JP4782347B2 - 気体及び液体炭化水素流からの硫黄化合物の除去方法 - Google Patents

気体及び液体炭化水素流からの硫黄化合物の除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の簡単な説明
本発明は気体もしくは液体フィード流、特に、天然ガス及び精製プロセス流、などの炭化水素流、窒素ガス流及び他のフィード流から、硫黄化合物を除去するのに有効な方法に関する。より詳細には、本発明は酸化状態が−2である硫黄を含む硫黄化合物を、これらの硫黄不純物を含有するフィード流から除去するための再生可能な吸収剤を用いた方法に関する。
【0002】
発明の背景
天然ガス及び精製プロセス流などの炭化水素流は広範な不純物を含み、そのような不純物は健康及び/又は環境上の安全性及び/又はプロセス操作性又は信頼性などの種々の理由のために除去される。これらの流れの中に存在する不純物には、硫黄化合物、特に、還元された硫黄化合物、例えば、硫化水素(HS)、メルカプタン(一般にR−SH化合物として示される)、ジアルキルスルフィド(一般にR−S−R化合物として示される)、カルボニルスルフィド(COS)、二硫化炭素(CS)及びチオフェンなどがある。これらの化合物の全ては酸化状態が−2である硫黄を含む。これらの流れの中に通常に含まれそして上記の1つ以上の理由で除去される他の不純物は、HO、N及びCOを含む。
【0003】
炭化水素流から硫黄含有不純物を除去するための幾つかの方法が知られている。これらの方法はサワー炭化水素流のスウィートニング方法と一般に呼ばれている。
【0004】
米国特許第3,449,239号明細書はサワー炭化水素流をスウィートニング試薬、空気及びピペラジンなどのジアジンと接触させる方法を開示している。適切なスウィートニング試薬は、金属フタロシアニン触媒(例えば、コバルトフタロシアニンもしくはコバルトフタロシアニンジスルホネート)とともに水性カセイアルカリ溶液及びメタノールを含むものとして開示されている。開示によると、スウィートニング反応は酸化反応によりメルカプタンをジアルキルジスルフィドに転化させ、その後、ジスルフィドを流れから除去することを含む。ジアルキルスルフィドはジアルキルジスルフィドに転化されえず、このため、この方法によって有効に除去されえないことは注意されるべきである。
【0005】
米国特許第4,336,233号明細書は天然ガス、コーク−オブンガス、石炭のガス化から生じるガスおよび合成ガスを、特定の量のピペラジンを含む水溶液、又は物理もしくは化学溶剤中の特定の量のピペラジンで洗浄する方法を開示している。特定の濃度のピペラジンの使用はHS,CO及びCOSなどの硫黄不純物を除去することを目的とすることが報告されている。開示されている物理溶剤には、ポリエチレングリコールのジアルキルエーテルの混合物(例えば、Union Carbide Corporation, Danbury, CTから入手可能なSELEXOL溶剤)が含まれる。好ましい化学溶剤はモノアルカノールアミンである。’233号特許の記載によると、COSはプロセスから部分的にのみ除去されうる。より完全な除去を行うためには、COSは最初に水素化により、より容易に除去されうる化合物(CO及びHS)に転化されなければならない。これらの硫黄化合物は、その後、溶剤吸収により除去される。
【0006】
米国特許第4,553,984号、同第4,537,753号及び同第4,997,630号明細書も気体からCO及びHSを除去するための方法を開示している。それぞれの特許はメチルジエチラノールアミンを含有する水性吸収液体で気体を処理することによりCO及びHSを除去することを開示している。吸収されたHS及びCOは、その後、1段以上のフラッシングステージ及び/又はスチームストリッピングタワー中で吸収剤から除去される。
【0007】
上記のとおり、硫黄不純物を含む液体流も硫黄不純物を低減し又はなくそうとする処理に付される。1つのこのような方法は米国特許第5,582,714号明細書に開示されている。’714号特許は、例えば、分子量が400未満であるポリアルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールエーテルを用いることにより、FCC(流動接触分解)ガソリンなどの石油画分中の硫黄含有分を低減するための方法を開示している。この方法は、炭化水素流を溶剤で処理して、硫黄の少ない炭化水素相と硫黄の多い溶剤相とを生じさせること、溶剤から硫黄含有不純物をストリッピングすること、ストリッピングされた硫黄含有流を硫黄に富む成分と水性相とに分離すること、硫黄の少ない炭化水素相を前記水性相で洗浄して硫黄の少ない炭化水素相から溶剤を除去すること、及び、その後、洗浄された溶剤を処理工程に戻すことの工程を必要とする。
【0008】
’714号特許と同様に、米国特許第5,689,033号明細書は液体炭化水素フィードストック中の不純物を低減するための方法に関する。より詳細には、’033号特許に開示されている方法は、リーン溶剤、例えば、ジエチレン及び/又はトリエチレングリコール、特定のブタングリコール及び/又は水、或いはこれらの溶剤の混合物を用いて、硫黄化合物、酸素化物及び/又はC4〜C6画分のオレフィンを除去することを含む。その後、除去された化合物は不純物が多い溶剤流からストリッピングされる。
【0009】
これらの従来技術の方法は炭化水素フィード流中の硫黄含有化合物の含有分をある程度低減するが、各々の方法は有意な欠点を示す。水性アルカノールアミン及びカセイアルカリなどの溶剤はブロンステッド酸/塩基反応を基礎として作用し、ジアルキルスルフィドを効率的に除去できず、そしてCOを除去することができず、このような除去はある場合には非常に望まれることである。’239号特許及び’233号特許に開示されている方法のように、幾つかは、メルカプタン及びCOSなどの硫黄含有不純物を、溶剤抽出による除去をより受けやすい他の硫黄含有化合物に転化させる化学反応を必要とする。他の従来技術は、種々の溶剤を用いて硫黄含有化合物を可溶化し、次いで、薬品洗浄及び水洗浄し、そしてストリッピングプロセスを行なう。これらの後者の方法は硫黄化合物を除去するのに特に有効でなく、また、流れ中の有価な炭化水素画分を除去するという欠点にも悩まされる。さらに、ある場合には、これらの方法は不安定であり、例えば、フィード流を処理するために使用する装置内でフォーミングを生じさせることがある。
【0010】
それ故、本発明の目的は、硫黄含有化合物をより容易に除去しうる形態に転化させる化学反応を必要とせずに、これらの不純物を含有する気体及び液体フィード流から硫黄含有化合物を除去することができる方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、炭化水素フィード流の場合に、硫黄化合物とともに有価な炭化水素を可溶化する溶剤の使用を必要としない、このような方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は単なる加熱及び/又はストリッピングによって容易に再生可能な吸収剤を用いる、このような方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、フィード流中にさらに存在しうるCOを有意に吸収せずに、酸化状態が−2である硫黄を有する硫黄化合物の除去について高度に選択的である方法を提供することである。
【0014】
発明の要旨
本発明は酸化状態が−2である硫黄を含有する硫黄化合物に対して選択的で本質的に排他的である再生可能な吸収剤を用いた方法を提供することによってこれらの目的を満たす。本発明により教示される方法によると、酸化状態が−2である硫黄を含有する少なくとも1種の硫黄化合物を含むフィード流を金属カチオン含有有機組成物と接触させ、硫黄化合物とともに複数種の硫黄−金属カチオン配位錯体を形成し、ここで、金属カチオン及び硫黄の酸化状態は本質的に変更されない。錯体をフィード流から分離し、そしてその後、複数種の配位錯体の少なくとも一部から硫黄化合物を解離することにより吸収剤を再生する。再生された吸収剤の少なくとも一部は、その後、酸化状態が−2である硫黄を含有する硫黄化合物を、このような化合物を含むフィード流から除去する際のさらなる使用のために回収される。
【0015】
現在理解されているように、そして本発明の範囲を限定することを意図せずに、プロセスにおいて使用される吸収剤は本質的にルイス酸(電子受容体)として機能し、ルイス塩基(電位供与体)として作用する硫黄化合物とともに、硫黄−金属カチオン配位錯体を形成し、ここで、金属カチオンも硫黄も両方とも以前の酸化状態に永久的な変化を示さないものと信じられる。錯化機構をとおして金属カチオンと硫黄との酸化状態を不変のまま本質的に維持することにより、硫黄化合物は吸収剤から分離されることができ、そして吸収剤はそのため、単純な熱処理及び/又はストリッピングにより再生される。
【0016】
好ましくは、酸化状態が−2である硫黄を含有する硫黄化合物とともに硫黄−金属カチオン配位錯体を形成することができる金属カチオン含有フタロシアニンもしくはポルフィリン組成物を含む吸収剤と硫黄化合物が接触される。最も好ましくは、吸収剤は金属カチオンが鉄又は銅である金属カチオン含有フタロシアニン組成物を含む。
【0017】
