以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図17は本発明の一実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤2上に球を打ち出す遊技を実行する遊技機本体1と、これに付設されプリペイドカードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)bから成る。
先ず遊技機本体1全体の概要を説明する。
図1に示すように、遊技機本体1正面の下部右端には、回転操作式のハンドル5が設けられている。このハンドル5を、球の打ち出し力に比例する任意の角度まで回転させることにより、遊技機本体1中の発射モータ653(図2参照)が駆動して、球が1個ずつ遊技盤2上に打ち出されるように構成されている。
遊技に供する貸出球や賞球は、遊技機本体1正面の下部に設けられた上受け皿3に貯留される。また上受け皿3の下側には、多量の賞球が払い出された場合に、上受け皿3から溢れる球を受け入れる下受け皿4が設けられている。また上受け皿3の右側上方には、前記カードユニットbに挿入してあるプリペイドカードの度数を表示する度数表示部12と、カードユニットbからの球貸し出しを指示する貸出ボタン9、それにカード排出を指示する返却ボタン10が設けられている。
また上受け皿3には、その下の下受け皿4へ球を移すための上受け皿球抜きレバー7が設けられており、同様に下受け皿4には、その下方に置かれた玉箱(図示せず)に球を移すための下受け皿球抜きレバー8が設けられている。なお、下受け皿4の傍らには喫煙者用の灰皿6も設けられている。
遊技盤2の前面は、該遊技盤2との間に球を移動させる空間を形成するガラス枠11で覆われている。遊技盤2の周縁には、遊技領域を画するとともに、打ち出された球を遊技盤2の上部へ導くための誘導レール16が配設されている。
図3に示すように、遊技盤2の略中央には、可変表示装置として特別図柄表示装置310が配置されている。また特別図柄表示装置310の上部には、この特別図柄表示装置310における可変表示作動の保留数を点灯表示するための特別図柄保留LED420が一体に設けられている。
特別図柄表示装置310の下方には始動口21が配設され、さらにその下方には大入賞口24が配設されている。次述するが始動口21は、特別図柄表示装置310上で実行される表示遊技の実行権を確保するための入賞口であり、また大入賞口24は、遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を生成するものである。
遊技盤2上の適所には、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126b等の各種入賞口、風車15等の役物の他、打ち出された球の落下速度や方向を変化させるための多数の障害釘等が配置されている。各種入賞口や役物には、発光により装飾効果を演出するセンターLED425、ゲートLED426、アタッカーLED427、サイドLED428等も適宜付設されている。
また、遊技盤2の最下部には、何れの入賞口にも入賞しなかった球を取り込んで遊技盤2の上から排出するためのアウト口29が配置されている。アウト口29に球が入った場合には、遊技者に何らの特典も与えられず、賞球の払い出しも行われない。
さらに、遊技盤2の上方には、特別遊技状態が発生した際等、各種遊技の進行状況に応じて点滅する遊技機状態ランプ422が配置されている。また遊技盤2の左右上側には、サイドケースランプ423や遊技枠状態ランプ424等も設けられている。なお、図2及び図4に示すように、遊技機本体1の内部や遊技盤2の裏面側には、遊技全体の制御に用いられる各種制御基板及びそれに関連する構成要素が設けられている。これらについては順を追って説明する。
次に遊技盤2上の主要な構成要素について説明する。
始動口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、その入賞口の左右両端に一対の可動片からなる条件装置を備え、普通電動役物ソレノイド136(図4参照)からなる駆動源で各可動片を開閉させるようになっている。始動口21は、各可動片の開閉動作により、球が入賞し難い通常の第2状態(閉状態)と入賞し易い第1状態(開状態)に変化する、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。
始動口21に球が入賞することが、次述する特別図柄表示装置310で表示遊技が実行されるための始動条件として設定されている。図6に示すように、始動口21は、球の入賞を検知する始動口スイッチ121を内部に備えている。始動口スイッチ121は入賞球を検知してONになると、始動入賞信号を主基板(遊技制御基板)100に出力するものである。なお、始動口スイッチ121は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すればよい。
特別図柄表示装置310は、その画面中に識別情報としての各種図柄を可変表示可能な表示領域を備えるものであり、具体的にはカラー液晶ディスプレイから構成されている。ただし、特別図柄表示装置310は、モノクロ液晶ディスプレイはもちろんのこと、蛍光表示管やブラウン管(CRT)等を用いて構成してもよい。
特別図柄表示装置310では、前記始動口21への球の入賞に起因して、スロットマシンに見立てられた表示遊技が実行される。かかる表示遊技においては、図13に一例を示すように、特別図柄表示装置310の表示領域には、一対の第1領域311とこれ以外の第2領域312が形成される。
各第1領域311は3つの升目からそれぞれ構成され、当該3つの升目は列あるいは行を成している。各第1領域311は各種図柄の可変表示が開始されるとともに、一対の第1領域311が互いに分離するようにして、これらの間の間隔が変位し、所定時間経過後に各図柄(識別情報)が1つずつ各第1領域311の升目に停止表示するように設定されている。
前記表示遊技の結果として、何れか一方の第1領域311に停止した3つの図柄が、例えば「777」等と同一に揃った場合が特定表示態様と定められている。かかる特定表示態様が確定する前に、最後の図柄を1つ除いた他の2つの図柄が停止したとき、当該2つの図柄が一致した状態がリーチ表示態様に該当する。
