JP4785957B2 - ビデオ信号前処理方法,ビデオ信号前処理装置およびビデオ信号前処理プログラム - Google Patents
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Description
(i)U,Vそれぞれ水平方向に1/2に間引いた所謂4:2:2信号(RGB比容量1/2),
(ii)U,Vそれぞれ水平垂直各方向に1/2に間引いた所謂4:2:0信号(RGB比容量2/3),
(iii) U,Vそれぞれ水平方向に1/4に間引いた所謂4:1:1信号(RGB比容量2/3),
のように積極的に情報量を削減することが広くなされている。
本発明者が行った心理物理実験の結果,人間が目および脳で知覚する動きには,以下のような性質があることがわかった。
この関連発明に係るビデオ信号前処理方法は,上記知覚特性1に鑑み,YUV変換されたビデオ信号のU成分(色差空間の青−黄方向に対応)に,時間的な一次元LPFを施すものである。
U'(x,y,t)=(1/4) U(x,y,t-1) +(1/2) U(x,y,t) +(1/4) U(x,y,t+1)
のように求める。
この関連発明に係るビデオ信号前処理方法は,上記知覚特性1に鑑み,YUV変換されたビデオ信号のU成分に,空間的な二次元LPFを施すものである。
1/16 1/8 1/16
1/8 1/4 1/8
1/16 1/8 1/16
が挙げられる。このフィルタを,同一フレームの隣接空間位置において施していく。
U'(x,y,t)=(1/16)U(x-1,y-1,t) +(1/8) U(x,y-1,t) +(1/16)U(x+1,y-1,t) +
(1/8) U(x-1,y,t) +(1/4) U(x,y,t) +(1/8) U(x+1,y,t) +
(1/16)U(x-1,y+1,t) +(1/8) U(x,y+1,t) +(1/16)U(x+1,y+1,t)
のように求める。
この関連発明に係るビデオ信号前処理方法は,上記知覚特性2に鑑み,YUV変換されたビデオ信号のY,U,V各成分に,時間的な一次元BEFを施すものである。
Y'(x,y,t)=0.3 Y(x,y,t-2) +0.4 Y(x,y,t) +0.3 Y(x,y,t+2)
のように求める。
この関連発明に係るビデオ信号前処理方法は,上記知覚特性2に鑑み,YUV変換されたビデオ信号のY,U,V各成分に,空間的な二次元BEFを施すものである。
O.09 0 0.12 0 0.09
0 0 0 0 0
O.12 0 0.16 0 0.12
0 0 0 0 0
O.09 0 0.12 0 0.09
が挙げられる。このフィルタを,同一フレームの隣接空間位置において施していく。
Y'(x,y,t)=0.09Y(x-2,y-2,t) +0.12Y(x,y-2,t) +0.09Y(x+2,y-2,t) +
0.12Y(x-2,y,t) +0.16Y(x,y,t) +0.12Y(x+2,y,t) +
0.09Y(x-2,y+2,t) +0.12Y(x,y+2,t) +0.09Y(x+2,y+2,t)
のように求める。
この関連発明に係るビデオ信号前処理方法は,上記知覚特性3に鑑み,YUV変換されたビデオ信号のY成分に,時間的HPF(但し直流は保存)を施すものである。
Y'(x,y,t)=−(1/2) Y(x,y,t-1) +Y(x,y,t) −(1/2) Y(x,y,t+1)
のように求める。
第二項が原信号の直流に相当する。Nはフレーム枚数である。
この発明に係るビデオ信号前処理方法は,上記第1〜第5の関連発明に係るビデオ信号前処理方法のいずれか複数を組み合わせて輝度色差分離型ビデオ信号の一部帯域を減衰させる。どのビデオ信号前処理方法を組み合わせて適用するかについては,あらかじめ固定的に定めておいてもよく,また,その都度ユーザに選択させる方法を用いてもよい。
時間フィルタを施した映像における運動の鮮明化現象を図6に示す。実験は,映像数=12,被験者数=14で行った。この実験から,以下のような知見が得られた。図6に示されるように,時間低周波数成分(時間的LPF)において鮮明化が生じることがわかった。また,時間高周波数成分のみを持つ映像(時間的HPF)はぼけるが,両者の相互作用により,時間的BEF映像では強い鮮明化が生じることが確認できた。なお,この実験における時間的LPFの遮断周波数は2Hzであり,時間的HPFの遮断周波数は6Hzである(時間的BEFの低域遮断周波数・高域遮断周波数は,それぞれ2Hz・6Hz)。
空間フィルタを施した映像における運動の鮮明化現象を図7に示す。実験は,映像数=12,被験者数=14で行った。この実験から,以下のような知見が得られた。図7に示されるように,低空間周波数成分(空間的LPF)が鮮明化を引き起こす。また,高空間周波数成分のみを持つ映像(空間的HPF)はぼけるが,低空間周波数成分を足し合わせた空間的BEF映像においては,両者の相互作用により,鮮明化の量が増すことが確認できた。なお,この実験における空間的LPFの遮断周波数は3cycles/imageであり,空間的HPFの遮断周波数は8cycles/imageである(空間的BEFの低域遮断周波数・高域遮断周波数は,それぞれ3cycles/image・8cycles/image)。
視覚刺激を調べるために以下のような映像を用意した。
・映像A:輝度信号に時間的HPF(遮断周波数=5Hz,ただし直流成分を残す)のフ ィルタをかけた映像
・映像B:色差のみの映像(フィルタ処理なし)
・映像A&B:映像Aと映像Bの合成映像
被験者に,これらの映像A,映像B,合成映像A&Bを,「順送り」あるいは「逆送り」で短時間(0.5秒〜4.0秒)提示し,その順/逆のいずれかを当てさせるという実験を,映像数=12,被験者数=5で行った。
[参考文献]S.M.Wuerger et al.: "The integration of auditory and visual motion signals at threshold", Perception & Psychophysics, Vol.65, No.8, pp.1188-1196, 2003.