本発明の好ましい態様において、吸収剤は水中に溶解されるか、又は、CO及びHSなどの酸性ガスで汚染されそして酸化状態が−2である硫黄を含有する硫黄化合物を含むフィード流、特に炭化水素フィード流を処理するために使用される種々の既知の方法において一般に使用される多くの溶剤のいずれかの中に溶解されもしくは懸濁される。このような既知の溶剤は水性アミン溶液を含み、それは、通常、1種以上のアルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジエタノールアミン(DEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、ヒドロキシアミノエチルエーテル(DGA)及びピペラジンを含む。既知の有機溶剤としてはSELEXOL溶剤のようなポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルの混合物を含むものが挙げられる。本発明により教示される吸収剤は汚染された液体及び気体フィード流を処理するために当業界において通常に使用されている他のよく知られた水性及び有機溶剤とともに使用されてもよい。
【0018】
発明の詳細な説明
上記のとおり、本発明は種々の気体もしくは液体フィード流を処理するために使用できる。本発明は気体もしくは液体炭化水素フィード流に関してだが、詳細に記載されるであろう。本発明により処理される気体もしくは液体炭化水素フィード流は石炭液化プロセスからの炭化水素含有エフルエントもしくは製品流、石油精製からの炭化水素製品流、天然ガス及び精製ガス流などのような種々の源に由来するものであることができる。これらの流れは、通常、1〜約24個以下の炭素原子を有する炭化水素からなり、そしてパラフィン、芳香族類及びある割合のモノ−及び/又はジオレフィンを含むことができる。
【0019】
通常、上記の源から得られる炭化水素流は酸化状態が−2である硫黄を含有する1種以上の硫黄化合物を含む硫黄不純物を含む。これらの不純物の濃度は10ppm未満から5000ppmを超える範囲であることができ、炭化水素流が発生した源もしくはプロセスによる。これらの化合物は、メルカプタン(R−SHとして一般に指定され、Rは直鎖もしくは枝分かれアルキル又はアリール基のいずれかであり、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン及びそれらの混合物)、ジアルキルスルフィド(R−S−Rとして一般に指定され、R及びRの各々は直鎖もしくは枝分かれアルキル又はアリール基のいずれかであってよく、例えば、ジエチルスルフィド又はメチルエチルスルフィド)、カルボニルスルフィド(COS)及び二硫化炭素(CS)硫化水素(HS)、チオフェン及びベンゾチオフェンを含むことができる。HSは80モル%までの量、通常には約1〜約50モル%までの量で存在することができる。
【0020】
上記のとおり、本発明の方法において使用される吸収剤(本明細書中、硫黄選択的吸収剤又はSSAとも呼ぶ)は、流れ中に含まれる本質的にいかなる炭化水素をも除外しそして広くは他の不純物を除外して、酸化状態が−2である硫黄を含む硫黄化合物を選択的に除去する。このようものとして、これらの硫黄選択的吸収剤は、実際の商業的規模で、硫黄化合物を含有する炭化水素流から硫黄化合物の濃度を実質的に減じることができる量で使用されることができる。本明細書中に使用されるときに、用語「吸収する及び吸収」は硫黄−金属カチオン配位錯体の形成のための基質として作用する金属カチオン含有有機組成物との錯化により、気体及び/又は液体からこれらの硫黄化合物を除去する作用を意味することが意図される。錯化機構は気体流からの特定の構成成分の伝統的な吸収及び液体流からの特定の構成成分の伝統的な抽出と考えられるものを包含する。
【0021】
上記のとおり、本発明により教示される方法は以下の機構により操作するものと信じられる。酸化状態が−2である硫黄原子は孤立電子対を有し、それは適度に強いルイス塩基(電子供与体)として挙動し、そして金属カチオンはルイス定義における酸(電子受容体)である。本方法において使用される吸収剤の酸化状態が−2である硫黄に対する親和性は金属カチオン含有有機組成物中に使用される金属カチオンによって有意に支配される。金属カチオンは、炭化水素流からの硫黄化合物の有効な除去を行うために十分な硫黄−金属結合強度を示す安定な硫黄−金属カチオン配位錯体を形成することができなければならない。金属カチオンはまた、硫黄の酸化状態に変化をさせず、そして金属カチオン自体の酸化状態を変化させずに、硫黄化合物に結合しなければならない。同時に、硫黄−金属結合強度は加熱及び/又はストリッピングにより吸収剤を急速に再生することができる値でなければならない。すなわち、硫黄−金属カチオン配位錯体を加熱及び/又はストリッピングにさらしたときに、硫黄−金属結合強度は硫黄と金属カチオンを容易に解離させ、それにより、吸収剤を再生させることができるために十分に低くなければならない。
【0022】
一般に、元素の周期律表の第8〜15族から選ばれる金属カチオンは本発明により教示される方法に使用される吸収剤中に使用するのに適切である。好ましくは、金属カチオンは比較的に低い酸化状態であり、通常、(+2)又は(+3)である。鉄(Fe)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)及び水銀(Hg)は好ましく、本発明の最も好ましい態様では、吸収剤は金属カチオンとしてFe又はCuのいずれかを含む。
【0023】
(−2)の酸化状態の硫黄に対する金属カチオンの親和性は形成するスルフィドにより例示される。これらのスルフィドは一般に非常に不溶性である。結果的に、金属カチオンが溶液中に残りそしてこのようにして実用上、熱的に再生可能な吸収剤を提供することができる金属カチオン含有有機組成物を形成するために、金属イオンは有機リガンド又はキレート化剤と錯化されることが必要である。当業者に知られているように、キレート化剤は1個の金属カチオンと配位することができる1より多くの配位性もしくはリガンド官能性を有する分子であり、それにより、金属カチオンと有機分子とがより強固に結合した金属カチオン含有有機組成物を提供する。本明細書中に使用するときに、単独の用語「リガンド」はリガンド又はキレート化剤のいずれかを意味するように明細書及び請求の範囲の両方で使用される。本発明は、吸収剤が溶液中にある方法に限定されず、吸収剤が溶剤を含むスラリーなど、別の液体中の懸濁液である方法をも包含することも理解されるべきである。
【0024】
リガンドは金属カチオンが硫化物又は水酸化物として沈殿することから保護し、同時に金属カチオンを硫黄化合物で配位することができるように十分に強い錯化剤でなければならない。金属カチオンと有機リガンドとの間に形成される有機組成物は金属カチオンと有機リガンドとの間の配位結合の形成により生じる。上記のとおり、フタロシアニン及びポルホリン組成物は好ましいリガンドであるが、金属カチオンと錯化することができそしてそれを沈殿から保護することができる他の有機リガンドは使用されてよい。
【0025】
吸収剤のための溶剤媒体として水を使用する場合には、アクオ錯体が通常、形成され、一方、水性アミン溶液、アミン(もしくはおそらくヒドロキソ)錯体は形成されそうである。吸収される硫黄種の配位安定定数はより低い温度で吸収が優先されるように、媒体により示される種の配位安定定数よりも幾分か大きくなければならず、そしてそれでも、安定定数は再生の際のより高い温度では脱着が起こるために十分に低くなければならない。リガンド交換の反応速度は平衡に達するのを過度に抑制しないように十分に速くなければならない。
【0026】
各種の溶剤中の吸収剤の可溶性をさらに改良し、それにより、本発明により炭化水素流を処理するために吸収剤を使用することができるように、有機リガンドとともに置換基を用いることができる。金属カチオン含有有機組成物はそれとともに使用される置換基の塩の形態であってよい。気体炭化水素含有流を処理するのに使用される特に適切な化合物は金属フタロシアニンスルホン酸のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩であり、特にそのナトリウム塩である。塩として使用されるときに、これらの化合物は水性溶剤中に可溶化される。特に適切な溶剤はUnion Carbide Corporation, Danbury, CTから入手可能なUCARSOL溶剤である。水溶性フタロシアニン誘導体を製造するために有用であると考えることができる他の置換基は、例えば、フェノール、エトキシル化フェノール、ヒドロキシアルキル、第四級アンモニウム、カルボン酸及びその塩並びにアミノ置換基を含む。有機溶剤中での吸収剤の可溶性の改良は、例えば、アルキルもしくはポリエーテル置換基により得ることができる。吸収剤の可溶性を変更することに加えて、酸化状態が−2である硫黄を含有する硫黄化合物と錯化しそしてそれを除去する吸収剤の活性を変えるためにリガンド上の置換基を使用することができる。
【0027】
本発明により教示される方法において使用される特に好ましい金属カチオン含有有機組成物は図1及び2に示されている。図1はルイス塩基として作用するメルカプタン分子と、ルイス酸として作用する鉄−フタロシアニンジナトリウムスルホネート組成物との間に形成された、メルカプタン−フタロシアニンジスルホネートジナトリウム塩の配位錯体を模式的に示している。図2はルイス塩基として作用するメルカプタンと、ルイス酸として作用する鉄−ポルフィン組成物を含む、メルカプタン−ポルフィン配位錯体を模式的に示している。
【0028】