前記表示遊技の結果が最終的に特定表示態様に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が形成されるように設定されている。また前記表示遊技の結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は外れ表示態様に該当する。なお、表示遊技に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクターを模したものを用いてもよい。
特別図柄表示装置310の上側に一体に設けられている特別図柄保留LED420は、始動口21への球の入賞により確保された表示遊技の実行権のうち、未実行になっているものの数(保留数)を表示するものである。特別図柄保留LED420は全部で4個設けられており、この数に合わせて、未実行の表示遊技は一度に4回まで保留可能に設定されている。すなわち、保留数は4回が上限であり、それ以上については表示遊技の実行権は破棄される。特別図柄保留LED420は、その点灯個数を増減させて現時点の保留数を表示するようになっている。
大入賞口24は、一般にはアタッカーと称されるものであり、ソレノイド(大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135)等の駆動源の作動により、その入賞口が球の入賞し難い通常の第2状態(閉状態)と入賞容易な第1状態(開状態)とに変化し得るように構成されている。
大入賞口24は、前記表示遊技で特定表示態様となった際に、特別遊技状態を演出するように開閉制御される。ここで特別遊技状態とは、第1状態に所定時間維持された後、第2状態に短時間戻るという開閉動作が、所定ラウンド回数(例えば16回)を限度に繰り返し実行される状態である。なお、大入賞口24の内部は複数に仕切られており、その一部が特定入賞領域になっている。この特定入賞領域へ各ラウンドごとに球が入賞することが、次ラウンドに移行するための継続条件となっている。
大入賞口24の左右下側には、一対の普通図柄表示装置140,140が配設されている。各普通図柄表示装置140は、具体的には7セグメントLED表示器等から構成されている。各普通図柄表示装置140上では、表示内容が所定期間にわたって変動した後に1桁の数字が停止表示する普図遊技が展開される。
特別図柄表示装置310の左右に配された各普通図柄表示装置作動ゲートにおける右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが球の通過を検知することにより、それぞれ対応する左右の普通図柄表示装置140上で普図遊技が開始されるようになっている。
前記普図遊技の結果、例えば「7」または「3」等特定の数字が停止した場合が当たり態様となり、それ以外の数字は外れ態様と定められている。当たり態様が確定すると、前記始動口21の各可動片が一時的に開状態に変位する開閉動作が実行される。ここで各可動片の開き時間は、当たり態様の種類に応じて変化するように設定されている。
また、各普通図柄表示装置140の近傍に設けられている普通図柄保留LED421は、前記各普通図柄表示装置作動ゲートへの球の入賞により確保された普図遊技の実行権のうち、未実行になっているものの数(保留数)を表示するものである。普通図柄保留LED421は左右それぞれ2個ずつ設けられており、この数に合わせて未実行の普図遊技は、左右別々に一度に2回ずつまで保留可能に設定されている。普通図柄保留LED421は、その点灯個数を増減させて現時点の保留数を表示するようになっている。
次に遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図5及び図6は、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板及びそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図5、図6には、制御基板として、主基板(遊技制御基板ともいう)100、払出制御基板200、表示制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500、発射制御基板600、電源基板700が示されている。
最初に、図6に示す主基板100について説明する。
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。またクロック回路108が生成したクロックを内部タイマー107で分周して得た一定時間間隔の割込み信号をCPU102に入力することで、一定時間毎に当該CPU102をリセットする。CPU102は、リセット間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理をリセット毎に実行することで一連の動作を遂行する。
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126b、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落し入賞口スイッチ123a、左落し入賞口スイッチ123bは、それぞれ球の入賞を検知するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、ゲート回路110に供給される。
役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125、左賞球検出スイッチ130a、右賞球検出スイッチ130b、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバフロースイッチ133からの各入力信号は、ゲート回路111に供給される。
ゲート回路110、111のアドレスは、CPU102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU102が出力するアドレス信号及びライト/リードの制御信号を、CPU102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
