素原子の比率は、ほぼ1:1:4である。
【0015】
また、アルミニウムリン酸塩に含まれるバナジウム原子の量は、バナジウム原子とアルミニウム原子の総量に対するバナジウム原子の量の割合で、0.01〜20モル%、好ましくは0.1〜10モル%である。バナジウム原子の量が、この上限を越えて含まれると、触媒の熱安定性や結晶性などが悪くなり、この下限未満では、十分な触媒活性が得られない。
【0016】
本発明で使用する、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩は、上記のように基本形であるアルミニウムリン酸塩のアルミニウム原子の一部がバナジウム原子で置換されたものである。従って、バナジウム原子がアルミウニウムリン酸塩に単に物理的に付着しているものとは明確に区別する必要がある。
【0017】
上記のバナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩は、例えば、適当なアルミニウム塩、リン酸塩およびバナジウム塩並びに必要によりケイ酸塩およびマグネシウム塩を適切な比率で混合し、これをアルミニウムリン酸塩製造の常法に従い、水熱反応に付すことにより合成される。
【0018】
本発明で使用されるバジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩は、多孔質体で、一種のモレキュラーシーブである。このものの結晶構造としては無定形に近いものから結晶性のものまで存在する。そして、これらのバナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩は、いずれも触媒として使用できる。中でも、結晶性で、細孔経が3〜10オングストロームの多孔質体が、各種の炭化水素類への適用性、触媒活性、目的生成物の選択性あるいは触媒の熱安定性の点で好ましい。
【0019】
本発明の酸化反応は、上記したアルミニウムリン酸塩を触媒として実施されるが、その反応は、一般に液相法で回分式(バッチ式)または連続式で実施できる。反応器の形式としては、気泡塔、攪拌式、流通式、攪拌流通式などの形式のいずれも採用できる。
【0020】
反応条件は、炭化水素類の種類にもよるが、一般に反応温度は30〜200℃、好ましくは50℃〜150℃で実施される。この下限より低いと十分な活性が得られず、この上限より高いと副生成物や分解物が多くなる。また、反応圧力は、常圧〜10MPa、好ましくは0.5〜5MPaである。
【0021】
本発明の酸化反応においては、反応時に添加剤を添加することができ、それによって選択性が改良される場合が多い。添加剤としては、例えば、水、ピリジン、フッ素化炭化水素類、過酸化水素、有機過酸化物類が好ましく、特に水、ピリジン、過酸化水素、パーフロロオクタンなどのフッ素化炭化水素が好ましい。これらの添加剤は、重量基準で遷移金属原子を含むアルミニウムリン酸塩に対して1/100倍から50倍、特に1/10倍から30倍添加することが好ましい。
【0022】
また、反応原料である炭化水素類は、溶媒で希釈して反応させることができる。使用できる溶媒としては、酸化されにくいベンゼンなどが好ましい。
【0023】
以上のようにして行われる本発明の酸化方法により、炭化水素類は含酸素化合物へ酸化される。例えば、飽和の鎖状炭化水素類からは、含酸素化合物として、主にアルカノール類やアルカノン類が、不飽和の鎖状炭化水素類からは、主にアリル位がヒドロキシル基やカルボニル基に酸化されたアルケノール類、アルケノン類、あるいはエポキサイド類が得られる。また、飽和の環式炭化水素類からは、含酸素化合物として、主にシクロアルカノール類やシクロアルカノン類が、不飽和の環式炭化水素類からは、主にシクロアルケノール、シクロアルケノンあるいはエポキサイド類が得られる。更に、アルキル置換芳香族炭化水素類からは、含酸素化合物として、主にベンジル位がヒドロキシル基やカルボニル基に酸化された芳香族アルコール類や芳香族ケトンが得られ、また、アルキルフェノール類からは、主にベンジル位がヒドロキシル基やカルボニル基に酸化されたフェノール類が得られる。
【0024】
以上のように、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下で、分子状酸素により炭化水素類を酸化し、対応する含酸素化合物を製造することができるが、この反応で用いる上記の触媒は固体であるため、反応後、遠心分離や濾過により容易に分離することができ、回収して再使用することが容易である。また、塔式反応器に触媒を充填し、固定床として使用した場合、塔内の触媒を加熱燃焼することによって活性化し、再使用することもできる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、反応の原料炭化水素及び反応生成物は、ガスクロマトグラフィーにより同定ならびに定量を行った。また、原料炭化水素の転化率及び生成物の選択率は下記の方法で求めた。