アルカノールアミンの溶液などの従来技術の吸収剤は、炭化水素流中に含まれる硫黄不純物とともに配位錯体を形成しない。例えば、約8.5〜約9.8の範囲のpKaを有するアルカノールアミンは、HSがブロンステッド酸として作用して、酸性プロトンが酸からアミンの塩基性窒素原子へと移行して塩を形成する塩形成によってHSを吸収する。さらに、アルカノールアミンはジアルキルスルフィドを吸収することができない。というのは、これらの化合物は酸性プロトンを有しないからである。アルカノールアミンはまた、pKaが10を超えそしてこのために非常に弱い酸性であるチオール(メルカプタン)を吸収するのに非常に非効率である。このように、本発明は、従来技術では有効な程度に除去することができないか、又は、硫黄原子の酸化状態の変更を必要とし、そのため、有効な除去を行うために異なる硫黄化合物を形成することが必要であった、酸化状態が−2である硫黄を含有する種々の硫黄化合物を除去する機構を提供する。
【0029】
本発明において使用される吸収剤の濃度は気体又は液体から除去しようとする硫黄化合物の濃度及び分圧、接触及び錯化を行う操作環境、SSA分子とともに使用する溶剤の組成などの要因によって広く変化する。通常、吸収剤は使用する溶剤の約0.05wt%〜約15wt%の範囲の濃度で溶液中に存在し、好ましくは約0.2wt%〜約10wt%の量で存在し、最も好ましくは0.5wt%〜5wt%の量で存在する。
【0030】
図3は本発明により教示される炭化水素流から硫黄化合物を除去する方法を実施するのに有用な装置を模式的に例示している。本方法は例示された装置の説明とともに詳細に説明される。例示された装置の詳細に入る前に、しかしながら、図1に示されている特定の装置は気体炭化水素フィード流から硫黄含有不純物を除去するために使用されることが理解されるべきであり、当業者は液体炭化水素フィード流から硫黄化合物を除去することができるようにするためにどのように装置を改良するかを容易に理解するであろう。例えば、当業者は、液体炭化水素流を処理するために、図3に示されている装置は装置の一部分を構成している吸収カラムを、Kohl, A.L.及びNielsen, R.B., “Gas Purification”第5版 Gulf Publishing Company, p.158, 図2−98(1997)に示されているような液−液接触装置で置き換えることにより変更されうることを理解するであろう。
【0031】
図3に示されているように、一般に10で指定される装置は、吸収カラム12を含み、そこで、気体炭化水素フィード流からの硫黄化合物の吸収が起こる。硫黄含有化合物で汚染された炭化水素フィード流はライン14を介して吸収カラム12の下部に導入され、そして水性溶剤中に溶解されたリーン吸収剤はライン16を介して吸収カラムの上部に導入される。
【0032】
吸収カラムの構造は重要でない。吸収カラムは十分な数のトレーを含むか、もし充填カラムであれば十分な充填材料を含み、気相と液相との緊密な接触が確保される。トレーの数は広い範囲で変更することができるが、一般には、約5〜約50の範囲であろう。吸収剤がトレーからトレーを移動して吸収カラムを降りてくると、カラムをとおして上方向に流れている気体炭化水素流と緊密に接触することになり、それらの接触の緊密さは上記の錯化機構により流れ中に存在する硫黄化合物の除去の程度に影響を及ぼす。
【0033】
吸収工程を行うことにより生じる、硫黄化合物が豊富になった吸収剤は吸収カラムのボトムからライン18によって取り出され、そして吸収工程により生じる、硫黄が低減された炭化水素流は吸収カラム12のトップからライン20を介して出てくる。低減された炭化水素流は凝縮器22に向けられ、低減された炭化水素流とともに吸収カラムを出てくる蒸発溶剤又は水蒸気は凝縮される。
【0034】
フレッシュもしくは再生吸収剤は第一の温度で吸収カラムに供給される。吸収剤が供給される温度は、使用する特定の吸収剤、溶剤中のその濃度、炭化水素フィード流の温度及び組成、吸収カラムの設計及び処理される炭化水素流からの硫黄化合物除去の所望の程度によって決まる。第一の温度は一般に約0℃〜約80℃の範囲であり、約5℃〜約60℃の温度は好ましく、そして約15℃〜約40℃の温度は最も好ましい。
【0035】
吸収カラム内の温度はライン16を介して入るリーン吸収剤の温度により部分的に制御される。吸収剤ポンプ27により吸収カラム中にポンプ送りされる前に、リーン吸収剤を適切な温度に冷却するためにクーラー26が備えられている。ライン16を介して吸収カラムに入る硫黄リーン吸収剤の温度及びライン18を介して吸収カラムのボトムを出て行く硫黄が豊富になった吸収剤の温度を測定するための装置(図示していない)も備えられてよい。さらに、ポンプ27の吸収剤はライン24を介してフレッシュ/メークアップ及び/又は再生吸収剤とともに供給され、装置内の吸収剤の適切なレベルを維持する。
【0036】
処理される炭化水素流の流速だけでなく、吸収カラム中のトレーの数、カラム内の温度、使用される特定の吸収剤、炭化水素流中に含まれる特定の硫黄化合物及びかかる化合物の分圧及び濃度などの要因によって決まる速度で吸収剤は吸収カラムに供給される。通常、吸収カラムからの出口気体流(又は液−液接触装置を出て行く液体炭化水素流)中において、プロセスを出て行く製品気体もしくは液体流の硫黄規格を満たす硫黄化合物の濃度を確立するために十分な速度で吸収剤は供給されるであろう。ある用途では、これは500ppmv以上であることができるが、一般には、これは約300ppmv以下の硫黄化合物、好ましくは約200ppmv以下の硫黄化合物、そして最も好ましくは約1〜約50ppmvといった低い硫黄化合物である。
【0037】
吸収工程が行われる圧力は問題ではなく、そして得ることが可能なフィード気体圧力により決定される。通常、吸収カラム中の圧力はほぼ大気圧から約1500psigの範囲である。
【0038】
吸収カラムのボトムからライン18及び吸収剤ポンプ19を介して出てくる硫黄に富む吸収剤はヒータ28に向かい、そこで、吸収剤はストリッパーカラム30の上部に導入される前に適切な温度に加熱される。吸収ステージで形成された硫黄−金属カチオン配位錯体から硫黄含有化合物を除去することにより吸収剤はストリッパーカラムで再生される。吸収カラム12と同様に、ストリッパーカラム30は周知の設計であり、そして特定の吸収剤を再生するのに適切であることができる数のトレーを含むような構成であることができる。
【0039】
ストリッピングされた硫黄化合物はライン32を介してストリッパーカラムのトップから出て、そして凝縮器36に向かい、そこで、ストリッピングされた硫黄化合物とともにストリッパーカラムのトップから出てくることができる吸収剤及び/又は水蒸気は凝縮される。ストリッピングされた硫黄化合物はさらに下流での処理のために凝縮器からライン33に吐出され、そして凝縮された吸収剤、凝縮されたであろう液体硫黄化合物及び/又は水蒸気はライン40を介してウォーターレシーバー38を通過する。凝縮された液体硫黄化合物はレシーバー38において水性相からデカントされうる。
【0040】
レシーバー38からストリッパーカラムへリフラックスされる水蒸気は吸収剤から硫黄化合物をストリッピングするのを援助するために使用される。したがって、装置10はウォーターレシーバー38にライン44を介して連結されておりそしてストリッパーカラム30の上部にライン46で連結されているリフラックスポンプ42を含む。リフラックスポンプが水蒸気をストリッパーカラムに導入するフィードポイントは大まかには、特定のプロセス条件で望まれる援助の程度、フィードポイントより上での変更セクションの必要性、使用する特定の吸収剤及び所望の結果で決まる関数である。
【0041】
ライン34を介してストリッパーカラムのボトムを出てくる吸収剤は、戻りライン52によりストリッパーカラムに戻るように連結されたリボイラー50を通過する。ストリッパーカラム30の長さの少なくとも一部又はストリッパーリボイラー50において、硫黄含有化合物中の硫黄と吸収剤中の金属カチオンとの間の結合強さに打ち勝つために十分に高い温度を維持することはストリッピング工程において重要である。すなわち、ストリッピングステージにおける温度は吸収カラム12中において硫黄化合物が炭化水素フィード流から除去されそして吸収剤と錯化した温度よりも高くなければならない。好ましい温度差は、もちろん、使用される吸収剤、溶剤組成及び除去する硫黄化合物の種類によるであろう。しかしながら、通常、温度差は硫黄−金属カチオン配位錯体からの硫黄化合物の有効なストリッピングを確保しそしてそれにより吸収剤を再生するために少なくとも約5℃である。通常、ストリッパーのボトムの温度は平衡が脱錯体化にシフトし始める温度に維持されるであろう。一般に、ストリッパー中の温度は約60℃〜約180℃であり、好ましくは約90℃〜約160℃であり、そして最も好ましくは約100℃〜約140℃に維持されるであろう。
【0042】
熱電対、ヒータ及び温度コントローラを含むコントローラ54は、所望のセットポイントにリボイラー温度を測定そして制御し、そして所望のレベルにストリッパーカラム30の下部の温度を制御するために提供される。再生された吸収剤はリボイラーから吐出され、そしてクーラー26にライン56を介して向けられ、そこで、上記のとおり、吸収剤はポンプ27によって吸収カラム12に送り戻される前に適切な温度に冷却される。又は、クーラー26及びヒータ28は、ライン18中の硫黄に富む吸収剤を加熱するためにライン26から除去された熱を使用する単一の熱交換器として組み合わされてよい。この場合には、所望のレベルにまで流れ16の温度をトリミングするために追加のクーラーが使用される。