このチップセレクト信号にてゲート回路110、111がセレクトされると、始動口スイッチ121等からの各入力信号がゲート回路を通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割込み信号によって、次にリセットされるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域に記憶される。
始動口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落し入賞口スイッチ123a、左落し入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定されたRAM領域に記憶される。またこれと同時に、各入賞口毎の賞球総数がCPU102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。
その他、始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値がセットされ、これらの値がRAM領域に記憶される。このデータを基にして、遊技機本体1の遊技状態が設定され各制御基板にデータが出力される。それぞれの乱数値はCPU102により生成され、CPU102を含むワンチップマイコン101は、遊技機本体1の遊技状態を設定する遊技状態決定手段になっている。
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路112a〜112gに出力される。出力用のラッチ回路とCPU102とを結ぶデータバスの途中にバッファ114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動口スイッチ5個賞球RAM領域、左右袖入賞口スイッチ、左右落し入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、役物連続作動装置スイッチ、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路112aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路112eに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路112a、ラッチ回路112eに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路112aに、割込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路112eにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板に賞球データとして出力される。
図7に示す払出制御基板200は、球排出機構を制御して、賞球データに対応した数の賞球排出を行うものである。排出した賞球の検知を、左賞球検出スイッチ130a、右賞球検出スイッチ130bで行い、その検出信号がゲート回路211に出力される。チップセレクト信号がアドレスデコード回路213からゲート回路211に出力されることにより、左賞球検出スイッチ130a、右賞球検出スイッチ130bの出力する検知信号がデータバス上に出力されCPU102に取り込まれる。
これらの検出信号に基づいて、実際に払い出した賞球総数がCPU102で演算処理され、その値がRAM領域の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また排出賞球数の設定数ごとに出力信号がラッチ回路112fに出力され、アドレスデコード回路113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力される。
入賞始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これに基づいてCPU102で遊技演出の種類が決定され、遊技状態演出データが生成されてRAM領域に記憶される。
可変表示制御手段である表示制御基板300へは、第1領域311および第2領域312に表示すべき表示演出データ(遊技状態演出データ)が出力される。すなわち、CPU102から8ビット認識コード、表示状態演出8ビットデータが、データバスを通じてラッチ回路112bに順次出力されると、これらと同調するように表示制御基板300への割り込み信号、各ストローブ信号の2ビット制御信号がラッチ回路112eへ出力される。
これらの信号は、メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113からデコードされて出力されるチップセレクト信号に基づくタイミングで、順次ラッチ回路にラッチされてパラレル出力され、時系列に第1領域311に可変表示すべきデータ、第1領域311を変位表示すべきデータおよび第2領域312に表示すべきデータが表示演出データとして、表示制御基板300に順次出力される。
表示演出データに同調して、8ビットパラレルランプ表示出力データと制御信号が、ランプ制御基板400にラッチ回路112cを通じて出力される。また、表示演出データに同調して、8ビットパラレル音源出力データと制御信号が音声制御基板500にラッチ回路112dを通じて出力される。すなわち、各データがデータバスに出力されるタイミングに同調してアドレスデコード回路からチップセレクト信号が出力され、ラッチ回路112c、112dにデータバス上のデータがラッチされて、ランプ制御基板400等に出力される。
遊技状態が特別遊技状態(大当たり)の場合、遊技状態演出データに同調して大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路112gに出力され、かつアドレスデコード回路113からのチップセレクト信号がラッチ回路112gに入力される。これによりラッチ回路112gから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力され、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態になって球を大入賞口24に誘導可能となる。