【0026】
(1)炭化水素の転化率
炭化水素の転化率は、炭化水素の未反応量を測定し、下記の計算法により算出した。
【0027】
【式1】
Figure 0004786804
【0028】
(2)目的生成物の選択率
目的生成物の選択率は、下記の計算方法により算出した。
【0029】
【式2】
Figure 0004786804
【0030】
参 考 例 1
触媒の調製:
テフロン製1500ml容器に、オルトリン酸(85%、和光純薬製)を27.3g、アルミニウムイソプロポキシド(和光純薬製)を56.68g取り、1時間よく混合した。次いでメタノール150mlを加えて3時間混合し、カタロイドシリカ8.33gを加えて3時間攪拌した。続いてテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10%、東京化成製)20.4gを加えて3時間攪拌し、さらに硫酸バナジル水和物(4水和物)3.28gを加えて1時間攪拌した。
【0031】
得られた溶液をオートクレーブ容器内に移し、210℃で40時間水熱合成を行った。水熱合成後、生成した固形分を水洗、濾過を繰り返して十分洗浄した後、70℃で18時間乾燥した。その後、空気雰囲気下、500℃で5時間焼成した。
【0032】
得られた粉体をX線回折法により分析した結果、バナジウム酸化物および金属バナジウムに起因するピークは確認されず、ケイ素含有アルミニウムリン酸塩の1種であるSAlPO−34の回折パターンと一致した。また、ICP発光分析法により分析したバナジウム(V)含有量は、4.8モル%(Vモル数/(Vモル数+Alモル数)であることがわかった。
【0033】
実 施 例 1
プロピレンの酸化:
容積50mlの誘導攪拌子を備えたステンレス製オートクレーブに、参考例1で製造した触媒を60mg、溶媒としてベンゼンを5g、プロピレンを6g入れ、オイルバス上で100℃まで昇温させた。酸素ガスを加えて4MPaに昇圧し、攪拌しながら24時間反応を行った。反応後、オートクレーブの内容物を−70℃のドライアイス−メタノール浴でトラップすることによって残存酸素ガスを除去した。次いで2℃の氷−エタノール浴中にトラップすることによって未反応のプロピレンを揮発させて除去した。更に、氷−エタノール浴中にトラップされた成分を回収してガスクロマトグラフィーにより生成物の分析を行った。
【0034】
得られた生成物はプロピレンオキサイドの他、アリルアルコール、アセトン、酢酸などを含む混合物であった。分析値より算出したプロピレンの転化率は5.3%であり、プロピレンオキサイドの選択率は41%であった。
【0035】
実 施 例 2
1−オクテンの酸化:
オートクレーブに参考例1で製造した触媒を100mg、1−オクテンを10g入れ、オイルバス上で100℃に昇温後、酸素ガスで2MPaに加圧して5時間反応を行い、室温に冷却後、反応器内の酸素ガスを少しずつ放出し、得られた生成物の分析を実施例1と同様に行った。
【0036】
得られた生成物はオクテンオキサイドの他、1−オクテン−3−オールや1−オクテン−3−オンなどを含む混合物であった。分析値より1−オクテンの転化率は9.5%であり、オクテンオキサイドの選択率は29%であった。
【0037】
実 施 例 3
シクロペンテンの酸化:
オートクレーブに参考例1で製造した触媒を100mg、シクロペンテンを10g入れ、オイルバス上で130℃に昇温後、酸素ガスで2MPaに加圧して5時間反応を行い、室温に冷却後、氷−エタノール浴を介して酸素ガスを少しずつ放出し、反応器内の生成物に氷−エタノール浴にトラップされた生成物を加えたものの分析を実施例1と同様に行った。
【0038】
得られた生成物はシクロペンテンオキサイドの他、2−シクロペンテン−1−オール、2−シクロペンテン−1−オンなどを含む混合物であった。分析値よりシクロペンテンの転化率は9.0%であり、生成物の選択率はそれぞれ、シクロペンテンオキサイド30%、2−シクロペンテン−1−オール15%、2−シクロペンテン−1−オン17%であった。
【0039】
実 施 例 4
シクロヘキセンの酸化:
原料をシクロヘキセンに代えた以外は、実施例3と同様に反応と分析を行った。
【0040】
得られた生成物は、シクロヘキセンオキサイド、2−シクロヘキセン−1−オール、2−シクロヘキセン−1−オンなどの混合物であった。分析値よりシクロヘキセンの転化率は8.9%であり、生成物の選択率はそれぞれ、シクロヘキセンオキサイド38%、2−シクロヘキセン−1−オール19%、2−シクロヘキセン−1−オン22%であった。
【0041】
実 施 例 5
ノルボルネンの酸化:
原料をノルボルネンに代えた以外は、実施例3と同様に反応と分析を行った。
【0042】
得られた生成物は、ノルボルネン、2−ノルボルネン−1−オールなどの混合物であった。分析値よりノルボルネンの転化率は14.5%であり、ノルボルネンオキサイドの選択率は61%であった。