【0043】
本発明の種々の態様は以下の実施例を参照して、より完全に理解されそして評価されるであろう。これらの実施例は本発明により教示される方法において使用される吸収剤とあるプロセス変数との相互関係を示すだけでなく、従来技術の方法と比較して、汚染フィード流中の硫黄化合物濃度を低減する本発明の有意に改良された効果をも示す。
【0044】
例1〜17
例1〜17において、既知の量の純粋な溶剤(SSAの添加なし)を、装置から蒸気が逃げ出すことを防止するためのオーバーヘッドコンデンサー及びスパージャーを装備したフラスコ中に計量する。その後、メチルメルカプタンの吸収が停止し、すなわち、溶液がさらに重量を得なくなるまで、メチルメルカプタン(MeSH)ガスをスパージャーをとおしてバブリングする。この第一の実験工程の目的は、SSAが存在しない場合の純粋な溶剤によるメチルメルカプタンの吸収性を決定することである。この点で、既知の量のSSAを溶剤に添加し、そして再び、溶液が重量を得ることを停止するまで、メチルメルカプタンのスパージングを継続する。得られたメルカプタンの追加の重量はSSA添加剤の効果によるものである。実験の結果を、溶剤中に存在する添加剤1モルあたりの吸収されるメチルメルカプタンのモルの比として表現する。実験を大気圧(約14.7psia)で行った。種々の置換基(例えば、スルホン酸、ナトリウムスルホネート及び塩素)を有してよい種々の有機リガンド(例えば、フタロシアニン及びポルフィン)と錯化する種々の金属カチオンを有する多くの異なるSSA分子を報告する。また、異なる溶剤媒体、例えば有機SELEXOL溶剤及び種々の水性アミン混合物を試験した。これらの例は、溶剤媒体、金属カチオンと錯化する分子やSSA分子に結合した置換基のタイプが、酸化状態が−2である硫黄を含有する不純物を活発に除去する(錯化する)吸収剤の能力に影響を及ぼすことを示す。
【0045】
上記の装置を用いて行った実験の結果を表1に報告する。
【0046】
表の第一のカラムは表の左から右に延びている分離されたカラムに示されている各実施例について報告される特定のデータを記載する。報告されるデータのタイプの定義は以下のとおりである。
【0047】
例番号:特定の数を用いて、行われた各例を特定する。
SSA分子:例を実施する目的での特定の溶剤に添加される吸収剤の短縮形での構造を記載する。例えば、NiPC4SNa(ニッケル(II)フタロシアニンテトラスルホン酸四ナトリウム塩)の場合には、Niは酸化状態が+2である金属カチオンであり、PCはフタロシアニンを表わし、そして4SNaはテトラスルホン酸四ナトリウム塩を表わす。
溶剤中のWt%SSA:示した溶剤中での活性SSAの重量%。
溶剤(100g):使用される溶剤のタイプを示し、そして各実験で100gの溶剤を使用した。
モルMeSH/モルSSAの保持量:実験条件(50℃及び1気圧)でのSSA1モルあたりの吸収されたメチルメルカプタン(MeSH)のモルでの実験結果を与える。
再生サイクル:SSA/溶剤混合物をとおしてスチームを沸騰させることによりSSAを再生しそしてMeSHを吸収するために再び使用した回数を示す。
例1〜5において、異なるSSAを、Union Carbide Corporation, Danbury, CTから入手可能な高圧酸性ガス処理に有効な純粋な物理溶剤であるSELEXOL溶剤に添加した。これらの実験において、SSAは溶液状態でなく、SELEXOL溶剤中に懸濁されて、スラリーを形成した。
【0048】
例1、2及び3
NiPC4SNaは例1に示すように、純粋なSELEXOL溶剤中でMeSHを除去するのに活性でなかったが、SELEXOL溶剤に4.6gの水を添加したときに、例2において、NiPC4SNa1モルあたりMeSH2.1モルを除去した。重量%SSAは両方の例においてほぼ同一であり、それぞれ、10.1重量%及び10.5重量%であった。NiPC4SNa及びSSAの性能は、一般に、溶解される又は含まれる媒体によっても影響を受ける。この場合、SELEXOL溶剤への少量の水の添加はNiPC4SNa分子を活性化した。例3において、10.1重量%のSnPC4SNa(スズ(II)フタロシアニンテトラスルホン酸四ナトリウム塩)は水の添加なしでもSELEXOL溶剤中で活性であり、そしてSnPC4SNa1モルあたりMeSH1.9モルを除去した。この実験において、SSA分子は2回再生された。
【0049】
例4
この例において、SELEXOL溶剤中の10.0重量%のFePC4SNa(鉄(II)フタロシアニンテトラスルホン酸四ナトリウム塩)はFePC4SNa1モルあたりMeSH5.2モルを除去した。FePC4SNa分子は3回再生された。
【0050】
例5
この例において、SSA分子はFeカチオン−ポルフィン組成物からなった。ここで、SELEXOL溶剤中の4.48重量%のFe−ポルフィンはFe−ポルフィン1モルあたりMeSH9.5モルを除去した。Fe−ポルフィン組成物は6回再生された。
【0051】
例6〜17において、異なるSSA分子を50重量%水性アミン溶液中で試験した。
【0052】
例6及び7
例6において、50重量%水性N−メチルジエタノールアミン(MDEA)を含む溶液中の10.2重量%NiPC4SNaはMeSHを除去するのに活性でないことを決定した。しかしながら、例7では、4つのナトリウムスルホネートの代わりに2つのスルホン酸である異なる置換基を含むPC分子中の同一のNiカチオンである分子NiPC2S(ニッケル(II)フタロシアニンジスルホン酸)はSSA1モルあたりMeOH0.23モルを除去することである程度の活性を示した。このことは、SSAの性能が、SSA分子に結合したスルホン酸又はナトリウムスルホネート基などの置換基の数及び/又はタイプによって影響を受けることを示す。
【0053】
例8及び9
例8は50重量%の水性MDEA中の9.08重量%のZnPC4SNa(亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸四ナトリウム塩)がMeSHの除去に活性でなかったことを示す。例9では、しかしながら、同一の亜鉛カチオンは、例8中の4つ(テトラスルホン酸四ナトリウム塩)から2つの置換基(ジスルホン酸二ナトリウム塩)に置換基の数を減らしたときに活性を示した。示されるように、50重量%水性MDEA中の6.16重量%のZnPC2SNaは、4回の再生の後に、SSA1モルあたりMeSH0.64〜0.11モルを除去した。
【0054】
例10
ここでは、50重量%水性MDEA中の5.1重量%のPbPC2S(鉛(II)フタロシアニンジスルホン酸)は存在するPbPC2S1モルあたりMeSH2モルを除去した。この場合に、SSA分子は3回再生された。
【0055】
例11
この例では、スルホン酸置換基をナトリウム塩に転化した。この例では、
50重量%の水性MDEA中の6.05重量%のPbPC2Na(鉛(II)フタロシアニンジスルホン酸二ナトリウム塩)はPbPC2Na1モルあたりMeSH2.1モルを除去したが、分子は分解し、そして不活性になった。
【0056】
例12
この例では、50重量%の水性NMEA(N−メチルエタノールアミン)を含む8.3重量%のFePC2S(鉄(II)フタロシアニンジスルホン酸)の溶液はMeSHを除去する活性を示さなかった。
【0057】
例13
ここでは、例12と同一のSSA分子を異なるアミン中で溶解させた。9.93重量%のFePC2Sは50重量%の水性MDEA中で溶解され、そしてこの場合に、FePC2S分子はSSA1モルあたりMeSH1.0モルを除去した。FecPC2Sは2回再生された。
【0058】
例14
この例では、50重量%の水性UCARSOL CR302溶剤であって、Union Carbide Corporation, Danbury, CTから入手可能で、当業者によく知られている配合されたアミン混合物中の6.01重量%のFePC2SNaは4回のSSA分子の再生の後にもFePC2SNa1モルあたりMeSH1.2モルを除去した。
【0059】
例15
ここでは、50重量%のMDEA中の5.0重量%のCuPC3SNaは5回の再生の後にCuPC3Na1モルあたり0.9モルのMeSHを除去した。
【0060】
例16
この例では、50重量%のMDEA中の5.0重量%のCuPC2S4Cl(銅(II)テトラクロロフタロシアニンジスルホン酸)は、5回の再生サイクルの後に、CuPC2S4Cl1モルあたりMeSH1.0モルを除去した。
【0061】
例17
この例では、50重量%の水性ジエタノールアミン(DEA)中の6.09重量%のCuPC3SNa(銅(II)フタロシアニントリスルホン酸三ナトリウム塩)は3回の再生サイクルの後にCuPC3SNa1モルあたりMeSH1.8モルを除去した。
【0062】
表1に報告したデータから、SSA含有溶剤中で4.48重量%〜10.5重量%のSSA濃度が可能であることが容易に明らかである。また、データは、SSAはスラリー又は懸濁液(SELEXOL溶剤の場合)中で機能し、また、水性アミンの場合に溶液で機能することができることを示す。例1及び2はまた、SSAが溶解され又は懸濁される媒体がSSA分子を活性化させるのに役割を担うことを示す。例12及び13はまた、SSAが溶解される媒体の重要性を示す。FePC2Sは水性アミンNMEA中で活性でないが、水性アミンMDEA中で活性になる。また、例6及び7中のナトリウムスルホネート対スルホン酸の場合のように、リガンド分子に結合される置換基のタイプ、並びに、例8及び9中の4つのナトリウムスルホネート対2つのナトリウムスルホネートの場合のように、置換基の数はSSAの活性に影響を及ぼす。