大入賞口24内部の特定領域に配置された役物連続作動装置スイッチ124が球を検知すると球検知信号が出力され、この信号がゲート回路111を介してデータバスに出力されCPU102に取り込まれる。役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づく検出処理の結果、方向切換ソレノイド135の制御データがラッチ回路112gに出力され、方向切換ソレノイド135が制動される。同時に役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づき、大当たり状態を次回のラウンドへ継続するか否かを示すラウンド継続データがRAM領域に記憶される。
方向切換ソレノイド135が制動されることにより、大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125で球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達するとラッチ回路112gの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135が非能動状態になり、1回の大当たりラウンドが終了する。所定時間後、ラウンド継続データがラウンドの継続を示している場合には、上述した制御方法により大当たり状態ラウンドがさらに継続する。
右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値が取得される。この乱数値に基づいて、普通図柄表示装置140(普通図柄LED1、普通図柄LED2)の表示制御データが生成され、これがCPU102からデータバスを通じてラッチ回路112gに出力される。そしてアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力されるごとに普通図柄LED表示が一定時間行われる。
乱数値の取得結果が当たりの場合には、普通電動役物ソレノイド136の制動データがCPU102からラッチ回路112gに出力されるとともに、アドレスデコード回路113からのチップセレクト信号に応じてラッチ回路112gから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。この為、遊技盤2において球が始動口21に入賞しやすい状態が発生する。
主基板100に電源が供給されると、電源基板700よりリセット信号が供給され主基板100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化するとクロック同期、遅延回路109による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン101が稼動状態になり、主基板100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700から停電検出信号がワンチップマイコン101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)105に供給され、ワンチップマイコン101において各記憶領域の退避動作が行われる。
具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下する事で、電源基板700からRAM104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給されたとき、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU102はI/Oポート106のデータを検出してRAM領域の初期化を行う。
シュート球切れスイッチ131で球切れを検知した信号及びオーバフロースイッチ133で遊技盤面の下皿にて賞球の球詰まりを検出した信号は、ゲート回路111及びデータバスを通じてワンチップマイコン101に取り込まれる。これらの信号は、データ変換後、ラッチ回路112aから賞球出力データと同じ構成にて払出制御基板200へ出力される。該ラッチ回路112a〜112gの出力は、一方向であり、不可逆性の出力形態をとる。
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。また内部タイマー107は、分周動作により一定時間間隔で割込み信号をCPU102に発生する。CPU102は、当該割り込み信号が入力される一定時間毎に各種処理を行うようになっている。
次に、図7に示す払出制御基板200について説明する。
払出制御基板200は、主基板100から受信のみの一方向通信を行い、8ビットパラレル賞球データ、賞球データ制御信号1、賞球データ制御信号2で構成された通信データを受信する。
賞球データ制御信号1が、ワンチップマイコン201のカウンタ回路202に入力されると、当該カウンタ回路202からCPU203に割り込み信号が出力される。これにより、賞球データ制御信号1は、CPU203に対して賞球データの取り込みをトリガーとする。
CPU203は、アドレスデコード回路213を通じてチップセレクト信号をゲート回路212、ゲート回路211に出力し、ゲート回路212、211に入力されている賞球データや各種の信号をゲート回路及びデータバスを介して取り込み、RAM205に保存する。そして、取り込んだ賞球データに対応する賞球数で順次、払出動作を行う。
CPU203は、賞球経路切り替え信号をデータバスを通じてラッチ回路215に出力し、これと同時にアドレスデコード回路213からチップセレクト信号を出力させる。これにより賞球経路切り替え信号がソレノイド224に出力され、払出動作の賞球経路確保が行われる。その後、ラッチ回路214に払出停止ソレノイド信号の停止解除信号を出力し、払出モータ222に払出モータ制御信号1,2,3,4を順次出力し、チップセレクト信号の出力タイミングによりモータ回転の制御をしながら賞球払出動作を行う。
クロック回路209のクロックを基準に、内部タイマー208で一定時間間隔の割込み信号をCPU203に対して生成し、この割込みタイミングで賞球払出球の検出信号をデータバスに取り込み、所定の賞球数を検出したとき、払出停止ソレノイド223、払出モータ222の駆動を停止する。なお、賞球払出球の検出は、球貸し経路に設置された右賞球検出スイッチ130b、左賞球検出スイッチ130aで行われ、これらの検出信号はゲート回路211にチップセレクト信号を出力することでデータバスに取り込まれる。