【0043】
実 施 例 6
n−ペンタンの酸化:
オートクレーブに参考例1で製造した触媒を100mg、n−ペンタンを10gを入れ、オイルバスで100℃に昇温後、酸素ガスで2MPaに加圧して24時間反応を行い、実施例3と同様に生成物について分析を行った。
【0044】
得られた生成物は、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノールなどのアルコール類および2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類などの混合物であった。分析値よりn−ペンタンの転化率は6.7%であり、生成物の選択率はそれぞれ、アルコール類21%、ケトン類38%であった。
【0045】
実 施 例 7
シクロヘキサンの酸化:
オートクレーブに参考例1で製造した触媒を100mg、シクロヘキサンを10g入れ、オイルバス上で130℃に昇温後、酸素ガスで2MPaに加圧して24時間反応を行い、実施例3と同様に生成物について分析を行った。
【0046】
得られた生成物は、シクロヘキサノール、シクロヘキサノンなどの混合物であった。分析値よりシクロヘキサンの転化率は5.8%であり、生成物の選択率はそれぞれ、シクロヘキサノール39%、シクロヘキサノン46.9%であった。
【0047】
実 施 例 8
メチルシクロペンタンの酸化:
原料をメチルシクロペンタンに代えた以外は、実施例7と同様に反応と分析を行った。
【0048】
得られた生成物は、1−メチルシクロペンタノール、2−メチルシクロペンタノール、3−メチルシクロペンタノールなどのアルコール類および2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノンなどのケトン類などの混合物であった。分析値よりメチルシクロペンタンの転化率は8.7%であり、生成物の選択率はそれぞれ、アルコール類48.5%、ケトン類37.7%であった。
【0049】
実 施 例 9
デカリンの酸化:
原料をデカリンに代えた以外は、実施例7と同様に反応と分析を行った。
【0050】
得られた生成物は、1−デカロール、2−デカロール、3−デカロールなどのアルコール類および1−デカロン、2−デカロンなどのケトン類などの混合物であった。分析値よりデカリンの転化率は10.1%であり、生成物の選択率はそれぞれ、アルコール類42%、ケトン類38.5%であった。
【0051】
実 施 例 10
トリシクロデカンの酸化:
原料をトリシクロデカンに代えた以外は、実施例7と同様に反応と分析を行った。
【0052】
得られた生成物は、トリシクロデカン環にヒドロキシル基1個及びカルボニル基1個を含む化合物、モノアルコール化合物、モノケトン化合物などの混合物であった。分析値よりトリシクロデカンの転化率は11%であり、生成物の選択率は、トリシクロデカン環にヒドロキシル基1個及びカルボニル基1個を含む化合物38.1%、モノアルコール化合物23.6%、モノケトン化合物16.4%であった。
【0053】
実 施 例 11
トルエンの酸化:
オートクレーブに参考例1で製造した触媒を100mg、トルエンを10g入れ、オイルバス上で150℃に昇温後、酸素ガスで2MPaに加圧して24時間反応を行い、実施例3と同様に生成物について分析を行った。
【0054】
得られた生成物は、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコールなどの混合物であった。分析値よりトルエンの転化率は8.8%であり、生成物の選択率はそれぞれ、ベンズアルデヒド91.3%、ベンジルアルコール5%であった。
【0055】
実 施 例 12
p−キシレンの酸化:
原料をp−キシレンに代えた以外は、実施例11と同様に反応と分析を行った。
【0056】
得られた生成物は、トリルアルデヒドなどであった。分析値よりp−キシレンの転化率は4.1%であり、トリルアルデヒドの選択率は95%であった。
【0057】
実 施 例 13
p−エチルフェノールの酸化:
原料をp−エチルフェノールに代えた以外は、実施例11と同様に反応と分析を行った。
【0058】
得られた生成物は、4−ヒドロキシアセトフェノンなどであった。分析値よりp−エチルフェノールの転化率は3.2%であり、4−ヒドロキシアセトフェノンの選択率は43%であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩を触媒として用いることによって、広範な炭化水素類が酸化でき、その結果各種の含酸素化合物を効率的に製造することができる。しかも上記触媒は固体であるため、反応系からの触媒の分離や、その再生、再使用が容易であるため、含酸素化合物の経済的製造法として利用しうるものである。
以 上

Claims (10)