【0063】
例18〜29
これらの例はVLE(気液平衡)実験であり、ここで、種々のSSAはスウィート商業天然ガスから酸化状態が−2である硫黄を有する種々の硫黄化合物を除去するために使用される。スウィート商業天然ガスはUCARSOL CR302で商業装置内でスクラブリングされたガスであって、SSAで処理されていないガスである。このようなガスは「未処理」スウィート商業ガスと以下において参照する。実験は、170psigで、既知の重量%のSSAとともに50重量%の水性UCARSOL CR302を25g、TEFLONライニングされたボンベ中に部分的にスィート化された商業天然ガスとともに配置することからなった。混合を促進するためにボンベとその内容物を1〜2時間攪拌して、CR302溶剤/SSAを気相とともに平衡にした。SSA処理の前と後で気相をガスクロマトグラフィーにより分析し、酸化状態が−2である硫黄を有する硫黄化合物の除去%を決定した。
【0064】
表2は上記の装置及び手順を用いて行ったVLE実験の結果を報告する。
【0065】
表の第一のカラムは表の左から右に延びている分離されたカラムに示されている各例について報告される特定のデータを示している。報告されるデータのタイプの定義は以下のとおりである。
【0066】
例番号:特定の番号で、行われた各例を特定する。
スウィート天然ガスの記載:「未処理」は商業装置内でCR302で事前にスクラビングされたスウィート商業天然ガスの硫黄分析を示す。「処理」はこのようなガスを、商業装置からの約50重量%の水性CR302溶剤又はこの水性CR302溶剤と示した重量%量のSSAを溶液に添加したものとを接触させた後のこのようなガスの硫黄分析を示す。
SSA分子のタイプ:例を実施する目的で溶剤に添加された本発明の範囲に入る吸収剤の短縮形での構造を記載する。それは上記の実験1〜17で表1により詳細に記載されたのと同一の短縮形である。
水性溶剤中のWt%SSA:水性UCARSOL CR302溶剤中の活性SSAの重量%である。
SSAが再生された回数:SSA分子が沸騰により再生された回数を示す。
天然ガス不純物:天然ガスサンプル中に存在する硫黄化合物の不純物を記載する。各例のカラムの下に、濃度をppmv(体積ppm)で与え、スラッシュの次に未処理のガス中に存在する量と比較したときの特定の不純物の%除去量を与える。
合計:各例カラムの下に、全ての不純物を総計した合計ppmv及び全体としての全ての不純物の合計%除去量を与える。
各例の実験結果は以下のとおりである。
【0067】
例18
この例は未処理のガスの分析結果を示す。未処理のガスは合計で360ppmvの硫黄化合物を有する。
【0068】
例19
この例では、未処理のガスを水性UCARSOL CR302溶剤単独で洗浄し、SSAを添加しなかった。この処理はブランク実験であり、そしてある重量%量のSSAが水性溶剤に添加される他の例での除去との比較のための対照として用いる。純粋なUCARSOL CR302溶剤単独は27%のCOS、50%のMeSHなどを除去した。硫黄化合物の合計の除去量は44%であった。
【0069】
例20、21、22及び23は銅(Cu)カチオンを有するSSAを用いる。
【0070】
例20
この例では、0.2重量%のCuPC4SNa(銅(II)フタロシアニンテトラスルホン酸四ナトリウム塩)をUCARSOL CR302溶剤に添加した。これで、COS98%除去/水性溶剤単独で27%、MeSH82%除去/溶剤で50%などとなった。溶剤単独で44%であるのに対して、0.2重量%のCuPCSNaの添加での硫黄化合物の合計除去量は60%となり、硫黄除去が36%改良された。
【0071】
例21
この例では、CuPC4SNaの量を、例20の0.2重量%から1重量%に増加させた。結果として、硫黄化合物の合計除去量は80%除去に上がり、例19(SSAなし)から82%増加し、例20(0.2重量%のSSA)と比較したときに33%増加した。
【0072】
例22
この例では、1重量%のCuPC4SNaを含む例21での溶剤を再生し、そして再び使用した。再生された1重量%のCuPC4SNaを用いて硫黄化合物の合計除去量は74%であり、例21での80%除去よりも若干低いのみであり、そして例19(SSAなし)よりも68%高い除去量である。
【0073】
例23
この例では、CuPC4SNaの重量%を5重量%に増加した。このより高いSSA濃度では、硫黄化合物除去量は例21での80%から本例での45%に低下した。このことは、各々の特定の溶剤についてのSSAの最適濃度が存在することも示している。
【0074】
例24、25及び26は鉄(Fe)カチオンを有するSSAを使用する。
【0075】
例24
この例では、SSA分子中の金属カチオンをCuからFeに変更した。プラント溶剤に0.2重量%のFePC4SNaを添加することにより、80%の合計の硫黄化合物の除去となった。これは例21での1重量%のCuPC4SNaで得られた除去量と同等であり、例19(SSAなし)よりも82%多い除去量である。
【0076】
例25
この例では、溶剤のSSA含有分を例24での0.2重量%から1重量%のFePC4SNaに増加した。これにより、69重量%合計硫黄除去量となり、これは0.2重量%のSSAを用いた例24よりも11%低い合計硫黄除去量である。それでも、これはSSAなしの例19よりも56%高い除去量である。溶剤中の1重量%のFePC4SNaはこれらの実験条件下でこのSSAについての最適量よりも高いようである。
【0077】
例26
ここでは、溶剤中のFePC4SNaの濃度を5重量%に上げた。合計の硫黄化合物除去%は例25での69%からこの例で76%へと若干増加した。
【0078】
例27、28及び29は鉛(Pb)カチオンを有するSSAを用いる。
【0079】
例27
溶剤中の0.2重量%のPbPC4SNaを用いるこの実験はガス中の75%の硫黄化合物の除去を示した。すなわち、60%除去のCuPC4SNaよりも高く、80%除去のFePC4SNaよりも低い。これらの結果はこれらの実験条件下で0.2重量%の濃度で、試験した3種のカチオン中、鉄(Fe)が最良であることを示す。
【0080】
例28
ここでは、溶剤中の1重量%のPbPC4SNaは65%の硫黄化合物除去を与えた。それは、同一の濃度でCuPC4SNa(80%除去)及びFePC4SNa(69%除去)よりも低い。これらの結果は、1重量%の濃度で、これらの実験条件下に、銅(Cu)が3種のカチオンのうち最良であることを示す。
【0081】
例29
この実験では、PbPC4SNaの濃度を5重量%に上げた。これにより、硫黄化合物の合計除去量が88%になった。溶剤中の5重量%のSSAでは、鉛(Pb)がガス相からの硫黄化合物の合計除去量について最良である。
【0082】
要約すると、水性UCARSOL CR302溶剤にSSAを添加したときに、水性溶剤単独よりもずっと高いCOS除去及び他の種々のメルカプタン除去量であることが明らかに判る。例はジスルフィドの濃度の数ppmv増加を示す。この不調和は分析上の問題であるか、又は、サンプルを汚染しうる空気からの偶然の酸素による酸化により数ppmvのメルカプタンがジスルフィドへ転化されたことにより生じたものと理論付けられる。
【0083】
例30〜52
これらの実験は、図3に示すものと同様であるガラスから製造された装置内で行なわれた。例30〜52を行うために使用される装置の主要部分はアブゾーバー(吸収カラム)及びストリッパーであり、閉ループ配置で吸収、ストリッピング及び再生が行われる。
【0084】
窒素フィードガスからの硫黄化合物の吸収は約26mm間隔で5段又は20段の孔付きトレーを有する28mmIDのガラスカラム中で行う。吸収カラムはボトム液体アウトレットを有する3つ口1000mlフラスコをボトムに装備している。カラムは中央ネックに連結されている。1つのサイドネックを硫黄化合物含有炭化水素フィード流を吸収カラムに導入するために使用し、もうひとつのサイドネックを硫黄化合物に富む吸収剤の温度を測定するために使用する。硫黄化合物に富む吸収剤はフラスコボトムアウトレットをとおして通過させることにより吸収カラムから出てくる。3つ口アダプターの1つのネックは吸収カラムのトップに結合されている。フリードリッチ凝縮器はアダプターの第二のネックに結合され、そして処理されたガスとともに吸収カラムを出てくることがある吸収剤溶剤蒸気又は水を凝縮させるために用いられる。アダプターの第三のネックは吸収カラムのトップで再生/フレッシュ吸収剤を供給するためのインレットとして機能する。
【0085】
吸収剤からの硫黄化合物の再生/ストリッピングはストリッパーカラム内で起こる。ストリッパーカラムは吸収カラムと同一の寸法を有する。同様に、それはそのボトムに、ヒーティングマントル及び液体ボトムアウトレットを装備した3つ口の1000mlフラスコを装備しており、その全てがストリッパーカラムのためのリボイラーの機能を有する。ストリッパーカラムはフラスコの中央ネックに結合している。もうひとつのネックはガラスストッパーでキャッピングされており、そして残りのネックはそれに結合した熱電対を有する。熱電対はTIC(温度指示器コントローラ)の一部であり、それは所望のセットポイントでストリッパーボトム温度を読みそして制御する。この装置のより最近のアップグレードされたバージョンはリボイラーに熱を供給するための浸漬ヒータを装備した316SSリボイラーを有する。それはまた、リボイラー温度を所望の温度の0.05℃以内に維持する、ずっとより複雑な温度コントローラを有する。