球貸し動作は、カードユニット(CR球貸機)bとの間で球貸し信号を、ゲート回路211、ラッチ回路215を通して送受信することにより行われる。球貸し動作時、CPU203はラッチ回路215を通して球貸し経路切り替え信号を経路切り替えソレノイド224に出力して球貸し経路を確保し、球貸し経路に設置された右貸し球検出スイッチ220a、左貸し球検出スイッチ220bで貸し球の検出を行い、払出動作を行う。
球貸し動作において、一定数ごとにラッチ回路215から外部へ情報出力される。また、球貸し信号の送受信が正常な状態において、ラッチ回路215から、発射制御基板600に対して発射許可信号が能動状態で出力される。また球貸し信号の送受信に異常が発生すると、発射許可信号は非能動状態に変化し、球発射不可能な状態になる。しかし、球貸し信号の送受信が正常な状態に復帰することで、発射可能となる。
その他、払出動作においては、主基板100から、賞球データにシュート球切れスイッチ131のシュート球切れ信号、及び遊技機本体1の下受け皿4の近傍に設置されたオーバフロースイッチ133のオーバフロー検出信号が検出されると、払出制御基板200は払出動作を停止する。また賞球データに各解除信号が送信されることにより払出動作を再開する。
払出制御基板200に電源が供給されると、電源基板700よりシステムリセット信号が供給され、払出制御基板200の各デバイスはリセット状態になる。その後、リセット信号が非能動状態で、各デバイスは能動状態に遷移する。
クロック同期・遅延回路210の遅延処理により、ワンチップマイコン201へのリセット信号は、元のリセット信号が非能動状態に信号変化してから一定時間の経過後に非能動になる。こうして元のリセット信号が非能動状態になってから一定時間の経過後に、ワンチップマイコン201は稼動状態になり、払出制御基板200の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン201の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700からワンチップマイコン201のNMI(ノンマスカブルインターラプト)206に停電検出信号が供給され、ワンチップマイコン201において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM205の保護を行う。
電源電圧が低下する場合は、電源基板700からRAM205にバックアップ電源としてDC5VBBが供給され、RAM205の記憶状態が保持される。再度電源供給がされたとき、停電処理判定のデータの存在を認識することで、ワンチップマイコン201は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU203はI/Oポート207のデータを検出して、RAM領域の初期化を行う。
次に、図8に示す表示制御基板300について説明する。
表示制御基板300は、主に遊技盤2上に設置された特別図柄表示装置(可変表示装置)310の制御を行う。表示制御基板300は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを記憶している表示器制御ROM302と、所定の画像処理手順を読み取り実行する表示器制御CPU301を有している。
また表示制御基板300は、前記表示器制御CPU301によって画像処理手順を実行することで取得した情報を記憶するための表示器制御RAM303と、主基板100からの指示情報や表示制御基板内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース306と、表示器制御CPU301によって、入出力インターフェース306を介して制御指示情報を取得し、具体的な画像を生成する画像制御IC304を有している。
さらに表示制御基板300は、画像制御IC304に管理され、多種多様な画像をデータ化し記憶している画像データROM305と、表示器制御CPU301が正常に動作し画像が表示されていることを確認するための信号を外部に出力するための試射試験端子307等を有している。
表示器制御CPU301には、入出力インターフェース306を介して、主基板100からパラレル通信によって指示情報が入力される。表示器制御CPU301は、入力された指示情報の内容を、表示器制御ROM302に記憶されている画像処理手順に従って実行し、表示器制御RAM303に情報を整理して格納しながら、画像制御IC304へ具体的な指示を行う。
画像制御IC304は、表示器制御CPU301の指示に従い、画像データROM305を参照して、具体的な映像信号を生成し、表示装置へ出力する。図8のブロック図では、画像制御IC304が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶しておく領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC304の内部にVRAMを内蔵したワンチップマイコンで構成してもよい。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700から表示器制御CPU301に入力される。その後、表示器制御CPU301は、表示器制御ROM302に記憶されている画像制御手順に従って、表示制御基板300内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図9に示すランプ制御基板400について説明する。
ランプ制御基板400は、遊技機本体1の前面や遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422、サイドケースランプ423、各種LED424〜428,420,421等の点灯制御を行うものである。
ランプ制御基板400は、所定のランプ制御処理手順(プログラム)や制御データを記憶しているランプ制御ROM402と、所定のランプ制御処理手順を読み取り実行するランプ制御CPU401と、ランプ制御CPU401によってランプ制御処理手順を実行することで取得した情報を記憶するランプ制御RAM403と、主基板100からの指示情報やランプ制御基板400内の各制御回路等と入出力を行うための入出力インターフェース404と、ランプ制御CPU401によって入出力インターフェースを介してランプ制御基板400と接続している各ランプ・LEDの点灯信号を、駆動させるためのドライバー回路405等で構成されている。