  1. 炭化水素類を、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化する炭化水素類の酸化方法であって、
    炭化水素類が飽和及び不飽和の鎖状炭化水素類(但し、ブタンを除く)、飽和及び不飽和の環式炭化水素類、アルキル置換芳香族炭化水素類からなる群から選択される炭化水素類であり、
    触媒中でバナジウム原子は、アルミニウムリン酸塩中のアルミニウム原子の一部を置換した状態で存在し、
    かつ、触媒中のバナジウム原子の量が、バナジウム原子とアルミニウム原子の総量に対して0.01〜20モル%の範囲である
    ことを特徴とする炭化水素類の酸化方法。
  2. 反応温度が、30〜200℃である請求項第1項記載の炭化水素類の酸化方法。
  3. アルミニウムリン酸塩が、アルミニウム原子、リン原子及び酸素原子からなるAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩、又はこれら原子の他にケイ素原子を含むSAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩又はマグネシウム原子を含むMAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩である請求項第1項または第2項記載の炭化水素類の酸化方法。
  4. アルキルフェノール類を、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化して、ベンジル位にヒドロキシル基またはカルボニル基を導入するアルキルフェノール類の酸化方法であって、
    触媒中でバナジウム原子は、アルミニウムリン酸塩中のアルミニウム原子の一部を置換した状態で存在し、
    かつ、触媒中のバナジウム原子の量が、バナジウム原子とアルミニウム原子の総量に対して0.01〜20モル%の範囲である、
    ことを特徴とするアルキルフェノール類の酸化方法。
  5. 30〜200℃の反応温度で反応させることを特徴とする請求項第4項記載のアルキルフェノール類の酸化方法。
  6. アルミニウムリン酸塩が、アルミニウム原子、リン原子及び酸素原子からなるAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩か、又はこれら原子の他にケイ素原子を含むSAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩又はマグネシウム原子を含むMAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩である請求項第4項または第5項記載のアルキルフェノール類の酸化方法。
  7. 炭化水素類を、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化する、当該炭化水素類から得られる含酸素化合物の製造方法であって、
    炭化水素類が、飽和及び不飽和の鎖状炭化水素類(但し、ブタンを除く)、飽和及び不飽和の環式炭化水素類、アルキル置換芳香族炭化水素類からなる群から選択される炭化水素類であり、
    触媒中でバナジウム原子は、アルミニウムリン酸塩中のアルミニウム原子の一部を置換した状態で存在し、
    かつ、置換された状態でのバナジウム原子の量が、バナジウム原子とアルミニウム原子の総量に対して0.01〜20モル%の範囲である
    ことを特徴とする含酸素化合物の製造方法。
  8. アルキルフェノール類を、バナジウム原子を含むアルミニウムリン酸塩からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化して、ベンジル位がヒドロキシル基またはカルボニル基に酸化された含酸素化合物を製造する方法であって、
    触媒中でバナジウム原子は、アルミニウムリン酸塩中のアルミニウム原子の一部を置換した状態で存在し、
    かつ、置換された状態でのバナジウム原子の量が、バナジウム原子とアルミニウム原子の総量に対して0.01〜20モル%の範囲である
    ことを特徴とする含酸素化合物の製造方法。
  9. 30〜200℃の反応温度で反応させることを特徴とする請求項第7項または第8項記載の含酸素化合物の製造方法。
  10. アルミニウムリン酸塩が、アルミニウム原子、リン原子及び酸素原子からなるAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩か、又はこれら原子の他にケイ素原子を含むSAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩又はマグネシウム原子を含むMAlPOタイプのアルミニウムリン酸塩である請求項第7項ないし第9項の何れかの項記載の含酸素化合物の製造方法。
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