【0086】
ストリッパーカラムのトップは3つ口アダプターを装備している。1つのネックはカラムにリフラックスを供給しそしてストリッピングされた硫黄化合物とともにオーバーヘッドを出てくることができる吸収剤溶剤又は水蒸気を凝縮させるフリードリッチ凝縮器を保持している。第二のネックはアブゾーバーのボトムから抜き出された硫黄化合物に富んだ吸収剤をストリッパー中に導入するために使用される。第三のネックは、装置内の水バランスを維持するために、水で満たされた250ml勾配シリドリカル分液漏斗を結合している。この装置のアップグレードされたバージョンでは、フリードリッチ凝縮器中の凝縮したリフラックス水は250ml勾配シリンダー中に吐出し、そして非常に正確な正のディスプレースメントポンプはストリッパーのトップに水をリフラックスするために使用される。これはストリッパーカラムをリフラックスするために使用される水の量のずっと良好な制御を可能にする。装置内の水バランスを維持するために、必要に応じて水を添加し又は250ml勾配シリンダーから抜き出す。第三のネックとつながった9インチステムの温度計はストリッパーカラムを出てフリードリッチ凝縮器を通過する前のオーバーヘッド蒸気の温度を測定するために使用される。
【0087】
ストリッパーカラムのボトムを出てくる再生された吸収剤の温度を制御するために水冷を用いる。可変速FMI計量ポンプを用いて、所望の量の吸収剤を吸収カラムのトップに輸送する。硫黄化合物に富む吸収剤は第二の可変FMI計量ポンプを介して吸収カラムのボトムから抜き出される。硫黄化合物に富む吸収剤はヒータを通過し、その後、ストリッパーカラムに供給される。計量ポンプは、また、アブゾーバーのボトムでの溶剤レベルを制御する。
【0088】
アブゾーバーのボトムへの硫黄化合物含有炭化水素ガス流(これらの実験では窒素)はAALBORG Instruments & Controlsのガスメータを用いて、1気圧及び70°Fで標準リットル/分で測定される。窒素(これらの実験では窒素が常に希釈剤として使用される)中のメルカプタン(例において使用される硫黄化合物)の濃度はドレージャー(Drager)チューブで測定される。処理されたガス中のメルカプタンの濃度を測定するためにもドレージャーチューブは使用された。
【0089】
表3は上記の装置を用いて行った実験の結果を報告する。全ての実験は定常状態が達成されたことを確保するために少なくとも4〜6時間で(10〜25回のSSA再生サイクル)操作した。再生サイクルは装置を回る1フローサイクルを完了するように吸収カラム及びストリッパー(再生器)カラムをとおした全量のSSA含有溶剤の1回通過として定義する。
【0090】
表の第一のカラムは表の左から右に延びている分離されたカラムに示されている各例について報告される特定のデータを記載している。
【0091】
例番号:特定の番号で、行われた各例を特定する。
SSA分子のタイプ:例を実施する目的で溶剤に添加された本発明の範囲に入る吸収剤の短縮形での構造を記載する。例えば、CuPC3SNaの場合、Cuは酸化状態が+2である金属カチオンであり、PCはフタロシアニンであり、そして3SNaはトリスルホン酸三ナトリウム塩である。
溶剤中のWt%SSA:記載した溶剤中の活性SSAの重量%である。
水中のWt%アミン:記載した水性溶剤中のアミンの重量%である。
溶剤速度(CC/分):立方センチメートル/分でのリーン水性アミン溶剤の流速である。
フィードガス速度(SL/分):標準リットル/分での吸収カラムへの硫黄含有窒素ガス(希釈剤としての)の流速であり、標準温度は70°Fであり、そして標準圧力は14.7psiaである。
L/G比(CC/SL):フィードガス流速で溶剤流速を割った比であり、70°F及び1気圧でのガスの標準リットルあたりの溶剤の立方センチメートルである。
アブゾーバー圧力(psia):吸収カラムの絶対圧である。
溶剤温度(℃):吸収カラム中のリーン水性アミン/SSA溶液の℃での温度である。
アブゾーバートレー数:吸収カラムの実際のトレーの段数である。
ストリッパートップ温度(℃):ストリッパーオーバーヘッドを出ていき、オーバーヘッド凝縮器に入る前の蒸気の℃での温度である。
ストリッパーリボイラー温度(℃):ストリッパーのボトムでのリボイラー中の溶剤の℃での温度である。
ストリッパートレー数:ストリッパーカラムの実際のトレーの段数である。
フィードガス中のEtSH(ppmv):硫黄化合物含有ガスを製造するためのアブゾーバーへの窒素フィードガス中のプロトタイプのメルカプタンであるエチルメルカプタン(EthSH)の体積ppmとしての濃度である。
処理済ガス中のEthSH(vppm):SSA含有溶剤と接触し又は処理した後の、アブゾーバーオーバーヘッドを出てくるときの硫黄化合物含有窒素ガス中のプロトタイプのメルカプタンであるエチルメルカプタン(EthSH)の体積ppmとしての濃度である。
EthSH%除去:より少量のEthSH含有分の処理済ガスを生じるようにSSA含有溶剤を用いての、フィードガスからのプロトタイプのメルカプタン(EthSH)の%除去である。
SSA投与量(モルSSA/モルEthSH):単位時間あたりにSSA含有溶剤でアブゾーバー中に導入されるSSAのモルを、単位時間あたりにEthSH含有窒素フィードガスでアブゾーバー中に導入されるEthSHのモルで割ったものである。投与量はより多量のSSAを溶剤に添加することにより増加されることができ、すなわち、溶剤中のSSAの重量%を上げるか(この場合、水性アミン)又は、別の方法としては、L/G比を上げることにより増加されることができる。
SSA保持量(モルEthSH/モルSSA):これは単位時間あたりにEthSH含有窒素ガスから除去されるEthSHのモルを、単位時間あたりにSSA含有溶剤でアブゾーバー中に導入されるSSAのモルで割ったものである。
【0092】
フィードガスからのHS及びEthSHの同時除去についての結果を示すために、例49〜54について、表の下に以下の3つのデータを加えた。
フィードガス中のVol%H S/ppmvEthSH:硫黄化合物含有ガスを製造するためのアブゾーバーへの硫黄化合物含有窒素フィードガス中のプロトタイプのメルカプタンであるエチルメルカプタン(EthSH)の体積ppmでの濃度と、それからスラッシュで分離されたHSの体積%濃度である。
処理済ガス中のVol%H S/ppmvEthSH:SSA含有溶剤と接触され又は処理された後にアブゾーバーオーバーヘッドから出てくるときの硫黄化合物含有窒素ガス中のプロトタイプのメルカプタンであるエチルメルカプタン(EthSH)の体積ppmでの濃度と、それからスラッシュで分離されたHSの体積%濃度である。
%除去H S/EthSH:より低いHS及びEthSH含有分の処理済みガスを生じるように、SSA含有溶剤を用いた、フィードガスからのプロトタイプのメルカプタン(EthSH)の%除去と、それからスラッシュで分離されたHSの%除去である。
【0093】
例30〜33
これらの例は窒素ガスからのEthSHの除去に対する水中のFePC2SNa濃度の効果を示す。全ての例についてL/G比が46で同一であるから、FePC2SNaのSSA投与量は水溶剤中のSSAの重量%を増加させることにより変化されていることに注意すべきである。
【0094】
例30は純水で、SSA投与量0で行われる。水単独は、フィードガス中に存在するEthSHの36%を除去する。例31において、水溶剤に0.1重量%のFePC2SNaを添加し、1.3モルSSA/1モルEthSHの投与量であることを示している。これにより、例30(0投与量)における水単独での36%EthSH除去から、この例では60%除去に増加し、67%の増加があった。これにより、0.23モルEthSH/1モルSSAのSSA保持量となった。例32において、水に1.0重量%のFePC2SNaを添加し、投与量を13モルSSA/1モルEthSHに増加した。この投与量では、EthSH除去は100%であった。例33は例32の繰り返しである。その結果は同一であった。13モルSSA/1モルEthSHでは、メルカプタン除去は100%であった。
【0095】
例34〜38
これらの例は窒素フィードガスからのEthSHの除去に対する水性MDEA(N−メチルジエタノールアミン)中のFePC2SNa濃度の効果を示す。全てのこれらの実験において液/気比率(L/G比)は2.5CC/SLであり、上記実験で示した例30〜33において用いた46CC/SLよりもかなり低い。全ての例でL/G比が2.5で同一であるから、ここでも、FePC2SNaのSSA投与量は水性MDEA溶剤中のSSAの重量%を増加させることにより変化されていることに注意すべきである。これらの全ての例では溶剤として、純水の代わりに水性MDEAを用いる。
【0096】
例34では、水性MDEA単独で、SSA投与量0で除去が行われる。水性MDEA単独は、窒素フィードガス中に存在するEthSHの40%を除去する。例35において、水性MDEA溶剤に0.09重量%のFePC2SNaを添加し、0.068モルSSA/1モルEthSHの投与量であることを示している。これにより、例34(0投与量)における水性MDEA単独での40%から、この例では45%除去に増加し、約12%の増加があった。これにより、水性MDEA溶剤単独で除去されるEthSHを考慮すると、例35におけるSSA保持量は0.74モルEthSH/1モルSSAであった。例36において、FePC2SNa濃度を0.25重量%に増加し、0.19モルFePC2SNa/1モルEthSHのSSA投与量にした。これにより、50%EthSH除去となり、例35の除去量よりも5%除去の増加が得られた。この例でのSSA保持量は0.54モルEthSH/1モルFePC2SNaに低下した。