ランプ制御CPU401には、入出力インターフェース404を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。ランプ制御CPU401は、入力された指示情報の内容をランプ制御ROM402に記憶されているランプ制御処理手順に従って実行し、ランプ制御RAM403に情報を整理して格納しながら、ドライバー回路405を動作させ、接続されている各ランプ・LEDの点灯・消灯を行う。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からランプ制御CPU401に入力される。そして、ランプ制御CPU401は、ランプ制御ROM402に記憶されている制御手順に従って、ランプ制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図10に示す音声制御基板500について説明する。
音声制御基板500は、遊技機本体1が遊技状態にある時、ゲーム演出による効果音や音声等の制御を行うものである。また、遊技状態でない場合は、遊技機本体1の異常状態を知らせるための警告音等の制御を行う。
音声制御基板500は、所定の音声処理手順(プログラム)や制御データを記憶している音声制御ROM502と、所定の音声制御手順を読み取り実行する音声制御CPU501と、音声制御CPU501により音声処理手順を実行して取得した情報を記憶する音声制御RAM503と、主基板100からの指示情報や音声制御基板500内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース506と、音声制御CPU501により入出力インターフェースを介し制御指示情報を取得して具体的な音声を生成する音声制御IC504と、音声制御IC504に管理され、多種多様な音声をデータ化し記憶している音声データROM505と、音声制御IC501から生成された音声信号を増幅するアンプ回路507から構成される。
音声制御CPU501は、入出力インターフェース506を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。音声制御CPU501は、入力された指示情報の内容を音声制御ROM502に記憶されている音声制御手順に従って実行し、音声制御RAM503に情報を整理して格納しながら、音声制御IC504へ具体的な指示を行う。
音声制御IC504は、音声制御CPU501の指示に従い、音声データROM505を参照し、具体的な音声の信号を生成しアンプ回路507へ出力する。電源基板からのリセット信号は、パチンコ機に電源が投入されると、該電源基板700から音声制御CPU501に入力され、音声制御CPU501は音声制御ROM503に記憶されている音声制御手順に従い、音声制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図11に示す発射制御基板600について説明する。
発射制御基板600は、発射モータ653に使用されているパルスモータの回転数を、所定の回転数にするためのパルスを生成する回路である発振回路601と、分周回路602と、ハンドル部650内のタッチセンサ651からの信号、ストップスイッチ652からの信号、電源基板700からのリセット信号、そして、前記払出制御基板200からの発射許可信号を判断し、発射モータ駆動信号を生成するモータ駆動信号制御回路603と、パルスモータ(発射モータ653)の各コイルに励磁させるためのドライバー回路604等とから構成されている。
前記ハンドル部650は、遊技者がハンドル5に触れているか否かを検出するタッチセンサ651、遊技者が任意に球の発射を停止できるようにするストップスイッチ652、球を発射させるためのパルスモータ653(発射モータ)等で構成されている。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からモータ駆動信号制御回路603へ入力され、発射制御基板600の各回路を初期化する。
ハンドル部650内のタッチセンサ651は、遊技者がハンドル5に触れている状態であれば発射が可能であるとみなす信号を出力し、遊技者がハンドル5に触れていない状態であれば、発射が不可能であるとみなす信号をモータ駆動信号制御回路603にそれぞれ出力する。
ストップスイッチ652は、遊技者が任意に球の発射を停止することができるように設けたスイッチであり、遊技者によりストップスイッチ652の操作がされた場合に、モータ駆動信号制御回路603に球の発射停止信号を出力し、ストップスイッチ652の入力がない場合に、球の発射信号を出力する。
また、ストップスイッチ652は、遊技者から何らストップスイッチ652に対し操作がなく、ハンドル5を回転させた状態にない場合には、ストップスイッチ652から入力がされた状態と同じ信号を出力する。すなわち、ハンドル5内部の構造上、ハンドル5が回転していない状態ではストップスイッチ652からの信号が入力されている状態になるようになっている。つまり、遊技機本体1に電源が投入され、前記リセット信号がモータ駆動信号制御回路603に入力され、各回路の初期化が行われた後、遊技者がハンドル5に触れて回転させた状態になって初めて球が発射される。
次に、図12に示す電源基板700について説明する。
外部から供給されるAC24Vをダイオードブリッジ整流器で全波整流を行い、直流電源DC24Vを生成する。DC24V電源にダイオードを通してコンデンサーで平滑を行い、DC32V電源を生成する。DC24V、DC32Vは非安定電源である。
DC24Vを電源回路701に供給して、安定電源DC18V、DC12V、DC5Vの定電圧電源が生成され、前記主基板100、前記払出制御基板200、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500、前記表示制御基板300、前記発射制御基板600に供給される。
生成されたDC5Vの定電圧電源を、ダイオードを通してバックアップ回路702のコンデンサーに接続して、DC5VBBのバックアップ電源を生成し、DC5VBBが主基板100、前記払出制御基板200に供給される。前記AC24Vはカードユニット接続基板900に供給され、前記払出制御基板200とカードユニットbの通信用電源、操作パネル基板aの電源に使用される。