これらの実験結果から,次の知見が得られた。
・時間的HPFを輝度成分に施した映像Aの運動方向の判断は,色成分の映像Bを付け足すと向上する(図8参照)。
・映像Aと映像Bの個々の成分の正答率の確率加重よりも,合成映像A&Bの正答率が上回った(図9参照)。
2 CPU
3 メモリ(RAM)
4 デジタルフィルタ部
5 出力手段
6 フィルタ情報記憶部
7 プログラム記憶部
8 バス線
10 信号処理制御プログラム
11a,11b,11c,… 信号処理プログラム
Claims (3)
- 輝度信号と青−黄成分の色差信号と赤−緑成分の色差信号からなる輝度色差分離型ビデオ信号を入力とし,後段での符号化を前提とした前処理を該入力信号に施すビデオ信号前処理方法であって,
輝度色差分離型ビデオ信号を入力するステップと,
入力した輝度色差分離型ビデオ信号に対してフィルタを適用する前処理を施す前処理ステップと,
入力と同形式の上記前処理を施した後の輝度色差分離型ビデオ信号を出力するステップとを有し,
上記前処理ステップは,
フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる色差信号のうち,青−黄成分に対して遮断周波数が2±0.5ヘルツの時間的低域通過フィルタを施すステップ,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる色差信号のうち,青−黄成分に対して遮断周波数が3±0.9サイクル/イメージの空間的低域通過フィルタを施すステップ,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度・色差各信号に,低域遮断周波数が2±0.5ヘルツ,高域遮断周波数が6±0.5ヘルツの時間的バンド抑圧フィルタを施すステップ,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度・色差各信号に,低域遮断周波数が3±0.9サイクル/イメージ,高域遮断周波数が8±0.9サイクル/イメージの空間的バンド抑圧フィルタを施すステップ,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度信号に,遮断周波数が4ヘルツから6ヘルツの時間的高域通過フィルタを施し,該フィルタを施した信号に,上記フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度信号から得た時間的直流成分を重畳するステップのうち,
少なくともいずれか複数のステップを組み合わせたものである
ことを特徴とするビデオ信号前処理方法。 - 輝度信号と青−黄成分の色差信号と赤−緑成分の色差信号からなる輝度色差分離型ビデオ信号を入力とし,後段での符号化を前提とした前処理を該入力信号に施すビデオ信号前処理装置であって,
輝度色差分離型ビデオ信号を入力する手段と,
入力した輝度色差分離型ビデオ信号に対してフィルタを適用する前処理を施す前処理手段と,
入力と同形式の上記前処理を施した後の輝度色差分離型ビデオ信号を出力する出力手段とを備え,
上記前処理手段は,
フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる色差信号のうち,青−黄成分に対して遮断周波数が2±0.5ヘルツの時間的低域通過フィルタを施す手段,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる色差信号のうち,青−黄成分に対して遮断周波数が3±0.9サイクル/イメージの空間的低域通過フィルタを施す手段,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度・色差各信号に,低域遮断周波数が2±0.5ヘルツ,高域遮断周波数が6±0.5ヘルツの時間的バンド抑圧フィルタを施す手段,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度・色差各信号に,低域遮断周波数が3±0.9サイクル/イメージ,高域遮断周波数が8±0.9サイクル/イメージの空間的バンド抑圧フィルタを施す手段,
および,フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度信号に,遮断周波数が4ヘルツから6ヘルツの時間的高域通過フィルタを施し,該フィルタを施した信号に,上記フィルタ処理対象となる輝度色差分離型ビデオ信号に含まれる輝度信号から得た時間的直流成分を重畳する手段のうち,
少なくともいずれか複数の手段を組み合わせたものである
ことを特徴とするビデオ信号前処理装置。 - 請求項1に記載のビデオ信号前処理方法をコンピュータに実行させるためのビデオ信号前処理プログラム。
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