【0097】
例38は例37の繰り返しである。ここで、重量%FePC2SNaを0.83から0.91に増加し、例37及び38では、それぞれ0.63及び0.69モルFePC2SNa/1モルEthSHの投与量である。SSA投与量の増加でフィードガスからのEthSHの70%除去となり、例36よりも40%除去量が増加した。このセットの例では、EthSH除去は溶剤中の重量%SSAの増加によりSSA投与量を上げることにより増加された。
【0098】
例36、39及び40
これらの例は液/気比率(L/G)を変化させることの効果を示す。これらの全ての3つの例において、水性MDEAに0.25重量%の合計のFePC2SNaを添加した。液/気比率は例36で2.5から、例49で11.5に、そして例40で46に増加された。これにより、SSA投与量は、例36で0.19モルSSA/1モルEthSHから、例39で0.86に、そして例40で3.5に増加した。SSA投与量の増加により、例36で50%から、例39で88%に、そして例40で94%に除去量が増加した。吸収(もしくは抽出)ゾーンに導入されるSSA投与量又はSSAのモル/導入されるEthSHのモルが実際に重要であることが判る。SSAの投与量を増加させる3つの方法がある:(1)一定のL/G比率で溶剤中のSSAの重量%を増加させる、(2)溶剤中の一定のSSA重量%でL/G比率を増加させる、及び、(3)それらの両方を増加させる。酸化状態が−2である硫黄化合物は、溶剤中のSSA重量%又はL/G比率の使用が最適化プロセスを経た独立のプロセスにおいてSSAによって除去されうる。しかしながら、L/G比率がプロセス要求により既に決められることがある既存のプロセスでは、硫黄化合物除去の要求レベルに必要なSSA投与量を達成するためには、溶剤中の重量%SSAが増加される。
【0099】
例41及び42
これらの2つの例はEthSHを除去するときのFe及びCuカチオンの性能の差異を示す。使用する溶剤は水性UCARSOL CR302である。例41では、SSA分子はCuPC2SNaであり、例42ではSSA分子はFePC2SNaである。SSA投与量、L/G比率及び全ての他のプロセス条件は同一である。CuPC2SNaでは、EthSH除去は67%であり、FePC2SNaでは除去は99%であった。それ故、これらの条件及び本溶剤媒体では、FeカチオンはCuカチオンよりも酸化状態が−2である硫黄化合物の除去するのに有効である。
【0100】
例41、43及び44
これらの例は二、三及び四置換CuSSAについての異なるEthSH除去を示す。水性溶剤中の重量%SSAで、三置換CuPC3SNaSSAは存在するEthSHの75%を除去し、一方、二置換CuPC2SNa及び四置換CuPC2SNaは両方とも硫黄化合物の67%を除去した。このように、三置換分子はこのSSA及び溶剤媒体では良好に作用する。SSA投与量は各試験で若干異なる。というのは、SSAの分子量は置換度とともに変化し、全ての他のプロセス変数はほぼ同一であるからである。
【0101】
例45a〜45d
これらはアブゾ−バー中に入る水性UCARSOL CR302溶剤の温度(溶剤温度(℃))を例45aの44℃から、例45bの48℃に、例45cの54℃に、そして最後に例45dの58℃に上げたときの同一の実験で得られる結果である。溶剤の温度が上がり、そして結果としてCuPC2SNa分子の温度が上がるときにEthSHの除去量は例45aの67%から、例45の33%に低下する。他の全てのプロセス変数は同一に維持した。より高い温度での%除去は14.4モルSSA/1モルEthSHよりも幾分高いSSA投与量に増加することにより、より高い除去レベルに改良されたはずである。もちろん、SSA含有溶剤の温度が低いほど、EthSH除去性は良好である。
【0102】
例46及び47
例46では、SSACuPC2SNaはストリッパーカラムにおいて155回熱再生された。すなわち、0.64重量%のCuPC2SNaを含む水性UCARSOL CR302溶剤の合計体積はアブゾーバー及びストリッパーカラムを通過しそして性能の損失なしに155回再生された。例47では、SSAFePC2SNaは0.64重量%のFePC2SNaを含む水性UCARSOL CR302溶剤の合計体積はアブゾーバー及びストリッパーカラムを通過しそして性能の損失なしに175回再生された。例46のCuPC2SNaは存在するEthSHの96%を除去したが、例47のFePC2SNaはEthSHの65%しか除去しなかったことに注目すべきである。しかしながら、アブゾーバー中のトレーの数はCuPC2SNaでは20であり、FePC2SNaの例では5段トレーのみであった。このように、装置の設計、特定の場合にはアブゾーバーのトレーの数もEthSH除去に重要な役割を果たす。
【0103】
例48〜52
これらの例は両方とも酸化状態が−2であるHS及びEthSHの2種の化合物の同時除去を示す。水性MDEA溶剤は、SSAの助けがなくても熱再生可能な塩を形成するブロンステッド酸塩基反応でHSを除去することができる。しかしながら、水性MDEAは有機硫黄化合物であるEthSHの除去には有効でなく、この水性アミンにSSAが添加されてEthSHの除去性を改良する。これらの全ての例では、L/G比率及びSSA投与量はほぼ一定に維持した。
【0104】
窒素フィードガス中の4.2体積%のHS及びEthSHなしでは、純粋な水性MDEAを用いて、この水性アミン溶剤にFePC2SNaを添加せずに、例48は、HSの99.8%除去を示す。例49では、窒素フィードガスは同一の4.2体積%のHSを含み、さらに1000ppmvのEthSHを含む。ここでも、フィードガスは水性アミン単独で処理され、SSAは添加されなかった。この例では、HS除去は99.7%であり、EthSHの除去は20体積%のみであった。
【0105】
例50では、水性MDEAに合計で0.74重量%のFePC2SNaを添加した。これにより、SSAを添加していない上記の例49と比較したときに、99.7%から99.9%のHS除去量に、そして20%から80%のEthSH除去量に除去性が改良された。例50では、SSAを水性MDEAに添加してEthSHの除去を行ったが、同時に、HS酸性ガスの除去性も改良された。
【0106】
例51では、窒素フィードガス中のHSの量を20体積%に上げたが、1000ppmvのEthSH濃度を同一のままとした。HS及びEthSHの除去はそれぞれ99.9%及び80%であった。
【0107】
例52では、窒素フィードガス中のHSを35体積%に上げたが、1000ppmvのEthSH濃度は同一のままであった。ここで、HSの除去量は99.9%除去で同一のままであったが、EthSHの除去量は40%に低下した。この場合、存在する圧倒的な量のHSがSSA分子からEthSHの一部を置換し始めた。例50及び51で一定であったSSA投与量は、EthSHの回収率を所望のレベルまで上げるために、L/G比率を上げるか又は水性MDEA中の重量%FePC2SNaを上げるか又はこれらの両方を上げることにより上げられなければならない。
【0108】
表3に報告されたデータから、約0.05〜1.0wt%の範囲で存在するときに、これらの例で使用されるSSAはEthSHを除去するのに有効であったことが容易に明らかである(表1に報告した例の一部では、SSAの濃度は10.5%までの高い濃度であった)。表3は、また、水単独がSSAのための良好な溶剤であり、そして非常に有効な除去はSSA投与量が1.3〜13モルSSA/1モルEthSHで得られる。しかしながら、SSAは、また、HS除去のために使用される水性アミン系中でも非常に有効である。また、酸化状態が−2である硫黄を有する硫黄化合物は、しばしばCOとともに存在し、ここで、硫黄化合物は、選択的に、すなわち、COを吸収することなく、除去される必要がある。この場合には、アミン系にSSAを添加して、COをスリッピングしながら硫黄除去を行うことができる。データは、SSAがアミン混合物中で作用し、ここで、EthSHと同時に酸性ガスのHSも除去されることを示している。別の言い方をすれば、SSAは、また、酸化状態が−2である硫黄を有する酸性ガスHSの除去性も改良している。
【0109】
上記のとおり、錯体化が吸収プロセスの間の脱結合を防止するために十分に強いような温度に維持されなければならない点で吸収剤の温度は重要である。例において、Cu含有フタロシアニンナトリウムスルホネート塩は、吸収剤が44℃から58℃の温度でアブゾーバーに供給されるときに、吸収能力が徐々に減少することに悩まされることを示す。吸収温度が低いほど、EthSHの除去性は高い。
【0110】
例におけるデータが示すように、炭化水素流から硫黄化合物を除去する能力に対して、L/G比率が有意なインパクトを有する。L/G比率が増加されるときに(すなわち、気体流速が低下されるか又は液体流速が増加される)、SSA投与量も増加される。このため、一定の吸収剤濃度で硫黄化合物の除去の度合いは増加される。結果的に、フィードガス、吸収剤の流速及び吸収剤の濃度の間のバランス、並びに、装置の設計はプロセスを最適化するために必要である。溶剤中のSSA濃度及びL/G比率の効果を組み合わせる1つの重要なパラメータはSSA投与量又は、アブゾーバーに導入されるモルSSA/モルEthSHである。表3は、SSA投与量は0.068モルSSA/1モルEthSHまで低く、また、14.6モルSSA/1モルEthSHまで高いことができる。