DC24V電源の電圧レベルを電圧検出回路708で検出して遅延回路707に出力する。遅延回路707は内部時定数500ミリsecの遅延時間をもち、電圧検出回路708の連続出力時間が遅延回路707の時定数より大きくないと遅延回路707は出力信号を出力しない。この為、DC24V電源の電圧レベルが遅延回路707の時定数より小さい時間の電圧変動及び電源停止は無視され停電検出信号は電源基板より外部に出力されない。
遅延回路707に時定数より大きな入力信号があると、遅延回路707は停電検出信号を前記主基板100、前記払出制御基板200、シフトレジスタ704のシリアル入力端子に出力する。8ビットシフトレジスタ704は、クロック回路706より周期20ミリsecのクロックが常時入力されている。
ここで8ビットのデータ入力端子はゼロに固定している。この為、停電検出信号が8ビットシフトレジスタ704に入力すると、8クロック(約160ミリsec)後8ビットシフトレジスタ704からリセット信号が前記主基板100、前記払出制御基板200、前記発射制御基板600、前記表示制御基板300、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500に出力される。
電源立ち上げ時及び停電復帰後、周辺回路電源立ち上げ時より遅延回路707の時定数の時間、停電検出信号及びリセット信号は能動状態で出力している。遅延回路707の時定数の時間後、停電検出信号は非能動状態になり、リセット信号は、8ビットシフトレジスタ704の8クロック後非能動状態で出力される。RAM初期化信号は、RAM初期化スイッチ705を手動で押すことにより能動状態で前記主基板100、前記払出制御基板200に出力される。
次に、遊技機本体1の作用について説明する。
図1において、遊技者はハンドル5を回転操作することにより遊技盤2上に球を打ち出し、打球の各種入賞口等への入賞を競い楽しむ。かかる遊技中において、特別図柄表示装置310上で展開される表示遊技の実行権は次のようにして確保される。
始動口50に球が入賞すると、現時点における表示遊技の実行権の保留数が、その上限の4回に達しているか否かが判別され、既に保留数が上限に達しているときは、今回の入賞に基づく表示遊技の実行権は確保されない。一方、前記保留数が上限に達していない時は、現時点の保留数に「1」を加算して実行権を確保(保留)する。
また、確保された実行権に基づいて行われる表示遊技の最終的な実行結果の表示態様を定めるための乱数抽選を行い、抽出した乱数値が特別遊技状態に対応するものか否かを判定し、表示遊技の実行結果の表示態様等を定める。より具体的には、表示遊技の制御パターンや予告報知を行うか否かおよび予告報知の種類、最終的に第1領域311に表示する識別情報等を定めてメモリに保存する。
詳しく言えば、前記主基板100により実行された乱数抽選の結果を、大当たり(特定の表示態様)と、リーチ外れと、外れの3種類に分類する。また制御パターンとして、複数種類のバリエーションを用意し、大当たりの場合における制御パターンの優先順位と、リーチ外れの場合における制御パターンの優先順位と、外れの場合における制御パターンの優先順位を予め定め、これらを表示制御基板300に登録しておく。
また、表示遊技の制御パターンとは別に、表示演出データとしての予告報知に関する予告パターンとして、例えば、前記一対の第1領域311を互いに分離させる間隔を変動させた後、分離表示停止する時の間隔の広狭も予め複数通り定めて、これらも登録しておく。各制御パターンに基づく表示遊技は、表示制御基板300の機能から成る可変表示制御手段により制御される。
前記乱数抽選の結果が大当たりとなった場合に、その旨を表示結果が確定する前に、前記一対の第1領域311を互いに分離させる表示に関連して、具体的には前記一対の第1領域311を互いに分離させる間隔を変動させた後、分離表示停止するという態様の予告報知が実行される。かかる予告報知は、表示制御基板300の機能から成る予告報知手段により制御される。
また、本実施の形態では、前記表示結果が特定の表示態様となる場合に、該特定の表示態様が確定する前にその旨を前記予告報知手段により予告報知するか否かが選択決定される。かかる選択決定は、前記主基板100の機能の一つである選択決定手段により実行された乱数抽選によって決められる。
ここでの乱数抽選は、前記大当たりであるか否かを定める乱数抽選とは別に実行されるものである。また、前記予告報知手段は、前記表示結果が特定の表示態様とならない場合であっても、前記特定の表示態様となる旨の予告報知を行う場合があり得るように設定してもよい。
さらに、前記予告報知としての一対の第1領域311が分離表示停止した際の間隔の広狭に応じて、前記特定の表示態様となる確率を異ならせるようにするには、予告報知を行うか否かを定めるに際して、予告報知の有無と予告パターンを決定する乱数抽選の値を判定するための判定テーブルの内容を、予め決定された大当たり、リーチ外れ、外れの各制御パターンに応じて適宜選定するようにすればよい。
具体的には、大当たりが出現することが決定されている場合には、そのことを期待させるある特定の予告パターンの出現確率が高く設定された判定テーブルを用いて乱数値を判定し、リーチ後外れが出現することが決定されている場合には、さらに別の予告パターンの出現確率が高く設定された判定テーブルを用いて乱数値を判定し、外れが出現することが決定されている場合には、何れの予告パターンの出現確率も低く設定された判定テーブルを用いて乱数値の判定を行う等である。
次に、保留されている実行権に基づいて表示遊技を実行する際の流れを説明する。表示遊技を実行していない状態で保留数を調べ、0でなければ保留数を「1」だけ減算するとともに特別図柄保留LED420のランプを1つ消灯する。そして、表示制御基板300のメモリに記憶しておいた表示遊技の実行結果や遊技の制御パターン、予告報知の有無および予告パターン等を表すデータを読み出し、これら読み出した情報に基づく表示データ等を可変表示制御手段へ送り、表示遊技を展開表示する。
図13は、大当たり(特定の表示態様)とその予告表示が出現する旨の決定がなされている場合に、特別図柄表示装置310に表示される表示態様と予告表示、および表示結果を示している。
主基板100における乱数抽選結果を表示制御基板300に出力し、乱数抽選結果による表示データに基づいて、特別図柄表示装置310の表示領域に上下一対の第1領域311が形成され、これら一対の第1領域311にそれぞれ識別情報が可変表示される(図13(a))。次に、各第1領域311の3つの升目に1つずつ識別情報が順次停止表示される(図13(b))。
一対の第1領域311の各升目には識別情報が可変表示された後、順次停止表示されるが、その表示途中で一対の第1領域311が互いに分離し、これらの間隔が広くなったり狭くなったりする変動が繰り返される。かかる変動が繰り返された後、一対の第1領域311は互いに所定の間隔で分離した状態で停止する。
このような斬新な表示により、遊技者を視覚的に十分に楽しませることができ、しかも、前記一対の第1領域311が互いに分離した状態で停止することは、大当たりとなることの予告報知となるため、遊技者の興趣をより一層と向上させることができる。
前記一対の第1領域311が互いに分離した状態で停止した予告報知の後、下側の第1領域311の3つの升目には、識別情報が「6、5、8」の如く停止表示されるが(図13(c))、上側の第1領域311の3つの升目では、停止表示された特定の識別情報が「2、2、2」の如く一致し、前記予告報知通り表示結果が特定の表示態様(大当たり)となる(図13(d))。
このようにして、表示結果が特定の表示態様になると、表示領域の上側の第1領域311以外の領域である第2領域312には、遊技機の遊技情報が「大当たり」、「R1」の如く表示される(図13(e))。「R1」はラウンド回数が1であることを示している。それにより、遊技終了後、大入賞口24が1回開閉する遊技状態である遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能になる。
一方、表示結果が特定の表示態様に制御される旨の決定がなされていない場合には、上側の第1領域311の3つの升目にも識別情報が「5、6、7」の如く揃わないで停止表示されることになる。また、第2領域312に遊技機の遊技情報が表示されることもない。
図13に示した例では、前記表示結果が特定の表示態様に確定する前に、前記一対の第1領域311が互いに分離した状態で停止されることにより、特定の表示態様が出現する旨の予告報知が行われているが、予告報知が行われない場合であっても、前記特定の表示態様となる場合もあり得る。それにより、予告報知が行われない場合には必ず特定の表示態様が発生しないと遊技者が思うことがなくなり、予告報知が行われない場合にその時点で遊技者が完全に失望してしまう事態を防止することができる。
逆に前記表示結果が特定の表示態様とならない場合であっても、前記予告報知手段の制御により、前記特定の表示態様となる旨の予告報知が行われる場合もある。そのため、決定された表示結果が特定の表示態様となる場合にのみ予告報知を行う場合と比べて、該予告報知が行われる頻度を増やすことができ、遊技者の期待感が高められる頻度を増すことも可能となる。
また、前記予告報知手段の更なる制御により、前記一対の第1領域を互いに分離させる表示に関連して、互いに異なる複数種類の予告報知を選択的に行うようにも設定されている。例えば図14に示す例では、図14(b)は、同図(c)に示したものよりも高い確率で大当たりの発生を示唆する予告報知の一例を示している。
ここで図14(b)に示す場合には、一対の第1領域311が互いに分離停止したときの間隔、すなわち第2領域312の縦幅が同図(c)に示したものよりも広くなっている。かかる例では、上下に分離する第1領域311同士の間隔の広さにより、前記特定の表示態様となる確率の高さを表すようになっている。
さらに図15は、特別図柄表示装置310上で展開される表示遊技の流れの別の例を示している。前述した図13,図14の例では、一対の第1領域311を上下の2箇所に設けたが、図15に示すように左右の2箇所であってもよい。
表示遊技が開始すると、図15(a)に示すように、左右の第1領域311において識別情報が変動し、しばらくすると、いずれかの升目から順に、一つずつ識別情報が停止表示される(同図(b))。予告報知を行わない場合には、本図に示すように、第2領域312には、何も表示されないまま、最後まで表示遊技が進行し、最終結果が表示された際に、その結果に対応するメッセージ等が第2領域312に表示される(同図(c))。
例えば、リーチを経由して外れになった場合には、「おしい!!」とか「残念ね!、今度こそ!」等のメッセージを表示し、大当たりが出た場合には「おめでとう!」をまた確率変動状態に入った場合には「おめでとう、確変よ!」などのメッセージを表示する等である。なお、最終結果に対応するメッセージは必ずしも表示しなくてもよい。
予告報知が行われる場合には、選択された態様およびその態様に応じたタイミングで予告報知が行われる。例えば、図16に示すものでは、右の第1領域311に、外れ表示態様が確定し、左の第1領域311のうちの一つの升目に「2」が停止表示された段階で「当たりになりそうよ」というメッセージ及びイメージ画(特別識別情報)が予告報知として第2領域312に表示されている。この後、「222」と揃って本当に大当たりになるか否かは、ゲームの進行状況等に依存し、予告報知どおりに表示遊技が進行するとは限らない。
図17は、図16に示したものよりも高い確率で大当たりの発生を予告報知する際の表示態様の一例を示している。図17の場合には、左右の第1領域311同士の間、すなわち第2領域312の幅が図16に示したものよりも広くなっており、この第2領域312に、「当たりが近いぜ」というメッセージ及び2つのイメージ画(特別識別情報)が予告報知として表示されている。図16,図17に示す例では、第2領域312に表示されるメッセージ及びイメージ画(特別識別情報)の種類により、前記特定の表示態様となる確率の高さを表すようになっている。
なお、実施の形態では識別情報として数字の図柄を用いたが、各種の文字や記号あるいは動物や植物などの絵柄等を識別情報として用いてもよい。また、上記の実施の形態では、本発明をパチンコ遊技機について説明したが、プログラム制御される、スマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった遊技機にも同様に本発明を適用することができる。このような各場合においても、上記実施の形態と同様な効果が奏される。