【0111】
約0.25重量%のFePC2SNa濃度及び2.5から46のL/G比率では、SSA投与量は0.19モルFePC2SNa/1モルEthSHから3.5モルFePC2SNa/1モルEthSHまで増加される。このため、十分な吸収剤は存在して、硫黄化合物の除去の度合いを変化させながらプロセスを行なうことが可能である。実用上の利点は明らかである:SSA投与量を変更することにより、本発明の吸収剤は、炭化水素ガス(又は液体)流の硫黄化合物不純物濃度が変化し及び/又は、各々が異なる硫黄化合物濃度を有する、異なる炭化水素流が混合される商業用途に有効である。硫黄化合物を除去するために要求されるSSA投与量はL/G比率を上げることにより増加されることができ、又は、L/G比率が他のプロセス要求又はプロセスもしくは装置のサイズによって決められている場合には、SSA投与量は溶剤中のSSA濃度を上げることにより上げられることができる。生産量(スループット)を上げるために、L/G比率を低下させることが望ましい場合には、SSA濃度を上げて、より低いL/G比率でSSA投与量を維持することができる。
【0112】
例53〜57
表4は、プロトタイプのガソリン炭化水素n−ヘキサンから、酸化状態が−2である硫黄を有するプロトタイプの有機硫黄分子EthSHを除去するためにSSA分子を用いて行った、LLE(液−液平衡)実験の結果を報告する。これらの実験では、既知の量のn−ヘキサンを、隔膜キャップで閉止された予備重量計量したボトル内に入れ、その後、所望の量のEthSHを隔膜をとおしてシリンジで添加する。上記のとおりに調製した標準n−ヘキサン溶液2.5g及び抽出媒体であるSSA含有溶剤5.0gを、隔膜キャップでシールされた12mlバイアル中に入れることにより抽出を行う。液相を平衡させた後に、ヘキサン相中のEthSH濃度を硫黄特異ディテクターを用いてガスクロマトグラフィーにより測定する。
【0113】
表の第一のカラムは表の左から右に延びている別個のカラムに示される各々の例について報告される特定のデータを記載している。データのタイプの定義を以下のとおりに報告する。
【0114】
例番号:特定の番号で行われた各例を特定する。
抽出性SSA分子:例を実施する目的で溶剤に添加されたSSA分子の構造を上記の表に記載されるのと同一の短縮形で記載する。
溶剤(5.0g):実験において使用された溶液中にSSAを含む溶液及び溶剤相の量を記載する。
温度:℃での実験温度である。
2.5gのn−ヘキサン中の初期EthSHの濃度ppmw:実験に使用されたn−ヘキサン炭化水素相2.5g中の重量ppmとしての初期EthSHの濃度を示す。
洗浄後のn−ヘキサン中のEthSHの濃度ppmw:溶剤相で洗浄した後のn−ヘキサン炭化水素相中の重量ppmでのEthSHの濃度を示す。
%除去:初期のEthSH濃度の百分率としての除去されたEthSHである。SSA投与量(モルSSA/モルEthSH):これらはn−ヘキサン中のEthSH1モルあたりのSSA含有溶剤中のSSAのモルである。
【0115】
例53〜57
例53において、SSAを添加せずに純粋な水性MDEAを用いて50℃の温度でEthSHの除去を行う。EthSH除去は6.6%である。例54において、50℃で、SSA投与量0.73モルSSA/1モルEthSHで、2重量%のCuPC3SNaを水性アミンに添加した後に、EthSH除去は46.3%に増加した。例55において、50℃で、水単独は炭化水素相中に存在するEthSHの6.1%を除去した。例56において、同一の温度で、水に4.75重量%のFePC2SNaを添加し、炭化水素相からのEthSH除去は95%を超えた。この例でのSSA投与量は7.6モルSSA/炭化水素中1モルEthSHであった。例57は例56の繰り返しであるが、20℃で行った。より低い温度で、全く同一の結果が得られた。この場合に、EthSH含有相と抽出媒体との両方の相は液体である。
【0116】
これらの例は、液体炭化水素流から酸化状態が−2である硫黄を有する有機化合物を除去することにおけるSSAの有効性を示す。これらの例において、n−ヘキサンはガソリンのためのプロトタイプの化合物として使用された。46.3%除去は水性MDEAの場合に0.73のSSA投与量で得られた。そして完全な除去は7.6のSSA投与量で、水を用いて得られた。
【0117】
例53〜57は、また、LPG,ストレイトランガソリン、FCCガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン及び他の液体炭化水素フィード流などの液体炭化水素画分であってよい液体炭化水素から酸化状態が−2である硫黄を含む硫黄化合物を除去することにおけるSSAの有効性をも示す。
【0118】
【表1】
Figure 0004782347
【0119】
【表2】
Figure 0004782347
【0120】
【表3】
Figure 0004782347
【0121】
【表4】
Figure 0004782347
【0122】
【表5】
Figure 0004782347
【0123】
【表6】
Figure 0004782347
【0124】
【表7】
Figure 0004782347
【0125】
【表8】
Figure 0004782347
【0126】
【表9】
Figure 0004782347
【0127】
【表10】
Figure 0004782347
【0128】
【表11】
Figure 0004782347
【0129】
【表12】
Figure 0004782347
【0130】
【表13】
Figure 0004782347
【0131】
【表14】
Figure 0004782347
【0132】
【表15】
Figure 0004782347

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により教示される方法において形成された硫黄−鉄フタロシアニン配位錯体の模式図である。
【図2】 本発明により教示される方法において形成された硫黄−鉄ポルフィン配位錯体の模式図である。
【図3】 本発明の方法を実施するのに有用な装置のブロックフローダイアグラムである。

Claims (12)

  1. フィード流から酸化状態が−2である硫黄を含む硫黄化合物を除去するための方法であって、
    (a)酸化状態が−2である硫黄を含む硫黄化合物を少なくとも1種含むフィード流を、有機リガンドと錯化されたある酸化状態の金属カチオンを含む金属カチオン含有有機組成物を含む再生可能な硫黄選択的吸収剤と接触させ、前記有機リガンドはフタロシアニン及びポルフィリン組成物のいずれかであること、
    (b)前記吸収剤と硫黄化合物とで、前記硫黄化合物及び金属イオンの酸化状態が本質的に変更されていない、複数種の硫黄−金属カチオン配位錯体を形成させること、
    (c)前記硫黄−金属カチオン配位錯体を前記フィード流から分離すること、
    及び、
    (d)前記複数種の錯体の少なくとも一部から硫黄化合物を解離させることにより前記吸収剤を再生すること、
    の工程を含む方法。
  2. 前記フィード流からさらなる硫黄化合物を除去するのに使用するために、前記再生された吸収剤の少なくとも一部を回収する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記吸収剤は加熱及びストリッピングのうちの少なくとも一方により再生される、請求項1記載の方法。
  4. 前記複数種の硫黄−金属カチオン配位錯体を形成する工程は、安定な錯体を形成するために十分に高い結合強度でかつ加熱及び/又はストリッピング時に硫黄と金属イオンとを解離させうるために十分に低い結合強度でもって、金属カチオンは酸化状態が−2である硫黄に結合していることをさらに特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 工程(a)の前に、液体中に吸収剤を溶解させ又は懸濁させる工程をさらに含み、該液体は水、水性溶剤及び有機溶剤からなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
  6. 前記水性溶剤はアミン水溶液を含む、請求項記載の方法。
  7. 前記有機溶剤はポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルの混合物を含む、請求項記載の方法。
  8. 前記有機リガンドは水性もしくは有機溶剤中での吸収剤の可溶性をさらに改良すること及び吸収剤の硫黄錯化活性を変更することの少なくともいずれかのための置換基を少なくとも1つ含み、少なくとも1つの前記置換基はアルキル、ヒドロキシアルキル、第四級アンモニウム、ポリエーテル、フェノール、アルキルフェノール、エトキシル化フェノール、アミノ化合物、カルボン酸及びその塩並びにスルホン酸塩からなる群より選ばれる、請求項5記載の方法。
  9. 前記吸収剤は溶剤の0.05wt%〜15wt%の濃度で溶液として存在する、請求項5記載の方法。
  10. 工程(a)及び工程(b)は大気圧から1500psig(10.5MPa)の圧力で行われる、請求項1記載の方法。
  11. 前記フィード流は炭化水素フィード流である、請求項1記載の方法。
  12. 前記吸収剤は沸騰及びスチームストリッピングの少なくとも一方により再生される、請求項3記載の方法。
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